JP3782281B2 - 塗布膜形成方法および塗布装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハ等の基板の表面上に、例えばレジスト膜のような塗布膜を形成するための塗布膜形成方法および塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体デバイスのフォトリソグラフィー工程においては、半導体ウエハにフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いて回路パターンをフォトレジストに転写し、これを現像処理することにより回路が形成される。この工程には、レジスト液を半導体ウエハの表面に塗布する塗布膜形成工程が含まれる。
【0003】
この場合のレジスト膜の形成方法では、図13に示すように、半導体ウエハWを処理容器内のスピンチャック(図示略)に載置して、ウエハWを駆動モータ201により回転する。そして、ベローズポンプ等のポンプ202によりレジスト液をレジスト液供給ノズル203からウエハWの中心部に滴下する。これにより、図13に多数の矢印で示すように、レジスト液Rは、遠心力によりウエハWの中心部から周縁部に向けて拡散される。その後、ウエハWの回転を継続し、ウエハW上で拡散されたレジスト液Rの厚さを整えて、ウエハW上に、膜厚均一なレジスト膜を形成するとともに、余分なレジスト液を振り切っている。
【0004】
【発明が解決しようする課題】
図13に多数の矢印で示すように、レジスト液Rが遠心力によりウエハWの中心部から周縁部に向けて拡散する際には、レジスト液Rの外周囲の円形状の輪郭線は、遠心力によってその径を徐々に大きくしながら拡がり、最終的に、この円形状を維持したままウエハWの外縁に到達する。これにより、レジスト液RがウエハW全面に均一な厚さで塗布される。
【0005】
しかしながら、レジスト液RがウエハWの中心部から周縁部に向けて拡散する際、図14に示すように、レジスト液Rの円形状の輪郭線は、その円形状を維持できずに、この円形輪郭線を破ってその外方に飛び出す部分が各所にあらわれ、輪郭線が波形になることがある。この波形の輪郭線は、「スクラッチパッド」と称され、これはレジスト液RがウエハW上で均一に拡がることができないことを意味し、その程度が激しいとレジスト液の「塗り残し」が生じ、レジスト膜をウエハW全面に膜厚均一に形成することができないおそれがある。
【0006】
このスクラッチパッドSが生じる原因としては、レジスト液Rの円形状の輪郭線が外側に拡がるにつれて、遠心力が大きく作用し、この輪郭線の拡がり速度が大きくなり、その結果、円形状の輪郭線を破る部分が各所に現れるためと推測される。
【0007】
ところで、近年、製造コストの削減等の理由によりレジスト消費量を減らす観点から、滴下するレジスト液の量を少なくすることが行われており、そのため、レジスト液を塗布する前にシンナー等の溶剤を塗布してレジスト液の濡れ性を良くし、スクラッチパッドを防止している。しかし、レジスト量が少ない場合には、本質的にスクラッチパッドが生じやすく、また溶剤の濡れ性が悪い場合にもスクラッチパッドが生じやすい。
【0008】
このようなスクラッチパッドを防止して「塗り残し」をなくすため、従来は、本来必要な量よりも若干過剰な量のレジスト液を供給せざるを得ず、レジスト消費量を極力削減したいという要求に反する結果となっている。
【0009】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、スクラッチパッドの生成を防止ないしはその程度を小さくして、基板での塗布液の塗り残しをなくすることができ、使用する塗布液の量を少なくすることができる塗布膜形成方法および塗布装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によれば、処理容器内に収容された基板の表面上に、塗布液供給ノズルから塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布膜形成方法であって、
基板を載置台に載置して、基板を回転する工程と、
前記塗布液供給ノズルから基板の略中央に塗布液を吐出して、回転する基板の略中央から外縁に向けて塗布液を拡散させる工程と、
この拡散する塗布液の外周の輪郭線の拡がり状態を検出する工程と、
前記検出された輪郭線の拡がり状態において、塗布液の外周の輪郭線を破って形成されたスクラッチパッドが検出された際に、スクラッチパッドの径方向の幅を把握し、この幅が所定値以下になるように、基板の回転速度、前記塗布液供給ノズルからの塗布液の吐出量、および前記塗布液供給ノズルからの塗布液の吐出速度のうち少なくとも1つを制御する工程と
を具備することを特徴とする塗布膜形成方法が提供される。
【0011】
本発明の第2の観点によれば、処理容器内に収容された基板の表面上に、塗布液供給ノズルから塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布膜形成方法であって、
基板を載置台に載置して、基板を回転する工程と、
基板への塗布液の供給に先立って、基板の表面を濡らすための溶剤を回転する基板の中央に供給する工程と、
前記塗布液供給ノズルから基板の略中央に塗布液を吐出して、回転する基板の略中央から外縁に向けて塗布液を拡散させる工程と、
この拡散する塗布液の外周の輪郭線の拡がり状態を検出する工程と、
前記検出された輪郭線の拡がり状態に基づいて、前記輪郭線よりも外周側のウエハ上にシンナーおよびシンナー雰囲気のうち少なくとも1つを供給する工程を具備することを特徴とする塗布膜形成方法が提供される。
【0012】
本発明の第3の観点によれば、処理容器内に収容された基板の表面上に、塗布液供給ノズルから塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布膜形成方法であって、
基板を載置台に載置して、基板を回転する工程と、
前記塗布液供給ノズルから基板の略中央に塗布液を吐出して、回転する基板の略中央から外縁に向けて塗布液を拡散させる工程と、
吐出された塗布液が回転する基板の略中央から外縁に向けて拡散される際に、拡散する塗布液の外周の輪郭線を破って形成されるスクラッチパッドの複数の突出部のうち隣接する突出部において、それぞれの突出部の頂点と基板の中心とを結ぶ線が形成する角度のばらつきを検出する工程と
を具備することを特徴とする塗布膜形成方法が提供される。
【0013】
本発明の第4の観点によれば、処理容器内に収容された基板の表面上に、塗布液供給ノズルから塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布装置であって、
基板を載置して回転するための基板回転手段と、
前記塗布液供給ノズルから基板の略中央に塗布液を吐出させる吐出手段と、
吐出された塗布液が回転する基板の略中央から外縁に向けて拡散される際に、塗布液の外周の輪郭線の拡がり状態を検出する検出手段と、
この輪郭線の拡がり状態において、塗布液の外周の輪郭線を破って形成されたスクラッチパッドが検出された際に、スクラッチパッドの径方向の幅を把握し、この幅が所定値以下になるように、基板の回転速度、前記塗布液供給ノズルからの塗布液の吐出量、および前記塗布液供給ノズルからの塗布液の吐出速度のうち少なくとも1つを制御する制御手段と
を具備することを特徴とする塗布装置が提供される。
【0014】
本発明の第5の観点によれば、処理容器内に収容された基板の表面上に、塗布液供給ノズルから塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布装置であって、
基板を載置して回転するための基板回転手段と、
基板への塗布液の供給に先立って、基板の表面を濡らすための溶剤を回転する基板の中央に供給する溶剤供給手段と、
前記塗布液供給ノズルから基板の略中央に塗布液を吐出させる吐出手段と、
吐出された塗布液が回転する基板の略中央から外縁に向けて拡散される際に、塗布液の外周の輪郭線の拡がり状態を検出する検出手段と、
前記検出された輪郭線の拡がり状態に基づいて、前記輪郭線よりも外周側のウエハ上にシンナーおよびシンナー雰囲気のうち少なくとも1つを供給する手段とを具備することを特徴とする塗布装置が提供される。
【0015】
本発明の第6の観点によれば、処理容器内に収容された基板の表面上に、塗布液供給ノズルから塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布装置であって、
基板を載置して回転するための基板回転手段と、
前記塗布液供給ノズルから基板の略中央に塗布液を吐出させる吐出手段と、
吐出された塗布液が回転する基板の略中央から外縁に向けて拡散される際に、拡散する塗布液の外周の輪郭線を破って形成されるスクラッチパッドの複数の突出部のうち隣接する突出部において、それぞれの突出部の頂点と基板の中心とを結ぶ線が形成する角度のばらつきを検出する手段と
を具備することを特徴とする塗布装置が提供される。
【0016】
本発明者の検討結果によれば、塗布液の輪郭線の拡がり状態と、塗布液の塗り残しの発生とは関係があり、この輪郭線の拡がり状態に基づいて塗布処理を行うことによって、塗り残しを生じることなく塗布液の使用量を低減することができることを見出した。
【0017】
そこで、上記本発明の第1の観点および第4の観点においては、塗布液の外周の輪郭線の拡がり状態を検出し、この輪郭線の拡がり状態に基づいて、基板の回転速度、前記塗布液供給ノズルからの塗布液の吐出量、および前記塗布液供給ノズルからの塗布液の吐出速度のうち少なくとも1つを制御することにより、塗り残しを生じることなく塗布液の使用量を低減することができる。
【0018】
具体的には、スクラッチパッドの発生は塗布液の拡がり速度に大きく依存し、遠心力が大きくなって塗布液の拡がり速度が所定速度以上となるとスクラッチパッドが生じるので、塗布液の輪郭線の拡がり状態から拡がり速度を算出し、この拡がり速度が所定速度以下になるように、基板の回転速度、前記塗布液供給ノズルからの塗布液の吐出量、および前記塗布液供給ノズルからの塗布液の吐出速度のうち少なくとも1つを制御することにより、スクラッチパッドの発生を防止することができる。また、スクラッチパッドが生じても、ある程度までは塗布液の塗り残しの原因とならないので、スクラッチパッドが検出された際に、スクラッチパッドの径方向の幅を把握し、この幅が所定値以下になるように、基板の回転速度等を制御することにより、スクラッチパッドに起因した塗り残しの発生を防止することができる。
【0019】
また、本発明の第2の観点および第5の観点においては、塗布液の外周の輪郭線の拡がり状態を検出し、この輪郭線の拡がり状態に基づいて、前記輪郭線よりも外周側のウエハ上にシンナーおよびシンナー雰囲気のうち少なくとも1つを供給することにより、塗り残しの発生を防止することができる。
【0020】
さらにまた、上記本発明の第3の観点および第6の観点においては、塗布液が拡散される際に、拡散する塗布液の外周の輪郭線を破って形成されるスクラッチパッドの突出部がなす角度のばらつきを検出するので、このばらつきが過大で不適当な基板をピックアップ可能である。また、所定値を越えるばらつきを検出した場合には、使用者等にメンテナンスの必要性を知らせることによりそれ以降に処理される基板に不具合が発生することを防止することができる。さらに、基板の回転速度を大きく減速することにより複数の突出部のうち隣接する突出部がなす角度のばらつきを解消することも可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施に用いるレジスト塗布・現像処理システムを示す概略平面図、図2はその正面図、図3はその背面図である。
【0022】
この処理システムは、搬送ステーションであるカセットステーション10と、複数の処理ユニットを有する処理ステーション11と、処理ステーション11と隣接して設けられる露光装置(図示せず)との間でウエハWを受け渡すためのインターフェイス部12とを具備している。
【0023】
上記カセットステーション10は、被処理体としての半導体ウエハW(以下、単にウエハと記す)を複数枚例えば25枚単位でウエハカセットCRに搭載された状態で他のシステムからこのシステムへ搬入またはこのシステムから他のシステムへ搬出したり、ウエハカセットCRと処理ステーション11との間でウエハWの搬送を行うためのものである。
【0024】
このカセットステーション10においては、図1に示すように、ウエハカセット載置台20上に図中X方向に沿って複数(図では4個)の位置決め突起20aが形成されており、この突起20aの位置にウエハカセットCRがそれぞれのウエハ出入口を処理ステーション11側に向けて一列に載置可能となっている。ウエハカセットCRにおいてはウエハWが垂直方向(Z方向)に配列されている。また、カセットステーション10は、ウエハカセット載置台20と処理ステーション11との間に位置するウエハ搬送機構21を有している。このウエハ搬送機構21は、カセット配列方向(X方向)およびその中のウエハWのウエハ配列方向(Z方向)に移動可能なウエハ搬送用アーム21aを有しており、この搬送アーム21aによりいずれかのウエハカセットCRに対して選択的にアクセス可能となっている。また、ウエハ搬送用アーム21aは、θ方向に回転可能に構成されており、後述する処理ステーション11側の第3の処理部G3に属するアライメントユニット(ALIM)およびエクステンションユニット(EXT)にもアクセスできるようになっている。
【0025】
上記処理ステーション11は、半導体ウエハWへ対して塗布・現象を行う際の一連の工程を実施するための複数の処理ユニットを備え、これらが所定位置に多段に配置されており、これらにより半導体ウエハWが一枚ずつ処理される。この処理ステーション11は、図1に示すように、中心部に搬送路22aを有し、この中に主ウエハ搬送機構22が設けられ、ウエハ搬送路22aの周りに全ての処理ユニットが配置されている。これら複数の処理ユニットは、複数の処理部に分かれており、各処理部は複数の処理ユニットが鉛直方向に沿って多段に配置されている。
【0026】
主ウエハ搬送機構22は、図3に示すように、筒状支持体49の内側に、ウエハ搬送装置46を上下方向(Z方向)に昇降自在に装備している。筒状支持体49はモータ(図示せず)の回転駆動力によって回転可能となっており、それにともなってウエハ搬送装置46も一体的に回転可能となっている。
【0027】
ウエハ搬送装置46は、搬送基台47の前後方向に移動自在な複数本の保持部材48を備え、これらの保持部材48によって各処理ユニット間でのウエハWの受け渡しを実現している。
【0028】
また、図1に示すように、この実施の形態においては、4個の処理部G1,G2,G3,G4がウエハ搬送路22aの周囲に実際に配置されており、処理部G5は必要に応じて配置可能となっている。
【0029】
これらのうち、第1および第2の処理部G1,G2はシステム正面(図1において手前)に並列に配置され、第3の処理部G3はカセットステーション10に隣接して配置され、第4の処理部G4はインターフェイス部12に隣接して配置されている。また、第5の処理部G5は背面部に配置可能となっている。
【0030】
この場合、図2に示すように、第1の処理部G1では、カップCP内でウエハWをスピンチャック(図示せず)に載置して所定の処理を行う2台のスピナ型処理ユニットが上下2段に配置されており、この実施形態においては、ウエハWにレジストを塗布するレジスト塗布ユニット(COT)およびレジストのパターンを現像する現像ユニット(DEV)が下から順に2段に重ねられている。第2の処理部G2も同様に、2台のスピナ型処理ユニットとしてレジスト塗布ユニット(COT)および現像ユニット(DEV)が下から順に2段に重ねられている。
【0031】
このようにレジスト塗布ユニット(COT)等を下段側に配置する理由は、レジスト液の廃液が機構的にもメンテナンスの上でも現像液の廃液よりも本質的に複雑であり、このように塗布ユニット(COT)等を下段に配置することによりその複雑さが緩和されるからである。しかし、必要に応じてレジスト塗布ユニット(COT)等を上段に配置することも可能である。
【0032】
第3の処理部G3においては、図3に示すように、ウエハWを載置台SPに載せて所定の処理を行うオーブン型の処理ユニットが多段に重ねられている。すなわち冷却処理を行うクーリングユニット(COL)、レジストの定着性を高めるためのいわゆる疎水化処理を行うアドヒージョンユニット(AD)、位置合わせを行うアライメントユニット(ALIM)、ウエハWの搬入出を行うエクステンションユニット(EXT)、露光処理前や露光処理後、さらには現像処理後にウエハWに対して加熱処理を行う4つのホットプレートユニット(HP)が下から順に8段に重ねられている。なお、アライメントユニット(ALIM)の代わりにクーリングユニット(COL)を設け、クーリングユニット(COL)にアライメント機能を持たせてもよい。
【0033】
第4の処理部G4も、オーブン型の処理ユニットが多段に重ねられている。すなわち、クーリングユニット(COL)、クーリングプレートを備えたウエハ搬入出部であるエクステンション・クーリングユニット(EXTCOL)、エクステンションユニット(EXT)、クーリングユニット(COL)、および4つのホットプレートユニット(HP)が下から順に8段に重ねられている。
【0034】
上述したように、主ウエハ搬送機構22の背部側に第5の処理部G5を設けることができるが、第5の処理部G5を設ける場合には、案内レール25に沿って主ウエハ搬送機構22から見て側方へ移動できるようになっている。したがって、第5の処理部G5を設けた場合でも、これを案内レール25に沿ってスライドすることにより空間部が確保されるので、主ウエハ搬送機構22に対して背後からメンテナンス作業を容易に行うことができる。この場合に、このような直線状の移動に限らず、回動させるようにしても同様にスペースの確保を図ることができる。なお、この第5の処理部G5としては、基本的に第3および第4の処理部G3,G4と同様、オープン型の処理ユニットが多段に積層された構造を有しているものを用いることができる。
【0035】
上記インターフェイス部12は、奥行方向(X方向)については、処理ステーション11と同じ長さを有している。図1、図2に示すように、このインターフェイス部12の正面部には、可搬性のピックアップカセットCRと定置型のバッファカセットBRが2段に配置され、背面部には周辺露光装置23が配設され、中央部には、ウエハ搬送体24が配設されている。このウエハ搬送体24は、X方向、Z方向に移動して両カセットCR,BRおよび周辺露光装置23にアクセス可能となっている。また、このウエハ搬送体24は、θ方向に回転可能であり、処理ステーション11の第4の処理部G4に属するエクステンションユニット(EXT)や、さらには隣接する露光装置側のウエハ受け渡し台(図示せず)にもアクセス可能となっている。
【0036】
このようなレジスト塗布現像処理システムにおいては、まず、カセットステーション10において、ウエハ搬送機構21のウエハ搬送用アーム21aがカセット載置台20上の未処理のウエハWを収容しているウエハカセットCRにアクセスして、そのカセットCRから一枚のウエハWを取り出し、第3の処理部G3のエクステンションユニット(EXT)に搬送する。
【0037】
ウエハWは、このエクステンションユニット(EXT)から、主ウエハ搬送機構22のウエハ搬送装置46により、処理ステーション11に搬入される。そして、第3の処理部G3のアライメントユニット(ALIM)によりアライメントされた後、アドヒージョン処理ユニット(AD)に搬送され、そこでレジストの定着性を高めるための疎水化処理(HMDS処理)が施される。この処理は加熱を伴うため、その後ウエハWは、ウエハ搬送装置46により、クーリングユニット(COL)に搬送されて冷却される。
【0038】
アドヒージョン処理が終了し、クーリングユニット(COL)で冷却されたウエハWは、引き続き、ウエハ搬送装置46によりレジスト塗布ユニット(COT)に搬送され、そこで塗布膜が形成される。塗布処理終了後、ウエハWは処理部G3,G4のいずれかのホットプレートユニット(HP)内でプリベーク処理され、その後いずれかのクーリングユニット(COL)にて冷却される。
【0039】
冷却されたウエハWは、第3の処理部G3のアライメントユニット(ALIM)に搬送され、そこでアライメントされた後、第4の処理部群G4のエクステンションユニット(EXT)を介してインターフェイス部12に搬送される。
【0040】
インターフェイス部12では、余分なレジストを除去するために周辺露光装置23により周辺露光された後、インターフェイス部12に隣接して設けられた露光装置(図示せず)により所定のパターンに従ってウエハWのレジスト膜に露光処理が施される。
【0041】
露光後のウエハWは、再びインターフェイス部12に戻され、ウエハ搬送体24により、第4の処理部G4に属するエクステンションユニット(EXT)に搬送される。そして、ウエハWは、ウエハ搬送装置46により、いずれかのホットプレートユニット(HP)に搬送されてポストエクスポージャーベーク処理が施され、次いで、クーリングユニット(COL)により冷却される。
【0042】
その後、ウエハWは現像ユニット(DEV)に搬送され、そこで露光パターンの現像が行われる。現像終了後、ウエハWはいずれかのホットプレートユニット(HP)に搬送されてポストベーク処理が施され、次いで、クーリングユニット(COL)により冷却される。このような一連の処理が終了した後、第3処理ユニット群G3のエクステンションユニット(EXT)を介してカセットステーション10に戻され、いずれかのウエハカセットCRに収容される。
【0043】
次に、レジスト塗布処理ユニット(COT)について説明する。図4および図5は、レジスト塗布処理ユニット(COT)の全体構成を示す概略断面図および概略平面図である。
【0044】
このレジスト塗布処理ユニット(COT)の中央部には環状のカップCPが配置され、カップCPの内側にはスピンチャック52が配置されている。スピンチャック52は真空吸着によってウエハWを固定保持した状態で駆動モータ54によって回転駆動される。駆動モータ54は、ユニット底板50に設けられた開口50aに昇降移動可能に配置され、たとえばアルミニウムからなるキャップ状のフランジ部材58を介してたとえばエアシリンダからなる昇降駆動手段60および昇降ガイド手段62と結合されている。駆動モータ54の側面にはたとえばステンレス鋼(SUS)からなる筒状の冷却ジャケット64が取り付けられ、フランジ部材58は、この冷却ジャケット64の上半部を覆うように取り付けられている。
【0045】
レジスト塗布時、フランジ部材58の下端58aは、開口50aの外周付近でユニット底板50に密着し、これによってユニット内部が密閉される。スピンチャック52と主ウエハ搬送機構22の保持部材48との間でウエハWの受け渡しが行われる時は、昇降駆動手段60が駆動モータ54ないしスピンチャック52を上方へ持ち上げることでフランジ部材58の下端がユニット底板50から浮くようになっている。
【0046】
ウエハWの表面にレジスト液を供給するためのレジストノズル86は、レジスト供給管88を介してレジスト液供給部89に接続されている。このレジストノズル86はレジストノズルスキャンアーム92の先端部にノズル保持体100を介して着脱可能に取り付けられている。このレジストノズルスキャンアーム92は、ユニット底板50の上に一方向(Y方向)に敷設されたガイドレール94上で水平移動可能な垂直支持部材96の上端部に取り付けられており、図示しないY方向駆動機構によって垂直支持部材96と一体にY方向に移動するようになっている。
【0047】
また、レジストノズル86は、レジスト液を一旦吐出した後、サックバックされるようになっており、これにより、レジスト液の液垂れを防止するとともに、レジスト液の乾燥を防止している。
【0048】
さらに、レジストノズルスキャンアーム92は、レジストノズル待機部90でレジストノズル86を選択的に取り付けるためにY方向と直角なX方向にも移動可能であり、図示しないX方向駆動機構によってX方向にも移動するようになっている。
【0049】
さらにまた、レジストノズル待機部90でレジストノズル86の吐出口が溶媒雰囲気室の口90aに挿入され、中で溶媒の雰囲気に晒されることで、ノズル先端のレジスト液が固化または劣化しないようになっている。また、複数本のレジストノズル86が設けられ、例えばレジスト液の種類に応じてそれらのノズルが使い分けられるようになっている。
【0050】
レジストノズルスキャンアーム92の先端部(ノズル保持体100)には、ウエハ表面へのレジスト液の供給に先立ってウエハ表面にウエハ表面を濡らすための溶剤例えばシンナーを供給する溶剤ノズル101が取り付けられている。この溶剤ノズル101は図示しない溶剤供給管を介して溶剤供給部に接続されている。溶剤ノズル101とレジストノズル86はレジストノズルスキャンアーム92のY移動方向に沿う直線上に各々の吐出口が位置するように取り付けられている。
【0051】
ガイドレール94上には、レジストノズルスキャンアーム92を支持する垂直支持部材96だけでなく、リンスノズルスキャンアーム120を支持しY方向に移動可能な垂直支持部材(図示せず)も設けられている。このリンスノズルスキャンアーム120の先端部にはサイドリンス用のリンスノズル122が取り付けられている。Y方向駆動機構(図示せず)によってリンスノズルスキャンアーム120およびリンスノズル122はカップCPの側方に設定されたリンスノズル待機位置(実線の位置)とスピンチャック52に設置されているウエハWの周辺部の真上に設定されたリンス液吐出位置(点線の位置)との間で並進または直線移動するようになっている。
【0052】
また、ウエハWの直上には、回転するウエハWの略中央にレジスト液を吐出して、ウエハWの略中央から外縁に向けてレジスト液が拡散する際、レジスト液の外周囲の輪郭線の拡がり状態を検出するための検出センサー105がウエハWの上方に設けられている。この検出センサー105としては、例えば、CCDカメラを用いることができる。
【0053】
次に、図6を参照して、レジスト塗布処理ユニット(COT)の制御系について説明する。図6に示すように、レジスト液供給部89は、レジスト液を供給するためのベローズポンプ111とこのベローズポンプを駆動するステッピングモータ112とを備えている。そして、このステッピングモータ112および駆動モータ54がユニットコントローラ110に接続されている。また、検出センサー105もユニットコントローラ110に接続されている。そして、検出センサー105からの信号が、ユニットコントローラ110に入力され、それに基づいてステッピングモータ112および駆動モータ54がユニットコントローラ110によって制御される。なお、ステッピングモータ112は、位置または速度が制御可能なモータであれば、他のモータであってもよい。
【0054】
具体的には、ユニットコントローラ110が検出センサー105によって検出された情報からレジスト液Rの拡がり速度を算出し、後述するように、この拡がり速度がスクラッチパッドを生起する虞れのない所定速度以下になるように、ウエハWの回転速度、または、レジスト液供給ノズル86からのレジスト液の吐出量または吐出速度が制御される。
【0055】
このように構成されたレジスト塗布処理ユニット(COT)において、レジスト液の消費量が従来よりも少ない省レジスト方式のレジスト液の塗布の処理動作について、以下に説明する。
【0056】
まず、主ウエハ搬送機構22の保持部材48によってレジスト塗布処理ユニット(COT)内のカップCPの真上までウエハWが搬送されると、そのウエハWは、例えばエアシリンダからなる昇降駆動手段60および昇降ガイド手段62によって上昇してきたスピンチャック52によって真空吸着される。主ウエハ搬送機構22はウエハWをスピンチャック52に真空吸着せしめた後、保持部材48をレジスト塗布処理ユニット(COT)内から引き戻し、レジスト塗布処理ユニット(COT)へのウエハWの受け渡しを終える。
【0057】
次いで、スピンチャック52はウエハWがカップCP内の定位置まで下降し、駆動モータ54によってスピンチャック52の回転駆動が開始される。その後、レジストノズル待機部90からのノズル保持体100の移動が開始される。このノズル保持体100の移動はY方向に沿って行われる。
【0058】
溶剤ノズル101の吐出口がスピンチャック52の中心(ウエハWの中心)上に到達したところで、溶剤、例えばシンナーを、回転するウエハWの表面に供給する。ウエハWの表面に供給された溶剤は遠心力によってウエハ中心からその周囲全域にむらなく広がる。このように、レジスト液の塗布に先立ってシンナー等の溶剤で半導体ウエハW表面の表面全体を濡らす、いわゆるプリウエット処理を行うことにより、レジストがより拡散しやすくなり、結果としてより少量のレジスト液量で均一なレジスト膜を形成することができる。
【0059】
続いて、ノズル保持体100は、レジストノズル86の吐出口がスピンチャック52の中心(ウエハWの中心)上に到達するまでY方向に移動され、レジストノズル86の吐出口からレジスト液が、回転するウエハWの表面の中心に滴下され、遠心力によりウエハWの中心から周辺に向けて拡散されて、ウエハW上にレジスト膜が形成される。
【0060】
回転するウエハWの略中央にレジスト液Rが滴下されると、図6に示すように、レジスト液Rは、遠心力によりウエハWの中心部から周縁部に向けて拡散する。この際、レジスト液Rの外周囲の円形状の輪郭線は、遠心力によってその径を徐々に大きくしながら拡がっていく。
【0061】
本実施形態では、このレジスト液Rの外周の輪郭線の拡がり状態をCCDカメラ等の検出センサー105により検出し、この検出信号をユニットコントローラ110に入力する。ユニットコントローラ110では、この検出情報からレジスト液Rの外周の輪郭線の拡がり速度を算出し、この輪郭線の拡がり速度がスクラッチパッドを生起する虞れのない所定速度以下になっているか否かを判別する。輪郭線の拡がり速度が所定速度を越えている場合には、ユニットコントローラ110から例えば駆動モータ54に制御信号が出力され、その制御信号に基づいて次回の塗布処理の際にウエハWの回転数を低下させ、これによりレジスト液Rの輪郭線の拡がり速度を低減して、スクラッチパッドが生成しないようにする。
【0062】
このように、スクラッチパッドSを防止することができることから、ウエハWでの塗り残しを防止して、レジスト液を膜厚均一に塗布できるとともに、従来よりも、使用するレジスト液Rの量を一層削減することができる。また、レジスト液に先立って塗布されるシンナー等の溶剤の「濡れ性」が悪い場合にも、このように制御することにより、スクラッチパッドが生じることを防止することができる。
【0063】
スクラッチパッドを防止するため、ウエハWの回転速度を制御することに代えて、レジスト液Rの吐出量または吐出速度を制御するようにしてもよい。この場合には、輪郭線の拡がり速度が所定速度を越えているとユニットコントローラ110が判別した際に、ユニットコントローラ110により、ベローズポンプ111を駆動するためのステッピングモータ112が制御されてレジスト液Rの吐出量または吐出速度が制御され、これにより、スクラッチパッドの生起を防止する。
【0064】
さらに、スクラッチパッドを防止するため、ウエハWの回転速度と、レジスト液の吐出量または吐出速度との両方を制御するようにしてもよい。この場合には、輪郭線の拡がり速度が所定速度を越えていると判別した際、ユニットコントローラ110により、駆動モータ54とステッピングモータ112との両方が制御される。
【0065】
このようにしてレジスト液の滴下終了後、ウエハWの回転速度が加速されて、残余のレジスト液が振り切られるとともに乾燥され、所定厚さのレジスト膜が形成される。
【0066】
その後、ノズル保持体100がホームポジションに戻され、図示しない洗浄手段により、ウエハWの背面がバックリンスされ、また、必要があれば、図示しない洗浄手段により、ウエハWの側縁部がサイドリンスされる。その後、ウエハWの回転速度が加速されて、バックリンスおよびサイドリンスのリンス液が振り切られ、その後、ウエハWの回転が停止されて、塗布処理工程が終了する。
【0067】
次に、図7および図8を参照して、本発明の他の実施形態に係るレジスト塗布処理ユニット(COT)について説明する。
図7に示すように、この実施形態のレジスト塗布処理ユニット(COT)の制御系は、図6と同様であり、レジスト液供給部89のベローズポンプ111を駆動するステッピングモータ112および駆動モータ54がユニットコントローラ110に接続されており、検出センサー105もユニットコントローラ110に接続されている。そして、検出センサー105からの信号が、ユニットコントローラ110に入力され、それに基づいてステッピングモータ112および駆動モータ54がユニットコントローラ110によって制御される。
【0068】
具体的には、検出センサー105によってスクラッチパッドSが検出された際に、ユニットコントローラ110が検出情報に基づいてスクラッチパッドSの径方向の幅dを計測し、後述するように、スクラッチパッドSの幅がレジスト液の塗布に影響を与えるほど大きくならないように、ウエハWの回転速度、または、レジスト液供給ノズル86からのレジスト液の吐出量または吐出速度が制御される。
【0069】
ユニットコントローラ110にはディスプレイ装置120が接続されており、この際の状況がモニターされる。ディスプレイ装置120上では、図8に示すように、ウエハWが回転している時には、レジスト液Rの部分が黒色の円状に表示されるのに対し、スクラッチパッドSの部分は灰色の環状帯に表示され、その灰色の環状帯の幅がスクラッチパッドSの径方向の幅dとなる。
【0070】
このように構成された本実施形態のレジスト塗布処理ユニット(COT)において、レジスト液の消費量が従来よりも少ない省レジスト方式のレジスト液の塗布の処理動作について、以下に説明する。
【0071】
まず、従前の実施形態と同様にしてレジスト塗布処理ユニット(COT)へのウエハWの受け渡しを行った後、スピンチャック52がウエハWがカップCP内の定位置まで下降し、駆動モータ54によってスピンチャック52の回転駆動が開始される。その後、従前の実施形態と同様にプリウエット処理を行い、引き続きレジストノズル86からレジスト液が回転するウエハWの表面の中心に滴下され、遠心力によりウエハWの中心から周辺に向けて拡散されて、ウエハW上にレジスト膜が形成される。
【0072】
ウエハWの略中央にレジスト液Rが滴下されて、レジスト液Rが遠心力によりウエハWの中心部から周縁部に拡散する際、レジスト液Rの外周囲の円形状の輪郭線は、遠心力によってその径を徐々に大きくしながら拡がっていき、この輪郭線の拡がり速度が所定速度を越えると、この輪郭線を破ってスクラッチパッドSが生じる。
【0073】
この際に、CCDカメラのような検出センサー105によりレジスト液の輪郭線の状態を検出し、その状態をユニットコントローラ110に送信するとともに、その際の状態をディスプレイ装置120にてモニターする。検出センサー105によってスクラッチパッドSが検出された場合には、ユニットコントローラ110によりスクラッチパッドSの幅dが測定される。この際に、図8に示すように、ディスプレイ装置120にウエハWの全体の画像が表示され、ウエハWが回転している時には、スクラッチパッドSが灰色の環状帯に表示されるため、ディスプレイ装置120によりスクラッチパッドSの径方向の幅dを読み取ることもできる。
【0074】
ユニットコントローラ110では、計測された径方向の幅dが所定値以下になっているか否かを判別し、この幅dが所定値を越えている場合には、ユニットコントローラ110から例えば駆動モータ54に制御信号が出力され、その制御信号に基づいて次回の塗布処理の際にウエハWの回転数を低下させ、これによりレジスト液Rの輪郭線の拡がり速度を低減して、スクラッチパッドSの幅dがレジスト液Rの塗布に影響を与えない程度の値になるようにする。
【0075】
このように、スクラッチパッドSの幅dをレジスト液Rの塗布に影響を与えない程度の値に制御するので、ウエハWでの塗り残しを防止して、レジスト液を膜厚均一に塗布できるとともに、使用するレジスト液Rの量を一層削減することができる。また、レジスト液に先立って塗布されるシンナー等の溶剤の「濡れ性」が悪い場合にも、塗り残しが生じることなくレジスト液を塗布することができる。
【0076】
この実施形態においても、ウエハWの回転速度を制御することに代えて、レジスト液Rの吐出量または吐出速度を制御するようにしてもよく、さらに、ウエハWの回転速度と、レジスト液Rの吐出量または吐出速度との両方を制御するようにしてもよい。
【0077】
このようにしてレジスト液の滴下終了後、従前の実施形態と同様に、残余のレジスト液が振り切られるとともに乾燥され、所定厚さのレジスト膜が形成され、引き続きバックリンス、および必要に応じてサイドリンスされ、さらにリンス液が振り切られ、その後、ウエハWの回転が停止されて、塗布処理工程が終了する。
【0078】
次に、図9を参照して、本発明のさらに他の実施形態に係るレジスト塗布処理ユニット(COT)について説明する。
図9に示すように、このレジスト塗布処理ユニット(COT)の制御系は、図7と同様に、レジスト液供給部89のベローズポンプ111を駆動するステッピングモータ112および駆動モータ54がユニットコントローラ110に接続されており、検出センサー105およびディスプレイ120もユニットコントローラ110に接続されている。これに加えて本実施形態では、ウエハW上を拡散するレジスト液の外周の輪郭線より外側にシンナーを供給するシンナー供給部131を有する。このシンナー供給部131は、ウエハW上方に配置されたシンナー吐出ノズル132と、シンナーが蓄積されたシンナー蓄積部133と、シンナー蓄積部133に蓄積されたシンナーをシンナー吐出ノズル132に送出するためのポンプ134と、シンナー吐出ノズルをウエハWの径方向に駆動する駆動部135とを有している。そして、検出センサー105からの信号が、ユニットコントローラ110に入力され、それに基づいて、ステッピングモータ112と、駆動モータ54と、シンナー供給部131のポンプ134および駆動部135とが、ユニットコントローラ110によって制御される。
【0079】
具体的には、上述の実施形態と同様に、検出センサー105によってスクラッチパッドSが検出された際に、ユニットコントローラ110が検出情報に基づいてスクラッチパッドSの径方向の幅dを計測し、この幅dがレジスト液の塗布に影響を与えるほど大きくならないように、ウエハWの回転速度、レジストノズル86からのレジスト液の吐出量、およびレジストノズル86からのレジスト液の吐出速度のうち少なくとも1つを制御される。これに加えて、本実施形態では、前記幅dの値が所定値以上となったときに、図10に示すように、ウエハW上を拡散するレジスト液Rの輪郭線より外側に、シンナー吐出ノズル132からシンナーLを供給する。
【0080】
このように構成された本実施形態のレジスト塗布処理ユニット(COT)における省レジスト方式のレジスト液の塗布の処理動作について説明する。
まず、前記の実施形態と同様の動作により、レジスト塗布処理ユニット(COT)へウエハWを受け渡し、カップCP内の所定位置でスピンチャック52の回転駆動を開始し、ウエハWのプリウエット処理を行った後、レジストノズル86からレジスト液をウエハWの表面の中心に滴下して、遠心力によりレジスト液をウエハWの中心から周辺に向けて拡散させる。この際、検出センサー105によりレジスト液Rの輪郭線の状態を検出し、その状態をユニットコントローラ110に送信するとともに、その際の状態をディスプレイ装置120にてモニターする。検出センサー105によってスクラッチパッドSが検出された場合には、ユニットコントローラ110によりスクラッチパッドSの幅dが測定される。
【0081】
ユニットコントローラ110では、上記実施形態と同様に、計測された径方向の幅dが所定値以下になっているか否かが判別され、幅dが所定値を越えている場合には、ユニットコントローラ110から例えば駆動モータ54に制御信号が出力され、その制御信号に基づいてウエハWの回転数を低下させ、これによりレジスト液Rの輪郭線の拡がり速度を低減して、スクラッチパッドSの幅dがレジスト液Rの塗布に影響を与えない程度の値になるようにする。これに加えて本実施形態では、例えば幅dが所定値を越えている場合に、ユニットコントローラ110から例えばシンナー供給部131の駆動部135およびポンプ134に制御信号を出力し、その制御信号に基づいてシンナー吐出ノズル132がレジスト液Rの輪郭線の外側付近に移動され、その位置でシンナー吐出ノズル132からウエハWの表面上にシンナーを供給させ、これによりレジスト液Rの輪郭線の外側部分におけるレジスト液の「濡れ性」を向上して、スクラッチパッドSの幅dがレジスト液Rの塗布に影響を与えない程度の値になるようにする。シンナー吐出ノズル132は、予め、レジスト液Rの輪郭線の外側付近に位置するようにしてもよい。
【0082】
このように、スクラッチパッドSが形成された場合でも、その幅dをレジスト液Rの塗布に影響を与えない程度の値に制御するので、ウエハWでの塗り残しを防止して、レジスト液を膜厚均一に塗布できるとともに、使用するレジスト液Rの量を一層削減することができる。また、レジスト液に先立って塗布されるシンナー等の溶剤の「濡れ性」が悪い場合にも、塗り残しが生じることなくレジスト液を塗布することができる。
【0083】
この実施形態においても、ウエハWの回転速度を制御することに代えて、レジスト液Rの吐出量または吐出速度を制御するようにしてもよく、さらに、ウエハWの回転速度と、レジスト液Rの吐出量または吐出速度との両方を制御するようにしてもよい。また、シンナーを供給することに代えて、シンナー雰囲気を供給するようにしてもよい。
【0084】
このようにしてレジスト液の滴下と拡散の終了後、上記の実施形態と同様に、残余のレジスト液が振り切られるとともに乾燥され、所定厚さのレジスト膜が形成され、引き続きバックリンス、および必要に応じてサイドリンスされ、さらにリンス液が振り切られ、その後、ウエハWの回転が停止されて、塗布処理工程が終了する。
【0085】
次に、図7に示したレジスト塗布ユニット(COT)における処理動作の別の例について説明する。
この処理動作では、検出センサー105を介してユニットコントローラ110がスクラッチパッドSを検出する際に、図11に示すように、ウエハW上を拡散するレジスト液の外周の輪郭線を破って形成されたスクラッチパッドSの複数の突出部Pのうち隣接するものがなす角度θ1〜θ3のばらつきを検出し、そのばらつきに応じた処理動作を行う。
【0086】
すなわち、レジスト塗布処理ユニット(COT)へウエハWを受け渡し、ウエハWをスピンチャック52で吸着した状態で、カップCP内の所定位置においてスピンチャック52によりウエハWの回転駆動を開始し、ウエハWのプリウエット処理を行い、レジストノズル86からレジスト液を回転しているウエハWの表面の中心に滴下してレジスト液の拡散を開始した後に、図12に示す一連の処理(ST1201〜ST1210)によりレジスト塗布処理が実行される。
【0087】
まず、センサー105によりレジストRの輪郭線の突出部を検出する(ST1201)。このセンサー105からの情報から、ユニットコントローラ110が、レジストRの輪郭線に突出長さが所定値以上の突出部があるかどうかを判別し(ST1202)、そのような突出部があると判別された場合には、複数の突出部のうち隣接するもののなす角度θ(図11のθ1〜θ3)を求め、θのばらつきを検出する(ST1203)。なお、この突出部の間隔の角度θを求める際には、突出長さが所定値以下の突出部については除くようにして、突出部として取り扱わないようにしてもよい。次いで、ユニットコントローラ110は、検出されたθのばらつきが所定値以下であるかどうかを判別し(ST1204)、所定値以下である場合には、駆動モータ51に制御信号を出力して、第1の加速度で回転速度の減速を開始する(ST1205)。一方、θのばらつきが所定値を越えた場合には、ユニットコントローラ110はディスプレイ120にそのことを表示する(ST1206)。そして、駆動モータ51に制御信号を出力して、第1の加速度よりも大きい第2の加速度で回転速度の減速を開始する(ST1207)。
【0088】
以上のようにして第1または第2の加速度で回転速度の減速を開始した後、センサー105がレジストRの輪郭線の突出部を検出し(ST1208)、ユニットコントローラ110がセンサー105からの情報から突出部の突出長さが所定値以下であるかどうかを判別し(ST1209)、突出部の突出長さが所定値以下であると判別された場合には減速が終了され、回転速度が一定にされる(ST1210)。
【0089】
このようにスクラッチパッドの突出部のなす角度θのばらつきが所定値を越える場合には、レジストノズル86の位置やウエハWのスピンチャック52上での位置に位置ズレが生じているおそれがあり、メンテナンスを行う必要性が高いが、本実施形態ではθのばらつきが所定値を越える場合に、そのことがディスプレイ120に表示されるので、オペレーター等がこのディスプレイ120の表示に応じてメンテナンス等を行うことにより、それ以降のウエハWで前記の位置ズレに起因する膜厚ばらつき等の不良が連続的に発生することを防止することができる。さらに、本実施形態ではθのばらつきが所定値以上の場合にウエハWの回転速度を第1の加速度よりも大きい第2の加速度で減速するので、突出部のレジスト液にウエハWの周方向に大きな慣性力を作用させることができる。すなわち、ウエハW上で拡がろうとするレジスト液に対してウエハWの回転方向と逆向きにより大きな力が加わり、突出部Pの法線方向の伸びが止まるとともに、もともと存在する突出部Pと新たに発生する突出部が接線方向に伸び、レジスト液の輪郭線を円形に近くすることができる。このように、ウエハWに位置ズレ等が生じることに起因する膜厚ばらつき等のウエハW自体の不具合も軽減することができる。もちろん、ディスプレイ120の表示を確認した時点でそのウエハを不良品として廃棄することもできる。
【0090】
このようにしてレジスト液を塗布した後、上記の実施形態と同様に、残余のレジスト液が振り切られるとともに乾燥され、所定厚さのレジスト膜が形成され、引き続きバックリンス、および必要に応じてサイドリンスされ、さらにリンス液が振り切られ、その後、ウエハWの回転が停止されて、塗布処理工程が終了する。なお、この処理動作では、ばらつきが所定値を越えることをモニター120に表示するようにしたが、これに代えてアラーム音を発する等の他の報知手段を採用してもよい。また、上述した実施形態のように、レジスト液の外周側にシンナーまたはシンナー雰囲気を供給するようにしてもよい。
【0091】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、塗布液としてレジスト液を用いた例について説明したが、ポリイミド等の他の塗布液を用いた場合にも適用することができる。また、上記実施の形態では、被処理体として半導体ウエハ用いた場合について示したが、これに限らずLCD基板等他の基板への塗布膜形成にも適用することができる。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、回転する基板の略中央から外縁に向けて拡散する塗布液の外周の輪郭線の拡がり状態を検出し、この輪郭線の拡がり状態から拡がり速度を算出し、この拡がり速度が所定速度以下になるように、基板の回転速度、および/または前記塗布液供給ノズルからの塗布液の吐出量もしくは吐出速度を制御し、これにより、スクラッチパッドを防止することができるので、基板での塗り残しを防止して、塗布液を膜厚均一に塗布することができる。
【0093】
また、回転する基板の略中央から外縁に向けて拡散する塗布液の外周の輪郭線の拡がり状態を検出し、こ回転する基板の略中央から外縁に向けて拡散される際に、塗布液の外周の輪郭線の拡がり状態を検出し、塗布液の外周の輪郭線を破って形成されたスクラッチパッドが検出された際に、スクラッチパッドの径方向の幅を把握し、この幅が所定値以下になるように、基板の回転速度、および/または前記塗布液供給ノズルからの塗布液の吐出量もしくは吐出速度を制御し、これにより、スクラッチパッドが、塗布液の塗布に影響を与えるほど大きくなることを防止することができるので、基板での塗り残しを防止して、塗布液を膜厚均一に塗布することができる。
【0094】
したがって、本発明によれば、従来のように過剰の塗布液を供給する必要がなく、使用する塗布液の量を一層削減することができ、また、塗布液に先だって塗布される溶剤の濡れ性が悪い場合にも塗布液の塗り残しが生じることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が適用される半導体ウエハのレジスト塗布現像処理システムの全体構成を示す平面図。
【図2】図1に示す塗布現像処理システムを示す正面図。
【図3】図1に示す塗布現像処理システムを示す背面図。
【図4】図1に示した塗布現像処理システムに装着したレジスト塗布処理ユニット(COT)の全体構成の断面図。
【図5】図4に示したレジスト塗布処理ユニット(COT)の平面図。
【図6】本発明の一実施の形態に係るレジスト塗布処理ユニット(COT)の制御系を示す模式図。
【図7】本発明の他の実施形態に係るレジスト塗布処理ユニット(COT)の制御系を示す模式図。
【図8】図7に示したレジスト塗布処理ユニット(COT)に装着されたディスプレイ装置にモニターされたウエハ上のレジスト液の状態を示す模式図。
【図9】本発明のさらに他の実施形態に係るレジスト塗布処理ユニット(COT)の制御系を示す模式図。
【図10】ウエハW上のレジスト液Rの外周の輪郭線の外側にシンナーを供給する状態を示す模式断面図。
【図11】レジスト液Rの輪郭線に突出部Pが形成された状態の例を示す図面。
【図12】本発明のさらにまた他の実施形態に係るレジスト塗布処理ユニット(COT)の処理動作を示すフローチャート。
【図13】従来に係るレジスト塗布処理ユニットを示す模式図。
【図14】図13に示したレジスト塗布処理ユニットにおいて、スクラッチパッドが生起された状態を示す模式図。
【符号の説明】
52…スピンチャック(基板回転手段)
54…駆動モータ(基板回転手段)
86…レジスト液供給ノズル(塗布液供給ノズル)
89…レジスト液供給部
101…溶剤ノズル
105…検出センサー(検出手段)
110…ユニットコントローラ(制御手段)
111…ベローズポンプ(吐出手段)
112…ステッピングモータ
120…ディスプレイ
COT…レジスト塗布処理ユニット(COT)
W…ウエハ
Claims (22)
- 処理容器内に収容された基板の表面上に、塗布液供給ノズルから塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布膜形成方法であって、
基板を載置台に載置して、基板を回転する工程と、
前記塗布液供給ノズルから基板の略中央に塗布液を吐出して、回転する基板の略中央から外縁に向けて塗布液を拡散させる工程と、
この拡散する塗布液の外周の輪郭線の拡がり状態を検出する工程と、
前記検出された輪郭線の拡がり状態において、塗布液の外周の輪郭線を破って形成されたスクラッチパッドが検出された際に、スクラッチパッドの径方向の幅を把握し、この幅が所定値以下になるように、基板の回転速度、前記塗布液供給ノズルからの塗布液の吐出量、および前記塗布液供給ノズルからの塗布液の吐出速度のうち少なくとも1つを制御する工程と
を具備することを特徴とする塗布膜形成方法。 - 前記制御工程は、スクラッチパッドの径方向の幅が所定値を超える場合に、基板の回転速度の低下、前記塗布液供給ノズルからの塗布液の吐出量の増加、および前記塗布液供給ノズルからの塗布液の吐出速度の増加うち少なくとも1つを行うことを特徴とする請求項1に記載の塗布膜形成方法。
- さらに、前記検出された輪郭線の拡がり状態に基づいて、前記輪郭線よりも外周側のウエハ上にシンナーおよびシンナー雰囲気のうち少なくとも1つを供給する工程を具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の塗布膜形成方法。
- 処理容器内に収容された基板の表面上に、塗布液供給ノズルから塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布膜形成方法であって、
基板を載置台に載置して、基板を回転する工程と、
基板への塗布液の供給に先立って、基板の表面を濡らすための溶剤を回転する基板の中央に供給する工程と、
前記塗布液供給ノズルから基板の略中央に塗布液を吐出して、回転する基板の略中央から外縁に向けて塗布液を拡散させる工程と、
この拡散する塗布液の外周の輪郭線の拡がり状態を検出する工程と、
前記検出された輪郭線の拡がり状態に基づいて、前記輪郭線よりも外周側のウエハ上にシンナーおよびシンナー雰囲気のうち少なくとも1つを供給する工程とを具備することを特徴とする塗布膜形成方法。 - 処理容器内に収容された基板の表面上に、塗布液供給ノズルから塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布膜形成方法であって、
基板を載置台に載置して、基板を回転する工程と、
前記塗布液供給ノズルから基板の略中央に塗布液を吐出して、回転する基板の略中央から外縁に向けて塗布液を拡散させる工程と、
吐出された塗布液が回転する基板の略中央から外縁に向けて拡散される際に、拡散する塗布液の外周の輪郭線を破って形成されるスクラッチパッドの複数の突出部のうち隣接する突出部において、それぞれの突出部の頂点と基板の中心とを結ぶ線が形成する角度のばらつきを検出する工程と
を具備することを特徴とする塗布膜形成方法。 - スクラッチパッドの突出部を検出し、その突出長さが所定値以上の突出部が存在していたときに前記検出工程を実行することを特徴とする請求項5に記載の塗布膜形成方法。
- 前記検出工程は、前記突出部のうち突出長さが所定値以下のものを除いて行われることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の塗布膜形成方法。
- 前記ばらつきが所定値以下の場合には基板の回転速度を第1の加速度で減速し、前記ばらつきが所定値を越える場合にはそのことを報知することを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の塗布膜形成方法。
- 前記ばらつきが所定値を越える場合には基板の回転速度を前記第1の加速度よりも大きい第2の加速度で減速することを特徴とする請求項8に記載の塗布膜形成方法。
- 前記減速開始後に、塗布液の外周の輪郭線の突出部の突出長さを検出し、該突出長さが所定値以下である場合には、減速を終了し、回転速度を一定にすることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の塗布膜形成方法。
- さらに、前記輪郭線よりも外周側のウエハ上にシンナーおよびシンナー雰囲気のうち少なくとも1つを供給する工程を具備することを特徴とする請求項5から請求項10のいずれか1項に記載の塗布膜形成方法。
- 処理容器内に収容された基板の表面上に、塗布液供給ノズルから塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布装置であって、
基板を載置して回転するための基板回転手段と、
前記塗布液供給ノズルから基板の略中央に塗布液を吐出させる吐出手段と、
吐出された塗布液が回転する基板の略中央から外縁に向けて拡散される際に、塗布液の外周の輪郭線の拡がり状態を検出する検出手段と、
この輪郭線の拡がり状態において、塗布液の外周の輪郭線を破って形成されたスクラッチパッドが検出された際に、スクラッチパッドの径方向の幅を把握し、この幅が所定値以下になるように、基板の回転速度、前記塗布液供給ノズルからの塗布液の吐出量、および前記塗布液供給ノズルからの塗布液の吐出速度のうち少なくとも1つを制御する制御手段と
を具備することを特徴とする塗布装置。 - 前記制御手段は、スクラッチパッドの径方向の幅が所定値を超える場合に、基板の回転速度の低下、前記塗布液供給ノズルからの塗布液の吐出量の増加、および前記塗布液供給ノズルからの塗布液の吐出速度の増加うち少なくとも1つを行うことを特徴とする請求項12に記載の塗布装置。
- さらに、前記検出された輪郭線の拡がり状態に基づいて、前記輪郭線よりも外周側のウエハ上にシンナーおよびシンナー雰囲気のうち少なくとも1つを供給する手段を具備することを特徴とする請求項12または請求項13に記載の塗布装置。
- 処理容器内に収容された基板の表面上に、塗布液供給ノズルから塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布装置であって、
基板を載置して回転するための基板回転手段と、
基板への塗布液の供給に先立って、基板の表面を濡らすための溶剤を回転する基板の中央に供給する溶剤供給手段と、
前記塗布液供給ノズルから基板の略中央に塗布液を吐出させる吐出手段と、
吐出された塗布液が回転する基板の略中央から外縁に向けて拡散される際に、塗布液の外周の輪郭線の拡がり状態を検出する検出手段と、
前記検出された輪郭線の拡がり状態に基づいて、前記輪郭線よりも外周側のウエハ上にシンナーおよびシンナー雰囲気のうち少なくとも1つを供給する手段とを具備することを特徴とする塗布装置。 - 処理容器内に収容された基板の表面上に、塗布液供給ノズルから塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布装置であって、
基板を載置して回転するための基板回転手段と、
前記塗布液供給ノズルから基板の略中央に塗布液を吐出させる吐出手段と、
吐出された塗布液が回転する基板の略中央から外縁に向けて拡散される際に、拡散する塗布液の外周の輪郭線を破って形成されるスクラッチパッドの複数の突出部のうち隣接する突出部において、それぞれの突出部の頂点と基板の中心とを結ぶ線が形成する角度のばらつきを検出する手段と
を具備することを特徴とする塗布装置。 - スクラッチパッドの突出部を検出し、その突出長さが所定値以上の突出部が存在していたときに前記検出手段が前記ばらつきの検出を実行することを特徴とする請求項16に記載の塗布装置。
- 前記検出手段は、前記突出部のうち突出長さが所定値以下のものを除いて、前記ばらつきの検出を行うことを特徴とする請求項16または請求項17に記載の塗布装置。
- 前記ばらつきが所定値以下の場合には基板の回転速度を第1の加速度で減速し、前記ばらつきが所定値を越える場合にはそれを報知することを特徴とする請求項18に記載の塗布装置。
- 前記ばらつきが所定値を超える場合には基板の回転速度を前記第1の加速度よりも大きい第2の加速度で減速することを特徴とする請求項19に記載の塗布装置。
- 前記減速開始後に、塗布液の外周の輪郭線の突出部の突出長さを検出し、該突出長さが所定値以下である場合には、減速を終了し、回転速度を一定にすることを特徴とする請求項19または請求項20に記載の塗布装置。
- さらに、前記輪郭線よりも外周側のウエハ上にシンナーおよびシンナー雰囲気のうち少なくとも1つを供給する工程を具備することを特徴とする請求項16から請求項21のいずれか1項に記載の塗布装置。
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