JP3782211B2 - 電子回路装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の半導体集積回路素子を搭載して一体化したマルチチップモジュールからなる電子回路装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路素子(以下、[IC」と呼ぶ)を高密度に実装する技術として、図15および図16に示すように、複数のIC2,IC2’をマルチチップモジュール1としてマルチチップモジュール基板やマルチチップモジュールケース等に一体化するMCM技術が使われている。3、3’はIC2,IC2’の信号入出力用の少なくとも1個以上の端子からなる外部接続端子、4はN(Nは1以上)個からなる試験用外部接続端子である。図16では、IC2とIC2’の相互間を接続する配線はN本である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このようなマルチチップモジュール1は、その回路機能を変更する際には、IC2,IC2’自体の変更や、そのIC2,IC2’を接続するマルチチップモジュール1の内部配線の変更が必要となり、ICおよびマルチチップモジュールケース等の再開発を含めたハードウエアの作り直しが必要であった。
【0004】
このため、従来のマルチチップモジュールは、通常の単体のICと比較すると単価が高く、また開発費も割高となっていた。したがって、頻繁に仕様の変更が必要となるような回路をマルチチップモジュールとして構成することは、リスクが大きかった。
【0005】
本発明は以上のような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハードウエアを変更することなく回路機能の変更を行うことができるようにしたマルチチップモジュールからなる電子回路装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための第1の発明は、複数の半導体集積回路素子を搭載したマルチチップモジュールからなる電子回路装置において、前記マルチチップモジュールに前記半導体集積回路素子に接続するプログラマブル素子を搭載し、少なくとも2個の前記半導体集積回路素子の相互間を前記プログラマブル素子を介して接続し、前記プログラマブル素子に接続される外部接続端子を設け、前記外部接続端子の一部を前記プログラマブル素子内部のプログラム書き換え用とし、前記外部接続端子の一部を少なくとも1個の前記半導体集積回路素子の試験用とし、少なくとも1個の前記半導体集積回路素子を前記プログラマブル素子を介して前記試験用の外部接続端子と接続し、前記試験用の外部接続端子の端子数を前記プログラマブル素子を介して前記試験用の外部接続端子と接続される前記半導体集積回路素子の内の1個の前記半導体集積回路素子の前記プログラマブル素子と接続される端子数より少なくし、前記プログラマブル素子を、内部のプログラム書き換えにより該プログラマブル素子を介して前記試験用の外部接続端子に接続される前記半導体集積回路素子の端子を変更するよう構成した。
第2の発明は、第1の発明において、前記プログラマブル素子として、FPGAを使用するよう構成した。
【0007】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
図1は本発明の第1の実施の形態の電子回路装置のブロック図である。図15および図16に示したものと同一のものには同一の符号を付した。本実施の形態では、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブル素子5をIC2,IC2’と共にマルチチップモジュール1の内部に一体的に組み込んでいる。この実施の形態のマルチチップモジュール1は、IC2,IC2’に接続するための外部接続端子3、3’の他に、プログラマブル素子5に接続するための外部接続端子6(少なくとも1本以上)を有する。また、IC2,IC2’は外部接続端子3、3’の他に、プログラマブル素子5にも接続される。なお、外部接続端子6の一部は、プログラマブル素子5のプログラム(論理回路)を書き換えるために使用される。
【0008】
図2はこの第1の実施の形態の第1の応用例(プログラマブル素子5の内部論理回路の例)を示す図である。ここでは、プログラマブル素子5の内部に設定した論理回路(配線)を用いてIC2、IC2’の相互間を接続している。このようにIC2、IC2’の相互間を単純に接続するプログラムを組み込むことにより、前述した図15に示した機能と同様な機能を実現することができる。
【0009】
また、IC2、IC2’の相互間を単純に接続するのではなく、プログラマブル素子5を第3のICとして、つまり特定の機能を持った回路として使用するようプログラムを組み込むこともできる。このようにしてプログラマブル素子5を第3のICとして使用することにより、ICの論理を変更したい場合に、IC2,IC2’を変更することなく、プログラマブル素子5の内部のプログラム(論理回路)を変更することで対応できる。
【0010】
以上のような機能の変更は、全てマルチチップモジュール1の外部接続端子6を用いて、プログラマブル素子5の内部のプログラム(論理回路)を外部から書き換えることで対応でき、ハードウエアの作り替えは一切不要となる。
【0011】
図3は第2の応用例を示す図である。ここでは、プログラマブル素子5の内部の論理回路を用いてIC2、IC2’の相互間を接続すると共に、その配線を分岐させて外部接続端子6にも接続している。IC2、IC2’の相互間および外部接続端子6を単純に接続するようにプログラムを組み込むことにより、前述した図16に示した内容の機能(IC単体の試験可能)を容易に実現することができる。
【0012】
また、図16の従来例ではICの全端子の動作確認をするためには、IC2、IC2’の相互間の全配線(N本)をすべて外部接続端子4に接続する必要があり、そのN個だけ外部接続端子の数が増加する。Nの数が小さければさほどの問題はないが、Nが数十以上となる場合は、外部接続端子の増加によるマルチチップモジュールのサイズ(物理的な大きさ)の増大や、それに伴うマルチチップモジュール用の基板等の部材費用の増大等が問題となる場合がある。
【0013】
この点について、本応用例においては、プログラマブル素子5の内部のプログラムを書き換えることによって外部接続端子6に接続するICの端子を変更することができるので、試験用の外部接続端子をICの全端子分も用意する必要はない。すなわち、試験用の外部接続端子の数を減らすことができる。なぜならば、IC2、IC2’の相互間の接続配線数Nに対して、Nよりも少ないM個の試験用外部接続端子があれば、外部接続端子6に接続するIC2、IC2’の相互間の配線を変えて、N/M(割り切れない場合は+1)回だけ試験を行えば、全端子の動作確認ができるからである。
【0014】
図4は第3の応用例を示す図である。ここでは、プログラマブル素子5の内部の論理回路を用いて、IC2とプログラマブル素子5の相互間を接続している配線を、外部接続端子6に接続している。このような構成でも、外部接続端子6に接続されるIC2について、図3に示した構成と同様な試験機能を実現できる。なお、この図4では、左側のIC2をプログラマブル素子5を介して外部接続端子6に接続しているが、右側のIC2’を接続した場合でも同様である。
【0015】
[第2の実施の形態]
図5は本発明の第2の実施の形態の電子回路装置のブロック図である。ここでは、外部接続端子として、マルチチップモジュール1がプログラマブル素子5に接続される外部接続端子6のみを設け、IC2、IC2’はプログラマブル素子5や他方のICに接続する。プログラマブル素子5に接続される外部接続端子6の一部は、そのプログラマブル素子5のプログラムの書き換えのために使用される。
【0016】
図6はこの第2の実施の形態の第1の応用例を示す図である。この応用例では、プログラマブル素子5の内部の論理回路を用いて、IC2、IC2’とプログラマブル素子5とを接続している配線を、外部接続端子6に接続している。このような構成でも、図2に示した構成と同様な機能を実現できる。
【0017】
図7は第2の応用例を示す図である。ここでは、プログラマブル素子5の内部の論理回路を用いて、外部接続端子6の相互間を接続している。このような構成により、外部接続端子6とプログラマブル素子5との間が設計通り配線されているか否か(断線や短絡がないか等)を確認することができる。
【0018】
従来では、このような確認を行うためには、ICの中にバウンダリスキャン回路と呼ばれる回路を予め入れておき、マルチチップモジュールにそれを試験するための外部接続端子や配線等を準備しておく必要があったが、本応用例では、バウンダリスキャン回路を内蔵していないプログラマブル素子であっても、外部接続端子6とプログラマブル素子5の相互間の配線の確認ができる。
【0019】
[第3の実施の形態]
図8は本発明の第3の実施の形態の電子回路装置のブロック図である。この実施の形態では、各々のIC2、IC2’の全端子がプログラマブル素子5に接続される。そして、外部接続端子6の一部が、プログラマブル素子5の内部のプログラムを書き換えるために使用される。
【0020】
図9はこの実施の形態の第1の応用例を示す図である。ここでは、プログラマブル素子5の内部の論理回路を用いて、各IC2、IC2’とプログラマブル素子5とを接続している配線の一部を外部接続端子6に接続すると共に、IC2、IC2’の相互間も接続している。
【0021】
プログラマブル素子5を用いて、IC2、IC2’の端子のうち、外部接続端子に接続すべき端子を外部接続端子6に接続し、他のICに接続すべき端子をそのICに接続することにより、この構成でも、図2の構成と同様な機能を実現できる。
【0022】
図10は第2の応用例を示す図である。ここでは、プログラマブル素子5の内部の論理回路を用いて、IC2とプログラマブル素子5とを接続している配線を、外部接続端子6に接続している。この構成でも、外部接続端子6に接続されるIC2については、図3の構成と同様な機能を実現できる。なお、この図10では、左側のIC2をプログラマブル素子5を介して外部接続端子6に接続しているが、右側のIC2’を接続した場合も同様である。
【0023】
図11は第3の応用例を示す図である。この構成でも図7の構成と同様に、プログラマブル素子5と外部接続端子6の間の配線を確認できる。
【0024】
[第4の実施の形態]
図12は本発明の第4の実施の形態の電子回路装置のブロック図である。この実施の形態では、各IC2、IC2’の一部の端子がプログラマブル素子5に接続されると共に、他の端子はIC2、IC2’の相互間で接続され、且つその配線は分岐されてプログラマブル素子5にも接続されている。外部接続端子6の一部は、プログラマブル素子5の内部のプログラムの書き換えのために使用される。このような構成でも前記したような機能を実現できる。
【0025】
[第5の実施の形態]
図13は本発明の第5の実施の形態の電子回路装置のブロック図である。この実施の形態では、各IC2、IC2’に接続するための外部接続端子3、3’と、プログラマブル素子5に接続するための外部接続端子6を有し、各IC2、IC2’と外部接続端子3、3’とを接続するための配線を分岐して、プログラマブル素子5に接続している。外部接続端子6の一部は、プログラマブル素子5の内部のプログラムの書き換えのために使用される。このような構成でも前記したような機能を実現できる
【0026】
[第6の実施の形態]
図14は本発明の第6の実施の形態の電子回路装置のブロック図である。この実施の形態では、各IC2、IC2’に接続するための外部接続端子3、3’と、プログラマブル素子5に接続するための外部接続端子6を有し、各IC2、IC2’と外部接続端子3、3’とを接続するための配線を分岐して、プログラマブル素子5に接続している。さらに、各IC2、IC2’の相互間を接続するための配線も分岐して、プログラマブル素子5に接続している。このような構成でも前記したような機能を実現できる
【0027】
[その他の実施の形態]
本発明の適用範囲は以上述べた実施の形態に限られるものではなく、例えば次のような形態も含むものである。(1)マルチチップモジュール1内にプログラマブル素子5を2以上搭載した電子回路装置や、(2)マルチチップモジュール1内に3個以上のICを搭載した電子回路装置を実現できる。また、(3)ハイブリッドICや小型実装基板を用いた小型のモジュールであっても同様な作用効果を得ることができる。
【0028】
【発明の効果】
以上から本発明のマルチチップモジュールからなる電子回路装置によれば、内部にプログラマブル素子を内蔵するので、ハードウエアを作り直すことなしに回路機能の変更を行うことができ、試験の容易化、試験用端子の削減等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態の電子回路装置のブロック図である。
【図2】 第1の実施の形態の電子回路装置の第1の応用例のブロック図である。
【図3】 第1の実施の形態の電子回路装置の第2の応用例のブロック図である。
【図4】 第1の実施の形態の電子回路装置の第3の応用例のブロック図である。
【図5】 第2の実施の形態の電子回路装置のブロック図である。
【図6】 第2の実施の形態の電子回路装置の第1の応用例のブロック図である。
【図7】 第2の実施の形態の電子回路装置の第2の応用例のブロック図である。
【図8】 第3の実施の形態の電子回路装置のブロック図である。
【図9】 第3の実施の形態の電子回路装置の第1の応用例のブロック図である。
【図10】 第3の実施の形態の電子回路装置の第2の応用例のブロック図である。
【図11】 第3の実施の形態の電子回路装置の第3の応用例のブロック図である。
【図12】 第4の実施の形態の電子回路装置のブロック図である。
【図13】 第5の実施の形態の電子回路装置のブロック図である。
【図14】 第6の実施の形態の電子回路装置のブロック図である。
【図15】 従来の電子回路装置のブロック図である。
【図16】 従来の電子回路装置のブロック図である。
【符号の説明】
1:マルチチップモジュール、2、2’:IC(半導体集積回路素子)、3、3’、4:外部接続端子、5:プログラマブル素子、6:外部接続端子。

Claims (2)

  1. 複数の半導体集積回路素子を搭載したマルチチップモジュールからなる電子回路装置おいて、
    前記マルチチップモジュールに前記半導体集積回路素子に接続するプログラマブル素子を搭載し、
    少なくとも2個の前記半導体集積回路素子の相互間を前記プログラマブル素子を介して接続し、
    前記プログラマブル素子に接続される外部接続端子を設け、
    前記外部接続端子の一部を前記プログラマブル素子内部のプログラム書き換え用とし、
    前記外部接続端子の一部を少なくとも1個の前記半導体集積回路素子の試験用とし、
    少なくとも1個の前記半導体集積回路素子を前記プログラマブル素子を介して前記試験用の外部接続端子と接続し、
    前記試験用の外部接続端子の端子数を、前記プログラマブル素子を介して前記試験用の外部接続端子と接続される前記半導体集積回路素子の内の1個の前記半導体集積回路素子の前記プログラマブル素子と接続される端子数より少なくし、
    前記プログラマブル素子は、内部のプログラム書き換えにより該プログラマブル素子を介して前記試験用の外部接続端子に接続される前記半導体集積回路素子の端子を変更するよう構成されたことを特徴とする電子回路装置。
  2. 前記プログラマブル素子として、FPGAを使用することを特徴とする請求項1に記載の電子回路装置。
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