JP3782913B2 - 笠木ユニットの枠組み構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バルコニーや外廊下などの囲い壁に装飾、採光、通風用に設けられる開口部において、この開口部を縁取るように設けられる笠木ユニットの枠組み構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の笠木ユニットの枠組み構造として、例えば、バルコニーの掘込みタイプの開口部に適用した実用新案登録第2548511号公報に記載のものが知られている。この笠木ユニットは、開口部の鉛直壁面に沿わせて設けた左右一対の縦笠木と、水平壁面に沿わせて設けた下笠木とから成り、縦笠木と下笠木とは、下笠木通しで接合されている。より具体的には、下笠木の外端部に上側から縦笠木の小口端を間隙を存して対峙させ、この間隙にコーキング材を充填して、縦笠木と下笠木とが水密に接合されている。これにより、縦笠木の下端を下笠木の上面の形状に合わせて加工する手間を省き、且つ縦笠木と下笠木との接合部分から水平壁面側への雨水の侵入を防止している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の笠木ユニットの枠組み構造では、下笠木に加わる荷重により下笠木が変形すると、コーキング材が剥がれシール性が損なわれ易くなる問題があった。また、コーキング材が表側に目地状に露出するため、紫外線などにより劣化し易く、且つ笠木ユニットの意匠上も好ましくない。
【0004】
本発明は、単純な構造で、水密性および意匠性を向上させることができる笠木ユニットの枠組み構造を提供することをその目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明の笠木ユニットの枠組み構造は、囲い壁に形成した開口部に縁取るように設けた笠木ユニットの枠組み構造であって、開口部の鉛直壁面に沿わせて設けた縦笠木と水平壁面に沿わせて設けた下笠木とを、縦笠木の小口端を下笠木の外端部に突き当てて枠組みすると共に、下笠木の小口端と鉛直壁面との間には、シール材が介設され、縦笠木の袖部と下笠木の袖部とが交会する両コーナー部側面には、各縦笠木の袖部を延長するように各コーナー部側面を覆うと共に各縦笠木の袖部に装着した一対のコーナーカバーが設けられていることを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、下笠木の小口端と鉛直壁面との間にシール材を介設しているため、外力により変形を受け難い下笠木の小口端と、開口部の鉛直壁面との間でシールが為されることになり、シール材に外力が及び難い構造にすることができる。また、シール材を縦笠木の端部で覆うことができる。
また、コーナーカバーにより、コーキング材や下笠木の端部などを完全に覆うことができ、意匠性を向上させることができる。
【0007】
この場合、下笠木の小口端と鉛直壁面とは間隙を存して対峙しており、シール材は、間隙に充填したコーキング材と、コーキング材を受けるバックアップ材とから成ることが、好ましい。
【0008】
この構成によれば、コーキング材の充填作業が容易になると共に、コーキング材を適切に施工することができる。また、左右の鉛直壁間の寸法と下笠木の長さとを精度良く合致させる必要が無く、施工性を向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係る笠木ユニットの枠組み構造を、バルコニーの開口部に設置した笠木ユニットに適用した場合について説明する。図1は、掘込みタイプの開口部を形成したバルコニーの正面図である。同図に示すように、このバルコニー1は、囲い壁である前壁2および両側壁3,3が、心材4と表裏の仕上げ材5,5とから成る大壁構造を有しており(図2参照)、前壁2の中央に形成した開口部6には、笠木ユニット7および装飾ユニット8が装着されている。開口部6は、左右の鉛直壁面6a,6aと下端の水平壁面6bとを有して、正面視「U」字状に掘り込まれている。そして、前壁2および両側壁3,3の上端には、開口部6の部分を除いて上笠木10が取り付けられ、上笠木10の上側には、複数本の支持棒11を介して手摺12が連続して取り付けられている。
【0012】
笠木ユニット7は、開口部6の鉛直壁面6aに沿わせて設けた左右一対の縦笠木13,13と、水平壁面6bに沿わせて設けた下笠木14とで構成されている。各縦笠木13の上端部は上記の上笠木10の端部に連結され、下端部は下笠木14の外端部に、いわゆる下笠木14通しで連結されている。したがって、開口部6は、左右の縦笠木13,13と下笠木14とにより「U」字状の形態となっている。
【0013】
装飾ユニット8は、開口部6の左右中間位置において上記の手摺12と下笠木14との間に上下に渡した縦桟15と、下笠木14の上側において縦桟15と各縦笠木13との間に左右に渡した左右一対の横桟16,16と、手摺12と横桟16との間に装着した一対の装飾パネル17,17とで構成されている。この場合、装飾パネル17は目隠し部材として機能し、装飾パネル17と縦桟15や縦笠木13との間隙は通風のための空間として機能する。
【0014】
ここで、縦笠木13および下笠木14について説明すると共に、縦笠木13と下笠木14との枠組み構造(接合構造)について詳細に説明する。図2および図3に示すように、縦笠木13は、主体を為す平坦な縦笠木本体21と、縦笠木本体21の幅方向の両側に連なる一対の縦笠木袖部22,22とから成り、アルミニウムの形材などで断面略「コ」字状に一体に形成されている。縦笠木本体21の表面側(外側)は、凹凸が無く平坦に形成されているが、裏面側(内側)には、ビスホールを有する「L」字状の一対の取付け片23,23が一体に形成されている。縦笠木13は、この取付け片23に固定した連結プレート24を介して、上下の2箇所で開口部6の鉛直壁面6aに固定されている。
【0015】
各縦笠木袖部22は、縦笠木本体21から直角に延びており、表面側は平坦に形成されているが、裏面側には、ビスホールを有する一文字状の当て板片25およびビード取付け片26が、一体に形成されている。当て板片25は、縦笠木本体21と平行に延在しており、縦笠木13を鉛直壁面6aに添設した状態では鉛直壁面6aに当接して、縦笠木13を鉛直壁面6aから幾分離すように位置決めする。図示では省略しているが、ビード取付け片26には、先端部が前壁2の開口部縁部に密接する鰭片状のビードが装着されており、このビードをバックアップ材としてこの部分にコーキング材が充填されている。そして、このコーキング材により、鉛直壁面6a側への雨水の浸入が阻止される。
【0016】
下笠木14は、主体を為す平坦な下笠木本体31と、下笠木本体31の幅方向の両側に連なる一対の下笠木袖部32,32とから成り、アルミニウムの形材などで断面略「コ」字状に一体に形成されている。下笠木14は、縦笠木13と同幅に形成され、下笠木14の外端部上面に縦笠木13の小口端が当接するようになっている(詳細は後述する)。下笠木本体31および両下笠木袖部32,32にはビスホールなどの凹凸が無く、その表裏両面はそれぞれ平坦に形成されている。ただし、下笠木本体31は、その幅方向においてバルコニー1の内側に向かって下り傾斜の排水勾配を有している。
【0017】
このように構成された下笠木14は、上記の縦桟15の取付け部分(左右中間部分)に設けた枕木的なホルダー33により、開口部6の水平壁面6bに縦桟15と共に固定されている。また、下笠木14の両外端部には、鉛直壁面6aとの間に後述するコーキング材36を受けるバックアップ材35が介設され、下笠木14の両外端部はバックアップ材35に支持されている。
【0018】
次に、図2、図3および図4を参照して、縦笠木13と下笠木14との接合部分の構造について説明する。上述したように下笠木14の各外端部には、バックアップ材35が装着されており、バックアップ材35は、一方の半部に構成した装着部35aと、他方の半部に構成したコーキング受け部35bとで、一体に形成されている。装着部35aは、下笠木14の内面に装着される部位であり、その外周面は下笠木14の外端部の内周面と相補的形状に形成されている。また、コーキング受け部35bは、コーキング材36を受ける部位であり、装着部35aより一回り小さな断面形状に形成されている。
【0019】
下笠木14は、小口端にバックアップ材35を装着し、バックアップ材35を鉛直壁面6aに突き当てるようにして、水平壁面6bに固定される。この状態では、下笠木14の小口端と鉛直壁面6aとの間において、コーキング受け部35bによりコーキング材36を充填するための溝部が構成され、この溝部にコーキング材36を盛るようにして充填する。これにより、下笠木14の両外端部と左右の鉛直壁面6a,6aとの間が水密にシールされ、水平壁面6bへの雨水の浸入が阻止される。なお、鉛直壁面6aおよび水平壁面6bは、防水シート等により簡易にシールされているが、コーナー部分やシートの重なり部分ではシールが十分ではなく、特に雨水が溜まり易い水平壁面6bへの雨水の浸入を防止することが必要である。
【0020】
一方、縦笠木13は、単純に上側から下笠木14に突き当てられている。すなわち、下笠木14の外端部には連結部材等を用いることなく、縦笠木13の小口端が突き当てられており、この状態で縦笠木13は鉛直壁面6aに固定されている。これにより、縦笠木13と下笠木14のコーナー部分では、上記のコーキング材36が縦笠木13の内側に隠蔽される。しかし、縦笠木13の小口端の下方に位置するコーキング材36の側部は、外部に露出することになる。そこで、コーナー部分の両側面には、コーキング材36を覆うと共に、コーナー部分を直角に見せるコーナーカバー40,40がそれぞれ設けられている。
【0021】
各コーナーカバー40は、方形且つ平坦な外面を有する板状のカバー本体41と、カバー本体41の内面上部に突出形成した装着係合部42と、カバー本体41の側端に突出形成した縦鰭部43とで、一体に形成されている。装着係合部42は、縦笠木袖部22の小口端に対し下側から着脱可能となっており、両コーナーカバー40,40を装着した状態で縦笠木13を下笠木14に突き当てると、縦笠木13と下笠木14のコーナー部分の各側面がコーナーカバー40で覆われる。すなわち、この状態では、縦鰭部43が前壁2の開口部縁部に当接し、縦鰭部43と逆側のカバー本体41の端部内面が下笠木袖部32の外端部に当接し、さらにカバー本体41の上部内面が縦笠木13の下端部に当接して、コーナーカバー40はがたつくこと無く、上記のコーナー部分を覆う。
【0022】
ここで、図5を参照して、笠木ユニット7の開口部6への組付け手順について簡単に説明する。先ず、水平壁面6bにホルダー33を設置し、ホルダー33を介して、両外端部にバックアップ材35を装着した下笠木14を、水平壁面6bに固定する(同図(a))。このとき、バックアップ材35の端を水平壁面6bに突き当てるようにし、続いてバックアップ材35を受けとして下笠木14と水平壁面6bとの間にコーキング材36を充填する(同図(b))。次に、両コーナーカバー40,40を装着した縦笠木13を、上側から下笠木14に当接すると共に鉛直壁面6aに位置決めし、連結プレート24を介して縦笠木13を鉛直壁面6aに固定する(同図(c))。このようにして笠木ユニット7を組み付けるが、以降、上記の上笠木10および手摺12を組み付けると共に、縦桟15、横桟16および装飾パネル17を組み付けて、全体の組み付けを完了する。
【0023】
次に、図6および図7を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、開口部6の上部において上笠木10が連続しており、開口部6は、この上笠木10、下笠木14および両縦笠木13,13により、方形に縁取られた形態となっている。この場合には、縦桟15は上笠木10と下笠木14との間に上下に渡され、各装飾パネル17は横桟16と上笠木10との間に装着されている。そして、笠木ユニット7を構成する縦笠木13は、第1実施形態と同様の形態を有しているが、下笠木14は、その下笠木本体31が、幅方向の中間部に位置する水平面部31aと、幅方向の両端部に位置する傾斜面部31b,31bとで構成されている。すなわち、下笠木14は略ドーム状の断面形状を有している。
【0024】
この場合も、下笠木14の各外端部に、装着部35aとコーキング受け部35bとから成るバックアップ材35が装着されている。また、バックアップ材35の装着部35aはその外周面が下笠木14の外端部の内周面と相補的形状に形成され、さらにコーキング受け部35bは装着部35aより一回り小さく形成されている。そして、第1実施形態と同様に、下笠木14の小口端にはバックアップ材35を装着され、且つバックアップ材35を受けとして、下笠木14の小口端と鉛直壁面6aとの間にコーキング材36が充填され、下笠木14と鉛直壁面6aとの間がシールされている。また、下笠木14の上面に縦笠木13が突き当てられている。
【0025】
上述したように、下笠木14は略ドーム状の断面形状を有している。このため、下笠木14の外端部に縦笠木13の小口端を突き当てた状態では、縦笠木13と下笠木本体31の水平面部31aとの間には隙間が生じないが、両傾斜面部31b,31bとの間にはそれぞれ三角形の隙間が生ずる。そこで、第2実施形態の各コーナーカバー40には、カバー本体40、装着係合部41および縦鰭部42に加え、装着係合部41に沿ってこの三角形の隙間を閉塞する三角片部44が、一体に形成されている。そして、この場合も、予めコーナーカバー40を、縦笠木袖部22の小口端に装着してから縦笠木13を組み付ける。
【0026】
以上のように、これらの実施形態によれば、下笠木14と各縦笠木13との接合部分において、バックアップ材35を介して下笠木14を鉛直壁面6aに突き当て、且つコーキング材36で下笠木14と鉛直壁面6aとの間を水密にシールしているため、下笠木14と縦笠木13との間をシールするよりも、シール構造を単純化にすることができる。また、外力などに対しシール性を安定したものとすることができる。さらに、コーキング材36を、縦笠木13およびコーナーカバー40で完全に覆うことができるため、コーキング材36の劣化などを抑制することができると共に、笠木ユニット7の意匠性を向上させることができる。
【0027】
なお、実施形態では、下笠木と鉛直壁面との間のシールをコーキング材で行うようにしているが、これを例えばゴム製のシール部材などのいわゆる乾式シール材で行うようにしてよい。また、本発明の枠組み構造は、中抜きタイプの開口部にも適用できることは、いうまでもない。
【0028】
【発明の効果】
以上のように本発明の笠木ユニットの枠組み構造によれば、シール材を介して、下笠木の小口端を鉛直壁面に水密に接合しているため、シール材の耐久性を向上させることができると共に、下笠木の小口端と鉛直壁面とを水密に接合することができ、特に水平壁面への雨水の浸入を確実に防止することができる。また、シール材は、縦笠木で覆われるため、この接合部分をすっきりしたデザインに仕上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る笠木ユニットを組み込んだバルコニーの正面図である。
【図2】実施形態に係る笠木ユニット廻りの拡大縦断面図である。
【図3】実施形態に係る笠木ユニット廻りの拡大横断面図である。
【図4】笠木ユニットを構成する下笠木と縦笠木の接合部分の分解斜視図である。
【図5】笠木ユニットの組立手順を示す説明図である。
【図6】第2実施形態に係る笠木ユニット廻りの拡大縦断面図である。
【図7】第2実施形態に係る下笠木と縦笠木の接合部分の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 バルコニー、2 前壁、6 開口部、6a 鉛直壁面、6b 水平壁面、7 笠木ユニット、13 縦笠木、14 下笠木、21 縦笠木本体、22 縦笠木袖部、31 下笠木本体、32 下笠木袖部、35 バックアップ材、366 コーキング材、40 コーナーカバー
Claims (2)
- 囲い壁に形成した開口部に縁取るように設けた笠木ユニットの枠組み構造であって、
前記開口部の鉛直壁面に沿わせて設けた縦笠木と水平壁面に沿わせて設けた下笠木とを、当該縦笠木の小口端を当該下笠木の外端部に突き当てて枠組みすると共に、
前記下笠木の小口端と前記鉛直壁面との間には、シール材が介設され、
前記縦笠木の袖部と前記下笠木の袖部とが交会する両コーナー部側面には、前記各縦笠木の袖部を延長するように前記各コーナー部側面を覆うと共に前記各縦笠木の袖部に装着した一対のコーナーカバーが設けられていることを特徴とする笠木ユニットの枠組み構造。 - 前記下笠木の小口端と前記鉛直壁面とは間隙を存して対峙しており、
前記シール材は、前記間隙に充填したコーキング材と、前記コーキング材を受けるバックアップ材とから成ることを特徴とする請求項1に記載の笠木ユニットの枠組み構造。
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