JP3783152B2 - 多値不揮発性半導体メモリ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多値不揮発性半導体メモリに関し、特に、安定した読み出しを行うことが可能な多値不揮発性半導体メモリに関する。
【0002】
【従来の技術】
1構成単位から2ビット以上の情報量を読み出す多値不揮発性半導体メモリにおいて、従来は図9に示すような構成でメモリセルの一定の読み出し期間およびワードレベルを制御していた。同図において、情報を記憶する構成単位は複数のしきい値が設定可能なメモリセル901からなる。このメモリセルは各々のしきい値にあわせたワードレベルを発生させるワードレベル発生回路902と、情報の読み出しを行うセンスアンプ903とに接続されている。
【0003】
これらのワードレベル発生回路902とセンスアンプ903とは遅延(DELAY)回路904に接続されており、この遅延回路904はメモリセル901の一定の読み出し期間とワードレベル発生期間とを制御するようになっている。すなわち、遅延回路904に読み出し信号905が入力されることによりこの遅延回路904から図10に示すように読み出し開始パルスが出力され、センスアンプ903にて読み出しを開始する。
【0004】
このとき、ワードレベル発生回路902ではワードレベル1〜3までの電圧を順に発生させていき、それぞれのワードレベル発生期間中にセンスアンプ903は読み出し期間1〜3の動作にてメモリセル901の各構成単位のうち、しきい値がVT0〜VT2のそれぞれでオンするものから情報を読み出す。
【0005】
一方、多値不揮発性半導体メモリにおいてはメモリセルに対してダミーメモリセルを構成する手法がしばしば使用されている。
【0006】
たとえば、特開平6−60678号公報に開示された技術においては、メモリアレイのワード線の選択レベルに対して高いしきい値電圧を持つようにされたダミーセルに対して、メモリアレイと選択動作に同期して選択するダミー選択回路を通して読み出し電流を供給するソース入力の増幅MOSFETを含む初段増幅回路を設け、この増幅MOSFETのドレイン出力に基づいて読み出し終了のタイミング信号を発生させている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した前者の多値不揮発性半導体メモリにおいては次のような課題があった。すなわち、多値不揮発性半導体メモリでの技術的に困難な点として、製造段階でのメモリセルのVTの制御と均一化が難しい点が挙げられ、主に以下の問題が生じる。第一に挙げられる点としては、遅延回路904を用いた一定の読み出し期間制御においての問題がある。図11はセンスアンプが読み出しを行うのに必要となる期間であるセンスアンプ能力を示しており、同図において、横軸は電圧であり、縦軸はセンスアンプ能力を示している。
【0008】
ここで、実線で示すように低電圧になるほど読み出しに必要な期間が長くなり、センスアンプ能力としては悪化するし、高電圧側ではある程度まで読み出し期間が下がるとそれ以下には下がらなくなる。すなわち、点線で示すような遅延回路904で制御する一定の読み出し期間はセンスアンプの読み出し能力に対し電源電圧が高電圧側、低電圧側に変化すると不足が生じる。従って、オンするVTのメモリセルがオンする前に読み出し期間が終了してしまうなどして正常読み出しができなくなる場合がある。
【0009】
また、読み出し期間に対する対策として読み出し期間の延長が考えられるが、読み出し期間はスピード規格により制限されるため限界があり、読み出し期間の設定にはスピード規格に対し速くなるような余裕を持った設定を余儀なくされる。さらに、遅延回路904で発生される一定期間の読み出しは周囲温度の影響をうけやすいという問題もある。
【0010】
このように読み出し期間を延長した場合に発生する別の問題として、オフするVTのメモリセルまでオンとなってしまうことが挙げられる。図12はメモリセルにワードレベルを与えたときのワードレベルの時間的変化を示している。同図においては、オンするメモリセルVTの上限とオフすべきメモリセルVTの下限が十分なVT差がない場合、もしくはワードレベルがワードレベルAのように高目になっている場合を示している。
【0011】
この場合、読み出し期間が延長されるとオンするVTのセルは全てオンされるが、オフすべきVTのメモリセルがオンされる場合がある。このように、必要以上の読み出し期間を与えられるとワードレベルのわずかな上昇が影響し、オフすべきメモリセルがオンのメモリセルと誤判定されてしてしまう。
【0012】
また、ワードレベル発生回路902は各々のセルVTを基準としてオンセルVT+αのワードレベルを発生させているが、前に述べたようにメモリセルVTは制御と均一化が難しく、よってワードレベルの制御性も困難となっている。すなわち、図12のワードレベルBのようにオンセルVTに対し余裕がない低目の場合、OK2の領域に入るまで読み出し期間を長く設定しなければならないし、ワードレベルAのように高すぎる場合は読み出しが長くなるとNG1の領域に入りオフセルをオンセルとして誤判定してしまう場合がある。
【0013】
このように、メモリセルからの読み出しを行うには読み出し期間とワードレベルとの整合性をとるのが重要である。しかし、従来の回路構成においてはメモリセルVTの制御、均一化がうまくできない場合にはメモリセルの読み出し期間とワードレベルの制御を行うのは困難である。
【0014】
一方、後述した特開平6−60678号公報の技術においては、多値方式でワードレベルの検知制御を行うことについてはなんら開示されていない。
【0015】
本発明は上記課題にかんがみてなされたもので、電源電圧、周囲温度でセンスアンプ能力に見合った最適な読み出し期間を得ると同時に、精度の高いワードレベル制御を行って安定した読み出しを行うことが可能な多値不揮発性半導体メモリを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、1構成単位から2ビット以上の情報量を読み出す多値不揮発性半導体メモリであって、複数のしきい値が設定可能であるとともに入力されるワード線レベルがしきい値より大きいか否かに応じてオン/オフする複数のメモリセルと、メモリセルからの情報の読み出しに際して、各しきい値の読み出し期間毎に所定のワード線レベルを発生させるワード線レベル発生手段と、メモリセルのオン/オフに応じて情報を読み出すメモリセル読み出し手段と、上記ワード線レベルが入力され、上記メモリセルと同様なしきい値に対してメモリセルより遅くオンするダミーメモリセルと、上記ダミーメモリセルがオンした段階で上記ワード線レベル発生手段を制御してワード線レベル上昇を停止させるとともに、上記メモリセル読み出し手段を制御して情報の読み出しを終了させる読み出し終了時制御手段とを具備する構成としてある。
【0017】
すなわち、この多値不揮発性半導体メモリは1構成単位から2ビット以上の情報量を読み出すようになっており、メモリセルのVT値の変動やばらつきがあっても高精度で読み出し期間を制御することが可能に構成される。このため、メモリセルは、複数のしきい値が設定可能であるとともに入力されるワード線レベルがしきい値より大きいか否かに応じてオン/オフするようになっている。また、ワード線レベル発生手段は、メモリセルからの情報の読み出しに際して、各しきい値の読み出し期間毎に所定のワード線レベルを発生させる。そして、メモリセル読み出し手段がメモリセルのオン/オフに応じて情報を読み出すようになっている。
【0018】
ここで、ワード線レベル発生手段によって発生されるワード線電圧はメモリセルに入力されるが、それと同時にダミーメモリセルにはこの所定のワード線レベルが入力され、このダミーメモリセルは上記メモリセルと同様なしきい値に対してメモリセルより遅くオンするようになっている。読み出し終了時制御手段は、上記ダミーメモリセルがオンした段階で上記ワード線レベル発生手段を制御してワード線レベル上昇を停止させるとともに、上記メモリセル読み出し手段を制御して情報の読み出しを終了させるようになっている。
【0019】
このように、ダミーメモリセルはメモリセルと同様なしきい値に対して、最も遅くオンするものである。従って、このダミーメモリセルがオンするときには、所定のしきい値のメモリセルは全てオンしている。ここで、読み出し終了時制限手段はダミーメモリセルがオンした段階で情報の読み出しを終了させるようにワード線レベル発生手段とメモリセル読み出し手段とを制御するので、容易にワード線レベルの制御を行うことができ、あらゆる電源電圧に対して最適な読み出し期間にて読み出しを行うことができる。
【0020】
ここで、ワード線レベル発生手段は、メモリセルに用意された複数のしきい値に対してオン/オフを行わせるような電圧を順番に発生させることができればよく、回路内に所定のしきい値を準備しそのしきい値をもとにレベルダウンさせてワードレベルを発生させるなどすればよい。また、メモリセルは複数のしきい値を設定可能であればよく、例えば浮遊ゲート中に注入するイオンをコントロールすることにより行うことができる。
メモリセル読み出し手段は、メモリセルから情報を読み出すことができればよく、例えば、いわゆるセンスアンプにて構成することができる。読み出し終了時制御手段は、ダミーメモリセルのオンに応じてワード線レベル発生手段とメモリセル読み出し手段に所定の信号を送出することができればよく、いわゆるセンスアンプにて構成することができる。
【0021】
ダミーメモリセルは、動作としてはメモリセルと同様であり、そのオンするタイミングが異なるのみである。従って、ダミーメモリセルはメモリセルの回路等を工夫することによって具現化することが可能である。その構成の一例として、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の多値不揮発性半導体メモリにおいて、上記ダミーメモリセルは、メモリセルと同様な構成のセルがワード線の最終端部に設けてある。
【0022】
すなわち、ダミーメモリセルといってもメモリセルと同様な素子で構成すればよく、このダミーメモリセルがオンするタイミングが一番遅くなるようにワード線の最終端部に設けてある。メモリセルは複数の構成単位のゲートが所定のワード線に接続されているので、このワード線の最終端部のセルをダミーメモリセルとして使用することにより、メモリセルより遅くオンする素子としてダミーメモリセルを構成することが可能となる。
【0023】
さらに、読み出し期間を制御する意味で、上述の従来例の課題にあるように、しきい値の電圧を制御することも重要である。そこで、ダミーメモリセルにて読み出し期間を制御するときの構成として、請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2に記載の多値不揮発性半導体メモリにおいて、上記ダミーメモリセルは、メモリセルの製造過程において周囲のイオン注入量が多いことによってしきい値が高めになっている。
【0024】
すなわち、メモリセルの物理的配置を考えたときに、あるメモリセルに着目すると、この着目するメモリセルのしきい値は周囲のメモリセルのしきい値によって影響を受ける。このことがメモリセルしきい値の均一化を困難にしている一因であるが、これは、メモリセルのパターンによって目的のしきい値に対して高めのものができたり低めのものができたりすることを意味する。
そこで、ダミーメモリセルは、メモリセルの製造過程において周囲のイオン注入量が多いことによってしきい値が高めになっているセルにて構成する。この結果、ダミーメモリセルのしきい値は高めになり、ダミーメモリセルのオンタイミングが最も遅くなることに寄与する。
【0025】
このように、ダミーメモリセルの出力によってメモリセルの読み出し期間を制御するためには、複数のメモリセルに対してダミーメモリセルは一つで十分である。しかし、ダミーメモリセルの個数を増やしてより便利な構成にすることができ、その構成の一例として、請求項4にかかる発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の多値不揮発性半導体メモリにおいて、メモリセルの個数に対するダミーメモリセルの個数を増加させることにより、個々のメモリセルのしきい値がばらついている場合でも読み出し期間を高精度で制御する構成としてある。
【0026】
すなわち、あるメモリセルの後段にダミーメモリセルを配置すると、このダミーメモリセルがオンした段階で、当該メモリセルはオンしていると判別することができる。また、しきい値電圧もダミーメモリセルの方が高めになるようにする。この結果、より高精度で、当該メモリセルの読み出し期間を制御することができる。
【0027】
さらに、他の構成の一例として、請求項5にかかる発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の多値不揮発性半導体メモリにおいて、上記メモリセルの最始点にメモリセルと同様な構成のセルを設け、このセルがオンしたか否かによってメモリセルがオンした時点を検出する構成としてある。
【0028】
すなわち、メモリセルの読み出し期間を制御する際には、読み出し終了時のみならず読み出し開始時を把握したい場合がある。このため、上述のダミーメモリセルのようにメモリセルの開始点にメモリセルと同様な構成のセルを設け、このセルがオンしたか否かによってメモリセルがオンした時点を検出するようにする。この結果、メモリセルの読み出し開始時が把握される。
【0029】
このように、本発明ではダミーメモリセルのオンを読み出し終了時制御手段によって読み出しつつ制御する。ここで、ワード線レベルの上昇を停止させるタイミングとメモリセルの読み出しを停止するタイミングとをずらすことも可能である。その構成の一例として、請求項6にかかる発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の多値不揮発性半導体メモリにおいて、上記読み出し終了時制御手段は、上記メモリセル読み出し手段を制御して情報の読み出しを終了させる際に、上記ワード線レベル発生手段にてワード線レベルの上昇を停止させた後、若干の遅延を持たせることにより十分な読み出し期間を確保する構成としてある。
【0030】
すなわち、ワード線レベルの上昇を停止させるタイミングとメモリセルからの情報の読み出しを停止させるタイミングとでは時間的なずれがある場合がある。このずれに対応するため、読み出し終了時制御手段は、上記メモリセル読み出し手段を制御して情報の読み出しを終了させる際に、上記ワード線レベル発生手段にてワード線レベルの上昇を停止させた後、若干の遅延を持たせることにより十分な読み出し期間を確保する。この結果、確実にメモリセルからの情報の読み出しがなされる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の実施形態の概略構成を示すブロック図である。上述の従来例では遅延回路で読み出し期間を制御していたが、本実施形態においては、読み出し期間の制御のためにダミーメモリセルとダミーセンスアンプとを備えている。
同図において、情報を記憶する構成単位は複数のVTが設定可能なメモリセル100からなっている。このメモリセル100は、各々のVTにあわせたワードレベルを発生させるワードレベル発生回路200と、情報の読み出しを行うセンスアンプ300とに接続されている。
【0032】
この実施例では、メモリセル100には「VT0,VT1,VT2,VT3」の4つのVTが存在している。また、ワードレベル発生回路200が発生するワードレベルは3段階あり、「VT0」がオンするワードレベル1,「VT1」がオンするワードレベル2,「VT2」がオンするワードレベル3となっている。そして、メモリセル100のVT情報はセンスアンプ300により読み出され出力される。従って、センスアンプ300が上記メモリセル読み出し手段を構成する。
【0033】
さらに、ワードレベル発生回路200は、メモリセル100と同様な素子からなるダミーメモリセル400と接続されており、ワードレベル発生回路200が発生するワードレベル電圧はメモリセル100とともにダミーメモリセル400に印加される。ダミーメモリセル400はダミーセンスアンプ500に接続されており、このダミーセンスアンプ500はさらに、ワードレベル発生回路200とセンスアンプ300とに接続されている。
【0034】
ダミーセンスアンプ500はセンスアンプ300と同様の構成を有しており、ダミーメモリセル400に印加されるワードレベルに応じて情報が読み出される。すなわち、ダミーメモリセル400にはその読み出し期間時にオフからオンするVT値が準備されており、本実施形態においてはオンするVTの「VT0,VT1,VT2」の3つが準備してある。ここで、ダミーメモリセル400はオンするスピードが一番遅くなければならないため、ワードレベルの遅延が最も大きいワード線の最終端部に設ける。また、同一VT値の中でもVTが高めでなければならないため、セルVTが高目に推移するように周囲のセルVTも考慮したマスクパターンの構成を適用している。
【0035】
そして、ダミーセンスアンプ500は、ダミーメモリセル400が所定のVT値でオンになることによって信号を出力する。この出力信号は読み出し完了信号501としてワードレベル発生回路200とセンスアンプ300とに入力される。ワードレベル発生回路200はこの読み出し完了信号501によってワードレベルの上昇を止めるようになっており、センスアンプ300はこの読み出し完了信号501によって読み出しを行うのに十分な時間を確保するため、若干の遅延の後に読み出しを終了するようになっている。このように、ダミーセンスアンプ500が上記読み出し終了時制御手段を構成する。
【0036】
また、情報の読み出しを指示する読み出し開始信号600はワードレベル発生回路200とセンスアンプ300とダミーセンスアンプ500とに入力されるようになっている。すなわち、この読み出し開始信号600が入力されることにより、ワードレベル発生回路200とセンスアンプ300とダミーセンスアンプ500とが各動作を開始し、ダミーセンスアンプ500が出力する読み出し完了信号501によって、読み出しが終了するようになっている。
【0037】
以下、図2に示すタイミングチャートに基づいて本実施例の動作を説明する。同図において、上から一段目はワードレベル発生回路200で発生するワードレベル,二段目はセンスアンプ300の動作タイミング,三段目は読み出し開始信号600の入力タイミング,四段目はダミーセンスアンプ500が出力する読み出し完了信号501の出力タイミングを示している。
【0038】
メモリセル100から読み出しを行う際に、アドレス入力が行われることによって読み出し開始信号600が発せられ、この読み出し開始信号600はワードレベル発生回路200,センスアンプ300,ダミーセンスアンプ500へ入力される。ワードレベル発生回路200はメモリセル100,ダミーメモリセル400へワードレベルの昇圧を開始し、ワードレベルはワードレベル1,ワードレベル2,ワードレベル3の順に上昇する。
【0039】
センスアンプ300は、ワードレベル1ではVT0のオンを判定し、ワードレベル2ではVT1のオンを判定し、ワードレベル3ではVT2のオンを判定する。このタイミングは、図2においては、それぞれ読み出し期間1,読み出し期間2,読み出し期間3として示してある。ダミーセンスアンプ500は、ワードレベル1ではダミーメモリセルのVT0のオンを判定し、ワードレベル2ではダミーメモリセルのVT1のオンを判定し、ワードレベル3ではダミーメモリセルのVT2のオンを判定する。
【0040】
センスアンプ300はメモリセル100,ダミーセンスアンプ500はダミーメモリセル400の読み出しを同時に開始しており、ダミーセンスアンプ500はセンスアンプ300の読み出しと同一のVTを同時に読み出し始めている。ここで、ダミーセンスアンプ500は同一のVTにおいてオンするスピードが最も遅いセルのオン/オフを判定しているので、ダミーセンスアンプ500がこの判定により出力する読み出し完了信号501の出力タイミングは、メモリセル100においてオンするVTのメモリセルが全てオンした時点である。
【0041】
ここで、読み出し完了信号501は、ワードレベル発生回路200にも供給され、ワード線のワードレベルの上昇を中止する。センスアンプ300へは若干の遅延をもたせた後、読み出し完了信号501が供給され十分な読み出し期間が得られることとなる。従って、この読み出し完了信号501が各読み出し期間での読み出し終了を指示する信号となっており、当該読み出し期間が読み出し期間1である場合には読み出し期間2を開始し、読み出し期間2である場合には読み出し期間3を開始する。そして、3期間終了したところで1つのメモリセルの多値の情報は読み出し完了となる。
【0042】
このように、本実施例ではダミーセンスアンプ500とダミーメモリセル400を有し、このダミーセンスアンプ500から読み出し完了信号501を出力することにより、メモリセル100の読み出しを終了し、ワードレベル発生回路200はワードレベルの上昇を中止する。ここで、読み出しを終了させるタイミングはダミーメモリセル400のオン/オフに基づいており、そのタイミングはメモリセル100のうちオンするメモリセルが全てオンした時点で読み出し完了である。従って、最適の読み出し終了タイミングに制御されることとなる。
【0043】
より具体的には、ダミーセンスアンプ500はセンスアンプ300と同様な構成により実現するので、読み出し能力を考えたとき、図3に示すようにその電圧−時間特性も同様となる。つまり、センスアンプ300の読み出し能力に対して電源電圧(周囲温度)の変化にうまく追従するため、短すぎず長すぎない最適な読み出し期間を得られる効果がある。その結果として高電圧,低電圧(低温,高温)での動作の限界範囲が向上し安定した読み出しが得られることとなる。
【0044】
さらに読み出し期間1,読み出し期間2,読み出し期間3の3つの読み出し期間を経て1つのメモリセルは読み出しが完了するが、本発明によって図11に示すような遅延回路を用いた読み出し期間のようにセンスアンプ能力との差により発生する無駄な期間がなくなっている。従って、スピードの高速化の効果も得られる。
【0045】
また、ダミーセンスアンプ500の信号がワードレベル発生回路200にも供給されてワードレベルの上昇を中止することにより、必要以上にワードレベルが上昇しないよう制御する。従って、図4に示すようにオンセル上限とオフセル下限に対してワードレベルの上昇を安定させることが可能となる。この結果、上述の図12のようにオフすべきオフセルVT下限に余裕がない場合にメモリセルがオン(図12NG1領域)していると誤判定されるのを防止して、安定した読み出しが可能となる。
【0046】
さらにワードレベル発生回路200においては、従来はワードレベル1,ワードレベル2,ワードレベル3の3段階のワードレベル発生が必要とされた。しかし、ダミーセンスアンプ500からの読み出し完了信号501によりワードレベルの上昇を中止,制御するため、一段階の電圧上昇を可能に構成しておいて電圧上昇を停止させるように制御すれば3段階のワードレベル発生と同様な効果が得られる。従って、回路規模の縮小,簡素化を図ることができる。
【0047】
上述の発明においては、複数のメモリセルに対して一つのダミーメモリセルを構成すれば十分であったが、このメモリセルに対するダミーメモリセルの個数を増加させることによって、より有用な多値不揮発性半導体メモリを構成することが可能となる。このような、本発明の他の実施例として、センスアンプの個数に対してダミーメモリセルの個数を増加させることが考えられる。すなわち、n個のセンスアンプに対し、n個のダミーセンスアンプ、n個のダミーメモリセルを配置する。図5はこの実施例の構成の要部を示しており、同図において、各センスアンプに対し、ダミーセンスアンプを対応させて交互に配置している。
【0048】
この実施例におけるワードレベル発生回路250にはワード線が接続されており、このワード線にはメモリセルとダミーメモリセルが接続されている。メモリセルとダミーメモリセルとは同数であって、メモリセルM1〜M3...にダミーメモリセルD1〜D3...が対応している。また、これらのメモリセルM1〜M3...はそれぞれセンスアンプ301〜303...に接続されており、ダミーメモリセルD1〜D3...はダミーセンスアンプ501〜503...に接続されている。
【0049】
ここで、ワードレベル発生回路250の上昇を制御するためのタイミングを指示するために、ワード線の最終端部に配置されるダミーセンスアンプからの信号が供給される。このような構成をとると、セルVTがメモリセル内でばらついた分布を持つ場合であっても、一つのセンスアンプに対して一つのダミーセンスアンプが交互に配置されているため、センスアンプ読み出し期間のより高い制御が可能となる。
もちろん、ダミーセンスアンプ1つに対してのセンスアンプの個数の比率は自由に変更可能である。(ダミーセンスアンプとダミーメモリセル個数の比率も自由に変更可能である。)このように、ダミーセンスアンプとセンスアンプ個数の比率が小さくなるに従い読み出し期間のより高い制御が可能になる。
【0050】
上述の各実施例では、オンするスピードが最も遅くなるダミーメモリセルを準備し、そのダミーメモリセルがオンするとオンすべきメモリセルがオンしていると判別できるという効果を用いてワードレベルの制御をしていた。しかし、オンするスピードが最も速いダミーメモリセルを準備し、そのダミーメモリセルがオンしたことを検知させてワードレベル制御などに使用することも考えられる。
【0051】
そのための構成を、第3の実施例として図6,7に示す。本構成では読み出し期間の最も早いタイミングと遅いタイミングとを検知できるようにワード線の最始点部と最終端部とにダミーメモリセルを配置する。つまり図6に示すように、ワードレベル発生回路251に接続される所定のワード線において、最始点部にダミーメモリセルD11が介装されており、最終端部にダミーメモリセルD12が接続されている。ダミーメモリセルD11とD12との間にはn個のメモリセルM11〜M1nが構成されている。ここで、ダミーメモリセルD11,D12はマスクパターン構成としても読み出し期間の最も早いタイミングと遅いタイミングとを検知できるようになっている。
【0052】
また、図7は本構成のブロック図であり、上述の従来例と同様にワードレベル発生回路251,メモリセルM11〜M1n,センスアンプ311〜31nを有している。上述の従来例のダミーメモリセル400とダミーセンスアンプ500とに対応するのは、それぞれダミーメモリセルD12とダミーセンスアンプ512とである。従って、ダミーセンスアンプ512はワードレベル発生回路251とセンスアンプ311〜31nと接続されており、読み出し期間の終了タイミングを制御するようになっている。
【0053】
ダミーメモリセルD11はダミーセンスアンプ511に接続されており、ダミーセンスアンプ511の出力信号はワードレベル発生回路251に入力される。そして、ダミーメモリセルD11がオンすることによってダミーセンスアンプ511から信号が出力されることにより各読み出し期間における読み出し開始タイミングが指示されるようになっている。
【0054】
このような構成において基本的動作は上述の実施例と同じであるが、ワード線最始点部に接続されたダミーメモリセルD11によって読み出し期間の開始を検出することができる。すなわち、ダミーメモリセルD11が各読み出し期間においてメモリセルM11〜M1nと比較して最も速くオンし、これに伴って図8に示すようにダミーセンスアンプ511が読み出し開始信号521を出力する。
【0055】
この出力された読み出し開始信号521はワードレベル発生回路251に入力し、この読み出し開始信号521を受けたワードレベル発生回路251は出力経路の切り替えを行い、ワードレベルの供給源に高抵抗を介するようになっている。すると、ワードレベル発生回路251においてこの高抵抗を介してワードレベルを供給することによりワードレベルの上昇が急激に鈍化する。その後、遅れて最も遅くオンするダミーメモリセルD21のオンを検知したダミーセンスアンプ512の読み出し完了信号522がワードレベル発生回路に供給される。
【0056】
この読み出し完了信号522を受けたワードレベル発生回路251は、ワードレベルの上昇を中止する。さらに所定の遅延の後センスアンプ311〜31nは読み出しを終了させる。このように、本実施例では読み出し開始タイミングを把握することによりワードレベルの上昇速度を制御することが可能となるので、ワードレベルの制御性が向上する。またメモリセルがオンし始めるまでのワードレベルの上昇速度を高速化することができる。従って、上述の実施例よりさらに読み出しスピードの高速化につながるという相乗的な効果を奏する。
【0057】
このように、本発明では複数のしきい値が設定可能な多値不揮発性半導体メモリにおいて、メモリセルに対するダミーメモリセルを構成する。このダミーメモリセルは予めメモリセルに対してどのようなタイミングでオンするか明らかになっているものを使用しており、このダミーメモリセルのオンを検知するダミーセンスアンプの出力によって各部のタイミングを制御することができる。従って、電源電圧、周囲温度でセンスアンプ能力に見合った最適な読み出し期間を得ると同時に、精度の高いワードレベル制御を行って安定した読み出しを行うことが可能な多値不揮発性半導体メモリを提供することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、電源電圧、周囲温度でセンスアンプ能力に見合った最適な読み出し期間を得ると同時に、精度の高いワードレベル制御を行って安定した読み出しを行うことが可能な多値不揮発性半導体メモリを提供することができる。
また、請求項2にかかる発明によれば、簡易な構成により最も遅くオンするセルを実現することができる。
さらに、請求項3にかかる発明によれば、簡単に目的としたしきい値が同一のメモリセルにおいて、最も高めのしきい値となるセルを選択することができる。
【0059】
さらに、請求項4にかかる発明によれば、より高精度の読み出し期間制御を行うことができる。
さらに、請求項5にかかる発明によれば、読み出し期間の開始タイミングを把握することができる。
さらに、請求項6にかかる発明によれば、十分な読み出し期間を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の各部の動作を示すタイミングチャートである。
【図3】センスアンプとダミーセンスアンプとの読み出し能力を示す図である。
【図4】本実施形態におけるワードレベル上昇を示す図である。
【図5】本発明の第二の実施例の要部構成を示す図である。
【図6】本発明の第三の実施例の要部構成を示す図である。
【図7】本発明の第三の実施例の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第三の実施例における各部の動作を示すタイミングチャートである。
【図9】従来の多値不揮発性半導体メモリの概略構成を示すブロック図である。
【図10】従来の多値不揮発性半導体メモリにおける各部の動作を示すタイミングチャートである。
【図11】従来の多値不揮発性半導体メモリのセンスアンプの読み出し能力を示す図である。
【図12】従来の多値不揮発性半導体メモリにおけるワードレベルの時間的変化を示す図である。
【符号の説明】
100 メモリセル
200 ワードレベル発生回路
300 センスアンプ
400 ダミーメモリセル
500 ダミーセンスアンプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、多値不揮発性半導体メモリに関し、特に、安定した読み出しを行うことが可能な多値不揮発性半導体メモリに関する。
【0002】
【従来の技術】
1構成単位から2ビット以上の情報量を読み出す多値不揮発性半導体メモリにおいて、従来は図9に示すような構成でメモリセルの一定の読み出し期間およびワードレベルを制御していた。同図において、情報を記憶する構成単位は複数のしきい値が設定可能なメモリセル901からなる。このメモリセルは各々のしきい値にあわせたワードレベルを発生させるワードレベル発生回路902と、情報の読み出しを行うセンスアンプ903とに接続されている。
【0003】
これらのワードレベル発生回路902とセンスアンプ903とは遅延(DELAY)回路904に接続されており、この遅延回路904はメモリセル901の一定の読み出し期間とワードレベル発生期間とを制御するようになっている。すなわち、遅延回路904に読み出し信号905が入力されることによりこの遅延回路904から図10に示すように読み出し開始パルスが出力され、センスアンプ903にて読み出しを開始する。
【0004】
このとき、ワードレベル発生回路902ではワードレベル1〜3までの電圧を順に発生させていき、それぞれのワードレベル発生期間中にセンスアンプ903は読み出し期間1〜3の動作にてメモリセル901の各構成単位のうち、しきい値がVT0〜VT2のそれぞれでオンするものから情報を読み出す。
【0005】
一方、多値不揮発性半導体メモリにおいてはメモリセルに対してダミーメモリセルを構成する手法がしばしば使用されている。
【0006】
たとえば、特開平6−60678号公報に開示された技術においては、メモリアレイのワード線の選択レベルに対して高いしきい値電圧を持つようにされたダミーセルに対して、メモリアレイと選択動作に同期して選択するダミー選択回路を通して読み出し電流を供給するソース入力の増幅MOSFETを含む初段増幅回路を設け、この増幅MOSFETのドレイン出力に基づいて読み出し終了のタイミング信号を発生させている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した前者の多値不揮発性半導体メモリにおいては次のような課題があった。すなわち、多値不揮発性半導体メモリでの技術的に困難な点として、製造段階でのメモリセルのVTの制御と均一化が難しい点が挙げられ、主に以下の問題が生じる。第一に挙げられる点としては、遅延回路904を用いた一定の読み出し期間制御においての問題がある。図11はセンスアンプが読み出しを行うのに必要となる期間であるセンスアンプ能力を示しており、同図において、横軸は電圧であり、縦軸はセンスアンプ能力を示している。
【0008】
ここで、実線で示すように低電圧になるほど読み出しに必要な期間が長くなり、センスアンプ能力としては悪化するし、高電圧側ではある程度まで読み出し期間が下がるとそれ以下には下がらなくなる。すなわち、点線で示すような遅延回路904で制御する一定の読み出し期間はセンスアンプの読み出し能力に対し電源電圧が高電圧側、低電圧側に変化すると不足が生じる。従って、オンするVTのメモリセルがオンする前に読み出し期間が終了してしまうなどして正常読み出しができなくなる場合がある。
【0009】
また、読み出し期間に対する対策として読み出し期間の延長が考えられるが、読み出し期間はスピード規格により制限されるため限界があり、読み出し期間の設定にはスピード規格に対し速くなるような余裕を持った設定を余儀なくされる。さらに、遅延回路904で発生される一定期間の読み出しは周囲温度の影響をうけやすいという問題もある。
【0010】
このように読み出し期間を延長した場合に発生する別の問題として、オフするVTのメモリセルまでオンとなってしまうことが挙げられる。図12はメモリセルにワードレベルを与えたときのワードレベルの時間的変化を示している。同図においては、オンするメモリセルVTの上限とオフすべきメモリセルVTの下限が十分なVT差がない場合、もしくはワードレベルがワードレベルAのように高目になっている場合を示している。
【0011】
この場合、読み出し期間が延長されるとオンするVTのセルは全てオンされるが、オフすべきVTのメモリセルがオンされる場合がある。このように、必要以上の読み出し期間を与えられるとワードレベルのわずかな上昇が影響し、オフすべきメモリセルがオンのメモリセルと誤判定されてしてしまう。
【0012】
また、ワードレベル発生回路902は各々のセルVTを基準としてオンセルVT+αのワードレベルを発生させているが、前に述べたようにメモリセルVTは制御と均一化が難しく、よってワードレベルの制御性も困難となっている。すなわち、図12のワードレベルBのようにオンセルVTに対し余裕がない低目の場合、OK2の領域に入るまで読み出し期間を長く設定しなければならないし、ワードレベルAのように高すぎる場合は読み出しが長くなるとNG1の領域に入りオフセルをオンセルとして誤判定してしまう場合がある。
【0013】
このように、メモリセルからの読み出しを行うには読み出し期間とワードレベルとの整合性をとるのが重要である。しかし、従来の回路構成においてはメモリセルVTの制御、均一化がうまくできない場合にはメモリセルの読み出し期間とワードレベルの制御を行うのは困難である。
【0014】
一方、後述した特開平6−60678号公報の技術においては、多値方式でワードレベルの検知制御を行うことについてはなんら開示されていない。
【0015】
本発明は上記課題にかんがみてなされたもので、電源電圧、周囲温度でセンスアンプ能力に見合った最適な読み出し期間を得ると同時に、精度の高いワードレベル制御を行って安定した読み出しを行うことが可能な多値不揮発性半導体メモリを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、1構成単位から2ビット以上の情報量を読み出す多値不揮発性半導体メモリであって、複数のしきい値が設定可能であるとともに入力されるワード線レベルがしきい値より大きいか否かに応じてオン/オフする複数のメモリセルと、メモリセルからの情報の読み出しに際して、各しきい値の読み出し期間毎に所定のワード線レベルを発生させるワード線レベル発生手段と、メモリセルのオン/オフに応じて情報を読み出すメモリセル読み出し手段と、上記ワード線レベルが入力され、上記メモリセルと同様なしきい値に対してメモリセルより遅くオンするダミーメモリセルと、上記ダミーメモリセルがオンした段階で上記ワード線レベル発生手段を制御してワード線レベル上昇を停止させるとともに、上記メモリセル読み出し手段を制御して情報の読み出しを終了させる読み出し終了時制御手段とを具備する構成としてある。
【0017】
すなわち、この多値不揮発性半導体メモリは1構成単位から2ビット以上の情報量を読み出すようになっており、メモリセルのVT値の変動やばらつきがあっても高精度で読み出し期間を制御することが可能に構成される。このため、メモリセルは、複数のしきい値が設定可能であるとともに入力されるワード線レベルがしきい値より大きいか否かに応じてオン/オフするようになっている。また、ワード線レベル発生手段は、メモリセルからの情報の読み出しに際して、各しきい値の読み出し期間毎に所定のワード線レベルを発生させる。そして、メモリセル読み出し手段がメモリセルのオン/オフに応じて情報を読み出すようになっている。
【0018】
ここで、ワード線レベル発生手段によって発生されるワード線電圧はメモリセルに入力されるが、それと同時にダミーメモリセルにはこの所定のワード線レベルが入力され、このダミーメモリセルは上記メモリセルと同様なしきい値に対してメモリセルより遅くオンするようになっている。読み出し終了時制御手段は、上記ダミーメモリセルがオンした段階で上記ワード線レベル発生手段を制御してワード線レベル上昇を停止させるとともに、上記メモリセル読み出し手段を制御して情報の読み出しを終了させるようになっている。
【0019】
このように、ダミーメモリセルはメモリセルと同様なしきい値に対して、最も遅くオンするものである。従って、このダミーメモリセルがオンするときには、所定のしきい値のメモリセルは全てオンしている。ここで、読み出し終了時制限手段はダミーメモリセルがオンした段階で情報の読み出しを終了させるようにワード線レベル発生手段とメモリセル読み出し手段とを制御するので、容易にワード線レベルの制御を行うことができ、あらゆる電源電圧に対して最適な読み出し期間にて読み出しを行うことができる。
【0020】
ここで、ワード線レベル発生手段は、メモリセルに用意された複数のしきい値に対してオン/オフを行わせるような電圧を順番に発生させることができればよく、回路内に所定のしきい値を準備しそのしきい値をもとにレベルダウンさせてワードレベルを発生させるなどすればよい。また、メモリセルは複数のしきい値を設定可能であればよく、例えば浮遊ゲート中に注入するイオンをコントロールすることにより行うことができる。
メモリセル読み出し手段は、メモリセルから情報を読み出すことができればよく、例えば、いわゆるセンスアンプにて構成することができる。読み出し終了時制御手段は、ダミーメモリセルのオンに応じてワード線レベル発生手段とメモリセル読み出し手段に所定の信号を送出することができればよく、いわゆるセンスアンプにて構成することができる。
【0021】
ダミーメモリセルは、動作としてはメモリセルと同様であり、そのオンするタイミングが異なるのみである。従って、ダミーメモリセルはメモリセルの回路等を工夫することによって具現化することが可能である。その構成の一例として、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の多値不揮発性半導体メモリにおいて、上記ダミーメモリセルは、メモリセルと同様な構成のセルがワード線の最終端部に設けてある。
【0022】
すなわち、ダミーメモリセルといってもメモリセルと同様な素子で構成すればよく、このダミーメモリセルがオンするタイミングが一番遅くなるようにワード線の最終端部に設けてある。メモリセルは複数の構成単位のゲートが所定のワード線に接続されているので、このワード線の最終端部のセルをダミーメモリセルとして使用することにより、メモリセルより遅くオンする素子としてダミーメモリセルを構成することが可能となる。
【0023】
さらに、読み出し期間を制御する意味で、上述の従来例の課題にあるように、しきい値の電圧を制御することも重要である。そこで、ダミーメモリセルにて読み出し期間を制御するときの構成として、請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2に記載の多値不揮発性半導体メモリにおいて、上記ダミーメモリセルは、メモリセルの製造過程において周囲のイオン注入量が多いことによってしきい値が高めになっている。
【0024】
すなわち、メモリセルの物理的配置を考えたときに、あるメモリセルに着目すると、この着目するメモリセルのしきい値は周囲のメモリセルのしきい値によって影響を受ける。このことがメモリセルしきい値の均一化を困難にしている一因であるが、これは、メモリセルのパターンによって目的のしきい値に対して高めのものができたり低めのものができたりすることを意味する。
そこで、ダミーメモリセルは、メモリセルの製造過程において周囲のイオン注入量が多いことによってしきい値が高めになっているセルにて構成する。この結果、ダミーメモリセルのしきい値は高めになり、ダミーメモリセルのオンタイミングが最も遅くなることに寄与する。
【0025】
このように、ダミーメモリセルの出力によってメモリセルの読み出し期間を制御するためには、複数のメモリセルに対してダミーメモリセルは一つで十分である。しかし、ダミーメモリセルの個数を増やしてより便利な構成にすることができ、その構成の一例として、請求項4にかかる発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の多値不揮発性半導体メモリにおいて、メモリセルの個数に対するダミーメモリセルの個数を増加させることにより、個々のメモリセルのしきい値がばらついている場合でも読み出し期間を高精度で制御する構成としてある。
【0026】
すなわち、あるメモリセルの後段にダミーメモリセルを配置すると、このダミーメモリセルがオンした段階で、当該メモリセルはオンしていると判別することができる。また、しきい値電圧もダミーメモリセルの方が高めになるようにする。この結果、より高精度で、当該メモリセルの読み出し期間を制御することができる。
【0027】
さらに、他の構成の一例として、請求項5にかかる発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の多値不揮発性半導体メモリにおいて、上記メモリセルの最始点にメモリセルと同様な構成のセルを設け、このセルがオンしたか否かによってメモリセルがオンした時点を検出する構成としてある。
【0028】
すなわち、メモリセルの読み出し期間を制御する際には、読み出し終了時のみならず読み出し開始時を把握したい場合がある。このため、上述のダミーメモリセルのようにメモリセルの開始点にメモリセルと同様な構成のセルを設け、このセルがオンしたか否かによってメモリセルがオンした時点を検出するようにする。この結果、メモリセルの読み出し開始時が把握される。
【0029】
このように、本発明ではダミーメモリセルのオンを読み出し終了時制御手段によって読み出しつつ制御する。ここで、ワード線レベルの上昇を停止させるタイミングとメモリセルの読み出しを停止するタイミングとをずらすことも可能である。その構成の一例として、請求項6にかかる発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の多値不揮発性半導体メモリにおいて、上記読み出し終了時制御手段は、上記メモリセル読み出し手段を制御して情報の読み出しを終了させる際に、上記ワード線レベル発生手段にてワード線レベルの上昇を停止させた後、若干の遅延を持たせることにより十分な読み出し期間を確保する構成としてある。
【0030】
すなわち、ワード線レベルの上昇を停止させるタイミングとメモリセルからの情報の読み出しを停止させるタイミングとでは時間的なずれがある場合がある。このずれに対応するため、読み出し終了時制御手段は、上記メモリセル読み出し手段を制御して情報の読み出しを終了させる際に、上記ワード線レベル発生手段にてワード線レベルの上昇を停止させた後、若干の遅延を持たせることにより十分な読み出し期間を確保する。この結果、確実にメモリセルからの情報の読み出しがなされる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の実施形態の概略構成を示すブロック図である。上述の従来例では遅延回路で読み出し期間を制御していたが、本実施形態においては、読み出し期間の制御のためにダミーメモリセルとダミーセンスアンプとを備えている。
同図において、情報を記憶する構成単位は複数のVTが設定可能なメモリセル100からなっている。このメモリセル100は、各々のVTにあわせたワードレベルを発生させるワードレベル発生回路200と、情報の読み出しを行うセンスアンプ300とに接続されている。
【0032】
この実施例では、メモリセル100には「VT0,VT1,VT2,VT3」の4つのVTが存在している。また、ワードレベル発生回路200が発生するワードレベルは3段階あり、「VT0」がオンするワードレベル1,「VT1」がオンするワードレベル2,「VT2」がオンするワードレベル3となっている。そして、メモリセル100のVT情報はセンスアンプ300により読み出され出力される。従って、センスアンプ300が上記メモリセル読み出し手段を構成する。
【0033】
さらに、ワードレベル発生回路200は、メモリセル100と同様な素子からなるダミーメモリセル400と接続されており、ワードレベル発生回路200が発生するワードレベル電圧はメモリセル100とともにダミーメモリセル400に印加される。ダミーメモリセル400はダミーセンスアンプ500に接続されており、このダミーセンスアンプ500はさらに、ワードレベル発生回路200とセンスアンプ300とに接続されている。
【0034】
ダミーセンスアンプ500はセンスアンプ300と同様の構成を有しており、ダミーメモリセル400に印加されるワードレベルに応じて情報が読み出される。すなわち、ダミーメモリセル400にはその読み出し期間時にオフからオンするVT値が準備されており、本実施形態においてはオンするVTの「VT0,VT1,VT2」の3つが準備してある。ここで、ダミーメモリセル400はオンするスピードが一番遅くなければならないため、ワードレベルの遅延が最も大きいワード線の最終端部に設ける。また、同一VT値の中でもVTが高めでなければならないため、セルVTが高目に推移するように周囲のセルVTも考慮したマスクパターンの構成を適用している。
【0035】
そして、ダミーセンスアンプ500は、ダミーメモリセル400が所定のVT値でオンになることによって信号を出力する。この出力信号は読み出し完了信号501としてワードレベル発生回路200とセンスアンプ300とに入力される。ワードレベル発生回路200はこの読み出し完了信号501によってワードレベルの上昇を止めるようになっており、センスアンプ300はこの読み出し完了信号501によって読み出しを行うのに十分な時間を確保するため、若干の遅延の後に読み出しを終了するようになっている。このように、ダミーセンスアンプ500が上記読み出し終了時制御手段を構成する。
【0036】
また、情報の読み出しを指示する読み出し開始信号600はワードレベル発生回路200とセンスアンプ300とダミーセンスアンプ500とに入力されるようになっている。すなわち、この読み出し開始信号600が入力されることにより、ワードレベル発生回路200とセンスアンプ300とダミーセンスアンプ500とが各動作を開始し、ダミーセンスアンプ500が出力する読み出し完了信号501によって、読み出しが終了するようになっている。
【0037】
以下、図2に示すタイミングチャートに基づいて本実施例の動作を説明する。同図において、上から一段目はワードレベル発生回路200で発生するワードレベル,二段目はセンスアンプ300の動作タイミング,三段目は読み出し開始信号600の入力タイミング,四段目はダミーセンスアンプ500が出力する読み出し完了信号501の出力タイミングを示している。
【0038】
メモリセル100から読み出しを行う際に、アドレス入力が行われることによって読み出し開始信号600が発せられ、この読み出し開始信号600はワードレベル発生回路200,センスアンプ300,ダミーセンスアンプ500へ入力される。ワードレベル発生回路200はメモリセル100,ダミーメモリセル400へワードレベルの昇圧を開始し、ワードレベルはワードレベル1,ワードレベル2,ワードレベル3の順に上昇する。
【0039】
センスアンプ300は、ワードレベル1ではVT0のオンを判定し、ワードレベル2ではVT1のオンを判定し、ワードレベル3ではVT2のオンを判定する。このタイミングは、図2においては、それぞれ読み出し期間1,読み出し期間2,読み出し期間3として示してある。ダミーセンスアンプ500は、ワードレベル1ではダミーメモリセルのVT0のオンを判定し、ワードレベル2ではダミーメモリセルのVT1のオンを判定し、ワードレベル3ではダミーメモリセルのVT2のオンを判定する。
【0040】
センスアンプ300はメモリセル100,ダミーセンスアンプ500はダミーメモリセル400の読み出しを同時に開始しており、ダミーセンスアンプ500はセンスアンプ300の読み出しと同一のVTを同時に読み出し始めている。ここで、ダミーセンスアンプ500は同一のVTにおいてオンするスピードが最も遅いセルのオン/オフを判定しているので、ダミーセンスアンプ500がこの判定により出力する読み出し完了信号501の出力タイミングは、メモリセル100においてオンするVTのメモリセルが全てオンした時点である。
【0041】
ここで、読み出し完了信号501は、ワードレベル発生回路200にも供給され、ワード線のワードレベルの上昇を中止する。センスアンプ300へは若干の遅延をもたせた後、読み出し完了信号501が供給され十分な読み出し期間が得られることとなる。従って、この読み出し完了信号501が各読み出し期間での読み出し終了を指示する信号となっており、当該読み出し期間が読み出し期間1である場合には読み出し期間2を開始し、読み出し期間2である場合には読み出し期間3を開始する。そして、3期間終了したところで1つのメモリセルの多値の情報は読み出し完了となる。
【0042】
このように、本実施例ではダミーセンスアンプ500とダミーメモリセル400を有し、このダミーセンスアンプ500から読み出し完了信号501を出力することにより、メモリセル100の読み出しを終了し、ワードレベル発生回路200はワードレベルの上昇を中止する。ここで、読み出しを終了させるタイミングはダミーメモリセル400のオン/オフに基づいており、そのタイミングはメモリセル100のうちオンするメモリセルが全てオンした時点で読み出し完了である。従って、最適の読み出し終了タイミングに制御されることとなる。
【0043】
より具体的には、ダミーセンスアンプ500はセンスアンプ300と同様な構成により実現するので、読み出し能力を考えたとき、図3に示すようにその電圧−時間特性も同様となる。つまり、センスアンプ300の読み出し能力に対して電源電圧(周囲温度)の変化にうまく追従するため、短すぎず長すぎない最適な読み出し期間を得られる効果がある。その結果として高電圧,低電圧(低温,高温)での動作の限界範囲が向上し安定した読み出しが得られることとなる。
【0044】
さらに読み出し期間1,読み出し期間2,読み出し期間3の3つの読み出し期間を経て1つのメモリセルは読み出しが完了するが、本発明によって図11に示すような遅延回路を用いた読み出し期間のようにセンスアンプ能力との差により発生する無駄な期間がなくなっている。従って、スピードの高速化の効果も得られる。
【0045】
また、ダミーセンスアンプ500の信号がワードレベル発生回路200にも供給されてワードレベルの上昇を中止することにより、必要以上にワードレベルが上昇しないよう制御する。従って、図4に示すようにオンセル上限とオフセル下限に対してワードレベルの上昇を安定させることが可能となる。この結果、上述の図12のようにオフすべきオフセルVT下限に余裕がない場合にメモリセルがオン(図12NG1領域)していると誤判定されるのを防止して、安定した読み出しが可能となる。
【0046】
さらにワードレベル発生回路200においては、従来はワードレベル1,ワードレベル2,ワードレベル3の3段階のワードレベル発生が必要とされた。しかし、ダミーセンスアンプ500からの読み出し完了信号501によりワードレベルの上昇を中止,制御するため、一段階の電圧上昇を可能に構成しておいて電圧上昇を停止させるように制御すれば3段階のワードレベル発生と同様な効果が得られる。従って、回路規模の縮小,簡素化を図ることができる。
【0047】
上述の発明においては、複数のメモリセルに対して一つのダミーメモリセルを構成すれば十分であったが、このメモリセルに対するダミーメモリセルの個数を増加させることによって、より有用な多値不揮発性半導体メモリを構成することが可能となる。このような、本発明の他の実施例として、センスアンプの個数に対してダミーメモリセルの個数を増加させることが考えられる。すなわち、n個のセンスアンプに対し、n個のダミーセンスアンプ、n個のダミーメモリセルを配置する。図5はこの実施例の構成の要部を示しており、同図において、各センスアンプに対し、ダミーセンスアンプを対応させて交互に配置している。
【0048】
この実施例におけるワードレベル発生回路250にはワード線が接続されており、このワード線にはメモリセルとダミーメモリセルが接続されている。メモリセルとダミーメモリセルとは同数であって、メモリセルM1〜M3...にダミーメモリセルD1〜D3...が対応している。また、これらのメモリセルM1〜M3...はそれぞれセンスアンプ301〜303...に接続されており、ダミーメモリセルD1〜D3...はダミーセンスアンプ501〜503...に接続されている。
【0049】
ここで、ワードレベル発生回路250の上昇を制御するためのタイミングを指示するために、ワード線の最終端部に配置されるダミーセンスアンプからの信号が供給される。このような構成をとると、セルVTがメモリセル内でばらついた分布を持つ場合であっても、一つのセンスアンプに対して一つのダミーセンスアンプが交互に配置されているため、センスアンプ読み出し期間のより高い制御が可能となる。
もちろん、ダミーセンスアンプ1つに対してのセンスアンプの個数の比率は自由に変更可能である。(ダミーセンスアンプとダミーメモリセル個数の比率も自由に変更可能である。)このように、ダミーセンスアンプとセンスアンプ個数の比率が小さくなるに従い読み出し期間のより高い制御が可能になる。
【0050】
上述の各実施例では、オンするスピードが最も遅くなるダミーメモリセルを準備し、そのダミーメモリセルがオンするとオンすべきメモリセルがオンしていると判別できるという効果を用いてワードレベルの制御をしていた。しかし、オンするスピードが最も速いダミーメモリセルを準備し、そのダミーメモリセルがオンしたことを検知させてワードレベル制御などに使用することも考えられる。
【0051】
そのための構成を、第3の実施例として図6,7に示す。本構成では読み出し期間の最も早いタイミングと遅いタイミングとを検知できるようにワード線の最始点部と最終端部とにダミーメモリセルを配置する。つまり図6に示すように、ワードレベル発生回路251に接続される所定のワード線において、最始点部にダミーメモリセルD11が介装されており、最終端部にダミーメモリセルD12が接続されている。ダミーメモリセルD11とD12との間にはn個のメモリセルM11〜M1nが構成されている。ここで、ダミーメモリセルD11,D12はマスクパターン構成としても読み出し期間の最も早いタイミングと遅いタイミングとを検知できるようになっている。
【0052】
また、図7は本構成のブロック図であり、上述の従来例と同様にワードレベル発生回路251,メモリセルM11〜M1n,センスアンプ311〜31nを有している。上述の従来例のダミーメモリセル400とダミーセンスアンプ500とに対応するのは、それぞれダミーメモリセルD12とダミーセンスアンプ512とである。従って、ダミーセンスアンプ512はワードレベル発生回路251とセンスアンプ311〜31nと接続されており、読み出し期間の終了タイミングを制御するようになっている。
【0053】
ダミーメモリセルD11はダミーセンスアンプ511に接続されており、ダミーセンスアンプ511の出力信号はワードレベル発生回路251に入力される。そして、ダミーメモリセルD11がオンすることによってダミーセンスアンプ511から信号が出力されることにより各読み出し期間における読み出し開始タイミングが指示されるようになっている。
【0054】
このような構成において基本的動作は上述の実施例と同じであるが、ワード線最始点部に接続されたダミーメモリセルD11によって読み出し期間の開始を検出することができる。すなわち、ダミーメモリセルD11が各読み出し期間においてメモリセルM11〜M1nと比較して最も速くオンし、これに伴って図8に示すようにダミーセンスアンプ511が読み出し開始信号521を出力する。
【0055】
この出力された読み出し開始信号521はワードレベル発生回路251に入力し、この読み出し開始信号521を受けたワードレベル発生回路251は出力経路の切り替えを行い、ワードレベルの供給源に高抵抗を介するようになっている。すると、ワードレベル発生回路251においてこの高抵抗を介してワードレベルを供給することによりワードレベルの上昇が急激に鈍化する。その後、遅れて最も遅くオンするダミーメモリセルD21のオンを検知したダミーセンスアンプ512の読み出し完了信号522がワードレベル発生回路に供給される。
【0056】
この読み出し完了信号522を受けたワードレベル発生回路251は、ワードレベルの上昇を中止する。さらに所定の遅延の後センスアンプ311〜31nは読み出しを終了させる。このように、本実施例では読み出し開始タイミングを把握することによりワードレベルの上昇速度を制御することが可能となるので、ワードレベルの制御性が向上する。またメモリセルがオンし始めるまでのワードレベルの上昇速度を高速化することができる。従って、上述の実施例よりさらに読み出しスピードの高速化につながるという相乗的な効果を奏する。
【0057】
このように、本発明では複数のしきい値が設定可能な多値不揮発性半導体メモリにおいて、メモリセルに対するダミーメモリセルを構成する。このダミーメモリセルは予めメモリセルに対してどのようなタイミングでオンするか明らかになっているものを使用しており、このダミーメモリセルのオンを検知するダミーセンスアンプの出力によって各部のタイミングを制御することができる。従って、電源電圧、周囲温度でセンスアンプ能力に見合った最適な読み出し期間を得ると同時に、精度の高いワードレベル制御を行って安定した読み出しを行うことが可能な多値不揮発性半導体メモリを提供することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、電源電圧、周囲温度でセンスアンプ能力に見合った最適な読み出し期間を得ると同時に、精度の高いワードレベル制御を行って安定した読み出しを行うことが可能な多値不揮発性半導体メモリを提供することができる。
また、請求項2にかかる発明によれば、簡易な構成により最も遅くオンするセルを実現することができる。
さらに、請求項3にかかる発明によれば、簡単に目的としたしきい値が同一のメモリセルにおいて、最も高めのしきい値となるセルを選択することができる。
【0059】
さらに、請求項4にかかる発明によれば、より高精度の読み出し期間制御を行うことができる。
さらに、請求項5にかかる発明によれば、読み出し期間の開始タイミングを把握することができる。
さらに、請求項6にかかる発明によれば、十分な読み出し期間を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の各部の動作を示すタイミングチャートである。
【図3】センスアンプとダミーセンスアンプとの読み出し能力を示す図である。
【図4】本実施形態におけるワードレベル上昇を示す図である。
【図5】本発明の第二の実施例の要部構成を示す図である。
【図6】本発明の第三の実施例の要部構成を示す図である。
【図7】本発明の第三の実施例の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第三の実施例における各部の動作を示すタイミングチャートである。
【図9】従来の多値不揮発性半導体メモリの概略構成を示すブロック図である。
【図10】従来の多値不揮発性半導体メモリにおける各部の動作を示すタイミングチャートである。
【図11】従来の多値不揮発性半導体メモリのセンスアンプの読み出し能力を示す図である。
【図12】従来の多値不揮発性半導体メモリにおけるワードレベルの時間的変化を示す図である。
【符号の説明】
100 メモリセル
200 ワードレベル発生回路
300 センスアンプ
400 ダミーメモリセル
500 ダミーセンスアンプ
Claims (6)
- 1構成単位から2ビット以上の情報量を読み出す多値不揮発性半導体メモリであって、
複数のしきい値が設定可能であるとともに入力されるワード線レベルがしきい値より大きいか否かに応じてオン/オフする複数のメモリセルと、
メモリセルからの情報の読み出しに際して、各しきい値の読み出し期間毎に所定のワード線レベルを発生させるワード線レベル発生手段と、
メモリセルのオン/オフに応じて情報を読み出すメモリセル読み出し手段と、
上記ワード線レベルが入力され、上記メモリセルと同様なしきい値に対してメモリセルより遅くオンするダミーメモリセルと、
上記ダミーメモリセルがオンした段階で上記ワード線レベル発生手段を制御してワード線レベル上昇を停止させるとともに、上記メモリセル読み出し手段を制御して情報の読み出しを終了させる読み出し終了時制御手段とを具備することを特徴とする多値不揮発性半導体メモリ。 - 上記請求項1に記載の多値不揮発性半導体メモリにおいて、
上記ダミーメモリセルは、メモリセルと同様な構成のセルがワード線の最終端部に設けられてなることを特徴とする多値不揮発性半導体メモリ。 - 上記請求項1または請求項2に記載の多値不揮発性半導体メモリにおいて、
上記ダミーメモリセルは、メモリセルの製造過程において周囲のイオン注入量が多いことによってしきい値が高めになっているセルにて構成されることを特徴とする多値不揮発性半導体メモリ。 - 上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の多値不揮発性半導体メモリにおいて、
メモリセルの個数に対するダミーメモリセルの個数を増加させることにより、個々のメモリセルのしきい値がばらついている場合でも読み出し期間を高精度で制御することを特徴とする多値不揮発性半導体メモリ。 - 上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の多値不揮発性半導体メモリにおいて、
上記メモリセルの最始点にメモリセルと同様な構成のセルを設け、このセルがオンしたか否かによってメモリセルがオンした時点を検出することを特徴とする多値不揮発性半導体メモリ。 - 上記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の多値不揮発性半導体メモリにおいて、
上記読み出し終了時制御手段は、上記メモリセル読み出し手段を制御して情報の読み出しを終了させる際に、上記ワード線レベル発生手段にてワード線レベルの上昇を停止させた後、若干の遅延を持たせることにより十分な読み出し期間を確保することを特徴とする多値不揮発性半導体メモリ。
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