JP3781987B2 - フィルタの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク滴を吐出する複数のノズルを備える記録ヘッドによって、複数のノズルからインク滴を基板に対してそれぞれ複数回吐出することにより基板に複数の画素をそれぞれ形成することでフィルタを製造するフィルタの製造方法及びこの方法により製造されたフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の情報産業の発達により、情報端末や携帯電話等に使用される表示装置として液晶ディスプレイの需要が増大している。例えば携帯電話における最近の液晶ディスプレイではカラー化が進んでおり、液晶ディスプレイのカラーフィルタの需要が大幅に増大し、カラーフィルタを安く大量に供給する要請が多くなっている。この要請に応ずるべく、従来から用いられているインクジェット方式を採用する記録ヘッドによってインク滴をカラーフィルタとなるべき基板に対して吐出し、基板にそのインク滴でなる画素を形成する技術が用いられている。このインクジェット方式を用いて基板に画素を形成するカラーフィルタの製造方法は、安価であるという特徴を有する。
【0003】
また、カラーフィルタの製造方法の具体例としては、例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の光の三原色に対応する色のインク滴を、それぞれ所定のパターンでその基板に着弾させることで、そのインク滴でなる画素を形成している。このようなインクジェット方式の記録ヘッドによるカラーフィルタの製造方法では、複数のノズルの形状の誤差等によって吐出するインク滴の液滴量に誤差を生じている場合がある。従って、このようなインクジェット方式の記録ヘッドにより基板にインク滴を吐出してカラーフィルタを製造する際には、各ノズルから吐出されるインク滴の液滴量の誤差を補完するために、分散方式を採用している。この分散方式は、1つの画素を、記録ヘッドにおける異なる複数のノズルによってそれぞれインク滴を吐出することで形成する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような分散方式を採用するカラーフィルタの製造方法では、同一画素を異なる複数のノズルから吐出される複数のインク滴を重ねることで形成するために、インク滴を重ねる回数分記録ヘッドが基板上を走査する必要がある。つまり、このようなカラーフィルタの製造方法では、記録ヘッドが走査する回数分のサイクルタイムが必要となり、生産性が上がらないという問題点があった。
【0005】
また、分散方式のカラーフィルタの製造方法では、最後にインク滴が着弾する頃には最初に着弾したインク滴の乾燥が始まっている場合がある。このため、基板に形成される複数の画素に色ムラが生じてしまうおそれがあった。
【0006】
本発明の目的は、上記課題を解消して、記録ヘッドが1回基板を走査することで高速にムラの少ない複数の画素を基板に形成することで生産性を向上することができるフィルタの製造方法及びフィルタを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、駆動波形を印加することで複数のノズルからインク滴を吐出する記録ヘッドによって、前記複数のノズルから前記インク滴を基板に対して複数回吐出することにより前記基板に複数の画素を形成することでフィルタを製造するフィルタの製造方法であって、前記各ノズルによって前記各画素をそれぞれ形成する際に、前記各画素に対して吐出される複数の前記インク滴の合計液滴量がそれぞれの前記各画素において略一定量となるように、前記複数のノズルの吐出タイミング毎に前記複数のノズルを駆動する予め用意した複数の異なる駆動波形から選択し、選択された駆動波形を印加することで前記複数のノズルから前記インク滴を吐出し、前記各ノズルにおける複数のインク滴の合計液滴量を目標量とすることを特徴とするフィルタの製造方法である。
【0008】
本発明の構成によれば、複数のノズルから吐出されるインク滴の液滴量を、複数のノズルの吐出タイミング毎に設定可能としたことにより、吐出タイミング毎に異なる液滴量のインク滴を吐出させることができる。したがって、各ノズルからそれぞれ吐出されて基板に着弾するインク滴の合計液滴量を制御することができ、基板にそれぞれ形成される各画素の合計液滴量をほぼ同一とすることができるので、各画素がムラなくほぼ同一に形成される。
【0009】
また、記録ヘッドが1回基板を走査することで、基板にそれぞれ形成される各画素の合計液滴量をほぼ同一とすることができるので、ムラの少ない複数の画素を高速で形成でき、フィルタ製造の生産性を向上することができる。したがって、このようなフィルタの製造方法によれば、画素ムラが少なく画質が良いフィルタを高速で製造することができる。
【0010】
本発明の構成において、前記複数の画素の各々の画素に対して吐出される複数のインク滴の合計液滴量は、前記各々の画素においてほぼ一定量となることを特徴とする。
【0011】
本発明の構成において、前記吐出タイミング毎に設定される前記液滴量は、前記複数のノズルを駆動する予め用意された複数の異なる駆動波形より選択することにより設定されることを特徴とする。
【0012】
本発明の構成によれば、複数のノズルを駆動する予め用意された複数の異なる駆動波形より選択することにより、吐出タイミング毎に設定される液滴量を設定するようにしたので、簡単かつ正確にインク滴の液滴量を設定することができる。
【0013】
本発明の構成において、前記複数のノズルは、前記予め用意された前記複数の異なる駆動波形から前記各ノズルに対して選択された同一の駆動波形毎に異なるタイミングで駆動されることを特徴とする。
【0014】
本発明の構成によれば、簡単な回路構成でインク滴の液滴量を制御することができる。
【0015】
本発明の構成において、前記複数のノズルは、前記予め用意された前記複数の異なる駆動波形から前記各ノズルに対して選択された駆動波形により同一のタイミングで駆動されることを特徴とする。
【0016】
本発明の構成によれば、複数のノズルを、予め用意された複数の駆動波形から各々のノズルに対して選択された駆動波形により同一のタイミングで駆動するようにしたので、インク滴を吐出する時間間隔を短くすることができ、フィルタ製造の生産性を一層向上させることができる。
【0017】
本発明は、インク滴を吐出する複数のノズルを備える記録ヘッドによって、前記複数のノズルから前記インク滴を基板に対して複数回吐出することにより前記基板に複数の画素を形成することでフィルタを製造するフィルタの製造方法であって、前記記録ヘッドの前記複数のノズルから吐出されるインク滴の液滴量を計測する計測ステップと、前記各画素を形成する複数の前記インク滴の合計液滴量がほぼ一定量となるように、前記各ノズルを複数回それぞれ駆動する前記ノズルの駆動波形を、予め用意した複数の異なる前記ノズルの駆動波形から選択する選択ステップと、選択した前記ノズルの駆動波形に基づいて、前記記録ヘッドの各前記ノズルをそれぞれ複数回駆動し、前記各ノズルによって前記各画素をそれぞれ形成する画素形成ステップと、を有することを特徴とするフィルタの製造方法である。
【0018】
本発明の構成によれば、まず、計測ステップでは、記録ヘッドの複数のノズルからそれぞれ吐出されるインク滴の液滴量を計測する。次に、選択ステップでは、各画素を形成するインク滴の合計液滴量が適正となるように、予め用意した複数の異なるノズルの駆動波形から各ノズルを複数回それぞれ駆動するノズルの駆動波形を選択する。最後に、画素形成ステップでは、選択したノズルの駆動波形に基づいて、前記記録ヘッドの各ノズルを複数回それぞれ駆動し、各前記ノズルがそれぞれ1つの画素を形成する。
【0019】
このようにすると、各画素を形成するために記録ヘッドの各ノズルからそれぞれ吐出されて基板に着弾するインク滴の1画素当たりの合計液滴量がほぼ同量となり、基板にそれぞれ形成される各画素はほぼ同一となる。従って、このような画素を基板に形成することで製造されるフィルタは、各画素がムラなくほぼ同一に形成される。従って、このようなフィルタの製造方法によれば、画素ムラが少なく画質が良いフィルタを製造することができる。
【0020】
本発明の構成において、前記画素形成ステップでは、前記予め用意した複数の異なる前記ノズルの駆動波形毎に異なるタイミングで前記ノズルが駆動されることを特徴とする。
【0021】
本発明の構成によれば、簡単な回路構成でインク滴の液滴量を制御することができる。
【0022】
本発明の構成において、前記画素形成ステップでは、前記予め用意した複数の異なる前記ノズルの駆動波形毎に基づいて、同一のタイミングで前記ノズルが駆動されることを特徴とする
【0023】
本発明の構成によれば、複数のノズルを、予め用意した複数の異なるノズルの駆動波形に基づいて、同一のタイミングで駆動するようにしたので、インク滴を吐出する時間間隔を短くすることができ、フィルタ製造の生産性を一層向上させることができる。
【0024】
本発明の構成において、複数の異なる前記ノズルの駆動波形としては、前記ノズルの標準的な駆動電圧に対して略110%の駆動電圧の第1の駆動波形と、前記ノズルの標準的な駆動電圧の第2の駆動波形と、前記ノズルの標準的な駆動電圧に対して略90%の駆動電圧の第3の駆動波形と、が予め用意されていることを特徴とする。
【0025】
本発明の構成によれば、前述までの作用に加えて、このような第1の駆動波形、第2の駆動波形及び第3の駆動波形のいずれかを各インク滴の吐出毎に選択し、選択した駆動波形に基づいて複数回各ノズルをそれぞれ駆動してインク滴を基板に吐出する。すると、基板に形成される画素を形成するインク滴の合計液滴量は、1.25〜2.5%程度の誤差で目標とする合計液滴量とすることができる。従って、このようなフィルタの製造方法によれば、画素を構成するインク滴の合計液滴量を正確にすることができるので、所望の画素を基板に形成することができる。
【0026】
本発明の構成において、前記基板には、各前記ノズルから複数回吐出される前記インク滴を収容する受容層が設けられていることを特徴とする。
【0027】
本発明の構成において、前記記録ヘッドは、前記基板に対して相対的に走査しながら前記基板に前記インク滴を吐出することを特徴とする。
【0028】
本発明は、駆動波形を印加することで複数のノズルからインク滴を吐出する記録ヘッドによって、前記複数のノズルから前記インク滴を基板に対して複数回吐出することにより前記基板に複数の画素を形成することで製造されるフィルタであって、前記各画素に対して吐出される複数の前記インク滴の合計液適量がそれぞれの前記各画素において略一定量となるように、前記複数のノズルの吐出タイミング毎に複数の異なる駆動波形から選択し、選択された駆動波形を印加することで前記複数のノズルから前記インク滴が吐出されることを特徴とするフィルタである。
【0029】
本発明の構成によれば、フィルタを、複数のノズルから吐出されるインク滴の液滴量を複数のノズルの吐出タイミング毎に設定し、この設定に基づいて複数のノズルからインク滴を吐出することにより製造したので、各ノズルからそれぞれ吐出されて基板に着弾するインク滴の合計液滴量を制御することができ、基板にそれぞれ形成される各画素の合計液滴量をほぼ同一とすることができるので、各画素がムラなくほぼ同一に形成される。
【0030】
また、記録ヘッドが1回基板を走査することで、基板にそれぞれ形成される各画素の合計液滴量をほぼ同一とすることができるので、ムラの少ない複数の画素を高速で形成でき、フィルタ製造の生産性を向上することができる。したがって、生産性が高くかつ画素ムラが少なく画質が良いフィルタを提供することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、フィルタ11が配列する基板13の構成例を示す平面図であり、図2は、図1の基板13から製造されたフィルタ11の一部の構成例を示す平面図である。
【0032】
この基板13は、後述するフィルタ11の基材であり、長手方向の一辺が例えば470mmであり、もう一辺が例えば370mmである。基板13は、透明基板であり適度の機械的強度と共に光透過性の高いものを用いる。この基板13としては、例えば透明ガラス基板、アクリルガラス、プラスチック基板、プラスチックフィルム及びこれらの表面処理品等が適用できる。
【0033】
このフィルタ11は、例えば少なくとも1色、好ましくは複数色の画素が形成されている。つまり、フィルタ11は、例えば複数色の画素が形成されたカラーフィルタである。以下の説明では、フィルタ11をカラーフィルタ11という。図2に示すように、カラーフィルタ11には、例えば赤色の画素PR、青色の画素PB及び緑色の画素PGが形成されている。以下の説明では、これらの画素PR、PB及びPGを総称して画素Pとも呼ぶ。
【0034】
カラーフィルタ11は、表示装置として例えば液晶ディスプレイに使用されるフィルタであり、画素PR、PB及びPGが例えばデルタ状に配置されたデルタタイプである。尚、カラーフィルタ11は、画素PR、PB及びPGがストライプタイプやモザイクタイプに配置されていても良いことはいうまでもない。このデルタタイプのカラーフィルタ11は、基板13の表面上に形成された画素PR、PB及びPGすべてがデルタ状に配置されていることから、このように呼ばれている。デルタタイプのカラーフィルタ11を採用する図示しない液晶ディスプレイは、一般的に動画を表示するのに適している。
【0035】
図3は、本発明の好ましい実施形態としてのフィルタの製造方法によりカラーフィルタ11が製造される様子の一例を示す平面図である。
図3の紙面は、基板13を示しており、紙面垂直方向にて基板13と多少の間隔を保持してヘッド7が設けられている。このヘッド7(記録ヘッド)は、基板13との対面に、インク滴をそれぞれ吐出する例えば180個のノズルN1〜N180(91)が設けられている。以下の説明では、一例として記録ヘッド7に180個のノズルN1〜N180が設けられているものとして説明する。
【0036】
従って、このヘッド7は、いわゆるインクジェット方式を採用する記録ヘッドである。また、ヘッド7は、基板13に対してヘッド走査方向HDに相対的に走査できるようになっている。従って、このヘッド7は、基板13に対してヘッド走査方向HDに相対的に走査しつつ基板13にインク滴を吐出し、基板13にそのインク滴でなる画素PRを形成することができる。
【0037】
また、記録ヘッド7は、画素配列方向GHに移動することができ、画素PRと同様に基板13に画素PB及び画素PGをそれぞれ形成することができる。
【0038】
カラーフィルタ11の構成例は以上のようであり、次にカラーフィルタ11の製造方法を使用する製造装置2000の構成例について図1〜図3を参照しつつ説明する。
【0039】
図4は、製造装置2000の構成例を示している。
コンピュータ34は、ベース12側の制御盤80に接続されている。制御盤80は、ベース12の中に配置されており、その制御盤80に対して第1移動手段14(リニアモータ)、第2移動手段16(リニアモータ)及びθ軸用のモータ44が接続されている。また、記録ヘッド7の移動に関連するモータ62,64,66,68が制御盤80に接続されている。第1移動手段14と、θ軸モータ44は、制御盤80からの指令により作動してカラーフィルター製造用の基板13を搭載したテーブル46を記録ヘッド7に対して相対的にY軸方向に移動し、かつ、θ方向にインデックスする。
【0040】
第2移動手段16及び4つのモータ62,64,66,68は、制御盤80からの指令により作動して、例えば記録ヘッド7をテーブル46の上の基板13に対して姿勢制御したり移動させるようになっている。
また、基板給排出手段であるロボット74は、コンピュータ34の指令により動作の制御ができる。
【0041】
次に、記録ヘッド7の構造例について、図4と図5を参照して説明する。
記録ヘッド7は、たとえば、ピエゾ素子(圧電素子)を用いたヘッドであり、図5(A)に示すように本体90のインク吐出面20Pには、複数のノズル91が形成されている。これらのノズル91に対してそれぞれピエゾ素子PZTが設けられている。
【0042】
図5(B)に示すようにピエゾ素子PZTは、ノズル91とインク室93に対応して配置されている。そして、このピエゾ素子PZTに対して図5(C)に示すように印加電圧Vhを印加し、図5(D),図5(E)及び図5(F)に示すようにして、ピエゾ素子PZTを矢印Q方向に伸縮させることで、インクを加圧して所定量のインク滴をノズル91から吐出させるようになっている。
【0043】
図4の記録ヘッド7は、インク供給部97に接続されており、このインク供給部97からインクが図5(B)のインク室93に供給される。インク供給部97には、温度計96と粘度計95が接続されている。温度計96と粘度計95は、インク供給部97内に収容されているインクの温度および粘度を計測して、そのインクの状態のフィードバック信号S1,S2としてインク管理コントローラ98に供給する。
【0044】
インク管理コントローラ98は、インクの状態のフィードバック信号S1,S2に基づいて、コンピュータ34に対してインクの温度や粘度の状態を制御用の情報として与える。コンピュータ34は、制御盤80を通して、ピエゾ素子駆動回路101に対してピエゾ素子駆動信号S3を送る。ピエゾ素子駆動回路101は、このピエゾ素子駆動信号S3に基づいて、図5(B)のピエゾ素子PZTに対してその時のインクの温度や粘度に応じた印加電圧Vhを供給することで、インクの温度や粘度に応じてノズル91から所定量のインク滴を吐出することができる。
【0045】
図6は、図4のピエゾ素子駆動回路101の電気的な構成例を示す回路図であり、図7は、図6のロジック27の電気的な構成例を示す回路図である。
ピエゾ素子駆動回路101は、駆動波形生成回路15、ピエゾ素子PZT、アナログスイッチ・ドライバ29、ロジック27、上位ラッチ23、下位ラッチ25、上位シフトレジスタ19及び下位シフトレジスタ21を有する。
【0046】
駆動波形生成回路15は、所定のラッチ信号LATCHが入力されている。このラッチ信号LATCHは、記録ヘッド7の例えば180個のノズルに対応するピエゾ素子PZTを駆動するか否かを選択する後述するゲート信号SIHおよびSILをラッチするため、および、ピエゾ素子PZTに駆動波形COMを印加するためのトリガ信号である。また、駆動波形生成回路15は、駆動波形COMをアナログスイッチ・ドライバ29、および駆動波形COMの一部を示す第1の選択信号V1〜V3をそれぞれロジック27に出力している。
【0047】
また、上位シフトレジスタ19には、クロック信号SCLKによって同期を取りつつ例えば180個のノズルに接続されるピエゾ素子PZTを駆動するか否かをそれぞれ選択するための180ビットの第2の選択信号SIHが入力されている。一方、下位シフトレジスタ21には、クロック信号SCLKによって同期を取りつつ例えば180個のノズルに接続されるピエゾ素子PZTを駆動するか否かをそれぞれ選択するための180ビットの第3の選択信号SILが入力されている。
【0048】
上位ラッチ23及び下位ラッチ25は、それぞれ少なくとも180ビットのデータを記録する機能を有する。これらの上位ラッチ23及び下位ラッチ25には、それぞれ上記ラッチ信号LATCHが入力されている。上位ラッチ23は、このラッチ信号LATCHに同期して上位シフトレジスタ19からの第2の選択信号SIHを第2の選択信号SHとしてラッチすることができる。一方、下位ラッチ25は、このラッチ信号LATCHに同期して下位シフトレジスタ21からの第3の選択信号SILを第3の選択信号SLとしてラッチすることができる。
【0049】
また、ロジック27は、所定のタイミングで、上位ラッチ23の第2の選択信号SHを第2の選択信号DHとして取得するとともに、下位ラッチ25の第3の選択信号SLを第3の選択信号DLとして取得する。ロジック27は、例えば180個ある内の1つのピエゾ素子PZTあたり図7に示すような構成である。つまり、図7のロジック27は、1つのピエゾ素子PZTに対し3ビットで構成される第1の選択信号V1〜V3、それぞれ1ビットの第2の選択信号DH、およびそれぞれ1ビットの第3の選択信号DLをアナログスイッチ・ドライバ29のゲート信号として駆動波形COMの印加により駆動するか否かを選択する機能を有する。
従って、例えば180個のピエゾ素子PZTは、例えば少なくとも合計360ビットの選択信号DH,DLによって適切に駆動される。
【0050】
図8(A)〜図8(B)は、それぞれ図7のロジック27の動作例を示す図である。
図8(A)は、図7の駆動波形COMとしての第1の駆動波形COM1〜第3の駆動波形COM3により基板13にそれぞれ形成されるインク滴I1〜I3の一例を示している。インク滴I1〜I3は、駆動電圧の大きさによって、径の大きさが決まることがわかる。
【0051】
この実施形態では、一例としてインク滴が最適な重量となるノズルの標準的な駆動電圧の第2の駆動波形COM2に対して、第1の駆動波形COM1は、ノズルの標準的な駆動電圧に対して例えば110%(+10%)の駆動電圧に設定されており、第3の駆動波形COM3は、ノズルの標準的な駆動電圧に対して例えば90%(ー10%)の駆動電圧に設定されている。従って、第1の駆動波形COM1は、第2の駆動波形COM2により形成されるインク滴I2と比較して、径の大きなインク滴I1を形成することができる。また、第3の駆動波形COM3は、第2の駆動波形COM2により形成されるインク滴I2と比較して、径の小さなインク滴I3を形成することができる。
【0052】
また、記録ヘッドのノズルからインク滴I1を基板13に吐出するための1つの条件としては、例えば図8(B)に示すように第1の選択信号V1〜V3がそれぞれ「0」、「0」及び「1」であり、且つ第2の選択信号DHが「1」であり、第3の選択信号DLが「1」であることである。
【0053】
すなわち、第1の選択信号V1〜V3および第2、第3の選択信号DH、DLの組み合わせにより、図7に示す3入力1出力NOR回路28によってアナログスイッチ・ドライバ29のゲートが開閉し、選択された駆動波形COMがピエゾ素子PZTに印加される。
【0054】
次に、駆動波形COMについて説明する。
図9は、図6の駆動波形COMの一例を示す図であり、図10(A)は、図9の駆動電圧Vを変化させた場合におけるインク滴の重量等の一例を示す図であり、図10(B)は、図10(A)の駆動電圧Vに対するインク滴の重量の一例を示す図である。ここで、図10(A)は、気温22.9℃の雰囲気中で50000ショットのインク滴を基板13に着弾させ緑色の画素PGを基板13に形成した場合を例示している。
【0055】
図9に示すように駆動波形COMの駆動波形としては、第1の駆動波形COM1、第2の駆動波形COM2及び第3の駆動波形COM3の3つを例示している。尚、この駆動波形は、3種類に限られない。第1の駆動波形COM1は最高電圧Vhmaxであり、第2の駆動波形COM2は最高電圧Vhであり、第3の駆動波形COM3は最高電圧Vhminである。ここで、第2の駆動波形COM2は、標準的な駆動電圧の駆動波形であるものと設定する。従って、上述のように、第1の駆動波形COM1は、この標準的な駆動波形より高い電圧で駆動し、第3の駆動波形COM3は、この標準的な駆動波形より低い電圧で駆動することになる。第1の駆動波形COM1は、インク滴の液滴量が標準的なインクの液滴量より少ない場合に選択される。一方、第3の駆動波形COM3は、インク滴の液滴量が標準的なインクの液滴量より多い場合に選択される。
【0056】
図10(A)を参照すると、駆動電圧Vが変化すると吐出されるインク滴の重量が変化していることがわかる。この特性を図示すると、図10(B)に示すようになる。ノズルから吐出されるインク滴の重量は、駆動電圧Vにほぼ比例している。
【0057】
従って、各駆動波形を選択することにより基板13に着弾するインクの液滴は、図11(A)に示す各駆動波形のいずれかを選択してノズルを駆動することにより、基板13には、第1の駆動波形COM1選択時の吐出滴I1〜第3の駆動波形COM3選択時の吐出滴I3に示すようになる。尚、この説明では、一例として第1の吐出タイミングTi1〜第8の吐出タイミングTi8にてそれぞれ8個のインク滴を基板13に吐出することで1画素を形成するものとして説明している。
【0058】
次に、図1〜図11を参照しつつ、フィルタの製造方法の一例について説明する。
図12は、フィルタの製造方法の一例を示すフローチャートである。
【0059】
計測ステップ
まず、ステップST1では、図3の記録ヘッド7の全てのノズルN1〜N180からそれぞれ吐出されるインク滴の重量(液滴量)を測定する。図13は、各ノズルから吐出されるインク滴重量の測定値の一例を示したものである。図13に示すように、インク滴の吐出重量は、概ね平均値に対し20%ほどのばらつきがあることが多く、特にノズル両端部において吐出量が増加する傾向にある。
【0060】
選択ステップ
次に、選択ステップでは、各画素Pを形成するインク滴の合計液滴量がほぼ一定量となるように、各前記ノズルN1〜N180を複数回それぞれ駆動するノズルの駆動波形を、予め用意した複数の異なるノズルの駆動波形から選択する。具体的には、図12のステップST2では、測定された全てのノズルN1〜N18からそれぞれ吐出されるインク滴の重量から平均値を求める。
【0061】
また、ステップST2では、このインク滴の重量の平均値の液滴量のインク滴を吐出するための図9の駆動電圧Vhを求め、第2の駆動波形COM2を設定する。そして、ステップST2では、図9の第2の駆動波形COM2を考慮して第1の駆動波形COM1及び第3の駆動波形COM3を設定する。そして、ステップST2では、例えば8滴のインク滴の重量が本来あるべき重量となるように、各ノズル毎にインク滴の1滴ずつ第1の駆動波形COM1〜第3の駆動波形COM3を図14に示すように組み合わせる。
【0062】
従って、記録ヘッド7の1つのノズルにおける8滴のインク滴の合計が108.9〜110.0%の場合には、例えば1滴目〜7滴目がそれぞれー10%(第3の駆動波形COM3)、8滴目が標準(第2の駆動波形COM2)となるように各駆動波形を組み合わせる。このようにすると、記録ヘッド7のこのノズルから吐出される8滴のインク滴の重量(調整予定量)は、91.3%となる。従って、記録ヘッド7は、選択した8滴のインク滴を重ねることで、インク滴の合計液滴量の目標量としての調整予定量を約1.25〜2.5%単位で設定することができるようになる。
【0063】
そして、図3の記録ヘッド7の全てのノズルN1〜N180は、図15に示すようにそれぞれ補正されず実際に吐出されてしまうインク滴の液滴量(測定重量)が、補正後重量に示すように7.6ngに安定するように補正される。
【0064】
画素形成ステップ
画素形成ステップでは、選択したノズルの駆動波形に基づいて各ノズルをそれぞれ複数回駆動し、各ノズルによって各画素をそれぞれ形成する。以下具体的に、図1〜図15を参照しつつ説明する。
【0065】
図16(A)〜図16(D)及び図17(A)〜図17(D)は、それぞれカラーフィルタ11の製造工程の一例を示す断面図である。
以下の説明では、代表として記録ヘッド7のノズルN1からのインク滴によって画素を基板13に形成する一例を説明する。
【0066】
図16(A)に示すように、基板13にはバンク39等によって受容層31が形成されている。記録ヘッド7は、基板13に対して相対的にヘッド走査方向HDに移動しながら、図16(A)〜図16(D)に示すように受容層31に、上述のようにそれぞれ設定した例えば8滴のインク滴を吐出する。基板13に着弾したインク滴Iは、図16(D)に示すように中央部がややふくらんで受容層31に収容されている。このインク滴Iは、例えば図17(A)に示すように乾燥工程によって乾燥され、ほぼ一定の厚みとなる。そして、基板13には、画素Pを覆うように保護膜35が成膜される。
【0067】
次に、保護膜35上には、図17(C)に示すように透明電極37が形成される。そして、この透明電極37は、図17(D)に示すように画素Pの上部に位置する場所を残して除去される。このようにして、図2のカラーフィルタ11が完成する。
【0068】
本発明の好ましい実施形態によれば、このように調整した記録ヘッド7を使用して基板13にインク滴でなる画素Pを形成すると、製造されるカラーフィルタ11は、画素ムラが少なくなる。従って、記録ヘッド7の1回の走査により基板13にムラの少ない画素Pを容易且つ高速に形成することで生産性を向上することができる。
【0069】
変形例
図18は、本発明の好ましい実施形態としてのフィルタの製造方法の変形例を示す平面図である。各インク滴Iの周囲に引かれた点線は、インク滴Iの広がる範囲の一例を示している。
【0070】
記録ヘッド7は、上記画素形成ステップにて、予め用意した複数の異なるノズルの駆動波形毎にそれぞれ駆動波形生成回路を構成し、選択された駆動波形に基づいて同一のタイミングでノズルが駆動されるようにしても良い。つまり、第1の吐出タイミングTi1〜第8の吐出タイミングTi8において、例えば180個のそれぞれのノズル毎に第1の駆動波形COM1〜第3の駆動波形COM3のいずれかを選択して吐出するようにしても良い。
【0071】
図19は、図4のピエゾ素子駆動回路101aの構成例を示す回路図であり、図20は、図19のロジック27aの構成例を示す回路図である。尚、図19は、図18に示すように記録ヘッド7を駆動するための回路図を示している。
【0072】
図19のピエゾ素子駆動回路101aは、図6のピエゾ素子駆動回路101とほぼ同様の構成及び機能であるので、異なる点を中心として説明する。
ピエゾ素子駆動回路101aでは、予め用意した複数の異なるノズルの駆動波形から選択された駆動波形により、同一タイミングで各ノズルが駆動されるようにするため第1の駆動波形生成回路15a〜第3の駆動波形生成回路15cが設けられている。第1の駆動波形生成回路15a〜第3の駆動波形生成回路15cは、それぞれ第1の駆動波形COM1〜第3の駆動波形COM3を生成する機能を有する。ロジック27aは、図20に示すように選択信号DH,DLに基づいて、第1の駆動波形COM1〜第3の駆動波形COM3から選択した駆動波形に基づいてアナログスイッチ・ドライバ29a〜アナログスイッチ・ドライバ29cのいずれかを選択し、駆動するようになっている。従って、記録ヘッド7は、図18に示すように1つの吐出周期T毎に、例えば第1の駆動波形COM1に基づいてインク滴Iを吐出タイミングTi1にて吐出することができる。
【0073】
この変形例によれば、例えば8滴のインク滴により画素内にインクを吐出する場合において吐出タイミングを1/3回にすることが可能となり、同一駆動周波数にて吐出を行った場合には記録ヘッド7の基板13に対する移動速度を3倍とすることができ、生産性を更に向上させることができる。また、吐出タイミングを同一とした場合には、1つの画素に吐出する間隔を狭くすることができ、より高精細なカラーフィルタに対応することができる。
【0074】
本発明は、上記実施の形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
【0075】
例えば、記録ヘッド7は、基板13に対して移動しても良いし、固定された記録ヘッド7に対して基板13が移動するようにしても良いことはいうまでもない。つまり、記録ヘッド7は、基板13に対して相対的に走査しながら基板13にインク滴を吐出する構成であれば良い。
【0076】
また、上記実施形態では、RGB3色からなるカラーフィルタを例として説明したが、これに限られず、モノカラー、または2色、あるいは他の複数色のカラーフィルターに本発明を適用することもできる。
【0077】
上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
【0078】
本発明のフィルタの製造方法は、液晶表示用のカラーフィルタの製造に限定されるものではなく、例えば、EL(エレクトロルミネッセンス)表示素子の製造に適用することも可能である。EL表示素子は、蛍光性の無機及び有機化合物を含む薄膜を、陽極と陰極とで挟んだ構成を有し、この薄膜に電子及び正孔(ホール)を注入して再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して発光させる素子である。このようなEL表示素子に用いられる蛍光性材料のうち、赤・緑および青色の発光色を呈する材料を、本発明の製造方法を用いてTFT等の素子基板上にインクジェットパターニングすることで、自発光フルカラーEL表示素子を製造することができる。本発明におけるフィルタの範囲には、このようなEL表示素子の基板を含むものである。
【0079】
そして、本発明のフィルタの製造方法を用いて製造したEL表示素子は、セグメント表示や全面同時発光の静止画表示、例えば絵、文字、ラベル等といったローインフォメーション分野への応用、または、点、線、面形状をもった光源としても使用することができる。さらに、パッシブ駆動の表示素子をはじめ、TFT素子等のアクティブ素子を駆動に用いることで、高輝度で応答性に優れたフルカラー表示素子を得ることができる。
【0080】
また、上記実施形態の記録ヘッド7は、R、G、Bの内の1つの種類のインクを吐出することができるようになっているが、この内の2種類或いは3種類のインクを同時に吐出することも可能である。
【0081】
【発明の効果】
この発明によれば、記録ヘッドが1回基板を走査することで高速にムラの少ない複数の画素を基板に形成することで生産性を向上することができるフィルタの製造方法および色ムラの少ないフィルタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルタが配列する基板の構成例を示す平面図。
【図2】図1の基板から製造されたフィルタの一部の構成例を示す平面図。
【図3】本発明の好ましい実施形態としてのフィルタの製造方法によりカラーフィルタが製造される様子の一例を示す平面図。
【図4】コンピュータと制御盤及び各種制御対象等を示す図。
【図5】記録ヘッドの構成例を示す図。
【図6】図4のピエゾ素子駆動回路の電気的な構成例を示す回路図。
【図7】図6のロジックの電気的な構成例を示す回路図。
【図8】図7のロジックの動作例を示す図。
【図9】図6の駆動波形の一例を示す図。
【図10】図9の駆動電圧を変化させた場合におけるインク滴の重量等の一例を示す図及び、電圧に対するインク滴の重量の一例を示す図。
【図11】駆動波形の一例を示す図。
【図12】フィルタの製造方法の一例を示すフローチャート。
【図13】記録ヘッドにおける各ノズル毎が吐出するインク滴の液滴量のバラツキの一例を示す図。
【図14】選択した駆動波形によってノズルを駆動することで複数回インク滴を吐出し、画素を形成した場合におけるインク滴の合計インク量の一例を示す図。
【図15】記録ヘッドの各ノズル毎に吐出するインク滴の液滴量の一例を示す図。
【図16】カラーフィルタの製造工程の一例を示す断面図。
【図17】カラーフィルタの製造工程の一例を示す断面図。
【図18】本発明の好ましい実施形態としてのフィルタの製造方法の変形例を示す平面図。
【図19】変形例のピエゾ素子駆動回路の電気的な構成例を示す回路図。
【図20】図19のロジックの電気的な構成例を示す回路図。
【符号の説明】
7 ヘッド(記録ヘッド)
11 カラーフィルタ(フィルタ)
13 基板
91 ノズル
COM1 第1の駆動波形
COM2 第2の駆動波形
COM3 第3の駆動波形
I インク滴
P 画素
PB 画素
PG 画素
PR 画素

Claims (9)

  1. 駆動波形を印加することで複数のノズルからインク滴を吐出する記録ヘッドによって、前記複数のノズルから前記インク滴を基板に対して複数回吐出することにより前記基板に複数の画素を形成することでフィルタを製造するフィルタの製造方法であって、
    前記各ノズルによって前記各画素をそれぞれ形成する際に、前記各画素に対して吐出される複数の前記インク滴の合計液滴量がそれぞれの前記各画素において略一定量となるように、前記複数のノズルの吐出タイミング毎に前記複数のノズルを駆動する予め用意した複数の異なる駆動波形から選択し、選択された駆動波形を印加することで前記複数のノズルから前記インク滴を吐出し、前記各ノズルにおける複数のインク滴の合計液滴量を目標量とすることを特徴とするフィルタの製造方法。
  2. 前記複数のノズルは、前記予め用意された前記複数の異なる駆動波形から前記各ノズルに対して選択された同一の駆動波形毎に異なるタイミングで駆動されることを特徴とする請求項1に記載のフィルタの製造方法。
  3. 前記複数のノズルは、前記予め用意された前記複数の異なる駆動波形から前記各ノズルに対して選択された駆動波形により同一のタイミングで駆動されることを特徴とする請求項1に記載のフィルタの製造方法。
  4. インク滴を吐出する複数のノズルを備える記録ヘッドによって、前記複数のノズルから前記インク滴を基板に対して複数回吐出することにより前記基板に複数の画素を形成することでフィルタを製造するフィルタの製造方法であって、
    前記記録ヘッドの前記複数のノズルから吐出されるインク滴の液滴量を計測する計測ステップと、
    前記各画素を形成する複数の前記インク滴の合計液滴量がほぼ一定量となるように、前記各ノズルを複数回それぞれ駆動する前記ノズルの駆動波形を、予め用意した複数の異なる前記ノズルの駆動波形から選択する選択ステップと、
    選択した前記ノズルの駆動波形に基づいて、前記記録ヘッドの各前記ノズルをそれぞれ複数回駆動し、前記各ノズルによって前記各画素をそれぞれ形成する画素形成ステップと、
    を有することを特徴とするフィルタの製造方法。
  5. 前記画素形成ステップでは、前記予め用意した複数の異なる前記ノズルの駆動波形毎に異なるタイミングで前記ノズルが駆動されることを特徴とする請求項4に記載のフィルタの製造方法。
  6. 前記画素形成ステップでは、前記予め用意した複数の異なる前記ノズルの駆動波形毎に基づいて、同一のタイミングで前記ノズルが駆動されることを特徴とする請求項4に記載のフィルタの製造方法。
  7. 複数の異なる前記ノズルの駆動波形としては、
    前記ノズルの標準的な駆動電圧に対して略110%の駆動電圧の第1の駆動波形と、
    前記ノズルの標準的な駆動電圧の第2の駆動波形と、
    前記ノズルの標準的な駆動電圧に対して略90%の駆動電圧の第3の駆動波形と、
    が予め用意されていることを特徴とする請求項4ないし請求項5のいずれかに記載のフィルタの製造方法。
  8. 前記基板には、各前記ノズルから複数回吐出される前記インク滴を収容する受容層が設けられていることを特徴とする請求項4ないし請求項7のいずれかに記載のフィルタの製造方法。
  9. 前記記録ヘッドは、前記基板に対して相対的に走査しながら前記基板に前記インク滴を吐出することを特徴とする請求項4から請求項8のいずれかに記載のフィルタの製造方法。
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