JP3782575B2 - ガスバーナ装置の燃料ガスの流量調整方法とそれに用いる燃料ガスの流量調整装置 - Google Patents
ガスバーナ装置の燃料ガスの流量調整方法とそれに用いる燃料ガスの流量調整装置 Download PDFInfo
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、小火性能を向上したブンゼン燃焼方式のガスバーナ装置の燃料ガスの流量調整方法と、ガスバーナ装置の燃料ガスの流量調整装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来のブンゼン燃焼方式のガスバーナ装置はバーナ本体に多数の炎孔を設け、この多数の炎孔に一つの混合管から燃料ガスを供給するようになっているだけである。ところで、近年、水分の蒸発や焦げつきが生じないように保温したりするため火炎を極力小さくする小火性能が要求されるようになってきた。しかし上記の構造では混合管に供給する燃料ガスの量をできるだけ少なくして複数の炎孔の火炎が吹き消えない程度にできるだけ小さく調整する程度であった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記多数の炎孔の火炎をできるだけ小さく絞ると、火炎が目で見えなくなり、絞る操作の操作性が悪くなるという問題があり、また炎孔の火炎を小さくし過ぎると逆火や吹き消えも起こりやすくなるという問題がある。また高空気比で短炎化や低ＮＯX 化を目指したものでは小火の燃焼状態を維持できないという問題があった。
【０００４】
本発明は叙述の点に鑑みてなされたものであって、操作性よく、また逆火や吹き消えができないように小火に絞ることができるガスバーナ装置の燃料ガスの流量調整方法とそれに用いる燃料ガスの流量調整装置を提供するにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項１のガスバーナ装置の燃料ガスの流量調整方法は、バーナ本体１に複数個の主炎孔２と複数個の小火炎孔３とを設け、主炎孔２に主炎孔用混合管４を小火炎孔３に小火炎孔用混合管５を夫々別々に連通させ、流量調整装置６を介して夫々主炎孔用混合管４と小火炎孔用混合管５に燃料ガスを供給するようにしたガスバーナ装置において、流量調整装置６で流量を最小に絞ったときに小火炎孔用混合管５に最小の流量の燃料ガスを供給し、流量調整装置６で流量を最小に絞った状態から徐々に開くに従って主炎孔用混合管４及び小火炎孔用混合管５に供給する燃料ガス量が徐々に増えるように燃料ガスを供給することを特徴とする。流量調整装置６で流量を最小に絞ったときには小火炎孔用混合管５にのみ燃料ガスを供給して小火炎孔３で最小の火炎で燃焼を行わせ、この状態から流量調整装置６で流量を多くするに従って小火炎孔用混合管５及び主炎孔用混合管４に燃料ガスを供給して主炎孔２にも火炎を形成すると共に小火炎孔３及び主炎孔２の火炎を徐々に大きくできる。これにより小火から大火まで広い範囲に亙って簡単且つ自在に調整することができ、高ターンダウン比を得ることができる。
【０００８】
また本発明の請求項２のガスバーナ装置の燃料ガスの流量調整装置は、ガス入口７と連通するガス流入室８と、主ガス出口９と連通する主ガス流出室１０と、小火用ガス出口１１と連通する小火用ガス流出室１２とを上記順に直線状に配置し、ガス流入室８と主ガス流出室１０との間及び主ガス流出室１０と小火用ガス流出室１２との間に夫々弁座１３，１４を設け、上記ガス流入室８、主ガス流出室１０及び小火用ガス流出室１２に貫通するように調整軸１５を挿通して調整軸１５を往復動自在にし、調整軸１５の往復動にて上記弁座１３，１４に対して近接離間して流路を開閉する弁部１６，１７を調整軸１５に上記夫々の弁座１３，１４に対応するように設け、ガス流入室８と小火用ガス流出室１２とを常に連通させる小火用ガス供給路１８を調整軸１５に設けて成ることを特徴とする。流量を最小にする状態に調整軸１５を位置させた状態ではガス流入室８と小火用ガス流出室１２とが小火用ガス供給路１８のみで連通しており、この状態で最小の流量の燃料ガスを小火用ガス出口１１に供給できる。この状態から調整軸１５を流量が大きくなる側に移動させると、弁座１３，１４と弁部１６，１７との間が徐々に開き、小火用ガス流出室１２及び主ガス流出室１０に燃料ガスが供給されると共に燃料ガスの流量が徐々に増え、小火用ガス出口１１と主ガス出口９とに徐々に流量が増えるように燃料ガスを供給できる。これにより調整軸１５の往復操作だけで請求項２の燃料ガスの流量調整方法のように燃料ガスを調整して供給できる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
ガスバーナ装置Ａのバーナ本体１は本例の場合、図１に示すように円形に形成されており、外周に周方向に亙るように多数の主炎孔２を列設してあり、主炎孔２の下方には小火炎孔３を周方向に列設してある。この主炎孔２と小火炎孔３とは主炎孔２の流路面積より小火炎孔３の流路面積が十分に小さい。バーナ本体１内には主炎孔用混合室２０と小火炎孔用混合室２１を設けてあり、主炎孔用混合室２０が主炎孔２に連通していると共に小火炎孔用混合室２１が小火炎孔３に連通している。バーナ本体１には主炎孔用混合管４及び小火炎孔用混合管５を夫々設けてあり、主炎孔用混合管４が主炎孔用混合室２０と連通していると共に小火炎孔用混合管５が小火炎孔用混合室２１に連通している。主炎孔用混合管４の基部には主炎孔用ノズル２３を設けてあり、小火炎孔用混合管５の基部には小火炎孔用ノズル２２を設けてある。しかして、主炎孔用ノズル２３に燃料ガスが供給されて主炎孔用ノズル２３から主炎孔用混合管４に燃料ガスが吐出されると、主炎孔用混合管４の基部から一次空気が吸い込まれ、主炎孔用混合管４内で一次空気と燃料ガスが混合されて主炎孔用混合室２０に供給され、主炎孔用混合室２０を経て主炎孔２から空気を混合した燃料ガスが噴出されて主炎孔２に火炎が形成される。また小火炎孔用ノズル２２に燃料ガスが供給されて小火炎孔用ノズル２２から小火炎孔用混合管５に燃料ガスが吐出されると、小火炎孔用混合管５の基部から一次空気が吸い込まれ、小火炎孔用混合管５内で一次空気と燃料ガスが混合されて小火炎孔用混合室２１に供給され、小火炎孔用混合室２１を経て小火炎孔３から空気を混合した燃料ガスが噴出されて小火炎孔３に火炎が形成される。このようにすることで、主炎孔２と小火炎孔３とで別々に火炎を形成でき、通常の調理をする場合は主炎孔２及び小火炎孔３との両方で火炎を形成して行うことができ、小火で調理を行うときには小火炎孔３だけに火炎を形成して行うことができ、小火にしたときに小火性能を向上して調理物の保温等もできる。
【００１１】
上記主炎孔用ノズル２３や小火炎孔用ノズル２２に燃料ガスを供給する場合、図２に示すように流量調整装置６から流量を調整して供給するようになっているが、この流量調整装置６は例えば図３に示すように構成されている。この流量調整装置６の燃料ガスのガス入口７より供給側には安全弁２４を配置してあり、主炎孔２や小火炎孔３の火炎が消えたとき安全弁２４が遮断されてガスの供給が遮断されるようになっている。つまり、バーナ本体１の外周にはサーモカップルを配置してあり、サーモカップルが燃焼の温度を感知しているときは熱起電力で安全弁２４の開放状態が維持され、燃焼が立ち消えして温度を感知しなくなったときには安全弁２４が遮断されるようになっている。
【００１２】
図３に示す流量調整装置６の構造は次のようになっている。筐体２５には、左から順にガス流入室８と、主ガス流出室１０と、小火用ガス流出室１２を直線的に配置してある。ガス流入室８はガス入口７と連通しており、安全弁２４からガス入口７を介してガス流入室８にガスが供給されるようになっている。主ガス流出室１０は主ガス出口９と連通しており、主ガス流通室１０から主ガス出口９を介して主炎孔用ノズル２３に燃料ガスが供給できるようになっている。小火用ガス流出室１２は小火用ガス出口１１に連通しており、小火用ガス流出室１２から小火用ガス出口１１を介して小火炎孔用ノズル２２に燃料ガスが供給できるようになっている。ガス流入室８と主ガス流出室１０との間には弁座１３を設けてあり、主ガス流出室１０と小火用ガス流出室１２との間に弁座１４を設けてある。そしてガス流入室８、主ガス流出室１０及び小火用ガス流出室１２に貫通するように調整軸１５を挿通して調整軸１５を往復動自在にしてあり、調整軸１５の往復動にて上記弁座１３，１４に対して近接離間して流路を開閉する弁部１６，１７を調整軸１５に上記夫々の弁座１３，１４に対応するように設けてある。この調整軸１５の外周にはＯリング２６を装着してあり、調整軸１５と筐体２５との間のシールをしている。また調整軸１５にはガス流入室８と小火用ガス流出室１２とを常に連通させる小火用ガス供給路１８を設けてあり、小火用ガス供給路１８に小火ガス用オリフィス２７を形成してある。
【００１３】
上記図３の状態は調整軸１５が最も左に移動した状態で弁座１３，１４が弁部１６，１７で閉塞されており、ガス流入室８から小火用ガス供給路１８を介して小火ガス用オリフィス２７で規定される最小流量の燃料ガスだけが小火用ガス流出室１２に流れる。これにより主炎孔２側には燃料ガスが供給されず、小火炎孔３にだけ燃料ガスが最小に絞られた状態で供給される。この状態から調整軸１５を徐々に右に移動させると、弁座１３，１４が開き、主ガス流出室１０と小火用ガス流出室１２に燃料ガスが流れ始め、更に調整軸１５を右に移動させると、主ガス流出室１０と小火用ガス流出室１２に流れるガスの流量は増加して最大流量まで増加する。これにより主炎孔２及び小火炎孔３に燃料ガスが供給され、徐々に供給される燃料ガスの流量が増加する。この状態をグラフで示すと図４の通りである。図４で閉は調整軸１５を左に移動して流量を絞った状態であり、開は調整軸１５を右に移動して流量を多くした状態である。調整軸１５の移動にて、小火炎孔用のガス流量は図４の符号ａに示すように変化し、主炎孔用のガス流量は図４の符号ｂに示すように変化し、トータルのガス流量は図４の符号ｃに示すように変化する。燃料ガスの最小絞り流量では小火ガス用オリフィス２７で規定されたガス流量で小火炎孔３にて燃焼を継続し、主炎孔２では消火した状態となる。つまり、主炎孔２及び小火炎孔３共に燃焼をさせた状態で燃料ガスを最小流量に絞ろうとすると、小火の逆火或いは吹き消えを防止するため最小流量が大きくなり、また主炎孔２及び小火炎孔３の全炎孔に火炎を形成すると、炎がある状況が目視不可能となり操作性に問題が生じるが、本発明では小火炎孔３にだけ火炎を形成するために上記弊害が生じることがなく、燃料ガスの最小流量を小さくできると共に操作性を向上できる。また上記１つの流量調整装置６の操作軸１５の往復操作だけで主炎孔２と小火炎孔３を有するガスバーナ装置Ａの大きな絞りが実現でき、ガスバーナ装置Ａを安価且つ操作性よくできる。
【００１８】
【発明の効果】
本発明の請求項１の発明は、流量調整装置で流量を最小に絞ったときに小火炎孔用混合管に最小の流量の燃料ガスを供給し、流量調整装置で流量を最小に絞った状態から徐々に開くに従って主炎孔用混合管及び小火炎孔用混合管に供給する燃料ガス量が徐々に増えるように燃料ガスを供給するので、流量調整装置で流量を最小に絞ったときには小火炎孔用混合管にのみ燃料ガスを供給して小火炎孔で最小の火炎で燃焼を行わせ、この状態から流量調整装置で流量を多くするに従って小火炎孔用混合管及び主炎孔用混合管に燃料ガスを供給して主炎孔にも火炎を形成すると共に小火炎孔及び主炎孔の火炎を徐々に大きくできるものであって、小火から大火まで広い範囲に亙って簡単且つ自在に調整することができ、高ターンダウン比を得ることができるものである。
【００２０】
また本発明の請求項２の発明は、ガス入口と連通するガス流入室と、主ガス出口と連通する主ガス流出室と、小火用ガス出口と連通する小火用ガス流出室とを上記順に直線状に配置し、ガス流入室と主ガス流出室との間及び主ガス流出室と小火用ガス流出室との間に夫々弁座を設け、上記ガス流入室、主ガス流出室及び小火用ガス流出室に貫通するように調整軸を挿通して調整軸を往復動自在にし、調整軸の往復動にて上記弁座に対して近接離間して流路を開閉する弁部を調整軸に上記夫々の弁座に対応するように設け、ガス流入室と小火用ガス流出室とを常に連通させる小火用ガス供給路を調整軸に設けているので、流量を最小にする状態に調整軸を位置させた状態ではガス流入室と小火用ガス流出室とが小火用ガス供給路のみで連通し、この状態から調整軸を流量が大きくなる側に移動させると、弁座と弁部との間が徐々に開き、小火用ガス流出室及び主ガス流出室に燃料ガスが供給されると共に燃料ガスの流量が徐々に増えるものであって、調整軸の往復操作だけで請求項２の燃料ガスの流量調整方法のように燃料ガスを調整して供給できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 ガスバーナ装置を示し、（ａ）は斜視図、（ｂ）は断面図である。
【図２】 同上のガスバーナ装置の系統を示す説明図である。
【図３】 本発明の実施の形態の一例の流量調整装置の断面図である。
【図４】 同上の流量調整装置の調整を説明するグラフである。
【符号の説明】
１ バーナ本体
２ 主炎孔
３ 小火炎孔
４ 主炎孔用混合管
５ 小火炎孔用混合管
６ 流量調整装置
７ ガス入口
８ ガス流出室
９ 主ガス出口
１０ 主ガス流出室
１１ 小火用ガス出口
１２ 小火用ガス流出室
１３ 弁座
１４ 弁座
１５ 調整軸
１６ 弁部
１７ 弁部
１８ 小火用ガス供給路
【発明の属する技術分野】
本発明は、小火性能を向上したブンゼン燃焼方式のガスバーナ装置の燃料ガスの流量調整方法と、ガスバーナ装置の燃料ガスの流量調整装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来のブンゼン燃焼方式のガスバーナ装置はバーナ本体に多数の炎孔を設け、この多数の炎孔に一つの混合管から燃料ガスを供給するようになっているだけである。ところで、近年、水分の蒸発や焦げつきが生じないように保温したりするため火炎を極力小さくする小火性能が要求されるようになってきた。しかし上記の構造では混合管に供給する燃料ガスの量をできるだけ少なくして複数の炎孔の火炎が吹き消えない程度にできるだけ小さく調整する程度であった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記多数の炎孔の火炎をできるだけ小さく絞ると、火炎が目で見えなくなり、絞る操作の操作性が悪くなるという問題があり、また炎孔の火炎を小さくし過ぎると逆火や吹き消えも起こりやすくなるという問題がある。また高空気比で短炎化や低ＮＯX 化を目指したものでは小火の燃焼状態を維持できないという問題があった。
【０００４】
本発明は叙述の点に鑑みてなされたものであって、操作性よく、また逆火や吹き消えができないように小火に絞ることができるガスバーナ装置の燃料ガスの流量調整方法とそれに用いる燃料ガスの流量調整装置を提供するにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項１のガスバーナ装置の燃料ガスの流量調整方法は、バーナ本体１に複数個の主炎孔２と複数個の小火炎孔３とを設け、主炎孔２に主炎孔用混合管４を小火炎孔３に小火炎孔用混合管５を夫々別々に連通させ、流量調整装置６を介して夫々主炎孔用混合管４と小火炎孔用混合管５に燃料ガスを供給するようにしたガスバーナ装置において、流量調整装置６で流量を最小に絞ったときに小火炎孔用混合管５に最小の流量の燃料ガスを供給し、流量調整装置６で流量を最小に絞った状態から徐々に開くに従って主炎孔用混合管４及び小火炎孔用混合管５に供給する燃料ガス量が徐々に増えるように燃料ガスを供給することを特徴とする。流量調整装置６で流量を最小に絞ったときには小火炎孔用混合管５にのみ燃料ガスを供給して小火炎孔３で最小の火炎で燃焼を行わせ、この状態から流量調整装置６で流量を多くするに従って小火炎孔用混合管５及び主炎孔用混合管４に燃料ガスを供給して主炎孔２にも火炎を形成すると共に小火炎孔３及び主炎孔２の火炎を徐々に大きくできる。これにより小火から大火まで広い範囲に亙って簡単且つ自在に調整することができ、高ターンダウン比を得ることができる。
【０００８】
また本発明の請求項２のガスバーナ装置の燃料ガスの流量調整装置は、ガス入口７と連通するガス流入室８と、主ガス出口９と連通する主ガス流出室１０と、小火用ガス出口１１と連通する小火用ガス流出室１２とを上記順に直線状に配置し、ガス流入室８と主ガス流出室１０との間及び主ガス流出室１０と小火用ガス流出室１２との間に夫々弁座１３，１４を設け、上記ガス流入室８、主ガス流出室１０及び小火用ガス流出室１２に貫通するように調整軸１５を挿通して調整軸１５を往復動自在にし、調整軸１５の往復動にて上記弁座１３，１４に対して近接離間して流路を開閉する弁部１６，１７を調整軸１５に上記夫々の弁座１３，１４に対応するように設け、ガス流入室８と小火用ガス流出室１２とを常に連通させる小火用ガス供給路１８を調整軸１５に設けて成ることを特徴とする。流量を最小にする状態に調整軸１５を位置させた状態ではガス流入室８と小火用ガス流出室１２とが小火用ガス供給路１８のみで連通しており、この状態で最小の流量の燃料ガスを小火用ガス出口１１に供給できる。この状態から調整軸１５を流量が大きくなる側に移動させると、弁座１３，１４と弁部１６，１７との間が徐々に開き、小火用ガス流出室１２及び主ガス流出室１０に燃料ガスが供給されると共に燃料ガスの流量が徐々に増え、小火用ガス出口１１と主ガス出口９とに徐々に流量が増えるように燃料ガスを供給できる。これにより調整軸１５の往復操作だけで請求項２の燃料ガスの流量調整方法のように燃料ガスを調整して供給できる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
ガスバーナ装置Ａのバーナ本体１は本例の場合、図１に示すように円形に形成されており、外周に周方向に亙るように多数の主炎孔２を列設してあり、主炎孔２の下方には小火炎孔３を周方向に列設してある。この主炎孔２と小火炎孔３とは主炎孔２の流路面積より小火炎孔３の流路面積が十分に小さい。バーナ本体１内には主炎孔用混合室２０と小火炎孔用混合室２１を設けてあり、主炎孔用混合室２０が主炎孔２に連通していると共に小火炎孔用混合室２１が小火炎孔３に連通している。バーナ本体１には主炎孔用混合管４及び小火炎孔用混合管５を夫々設けてあり、主炎孔用混合管４が主炎孔用混合室２０と連通していると共に小火炎孔用混合管５が小火炎孔用混合室２１に連通している。主炎孔用混合管４の基部には主炎孔用ノズル２３を設けてあり、小火炎孔用混合管５の基部には小火炎孔用ノズル２２を設けてある。しかして、主炎孔用ノズル２３に燃料ガスが供給されて主炎孔用ノズル２３から主炎孔用混合管４に燃料ガスが吐出されると、主炎孔用混合管４の基部から一次空気が吸い込まれ、主炎孔用混合管４内で一次空気と燃料ガスが混合されて主炎孔用混合室２０に供給され、主炎孔用混合室２０を経て主炎孔２から空気を混合した燃料ガスが噴出されて主炎孔２に火炎が形成される。また小火炎孔用ノズル２２に燃料ガスが供給されて小火炎孔用ノズル２２から小火炎孔用混合管５に燃料ガスが吐出されると、小火炎孔用混合管５の基部から一次空気が吸い込まれ、小火炎孔用混合管５内で一次空気と燃料ガスが混合されて小火炎孔用混合室２１に供給され、小火炎孔用混合室２１を経て小火炎孔３から空気を混合した燃料ガスが噴出されて小火炎孔３に火炎が形成される。このようにすることで、主炎孔２と小火炎孔３とで別々に火炎を形成でき、通常の調理をする場合は主炎孔２及び小火炎孔３との両方で火炎を形成して行うことができ、小火で調理を行うときには小火炎孔３だけに火炎を形成して行うことができ、小火にしたときに小火性能を向上して調理物の保温等もできる。
【００１１】
上記主炎孔用ノズル２３や小火炎孔用ノズル２２に燃料ガスを供給する場合、図２に示すように流量調整装置６から流量を調整して供給するようになっているが、この流量調整装置６は例えば図３に示すように構成されている。この流量調整装置６の燃料ガスのガス入口７より供給側には安全弁２４を配置してあり、主炎孔２や小火炎孔３の火炎が消えたとき安全弁２４が遮断されてガスの供給が遮断されるようになっている。つまり、バーナ本体１の外周にはサーモカップルを配置してあり、サーモカップルが燃焼の温度を感知しているときは熱起電力で安全弁２４の開放状態が維持され、燃焼が立ち消えして温度を感知しなくなったときには安全弁２４が遮断されるようになっている。
【００１２】
図３に示す流量調整装置６の構造は次のようになっている。筐体２５には、左から順にガス流入室８と、主ガス流出室１０と、小火用ガス流出室１２を直線的に配置してある。ガス流入室８はガス入口７と連通しており、安全弁２４からガス入口７を介してガス流入室８にガスが供給されるようになっている。主ガス流出室１０は主ガス出口９と連通しており、主ガス流通室１０から主ガス出口９を介して主炎孔用ノズル２３に燃料ガスが供給できるようになっている。小火用ガス流出室１２は小火用ガス出口１１に連通しており、小火用ガス流出室１２から小火用ガス出口１１を介して小火炎孔用ノズル２２に燃料ガスが供給できるようになっている。ガス流入室８と主ガス流出室１０との間には弁座１３を設けてあり、主ガス流出室１０と小火用ガス流出室１２との間に弁座１４を設けてある。そしてガス流入室８、主ガス流出室１０及び小火用ガス流出室１２に貫通するように調整軸１５を挿通して調整軸１５を往復動自在にしてあり、調整軸１５の往復動にて上記弁座１３，１４に対して近接離間して流路を開閉する弁部１６，１７を調整軸１５に上記夫々の弁座１３，１４に対応するように設けてある。この調整軸１５の外周にはＯリング２６を装着してあり、調整軸１５と筐体２５との間のシールをしている。また調整軸１５にはガス流入室８と小火用ガス流出室１２とを常に連通させる小火用ガス供給路１８を設けてあり、小火用ガス供給路１８に小火ガス用オリフィス２７を形成してある。
【００１３】
上記図３の状態は調整軸１５が最も左に移動した状態で弁座１３，１４が弁部１６，１７で閉塞されており、ガス流入室８から小火用ガス供給路１８を介して小火ガス用オリフィス２７で規定される最小流量の燃料ガスだけが小火用ガス流出室１２に流れる。これにより主炎孔２側には燃料ガスが供給されず、小火炎孔３にだけ燃料ガスが最小に絞られた状態で供給される。この状態から調整軸１５を徐々に右に移動させると、弁座１３，１４が開き、主ガス流出室１０と小火用ガス流出室１２に燃料ガスが流れ始め、更に調整軸１５を右に移動させると、主ガス流出室１０と小火用ガス流出室１２に流れるガスの流量は増加して最大流量まで増加する。これにより主炎孔２及び小火炎孔３に燃料ガスが供給され、徐々に供給される燃料ガスの流量が増加する。この状態をグラフで示すと図４の通りである。図４で閉は調整軸１５を左に移動して流量を絞った状態であり、開は調整軸１５を右に移動して流量を多くした状態である。調整軸１５の移動にて、小火炎孔用のガス流量は図４の符号ａに示すように変化し、主炎孔用のガス流量は図４の符号ｂに示すように変化し、トータルのガス流量は図４の符号ｃに示すように変化する。燃料ガスの最小絞り流量では小火ガス用オリフィス２７で規定されたガス流量で小火炎孔３にて燃焼を継続し、主炎孔２では消火した状態となる。つまり、主炎孔２及び小火炎孔３共に燃焼をさせた状態で燃料ガスを最小流量に絞ろうとすると、小火の逆火或いは吹き消えを防止するため最小流量が大きくなり、また主炎孔２及び小火炎孔３の全炎孔に火炎を形成すると、炎がある状況が目視不可能となり操作性に問題が生じるが、本発明では小火炎孔３にだけ火炎を形成するために上記弊害が生じることがなく、燃料ガスの最小流量を小さくできると共に操作性を向上できる。また上記１つの流量調整装置６の操作軸１５の往復操作だけで主炎孔２と小火炎孔３を有するガスバーナ装置Ａの大きな絞りが実現でき、ガスバーナ装置Ａを安価且つ操作性よくできる。
【００１８】
【発明の効果】
本発明の請求項１の発明は、流量調整装置で流量を最小に絞ったときに小火炎孔用混合管に最小の流量の燃料ガスを供給し、流量調整装置で流量を最小に絞った状態から徐々に開くに従って主炎孔用混合管及び小火炎孔用混合管に供給する燃料ガス量が徐々に増えるように燃料ガスを供給するので、流量調整装置で流量を最小に絞ったときには小火炎孔用混合管にのみ燃料ガスを供給して小火炎孔で最小の火炎で燃焼を行わせ、この状態から流量調整装置で流量を多くするに従って小火炎孔用混合管及び主炎孔用混合管に燃料ガスを供給して主炎孔にも火炎を形成すると共に小火炎孔及び主炎孔の火炎を徐々に大きくできるものであって、小火から大火まで広い範囲に亙って簡単且つ自在に調整することができ、高ターンダウン比を得ることができるものである。
【００２０】
また本発明の請求項２の発明は、ガス入口と連通するガス流入室と、主ガス出口と連通する主ガス流出室と、小火用ガス出口と連通する小火用ガス流出室とを上記順に直線状に配置し、ガス流入室と主ガス流出室との間及び主ガス流出室と小火用ガス流出室との間に夫々弁座を設け、上記ガス流入室、主ガス流出室及び小火用ガス流出室に貫通するように調整軸を挿通して調整軸を往復動自在にし、調整軸の往復動にて上記弁座に対して近接離間して流路を開閉する弁部を調整軸に上記夫々の弁座に対応するように設け、ガス流入室と小火用ガス流出室とを常に連通させる小火用ガス供給路を調整軸に設けているので、流量を最小にする状態に調整軸を位置させた状態ではガス流入室と小火用ガス流出室とが小火用ガス供給路のみで連通し、この状態から調整軸を流量が大きくなる側に移動させると、弁座と弁部との間が徐々に開き、小火用ガス流出室及び主ガス流出室に燃料ガスが供給されると共に燃料ガスの流量が徐々に増えるものであって、調整軸の往復操作だけで請求項２の燃料ガスの流量調整方法のように燃料ガスを調整して供給できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 ガスバーナ装置を示し、（ａ）は斜視図、（ｂ）は断面図である。
【図２】 同上のガスバーナ装置の系統を示す説明図である。
【図３】 本発明の実施の形態の一例の流量調整装置の断面図である。
【図４】 同上の流量調整装置の調整を説明するグラフである。
【符号の説明】
１ バーナ本体
２ 主炎孔
３ 小火炎孔
４ 主炎孔用混合管
５ 小火炎孔用混合管
６ 流量調整装置
７ ガス入口
８ ガス流出室
９ 主ガス出口
１０ 主ガス流出室
１１ 小火用ガス出口
１２ 小火用ガス流出室
１３ 弁座
１４ 弁座
１５ 調整軸
１６ 弁部
１７ 弁部
１８ 小火用ガス供給路
Claims (2)
- バーナ本体に複数個の主炎孔と複数個の小火炎孔とを設け、主炎孔に主炎孔用混合管を小火炎孔に小火炎孔用混合管を夫々別々に連通させ、流量調整装置を介して夫々主炎孔用混合管と小火炎孔用混合管に燃料ガスを供給するようにしたガスバーナ装置において、流量調整装置で流量を最小に絞ったときに小火炎孔用混合管に最小の流量の燃料ガスを供給し、流量調整装置で流量を最小に絞った状態から徐々に開くに従って主炎孔用混合管及び小火炎孔用混合管に供給する燃料ガス量が徐々に増えるように燃料ガスを供給することを特徴とするガスバーナ装置の燃料ガスの流量調整方法。
- ガス入口と連通するガス流入室と、主ガス出口と連通する主ガス流出室と、小火用ガス出口と連通する小火用ガス流出室とを上記順に直線状に配置し、ガス流入室と主ガス流出室との間及び主ガス流出室と小火用ガス流出室との間に夫々弁座を設け、上記ガス流入室、主ガス流出室及び小火用ガス流出室に貫通するように調整軸を挿通して調整軸を往復動自在にし、調整軸の往復動にて上記弁座に対して近接離間して流路を開閉する弁部を調整軸に上記夫々の弁座に対応するように設け、ガス流入室と小火用ガス流出室とを常に連通させる小火用ガス供給路を調整軸に設けて成ることを特徴とするガスバーナ装置の燃料ガスの流量調整装置。
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