JP3783908B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンタなどに適用され、転写搬送ベルトや中間転写体ベルト等の感光体表面に接触するベルトユニットを有する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、転写搬送ベルトや中間転写体ベルト等の感光体上に形成されたトナー像を転写するためのベルトを有する画像形成装置において、これらのベルトの周辺部材を転写ベルトユニット(以下、転写ユニットという)としてユニット化したものがある。この種の装置において、ベルト交換の際に転写ユニットを取り出す方法としては、大きく分けて以下の2種類の方法がある。すなわち、比較的大型で高速な装置の場合には、転写ユニットによる感光体の損傷を防ぐため、転写ユニットを感光体に対して垂直方向に退避させた上で、転写ユニットを装置前方にレール等を用いて引き出す方法が用いられ、比較的小型の装置の場合には、感光体、現像器等の一体となったユニットを先に外してから転写ユニットを取り外すという方法が用いられる。
【0003】
また、ベルトを感光体に対して高精度に位置決めするために、感光体の軸方向に抜き挿し可能な複数の画像形成ユニットを直線的に並べて配置し、これらのユニットの装着時に装置本体に設けられた前後フレームでユニットを位置決めするようにしたものが知られている(例えば、特開平10−78737号公報等参照)。さらにまた、装置の駆動ユニットに軸継手部材を有するパイプ状部材を設けて、感光体を有するプロセスカートリッジと転写ユニットのそれぞれに設けられた位置決め部材をパイプ状部材の内周に当接させた状態で、パイプ状部材を装置本体の側板に嵌入させることにより、駆動ユニットに対する感光体とベルトの位置決めを図るものが知られている(例えば、特開平10−274915号公報等参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような転写ユニットを感光体に対して垂直方向に退避させた上で装置前方に引き出す方式の画像形成装置では、引き出す対象となる転写ユニットが大きく重いせいもあって、引き出すための機構が複雑化し、ユニット支持部材が多くなるため、装置本体への装着時に転写ユニットががたついて、ベルトと感光体との位置決め精度を上げることができない。
【0005】
また、上記のような感光体、現像器等の一体となったユニットを先に外してから転写ユニットを取り外す方式の画像形成装置では、転写ユニットを取り外す際に、いちいち感光体・現像器ユニットを取り外さなければならず、操作性に欠けるという問題があった。特に、いわゆるタンデム方式のカラーの画像形成装置の場合には、4つの感光体・現像器ユニットを取り外さなければならず、加えて、転写ユニットの固定方法もビスを用いた堅固なものであるため、ユーザが転写ベルトを交換することは困難であった。
【0006】
さらにまた、上記のような感光体の軸方向に抜き挿し可能な複数の画像形成ユニットを直線的に並べた画像形成装置では、転写ユニットの引き出しについての工夫が施されておらず、操作性に欠ける。また、上記のような装置の駆動ユニットに設けられたパイプ状部材と、プロセスカートリッジ及び転写ユニットに設けられた位置決め部材とを用いて感光体とベルトを駆動ユニットに対して位置決めする画像形成装置では、装置の機構が複雑化するため、生産コストが高くなるという問題があった。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、簡単な引き出し機構で転写ユニットの抜き挿しの際における感光体の損傷を防ぐことができ、しかも、転写ユニットの装置本体への正規装着位置において感光体に対する転写ベルトの正確な位置決めができるようにして、転写ユニットの引き出し機構における部品点数を削減し、生産コストの削減を図ることができると共に、転写ベルトを容易に交換することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、像担持体上に担持されたトナー像を転写するための転写ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成した画像形成装置において、転写ユニットは、転写ユニットから突出したガイドピンが装置本体に設けられたガイドレールに案内されて、像担持体の回転軸に対して直角方向に抜き挿しされ、ガイドレール及びガイドピンは、転写ユニットを装置本体に装着及び取り外しを行う際に、転写ユニットの正規装着位置以外では、転写ユニットの転写ベルトが像担持体表面から離れ、正規装着位置では、転写ユニットへの一方向の押圧力のみで転写ユニットを固定し得るような形状を持つ。
【0009】
上記構成においては、ガイドピンを案内するガイドレールの形状を、転写ユニットの正規装着位置以外では、転写ユニットの転写ベルトが像担持体表面から離れるようにしたので、転写ユニットの抜き挿しの際における像担持体の損傷を防ぐことができる。また、ガイドレール及びガイドピンの形状を、転写ユニットの正規装着位置では、転写ユニットへの一方向の押圧力のみで転写ユニットを固定し得るようにしたので、転写ユニットへの一方向の押圧力のみで像担持体に対する転写ベルトの正確な位置決めを行うことができる。さらにまた、転写ユニットを、転写ユニットから突出したガイドピンが装置本体に設けられたガイドレールに案内されて、装置本体に対して抜き挿しされるので、転写ユニットを装置本体から簡単に取り外すことができ、転写ベルトの交換が容易となる。
【0010】
また、請求項の発明は、上記構成に加えて、装置本体は複数の像担持体を備え、転写ユニットの転写ベルトは複数の転写用ベルト用ローラにより支持され、ガイドピンは転写ユニットの抜き挿し方向に離れて少なくとも2対設けられ、転写ユニットの正規装着状態において、ガイドピンの一方の対は、像担持体のうちの最も端の像担持体とそれに最も近い転写ベルト用ローラの間に位置し、ガイドピンの他方の対は、像担持体と反対側の像担持体とそれに最も近い転写ベルト用ローラの間に位置するようにした。これにより、複数の像担持体を使用する画像形成装置において、像担持体に近い位置で転写ユニットの位置決めを行うことができるので、転写ベルトを複数の像担持体に対して正確に位置決めすることができる。
【0011】
また、請求項の発明は、像担持体上に担持されたトナー像を転写するための転写ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成した画像形成装置において、転写ユニットは、転写ユニットから突出したガイドピンが装置本体に設けられたガイドレールに案内されて、像担持体の回転軸に対して直角方向に抜き挿しされ、ガイドレール及びガイドピンは、転写ユニットを装置本体に装着及び取り外しを行う際に、転写ユニットの正規装着位置以外では、転写ユニットの転写ベルトが像担持体表面から離れ、正規装着位置では、転写ユニットへの一方向の押圧力のみで転写ユニットを固定し得るような形状を持ち、ガイドピンは転写ユニットの抜き挿し方向に離れて少なくとも2対設けられ、ガイドレールは、転写ユニットを抜き挿しする方向のレール溝とそれより分岐して転写ユニットを像担持体方向に案内するレール溝とを有し、転写ユニットの挿入方向においてユニットを最初に像担持体方向に案内するレール溝の幅が、ユニットの挿入方向において最初にガイドレールに挿入されるガイドピンの直径よりも小さいものとしたものである。これにより、ユニットの挿入方向において、最初にガイドレールに挿入される一方のガイドピンが、本来は他方のガイドピンを案内するべき最初の像担持体方向へのレール溝に落ち込むことを防止することができる。
【0012】
また、請求項の発明は、像担持体上に担持されたトナー像を転写するための転写ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成した画像形成装置において、転写ユニットは、転写ユニットから突出したガイドピンが装置本体に設けられたガイドレールに案内されて、像担持体の回転軸に対して直角方向に抜き挿しされ、ガイドレール及びガイドピンは、転写ユニットを装置本体に装着及び取り外しを行う際に、転写ユニットの正規装着位置以外では、転写ユニットの転写ベルトが像担持体表面から離れ、正規装着位置では、転写ユニットへの一方向の押圧力のみで転写ユニットを固定し得るような形状を持ち、転写ユニットの転写ベルトを支持する転写ベルト用ローラの軸上に駆動連結ギヤを有し、このギヤが装置本体側の駆動源により駆動される駆動ギヤと係合されることにより転写ベルト用ローラに駆動力を供給する構成とされ、装置本体側の駆動ギヤは、転写ユニット側の駆動連結ギヤと係合して駆動力を供給する時に、ガイドピンの位置決めストッパとなるガイドレールのレール溝の終端部分に対して、駆動力が作用する位置に配置されているものである。これにより、レール溝の終端部分をガイドピンの位置決めストッパとして用いて、装置本体側の駆動ギヤが転写ベルト用ローラに与える駆動力の影響により転写ユニットの位置がずれることを防ぐことができると共に、装置本体側の駆動ギヤと転写ユニット側の駆動連結ギヤの噛み合い振動をできるだけ転写ベルトに伝えないようにすることができる。
【0013】
また、請求項4の発明は、像担持体上に担持されたトナー像を転写するための転写ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成した画像形成装置において、前記転写ユニットは、該転写ユニットから突出したガイドピンが装置本体に設けられたガイドレールに案内されて、前記像担持体の回転軸に対して直角方向に抜き挿しされ、前記ガイドレール及びガイドピンは、前記転写ユニットを装置本体に装着及び取り外しを行う際に、該転写ユニットの正規装着位置では、該転写ユニットへの一方向の押圧力のみで該転写ユニットを固定し得るような形状を持ち、前記ガイドレールのレール溝は、前記転写ユニットを抜き挿しする方向に配設された第1のレール溝と、この第1のレール溝より分岐して前記転写ユニットを前記像担持体の方向に案内する第2のレール溝と、この第2のレール溝につながり、前記像担持体に対向する前記転写ユニットの転写ベルト面と平行な第3のレール溝から構成され、前記第2のレール溝が前記転写ユニットを案内する方向と前記第3のレール溝が前記転写ユニットを案内する方向とは、異なり、前記第3のレール溝は、前記転写ユニットの正規装着位置付近に配置されているものである
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態による画像形成装置について図面を参照して説明する。本実施形態による画像形成装置は、イメージリーダ等で取り込んだ画像情報やパソコン等外部に接続された機器から取り込んだプリント情報をもとに作像を行なう。
【0015】
第1の実施形態による画像形成装置の転写ユニット周辺の構成について図1乃至図3を参照して説明する。この画像形成装置は、感光体10と転写ユニット20を備えている。この転写ユニット20は、転写ベルト24、この転写ベルト24への駆動伝達用の駆動ローラ21、従動ローラ22、及び転写ベルト24に張力を与えるためのテンションローラ23を有している。これらの駆動ローラ21、従動ローラ22、及びテンションローラ23は、図2に示されるように、転写ユニット20の側板20a,20bに軸支された状態で転写ユニット20に取り付けられる。転写ユニット20の側板20a,20bには、抜き挿し方向の前後においてそれぞれ左右一対のガイドピン25,27及び26,28が両側に突出して設けられている。また、本体の前後フレーム41,42の内面には、それぞれガイドレール31,32が設けられており、これらのガイドレール31,32のそれぞれに、転写ユニット20のガイドピン25,27及び26,28を案内するためのレール溝33が、図中の破線で示すような形状で形成されている。以下の説明では、本体前フレーム41に取り付けられたガイドレール31とガイドピン25,26について説明するが、本体後フレーム42に取り付けられたガイドレール32のレール溝33は、ガイドレール31のレール溝33と左右対称な形状とされている。
【0016】
転写ユニット20の正規装着状態では、転写ユニット20のガイドピン25,26(27,28)を、それぞれレール溝33の終端面39,40に当接させた状態で、転写ユニット20を矢印C方向(図1)へ押圧することにより、転写ユニット20を装置本体に対して固定することができ、また、転写ユニット20の装置本体への装着及び取り外し時には、ガイドレール31(32)のレール溝33を用いてガイドピン25,26(27,28)を案内することで、転写ユニット20を感光体10の回転軸に対して直角方向に抜き挿しすることができる。また、ガイドレール31のレール溝33は、転写ユニット20を抜き挿しする方向のレール溝34と、このレール溝34より分岐して転写ユニット20を感光体10の方向に案内するレール溝35,36と、このレール溝35,36に繋がり、転写ユニット20の正規装着位置付近におけるレール溝34と平行なレール溝37,38より構成される。
【0017】
用紙11への画像形成手順について図1を参照して説明する。図中の矢印Aは転写ベルト24の移動方向を、矢印Bは感光体10の回転方向を示す。先ず、感光体10上に形成された潜像を不図示の現像手段により現像し、感光体10上で現像されたトナー像を転写ベルト24に中間転写する。この転写ベルト24上の画像は、駆動ローラ21による転写ベルト24の移動により、用紙11との転写位置(駆動ローラ21と2次転写ローラ9が対向する位置)まで移動する。用紙11は、送り出しタイミング制御用のレジストローラ8a,8bにより転写ベルト24上の画像と同期をとって転写位置に送り出され、高電圧の印加された2次転写ローラ9により転写ベルト24上の画像を再転写する。その後、用紙11は搬送路60中の定着ローラ13(図7参照)の位置に搬送されて、この定着手段により用紙11上のトナー像が定着される。なお、図1には示されていないが、本画像形成装置は、図7に示される装置と同様に、手差しトレイ3及び用紙カセット5を有しており、また、用紙11の搬送路60に沿って、給紙ローラ6,4、及び搬送ローラ7を持つ。図7に示される装置の場合と同様に、手差しトレイ3又は用紙カセット5から給紙ローラ4又は給紙ローラ6を用いて供給された用紙11は、搬送ローラ7を用いて搬送経路60中を搬送されて、矢印Hの方向に排出される。
【0018】
次に、転写ユニット20の脱着時の様子について図4(a)(b)(c)を参照して説明する。図中の転写ユニット20の引き出し方向は左方向(矢印Eで示す方向)である。転写ユニット20をガイドレール31から引き出す際には、図4(a)に示されるように、ガイドピン25,26がレール溝37,38を経て、レール溝35,36中を斜め上方向に移動する。これに従い、転写ユニット20が矢印Dの方向へ移動し、感光体10と転写ベルト2の距離d1 が離れていく。そして、図4(b)に示されるように、ガイドピン25,26が転写ベルト2と平行なレール溝34に達した状態では、感光体10と転写ベルト2の距離d2 は、転写ユニット20を矢印Eの方向に引き出した場合に、転写ユニット20による感光体10の損傷を防止するのに十分な距離となる。また、図4(c)に示されるように、挿入時先頭側のガイドピン26の直径φeを手前側のレール溝35の水平方向の幅wよりも大きくすることにより、転写ユニット20をガイドレール31から抜き挿しする際に、ガイドピン26がガイドピン25を挿入するためのレール溝35に落ち込んでしまうことを防いでいる。
【0019】
上記の転写ユニット20の引き出し時とは逆に、転写ユニット20の挿入時には、図4の(c),(b),(a)の順に転写ユニット20が挿入される。図1に示されるように、手前側(左側)のレール溝37の高さ方向の幅mとガイドピン25の直径、及び奥側(右側)のレール溝38の高さ方向の幅lとガイドピン26の直径は、それぞれ精度のよい嵌め合い公差で作られており、転写ユニット20の装置本体への正規装着時には、転写ユニット20の上下方向のがたつきはほとんど無視できる。さらに、レール溝37,38の右端面が当たり面39,40となるため、転写ユニット20の装置本体への正規装着時には、例えば、ばねのようなもので転写ユニット20を左側から矢印C方向(図1)に押さえつけることにより、転写ユニット20を装置本体に対して固定することができる。
【0020】
上述したように、ガイドレール31のレール溝33の形状を、転写ユニット20の正規装着位置以外では、転写ユニット20の転写ベルト24が感光体10の表面から離れるような形状とし、正規装着位置では、上述の矢印C方向への押圧力のみで転写ユニット20を固定し得るようにしたことにより、ガイドレール31とガイドピン25,26を用いた簡単な引き出し機構で、転写ユニット20の抜き挿しの際における感光体10の損傷を防ぐことができ、しかも、転写ユニット20の正規装着位置において、転写ユニット20への一方向の押圧力のみで感光体10に対する転写ベルト24の正確な位置決めを行うことができる。これにより、転写ユニット20の引き出し機構における部品点数を削減し、生産コストの削減を図ることができる。また、転写ユニット20を、ガイドレール31とガイドピンを25,26用いて抜き挿しする構成としたことにより、転写ユニット20を装置本体から簡単に取り外すことができるので、転写ベルト24を容易に交換することができる。
【0021】
次に、第2の実施形態による画像形成装置(請求項及び請求項に対応)の転写ユニット周辺の構成について図5乃至図8を参照して説明する。本実施形態による画像形成装置は、図5に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒(K)の各色の作像を行う感光体10(Y),10(M),10(C),10(K)を有するタンデム方式のカラー画像形成装置である。この方式は、電子写真プロセスによりY,M,C,Kの各色成分毎に形成した感光体10(Y),10(M),10(C),10(K)上のそれぞれのトナー像を、順次転写ベルト20上に中間転写していくことにより、転写ベルト20上に各色の重ね合わせ画像を作成して、最後に用紙11(図1参照)上に4色の画像を一括して転写するものである。また、図7に示すように、感光体10(Y),10(M),10(C),10(K)は、それぞれプロセスカートリッジ12(Y),12(M),12(C),12(K)に収納されている。本実施形態における転写ユニット20の引き出し機構は、第1の実施形態と同様なものであり、図中に示されるように、転写ユニット20の正規装着位置では、一方のガイドピン26が駆動ローラ21とそれに最も近い感光体10(K)との間に位置し、他方のガイドピン25が従動ローラ22とそれに最も近い感光体10(Y)との間に位置するように構成されている。このような構成にすることにより、各感光体に最も近い位置で転写ユニット20の2点の位置決めを行うことができるので、転写ベルト24を、複数の感光体10(Y),10(M),10(C),10(K)に対して正確に位置決めすることができる。
【0022】
また、本実施形態においては、上記の駆動ローラ21への駆動連結機構において発生する振動が画像に与える影響を軽減するための構成を有している。その構成について図6を参照して説明する。転写ユニット20が正規装着位置にセットされた状態で、装置本体側の駆動ギヤ50は、駆動ローラ21の軸上に設けられた駆動連結ギヤ21aと係合しており、これらのギヤ50,21aを介して装置本体側の駆動源からの駆動力が駆動ローラ21に伝達される。この際、駆動ギヤ50が駆動連結ギヤ21aに与える矢印P方向の力が、ガイドピン25,26の位置決めストッパとなるレール溝33の終端面39,40に作用するように、駆動ギヤ50の位置を設定した上で、転写ユニット20を矢印Cの方向に押圧することにより、転写ユニット20の位置を固定する。
【0023】
上記構成により、転写ベルト24上における駆動ギヤ50から駆動連結ギヤ21aへの駆動伝達位置から最も離れた位置で、感光体10(Y),10(M),10(C),10(K)による転写ベルト24への中間転写を行うことができるので、駆動ギヤ50と駆動連結ギヤ21aの噛み合い振動をできるだけ転写ベルト24に伝えないようにすることができ、また、装置本体側の駆動ギヤ50が駆動ローラ21に与える駆動力の影響で転写ユニット20の位置がずれることを防ぐことができるので、色ずれの発生を防ぐことができる。
【0024】
次に、転写ユニット20を装置本体から引き出す時の様子について図7及び図8を参照して説明する。開閉自在なボディ側板14を矢印Iの方向に開いた上で、転写ユニット20を矢印Gの方向に引っ張る。すると、転写ユニット20の側面に設けられたガイドピン25,26が装置本体側のガイドレール31のレール溝33に沿って図4(a)に示される矢印Dと同方向に移動して、転写ユニット20から各感光体10(Y),10(M),10(C),10(K)までの距離が、転写ユニット20の矢印G方向への移動によるこれらの感光体の損傷を防ぐのに十分な距離となる。この状態で、転写ユニット20をさらに矢印Gの方向に引っ張ると、ガイドピン25,26がガイドレール31の平行なレール溝34に沿って移動して、転写ユニット20を装置本体から引き出すことができる。このようにして、ガイドレール31とガイドピン25,26を用いて、転写ユニット20を装置本体から簡単に取り外すことができ、転写ベルト24を容易に交換することができる。
【0025】
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では、中間転写用の転写ベルト24を持つ転写ユニット20について説明したが、用紙搬送用のベルトのユニットに本発明を適用してもよい。また、上記第2の実施形態では、複数の感光体を並べたタンデム方式のカラー画像形成装置について説明したが、一つの感光体を用いた4回転写方式のカラー画像形成装置においても同様の効果が期待できる。
【0026】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明によれば、ガイドレールの形状を、転写ユニットの正規装着位置以外では、転写ユニットの転写ベルトが像担持体表面から離れるような形状とし、正規装着位置では、一方向の押圧力のみで転写ユニットを固定し得るような形状としたので、ガイドレールとガイドピンを用いた簡単な引き出し機構で、転写ユニットの抜き挿しの際における像担持体の損傷を防ぐことができ、しかも、転写ユニットへの一方向の押圧力のみで像担持体に対する転写ベルトの正確な位置決めを行うことができる。これにより、転写ユニットの引き出し機構における部品点数を削減し、生産コストの削減を図ることができる。また、転写ユニットを、ガイドレールとガイドピンを用いて、装置本体に対して抜き挿しできるので、転写ユニットを装置本体から簡単に取り外すことができ、転写ベルトを容易に交換することができる。
【0027】
また、複数の像担持体を備えた画像形成装置において、転写ユニットの正規装着時に、ガイドピンの一方の対が像担持体のうちの最も端の像担持体とそれに最も近い転写ベルト用ローラの間に位置し、ガイドピンの他方の対が像担持体と反対側の像担持体とそれに最も近い転写ベルト用ローラの間に位置するようにしたので、像担持体に最も近い位置で転写ユニットの位置決めを行うことができる。従って、転写ベルトを複数の像担持体に対して正確に位置決めすることができ、複数の像担持体を備えたカラー画像印字用の画像形成装置において、正確で美しいカラー画像を得ることができる。
【0028】
また、請求項の発明によれば、転写ユニットの挿入方向においてユニットを最初に像担持体方向に案内するレール溝の幅を、最初にガイドレールに挿入されるガイドピンの直径よりも小さいものとしたので、最初にガイドレールに挿入される一方のガイドピンが、本来は他方のガイドピンを案内するべき最初の像担持体方向へのレール溝に落ち込むことを防止することができる。そのため、転写ユニットの装置本体に対する抜き挿しが容易となり、転写ベルトを容易に交換することができる。
【0029】
また、請求項の発明によれば、装置本体側の駆動ギヤを、ガイドピンの位置決めストッパとなるガイドレールのレール溝の終端部分に対して、駆動力が作用する位置に配置したので、装置本体側の駆動ギヤが転写ベルト用ローラに与える駆動力の影響で転写ユニットの位置がずれることを防ぐことができる。そのため、カラー画像形成装置に適用することにより色ずれの発生を防ぐことができる。また、装置本体側の駆動ギヤと転写ユニット側の駆動連結ギヤの噛み合い振動をできるだけ転写ベルトに伝えないようにすることができるので、正確で美しい画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による画像形成装置の転写ユニットの前面図である。
【図2】上記転写ユニットの上面図である。
【図3】図2中の転写ユニットの左側面図である。
【図4】(a)(b)(c)は、転写ユニットの脱着時の様子を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態による画像形成装置の転写ユニットの前面図である。
【図6】上記転写ユニットの駆動ローラへの駆動連結機構において発生する振動が画像に与える影響を軽減するための構成を示す図である。
【図7】上記転写ユニットの装置本体からの引き出し時の様子を示す図である。
【図8】上記転写ユニットの装置本体からの引き出し時の様子を示す図である。
【符号の説明】
10 感光体(像担持体)
10(Y) 感光体(像担持体)
10(M) 感光体(像担持体)
10(C) 感光体(像担持体)
10(K) 感光体(像担持体)
20 転写ユニット
21 駆動ローラ(転写ベルト用ローラ)
21a 駆動連結ギヤ
22 従動ローラ(転写ベルト用ローラ)
24 転写ベルト
25 ガイドピン
26 ガイドピン
27 ガイドピン
28 ガイドピン
31 ガイドレール
32 ガイドレール
33 レール溝
34 レール溝
35 レール溝
37 レール溝
38 レール溝
39 終端面
40 終端面
50 駆動ギヤ

Claims (4)

  1. 像担持体上に担持されたトナー像を転写するための転写ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成した画像形成装置において、
    前記転写ユニットは、該転写ユニットから突出したガイドピンが装置本体に設けられたガイドレールに案内されて、前記像担持体の回転軸に対して直角方向に抜き挿しされ、
    前記ガイドレール及びガイドピンは、前記転写ユニットを装置本体に装着及び取り外しを行う際に、該転写ユニットの正規装着位置以外では、該転写ユニットの転写ベルトが像担持体表面から離れ、正規装着位置では、該転写ユニットへの一方向の押圧力のみで該転写ユニットを固定し得るような形状を持ち、
    前記装置本体は複数の像担持体を備え、前記転写ユニットの転写ベルトは複数の転写用ベルト用ローラにより支持され、前記ガイドピンは転写ユニットの抜き挿し方向に離れて少なくとも2対設けられ、
    前記転写ユニットの正規装着状態において、前記ガイドピンの一方の対は、前記像担持体のうちの最も端の像担持体とそれに最も近い転写ベルト用ローラの間に位置し、前記ガイドピンの他方の対は、前記像担持体と反対側の像担持体とそれに最も近い転写ベルト用ローラの間に位置することを特徴とする画像形成装置。
  2. 像担持体上に担持されたトナー像を転写するための転写ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成した画像形成装置において、
    前記転写ユニットは、該転写ユニットから突出したガイドピンが装置本体に設けられたガイドレールに案内されて、前記像担持体の回転軸に対して直角方向に抜き挿しされ、
    前記ガイドレール及びガイドピンは、前記転写ユニットを装置本体に装着及び取り外しを行う際に、該転写ユニットの正規装着位置以外では、該転写ユニットの転写ベルトが像担持体表面から離れ、正規装着位置では、該転写ユニットへの一方向の押圧力のみで該転写ユニットを固定し得るような形状を持ち、
    前記ガイドピンは転写ユニットの抜き挿し方向に離れて少なくとも2対設けられ、前記ガイドレールは、転写ユニットを抜き挿しする方向のレール溝とそれより分岐して転写ユニットを像担持体方向に案内するレール溝とを有し、
    前記転写ユニットの挿入方向において該ユニットを最初に像担持体方向に案内するレール溝の幅が、該ユニットの挿入方向において最初に前記ガイドレールに挿入されるガイドピンの直径よりも小さいことを特徴とする画像形成装置。
  3. 像担持体上に担持されたトナー像を転写するための転写ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成した画像形成装置において、
    前記転写ユニットは、該転写ユニットから突出したガイドピンが装置本体に設けられたガイドレールに案内されて、前記像担持体の回転軸に対して直角方向に抜き挿しされ、
    前記ガイドレール及びガイドピンは、前記転写ユニットを装置本体に装着及び取り外しを行う際に、該転写ユニットの正規装着位置以外では、該転写ユニットの転写ベルトが像担持体表面から離れ、正規装着位置では、該転写ユニットへの一方向の押圧力のみで該転写ユニットを固定し得るような形状を持ち、
    前記転写ユニットの転写ベルトを支持する転写ベルト用ローラの軸上に駆動連結ギヤを有し、
    このギヤが装置本体側の駆動源により駆動される駆動ギヤと係合されることにより前記転写ベルト用ローラに駆動力を供給する構成とされ、
    前記装置本体側の駆動ギヤは、前記転写ユニット側の駆動連結ギヤと係合して駆動力を供給する時に、前記ガイドピンの位置決めストッパとなる前記ガイドレールのレール溝の終端部分に対して駆動力が作用する位置に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
  4. 像担持体上に担持されたトナー像を転写するための転写ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成した画像形成装置において、
    前記転写ユニットは、該転写ユニットから突出したガイドピンが装置本体に設けられたガイドレールに案内されて、前記像担持体の回転軸に対して直角方向に抜き挿しされ、
    前記ガイドレール及びガイドピンは、前記転写ユニットを装置本体に装着及び取り外しを行う際に、該転写ユニットの正規装着位置では、該転写ユニットへの一方向の押圧力のみで該転写ユニットを固定し得るような形状を持ち、
    前記ガイドレールのレール溝は、前記転写ユニットを抜き挿しする方向に配設された第1のレール溝と、この第1のレール溝より分岐して前記転写ユニットを前記像担持体の方向に案内する第2のレール溝と、この第2のレール溝につながり、前記像担持体に対向する前記転写ユニットの転写ベルト面と平行な第3のレール溝から構成され、
    前記第2のレール溝が前記転写ユニットを案内する方向と前記第3のレール溝が前記転写ユニットを案内する方向とは、異なり、
    前記第3のレール溝は、前記転写ユニットの正規装着位置付近に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
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