JP3784311B2 - 試料分析装置とその装置に用いる液体混合用容器 - Google Patents

試料分析装置とその装置に用いる液体混合用容器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は血液や尿などの試料を分析する試料分析装置とその装置に用いる液体混合用容器に関し、とくに、小形で汎用性に富む試料分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この発明に関連する従来技術としては、次のようなものが知られている。
反応テーブルの円周を複数に均等分割した形状の反応容器ディスクと、反応容器ディスクに保持された複数個の反応容器と、各反応容器をサンプル分注装置、試薬分中位置及び光学測定位置まで移送する手段と、所要量のサンプルを吸引し反応容器に分注する手段と、上記反応容器内の試料を光学的に測定する手段から構成された小型自動分析装置(例えば、特開平11−94842号公報参照)。
【0003】
開放された検体容器に対して第1のモータの力でピペットを移動させ、密閉された検体容器に対して第2のモータの力でピペットを移動させるようにした液体吸引装置(例えば特開2000−74927号公報参照)。
【0004】
長手方向に圧縮・膨張可能な中空の洗浄室と、洗浄室の膨張時に洗浄室内に収容され洗浄室の圧縮時に洗浄室から突出するピペットと、洗浄室を膨張した状態にロックするロック装置からなる組立体(例えば特開平5−509170号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来、試料分析装置、例えば血液分析を行う自動分析装置は種々提案されているが、近年の多くの血液分析装置にあっては、多数の検体を短時間で処理するために装置が大型化・高速化されており、しかも、操作が複雑であることから専門の作業者を常設しておかなければならず、それほど多くの血液検査を必要としない地域病院や個人病院では、専門血液検査センターに血液検査を依頼しているのが現状である。このため緊急性を必要とする場合には、すぐに検査結果が得られないという問題を有し、より小型で操作も簡単で汎用性の高い血液分析装置の出現が要望されてきた。この要望は血液分析装置に限らず、例えば尿分析装置についても同様の要望がある。
【0006】
この発明はこのような事情を考慮してなされたもので、試料分析装置において、分析精度を高く維持しながら医師や看護婦によって使用できる程度に取り扱いを簡略化し、診断・治療の現場へ容易に運搬できるように小型・軽量化し、かつ、騒音を抑制して静音化すると共に保守・点検の安全と容易化をはかることを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記課題の少なくとも1つを解決するために、ピペットと、所定位置に存在し、底部に液体を排出するための排出口を備える液体混合用容器と、ピペットに試料を吸引させ液体混合用容器に供給する試料供給部と、液体混合用容器に希釈液を供給する希釈液供給部と、希釈された試料を分析する試料分析部と、排出口を介して液体混合容器に収容された液体を排出する液体排出部とからなり、液体混合用容器は耐薬品性樹脂で形成され、かつ、内壁が粗面化されたことを特徴とする試料分析装置を提供するものである。
試料供給部とは、ピペットを他の所定位置に存在する検体容器まで移動させて検体容器中の試料を吸引させた後、ピペットを液体混合容器まで移動させて試料を吐出させるピペット駆動装置であってもよい。また、液体混合用容器に陰圧を印加して液体混合容器内に試料を吸引する陰圧供給部でもよい。この場合、液体混合用容器に供給される試料はサンプリングバルブ等の定量部で定量されていることが好ましい。
【0008】
耐薬品性樹脂によって形成された容器は、内壁面が滑らかで撥水性が高い、つまり、ぬれ性が低い。従って、開放容器に供給される希釈液が内壁を伝わって容器底部の試料と混合されるとき、希釈液が内壁に水滴となって残留し、試料へ混入される希釈液がその分だけ不足するため、精度よく希釈できない。そのため、試料の分析精度が低下するという問題が生じる。
【0009】
一般に、樹脂表面のぬれ性は、表面の化学組成、表面に出ている官能基の種類と数、酸又は塩基としての性質、表面の結晶性、表面粗さなどに関係する。
【0010】
そこで、この発明では、容器内壁を粗面化することにより、そのぬれ性が向上することを見出した。つまり、容器内壁の表面を粗くすることにより、供給される希釈液が内壁面に残留することなく試料と混合し、希釈精度の高い希釈試料を得ることができ、分析精度を向上させることが可能となる。
【0011】
この発明においては、表面粗さとぬれ性との関係を実験的に検討した結果、算術平均粗さRaが0.16μm以上であれば希釈精度に影響しない程度のぬれ性が得られることが見出された。また、Raの上限値も0.65μm程度が好ましいことも見出された。
【0012】
容器内壁を粗面化する加工は、例えば、次のようにして行われる。つまり、ボール盤のチャックに容器の内径より小さい外径の丸棒を装着し、その丸棒の先端側面にスポンジで裏打ちした紙やすりを外径が容器内径より若干大きくなるように巻き付ける。
【0013】
そして、丸棒を回転させながらその先端を徐々に容器内へ挿入して容器内壁を紙やすりで粗面化する。紙やすりとしては、例えば#400〜#1500のものを用いることができる。また、上記紙やすりの代わりに、スポンジ付きバフ(住友スリーエム株式会社製,型式320番)を用いてもよい。
【0014】
ここで、Raとは、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線の方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに、次の式によって求められる値をマイクロメートル(μm)で表したものをいう(JISB0601参照)。
【数1】
Figure 0003784311
【0015】
なお、粗さ曲線とは、断面曲線から、所定の波長より長い表面うねり成分を位相補償形高域フィルタで除去した曲線であり、断面曲線とは、対象面に直角な平面で対象面を切断したときに、その切り口に現れる輪郭である。
【0016】
また、この発明の液体混合用容器は、耐薬品性の熱可塑性樹脂を用いて射出成型により形成されるが、その材料としては、次のものを挙げることができる。
アクリル・アクリロニトリル・スチレン樹脂
アクリル・アクリロニトリル・スチレン/ポリアミドアロイ
アクリル・アクリロニトリル・スチレン/ポリカーボネートアロイ
【0017】
アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂
アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン/アロイ
アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン/ポリ塩化ビニルアロイ
アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン/ポリアミドアロイ
アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン/ポリブチレンテレフタレートアロイ
アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン/メタクリル樹脂アロイ
アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン/ポリカーボネートアロイ
アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン/マレイミド・スチレン樹脂アロイ
変性アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂
アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン樹脂
アクリロニトリル・エチレンプロピレンゴム・スチレン樹脂
アクリロニトリル樹脂
アクリロニトリル・スチレン樹脂
【0018】
塩素化ポリエチレン
エチレン・ビニルアルコール樹脂
結晶ポリマー
スチレン・ブタジエン樹脂
スチレン・マレイン酸樹脂
生分解性樹脂(酢酸セルロース系)
生分解性樹脂(高分子量熱可塑性ポリカプロラクトン)
【0019】
ポリ三ふっ化塩化エチレン
四ふっ化エチレン・エチレン樹脂
四ふっ化エチレン・六ふっ化プロピレン樹脂
非結晶フッ素樹脂
四ふっ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン樹脂
ポリ四ふっ化エチレン
ポリふっ化ビニリデン
変性ポリ四ふっ化エチレン
四ふっ化エチレン・六ふっ化プロピレン/ふっ化ビニリデンアロイ
四ふっ化エチレン/ポリプロピレンアロイ
【0020】
ポリアミド11
ポリアミド12
ポリアミド40
ポリアミド・アクリルニトリル・ブタジエン・スチレンアロイ
ポリアミド・マレイミド・スチレン樹脂アロイ
ポリアミド・ポリプロピレンアロイ
ポリアミド6
ポリアミド6/非結晶ポリオレフィンアロイ
ポリアミド6/特殊ゴムアロイ
ポリアミド6.66
ポリアミド610
ポリアミド66
変性ポリアミド66
ポリアミド66/熱可塑性プラスチックエラストマーアロイ
ポリアミド6T
非晶質ポリアミド
ポリアミドMXD6
【0021】
ポリアリエーテルケトン
ポリアミドイミド
ポリアリレート
ポリアリルサルホン
熱可塑性ポリイミド
ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート
高密度ポリエチレン
低密度ポリエチレン
超高分子量ポリエチレン
ポリエーテルエーテルケトン
ポリエーテルイミド
ポリエチレンナフタレート
ポリエーテルニトリル
ポリエーテルサルホン
ポリエチレンテレフタレート
【0022】
ポリ塩化ビニル
変性ポリ塩化ビニル
ポリ塩化ビニル/アクリロニトリル・ブタジエンアロイ
ポリベンゾイミダゾール
ポリブチレンテレフタレート
ポリブチレンテレフタレート・アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンアロイ
ポリメチルメタクリルイミド
ポリメチルペンテン
【0023】
ポリカーボネート
ポリカーボネート・アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンアロイ
ポリカーボネート・ポリイミドアロイ
ポリカーボネート・ポリエチレンテレフタレートアロイ
非晶質ポリオレフィン
ポリアセタール
ポリプロピレン
ポリプロピレン・ポリアミドアロイ
ポリフタルアミド
ポリサルホン
【0024】
変性ポリフェニレンエーテル
変性ポリフェニレンエーテル/ポリアミドアロイ
変性ポリフェニレンエーテル/ポリブチレンテレフタレートアロイ
変性ポリフェニレンエーテル/ポリフェニレンサルファイドアロイ
変性ポリフェニレンエーテル/特殊ゴムアロイ
ポリフェニレンサルファイド
ポリフェニレンサルファイド/ポリアミド66アロイ
汎用ポリスチレン
高衝撃ポリスチレン
中衝撃ポリスチレン
変性ポリスチレン
シンジオタクティックポリスチレン
ポリチオエーテルサルホン
マレイミド・スチレン樹脂
マレイミド・スチレン/ポリアミドアロイ
メタクリル・スチレン樹脂
メタクリル樹脂
変性メタクリル樹脂
【0025】
また、この発明は、円筒状の内壁を有し、内壁の円周に沿って液体を外部から注入する注液口を上端近傍に備え、耐薬品性樹脂で形成され、かつ、内壁が粗面化されたことを特徴とする液体混合用容器を提供するものである。
【0026】
この容器は上部が開放され、耐薬品性の樹脂を射出成型することにより形成されてもよい。
この容器では、内壁は、算術平均粗さRaが0.16μm以上の表面粗さを有することが好ましい。
内壁は、算術平均粗さRaが、0.16μm≦Ra≦0.65μmの範囲にある表面粗さを有することがさらに好ましい。
耐薬品性樹脂がポリエーテルイミドからなるものであってもよい。
また、この容器は、底部に液体を排出する排液口をさらに備えてもよいし、底部に気体を注入する注気口をさらに備えてもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、試料分析装置の一例として血液分析装置について説明する。
この発明に係る血液分析装置は自動化されることが好ましい。ここで「自動」とは、使用者が1本の検体容器を装置にセットすれば、その後は全て自動的に検体容器の血液試料の成分が検出され、分析項目の値が算出され、算出結果が出力されることをいう。
この発明の自動血液分析装置は、ヒトを含む哺乳動物の血液をその分析対象とする。
その分析(測定・解析)項目としては、ヒトの血液の場合には、赤血球数(RBC),白血球数(WBC),ヘモグロビン量(HGB),ヘマトクリット値(HCT)、血小板数(PLT)をはじめ、平均赤血球容積(MCV),平均赤血球血色素量(MCH)および平均赤血球色素濃度(MCHC)などが挙げられる。
【0028】
また、使用する測定原理としては、RBCとPLTの測定にはシースフロー電気抵抗方式、WBCの測定には電気抵抗方式、HGBの測定には比色法を用いることが好ましい。分析対象の血液試料は被験者から採血して検体容器(採血管)に収容されるが、その場合全血であってもよいし、予め所定濃度に希釈されたものであってもよい。
とくに、小児から採取する場合には、採取量が少ないため予め規定濃度、例えば26倍に希釈される。
【0029】
この血液分析装置に使用可能な検体容器(採血管)としては、一般的によく用いられる外径12〜15mm,全長85mm以下の真空採血管(口がゴムキャップで封止されたもの)およびオープン採血管(口が開放されたもの)や外径9〜11mmの各種微量採血管などが挙げられる。
また、必要とする血液試料の量としては、例えば、全血試料の場合10〜15μL,希釈試料の場合15〜30μLである。
【0030】
この血液分析装置は本体と容器収納ユニットから構成でき、本体はハウジングに収容し、容器収納ユニットはハウジングの側面に取りはずし可能に装着することが好ましい。本体はハウジング前面上部に表示部を備えることができ、表示部には分析結果を表示するためのLCD(液晶ディスプレイパネル)と、分析条件を入力するためのタッチパネルを一体的に設ければ、装置の操作性が向上するばかりでなく、それらの設置スペースが節約できる。
【0031】
また、ハウジングの内部には、使用者が検体容器を挿入設置するための検体セット部、検体容器から試料を定量・希釈して血液成分の検出を行う検出部、検出部の定量・希釈に必要な流体の制御を行う流体制御機器を備える流体制御部、検出部と流体制御部と表示部を電気的に駆動制御する電気部品を収容する電気制御基板部、入力される商用電源からの交流電圧を低い直流電圧に変換する電源部、さらに分析結果を印字出力するプリンタ部などを収容することができる。
【0032】
これらの各部は、操作や保守の容易性、あるいは発熱の有無などを考慮して適切に配置されることが好ましい。
例えば、検体セット部をハウジングの前面の近くに配置すれば、ハウジング前面に開閉扉(検体セットパネル)を設けることにより、使用者はその扉を介して内部の検体セット部に検体容器を容易にセットすることができ、またセットされた検体容器が扉によって保護されるので好都合である。
【0033】
検体セット部においては、検体容器の外径より大きい内径を有し検体容器の下端を収容する検体ラックと、収容された検体容器の側面を両側から弾性的に挟持して検体容器を検体ラックと同軸に保持する第1および第2弾性部材からなる検体容器設置装置が設けられる。
従って、外径の異なる検体容器(採血管)を使用しても、検体ラックと同軸になるように自動的に位置決めされるので、検体容器の設置作業が容易になる。
【0034】
この検体容器設置装置は、第1弾性部材を支持して第2弾性部材から離れる方向に移動可能な支持部材をさらに備えてもよく、また、支持部材は第1弾性部材が第2弾性部材から離れる方向に所定角度だけ回動可能に支軸で支持されてもよい。
【0035】
検体ラックは底部が前記支軸で回動可能に支持され支持部材に連動して支持部材と同じ方向に回動してもよい。
第1弾性部材が第2弾性部材から離れる方向に支持部材を付勢する付勢部材と、その付勢力に対抗して支持部材に離脱可能に係止する係止部材を備えてもよい。
【0036】
上述のようにこの検体容器設置装置を血液分析装置のハウジング内に備え、支持部材がハウジングを開閉する扉からなり、付勢部材は扉を開く方向に付勢し、係止部材がハウジングの外側に設けられることが好ましい。
【0037】
また、検出部については、例えばハウジングの左右いずれかの側面内部にユニット化して配置すれば、ハウジングの一方の側板を除去するだけで、保守や点検を行うことができるので、好都合である。検出部はピペットで検体容器から血液試料を定量し、適度に希釈して血液成分の検出測定を適正に行うために、ピペット駆動装置,ミックスチャンバー,および検出器などを備えることが好ましい。なお、ここに用いるピペットとしては、キャップ付の検体容器に備えて一般にピアサ又はニードルとも呼ばれる先端の尖ったものを好適に用いることができる。
【0038】
そこで、この検出部は、ピペットを保持するピペット保持部と、ピペット保持部を垂直方向に摺動可能に支持して水平移動させるピペット水平駆動部と、ピペット保持部を水平方向に離脱可能に固着する主アームと、主アームから水平に延出するガイドアームと、主アームとガイドアームを垂直方向に移動させるピペット垂直駆動部とを備え、ピペット保持部は、主アームに固着した時は主アームによって垂直移動し、主アームから離脱したときにガイドアームに係合して垂直移動するピペット駆動装置を備える。
【0039】
この場合、ピペット保持部が主アームにより垂直移動するときにピペットが検体容器から試料を吸引し、ガイドアームに係合して垂直移動するときにミックスチャンバーや検出器に対して分注・吸引するようにすれば、キャップ付き検体容器にピペットを突き刺すために必要な大きいピペット垂直移動力は主アームからピペットへ伝達され、開放したミックスチャンバーや検出器に対して必要なピペット垂直移動力はその1/10以下であり、ガイドアームからピペットへ伝達される。従って、主アームおよびその関連機構に比べてガイドアームおよびその関連機構の剛性をきわめて小さくでき、それに伴ってピペット駆動装置の機械的強度を低減できると共に構成を簡略化して装置を軽量化できる。
【0040】
また、このピペット駆動装置においては、ピペット保持部が突起部を有し、主アームはその突起部を水平方向に嵌入させる凹部を有するようにしてもよい。
ピペット保持部はガイドアームに係合しガイドアームに沿って移動するローラを備えるようにしてもよい。
【0041】
さらに、ピペット水平駆動部はピペット保持部を垂直方向に摺動可能に支持するピペット垂直摺動部を備えてもよい。
さらに、このような構成において、ピペット保持部が主アームによって下降したときに検体容器から試料を吸引し、主アームから離して移動したときに試料を吐出するようにすることが好ましい。この場合には、検体容器がキャップ付き容器であってもよい。
【0042】
ピペット垂直駆動部は駆動源としてステッピングモータを備える場合には、上記の理由により、ピペット保持部の垂直移動時にステッピングモータに供給される駆動電流は、ピペット保持部が主アームに固着して移動する時の方がガイドアームに係合して移動する時よりも大きく設定されていることが好ましい。
【0043】
上記の検体セット部と検出部とに関連して、前記検体容器設置装置は、検体容器を収容し移動可能に支持された検体ラックと、検体容器にピペットを挿入するピペット垂直駆動部のピペット挿入動作に連動して検体ラックの移動を機械的に阻止するロック部材を備えることが好ましい。このような構成によれば、検体ラックが、例えばハウジングの扉に連動して移動するように構成されても、その移動が阻止されるので、ピペットや検体容器の損傷が防止される。
【0044】
また、検体ラックを検体ラックの中心軸に直交する方向に回動可能に支持する支持軸と、前記支持軸に支持され検体ラックを回動させる回動部材と、ピペット垂直駆動部がピペットを支持して垂直移動させる主アームを備え、ロック部材が主アームからピペットと平行に垂下するロック棒からなり、ピペットの検体容器への挿入時にロック棒が回動部材に設けられた係止孔に挿入され回動部材の回動動作を阻止するようにしてもよい。
この検体容器設置装置をハウジング内に備え、ハウジングに扉を備え、扉が前記回動部材であるようにしてもよい。
さらに、その扉が開く方向にバネ付勢され、扉に離脱可能に係止して扉の開閉を行うための押ボタンがハウジング表面に設けられてもよい。
【0045】
さらに、検出部のピペット駆動装置は、ピペットを保持する保持部およびピペット保持部を垂直方向に摺動可能に支持する支持体を有するピペット垂直摺動部と、ピペット垂直摺動部を交換可能に搭載するピペット水平駆動部と、交換時にピペット垂直摺動部に装着されピペットの垂直摺動を不能にするストッパー部材を備える。
これによって、ピペットに不都合が生じた場合には、ピペット垂直摺動部を新しく交換すれば、ピペットが移動することがないので、安全に交換作業を行うことができる。
【0046】
このストッパー部材はピペット保持部と支持体とにそれぞれ離脱可能に係止されるようにしてもよい。
また、ピペット垂直摺動部はピペットの洗浄を行うための洗浄部を備え、ピペット垂直摺動部にストッパー部材が装着されたときピペット先端が洗浄部の内部に収容されるようにすれば、上記交換作業はさらに安全になる。
【0047】
次に、流体制御部については、検出部と逆の側面内部に、つまり検出部と背中合わせに配置すれば、同じくハウジングの他方の側板を除去するだけで、保守や点検を行うことができるので、好都合である。
また、流体制御部に設けられる電磁バルブや各種ポンプ類は騒音源になるので、各部品の静音化に留意することにより、流体制御部全体の騒音を、例えば突発音を含めて45dB以下に抑制することができる。とくに、この血液分析装置では取り扱いを容易にするため流体回路の駆動源として外部のコンプレッサのような圧力機器を使用せず、それに代わってハウジング内に陰圧ポンプを設けている。この陰圧ポンプは流体回路全体の陰圧源として働くためその使用頻度が高く、その静音化を特に配慮することが必要である。
【0048】
そこで、この流体制御部には、吸気口と吐出口を有するエアーポンプと、第1及び第2貫通口を有してエアーポンプを覆う密閉カバーと、密閉カバーの外部から第1貫通口を通って吸気口に接続される吸気チューブと、第2貫通口に接続され外部へ延びる消音用排気チューブを備える陰圧ポンプを用い、消音用排気チューブのサイズを実験的に決定することにより、効果的な静音化をはかっている。
また、上記のエアーポンプを支持する弾性支持台をさらに備えることが、静音化の点から好ましい。
【0049】
この血液分析装置では、血液試料を収容する試料容器と、測定用試料を用いて血液成分を検出する検出器と、排液を貯留する排液チャンバーを備える流体回路において、排液チャンバーに陰圧を印加して試料容器および検出器の少なくとも一方から残余試料を吸引させるために上記陰圧ポンプを用いることができる。
ここで、試料容器は血液試料又は血液試料と希釈液や試薬との混合液などを収容するための容器であり、検出器と一体に構成されてもよい。
【0050】
さらに、血液試料を用いて血液成分を検出する検出器と、検出器に接続される洗浄液収容部と、排液を貯留する排液チャンバーを備える流体回路において、排液チャンバーに陰圧を印加して洗浄液収容部から検出器を介して洗浄液を吸引させるために上記陰圧ポンプを用いることができる。
【0051】
また、排液チャンバーに印加される陰圧を検出するセンサーと、その陰圧が所定圧力範囲になるように陰圧ポンプを制御する制御部とをさらに備えてもよい。
なお、前記所定圧力範囲は100〜300mmHgに設定されることが好ましい。
【0052】
電源部はトランジスタやダイオード等の発熱部品を多く含むので、ハウジング内の最上部に配置し、ハウジングにベンチレータ(通風孔)を設けて自然冷却するようにすれば、強制風冷用のファンなどが不要となり、静音化および省スペース化がはかられる。また、最上部に配置することにより、発熱の他の各部に対する悪影響を避けることができる。
【0053】
また、容器収納ユニットは、容器の交換と本体への接続が容易にできるように本体ハウジングの側面に設置すれば好都合である。また、容器収納ユニットには、少なくとも本体で使用する希釈液と溶血剤をそれぞれ収容する2つの容器、および本体から排出される廃液を収容するための容器を収納することが好ましい。
【0054】
実施例
以下、図面に示す実施例に基づいてこの発明を詳述する。これによってこの発明が限定されるものではない。
図1はこの発明に係る血液分析装置の前面斜視図であり、図2は後面斜視図である。
これらの図に示すように装置本体1はハウジング2に収納され、その前面上部に表示部3を備え、前面右下に検体容器を挿入設置するときに開閉する検体セットパネル4と、検体セットパネル4を開くための押ボタン5を備える。
【0055】
ハウジング2の右側板の内側には、検体容器を挿入設置するための検体セット部6と、検体容器から試料を定量・希釈して検体成分の検出を行う検出部7とが設けられている。
【0056】
ハウジング2の左側板の内側には、検出部7の定量・希釈などに必要な流体の制御を行う流体機器、つまりバルブ類やポンプ類などを集約的に収容する流体制御部8が設けられている。ハウジング2の背面板の内側には、検出部7と流体制御部8と表示部3を電気的に駆動制御する電気制御部品を搭載した基板を収容する電気制御基板部9が設けられている。
【0057】
ハウジング2の天板の内側には、入力される商用交流電圧を直流電圧に変換する電源部10と、分析結果を印字出力するプリンタ部11が設けられている。
左右側板、背面板および天板は、それぞれが取りはずし可能にビス止めされ、各部毎にそのメンテナンスを容易に行うことができるようになっている。
【0058】
また、発熱部品を備える電源部10はハウジング2内の最上部に設けられ、ハウジング2の電源部10を取り囲む部分には図2に示すようにベンチレータ(通風孔)12,13が設けられている。従って、電源部10によって加熱された空気は、分析装置の他の構成要素に熱的な影響を与えることなくベンチレータ12,13から放出され、自然空冷が行われる。つまり、電源部10は、冷却ファンのような強制空冷手段を必要としないので、コンパクト化されると共に静音化される。
【0059】
また、図3に示すように本体1の左側面には、希釈液と溶血剤をそれぞれ収容する容器201,202と、排液を収容する容器203とを組合せて収納した容器収納ユニット100が装着されるようになっている。
【0060】
検体セット部の構成と動作
図4は検体セット部6の構成を示す正面図である。同図に示すように検体セットパネル4は支軸14により矢印S方向に回動可能に支持され、図示しないスプリングにより矢印S方向に付勢されている。検体セットパネル4の上方には、押ボタン5が支軸15により回動可能に支持され、スプリング16により矢印T方向に付勢されている。
【0061】
検体セットパネル4の上端に設けられた爪17が押ボタン5の下端に係止して、検体セットパネル4が矢印S方向に開くことを阻止している。検体セットパネル4には検体容器の下端を収容して支持するための検体ラック18が設けられ、検体ラック18の上方には検体容器を挟んで位置決めするための2つの挟持爪19a,19bが設けられ、挟持爪19a,19bの基端はそれぞれ検体セットパネル4から水平に突出した突出片20の先端と、支持板21とに固定されている。
【0062】
図5と図6はそれぞれ挟持爪19a,19bの正面図および側面図である。挟持爪19a,19bは先端にV字形の切欠き部22を備え、角度θ=30度だけ屈曲した屈曲部23を有し、図7に示すように検体ラック18の中心軸に対称に配置され、後述するように検体ラック18に設置される検体容器SP1を両側から弾性的に挟持するようになっている。
【0063】
挟持爪19a,19bは弾性板(例えば板厚0.8mmのポリアセタール樹脂板)で形成され、外径の異なる(例えば12〜15mm)の検体容器SP1が設置されても屈曲部23の角度θが弾性的に変化してその外径の変化を吸収し、常に検体容器SP1を検体ラック18に同軸に保持するようになっている。
【0064】
図8は微小採血用の小型検体容器SP2を検体ラック18に設置した状態を示す断面図である。この場合、検体容器SP2は外径および高さが検体容器SP1より小さいので、それを補うためにアダプタADを介して検体ラック18に挿入される。
【0065】
また、図4に示すように、検体セット部6には検体セットパネル4の開閉を検出するセンサ(ホトインタラプタ)J1、検体容器が検体ラック18に設置されているか否かを検出するセンサ(リミットスイッチ)J2、アダプタADが使用されているか否かを検出するセンサ(リミットスイッチ)J3が設けられている。
【0066】
このような構成において、使用者が押ボタン5の上端を押すと、押ボタン5は図4の矢印Tの反対方向へ若干回動し、押ボタン5の下端が爪17からはずれる。それによって検体セットパネル4は支軸14を中心にして矢印S方向に回動し、検体セットパネル4の突出片4aが図9に示すように支持板21に係止するまで開く。そこで、使用者は図10に示すように検体容器SP1を検体ラック18に挿入する。
【0067】
そして、図11に示すように、検体セットパネル4を閉じると、爪17が押ボタン5の下端に係止して閉じた状態が維持される。この時、検体容器SP1は挟持爪19a,19bによって両側から挟持され、検体ラック18と同軸になるように保持される。なお、押ボタン5は大きい表面積(60mm×70mm)を有し、使用者が検体容器を握った手で操作できるようになっている。
【0068】
検出部の構成と動作
検体部7は図12に示すようにピペット水平駆動部200と、ピペット垂直摺動部300と、ピペット垂直駆動部400と、ミックスチャンバー(液体混合用開放容器)70と、検出器50を備える。
【0069】
ピペット水平駆動部
図13はピペット水平駆動部200の正面図である。
同図に示すように、支持板201に従動プーリ202と駆動プーリ203とが回転可能に設置され、プーリ202,203間にタイミングベルト204が張設されている。そして、駆動プーリ203は支持板201の裏面に設けられたピペット前後用モータ(ステッピングモータ)205により駆動される。支持板201の上方には水平方向にガイドレール206が設けられ、下方には水平方向にガイドシャフト207が設置されている。縦に細長い水平移動板208は、上端がガイドレール206にはめ込まれ、下端がガイドシャフト207を摺動する摺動部材209と結合し、裏面に突出する連結部材210によりタイミングベルト204と連結している。なお、水平移動板208はピペット垂直摺動部300を固定するためのビス穴211,212を備える。
このような構成により、水平移動板208はモータ205の駆動によって水平方向に移動することができる。また、支持板201には水平移動板208の位置を検出するためのピペット前位置センサ(ホトインタラプタ)J5が設けられている。
【0070】
ピペット垂直摺動部
図14はピペット垂直摺動部300の正面図、図15は図14のB−B矢視断面図である。これらの図に示すようにピペット垂直摺動部300は、支持体301に垂直に支持されたガイドシャフト302と、ピペットPTを垂直に保持してガイドシャフト302上を摺動するピペット保持部303を備える。支持体301は縦方向に細長いガイド溝304を備え、ピペット保持部303から水平に突出するガイド棒305がガイド溝304に挿入されて案内され、ピペット保持部303が安定して垂直方向にガイドシャフト302上を摺動できるようになっている。また、支持体301は図13に示す水平移動板208に固定される際に固定用のビスを貫通させる切り欠き部306,307を備える。
【0071】
さらに、ピペット保持部303はガイドローラ308を備え、ガイドローラ308がピペット垂直駆動部400のガイドアーム(後述)と係合し、ガイドアームに連動してピペット保持部303が垂直方向に上下移動するようになっている。
【0072】
また、支持体301の下方には、ピペットPTを貫通させてピペットPTの外壁と内壁を洗浄するためのスピッツ(ピペット洗浄装置)Sが設けられ、ピペット保持部303が支持体301の最上部(図14の位置)にあるときにはピペットPTの尖った先端がスピッツSの中に隠れるようになっている。
【0073】
支持体301の下方に固定された給排液用ニップル309,310,311は、それぞれチューブ312,313,314を介してピペットPTの基端およびスピッツSへ接続される。
【0074】
ピペット保持部303にネジ止めされたビス315と、支持体301の突起部317にネジ止めされたビス316は、図16に示すように板状のスペーサ318を固定するために設けられている。図16のように固定されたスペーサ318は、ピペット保持部303を支持体301の最上部に固定し、ピペットPTの鋭い先端がスピッツSから出ることを阻止する。
【0075】
従って、ピペット垂直摺動部300は、スペーサ318を取り付けた状態で図13に示す水平移動板208に載置され、切り欠き部306,307を介してビス穴211,212へビス319,320(図17)で固定された後、ビス315,316を緩めることによりスペーサ318が除去される。それによって、ピペット垂直摺動部300はピペット水平駆動部200に安全に搭載され、作業者がピペットPTの先端で傷つくことがない。また、ピペットPTに詰りのような不具合が生じた場合には、ピペット垂直摺動部300全体を交換するようにしているが、その場合にも同様にスペーサ318が利用され、交換作業が安全に行われる。
【0076】
なお、図17はピペット水平駆動部200にピペット垂直摺動部300を搭載した状態を示す正面図、図18はその左側面図であり、これらの図に示すようにピペット垂直摺動部300のピペット保持部303の端部303aは断面十字形の形状を有し、ピペット垂直駆動部400の主アーム(後述)に嵌入できるようになっている。
【0077】
ピペット垂直駆動部
図19はピペット垂直駆動部400の左側面図、図20は図19のC−C矢視断面図である。
図19に示すようにピペット垂直駆動部400は細長く水平方向に延びる主アーム401と、主アーム401を直交方向に貫通し支持板412に回転可能に支持されたネジ軸402と、ネジ軸402にねじで係合し主アーム401に固定されるナット403と、ネジ軸402に平行に支持板412に設置されたスライドレール404aと、主アーム401の左端部に設けられスライドレール404aに摺動可能に係合して主アーム401を垂直方向に案内する摺動部材404bと、支持板412に固定されたピペット上下用モータ(ステッピングモータ)405を備える。
【0078】
ネジ軸402の上端とモータ405の出力軸にはそれぞれプーリ406,407が固定されその間にタイミングベルト408が張設されている。従って、モータ405の駆動により主アーム401が垂直方向に上下移動することができる。そして、主アーム401が最上部に達したことを検知するためのピペット上位置センサJ4が支持板412上に設けられている。
【0079】
また、主アーム401の右端にはガイドアーム409が水平に固定されピペット垂直摺動部300のガイドローラ308に係合している(図18)。主アーム401はピペット保持部303の断面十字形の端部303a(図17,18)に対向する面に断面十字形の凹部410を有し、図20に示すようにピペット保持部303の端部303aが凹部410に矢印X方向から離脱可能に適度なクリアランスを有して嵌入されるようになっている。この場合には主アームの上下運動の力が直接ピペット保持部303へ伝達される。また、主アーム401の中央部には垂直方向に貫通して上端の屈曲部で主アーム401に係止するロック棒411が設けられている。なお、この実施例では、主アーム401は断面20mm×26mm長さ108mmのアルミニウム合金(A5052)からなり、ガイドアーム409は板厚0.5mmの鋼板(SECC)を用いて断面コ字形に折り曲げ180mmの長さを有する。
【0080】
ピペット水平駆動部とピペット垂直摺動部とピペット垂直駆動部の動作
検体セット部6の検体ラック18に設置された検体容器SP1から血液試料を定量する場合には、ピペット前後用モータ205を駆動して図20に示すようにピペット保持部303の端部303aを主アーム401の凹部410に嵌入させ、ピペット上下用モータ405を駆動して図21に示すように主アーム401をピペット上位置センサJ4が作動するまで上昇させる。端部303aを凹部410に嵌入させることによりネジ軸402とピペットPTと検体容器SP1は、それらの中心が同一平面上に存在する上、ネジ軸402のピペットPTに対するモーメントも最小となるので、モータ405によってピペットPTを下降させる際、モータ405のトルクがピペットPTの下降する力にもっとも効率よく変換される。
【0081】
そして、モータ405の駆動により図21に示すようにピペットPTを検体容器上昇防止用のストッパー26の貫通孔26aを通って下降させ、図22に示すようにピペットPTを検体容器SP1のほぼ底まで到達させる。この際、検体容器SP1がゴムキャップ付きの真空採血管である場合にはピペットPTの先端でゴムキャップを突き破る必要があるため、それに備えてピペットPTの下降時にはモータ405へ通常よりも大きい入力電流が駆動回路部(後述)から供給され大きい出力トルクが得られるようにしている。
【0082】
ピペットPTが下降する際には、図22に示すようにロック棒411が検体セットパネル4の内側へ突出する突出片24に設けられた係止穴25に係止し、検体セットパネル4が不用意に開かれてピペットPTや検体容器SP1が損傷することを防止する。ここで、図8に示すように検体ラック18にアダプタADを介して小型検体容器SP2が設置されている場合には、検体アダプタ検出センサJ3が作動するので、制御部500はピペットPTの先端が小型検体容器SP2のほぼ底部に達するようにピペットPTの下降距離を調整する。
【0083】
血液試料の採取が終了すると、ピペットPTは図21の位置に復帰する。なお、ピペットPTを検体容器SP1から抜き去る際にピペットPTにゴムキャップが付着してピペットPTと共に上昇する場合があるが、この場合にはストッパー26によりその上昇が阻止される。
【0084】
ピペットPTが図21の位置に復帰すると、ピペット前後用モータ205の駆動により、ピペット保持部303は端部303aが主アーム401の凹部410から図20の矢印Xの逆方向に引き抜かれた後、ガイドローラ308をガイドアーム409の内面で回転させながらピペットPTをミックスチャンバー70および検出器50の上へ移動させる。そして、ピペット上下用モータ405の駆動により、その駆動力が主アーム401,ガイドアーム409,ガイドローラ308を介してピペット保持部303へ伝達され、それによってピペットPTは下降動作およびその後の上降動作を行う。
【0085】
検出器の構成
図23は検出器50の要部切欠き正面図、図24はその要部切欠き側面図である。検出器50は透光性のポリサルホン樹脂製であり、これらの図に示すように測定用液体を収容するための第1,第2および第3収容部51,52,53を備える。なお、第1収容部51は上部が大気に開放され第1収容部51と第3収容部53とは連通している。
【0086】
第1収容部51と第2収容部52との隔壁にはルビー製のオリフィス用円板54が装着され、円板54には直径80μmのオリフィス55が穿孔されている。さらに、第2収容部52はジェットノズル56を備え、ジェットノズル56はその先端が第2収容部52を通ってオリフィス55に臨むようにノズル支持部材57と第1電極58とに支持され、その後端は給液用ニップル59に連通している。第1電極58はステンレス鋼製で第2収容部52の内部に露出している。
【0087】
また、検出器50は、第1収容部51に希釈液と溶血剤をそれぞれ供給するためのノズル60,61,第2収容部52へそれぞれ給液と排液を行うためのニップル63,64,第3収容部53の底部に設けられた排液用ニップル65と気泡放出用ニップル66を備える。
【0088】
図24に示すように、検出器50は、第1収容部51の内部へ突出する白金製の電極67、第3収容部53を両側から挟むように設けられた発光ダイオード68とフォトダイオード69を備える。なお、発光ダイオード68からは波長555nmの光が出射され、第3収容部53を透過した光の強度がフォトダイオード69によって検出されるようになっている。発光ダイオード68とフォトダイオード69はヘモグロビン量(HGB)の測定に用いられる。
【0089】
また、後述するように、第1,第3収容部51,53では白血球測定試料が調整され、第1,第2収容部51,52では白血球数,血小板数および赤血球数の検出が行われる。
【0090】
ミックスチャンバー(液体混合用容器)の構成
図36はミックスチャンバー70の平面図、図25はミックスチャンバー70の縦断面図であり、血液試料を混合するための収容部71を備える。収容部71は円筒形で上部が大気に開放され、上部に希釈液供給用のニップル72を有し、底部には、混合された液体を排出するためのニップル73、収容部71内の残留液を排出するためのニップル74、および収容部71内の液体を撹拌する気泡(エアー)を注入するためのニップル75が設けられている。
【0091】
そして、ニップル72,73,74,75は、それぞれ収容部71に連通する注液口72a,排液口73a,74a,注気口75aに接続されている。注液口72aは、液体が収容部71の上部から円周に沿って注入されるように開口される。これは、後述のようにミックスチャンバー70に希釈液を供給して洗浄を行う場合に、収容部71の内壁面が注液口72aから噴射される希釈液によって効率よく洗浄できるようにするためである。
【0092】
ミックスチャンバー70は、耐薬品性の熱可塑性樹脂、ここではポリエーテルイミドを射出成型することにより形成される。そして、収容部71の内壁面は、希釈液に対するぬれ性を十分に高くするために算術平均粗さRaが0.29μmとなるように粗面化加工されている。従って、注液口72aから吐出される希釈液は、内壁面に水滴となって残留することなく収容部71の底部に供給され、予め貯留されている血液試料を所望の倍率で精度よく希釈する。
【0093】
スピッツ(ピペット洗浄装置)の構成と動作
図26はスピッツSの平面図、図27は図26のD−D矢視断面図、図32は図26のE−E矢視断面図である。これらの図に示すように、スピッツ本体80の中央にはピペットPTを入口81aから出口81bへ縦に貫通させるピペット貫通孔81が設けられ、ピペット貫通孔81は円径断面を有する。
【0094】
ピペット貫通孔81は、入口81aから出口81bに向かって順次、同軸に直列接続されたピペット案内孔82と、第1貫通孔83と、第2貫通孔84とから構成される。ピペット案内孔82はピペットPTの外径より若干大きい内径を有し、ピペットPTの軸心が第1および第2貫通孔83、84の軸心に一致するようにピペットPTを案内する。
【0095】
一方、第1および第2貫通孔83,84は、ピペットを洗浄するためのピペット洗浄孔を構成する。第1貫通孔83の内壁は、入口側に第1開口85aを、出口側に第2開口85bをそれぞれ有し、第2貫通孔84の内壁は、第3開口85cを有する。
【0096】
本体80は、第1開口85aを大気(本体80の外側)へ開放する通気路86aと、第2開口85bを洗浄液排出ニップル87に連通する洗浄液排出路87aと、第3開口85cを洗浄液供給ニップル88に連通する洗浄液供給路88aを備える。
【0097】
ここで、ピペット案内孔82、第1貫通孔83、第2貫通孔84の内径D1,D2,D3は、それぞれピペットPTの外径の105%、115%、200%に設定される。例えば、ピペットPTの外径が2.0mmの場合は、D1=2.1mm、D2=2.3mm、D3=4.0mmである。
【0098】
そこで、図34に示すようにピペット貫通孔81にピペットPTが上から下へ貫通し、洗浄液がニップル88から第2貫通孔84へ供給されニップル87から吸引されると、その洗浄液は第2貫通孔84からピペットPTの外周壁に一様に接触しながら第1貫通孔83へ流入し、ニップル87から排出される。
【0099】
従って、この状態でピペットPTが上昇する、つまり、矢印Z方向へ移動すると、ピペットPTの外側(外周壁)に付着している血液試料などが洗浄液により洗い落とされて排出されることになる。
【0100】
この際、ピペットPTの上昇動作に伴って洗浄液の一部がピペットPTに付着して第2開口85bよりも上方に移動するので、その洗浄液が第1貫通孔83の上部に残留する恐れがある。しかし、第1貫通孔83に設けられた第1開口85aの作用により、第1貫通孔83の上部が大気圧になるので、第1開口85aと第2開口85bとの圧力差により、その洗浄液は第2開口85bへ引き戻され、第2開口85bを介してニップル87へ排出される。従って、第2貫通孔84から第1貫通孔83へ流入する洗浄液は、第1貫通孔83の上部に残留することなく、ピペットPTの外側を効果的に洗浄することが可能となる。
【0101】
また、図35に示すように、ピペットPTの先端を第1貫通孔83内に停止させニップル87から陰圧を印加した状態で、ピペットPTの基端から先端へ洗浄液が供給されると、ピペットPTの内部を通過した洗浄液はピペットPTの先端から吐出すると同時に第2開口85bを介してニップル87へ吸引され、第2貫通孔84の方へ吐出しない。このようにしてピペットPTの内側(内壁)が洗浄されることになる。
【0102】
図33は、スピッツ本体80の変形例としてのスピッツ本体80aの構成を示す図27対応図である。
本体80aは、ピペット貫通孔81が入口から出口に向かって順に同軸に直列接続されたピペット案内孔82と第1、第2、第3貫通孔83a,89,84から構成される。
【0103】
つまり、第1および第2貫通孔83aと89が、図27の第1貫通孔83に対応し、第3貫通孔84は図27の第2貫通孔84に対応する。そして、図33に示すように第2貫通孔89は内径がピペット案内孔82とほぼ同じであり、第1貫通孔83aは内径が第2貫通孔89より大きく第3貫通孔84とほぼ同じに設定されている。
【0104】
スピッツ本体80aのその他の構成はスピッツ本体80(図27)と同等であり、ピペットPTに対する洗浄動作もスピッツ本体80と同様に行うことができる。
【0105】
陰圧ポンプの構成と作用
図28は流体制御部8(図1)に設置される陰圧ポンプP1(後述)の構成を示す要部切欠き正面図である。エアーポンプ90はゴム製の台座91に搭載され樹脂製のケース92によって密閉されている。エアーポンプ90の吸引チューブ93はケース92の上部貫通孔から外部に引き出され、エアーポンプ90の排気チューブ94の開放端はケース92の内部に固定されている。そして、ケース92の上部の他の貫通孔にニップル95が設けられ、ニップル95に消音用排気チューブ96が接続される。
【0106】
このような構成により、エアーポンプ90の振動はゴム製台座91に吸収され、エアーポンプ90の発生音は密閉ケース90により遮蔽され、排気音は消音用排気ホース96により消音される。従って、陰圧ポンプP1は効率よく静音化される。ここで、チューブ96の内径と長さは実験的に消音効果を調べて適正に設定される。なお、この実施例ではエアーポンプ90として、定格電圧DC12V、定格吐出量2L/minの直流エアーポンプを用い、チューブ96として外径6.5mm,内径3mm,長さ300mmのシリコンチューブを用いている。
【0107】
流体回路と電気回路の構成
図29はこの発明の実施例の流体回路を示す系統図である。この流体回路において流体機器間は送液用チューブで接続されている。流体回路は、ピペットPTから試料を定量するシリンジポンプSR1,希釈液容器201から希釈液をミックスチャンバー70や検出器50に供給するシリンジポンプSR2,溶血剤容器203から溶血剤を検出器50に供給するシリンジポンプSR3,ミックスチャンバー70や検出器50からの排液を収容する排液チャンバーWC,排液チャンバーWCに陰圧を印加する陰圧ポンプP1,排液チャンバーWCから排液容器202へ排液を排出する排液ポンプP2,ミックスチャンバー70や検出器50に撹拌用のエアーを供給するエアーポンプP3,流体回路の流路を開閉する電磁バルブSV1〜SV4,SV7〜SV14,SV16,V17,SV20〜SV25を備える。なお、シリンジポンプSR1はシリンジポンプモータSTM4により、シリンジポンプSR2,SR3はシリンジポンプモータSTM5により駆動される。シリンジポンプモータSTM4,STM5にはステッピングモータを用いることができる。
また、上記希釈液としてはセルパック(シスメックス(株)製)が、溶血剤としてはストマトライザーWH(シスメックス(株)製)が、それぞれ好適に用いられる。
【0108】
図30はこの発明の実施例の電気回路を示すブロック図である。電源部10は商用交流電源から受けた電圧を直流電圧(例えば12V)に変換して制御部500と駆動部501へ供給する。制御部500はCPU,ROM,RAMからなるマイクロコンピュータを備え、駆動回路部501はドライバー回路やI/Oポートなどを備える。
【0109】
駆動回路部501は、パネル開閉センサJ1,検体検出センサJ2,検体アダプタ検出センサJ3,ピペット上位置センサJ4,ピペット前位置センサJ5,排液チャンバーWC内の陰圧を検出する圧力センサJ6,排液チャンバーWC内の貯液量を検出するフロートスイッチJ7,発光ダイオード68を点灯させてフォトダイオード69の出力を受けるヘモグロビン検出部502、電極58,67間に直流定電流を通電して電極58,67間のインピーダンスの変化を検出する抵抗式検出部503からのそれぞれの出力信号をA/D変換して制御部500へ出力する。
【0110】
制御部500は駆動回路部501からの出力信号と表示部3のタッチパネルからの出力信号を受けて所定の処理プログラムによってそれらの信号の処理を行う。そして、その処理結果に基づいて、制御部500は駆動回路部501にピペット上下用モータ405,ピペット前後用モータ205,シリンジポンプモータSTM4,シリンジポンプモータSTM5,陰圧ポンプP1,排液ポンプP2,エアポンプP3,電磁バルブSV1〜SV25を駆動させると共に、表示部3の液晶ディスプレイに表示を行わせ、プリンタ部11に印字出力をさせるようになっている。
【0111】
血液分析装置の分析動作
図1に示す血液分析装置の分析動作を図31に示すフローチャートに基づいて以下に説明する。
図31に示すように、まず、血液分析装置の電源が投入され(ステップS1)、所定の測定準備時間が経過すると(ステップS2)、表示部3の液晶ディスプレイ3aに「スタンバイ」という文字が表示される。そこで、使用者は検体容器を検体セット部6(図4)に設置する(ステップS4)。設置した検体容器の試料が全血試料である場合には、使用者は表示部3のタッチパネル3bにより「全血モード」を選択する操作を行い、希釈試料である場合には「希釈モード」を選択する操作を行う(ステップS5)。
【0112】
次に、タッチパネル3bのスタートボタンを押す(ステップS6)。この場合、ステップS4において、検体容器SP1又はSP2が設置されていない場合および/又は検体セットパネル4が閉じられていない場合、センサJ1,J2がそれを検知するので、装置は起動しない。検体容器SP1又はSP2が設置され、検体セットパネル4が閉じられていると装置の動作が開始され、「全血モード」が選択されている場合には(ステップS7)、全血からの赤血球数(RBC)測定試料および白血球数(WBC)測定試料の調製が行われる(ステップS8,S9)。
【0113】
ステップS9で調製されたWBC測定用試料を用いてWBCとHGB(ヘモグロビン量)の測定が行われ(ステップS10)、測定されたWBCとHGBが液晶ディスプレイ3aに表示される(ステップS11)。次に、ステップS8で調製されたRBC測定用試料を用いてRBCの測定が行われ、PLT(血小板数)、ヘマトクリット値(HCT)およびその他の分析項目が算出され、RBCの測定値と算出された分析項目が液晶ディスプレイに表示される(ステップS13,S14)。
【0114】
ここで、WBC,RBCおよびPLTは検出器50の電極58,67間のインピーダンスの変化パルスを計数して算出され、HGBはフォトダイオード68から得られる希釈液のみの吸光度(ブランク値)とHGB測定用試料の吸光度を比較することにより算出される。また、HCTは電極58,67間のインピーダンスの変化パルスの波高値から算出され、MCV(平均赤血球容積),MCH(平均赤血球血色素量),およびMCHC(平均赤血球血色素濃度)は、それぞれ次式で算出される。
MCV=(HCT)/(RBC)
MCH=(HGB)/(RBC)
MCHC=(HGB)/(HCT)
【0115】
次に流体回路の洗浄工程が実施され、洗浄工程が終了すると(ステップS15)、ルーチンはステップS3へ戻り、次の検体の測定に備えて「スタンバイ」が液晶ディスプレイ3aに表示される。なお、ステップS7において「希釈モード」が選択されている場合には、希釈血液からRBCおよびWBC測定用試料が調製される(ステップS16,S17)。この場合検体試料は既に希釈された血液であるので、その希釈倍率を考慮して希釈され、全血モードと同じ希釈倍率の血液試料を得るようにしている。
【0116】
次に、図29に示す流体系統図に基づいてステップS8〜S15における処理工程を詳述する。なお、流体回路中の全てのバルブは通常は閉じている、常閉タイプのものである。
【0117】
RBC測定用試料の調製(ステップS8)
(1)排液チャンバーWCに陰圧ポンプP1から陰圧を印加し、バルブSV16,SV20を開くことにより検出器50およびミックスチャンバー70内の残留液を排出し、その後バルブSV16,SV20を閉じる。
(2)バルブSV22を開き、シリンジポンプSR2に吸引動作をさせ、希釈液を収容した容器201から希釈液をシリンジポンプSR2に吸引し、バルブSV22を閉じる。
【0118】
(3)ピペットPTを下降させ検体容器SP1に挿入する。そして、バルブSV10,SV8を開き、シリンジポンプSR1に吸引動作をさせることにより、ピペットPTが所定量(10μL)だけ血液試料を吸引する。その後、バルブSV10,SV8を閉じる。
(4)次に、ピペットPTを引き上げる。この引き上げ動作中にバルブSV9,SV25を開き、シリンジポンプSR2から希釈液を洗浄スピッツSへ供給して排液チャンバーWCへ排出し、ピペットPTの外側を洗浄する。そして、バルブSV9,SV25を閉じる。
【0119】
(5)バルブSV14を開き、シリンジポンプSR2に吐出動作をさせることによりミックスチャンバー70に所定量(1.3mL)だけ希釈液を供給する。そして、バルブSV14を閉じる。
(6)ピペットPTをミックスチャンバー70の真上まで移動させた後、下降させる。そしてピペットPTに吸引しておいた10μLの血液試料を、バルブSV10,SV4を開きシリンジポンプSR2に吐出動作をさせることにより、ミックスチャンバー70に注入する。これによって130倍に1段希釈された1.3mLの希釈試料がミックスチャンバー70内に調製される。その後、バルブSV10,SV4を閉じる。
【0120】
(7)ピペットPTの外側を前記のように洗浄しながらピペットPTを引上げる。ピペットPTの先端が図35に示すように、スピッツSの本体80に引き込まれた時点でバルブSV4,SV10,SV25を開き、シリンジポンプSR2から希釈液をピペットPTへ供給すると共に、ピペットPTの先端から排出される希釈液を排出チャンバーWCへ排出する。それによって、ピペットPTの内側(内壁)が洗浄される。そして、バルブSV4,SV10,SV25を閉じる。
(8)バルブSV12を開きエアーポンプP3を駆動してエアーをミックスチャンバー70へ供給し、気泡によってミックスチャンバー70内の希釈試料を撹拌する。そして、エアーポンプP3を停止させバルブSV12を閉じる。
(9)再びピペットPTをミックスチャンバー70内へ下降させ、バルブSV10,SV4を開き、シリンジポンプSR2に吸引動作をさせることにより、ピペットPTが所定量(0.59mL)だけ1段希釈試料を吸引する。そして、バルブSV10,SV4を閉じる。
【0121】
(10)ピペットPTの外側を前記のように洗浄しながらピペットPTを引き上げる。
(11)バルブSV20を開く。そして、排液チャンバーWCに陰圧ポンプP1から陰圧を印加することにより、ミックスチャンバー70の残留試料をすべて排液チャンバーWCへ排出する。そして、バルブSV20を閉じる。
(12)バルブSV14を開き、シリンジポンプSR2に吐出動作をさせることにより、希釈液をシリンジポンプSR2からミックスチャンバー70へ供給した後、バルブSV14を閉じる。そして、前記(11)を実行する。これによってミックスチャンバー70の洗浄が行われる。
【0122】
(13)バルブSV14を開き、シリンジポンプSR2に吐出動作をさせることにより、所定量の希釈液をシリンジポンプSR2からミックスチャンバー70へ供給し、希釈液による前分注を行う。そして、バルブS14を閉じる。
(14)ピペットPTを下降させ、バルブSV10,SV4を開き、シリンジポンプSR2に吐出動作をさせることにより、ミックスチャンバー70へピペットPTに吸引保持されている1段希釈試料0.59mlの内0.2mlだけを吐出させる。そして、バルブSV10,SV4を閉じる。次に、ピペットPTを引き上げる。引き上げ中には前記と同様にピペットPTの外側の洗浄が行われる。
【0123】
(15)バルブSV13を開きシリンジポンプSR2に吐出動作をさせて、シリンジポンプSR2から希釈液をミックスチャンバー70へ供給し、750倍の2段希釈液を作成する。そして、バルブSV13を閉じる。この際、前述と同様に気泡による撹拌を行う。
以上の工程により赤血球測定用試料がミックスチャンバー70内に調製される。
【0124】
WBC測定用試料の調製(ステップS9)
(1)バルブSV13を開き、シリンジポンプSR2に吐出動作をさせることにより検出器50へ希釈液を0.5mLだけ供給する(前分注)。そして、バルブSV13を閉じる。
(2)ピペットPTを検出器50の上まで移動させた後下降させ、バルブSV10,SV4を開き、シリンジポンプSR2に吐出動作をさせることにより、ピペットPTから検出器50へ0.39mLの1段希釈試料を吐出させる。そして、バルブSV10,SV4を閉じる。
【0125】
(3)バルブSV24を開きシリンジポンプSR3に吸引動作をさせることにより、溶血容器203からシリンジポンプSR3へ溶血剤を吸引する。そして、バルブ24を閉じる。
(4)バルブSV23を開き、シリンジポンプSR3に吐出動作をさせることにより、0.5mLの溶血剤を検出器50へ供給し、バルブSV23を閉じる。これによって、検出器50には0.39mLの希釈液と、0.5mLの1段希釈試料と、0.5mLの溶血剤が検出器50の第1および第3収容部51,53の中に存在する。
【0126】
(5)ピペットPTを上昇させ、同時に前述と同様にピペットPTの外側を洗浄するとともに内側も洗浄する。
(6)バルブSV11を開き、エアーポンプP3を作動させ検出器50にエアーを供給して気泡による撹拌を行い、エアーポンプP3を停止させバルブSV11を閉じる。これによって、検出器50内においてWBC測定用試料の調製が完了する。
【0127】
WBCおよびHGBの測定(ステップS10)
(1)バルブSV21,SV18を開く。そして、陰圧ポンプP1から排液チャンバーWCへ陰圧を印加することにより、希釈液容器201から希釈液を検出器50の第2収容部52を介して排液チャンバーWCへ流し、第2収容部52を洗浄すると共に希釈液を第2収容部52内に収容する。そして、バルブSV21,SV18を閉じる。
【0128】
(2)バルブSV17を開き、シリンジポンプSR2による吸引動作を行うことにより、検出器50内において第1および第3収容部52に収容されていた白血球測定用試料をオリフィス55を介して第2収容部52へ流入させる(約10秒間)。そして、バルブSV17を閉じる。この時、電極58と67間のインピーダンスの変化が抵抗式検出部503により検出される。制御部500はその検出結果に基づいて白血球数(WBC)を算出する。
(3)同時に、発光ダイオード68を発光させフォトダイオード69によって検出された透過光強度により制御部はヘモグロビン量(HGB)を算出する。なお、HGBのブランク測定(希釈液のみの透過光強度の測定)は、予めWBC測定試料調製時の工程(1)の終了直後に行われる。
【0129】
RBCの測定(ステップS12)
(1)バルブSV16を開き、陰圧ポンプP1から排液チャンバーWCに陰圧を印加することにより、検出器50内の残留液を排液チャンバーWCへ排出する。そして、バルブSV16を閉じる。
(2)バルブSV13を開き、シリンジポンプSR2に吐出動作をさせることにより、検出器50の第1および第3収容部51,53に希釈液を供給する。そして、バルブSV13を閉じる。
【0130】
(3)バルブSV21,SV18を開き、陰圧ポンプP1から排液チャンバーWCへ陰圧を印加させることにより、希釈液容器201から希釈液を検出器50の第2収容部52へ供給して第2収容部52を洗浄する。そして、バルブSV21,SV18を閉じる。
(4)バルブSV1,SV3を開き、シリンジポンプSR2に吸引動作をさせることにより、ミックスチャンバー70の赤血球測定用試料をチャージングラインCLに貯留させる。そして、バルブSV1,SV3を閉じる。
(5)バルブSV17を開き、シリンジポンプSR2に吐出動作をさせることにより、希釈液が検出器50の第3収容部52から第1収容部51へオリフィス55を介して流入する。
【0131】
(6)その間にバルブSV7を開き、シリンジポンプSR1に吐出動作をさせることにより、チャージングラインCLに貯留されていた赤血球測定用試料がジェットノズル56からオリフィス55へ噴出する。ジェットノズル56から噴出した赤血球測定用試料は、上記(5)における希釈液に包まれ、シースフローとしてオリフィス55を通過する(約10秒間)。そして、バルブSV17,SV7を閉じる。
(7)このシースフローがオリフィス55を通過するときに生じる電極58,67間のインピーダンス変化に基づき、制御部500は赤血球数(RBC)、血小板数(PLT)、ヘマトクリット(HCT)およびその他の項目を算出する。
【0132】
洗浄工程(ステップS15)
(1)バルブSV20,SV16を開く。そして、陰圧ポンプP1からの陰圧を排液チャンバーWCへ印加することにより、ミックスチャンバー70と検出器50の残留液を排液チャンバーWCへ排出し、バルブSV20,SV16を閉じる。
(2)バルブSV14,SV13を開き、シリンジポンプSR2に吐出動作をさせることにより、ミックスチャンバー70と検出器50に希釈液を供給する。そしてバルブSV14,SV13を閉じる。
(3)バルブSV1,SV2を開く。そして、陰圧ポンプP1から排液チャンバーWCへ陰圧を印加することにより、ミックスチャンバー70から希釈液をチャージングラインCLを介して排液チャンバーへ排出する。そして、バルブSV1,SV2を閉じる。
【0133】
以上で洗浄工程は終了する。なお、排液チャンバーWC内の陰圧は圧力センサJ6によって監視され、常に所定圧力範囲100〜300mmHg、好ましくは150〜200mmHgにあるように陰圧ポンプP1が駆動される。
また、排液チャンバーWCに貯留された排液が所定量に達すると、フロートスイッチJ7により検出され排液ポンプP2が駆動して、その排液が排液容器202へ排出される。
【0134】
【発明の効果】
この発明によれば、試料が所望の倍率に正確に希釈されるので、精度の高い試料分析を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る血液分析装置の前面斜視図である。
【図2】この発明に係る血液分析装置の後面斜視図である。
【図3】この発明に係る血液分析装置に付設される容器収納ユニットの斜視図である。
【図4】この発明に係る血液分析装置の検体セット部の正面図である。
【図5】この発明に係る血液分析装置の挟持爪の正面図である。
【図6】この発明に係る血液分析装置の挟持爪の側面図である。
【図7】図4のA−A矢視図である。
【図8】この発明に係る血液分析装置の挟持爪の縦断面図である。
【図9】この発明に係る血液分析装置の検体セット部の動作説明図である。
【図10】この発明に係る血液分析装置の検体セット部の動作説明図である。
【図11】この発明に係る血液分析装置の検体セット部の動作説明図である。
【図12】この発明に係る血液分析装置の検出部の正面図である。
【図13】この発明に係る血液分析装置のピペット水平駆動部の正面図である。
【図14】この発明に係る血液分析装置のピペット垂直摺動部の正面図である。
【図15】図14のB−B矢視断面図である。
【図16】この発明に係る血液分析装置のピペット垂直摺動部の正面図である。
【図17】この発明に係るピペット垂直摺動部とピペット水平駆動部の要部の正面図である。
【図18】この発明に係るピペット垂直摺動部とピペット水平駆動部の要部の左側面図である。
【図19】この発明に係るピペット垂直駆動部の左側面図である。
【図20】図19のC−C矢視断面図である。
【図21】この発明に係るピペット垂直駆動部の動作説明図である。
【図22】この発明に係るピペット垂直駆動部の動作説明図である。
【図23】この発明に係る検出器の要部切欠き正面図である。
【図24】この発明に係る検出器の要部切欠き側面図である。
【図25】この発明に係るミックスチャンバーの縦断面図である。
【図26】この発明に係るスピッツの平面図である。
【図27】図26のD−D矢視断面図である。
【図28】この発明に係る陰圧ポンプの断面図である。
【図29】この発明に係る血液分析装置の流体回路の系統図である。
【図30】この発明に係る血液分析装置の電気回路を示すブロック図である。
【図31】この発明に係る血液分析装置の動作を示すフローチャートである。
【図32】図26のE−E矢視断面図である。
【図33】図26に示すスピッツの変形例を示す図27対応図である。
【図34】図27に示すスピッツの動作説明図である。
【図35】図27に示すスピッツの動作説明図である。
【図36】図25に示すミックスチャンバーの平面図である。
【符号の説明】
70 ミックスチャンバー
71 収容部
72 収容部
73 ニップル
73 ニップル
74 ニップル
75 ニップル
72a 注液口
73a 排液口
74a 排液口
75a 注気口

Claims (7)

  1. ピペットと、所定位置に存在し、底部に液体を排出するための排出口を備える液体混合用容器と、ピペットに試料を吸引させ液体混合用容器に供給する試料供給部と、液体混合用容器に希釈液を供給する希釈液供給部と、希釈された試料を分析する試料分析部と、排出口を介して液体混合容器に収容された液体を排出する液体排出部とからなり、液体混合用容器は耐薬品性樹脂で形成され、かつ、内壁が粗面化されたことを特徴とする試料分析装置。
  2. 液体混合容器の上部が開放されており、試料供給部が、ピペットを他の所定位置に存在する検体容器まで移動させて検体容器中の試料を吸引させた後、ピペットを液体混合容器まで移動させて試料を吐出させるピペット駆動装置であり、液体混合容器は耐薬品性樹脂を射出成型することにより形成されることを特徴とする請求項1記載の試料分析装置。
  3. 容器の内壁は、算術平均粗さRaが0.16μm以上の表面粗さを有する請求項1記載の試料分析装置。
  4. 容器の内壁は、算術平均粗さRaが0.16μm≦Ra≦0.65μmの表面粗さを有する請求項1記載の試料分析装置。
  5. 液体混合容器に接続され、液体混合容器から排出された液体を貯留するための貯留容器をさらに備え、液体排出部は、貯留容器に接続され、液体を液体混合容器から貯留容器に移送するためのポンプを備える請求項1記載の試料分析装置。
  6. 液体混合容器は、ポリエーテルイミドからなる請求項1記載の試料分析装置。
  7. 液体混合容器は、収容部の底部に気体を注入する注気口をさらに備える請求項1記載の試料分析装置。
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