JP3783392B2 - クラッチ機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はクラッチ機構に関する。詳しくは、第1の回転体に対して第2の回転体をコイルバネを用いて押圧付勢するクラッチ機構において、第2の回転体のトルクの安定化を図る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気テープに対して情報信号の記録又は再生、或は、その双方をを行うことのできる磁気テープ記録再生装置、例えば、カセットテーププレーヤには、通常、大径のギヤと小径のギヤとを有し小径のギヤが大径のギヤに対し所定の摩擦力を有して接触した状態で構成されたクラッチ機構が設けられている。
【0003】
このクラッチ機構は、同軸上に形成された小径のギヤと大径のギヤとの間に所定の摩擦力が生じた状態で小径のギヤの回転に対して一定以上の負荷がかけられたときには小径のギヤが大径のギヤに対してスリップしながら回転され、また、小径のギヤにかかる負荷が上記一定の負荷よりも小さいときには大径のギヤと一体となって回転されるようになっており、磁気テープがキャプスタンとピンチローラとによって挟着された状態で一定速度で送り出されリール台に巻き取られるときに、時々刻々と変化する巻取径に対応して弛み等を生じることなく磁気テープを適正に巻き取るために必要とされるものである。
【0004】
図35乃至図40にクラッチ機構の従来のものの一例を示す。
【0005】
クラッチ機構aは第1の回転体として形成された大ギヤb、フリクションシートc、第2の回転体として形成された小ギヤd及びコイルバネeから成る(図35及び図36参照)。
【0006】
大ギヤbは図示しないシャーシに支持され、円板状のギヤ部fと該ギヤ部fの中心部から突設された軸部gとを有し、該軸部gの先端寄りの部分に係合溝hが形成されている。
【0007】
小ギヤdは中心部に挿通孔iが形成された円環状の接触部jと該接触部jの外周部から大ギヤbと反対方向に突設された円環状の規制部kとを有し、該規制部kの先端縁から外方に稍突出されるようにしてギヤ部lが形成されている。
【0008】
コイルバネeは略円錐台状を為し、その軸方向から見て略円状に認識される一端側の部分が小径側端部mとして形成され、また、軸方向から見て略円状に認識される他端側の部分が大径側端部nとして形成されている。そして、コイルバネeは小径側端部mと大径側端部nが同心円状に形成されている(図37及び図38参照)。
【0009】
しかして、クラッチ機構aは、大ギヤbの軸部gが円環状のフリクションシートcと小ギヤdの挿通孔iを順に挿通された状態で軸部gの係合溝hにコイルバネeの小径側端部mの一部が係合されると共に大径側端部nが小ギヤdの接触部jに弾接されることにより構成される。尚、コイルバネeを軸部gに取り付けた状態において、該コイルバネeの大径側端部nは小ギヤdの接触部jに弾接するのみで規制部kには接しないような大きさに形成されている。これは、コイルバネeの取付を容易にすると共に大径側端部nの先端と規制部kとの接触を回避して大径側端部nの先端による規制部kの削れを防止する等のためである。
【0010】
このようにクラッチ機構aが構成された状態において、小ギヤdが大ギヤbに対してコイルバネeによって押圧付勢され、大ギヤbと小ギヤdとが一体となって回転可能とされると共に所定の場合には小ギヤdがフリクションシートcを介して大ギヤbに対してスリップしながら回転可能となり、小ギヤdがスリップ状態で回転したときにはコイルバネeの小径側端部mが係合溝h内で軸部gと摺接されることになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来のクラッチ機構aにあっては、コイルバネeの小径側端部mと大径側端部nとが同心円状に形成されると共に大径側端部nが規制部kと接触しておらず、小径側端部mが完全な円形状でないため、図39に示すように小径側端部mの先端Aと他の一部Bのみが軸部gに係合した状態となり易い。
【0012】
ところが、クラッチ機構aにあっては、このように先端Aと他の一部Bのみが軸部gと係合され易いので、コイルバネeの軸部gに対する位置規制が為されにくい状態であり、この状態で小ギヤdが大ギヤbに対してスリップしながら回転したときには、コイルバネeが軸部gに対してふらついてしまう。
【0013】
また、例えば、回転前にはコイルバネeの軸部gに対する係合部分が先端Aと他の一部B(図39参照)であり回転中心を中心としてAとBの為す角度がαであったものが、回転後にはコイルバネeの軸部gに対する係合部分が先端Aと他の一部B´(図40参照)となって回転中心を中心としてAとB´の為す角度がβとなってしまうことがあり、軸部gに対するコイルバネeの小径側端部mにおける係合する部分が変化してコイルバネeの取付状態に変化が生じ、これによりコイルバネeの小ギヤdに対するばね加重が変化しトルクがばらついてしまうという不具合を生じるおそれがある。
【0014】
そこで、本発明クラッチ機構は、上記した問題点を克服し、第1の回転体に対して第2の回転体をコイルバネを用いて押圧付勢するクラッチ機構において、第2の回転体のトルクの安定化を図ることを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明クラッチ機構は、上記した課題を解決するために、円板状の主部と該主部の中心部から突設され係合部が形成された軸部とを有する第1の回転体と、中心部に挿通孔が形成された円環状の接触部と該接触部の周縁部から第1の回転体と反対方向に突設された規制部とを有し、第1の回転体の軸部が接触部の挿通孔を挿通される第2の回転体と、一端部が第1の回転体の軸部の係合部に弾発的に係合されると共に他端部が第2の回転体の接触部に弾接されて該第2の回転体を第1の回転体の主部に対して押圧付勢する略円錐台状のコイルバネとを備え、該コイルバネを、その軸方向から見て略円状に認識され第1の回転体の係合部に係合される一端側の部分(小径側端部)の中心と軸方向から見て略円状に認識される他端側の部分(大径側端部)の中心とが軸方向と直交する方向(直交方向)に変位して位置するように形成し、コイルバネの大径側端部の一部が第2の回転体の規制部に弾接するようにしたものである。
【0016】
従って、本発明クラッチ機構にあっては、コイルバネが回転体の回転中心を挟んで直交方向における大径側端部の中心と反対方向に付勢される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0018】
尚、以下に示した実施の形態は、本発明をノーマル再生及びリバース再生を連続して行うことのできる所謂オートリバース機能を有する携帯型のカセットテーププレーヤに適用したものである。
【0019】
図1乃至図3に示すように、カセットテーププレーヤ1は本体部2と該本体部2を開閉する蓋体3とから成り、本体部2には磁気テープ4を収納してテープカセット5が装着される装着部6が形成されている。
【0020】
本体部2は枠状を為す上側キャビネット7とその下側に取り付けられた下側キャビネット8とから成る筐体9内に、それぞれ各種の部材等が取り付けられたシャーシ10とプリント基板11とが上下に配置されて成る(図3参照)。
【0021】
蓋体3はその一端部が上側キャビネット7に回動自在に支持されており、前端部に下方に突出した逆L字状の係合部3aが形成されている(図2参照)。そして、蓋体3は、本体部2の上面を閉塞する方向(以下、「閉塞方向」という。)に回動されて係合部3aが後述するロック機構のロック部材に係合することによりロックされ、係合部3aとロック部材との係合が解除され本体部2の上面を開放する方向(以下、「開放方向」という。)に回動されることにより開放される。
【0022】
蓋体3の上面には各種のスイッチ12、12、・・・が配置され(図1乃至図3参照)、これらのスイッチ12、12、・・・を操作することによりテープカセット5の磁気テープ4に記録された情報信号の再生や磁気テープ4の早送り、巻戻し等の各種の操作を行うことができるようになっている。
【0023】
上側キャビネット7の前面には蓋体3のロック状態を解除するための開放摘子13が左右方向に移動自在に支持されており(図1乃至図3参照)、該開放摘子13を左方にスライド操作することにより係合部3aとロック部材との係合が解除され蓋体3が開放方向に回動可能な状態とされる。そして、上側キャビネット7の前端部にはロック機構の一部を配置するための配置孔7aが形成されている(図2参照)。
【0024】
図4乃至図6に示すように、シャーシ10にはその前端部が下方に折り曲げられることにより取付部14が形成されており、該取付部14には挿通孔14aとその右側に位置する小孔のバネ掛け孔14bとが形成されている。そして、取付部14にロック機構15が支持されている。
【0025】
ロック機構15はロック部材16とトグルバネ17と連結片18とから成る(図4乃至図6参照)。
【0026】
ロック部材16は被支持部19と該被支持部19から上方に突出されたロック部20とが一体に形成されて成り、被支持部19の左半部にはそれぞれ左右方向に延び上下に離間して位置する連結孔21と被支持孔22とが形成され、また、右半部には被支持孔23が形成されている。右側の被支持孔23は略左右に長い第1の部分23aと該第1の部分23aの右端部から略下方に短く延びる第2の部分23bとから成る。
【0027】
ロック部20の左端部の上端部には右倒れのL字状を為す係合部20aが突出され、右端部の上端部からは右方に突出した作用部20bが形成されている。また、ロック部20の右端部の下端部には前方に突出し円環状を為す切り起こし状のバネ掛け部20cが形成されている。さらに、被支持部19の左端部の下端縁は後述する検出スイッチを操作するための操作部20dとして形成されている。
【0028】
連結片18は左右方向に延びるように形成されており、被支持部24と該被支持部24の右端部の上端から上方に短く突出しさらに右方へ長く延びる連結部25とから成る。
【0029】
被支持部24には左右に離間して左右方向に長い被支持孔24a、24aが形成され、略中央部には後方に突出した押圧片24bが形成されている。
【0030】
連結部25の右端部の上端部に前方に突出した第1の連結突起25aが形成され、右端部の下端部には後方に突出した第2の連結突起25bが形成されている。
【0031】
ロック部材16はそれぞれ被支持孔22、23を挿通された支持ピン26、27によって取付部14における右側で移動自在に支持され、また、連結片18はそれぞれ被支持孔24a、24aを挿通された支持ピン28、28によって取付部14における左側で左右方向に移動自在に支持される。そして、ロック部材16のバネ掛け部20cと取付部14に形成されたバネ掛け孔14bとの間にトグルバネ17が介在され、ロック部材16がこのトグルバネ17によって所定の方向への移動力を付勢されている。
【0032】
また、連結片18は、取付部14に支持された状態において、図示しないバネ部材によって右方へ向けての移動力が付勢されており、押圧片24bが取付部14の挿通孔14aを挿通されてシャーシ10の主面10aの下方に位置され、また、前方に突出された第1の連結突起25aが上側キャビネット7の前面にスライド自在に支持された上記開放摘子13に連結されている。そして、連結片18の第2の連結突起25bはロック部材16の連結孔21内に位置されている。
【0033】
尚、挿通孔14aを挿通された連結片18の押圧片24bの直ぐ左側には、シャーシ10の主面10aに支持された後述するロックベースの被押圧片が位置されており、連結片18が右方の移動端から左方へ移動されるときに該被押圧片が押圧片24bに押圧されてロックベースが左方へ移動されるようになっている。
【0034】
プリント基板11の前端部には検出スイッチ29が配置されている(図3乃至図6参照)。この検出スイッチ29は蓋体3の開閉状態を検出するためのものであり、検出スイッチ29がON状態とされることによって図示しない電源から後述するモータへの電流の供給が可能な状態とされ、OFF状態とされることによって電源からの電流の供給が禁止されモータへの電流の供給が停止されるようになっている。そして、検出スイッチ29はロック部材16の操作部20dの移動範囲に対応して位置されている。
【0035】
しかして、蓋体3が開放されている状態においては、支持ピン26、27がそれぞれロック部材16の被支持孔22の右端及び被支持孔23の第2の部分23bの下端に位置され、これによりロック部材16は稍右上がりに傾斜した状態とされている(図4参照)。そして、このときロック部材16はトグルバネ17によってロック部20のバネ掛け片20cが略上方への移動力を付勢され、この稍右上がりの位置である非ロック位置に保持されている。
【0036】
また、この状態においては、連結片18はバネ部材のばね力によって右方への移動端に位置され、支持ピン28、28が被支持孔24a、24aの左端に位置されている。そして、連結片18の第2の連結突起25bはロック部材16の連結孔21内の右端部に位置されている。
【0037】
さらに、プリント基板11に配置された検出スイッチ29がロック部材16の操作部20dによって操作されてOFF状態とされている。
【0038】
図4の状態から蓋体3を閉塞方向へ回動していくと、係合部3aがロック部材16の作用部20bを下方へ押圧する。係合部3aによる作用部20bの押圧によってロック部材16が支持ピン26を回動支点とするようにして図4で見て時計回り方向へ回動される。そして、トグルバネ17は取付部14のバネ掛け孔14bに係合された部分を回動支点とするようにして時計回り方向へ回動され、ロック部材16が所定の角度回転されたところでトグルバネ17がその死点を越えそのばね力によってロック部材16が右方へ移動されてロック位置に保持される(図5参照)。
【0039】
即ち、支持ピン26がロック部材16の被支持孔22の左端に位置され、また、支持ピン27が被支持孔23の第1の部分23aの左端に位置される。そして、ロック部材16の時計回り方向への回動及び右方への移動によって係合部20aが蓋体3の係合部3aと係合され、蓋体3が本体部2の上面を閉塞した閉塞位置にロックされる。
【0040】
また、このときロック部材16のトグルバネ17のばね力による右方への移動に伴って操作部20dの検出スイッチ29への操作が解除され該検出スイッチ29がON状態とされる。
【0041】
尚、このときロック部材16の右方への移動により連結片18の第2の連結突起25bは連結孔21の左端部に位置される。
【0042】
図5の状態、即ち、蓋体3がロック部材16によってロックされている状態において上側キャビネット7の前面の開放摘子13を左方へスライド操作すると、該開放摘子13に連結された連結片18が左方へ移動される。連結片18の左方への移動によってその第2の連結突起25bがロック部材16の連結孔21の左側開口縁を押圧し、これによりロック部材16が左方の所定の位置まで移動される。ロック部材16が左方へ移動されたところでトグルバネ17が死点を越え、そのばね力によってロック部材16が支持ピン26を回動支点とするようにして図5で見て反時計回り方向へ回動されて非ロック位置に保持される(図6参照)。
【0043】
即ち、支持ピン26がロック部材16の被支持孔22の右端に位置され、また、支持ピン27が被支持孔23の第2の部分23aの下端に位置される。そして、ロック部材16の左方への移動及び反時計回り方向への回動によって係合部20aと蓋体3の係合部3aとの係合が解除され、蓋体3の閉塞位置へのロックが解除される。
【0044】
また、このとき蓋体3の係合部3aをロック部材16の作用部20bが上方へ押し上げることにより蓋体3が開放方向へ稍回動される。そして、トグルバネ17のばね力によるロック部材16の回動動作に伴って操作部20dの検出スイッチ29への操作が再度行われ該検出スイッチ29がOFF状態とされる。
【0045】
尚、開放摘子13の操作を終了すると、該開放摘子13はバネ部材によるばね力が連結片18を介して伝達され、右方ヘ移動され元の位置に戻る。そして、ロック機構15は図4の状態に戻ることになる。
【0046】
上記したように、ロック部材16の動作によって検出スイッチ29への操作が為されると共にロック部材16がトグルバネ17のばね力によってロック位置と非ロック位置とに選択的に保持されるため、ロック部材16がロック位置に至り蓋体3がロックされた状態では検出スイッチ29が必ずON状態となって電源からの電流の供給が可能な状態に確実に為されると共にロック部材16が非ロック位置に至り蓋体3のロックが解除された状態では検出スイッチ29が必ずOFF状態となって電源からの電流の供給の禁止が確実に為され、蓋体3が完全に閉塞されていないのに電源からの電流の供給が為されてしまったり、或は、蓋体3が開放されていないのに電源からの電流の供給が停止されてしまうという事態を生じることがない。
【0047】
従って、検出スイッチ29のON−OFF範囲の精度の向上を図る必要がなく、換言すれば、検出スイッチ29のON−OFF範囲の精度の緩和を図ることできるため、コストの低減を図ることができる。
【0048】
また、蓋体の開閉状態の検出を、蓋体に操作突起を設けると共にシャーシにプリント基板に配置した検出スイッチを臨ませる臨ませ孔を形成して蓋体が回動されるときに操作突起によって検出スイッチを操作することによって為すようにした機構もあるが、上記した実施の形態においては、ロック機構15のロック部材16の動作によって検出スイッチ29を操作するため、シャーシ10に臨ませ孔を形成する必要がないと共に蓋体3に操作突起を設ける必要がなく、その分製造コストの低減を図ることができる。
【0049】
また、シャーシ10に臨ませ孔を形成する必要がないため、シャーシ10の強度が低下してしまうという問題も生じない。
【0050】
さらに、検出スイッチ29の操作をロック部材16の動作により行い、該ロック部材16のロック位置と非ロック位置への保持をトグルバネ17により行っており、検出スイッチ29による蓋体3の開閉状態の検出等を簡素な機構により実現することが可能となっている。
【0051】
尚、従来のロック機構においては、取付板にロック部材や連結片等の各部材が取り付けられたロック機構ユニットがシャーシ等に取り付けられていたが、上記した実施の形態において示したロック機構15にあっては、ロック部材16と連結片18を直接シャーシ10に一体に形成された取付部14に取り付けているため、部品点数の削減と共に取付工程の削減を図ることができ、製造コストの低減を図ることができる。
【0052】
次に、図7等を参照してシャーシ10に設けられた磁気テープ駆動機構30について説明する。尚、図7はカセットテーププレーヤ1のシャーシ10の背面側に構成される磁気テープ駆動機構30のFWDモードにおける状態を示すものである。
【0053】
図7に示すように、シャーシ10には正逆回転が可能なモータ31が配置され、該モータ31の回転軸にはプーリー31aが取り付けられている。そして、シャーシ10には左右に離間して一対のフライホイール32L、32Rが支持されており、プーリー31aとフライホイール32L、32Rとに亘って無端状のベルト33が張架されている。
【0054】
従って、フライホイール32L、32Rはモータ31の駆動によって回転され、それぞれシャーシ10の表面側に突出されたFWD用キャプスタン34F、REV用キャプスタン34R(図3参照)と一体に回転されるようになっている。尚、フライホイール32Lとフライホイール32Rとはベルト33の架け方によってモータ31の回転方向に拘らず常に互いに逆方向に回転されるようになっている。
【0055】
図7で見て左側のフライホイール32Lには同軸上にシャーシ10側に小径ギヤ部32aが一体に形成されている。そして、フライホイール32Lの回転中心と同じ支点を回動中心としてシャーシ10に回動ベース35が回動自在に支持されており、該回動ベース35の先端部に伝達ギヤ36が支持されている。
【0056】
伝達ギヤ36は3つのギヤ部、即ち、大ギヤ部36aを挟んでシャーシ10側に小ギヤ部36b、シャーシ10と反対側に中ギヤ部36cが一体に形成されて成り、大ギヤ部36aがフライホイール32Lの小径ギヤ部32aと噛合されている。
【0057】
ここで、上記したように、シャーシ10に配置されたモータ31が正逆回転が可能とされており、モータ31が反時計回り方向へ回転されたときにはフライホイール32Lも反時計回り方向へ回転され、その小径ギヤ部32aと噛合された伝達ギヤ36が小径ギヤ部32aの回転方向に応じて図11に示すようにV1方向へ回動せしめ、該伝達ギヤ36の小ギヤ部36bがシャーシ10に支持された後述するカムギヤと噛合される(図11参照)。
【0058】
また、モータ31が時計回り方向へ回転されたときにはフライホイール32Lも時計回り方向へ回転され、その小径ギヤ部32aと噛合された伝達ギヤ36が小径ギヤ部32aの回転方向に応じて図12に示すようにV2方向へ回動せしめ、該伝達ギヤ36の中ギヤ部36cがシャーシ10に支持された後述するクラッチギヤと噛合される(図12参照)。
【0059】
そして、伝達ギヤ36がカムギヤと噛合された状態では、各モードの形成が為され(以下、この状態を「モード形成系」という。)、伝達ギヤ36がクラッチギヤと噛合された状態では、磁気テープ4の走行が為される(以下、この状態を「テープ走行系」という)。
【0060】
カムギヤ37は回転されることにより、磁気テープ5に記録された情報信号の再生を行うFWDモード、磁気テープ5の早送りを行うFFモード、磁気テープ5に記録された情報信号のリバース再生を行うREVモード、磁気テープ5の巻戻しを行うREWモードの各モードを形成するための部材であり、このカムギヤ37のシャーシ10と対向する側の面には所定の形状を為すカム溝38が形成されている。そして、このカム溝38は、図7に示すように、その中央部を基準に反対側の部分が互いに対称の形状を為すように形成されると共に各外端がカムギヤ37の回転軸を中心として互いに略180゜離間した位置、即ち、反対側に開口するように形成されている。
【0061】
クラッチギヤ39は第1の回転体として形成された大ギヤ40と第2の回転体として形成された小ギヤ41とが結合されて成り、これら大ギヤ40、小ギヤ41とフリクションシート42とコイルバネ43とによってクラッチ機構が形成される(図13参照)。
【0062】
このクラッチ機構においては、同軸上に配置された大ギヤ40と小ギヤ41との間に所定の摩擦力が生じた状態で小ギヤ41の回転に対して一定以上の負荷がかけられたときには小ギヤ41が大ギヤ40に対してスリップしながら回転され、また、小ギヤ41にかかる負荷が上記一定の負荷よりも小さいときには大ギヤ42と一体となって回転されるようになっており、磁気テープ4がFWD用キャプスタン34F又はREV用キャプスタン34Rと後述するピンチローラとの間で挟着された状態で一定速度で送り出され後述するリール台に巻き取られるときに、時々刻々と変化する巻取径に対応して弛み等を生じることなく磁気テープ4を適正に巻き取るために必要とされるものである。
【0063】
大ギヤ40はシャーシ10に支持され、円板状のギヤ部44と該ギヤ部44の中心部からシャーシ10側に突設された軸部45を有し、該軸部45の先端寄りの部分に係合溝45aが形成されている。
【0064】
小ギヤ41は中心部に挿通孔46aが形成された円環状の接触部46と該接触部46の外周部から大ギヤ40と反対方向に突設された円環状の規制部47を有し、該規制部47の先端縁から外方に稍突出されるようにしてギヤ部48が形成されている。
【0065】
コイルバネ43は略円錐台形状を為しその軸方向から見て略円状に認識される端部がそれぞれ小径側端部43a、大径側端部43bとして形成されている。そして、図14及び図15に示すように、コイルバネ43は大径側端部43bを除いて同心円状に形成され、大径側端部43bのうちの先端側の半部が軸方向と直交する方向(直交方向)に突出され該大径側端部43bの中心が小径側端部43aの中心より直交方向にHだけ変位して位置するように形成されている。
【0066】
しかして、クラッチ機構は、大ギヤ40の軸部45が円環状のフリクションシート42と小ギヤ41の挿通孔46aを順に挿通された状態で軸部45の係合溝45aにコイルバネ43の小径側端部43aの一部が係合されると共に大径側端部43bが小ギヤ41の接触部46に弾接されることにより構成される。
【0067】
そして、このようにクラッチ機構が構成された状態において、小ギヤ41が大ギヤ40に対してコイルバネ43によって押圧付勢され、小ギヤ41がフリクションシート42を介して大ギヤ40に対してスリップしながら回転可能となり、小ギヤ41がスリップ状態で回転したときにはコイルバネ43の小径側端部43aが係合溝45a内で軸部45と摺接されることになる。
【0068】
上記したように、コイルバネ43の大径側端部43bのうちの先端側の半部が直交方向に突出され該大径側端部43bの中心が小径側端部43aの中心より直交方向にHだけ変位して位置されているため、コイルバネ43を軸部45に取り付けた状態において、コイルバネ43の大径側端部43bの一部が小ギヤ41の規制部47の内面に弾接される。
【0069】
従って、この大径側端部43bの規制部47への弾接によってコイルバネ43はその全体が直交方向における小径側端部43aの中心が位置する方向、即ち、図15に示すF方向(付勢方向)へ付勢され、小径側端部43aの直交方向側に位置する略半部(図16に印を付して示す部分)が軸部45に弾接される。
【0070】
このように大径側端部43bが規制部47に弾接すると共に小径側端部43aが軸部45に弾接されることによって、大ギヤ40に対して小ギヤ41がスリップしながら回転する時に常にこの状態が保たれ、回転時にコイルバネ43が軸部45に対してふらついてしまうようなことがなく、また、軸部45に対する小径側端部43aの係合部分が変化してしまう等の取付状態の変化を生じることがないため、コイルバネ43の小ギヤ41に対するばね加重が常に一定に保たれ小ギヤ41の回転トルクの安定化を図ることができる。
【0071】
また、図15及び図16に示すように、コイルバネ43がクラッチギヤ39に取り付けられた状態においては、該コイルバネ43はその小径側端部43aの先端面が付勢方向を向くように形成されている。
【0072】
従って、上記のように小径側端部43aが付勢方向Fへ付勢されているため、該小径側端部43aの先端が大ギヤ40の軸部45と接触するようなことがなく、小径側端部43aの先端との接触による軸部45の削れを防止することができる。
【0073】
シャーシ10の略中央部にはモード切換レバー49が図7で見て左右方向に移動自在に支持されている。モード切換レバー49はFWDモード、FFモード、REWモード及びREVモードに対応した4つの位置で停止されるようになっており、モード切換レバー49のこの各停止位置の検出がモード検出スイッチ50によって行われる。
【0074】
モード検出スイッチ50はシャーシ10の背面側に位置するプリント基板11に固定され、左右に離間して上記各モードに対応した4つの検出部を有している。そして、図7で見てモード切換レバー49の右端部に形成された操作子取付部49aに取り付けられた操作子51がモード切換レバー49の移動に伴って左右方向へ移動され、操作子51がモード検出スイッチ50の検出部に対応して位置されたところで各モードにおけるモード切換レバー49の停止位置の検出が為されるようになっている。
【0075】
モード切換レバー49は左右方向に長く形成され、図7で見て右端部に所定の形状を為す第1のカム孔49bが形成され、左右方向における略中央部に第1のカム孔49bとは異なる所定の形状を為す第2のカム孔49cが形成されている。そして、モード切換レバー49の左端部には2つの摺接突起49d、49eが左右に離間して形成され、該摺接突起49d、49eは上記カムギヤ37の回転中心を挟んで互いに反対側に位置した状態で何れか一方のみがカム溝38に摺動自在に係合されるようになっている。また、モード切換レバー49の下縁には左右に離間して立曲状の作用縁49f、49gが形成されている。
【0076】
尚、上記した右側に位置するカム孔49bは左端側に位置し左右方向に短く延びる左側水平部49h、その右端に連続し右上がりに傾斜する左側傾斜部49i、その右端に連続し左右方向に延びる上側水平部49j、その右端に連続し右下がりに傾斜する右側傾斜部49k及びその右端に連続し左右方向に短く延びる右側水平部49lとから成る。
【0077】
また、上記した左側に位置するカム孔49cは左端側に位置し左右方向に延びる左側水平部49m、その右端に連続し右上がりに傾斜する傾斜部49n及びその右端に連続し左右方向に延びる右側水平部49oとから成る。
【0078】
さらに、左側に位置する作用縁49fは左右方向に延びる水平部49pとその右端に連続し右上がりに傾斜する傾斜部49qとから成り、また、右側に位置する作用縁49gは左右方向に延びる水平部49rとその左端に連続し左上がりに傾斜する傾斜部49sとから成る。そして、水平部49pと水平部49rは同じ高さに位置するように形成されている。
【0079】
ここで、図17及び図18を参照してカムギヤ37と摺接突起49d、49eの各モードにおける位置関係について説明する。図17は各モードにおけるカムギヤ37と該カムギヤ37のカム溝38に係合するモード切換レバー49の摺接突起49d、49eとの位置関係を示す図である。
【0080】
図17において、AはFWDモード、B及びB´はFFモード、C及びC´はREWモード、DはREVモードの状態を示している。尚、FFモード及びREWモードについてはそれぞれ2つの状態が存在するが、例えば、AのFWDモードからFFモード又はREWモードが形成される場合には、図17に示す矢印の方向において近い状態、即ち、BのFFモード又はCのREWモードの状態になり、また、DのREVモードからFFモード又はREWモードが形成される場合には、図17に示す矢印の方向において近い状態、即ち、B´のFFモード又はC´のREWモードの状態になるように設定されている。
【0081】
各モードの形成は、図17に示すように、カムギヤ37のカム溝38に係合される摺接突起49d又は摺接突起49eのカムギヤ37の回転中心からの距離によって定められるが、各モードのうちモード切換レバー49が最も右寄りに移動された状態がFWDモード、モード切換レバー49が最も左寄りに移動された状態がREVモードであり、モード切換レバー49の移動距離は図17に示すXで表される。
【0082】
ここで、従来のカムギヤとモード切換レバーの摺接突起との各モードにおける位置関係について説明する(図19及び図20参照)。図19は各モードにおける従来のカムギヤkと該カムギヤkのカム溝lに係合するモード切換レバーの摺接突起mとの位置関係を示す図である。
【0083】
図19において、EはFWDモード、F及びF´はFFモード、G及びG´はREWモード、HはREVモードの状態を示している。
【0084】
図19に示すように、従来のモード切換レバーには1つのみの摺接突起mが形成されており、カムギヤkのカム溝lは連続した形状に形成されている。
【0085】
各モードの形成は摺接突起mのカムギヤkの回転中心からの距離によって定められるが、モード切換レバーには摺接突起mが1つのみしか形成されていないためモード切換レバーの移動距離は図17に示す場合と同じXであるにも拘らず、カム溝lに対する摺接突起mの各モードにおける係合位置は常にカムギヤkの回転中心の右側である(図20参照)。尚、図20に摺接突起mの図19における各モードでの係合位置を符号の後に図19のアルファベットで括弧書きにして示す。
【0086】
従って、従来のカムギヤkの大きさはその回転中心から最も離間した位置に係合する回転中心側から数えて4つ目の摺接突起m(E)までの間の距離P2(図20参照)に対応して形成しなければならない。
【0087】
これに対し、上記モード切換レバー49のように、カムギヤ37の回転中心を挟んで互いに反対側に摺接突起49d、49eを形成し、このうち一方の摺接突起49d又は摺接突起49eの何れかをカム溝38に係合させるようにしている場合には、モード切換レバー49の移動距離は従来と同じXであるが、カム溝38に対する摺接突起49d又は摺接突起49eの各モードにおける係合位置はカムギヤ37の回転中心の左右に2つづつある(図18参照)。尚、図20と同様に、図18に摺接突起49d又は摺接突起49eの図17における各モードでの係合位置を符号の後に図17のアルファベットで括弧書きにして示す。
【0088】
従って、カムギヤ37の大きさはその回転中心から最も離間した位置に係合する回転中心側から数えて2つ目の摺接突起49d(B、B´)又は摺接突起49e(C、C´)までの間の距離P1(図18参照)に対応して形成すればよい。
【0089】
このように、カムギヤ37の回転中心を跨いだ状態でカム溝38に対する摺接突起49d、49eの各モードにおける係合位置を設定することにより、カムギヤ37を小さくすることができる。従って、カムギヤ37を小さくできる分、カセットテーププレーヤ1の小型化を図ることが可能となる。
【0090】
また、各モードにおける摺接突起49d又は摺接突起49eの係合位置がカムギヤ37の回転中心を跨いだ状態で設定されるため、その分カム溝38に係合する摺接突起49d、49eのカムギヤ37の回転中心からの距離が小さくなり、カム溝38に係合する摺接突起49d、49eのカムギヤ37の回転中心からの距離が小さくなり、カムギヤ37に面振れ等が生じたときのカム溝38からの摺接突起49d、49eの外れを防止することができる。
【0091】
図7、図21及び図22に示すように、シャーシ10には押上レバー52が回動自在に支持され、該押上レバー52は図7で見て略上下方向に延びる主部53と該主部53の上端部から略左方に突出する突出部54とが一体に形成されて成る。そして、押上レバー52は主部53の下端寄りの部分が回動支点53aとされ、主部53の下端部に係合突起53bが形成され、該係合突起53bが上記モード切換レバー49の第1のカム孔49bに摺動自在に係合されている。また、突出部54の先端部にはシャーシ10と反対側に突出する押上突部54aが形成されている。
【0092】
シャーシ10には変換レバー55が回動自在に支持されており、該変換レバー55は、図7で見て略上下方向に延びるギヤ支持部56と該ギヤ支持部56の下端部から略左方に延びる被支持部57とが一体に形成されて成る。そして、変換レバー55はギヤ支持部56と被支持部57との結合部分が回動支点とされ、ギヤ支持部56の先端部に固定された支持軸58に変換ギヤ59が支持軸58の軸方向に移動自在に支持されている。また、被支持部57の先端部には係合突起57aが形成され、該係合突起57aが上記モード切換レバー49の第2のカム孔49cに摺動自在に係合されている。
【0093】
変換ギヤ59は小径ギヤ部60と大径ギヤ部61とが上下に位置された状態で一体に形成されて成り、大径ギヤ部61が浅い皿状に形成されている(図21及び図22参照)。即ち、大径ギヤ部61は底面部61aと該底面部61aから外方に行くに従ってシャーシ10と反対側へ変位する傾斜部61bと該傾斜部61bに連続して形成されたギヤ部61cとから成る。そして、小径ギヤ部60は大径ギヤ部61の底面部61aからシャーシ10と反対側に突出された部分の先端部に形成されている。
【0094】
変換ギヤ59が支持軸58に支持された状態では、該支持軸58が小径ギヤ部60からシャーシ10と反対側へ突出され、この突出された部分に圧縮コイルバネ62が外嵌状に配設されている。そして、この圧縮コイルバネ62の両端部がそれぞれ支持軸58の先端に取着された抜け止めリング63と小径ギヤ部60とに弾接され、これにより変換ギヤ59にシャーシ10側への移動力が付勢されている。
【0095】
そして、変換ギヤ59は変換レバー55の回動に伴って移動され、図7で見て変換レバー55が時計回り方向へ回動されたときには大径ギヤ部61が後述する従動ギヤに噛合され、また、図7で見て変換レバー55が反時計回り方向へ回動されたときには大径ギヤ部61がシャーシ10における左側に支持された後述するリール台のギヤ部に噛合される。
【0096】
また、上記押上レバー52はモード切換レバー49の移動によって回動されるが、押上レバー52が図7で見て反時計回り方向へ回動されると、押上レバー52の押上突部54aが変換ギヤ59の傾斜部61bと摺接して底面部61aの底面と当接される。従って、変換ギヤ59は圧縮コイルバネ62のバネ力に抗してシャーシ10から離間する方向へ移動され、小径ギヤ部60が上記クラッチギヤ39の大ギヤ40と噛合される(図21参照)。尚、この状態では、大径ギヤ部61のギヤ部61cは何れのギヤとも噛合されていない。
【0097】
逆に、この状態から押上レバー52がモード切換レバー49の移動によって図7で見て時計回り方向へ回動されると、押上レバー52の押上突部54aが変換ギヤ59から離間する。従って、変換ギヤ59は圧縮コイルバネ62のバネ力によってシャーシ10に近づく方向へ移動され、小径ギヤ部60とクラッチギヤ39の大ギヤ40との噛合が解除されると共に大径ギヤ部61のギヤ部61cがクラッチギヤ39の小ギヤ41と噛合される(図22参照)。
【0098】
図7で見て変換ギヤ59の右側に従動ギヤ64が支持されており、該従動ギヤ64にはシャーシ10に支持されたリール台65Rのギヤ部65aが噛合されている。また、図7で見て変換ギヤ59の左側にはシャーシ10に支持されたリール台65Lが位置されている。
【0099】
リール台65R、65Lはギヤ部65a、65aを除く部分がシャーシ10の正面側に突出するように配置されており(図2及び図3参照)、図7で見て右側のリール台65Rは磁気テープ4を反転走行させてリバース再生(REV)又は巻戻し(REW)を行うためのものであり、また、左側のリール台65Lは磁気テープを正転走行させて再生(FWD)又は早送り(FF)を行うためのものである。
【0100】
また、リール台65L、65Rには図示しない回転負荷付与手段によってその回転に対する若干の負荷(バックテンション)がかけられている。このリール台65L、65Rに対する負荷は、リール台65L又はリール台65Rがモータ31の駆動力によって回転され磁気テープ4を巻き取る場合に、その反対側のリール台65R又はリール台65L側の磁気テープ4に弛みが生じないようにするために必要とされるものである。
【0101】
シャーシ10には作動レバー66が回動自在に支持されており、該作動レバー66が回動することによりシャーシ10の表面側に設けられた後述する磁気ヘッドの移動及びピンチローラーの回動動作が為されるようになっている。
【0102】
作動レバー66には図7で見てその上端部に左右に離間して立曲状の被押圧縁66a、66bが形成され、該被押圧縁66a、66bはモード切換レバー49の作用縁49f、49gにそれぞれ対向又は対接して位置される。
【0103】
作動レバー66は図7で見てその上端寄りの部分がシャーシ10に切り起こし状に形成された支持突部67の先端部に加締められて支持されている(図25及び図26参照)。尚、支持突部67はそのシャーシ10の主面10a側の半部67aが径の大きな第1の支持部として形成され、他の半部67bが作動レバー66を回動自在に支持する径の小さな第2の支持部として形成されている(図25及び図26参照)。
【0104】
図7で見て作動レバー66の左右方向における中央部からは下方に突出した被押え部68が形成され、その基端部を除く部分にはシャーシ10と反対側に突出する被押え突条68aが形成されている(図23及び図26参照)。そして、被押え突条68aが作動レバー66の回動範囲においてはシャーシ10の取付部14の一部が折り曲げられて形成された押え部14cと摺接されるようになっており、これにより作動レバー66のシャーシ10からの浮き上がりが防止されている。
【0105】
尚、押え部14cに押さえられる作動レバー66の部分は被押え突条68aの一端部であり、作動レバー66の回動支点から離れた位置であるため、浮き上りの防止に関して大きな効果が得られる。
【0106】
作動レバー66は図7で見て略上下方向における中央部、即ち、被押え部68の稍上方の部分にシャーシ10側に突出する係合突起69が形成されている。そして、この係合突起69は基端側の部分69aが大径に形成された第1の部分として形成され、先端側の部分69bが第1の部分69aより小径の第2の部分として形成されている(図26参照)。また、シャーシ10には図23で見て係合突起69に対応して左右方向に長い第1の挿通孔10bが形成されており、作動レバー66の係合突起69はその第1の部分69aが第1の挿通孔10b内に配置され、第2の部分69bが第1の挿通孔10bを挿通されて後述するスライドベースの係合孔に摺動自在に係合される。
【0107】
作動レバー66は係合突起69が形成された部分から図7で見て左右に突出する押圧部70、71を有し、該押圧部70、71にはそれぞれシャーシ10側に突出した押圧突起70a、71aが絞り加工によって形成されている。この押圧突起70a、71aはその先端面70b、71bがシャーシ10と平行な平面状に形成され(図25に一方の先端面70bのみ示す。)、該先端面70b、71bがシャーシ10と当接されている。
【0108】
このように先端面70b、71bが平面状に形成されているため、作動レバー66が回動されたときに該作動レバー66がスムーズに回動すると共に回動時にシャーシ10の主面10a及び作動レバー66が傷ついてしまうようなことがない。
【0109】
シャーシ10にはロックベース72が作動レバー66とシャーシ10との間にサンドイッチ状に配置された状態でシャーシ10に対して移動自在に支持されている(図23、図25及び図26参照)。このロックベース72はFWDモード及びREVモードにおいて後述する磁気ヘッドが磁気テープ4に接触している場合に、上記蓋体3の開放と同時に磁気ヘッド75と磁気テープ4との接触状態を強制的に解除してテープカセット5の装着部6からの取り出しを容易に行うことができるようにするためのものである。
【0110】
ロックベース72は図23で見てその下端部に左右に離間して左右方向に長い係合孔72a、72aが形成されている。そして、図23で見てロックベース72の右側の係合孔72aの直ぐ上方には立曲状のバネ掛け片72bが形成され、また、下端部の右寄りの位置には立曲状の被押圧片72cが形成されている。この被押圧片72cは、上記したように、ロック機構15の連結片18が図23で見て右方へ移動されるときにその押圧片24bによって押圧され、これによりロックベース72が図23で見て右方へ移動される。
【0111】
ロックベース72には中央部に所定の形状を為す大きな開口73が形成されている。この開口73は図23で見てその上端部の左端部に形成された上下方向に延びる第1の配置部73aと上端部の中央部に形成された逃げ部73bと該逃げ部73bに連続し上端部の右寄りの位置に形成された第2の配置部73cとを有している。そして、開口73の開口縁のうち第1の配置部73aと逃げ部73bとの間の部分73dは、第1の配置部73aを形成する上端側の開口縁より下方に位置された第1の被押圧縁として形成され、また、開口73の開口縁のうち第2の配置部73cの直ぐ右側の部分73eは、該第2の配置部73cを形成する上端側の開口縁より下方に位置された第2の被押圧縁として形成されている。また、第1の被押圧縁73dと第2の被押圧縁73eの上下方向における位置は同一とされている。尚、逃げ部73bを形成する上端側の開口縁が第2の配置部73cより上方に位置するように開口73が形成されている。
【0112】
図23に示すように、上記作動レバー66が回動されていない状態(以下、この状態における作動レバー66の位置を「初期位置」という。)においては、その押圧部70、71の押圧突起70a、71aがそれぞれロックベース72の第1の被押圧縁73dと第2の被押圧縁73eに当接された状態とされている(以下、この状態におけるロックベース72の位置を「初期位置」という。)。
【0113】
上記したように、ロックベース72は作動レバー66とシャーシ10との間にサンドイッチ状に配置された状態で移動自在に支持されており、シャーシ10の上記支持突部67の第1の支持部67aに対応して位置されている(図25及び図26参照)。そして、作動レバー66の押圧部70、71の押圧突起70a、71aは該作動レバー66の厚み方向の大きさがロックベース72の厚みより僅かに大きくされている。
【0114】
従って、作動レバー66の押圧突起70a、71aは該作動レバー66のシャーシ10に対する位置を規制する規制部として機能する。このように押圧突起70a、71aの厚み方向の大きさをロックベース72の厚みより僅かに大きくすることによりロックベース72のシャーシ10に対する位置が規制されると共にロックベース72の移動がスムーズに為される。
【0115】
また、比較的加工が容易で寸法精度を向上させ易い絞り加工で形成した押圧突起70a、71aによってロックベース72のシャーシ10に対する位置を規制しているため、寸法精度を高めることが困難な加締部、即ち、作動レバー66を支持するシャーシ10の支持突部67によってロックベース72の位置を規制する必要がない。従って、支持突部67の寸法精度を緩和することができるため、カセットテーププレーヤ1の製造工程の簡素化を図ることができ製造コストの低減に寄与する。
【0116】
さらに、ロックベース72を作動レバー66とシャーシ10との間にサンドイッチ状に配置された状態で支持することにより、作動レバー66とロックベース72との支持をシャーシ10に形成した一つの支持突部67によって行うようにしている。従って、作動レバー66とロックベース72のそれぞれをシャーシ10に加締めて支持する必要がなく、加締工程の削減によりコストの低減を図ることができる。
【0117】
図24に示すように、シャーシ10の主面10aにおける作動レバー66及びロックベース72が支持された側と反対側の面には、ヘッドベース74が装着部6に装着されるテープカセット5の磁気テープ4と離接する方向(離接方向)、即ち、図24で見て上下方向に移動自在に支持されている。
【0118】
ヘッドベース74には図24で見てその下端部に左右に離間してシャーシ10側に突出する係合突部74a、74aが形成されている。そして、シャーシ10には係合突部74a、74aに対応して図24で見て上下方向に長い第2の挿通孔10c、10cが形成されており、係合突部74a、74aは第2の挿通孔10c、10cを挿通され先端部がロックベース72の係合孔72a、72aに摺動自在に支持されている。
【0119】
ヘッドベース74には図24で見て上下方向における中央部の稍上方側でその左端縁にシャーシ10側に折り曲げられた立曲状のバネ掛け片74bが形成され、該バネ掛け片74bがシャーシ10に形成された図24で見て上下方向に長い配置孔10dを挿通されている(図23及び図24参照)。そして、ヘッドベース74には図24で見てその下端部中央に磁気ヘッド75が取着されている。
【0120】
ヘッドベース74のバネ掛け片74bと上記ロックベース72のバネ掛け片72bとの間には捩じりコイルバネ76が介在されている(図23参照)。捩じりコイルバネ76はコイル部76aがシャーシ10に設けられたバネ支持部10eに支持され、第1の腕部76bがロックベース72のバネ掛け片72bに左方へ向けての移動力が付勢された状態で摺動自在に弾接されると共に第2の腕部76cがヘッドベース74のバネ掛け片74bに下方へ向けての移動力が付勢された状態で摺動自在に弾接されている(図23、図27及び図28参照)。
【0121】
捩じりコイルバネ76はコイル部76aが支持された位置とロックベース72、ヘッドベース74がシャーシ10に支持された位置との関係によって、第1の腕部76bが図23で見て略上下方向に延びる状態でバネ掛け片72bに左方へ向けての移動力が付勢された状態で弾接され、また、第2の腕部76cが図23で見て略左右方向に延びる状態でバネ掛け片74bに下方へ向けての移動力が付勢された状態で弾接されている。
【0122】
従って、捩じりコイルバネ76によってロックベース72に図27及び図28で見て左方へ向けての移動力、即ち、磁気テープ4と磁気ヘッド75との接触状態を解除する後述する強制解除の動作時に移動する方向(解除方向)と反対の方向(反解除方向)への移動力が付勢されると共にヘッドベース74に下方へ向けての移動力、即ち、磁気テープ4と磁気ヘッド75とが離間する位置(離間位置)へ向けての移動力が付勢される。
【0123】
図27に示すように、ロックベース72が右方(解除方向)へ移動されてその位置に規制されている状態(ロックベース72が右方へ移動された状態を2点鎖線で示す。)からその規制が解除されたときに、ロックベース72は捩じりコイルバネ76によって左方(反解除方向)へ移動される(ロックベース72が左方へ移動された状態を実線で示す。)。
【0124】
また、図28に示すように、ヘッドベース74が上方へ移動されてその位置に規制されている状態(ヘッドベース74が上方へ移動された状態を2点鎖線で示す。)からその規制が解除されたときに、ヘッドベース74は捩じりコイルバネ76によって下方へ移動される(ヘッドベース74が下方へ移動された状態を実線で示す。)。
【0125】
ここで、第1のベース体がシャーシに移動自在に支持されると共に第2のベース体が第1のベース体に移動自在に支持され、これらのベース体の移動方向が直交する機構(以下、「直交運動機構」という。)の従来のものの一例について説明する(図29参照)。
【0126】
第1のベース体nは図示しないシャーシに図29で見て上下方向に移動自在に支持されており、第1のベース体nに第2のベース体oが左右方向に移動自在に支持されている。従って、第2のベース体oは第1のベース体nの移動に伴って上下方向へ移動可能であると共に第1のベース体nに対して左右方向へ移動可能である。
【0127】
そして、この従来の機構にあっては、第1のベース体nに移動方向における一方(下方)への移動力を付勢すると共に第2のベース体oに移動方向における一方(左方)への移動力を付勢するために、第1のベース体nに一端部がシャーシに支持された捩じりコイルバネpを用いて下方への移動力を付勢すると共に第2のベース体oに一端部が第1のベース体nに支持されたコイルバネqを用いて左方への移動力を付勢して第1のベース体nと第2のベース体nを元の位置に戻すようにしていた。
【0128】
ところが、図29に示した従来の機構では、互いに直交する方向へ移動する第1のベース体nと該第1のベース体nに支持された第2のベース体oに互いに直交する方向への移動力を付勢するために、各別に2つのバネ部材である捩じりコイルバネp及びコイルバネqを用いており、部品点数が多くなってしまうと共にこれらのバネ部材を各別に配置するためのスペースも必要となり、この機構が用いられる装置が大型となってしまうという問題があった。
【0129】
上記のように、ヘッドベース74を支持するロックベース72はシャーシ10に対して左右方向へ移動可能であると共に上下方向へ移動可能であり、ヘッドベース74はロックベース72の上下方向への移動に伴ってその方向へ移動可能であり、ロックベース72とヘッドベース74とによって直交運動機構を形成している。そして、この直交運動機構にあっては、シャーシ10に対して捩じりコイルバネ76のコイル部76aが配置される位置を工夫し各腕部76b、76cをバネ掛け片72b、74bに摺動自在に支持することにより、一つの捩じりコイルバネ76のみによってロックベース72とヘッドベース74とに必要とする各別の方向への移動力を付勢している。
【0130】
従って、従来の機構のように、2つのバネ部材を必要とすることがなく、部品点数の削減を図ることができると共にバネ部材の配置スペースも小さくすることができ、カセットテーププレーヤ1の小型化を図ることができる。
【0131】
図24に示すように、ヘッドベース74上にはスライドベース77が左右方向に移動自在に支持されている。
【0132】
スライドベース77は左右方向に長く延びる主片部78と該主片部78の左右方向における中央部から上方に突出した被作用部79とが一体に形成されて成り、主片部78の左右両端寄りの位置には左右方向に延びる被支持孔78a、78aが形成されている。また、主片部78の左右両端部には互いに対象の形状を為すカム孔78b、78cが形成されている。
【0133】
左側に位置するカム孔78bは下側に位置し左右方向に延びる下側水平部78d、その左端に連続し左上がりに傾斜する傾斜部78e及びその左端に連続し左右方向に延びる上側水平部78fとから成る。
【0134】
また、右側に位置するカム孔78cは下側に位置し左右方向に延びる下側水平部78g、その右端に連続し右上がりに傾斜する傾斜部78h及びその右端に連続し左右方向に延びる上側水平部78iとから成る。そして、下側水平部78dと下側水平部78g、上側水平部78fと下側水平部78iはそれぞれ同じ高さに位置するように形成されている。
【0135】
スライドベース77は被支持孔78a、78aにヘッドベース74の下端部に形成された加締部74c、74cが挿通されて加締められることによってヘッドベース74に対して左右方向へ移動自在に支持されている(図24及び図26参照)。そして、シャーシ10にはピンチローラ80L、80Rがその一端部を支点として回動自在に支持されており、それぞれ回転可能なゴムローラ81、81を有する他端部に設けられた係合突起82L、82Rがスライドベース77のカム孔78b、78cに摺動自在に係合されている。
【0136】
スライドベース77の被作用部79には図24で見て上下方向に長い係合孔79aが形成されており、該係合孔79aに上記作動レバー66の係合突起69の第2の部分69bが摺動自在に係合されている。
【0137】
このように作動レバー66の係合突部69がスライドベース77の係合孔79aに摺動自在に係合することによって、スライドベース77は作動レバー66の回動に伴ってヘッドベース74に対して左右方向へ移動される。そして、上記したようにヘッドベース74はロックベース72と共に上下方向へ移動されるため、これに支持されたスライドベース77もヘッドベース74の移動に伴って上下方向へ移動される。
【0138】
尚、ヘッドベース74には磁気ヘッド75が図示しない取付軸を介してスライドベース77と稍離間した状態で取着されており、スライドベース77には取付軸が位置する部分に対応して図示しない逃げ孔が形成されているため、ヘッドベース74に対してスライドベース77が移動されても磁気ヘッド75とスライドベース77とが干渉することがないようになっている。
【0139】
次に、磁気テープ駆動機構の動作及びこれに伴って為される各動作について説明する(図7乃至図10、図30乃至34参照)。
【0140】
先ず、FWDモードについて説明する(図7参照)。尚、FWDモードは、モード切換レバー49がFFモード、REVモード、REWモードにおける位置から右方へ移動された場合に形成されるが、FWDモードについての説明は、FFモードにおける位置からモード切換レバー49が右方へ移動した場合について説明する。
【0141】
また、カセットテーププレーヤ1にあっては、各モードを形成するための所定のスイッチを操作すると、先ずモータ31が図7乃至図10で見て反時計回り方向へ回転されてモード形成系が設定され、カムギヤ37の回転によってモード切換レバー49が移動されて各モードの検出がモード検出スイッチ50によって行われる。そして、モード検出スイッチ50による検出が行われると、その検出信号が図示しないマイクロコンピュータ(マイコン)に送出され、検出信号に基づくマイコンからの指令信号によってモータ31が時計回り方向へ回転されてテープ走行系が設定され、クラッチギヤ39の回転等によって装着部6に装着されたテープカセット5の磁気テープ4の走行が為されるようになっている。
【0142】
先ず、モード形成系の動作について説明する(図7参照)。尚、図7乃至図10は各モードにおけるテープ走行系の状態を示しているが、モード形成系はモータ31が反時計回り方向へ回転されて回動ベース35がカムギヤ37側に回動され伝達ギヤ36とカムギヤ37とが噛合されていることのみがテープ走行系と異なるだけであるため、モード形成系についての説明はテープ走行系の状態を示す各図を参照して説明する。
【0143】
蓋体3に設けられたスイッチ12、12、・・・のうち、FWD用スイッチ12を操作すると、先ず、モータ31が図7で見て反時計回り方向へ回転される。モータ31の反時計回り方向への回転によってフライホイール32Lが反時計回り方向へ回転され、これに噛合した伝達ギヤ36が時計回り方向へ回転されると共にフライホイール32Lの回転方向に従ってカムギヤ37の方向へ移動され小ギヤ部36bがカムギヤ37と噛合される。
【0144】
カムギヤ37は小ギヤ部36bと噛合されることにより反時計回り方向へ回転され、カムギヤ37のカム溝38に摺動自在に係合された摺接突起49d又は摺接突起49eを有するモード切換レバー49が左右方向へ移動される。そして、モード切換レバー49が移動されて、上記したように、FWDモードに対応するモード切換レバー49の位置検出がモード検出スイッチ50によって行われるとマイコンからの指令信号に基づいてモータ31が停止され、モード切換レバー49がFWDモードに対応する位置、即ち、移動範囲における右方の移動端に停止される。
【0145】
モード切換レバー49がFWDモードに対応して位置されると、変換レバー55の係合突起57aがモード切換レバー49の第2のカム孔49cの左側水平部49mの左端に位置されてて変換レバー55が反時計回り方向の回動端に位置される。
【0146】
また、モード切換レバー49がFWDモードに対応して位置されると、押上レバー52の係合突起53bがモード切換レバー49の第1のカム孔49bの左側水平部48hに位置されて押上レバー52が時計回り方向の回動端に位置される。
【0147】
このように、変換レバー55が反時計回り方向へ回動されると共に押上レバー52が時計回り方向へ回動されることによって、変換レバー55に支持された変換ギヤ59の大径ギヤ部61が左側のリール台65Lの方向へ移動されると共に押上レバー52の作用を受けないため変換ギヤ59が圧縮コイルバネ62のばね力によってシャーシ10に近づいた状態で位置される。
【0148】
従って、変換ギヤ59の大径ギヤ部61がリール台65Lのギヤ部65aと噛合されると共にクラッチギヤ39の小ギヤ41と噛合され、小径ギヤ部60は何れのギヤとも噛合されない。
【0149】
一方、モード切換レバー49がFWDモードに対応して位置されると、作動レバー66はその被押圧縁66aがモード切換レバー49の作用縁49fの傾斜部49qに押圧されさらに水平部49pに押圧されることによって反時計回り方向の回動端に位置される。
【0150】
作動レバー66の回動によってロックベース72、ヘッドベース74、スライドベース77が移動されるが、この状態を図30によって説明する。尚、図30においては、それぞれ作動レバー66を2点鎖線によって、ロックベース72を実線によって、ヘッドベース74と磁気ヘッド75を1点鎖線によって、スライドベース77とピンチローラ80L、80RとFWD用キャプスタン34F、REV用キャプスタン34Rを点線で示し、このことは図31乃至図34においても同様である。
【0151】
作動レバー66が反時計回り方向へ回動されると、右側の押圧突起71aがロックベース72の第2の被押圧縁73eを上方へ押圧しロックベース72が捩じりコイルバネ76のばね力に抗して上方へ移動される。
【0152】
ロックベース72の係合孔72a、72aにはヘッドベース74の係合突部74a、74aが係合されているため、ロックベース72の移動に伴ってヘッドベース74が上方へ移動され移動範囲における上方側の移動端、即ち、接触位置に位置される。従って、ヘッドベース74に取着された磁気ヘッド75が装着部6に装着されたテープカセット5の磁気テープ4に接触する。
【0153】
また、作動レバー66が反時計回り方向へ回動されると、その係合突起69がスライドベース77の係合孔79aに係合されているため、スライドベース77がヘッドベース74に対して右方へ移動される。また、このとき同時にヘッドベース74が上方へ移動されるため、スライドベース77は結局ヘッドベース74の移動に伴って上方へ移動されると共に作動レバー66の回動によって右方へ移動される。
【0154】
スライドベース77が上方へ移動されると、そのカム孔78b、78cに係合した係合突起82L、82Rが摺動自在に係合されたピンチローラ80L、80Rが共に回動されゴムローラ81、81を有する他端部が略上方へ移動されるが、スライドベース77の右方への移動により左側のピンチローラ80Lの係合突起82Lがカム孔78bの上側水平部78fに位置されると共に右側のピンチローラ80Rの係合突起82Rがカム孔78cの下側水平部78gに位置されることによってピンチローラ80Lの方がピンチローラ80Rよりも大きく回動される。
【0155】
従って、ピンチローラ80Lが磁気テープ4を介してFWD用キャプスタン34Fと圧接されるが、ピンチローラ80RはREV用キャプスタン34Rとは接触されない。これにより、磁気テープ4はピンチローラ80LとFWD用キャプスタン34Fとによって挟着され、FWD用キャプスタン34Fが時計回り方向へ回転されることによって磁気テープ4が正転走行される。
【0156】
次に、テープ走行系の動作について説明する(図7参照)。
【0157】
上記のように、モード検出スイッチ50によるモード切換レバー49の位置検出が為されると、モータ31が時計回り方向へ回転される。モータ31の時計回り方向への回転によってフライホイール32Lが時計回り方向へ回転され、これに噛合した伝達ギヤ36が反時計回り方向へ回転されると共にフライホイール32Lの回転方向に従ってカムギヤ37から離れる方向へ移動され中ギヤ部36cがクラッチギヤ39の大ギヤ40と噛合される。
【0158】
従って、モータ31の駆動力がフライホイール32L→伝達ギヤ36→クラッチギヤ39と伝達されて該クラッチギヤ39が時計回り方向へ回転され、クラッチギヤ39の時計回り方向への回転によりその小ギヤ41と噛合された変換ギヤ55を介してリール台65Lが時計回り方向へ回転される。
【0159】
ここで、変換ギヤ55の大径ギヤ部61がクラッチギヤ39の小ギヤ41と噛合されているため、ギヤ比の関係からリール台65Lは低速で回転される。そして、上記のように、FWD用キャプスタン34Fが時計回り方向へ回転されることによって磁気テープ4が正転走行されてリール台65Lが走行された磁気テープ4を巻き取り、磁気テープ4に記録された情報信号の再生(FWD再生)が行われる。
【0160】
次に、FFモードについて説明する(図8参照)。尚、FFモードは、モード切換レバー49がFWDモードにおける位置から左方へ移動された場合又はREVモード、REWモードにおける位置から右方へ移動された場合に形成されるが、FFモードについての説明は、FWDモードにおける位置からモード切換レバー49が左方へ移動した場合について説明する。
【0161】
先ず、モード形成系の動作について説明する(図8参照)。
【0162】
蓋体3に設けられたスイッチ12、12、・・・のうち、FF用スイッチ12を操作すると、モータ31が図8で見て反時計回り方向へ回転される。モータ31の反時計回り方向への回転によってフライホイール32Lが反時計回り方向へ回転され、これに噛合した伝達ギヤ36の小ギヤ部36bがカムギヤ37と噛合される。
【0163】
カムギヤ37は小ギヤ部36bと噛合されることにより反時計回り方向へ回転されてモード切換レバー49が左方へ移動される。そして、FFモードに対応するモード切換レバー49の位置検出がモード検出スイッチ50によって行われるとモータ31が停止され、モード切換レバー49がFFモードに対応する位置に停止される。
【0164】
モード切換レバー49がFFモードに対応して位置されると、変換レバー55の係合突起57aがモード切換レバー49の第2のカム孔49cの左側水平部49mの右端に位置されることにより変換レバー55は反時計回り方向への回動端に位置された状態が保持される。
【0165】
また、モード切換レバー49がFWDモードに対応して位置されると、押上レバー52の係合突起53bがモード切換レバー49の第1のカム孔49bの上側水平部49jに位置されることにより押上レバー52が反時計回り方向へ回動される。
【0166】
このように、変換レバー55が反時計回り方向への回動端に位置されると共に押上レバー52が反時計回り方向へ回動されることによって、変換レバー55に支持された変換ギヤ59の大径ギヤ部61と左側のリール台65Lとの噛合状態が保持されると共に押上レバー52の作用によって変換ギヤ59がシャーシ10から離間する状態に位置される。
【0167】
従って、変換ギヤ59の大径ギヤ部61とリール台65Lのギヤ部65aとの噛合状態が保持されると共に小径ギヤ部60がクラッチギヤ39の大ギヤ40と噛合される。
【0168】
一方、モード切換レバー49がFFモードに対応して位置されると、作動レバー66は回動される前の状態、即ち、初期位置に至り押圧突起70a、71aがそれぞれロックベース72の第1の被押圧縁73d、第2の被押圧縁73eと接する状態となる。
【0169】
このように作動レバー66が初期位置に至ろ押圧突起71aの被押圧縁73eヘの上方への押圧が解除されるため、ロックベース72は捩じりコイルバネ76のばね力によって下方へ移動されて初期位置に至り、ロックベース72の移動に伴って該ロックベース72と共にヘッドベース74が下方へ移動されて離間位置に至り、これに取着された磁気ヘッド75は磁気テープ4から離間して位置される。また、作動レバー66が初期位置まで回動されると共にヘッドベース74の下方への移動によってスライドベース77がヘッドベース74と共に下方へ移動されることによりスライドベース77と係合するピンチローラ80L、80Rが元の位置に戻り磁気テープ4が挟着された状態が解除される。
【0170】
次に、テープ走行系の動作について説明する(図8参照)。
【0171】
上記のように、モード検出スイッチ50によるモード切換レバー49の位置検出が為されると、モータ31が時計回り方向へ回転される。モータ31の時計回り方向への回転によってフライホイール32Lが時計回り方向へ回転され、これに噛合した伝達ギヤ36が反時計回り方向へ回転されると共にカムギヤ37から離れる方向へ移動され中ギヤ部36cがクラッチギヤ39の大ギヤ40と噛合される。
【0172】
従って、モータ31の駆動力がフライホイール32L→伝達ギヤ36→クラッチギヤ39と伝達されて該クラッチギヤ39が時計回り方向へ回転され、クラッチギヤ39の時計回り方向への回転によりその大ギヤ40と噛合された変換ギヤ55を介して該変換ギヤ55と噛合されているリール台65Lが時計回り方向へ回転される。
【0173】
ここで、変換ギヤ55の小径ギヤ部60がクラッチギヤ39の大ギヤ40と噛合されているため、ギヤ比の関係からリール台65Lは高速で回転される。そして、リール台65Lが高速で回転されることによって磁気テープ4の所謂早送りが行われる。
【0174】
次に、REWモードについて説明する(図9参照)。尚、REWモードは、モード切換レバー49がFWDモード、FFモードにおける位置から左方へ移動された場合又はREVモードにおける位置から右方へ移動された場合に形成されるが、REWモードについての説明は、FFモードにおける位置からモード切換レバー49が左方へ移動した場合について説明する。
【0175】
先ず、モード形成系の動作について説明する(図9参照)。
【0176】
蓋体3に設けられたスイッチ12、12、・・・のうち、REW用スイッチ12を操作すると、モータ31が図9で見て反時計回り方向へ回転される。モータ31の反時計回り方向への回転によってフライホイール32Lが反時計回り方向へ回転され、これに噛合した伝達ギヤ36の小ギヤ部36bがカムギヤ37と噛合される。
【0177】
カムギヤ37は小ギヤ部36bと噛合されることにより反時計回り方向へ回転されてモード切換レバー49が左方へ移動される。そして、REWモードに対応するモード切換レバー49の位置検出がモード検出スイッチ50によって行われるとモータ31が停止され、モード切換レバー49がREWモードに対応する位置に停止される。
【0178】
モード切換レバー49がREWモードに対応して位置されると、変換レバー55の係合突起57aがモード切換レバー49の第2のカム孔49cの右側水平部49oの左端に位置されることにより変換レバー55が時計回り方向へ回動される。
【0179】
また、モード切換レバー49がREWモードに対応して位置されると、押上レバー52の係合突起53bがモード切換レバー49の第1のカム孔49bの右側傾斜部49kの上端部に位置されることにより押上レバー52は反時計回り方向へ回動した状態に保持される。
【0180】
このように、変換レバー55が時計回り方向へ回動されると共に押上レバー52の反時計回り方向へ回動した状態が保持されることによって、変換レバー55に支持された変換ギヤ59の大径ギヤ部61が従動ギヤ64を介して右側のリール台65Rと噛合されると共に押上レバー52の作用によって変換ギヤ59がシャーシ10から離間した状態に保持される。
【0181】
従って、変換ギヤ59の大径ギヤ部61が従動ギヤ64を介してリール台65Rのギヤ部65aと噛合されると共に小径ギヤ部60とクラッチギヤ39の大ギヤ40との噛合状態が保持される。
【0182】
一方、モード切換レバー49がFWDモードに対応して位置されても、作動レバー66はその被押圧縁66a、66bが何れの作用縁49f、49gによっても押圧されないため初期位置に位置された状態に保持される。従って、磁気ヘッド75は磁気テープ4から離間して位置されたままであり、また、磁気テープ4ピンチローラ80L、80rとFWD用キャプスタン34F、REV用キャプスタン34Rとによって挟着されていない状態にある。
【0183】
次に、テープ走行系の動作について説明する(図9参照)。
【0184】
上記のように、モード検出スイッチ50によるモード切換レバー49の位置検出が為されると、モータ31が時計回り方向へ回転される。モータ31の時計回り方向への回転によってフライホイール32Rが反時計回り方向へ回転されると共にフライホイール32Lが時計回り方向へ回転され、フライホイール32Lに噛合した伝達ギヤ36が反時計回り方向へ回転されると共にカムギヤ37から離れる方向へ移動され中ギヤ部36cがクラッチギヤ39の大ギヤ40と噛合される。
【0185】
従って、モータ31の駆動力がフライホイール32L→伝達ギヤ36→クラッチギヤ39と伝達されて該クラッチギヤ39が時計回り方向へ回転され、クラッチギヤ39の時計回り方向への回転によりその大ギヤ40と噛合された変換ギヤ55を介して従動ギヤ64からリール台65Rに回転力が伝達され該リール台65Rが反時計回り方向へ回転される。
【0186】
ここで、変換ギヤ55の小径ギヤ部60がクラッチギヤ39の大ギヤ40と噛合されているため、リール台65Rは高速で回転される。そして、リール台65Rが高速で回転されることによって磁気テープ4の所謂巻戻しが行われる。
【0187】
次に、REVモードについて説明する(図10参照)。
【0188】
先ず、モード形成系の動作について説明する(図10参照)。尚、REVモードは、モード切換レバー49がFWDモード、FFモード、REWにおける位置から左方へ移動された場合に形成されるが、REVモードについての説明は、REWモードにおける位置からモード切換レバー49が左方へ移動した場合について説明する。
【0189】
蓋体3に設けられたスイッチ12、12、・・・のうち、REV用スイッチ12を操作すると、モータ31が図10で見て反時計回り方向へ回転される。モータ31の反時計回り方向への回転によってフライホイール32Lが反時計回り方向へ回転され、これに噛合した伝達ギヤ36の小ギヤ部36bがカムギヤ37と噛合される。
【0190】
カムギヤ37は小ギヤ部36bと噛合されることにより反時計回り方向へ回転されてモード切換レバー49が左方へ移動される。そして、REVモードに対応するモード切換レバー49の位置検出がモード検出スイッチ50によって行われるとモータ31が停止され、モード切換レバー49がREVモードに対応する位置に停止される。
【0191】
モード切換レバー49がREVモードに対応して位置されると、変換レバー55の係合突起57aがモード切換レバー49の第2のカム孔49cの右側水平部49oの右端に位置されることにより変換レバー55が時計回り方向への回動端に位置された状態が保持される。
【0192】
また、モード切換レバー49がREWモードに対応して位置されると、押上レバー52の係合突起53bがモード切換レバー49の第1のカム孔49bの右側水平部49lび位置されることにより押上レバー52は時計回り方向へ回動されその回動端に位置される。
【0193】
このように、変換レバー55が時計回り方向の回動端に位置された状態が保持されると共に押上レバー52が時計回り方向への回動端に位置されることによって、変換レバー55に支持された変換ギヤ59の大径ギヤ部61と右側のリール台65Rとの噛合状態が保持されると共に押上レバー52の作用を受けないため変換ギヤ59が圧縮コイルバネ62のばね力によってシャーシ10に近づいた状態で位置される。
【0194】
従って、変換ギヤ59の大径ギヤ部61が従動ギヤ64を介してリール台65Rのギヤ部65aと噛合された状態が保持されると共にクラッチギヤ39の小ギヤ41と噛合され、小径ギヤ部60は何れのギヤとも噛合されない。
【0195】
一方、モード切換レバー49がREVモードに対応して位置されると、作動レバー66はその被押圧縁66bがモード切換レバー49の作用縁49gの傾斜部49sに押圧されさらに水平部49rに押圧されることによって時計回り方向の回動端に位置される。
【0196】
作動レバー66の回動によってロックベース72、ヘッドベース74、スライドベース77が移動されるが、この状態を図32によって説明する。
【0197】
作動レバー66が時計回り方向へ回動されると、左側の押圧突起70aがロックベース72の第1の被押圧縁73dを上方へ押圧しロックベース72が捩じりコイルバネ76のばね力に抗して上方へ移動される。
【0198】
ロックベース72の移動に伴ってヘッドベース74が離間位置から上方へ移動され移動範囲における上方側の移動端、即ち、接触位置に位置される。従って、ヘッドベース74に取着された磁気ヘッド75が装着部6に装着されたテープカセット5の磁気テープ4に接触する。
【0199】
また、作動レバー66が時計回り方向へ回動されると、スライドベース77がヘッドベース74に対して左方へ移動される。また、このとき同時にヘッドベース74が上方へ移動されるため、スライドベース77は結局ヘッドベース74の移動に伴って上方へ移動されると共に作動レバー66の回動によって左方へ移動される。
【0200】
スライドベース77が上方へ移動されると、そのカム孔78b、78cに係合した係合突起82L、82Rが摺動自在に係合されたピンチローラ80L、80Rが共に回動されゴムローラ81、81を有する他端部が略上方へ移動されるが、スライドベース77の左方への移動により左側のピンチローラ80Lの係合突起82Lがカム孔78bの下側水平部78dに位置されると共に右側のピンチローラ80Rの係合突起82Rがカム孔78cの上側水平部78iに位置されることによってピンチローラ80Rの方がピンチローラ80Lよりも大きく回動される。
【0201】
従って、ピンチローラ80Rが磁気テープ4を介してREV用キャプスタン34Rに圧接されるが、ピンチローラ80LはFWD用キャプスタン34Fとは接触されない。これにより、磁気テープ4はピンチローラ80RとREV用キャプスタン34Rとによって挟着され、REV用キャプスタン34Rが反時計回り方向へ回転されることによって磁気テープ4が反転走行される。
【0202】
次に、テープ走行系の動作について説明する(図10参照)。
【0203】
上記のように、モード検出スイッチ50によるモード切換レバー49の位置検出が為されると、モータ31が時計回り方向へ回転される。モータ31の時計回り方向への回転によってフライホイール32Rが反時計回り方向へ回転されると共にフライホイール32Lが時計回り方向へ回転され、該フライホイール32Lに噛合した伝達ギヤ36が反時計回り方向へ回転されると共にカムギヤ37から離れる方向へ移動され中ギヤ部36cがクラッチギヤ39の大ギヤ40と噛合される。
【0204】
従って、モータ31の駆動力がフライホイール32L→伝達ギヤ36→クラッチギヤ39と伝達されて該クラッチギヤ39が時計回り方向へ回転され、クラッチギヤ39の時計回り方向への回転によりその小ギヤ41と噛合された変換ギヤ55及び従動ギヤ64を介してリール台65Rが反時計回り方向へ回転される。
【0205】
ここで、変換ギヤ55の大径ギヤ部61がクラッチギヤ39の小ギヤ41と噛合されているため、リール台65Rは低速で回転される。そして、上記のように、REV用キャプスタン34Rが反時計回り方向へ回転されることによって磁気テープ4が反転走行されてリール台65Rが走行された磁気テープ4を巻き取り、磁気テープ4に記録された情報信号の再生(REV再生)が行われる。
【0206】
尚、上記した各モードにおいて各動作を終了しようとするときにはスイッチ12、12、・・・のうち、STOP用スイッチ12を操作する。そして、STOP用スイッチを操作すると、FFモード又はREWモードが設定されたところでモータ31の回転が停止されて各動作が終了するようになっている。
【0207】
次に、ロックベース72の機能である磁気ヘッド75と磁気テープ4との接触状態を強制的に解除する強制解除機能の動作について説明する。
【0208】
先ず、FWDモードにおける強制解除の動作について説明する(図30、図31及び図34参照)。
【0209】
上記したように、FWDモードにおいては、作動レバー66が反時計回り方向へ回動され、右側の押圧突起71aがロックベース72の第2の被押圧縁73eを上方へ押圧しロックベース72が捩じりコイルバネ76のばね力に抗して上方へ移動されている(図30参照)。そして、ロックベース72の移動に伴ってヘッドベース74が接触位置に位置され、ヘッドベース74に取着された磁気ヘッド75がテープカセット5の磁気テープ4に接触しており、磁気ヘッド75はテープカセット5内に所謂突っ込んだ状態で位置されている。
【0210】
また、スライドベース77はヘッドベース74の移動に伴って該ヘッドベース74と共に上方へ移動されていると共に作動レバー66の回動によって右方へ移動されている。従って、ピンチローラ80LとFWD用キャプスタン34Fとによって磁気テープ4が挟着された状態とされている。
【0211】
このFWDモードにおいて磁気テープ4についてのFWD再生動作中に、例えば、電池切れ等によって電源が遮断されたときに、電源の再投入をしなくてもテープカセット5を装着部6から以下のようにして容易に取り出すことができる。
【0212】
先ず、上側キャビネット7に設けられた開放摘子13を操作する。開放摘子13の操作により上記したように蓋体3のロック状態が解除され、該蓋体3が開放される。また、開放摘子13を操作すると、該開放摘子13と連結されたロック機構15の連結板18の押圧片24bが図30で見てロックベース72の被押圧片72cを右方へ押圧する。
【0213】
被押圧片72cが押圧片24bによって押圧されることにより、ロックベース72が捩じりコイルバネ76のばね力に抗して右方へ移動される。ロックベース72の右方への移動により作動レバー66の押圧突起71aと接していた第2の被押圧縁73eが押圧突起71aと摺接して相対的に左方へ移動していき、第2の配置部73cに対応したところでこの摺接状態が解除され、ロックベース72が捩じりコイルバネ76のばね力によって下方へ移動され押圧突起71aがロックベース72の開口73の第2の配置部73c内に位置される(図31参照)。
【0214】
ロックベース72の下方への移動に伴ってヘッドベース74も下方、即ち、磁気テープ4から離間する方向へ移動され離接位置に至ると共にヘッドベース74の移動に伴ってスライドベース77も下方へ移動される。
【0215】
従って、ヘッドベース74に取着された磁気ヘッド75と磁気テープ4との接触状態が解除され磁気ヘッド75のテープカセット5内への突っ込んだ状態も解除される。また、スライドベース77が下方へ移動されることにより、これに支持されたピンチローラ80L、80Rも磁気テープ4から離間する方向へ回動され、ピンチローラ80LとFWD用キャプスタン34Fとによる磁気テープ4の挟着状態が解除される。
【0216】
そして、この状態においてテープカセット5を把持して装着部6から取り出す。
【0217】
尚、上記の状態では、図31に示すように、作動レバー66が依然として反時計回り方向へ回動されたままの状態であるためスライドベース77は右方へ移動されているが、電源を再投入してモータ31の駆動によってモード切換レバー49を移動させて作動レバー66を初期位置に戻せば、作動レバー66の回動に伴ってスライドベース77が左方へ移動され元の位置、即ち、移動範囲における中央に位置される(図34参照)。
【0218】
また、同時に、作動レバー66が初期位置まで回動されることによりその押圧突起71aが第2の配置部73cから第2の被押圧縁73eに対応する位置に移動されるため、捩じりコイルバネ76のばね力によってロックベース72が左方へ移動され、初期位置に至る。
【0219】
これにより作動レバー66、ロックベース72、ヘッドベース74及びスライドベース77がそれぞれ元の状態に戻ることになる(図34参照)。
【0220】
次に、REVモードにおける強制解除の動作について説明する(図32乃至図34参照)。
【0221】
上記したように、REVモードにおいては、作動レバー66が時計回り方向へ回動され、左側の押圧突起70aがロックベース72の第1の被押圧縁73dを上方へ押圧しロックベース72が捩じりコイルバネ76のばね力に抗して上方へ移動されている(図32参照)。そして、ロックベース72の移動に伴ってヘッドベース74が接触位置に位置され、ヘッドベース74に取着された磁気ヘッド75がテープカセット5の磁気テープ4に接触しており、磁気ヘッド75はテープカセット5内に突っ込んだ状態で位置されている。
【0222】
また、スライドベース77はヘッドベース74の移動に伴って該ヘッドベース74と共に上方へ移動されていると共に作動レバー66の回動によって左方へ移動されている。従って、ピンチローラ80RとREV用キャプスタン34Rとによって磁気テープ4が挟着された状態とされている。
【0223】
このREVモードにおいて、電源からの電流の供給が禁止されたときにテープカセット5を装着部6から取り出すには、FWDモードにおける場合と同様に開放摘子13を操作して蓋体3を開放する。
【0224】
そして、開放摘子13を操作すると、連結板18の押圧片24bが図32で見てロックベース72の被押圧片72cを右方へ押圧する。
【0225】
被押圧片72cが押圧片24bに押圧されることにより、ロックベース72が捩じりコイルバネ76のばね力に抗して右方へ移動される。ロックベース72の右方への移動により作動レバー66の押圧突起70aと接していた第1の被押圧縁73dが押圧突起70aと摺接し相対的に左方へ移動していき、第1の配置部73aに対応したところでこの摺接状態が解除され、ロックベース72が捩じりコイルバネ76のばね力によって下方へ移動され押圧突起70aがロックベース72の開口73の第1の配置部73aの上端部に位置される(図33参照)。
【0226】
そして、ロックベース72の下方への移動に伴ってFWDモードにおける場合と同様にヘッドベース74も磁気テープ4から離間する方向へ移動され、磁気ヘッド75のテープカセット5内への突っ込んだ状態が解除される。また、スライドベース77がヘッドベース74の移動に伴って下方へ移動されることにより、ピンチローラ80L、80Rも磁気テープ4から離間する方向へ回動され、ピンチローラ80RとREV用キャプスタン34Rとによる磁気テープ4が挟着された状態が解除される。
【0227】
そして、この状態においてテープカセット5を把持して装着部6から取り出す。
【0228】
尚、上記の状態では、図33に示すように、作動レバー66が依然として時計回り方向へ回動されたままの状態であるためスライドベース77は左方へ移動されているが、電源を再投入してモータ31の駆動によってモード切換レバー49を移動させて作動レバー66を初期位置に戻せば、作動レバー66の回動に伴ってスライドベース77が右方へ移動され元の位置、即ち、移動範囲における中央に位置される(図34参照)。
【0229】
また、同時に、作動レバー66が初期位置まで回動されることによりその押圧突起70aが第1の配置部73aから第1の被押圧縁73dに対応する位置に移動されるため、捩じりコイルバネ76のばね力によってロックベース72が左方へ移動され、初期位置に至る。
【0230】
これにより作動レバー66、ロックベース72、ヘッドベース74及びスライドベース77がそれぞれ元の状態に戻ることになる(図34参照)。
【0231】
このようにFWDモード及びREVモードにおいて開放摘子13を操作して蓋体3を開放すれば、必ず磁気ヘッド75のテープカセット5内への突っ込んだ状態が解除されると共にピンチローラ80L又はピンチローラ80RとFWD用キャプスタン34F又はREV用キャプスタン34Rとによる磁気テープ4が挟着された状態が解除され、テープカセット5を装着部6から容易に取り出すことができる。
【0232】
従って、磁気ヘッド75が磁気テープ4と接触した状態でテープカセット5を装着部6から無理に取り出す必要がなく、磁気ヘッド75等の各部材やテープカセット5等の損傷を引き起こしてしまうことがない。
【0233】
また、電源の再投入を行わなくてもテープカセット5の装着部6からの取出を容易に行うことができるため、便利でありカセットテーププレーヤ1の使い勝手が向上する。特に、電源として電池を使用する携帯型のカセットテーププレーヤにおいては、電池切れが生じても電池の交換作業をすることなく直ぐにテープカセット5を取り出すことができ大変便利である。
【0234】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように、本発明クラッチ機構は、円板状の主部と該主部の中心部から突設され係合部が形成された軸部とを有する第1の回転体と、中心部に挿通孔が形成された円環状の接触部と該接触部の周縁部から第1の回転体と反対方向に突設された規制部とを有し、第1の回転体の軸部が接触部の挿通孔を挿通される第2の回転体と、一端部が第1の回転体の軸部の係合部に弾発的に係合されると共に他端部が第2の回転体の接触部に弾接されて該第2の回転体を第1の回転体の主部に対して押圧付勢する略円錐台状のコイルバネとを備え、該コイルバネは、その軸方向から見て略円状に認識され第1の回転体の係合部に係合される一端側の部分(小径側端部)の中心と軸方向から見て略円状に認識される他端側の部分(大径側端部)の中心とが軸方向と直交する方向(直交方向)に変位して位置するように形成され、コイルバネの大径側端部の一部が第2の回転体の規制部に弾接されるようにし、コイルバネが回転体の回転中心を挟んで直交方向における大径側端部の中心と反対方向(付勢方向)に付勢されるようにしたことを特徴とする。
【0235】
従って、本発明クラッチ機構にあっては、小径側端部における付勢方向と反対側の部分が第2の回転体の回転時に常に軸部に弾接され、回転時にコイルバネが軸部に対してふらついてしまうようなことがなく、また、軸部に対する小径側端部の係合部分が変化してしまう等の取付状態の変化を生じることがない。
【0236】
従って、コイルバネの第2の回転体に対するばね加重が一定に保たれ第2の回転体の回転トルクの安定化を図ることができる。
【0237】
また、請求項2に記載した発明にあっては、コイルバネの小径側端部の先端面が付勢方向を向くように形成したので、小径側端部の先端が第1の回転体の軸部と接触するようなことがなく、小径側端部の先端との接触による軸部の削れを防止することができる。
【0238】
尚、上記した実施の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施するに際しての具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したカセットテーププレーヤの斜視図である。
【図2】カセットテーププレーヤの蓋体を開放した状態を示す斜視図である。
【図3】カセットテーププレーヤの分解斜視図である。
【図4】図5及び図6と共にロック機構の動作を示す図であり、本図は蓋体がロックされる直前の状態を示す拡大正面図である。
【図5】蓋体がロックされた状態を示す拡大正面図である。
【図6】蓋体のロックが解除された直後の状態を示す拡大正面図である。
【図7】図8乃至図10と共に各モードにおける磁気テープ駆動機構の状態を示す図であり、本図はFWDモードの状態を示す概略拡大背面図である。
【図8】FFモードの状態を示す概略拡大背面図である。
【図9】REWモードの状態を示す概略拡大背面図である。
【図10】REVモードの状態を示す概略拡大背面図である。
【図11】図12と共に伝達ギヤが移動される状態を示す図であり、本図は伝達ギヤとカムギヤが噛合された状態を示す拡大背面図である。
【図12】伝達ギヤとクラッチギヤが噛合された状態を示す拡大背面図である。
【図13】図14乃至図16と共にクラッチギヤを説明するための図であり、本図はクラッチギヤの一部を示す断面図である。
【図14】コイルバネと軸部の位置関係を示す斜視図である。
【図15】コイルバネが付勢される状態を示す概念図である。
【図16】コイルバネの軸部に対する係合部分について示す拡大図である。
【図17】図18と共にカムギヤと摺接突起の位置関係を示す図であり、本図は各モードにおける位置関係を示す平面図である。
【図18】摺接突起の係合位置とカムギヤの中心からの距離との関係を示す概念図である。
【図19】図20と共に従来のカムギヤと摺接突起の位置関係を示す図であり、本図は各モードにおける位置関係を示す平面図である。
【図20】摺接突起の係合位置とカムギヤの中心からの距離との関係を示す概念図である。
【図21】図22と共に変換ギヤとクラッチギヤの噛合状態を示す図であり、本図は変換ギヤの小径ギヤ部がクラッチギヤと噛合した状態を示す拡大斜視図である。
【図22】変換ギヤの大径ギヤ部がクラッチギヤと噛合した状態を示す拡大斜視図である。
【図23】作動レバーとロックベースを示す拡大背面図である。
【図24】ヘッドベースとスライドベースを示す拡大平面図である。
【図25】図23のXXV−XXV線に沿う拡大断面図である。
【図26】図24のXXVI−XXVI線に沿う拡大断面図である。
【図27】図28と共に捩じりコイルバネの作用を示す図であり、本図はロックベースが移動された状態を示す概略拡大背面図である。
【図28】ヘッドベースが移動された状態を示す概略拡大背面図である。
【図29】一の部材が他の部材に支持され両部材が互いに直交する方向へ移動可能な従来の機構の一例を示す拡大図である。
【図30】図31乃至図34と共に磁気ヘッドと磁気テープとの接触状態を強制的に解除するロックベースの強制解除の動作について説明する図であり、本図はFWDモードにおける状態を示す拡大背面図である。
【図31】FWDモードにおいてロックベースによる強制解除が行われた状態を示す拡大背面図である。
【図32】REVモードにおける状態を示す拡大背面図である。
【図33】REVモードにおいてロックベースによる強制解除が行われた状態を示す拡大背面図である。
【図34】強制解除が行われた後に各部材が元の位置に戻った状態を示す拡大背面図である。
【図35】図36乃至図40と共に従来のクラッチ機構を説明するための図であり、本図はクラッチ機構の分解斜視図である。
【図36】クラッチ機構の拡大縦断面図である。
【図37】コイルバネと軸部の位置関係を示す斜視図である。
【図38】コイルバネの取付状態を示す概念図である。
【図39】図40と共にコイルバネの軸部に対する係合部分について示す図であり、本図はコイルバネの小径側端部が軸部に係合された状態を示す拡大図である。
【図40】コイルバネの軸部に対する係合部分が変化された状態を示す拡大図である。
【符号の説明】
40…大ギヤ(第1の回転体)、41…小ギヤ(第2の回転体)、43…コイルバネ、43a…小径側端部、43b…大径側端部、44…ギヤ部(主部)、45…軸部、45a…係合溝(係合部)、46…接触部、46a…挿通孔、47…規制部
Claims (2)
- 円板状の主部と該主部の中心部から突設され係合部が形成された軸部とを有する第1の回転体と、
中心部に挿通孔が形成された円環状の接触部と該接触部の周縁部から第1の回転体と反対方向に突設された規制部とを有し、第1の回転体の軸部が接触部の挿通孔を挿通される第2の回転体と、
一端部が第1の回転体の軸部の係合部に弾発的に係合されると共に他端部が第2の回転体の接触部に弾接されて該第2の回転体を第1の回転体の主部に対して押圧付勢する略円錐台状のコイルバネとを備え、
該コイルバネは、その軸方向から見て略円状に認識され第1の回転体の係合部に係合される一端側の部分(以下、「小径側端部」という。)の中心と軸方向から見て略円状に認識される他端側の部分(以下、「大径側端部」という。)の中心とが軸方向と直交する方向(以下、「直交方向」という。)に変位して位置するように形成され、
コイルバネの大径側端部の一部が第2の回転体の規制部に弾接されるようにし、
コイルバネが回転体の回転中心を挟んで直交方向における大径側端部の中心と反対方向(以下、「付勢方向」という。)に付勢されるようにした
ことを特徴とするクラッチ機構。 - コイルバネは小径側端部の先端面が付勢方向を向くように形成された
ことを特徴とする請求項1に記載のクラッチ機構。
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- 1998-02-26 JP JP04603298A patent/JP3783392B2/ja not_active Expired - Fee Related
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