以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、フィルタ11が配列された基板13の構成例を示す平面図であり、図2は、図1の基板13から製造されるフィルタ11の一部の構成例を示す平面図である。
基板13は、後述するフィルタ11の基材である。本実施の形態の基板13は、長手方向の一辺が例えば470mmであり、もう一辺が例えば370mmである。また、基板13は、透明基板であり、適度の機械的強度を有する一方で、光透過性が高い。具体的には、基板13としては、例えば透明ガラス基板、アクリルガラス、プラスチック基板、プラスチックフィルム及びこれらの表面処理品等が適用できる。
本実施の形態のフィルタ11は、複数色の画素が形成されたカラーフィルタである。具体的には、図2に示すように、カラーフィルタ11には、例えば赤色の画素PR、青色の画素PB及び緑色の画素PGが形成されている。以下の説明では、これらの画素PR、PB及びPGを総称して、画素Pとも呼ぶ。
このカラーフィルタ11は、表示装置として例えば液晶ディスプレイに使用される、画素PR、PB及びPGがデルタ状に配置されたデルタタイプである。もっとも、カラーフィルタ11は、画素PR、PB及びPGがストライプタイプやモザイクタイプに配置されていても良い。デルタタイプのカラーフィルタ11では、基板13の表面上に形成された画素PR、PB及びPGのすべてがデルタ状に配置されており、デルタタイプのカラーフィルタ11を採用する液晶ディスプレイは、一般的に動画を表示するのに適している。
図3は、本発明の好ましい実施の形態としてのフィルタ製造装置(液体噴射装置の一例)によってカラーフィルタ11が製造される様子を示す平面図である。図3の紙面は、基板13を示している。紙面に垂直な方向に、基板13に対して所定の間隔を保持するように、ヘッド7が設けられている。このヘッド7(記録ヘッド)には、基板13と対向する面に、インク滴を吐出する例えば180個のノズルN1〜N180(図5では符号91)が設けられている。
このヘッド7は、いわゆるインクジェット方式を採用する記録ヘッドである。ヘッド7は、基板13に対して、ヘッド走査方向HDに相対的に走査できるようになっている。すなわち、このヘッド7は、基板13に対してヘッド走査方向HDに相対的に走査されつつ、基板13に対してインク滴を吐出し、当該基板13に当該インク滴でなる画素PRを形成するように構成されている。
また、記録ヘッド7は、画素配列方向GHにも相対的に移動することができ、画素PRと同様に画素PB及び画素PGをもそれぞれ形成できるようになっている。
次に、本発明の一実施の形態であるカラーフィルタ11の製造装置2000について説明する。
図4は、カラーフィルタ製造装置2000の構成の概略を示している。コンピュータ34は、ベース12側の制御盤80に接続されている。制御盤80は、ベース12の中に配置されており、その制御盤80に対して第1移動手段14(リニアモータ)、第2移動手段16(リニアモータ)及びθ軸用のモータ44が接続されている。また、記録ヘッド7の移動に関連するモータ62,64,66,68が、制御盤80に接続されている。第1移動手段14及びθ軸モータ44は、制御盤80からの指令により作動して、カラーフィルター製造用の基板13を搭載したテーブル46を記録ヘッド7に対して相対的にY軸方向に移動し、かつ、θ方向にインデックスする。
第2移動手段16と記録ヘッド7の移動に関連する4つのモータ62,64,66,68とは、制御盤80からの指令により作動して、例えば記録ヘッド7をテーブル46の上の基板13に対して姿勢制御したり、移動させるようになっている。また、基板給排出手段であるロボット74は、コンピュータ34の指令により動作制御され得る。
次に、記録ヘッド7の構造例について、図4及び図5を参照して説明する。記録ヘッド7は、例えば、ピエゾ素子(圧電素子)を用いたヘッドである。図5(A)に示すように、本体90のインク吐出面20Pに、複数のノズル91が形成されている。これらのノズル91に対して、それぞれピエゾ素子PZTが設けられている。
図5(B)に示すように、各ピエゾ素子PZTは、ノズル91及びインク室93に対応して配置されている。このピエゾ素子PZTに対して、図5(C)に示すように、印加電圧Vhを有するパルス波形が印加されると、図5(D),図5(E)及び図5(F)に示すように、ピエゾ素子PZTが矢印Q方向に伸縮して、インクが加圧されて所定量のインク滴がノズル91から吐出されるようになっている。
図4の記録ヘッド7は、インク供給部97に接続されている。インク供給部97から、図5(B)のインク室93にインクが供給される。インク供給部97には、温度計96と粘度計95とが接続されている。温度計96及び粘度計95は、インク供給部97内に収容されているインクの温度および粘度を計測し、そられの計測値を当該インクの状態に関するフィードバック信号S1,S2としてインク管理コントローラ98に供給するようになっている。
インク管理コントローラ98は、インクの状態に関する前記フィードバック信号S1,S2に基づいて、コンピュータ34に対して、インクの温度や粘度の状態を制御用の情報として与える。コンピュータ34は、制御盤80を通して、ピエゾ素子駆動回路101に対してピエゾ素子駆動信号S3を送る。ピエゾ素子駆動回路101は、このピエゾ素子駆動信号S3に基づいて、図5(B)のピエゾ素子PZTに対して、その時のインクの温度や粘度に応じて決定される波形パルス(例えば印加電圧Vhの大きさがその時のインクの温度や粘度に応じて決定されてもよいし、波形パルスの波形自体が変更されてもよい)を供給する。これにより、インクの温度や粘度に応じて、ノズル91から所望量のインク滴を吐出することができる。
もっとも、波形パルス(例えば印加電圧Vhを有する)をこのように全ノズルに一律に適用できるのは、各ノズル(ノズル開口)のインク滴吐出特性に「ばらつき」が無い場合に限られ、通常は、各ノズルのインク滴吐出特性の「ばらつき」を補償するべく、各ノズル毎に、与えられる波形パルスが調整されることが必要となる。本実施の形態では、その目的のために、それぞれ3種類の波形パルスを有する2つの吐出駆動信号を用意している。
図6は、本実施の形態で用いられる2つの吐出駆動信号を示す概略図である。ここでは、1つの画素を形成するために、13.33ng(所定の設計重量)のインク滴が3回吐出されるものとする(13.33ng×3=40ngのインクによって1画素が形成される)。
第1吐出駆動信号COM1と第2吐出駆動信号COM2とは、同一の周期を有する周期信号であり、図6にはそれぞれの一周期が図示されている。第1吐出駆動信号COM1は、一周期中において、それぞれ吐出量の異なるパルス波形である、第1の1パルス波形COM1−1と、第1の2パルス波形COM1−2と、第1の3パルス波形COM1−3と、を有している。もっとも、その他に印字内微振動パルス等が設けられていてもよい(これは、以降の実施の形態に共通して言えることである)。
第1の1パルス波形COM1−1は、仮想的な設計上のノズル開口に対して13.33ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である13.33ngに0.20ng(第1単位差分重量)を加えた13.53ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第1の2パルス波形COM1−2は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して13.33ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である13.33ngに0.40ng(第1単位差分重量の2倍)を加えた13.73ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第1の3パルス波形COM1−3は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して13.33ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である13.33ngに0.80ng(第1単位差分重量の4倍)を加えた14.13ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
一方、第2吐出駆動信号COM2は、一周期中において、それぞれ吐出量の異なるパルス波形であって第1吐出駆動信号COM1の各駆動パルスの吐出量とも異なる、第2の1パルス波形COM2−1と、第2の2パルス波形COM2−2と、第2の3パルス波形COM2−3と、を有している。もっとも、その他に印字内微振動パルス等が設けられていてもよい(これは、以降の実施の形態に共通して言えることである)。
第1吐出駆動信号COM1は、一周期中において、それぞれ吐出量の異なるパルス波形である複数の駆動パルスを有し、第2吐出駆動信号COM2は、一周期中において、それぞれ吐出量の異なるパルス波形であって第1吐出駆動信号COM1の各駆動パルスの吐出量とも異なる複数の駆動パルスを有するが、このことは、以降の全ての実施の形態においで共通する。
第2の1パルス波形COM2−1は、仮想的な設計上のノズル開口に対して13.33ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である13.33ngから0.20ng(第2単位差分重量)を減じた13.13ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第2の2パルス波形COM2−2は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して13.33ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である13.33ngから0.40ng(第2単位差分重量の2倍)を減じた12.93ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第2の3パルス波形COM2−3は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して13.33ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である13.33ngから0.80ng(第2単位差分重量の4倍)を減じた12.53ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
なお、本実施の形態では、第1単位差分重量=第2単位差分重量=0.20ngであるが、これは13.33ngの1.5%に相当する。
図7は、図4のピエゾ素子駆動回路101(駆動信号発生手段及び駆動パルス生成手段)の電気的な構成例を示す回路図である。ピエゾ素子駆動回路101は、第1吐出駆動信号生成回路15a、第2吐出駆動信号生成回路15b、ピエゾ素子PZT、アナログスイッチ・ドライバ29、ロジック27、第1ラッチ23a、第2ラッチ23b、第3ラッチ23c、第4ラッチ23d、第1シフトレジスタ19a、第2シフトレジスタ19b、第3シフトレジスタ19c、第4シフトレジスタ19dを有する。
第1吐出駆動信号生成回路15aは、図6に示す第1吐出駆動信号COM1を生成するようになっており、第2吐出駆動信号生成回路15bは、図6に示す第2吐出駆動信号COM2を生成するようになっている。
ロジック27は、この場合4ビットからなる選択信号(選択階調データ)D1〜D4に基づいて、アナログスイッチ・ドライバ29を動作させる。具体的には、まず、1ビット目の選択信号D1の1/0によって、インク滴の吐出/非吐出が決定される。選択信号D1が0(非吐出)であれば、2ビット目以後の選択信号D2〜D4は、意味をなさない。一方、選択信号D1が1(吐出)である時、2ビット目の選択信号D2の1/0によって、第1の1パルス波形COM1−1と第2の1パルス波形COM2−1との一方が、駆動パルスの一部として選択される(例えば「1」の時にCOM1−1が選択され、「0」の時にCOM2−1が選択される)。同様に、3ビット目の選択信号D3の1/0によって、第1の2パルス波形COM1−2と第2の2パルス波形COM2−2との一方が、駆動パルスの一部として選択される。同様に、4ビット目の選択信号D4の1/0によって、第1の3パルス波形COM1−3と第2の3パルス波形COM2−3との一方が、駆動パルスの一部として選択される。
すなわち、ロジック27及びアナログ・スイッチドライバ29は、第1の1パルス波形COM1−1と第2の1パルス波形COM2−1とについてその一方のみを駆動パルスの一部として選択し、第1の2パルス波形COM1−2と第2の2パルス波形COM2−2とについてその一方のみを駆動パルスの一部として選択し、第1の3パルス波形COM1−3と第2の3パルス波形COM2−3とについてその一方のみを駆動パルスの一部として選択するようになっている。
なお、第1吐出駆動信号生成回路15a及び第2吐出駆動信号生成回路15bには、所定のラッチ信号LATCHが入力される。このラッチ信号LATCHは、記録ヘッド7の例えば180個のノズルの各々に対応するピエゾ素子PZTに対する選択階調データD1〜D4をラッチしたり、ピエゾ素子PZTに各パルス波形(駆動パルス)を所望のタイミングで印加するためのトリガ信号としても利用される。また、図中、SCLKはクロック信号であるが、それについての詳細な説明は省略する。
以上のような本実施の形態によれば、図8に示すように、各吐出駆動信号COM1、COM2の一周期中において、最大で、仮想的な設計上のノズル開口から、40ng+0.20ng(1.5%:COM1−1)+0.40ng(3%:COM1−2)+0.80ng(6%:COM1−3)=41.4ngの重量のインク滴を吐出することができ、一方、最小で、仮想的な設計上のノズル開口から、40ng−0.20ng(COM2−1)−0.40ng(COM2−2)−0.80ng(COM2−3)=38.6ngの重量のインク滴を吐出することができるのである。
従って、図8に示すように、仮想的な設計上のノズル開口に対して13.33ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形を基準パルスとして、当該基準パルスによって実際に吐出されたインク滴の重量を各ノズル毎に測定して得られるノズル毎重量偏差に関して、実際に吐出されるインク滴の重量誤差を±1%以内に抑えようとした時でも、−4.3%((100−4.3)%×103.5%≒99%)〜+4.7%((100+4.7)%×96.5%≒101%)という広い範囲で補償することが可能なのである。
すなわち、本実施の形態によれば、2つの吐出駆動信号COM1、COM2に含まれるパルス波形の数は6であって、比較的少ないけれども、ノズル開口のインク滴の重量誤差について、より広範囲の補償を実現することができるのである。
ここで、フィルタの製造方法の一例について説明する。図9は、フィルタの製造方法の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップST1において、前記基準パルスを用いて、図3の記録ヘッド7の全てのノズルN1〜N180からそれぞれ吐出されるインク滴の重量(液滴量)を測定する。
次に、ステップST2において、各ノズル毎に、画素Pを形成するインク滴の合計液滴量がほぼ所定の設計重量となるように、図8に示された対応関係に基づいて採用されるべきパルス波形を特定し、それに応じた選択階調データD1〜D4が設定される。
そして、ステップST3において、実際の描画ルーチンが実施される。ここで、ステップST2にて設定された選択階調データD1〜D4に基づく階調制御により、吐出駆動信号COM1、COM2から適切なパルス波形が選択されて駆動パルスが形成されて各ノズルに対応するピエゾ素子PZTに適用されるため、吐出されるインク重量に関する誤差を極めて小さく抑えることができるのである。
更に、本実施の形態では、吐出データに基づいて得られる同時使用のノズル開口の数をも考慮するようになっている。すなわち、図10に示すように、大きな描画領域であっても、端部を描画する際には一部のノズル開口しか使用されない。本件発明者は、同時使用されるノズル開口の数に応じて、ノズル開口から吐出されるインク重量が変化することを知見している。
例えば、圧電素子を振動板に貼り付けた撓み振動タイプ(Bending Typeとも言われる)の圧力変動手段が用いられる際には、同時使用されるノズル開口の数に応じて、図11に示すように吐出されるインク重量が変化する。この理由としては、例えば、1ノズル単独使用の際には振動板の固定端になっている隣接圧力室間との隔壁が変形して振動板が変位するため変位の具合が比較的小さい一方で、周辺ノズルが多数同時に使用される際には当該隔壁が両側の振動板からも同一方向に力を受けるために振動板の変位効率が良くなる、ということが挙げられる。
あるいは、積層圧電素子で圧力室を外部から押して液体を吐出する縦振動タイプ(Pushing Typeとも言われる)の圧力変動手段が用いられる際には、図12に示すように吐出されるインク重量が変化する。
その他、同時使用のノズル開口数が多いと、駆動回路の特性が影響するということが考えられる。例えば、同時使用のノズル開口数が多いと、駆動電流が増大するため、負荷抵抗等によって駆動波形が鈍って、徐々に吐出重量が低下するということが起こり得る。
以上のような事を考慮して、本実施の形態では、吐出データに基づいて得られる同時使用のノズル開口の数に応じて、コンピュータ34または制御盤80によって構成される階調データ設定手段が、選択階調データD1〜D4の設定を補正できるようになっている。具体的には、例えば、圧電素子を振動板に貼り付けた撓み振動タイプの圧力変動手段が用いられる際には、図11を参照して、同時使用のノズル開口の数が2〜5個の場合には1%だけ吐出されるインク滴の重量が大きくなると想定できるため、各ノズル毎にステップST2で設定された選択階調データD1〜D4が対応する重量偏差に1%上乗せした重量偏差に対応するように、選択階調データが修正される。
同様に、同時使用のノズル開口の数が6〜10個の場合には2%だけ吐出されるインク滴の重量が大きくなると想定できるため、各ノズル毎にステップST2で設定された選択階調データD1〜D4が対応する重量偏差に2%上乗せした重量偏差に対応するように、選択階調データが修正される。同時使用のノズル開口の数が11〜15個の場合には3%だけ吐出されるインク滴の重量が大きくなると想定できるため、各ノズル毎にステップST2で設定された選択階調データD1〜D4が対応する重量偏差に3%上乗せした重量偏差に対応するように、選択階調データが修正される。同様に、同時使用のノズル開口の数が16〜20個の場合には4%だけ吐出されるインク滴の重量が大きくなると想定できるため、各ノズル毎にステップST2で設定された選択階調データD1〜D4が対応する重量偏差に4%上乗せした重量偏差に対応するように、選択階調データが修正される。同様に、同時使用のノズル開口の数が21〜100個の場合には4%だけ吐出されるインク滴の重量が大きくなると想定できるため、各ノズル毎にステップST2で設定された選択階調データD1〜D4が対応する重量偏差に5%上乗せした重量偏差に対応するように、選択階調データが修正される。同様に、同時使用のノズル開口の数が101〜180個の場合には4%だけ吐出されるインク滴の重量が大きくなると想定できるため、各ノズル毎にステップST2で設定された選択階調データD1〜D4が対応する重量偏差に4%上乗せした重量偏差に対応するように、選択階調データが修正される。
なお、ここでは、ノズル1個の単独使用の時に吐出されるインク滴の重量を100%として説明したが、図10から明らかなように、180個のノズルが同時に使用される場合がもっとも多いのであるから、180個のノズルが同時に使用される場合(104%)のインク滴の重量が所定の設計重量(13.33ng)に対応するように波形の設計がなされてもよい。あるいは、0〜5%という調整範囲を考慮して、102.5%のインク滴の重量が所定の設計重量に対応するように波形の設計がなされてもよい。
以上のように、本実施の形態によれば、同時使用のノズル開口の数をも考慮されるため、ノズル開口のインク滴の重量誤差の補償の精度がより一層高められる。
更に、図13に示すように、各ノズル開口毎に、当該ノズル開口の位置情報に基づいて、選択階調データD1〜D4の設定を補正できるようになっていることが好ましい。この場合、ノズル開口のインク滴の重量誤差の補償の精度が更に一層高められる。
同様に、図12に示すように、縦振動タイプ(Pushing Typeとも言われる)の圧力変動手段が用いられる際には、同時使用のノズル開口の数が2〜5個または86〜100個の場合には1%だけ吐出されるインク滴の重量が小さくなると想定できるため、各ノズル毎にステップST2で設定された選択階調データD1〜D4が対応する重量偏差を1%減少させた重量偏差に対応するように、選択階調データが修正される。
また、同時使用のノズル開口の数が6〜10個または76〜85個の場合には2%だけ吐出されるインク滴の重量が小さくなると想定できるため、各ノズル毎にステップST2で設定された選択階調データD1〜D4が対応する重量偏差から2%減少させた重量偏差に対応するように、選択階調データが修正される。同時使用のノズル開口の数が11〜15個または66〜75個の場合には3%だけ吐出されるインク滴の重量が小さくなると想定できるため、各ノズル毎にステップST2で設定された選択階調データD1〜D4が対応する重量偏差から3%減少させた重量偏差に対応するように、選択階調データが修正される。同様に、同時使用のノズル開口の数が16〜20個または61〜65個の場合には4%だけ吐出されるインク滴の重量が小さくなると想定できるため、各ノズル毎にステップST2で設定された選択階調データD1〜D4が対応する重量偏差から4%減少させた重量偏差に対応するように、選択階調データが修正される。同様に、同時使用のノズル開口の数が20〜25個または51〜60個の場合には5%だけ吐出されるインク滴の重量が小さくなると想定できるため、各ノズル毎にステップST2で設定された選択階調データD1〜D4が対応する重量偏差から5%減少させた重量偏差に対応するように、選択階調データが修正される。同様に、同時使用のノズル開口の数が25〜50個の場合には6%だけ吐出されるインク滴の重量が小さくなると想定できるため、各ノズル毎にステップST2で設定された選択階調データD1〜D4が対応する重量偏差から6%減少させた重量偏差に対応するように、選択階調データが修正される。
一方、同時使用のノズル開口の数が101〜120個の場合には1%だけ吐出されるインク滴の重量が大きくなると想定できるため、各ノズル毎にステップST2で設定された選択階調データD1〜D4が対応する重量偏差に1%上乗せした重量偏差に対応するように、選択階調データが修正される。同様に、同時使用のノズル開口の数が121〜130個の場合には2%だけ吐出されるインク滴の重量が大きくなると想定できるため、各ノズル毎にステップST2で設定された選択階調データD1〜D4が対応する重量偏差に2%上乗せした重量偏差に対応するように、選択階調データが修正される。同様に、同時使用のノズル開口の数が131〜180個の場合には3%だけ吐出されるインク滴の重量が大きくなると想定できるため、各ノズル毎にステップST2で設定された選択階調データD1〜D4が対応する重量偏差に3%上乗せした重量偏差に対応するように、選択階調データが修正される。
ここでは、ノズル1個の単独使用の時に吐出されるインク滴の重量を100%として説明したが、図10から明らかなように、180個のノズルが同時に使用される場合がもっとも多いのであるから、180個のノズルが同時に使用される場合(103%)のインク滴の重量が所定の設計重量(13.33ng)に対応するように波形の設計がなされてもよい。あるいは、−6〜3%という調整範囲を考慮して、98.5%のインク滴の重量が所定の設計重量に対応するように波形の設計がなされてもよい。
この場合でも、同時使用のノズル開口の数をも考慮されるため、ノズル開口のインク滴の重量誤差の補償の精度がより一層高められる。
また、この場合でも、各ノズル開口毎に、当該ノズル開口の位置情報に基づいて、選択階調データD1〜D4の設定を補正できるようになっていることが好ましい。この場合、ノズル開口のインク滴の重量誤差の補償の精度が更に一層高められる。
図14(A)〜図14(D)及び図15(A)〜図15(D)は、それぞれカラーフィルタ11の製造工程の一例を示す断面図である。以下では、記録ヘッド7のノズルN1からのインク滴によって画素が基板13に形成される例を説明する。
図14(A)に示すように、基板13にはバンク39等によって受容層31が形成されている。記録ヘッド7は、基板13に対して相対的にヘッド走査方向HDに移動されながら、図14(A)〜図14(D)に示すように、受容層31に3滴のインク滴を吐出する。基板13に着弾したこれらのインク(滴)Iは、図14(D)に示すように、中央部がややふくらんで受容層31に収容される。このインク(滴)Iは、例えば図15(A)に示すように乾燥工程によって乾燥され、ほぼ一定の厚みとなる。その後、基板13に、画素Pを覆うように、保護膜35が成膜される。
保護膜35上には、図15(C)に示すように、透明電極37が形成される。その後で、この透明電極37は、図15(D)に示すように、画素Pの上部に位置する場所を残して除去される。このようにして、図2のカラーフィルタ11が完成する。
図16に示す第2の実施の形態では、前記実施の形態と比較して、以下のように変更される。
第1の1パルス波形COM1−1は、仮想的な設計上のノズル開口に対して13.33ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である13.33ngに0.40ng(第1単位差分重量)を加えた13.73ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第1の2パルス波形COM1−2は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して13.33ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である13.33ngに0.80ng(第1単位差分重量の2倍)を加えた14.13ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第1の3パルス波形COM1−3は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して13.33ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である13.33ngに1.60ng(第1単位差分重量の4倍)を加えた14.93ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第2の1パルス波形COM2−1は、仮想的な設計上のノズル開口に対して13.33ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である13.33ngから0.40ng(第2単位差分重量)を減じた12.93ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第2の2パルス波形COM2−2は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して13.33ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である13.33ngから0.80ng(第2単位差分重量の2倍)を減じた12.53ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第2の3パルス波形COM2−3は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して13.33ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である13.33ngから1.60ng(第2単位差分重量の4倍)を減じた11.73ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
すなわち、本実施の形態では、第1単位差分重量=第2単位差分重量=0.40ngであり、これは13.33ngの3.0%に相当する。
以上のような第2の実施の形態によれば、図16に示すように、各吐出駆動信号COM1、COM2の一周期中において、最大で、仮想的な設計上のノズル開口から、40ng+0.40ng(3%:COM1−1)+0.80ng(6%:COM1−2)+1.60ng(12%:COM1−3)=42.8ngの重量のインク滴を吐出することができ、一方、最小で、仮想的な設計上のノズル開口から、40ng−0.40ng(COM2−1)−0.80ng(COM2−2)−1.60ng(COM2−3)=37.2ngの重量のインク滴を吐出することができるのである。
従って、図16に示すように、仮想的な設計上のノズル開口に対して13.33ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形を基準パルスとして、当該基準パルスによって実際に吐出されたインク滴の重量を各ノズル毎に測定して得られるノズル毎重量偏差に関して、実際に吐出されるインク滴の重量誤差を±2%以内に抑えようとした時でも、−8.4%((100−8.4)%×107.0%≒98%)〜+9.6%((100+9.6)%×93.0%≒102%)という広い範囲で補償することが可能である。
図17に示す第3の実施の形態では、前記第1の実施の形態と比較して、以下のように変更される。
本実施の形態では、1つの画素を形成するために、10.00ng(所定の設計重量)のインク滴が2回吐出されるものとする(10.00ng×2=20ngのインクによって1画素が形成される)。
本実施の形態においても、第1吐出駆動信号COM1と第2吐出駆動信号COM2とは同一の周期を有する周期信号であるが、本実施の形態の第1吐出駆動信号COM1は、一周期中において、第1の1パルス波形COM1−1と、第1の2パルス波形COM1−2と、を有している一方、第1の3パルス波形は有していない。
そして、第1の1パルス波形COM1−1は、仮想的な設計上のノズル開口に対して10.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である10.00ngに0.10ng(第1単位差分重量)を加えた10.10ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第1の2パルス波形COM1−2は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して10.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である10.00ngに0.20ng(第1単位差分重量の2倍)を加えた10.20ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
一方、第2吐出駆動信号COM2は、一周期中において、第2の1パルス波形COM2−1と、第2の2パルス波形COM2−2と、を有している一方、第2の3パルス波形は有していない。
そして、第2の1パルス波形COM2−1は、仮想的な設計上のノズル開口に対して10.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である10.00ngから0.10ng(第2単位差分重量)を減じた9.90ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第2の2パルス波形COM2−2は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して10.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である10.00ngから0.20ng(第2単位差分重量の2倍)を減じた9.80ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
なお、本実施の形態では、第1単位差分重量=第2単位差分重量=0.10ngであるが、これは10.00ngの1.0%に相当する。
本実施の形態では、ロジック27は、この場合3ビットからなる選択信号(選択階調データ)D1〜D3に基づいて、アナログスイッチ・ドライバ29を動作させる。具体的には、まず、1ビット目の選択信号D1の1/0によって、インク滴の吐出/非吐出が決定される。選択信号D1が0(非吐出)であれば、2ビット目以後の選択信号D2〜D3は、意味をなさない。一方、選択信号D1が1(吐出)である時、2ビット目の選択信号D2の1/0によって、第1の1パルス波形COM1−1と第2の1パルス波形COM2−1との一方が、駆動パルスの一部として選択される(例えば「1」の時にCOM1−1が選択され、「0」の時にCOM2−1が選択される)。同様に、3ビット目の選択信号D3の1/0によって、第1の2パルス波形COM1−2と第2の2パルス波形COM2−2との一方が、駆動パルスの一部として選択される。
以上のような第3の実施の形態によれば、図17に示すように、各吐出駆動信号COM1、COM2の一周期中において、最大で、仮想的な設計上のノズル開口から、20ng+0.10ng(1%:COM1−1)+0.20ng(2%:COM1−2)=20.30ngの重量のインク滴を吐出することができ、一方、最小で、仮想的な設計上のノズル開口から、20ng−0.10ng(COM2−1)−0.20ng(COM2−2)=19.70ngの重量のインク滴を吐出することができる。
従って、図17に示すように、仮想的な設計上のノズル開口に対して10.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形を基準パルスとして、当該基準パルスによって実際に吐出されたインク滴の重量を各ノズル毎に測定して得られるノズル毎重量偏差に関して、実際に吐出されるインク滴の重量誤差を±1%以内に抑えようとした時でも、−2.4%((100−2.4)%×101.5%≒99%)〜+2.6%((100+2.6)%×98.5%≒101%)という広い範囲で補償することが可能である。
図18に示す第4の実施の形態では、前記第1の実施の形態と比較して、以下のように変更される。
本実施の形態では、1つの画素を形成するために、10.00ng(所定の設計重量)のインク滴が4回吐出されるものとする(10.00ng×4=40ngのインクによって1画素が形成される)。
本実施の形態においても、第1吐出駆動信号COM1と第2吐出駆動信号COM2とは同一の周期を有する周期信号であるが、本実施の形態の第1吐出駆動信号COM1は、一周期中において、第1の1パルス波形COM1−1と、第1の2パルス波形COM1−2と、第1の3パルス波形COM1−3と、第1の4パルス波形COM1−4と、を有している。
そして、第1の1パルス波形COM1−1は、仮想的な設計上のノズル開口に対して10.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である10.00ngに0.20ng(第1単位差分重量)を加えた10.20ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第1の2パルス波形COM1−2は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して10.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である10.00ngに0.40ng(第1単位差分重量の2倍)を加えた10.40ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第1の3パルス波形COM1−3は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して10.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である10.00ngに0.80ng(第1単位差分重量の4倍)を加えた10.80ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第1の4パルス波形COM1−4は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して10.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である10.00ngに1.60ng(第1単位差分重量の8倍)を加えた11.60ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
一方、第2吐出駆動信号COM2は、一周期中において、第2の1パルス波形COM2−1と、第2の2パルス波形COM2−2と、第2の3パルス波形COM2−3と、第2の4パルス波形COM2−4と、を有している。
そして、第2の1パルス波形COM2−1は、仮想的な設計上のノズル開口に対して10.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である10.00ngから0.20ng(第2単位差分重量)を減じた9.80ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第2の2パルス波形COM2−2は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して10.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である10.00ngから0.40ng(第2単位差分重量の2倍)を減じた9.60ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第2の3パルス波形COM2−3は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して10.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である10.00ngから0.80ng(第2単位差分重量の4倍)を減じた9.20ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第2の4パルス波形COM2−4は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して10.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である10.00ngから1.60ng(第2単位差分重量の8倍)を減じた8.40ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
なお、本実施の形態では、第1単位差分重量=第2単位差分重量=0.20ngであるが、これは10.00ngの2.0%に相当する。
本実施の形態では、ロジック27は、この場合5ビットからなる選択信号(選択階調データ)D1〜D5に基づいて、アナログスイッチ・ドライバ29を動作させる。具体的には、まず、1ビット目の選択信号D1の1/0によって、インク滴の吐出/非吐出が決定される。選択信号D1が0(非吐出)であれば、2ビット目以後の選択信号D2〜D5は、意味をなさない。一方、選択信号D1が1(吐出)である時、2ビット目の選択信号D2の1/0によって、第1の1パルス波形COM1−1と第2の1パルス波形COM2−1との一方が、駆動パルスの一部として選択される(例えば「1」の時にCOM1−1が選択され、「0」の時にCOM2−1が選択される)。同様に、3ビット目の選択信号D3の1/0によって、第1の2パルス波形COM1−2と第2の2パルス波形COM2−2との一方が、駆動パルスの一部として選択される。同様に、4ビット目の選択信号D4の1/0によって、第1の3パルス波形COM1−3と第2の3パルス波形COM2−3との一方が、駆動パルスの一部として選択される。同様に、5ビット目の選択信号D5の1/0によって、第1の4パルス波形COM1−4と第2の4パルス波形COM2−4との一方が、駆動パルスの一部として選択される。
以上のような第4の実施の形態によれば、図17に示すように、各吐出駆動信号COM1、COM2の一周期中において、最大で、仮想的な設計上のノズル開口から、40ng+0.20ng(2%:COM1−1)+0.40ng(4%:COM1−2)+0.80ng(8%:COM1−3)+1.60ng(16%:COM1−4)=43.00ngの重量のインク滴を吐出することができ、一方、最小で、仮想的な設計上のノズル開口から、40ng−0.20ng(COM2−1)−0.40ng(COM2−2)−0.80ng(COM2−3)−1.60ng(COM2−4)=37.00ngの重量のインク滴を吐出することができる。
従って、図18に示すように、仮想的な設計上のノズル開口に対して10.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形を基準パルスとして、当該基準パルスによって実際に吐出されたインク滴の重量を各ノズル毎に測定して得られるノズル毎重量偏差に関して、実際に吐出されるインク滴の重量誤差を±1%以内に抑えようとした時でも、−7.9%((100−7.9)%×107.5%≒99%)〜+9.1%((100+9.1)%×92.5%≒101%)という広い範囲で補償することが可能である。
図19に示す第5の実施の形態では、前記実施の形態と比較して、以下のように変更される。
本実施の形態では、1つの画素を形成するために、8.00ng(所定の設計重量)のインク滴が5回吐出されるものとする(8.00ng×5=40ngのインクによって1画素が形成される)。
本実施の形態においては、第1吐出駆動信号COM1と第2吐出駆動信号COM2とは同一の周期を有する周期信号であるが、本実施の形態の第1吐出駆動信号COM1は、一周期中において、第1の1パルス波形COM1−1と、第1の2パルス波形COM1−2と、第1の3パルス波形COM1−3と、第1の4パルス波形COM1−4と、第1の5パルス波形COM1−5と、を有している。
そして、第1の1パルス波形COM1−1は、仮想的な設計上のノズル開口に対して8.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である8.00ngに0.20ng(第1単位差分重量)を加えた8.20ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第1の2パルス波形COM1−2は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して8.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である8.00ngに0.40ng(第1単位差分重量の2倍)を加えた8.40ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第1の3パルス波形COM1−3は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して8.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である8.00ngに0.80ng(第1単位差分重量の4倍)を加えた8.80ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第1の4パルス波形COM1−4は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して8.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である8.00ngに1.60ng(第1単位差分重量の8倍)を加えた9.60ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第1の5パルス波形COM1−5は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して8.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である8.00ngに3.20ng(第1単位差分重量の16倍)を加えた11.20ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
一方、第2吐出駆動信号COM2は、一周期中において、第2の1パルス波形COM2−1と、第2の2パルス波形COM2−2と、第2の3パルス波形COM2−3と、第2の4パルス波形COM2−4と、第2の5パルス波形COM2−5と、を有している。
そして、第2の1パルス波形COM2−1は、仮想的な設計上のノズル開口に対して8.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である8.00ngから0.20ng(第2単位差分重量)を減じた7.80ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第2の2パルス波形COM2−2は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して8.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である8.00ngから0.40ng(第2単位差分重量の2倍)を減じた7.60ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第2の3パルス波形COM2−3は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して8.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である8.00ngから0.80ng(第2単位差分重量の4倍)を減じた7.20ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第2の4パルス波形COM2−4は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して8.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である8.00ngから1.60ng(第2単位差分重量の8倍)を減じた6.40ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第2の5パルス波形COM2−5は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して8.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である8.00ngから3.20ng(第2単位差分重量の16倍)を減じた4.80ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
なお、本実施の形態では、第1単位差分重量=第2単位差分重量=0.20ngであるが、これは8.00ngの2.5%に相当する。
本実施の形態では、ロジック27は、この場合6ビットからなる選択信号(選択階調データ)D1〜D6に基づいて、アナログスイッチ・ドライバ29を動作させる。具体的には、まず、1ビット目の選択信号D1の1/0によって、インク滴の吐出/非吐出が決定される。選択信号D1が0(非吐出)であれば、2ビット目以後の選択信号D2〜D6は、意味をなさない。一方、選択信号D1が1(吐出)である時、2ビット目の選択信号D2の1/0によって、第1の1パルス波形COM1−1と第2の1パルス波形COM2−1との一方が、駆動パルスの一部として選択される(例えば「1」の時にCOM1−1が選択され、「0」の時にCOM2−1が選択される)。同様に、3ビット目の選択信号D3の1/0によって、第1の2パルス波形COM1−2と第2の2パルス波形COM2−2との一方が、駆動パルスの一部として選択される。同様に、4ビット目の選択信号D4の1/0によって、第1の3パルス波形COM1−3と第2の3パルス波形COM2−3との一方が、駆動パルスの一部として選択される。同様に、5ビット目の選択信号D5の1/0によって、第1の4パルス波形COM1−4と第2の4パルス波形COM2−4との一方が、駆動パルスの一部として選択される。同様に、6ビット目の選択信号D6の1/0によって、第1の5パルス波形COM1−5と第2の5パルス波形COM2−5との一方が、駆動パルスの一部として選択される。
以上のような第5の実施の形態によれば、図19に示すように、各吐出駆動信号COM1、COM2の一周期中において、最大で、仮想的な設計上のノズル開口から、40ng+0.20ng(2.5%:COM1−1)+0.40ng(5%:COM1−2)+0.80ng(10%:COM1−3)+1.60ng(20%:COM1−4)+3.20ng(40%:COM1−5)=46.20ngの重量のインク滴を吐出することができ、一方、最小で、仮想的な設計上のノズル開口から、10ng−0.20ng(COM2−1)−0.40ng(COM2−2)−0.80ng(COM2−3)−1.60ng(COM2−4)−3.20ng(COM2−5)=33.80ngの重量のインク滴を吐出することができる。
従って、図19に示すように、仮想的な設計上のノズル開口に対して8.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形を基準パルスとして、当該基準パルスによって実際に吐出されたインク滴の重量を各ノズル毎に測定して得られるノズル毎重量偏差に関して、実際に吐出されるインク滴の重量誤差を±1%以内に抑えようとした時でも、−14.2%((100−14.2)%×115.5%≒99%)〜+19.5%((100+19.5)%×84.5%≒101%)という広い範囲で補償することが可能である。
図20に示す第6の実施の形態では、前記第5の実施の形態と比較して、以下のように変更される。
本実施の形態では、第1の1パルス波形COM1−1は、仮想的な設計上のノズル開口に対して8.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である8.00ngに0.23ng(第1単位差分重量)を加えた8.23ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第1の2パルス波形COM1−2は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して8.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である8.00ngに0.46ng(第1単位差分重量の2倍)を加えた8.46ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第1の3パルス波形COM1−3は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して8.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である8.00ngに0.93ng(第1単位差分重量の4倍)を加えた8.93ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第1の4パルス波形COM1−4は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して8.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である8.00ngに1.86ng(第1単位差分重量の8倍)を加えた9.86ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第1の5パルス波形COM1−5は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して8.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である8.00ngに3.71ng(第1単位差分重量の16倍)を加えた11.71ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
そして、第2の1パルス波形COM2−1は、仮想的な設計上のノズル開口に対して8.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である8.00ngから0.2017ng(第2単位差分重量)を減じた7.83ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第2の2パルス波形COM2−2は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して8.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である8.00ngから0.34ng(第2単位差分重量の2倍)を減じた7.66ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第2の3パルス波形COM2−3は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して8.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である8.00ngから0.67ng(第2単位差分重量の4倍)を減じた7.33ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第2の4パルス波形COM2−4は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して8.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である8.00ngから1.34ng(第2単位差分重量の8倍)を減じた6.66ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第2の5パルス波形COM2−5は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して8.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である8.00ngから2.69ng(第2単位差分重量の16倍)を減じた5.31ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
なお、本実施の形態では、第1単位差分重量=0.23ngであるが、これは8.00ngの2.9%を意味し、第2単位差分重量=0.17ngであるが、これは8.00ngの2.1%を意味する。このように、第1単位差分重量>第2単位差分重量としたのは、図20に示すように、補償の対象とする各ノズルの吐出重量誤差範囲(偏差)をプラスマイナス同程度にするためである。
以上のような第6の実施の形態によれば、図20に示すように、各吐出駆動信号COM1、COM2の一周期中において、最大で、仮想的な設計上のノズル開口から、40ng+0.23ng(2.9%:COM1−1)+0.46ng(5.8%:COM1−2)+0.93ng(11.6%:COM1−3)+1.86ng(23.2%:COM1−4)+3.71ng(46.4%:COM1−5)=47.19ngの重量のインク滴を吐出することができ、一方、最小で、仮想的な設計上のノズル開口から、40ng−0.17ng(COM2−1)−0.34ng(COM2−2)−0.67ng(COM2−3)−1.34ng(COM2−4)−2.69ng(COM2−5)=34.79ngの重量のインク滴を吐出することができる。
従って、図20に示すように、仮想的な設計上のノズル開口に対して8.00ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形を基準パルスとして、当該基準パルスによって実際に吐出されたインク滴の重量を各ノズル毎に測定して得られるノズル毎重量偏差に関して、実際に吐出されるインク滴の重量誤差を±1%以内に抑えようとした時でも、−16.0%((100−16.0)%×118%≒99%)〜+16.1%((100+16.1)%×87%≒101%)という広い範囲で、プラスマイナス同程度に、補償することが可能である。
なお、第6の実施の形態は、40ng/5=8.00ngとされるべき「所定の設計重量」について、これを8.03ngにシフトさせたと考えることもできる。そのように考えると、第1単位差分重量=第2単位差分重量=0.20ngとなる。
このような考え方を更に発展させて、「所定の設計重量」を積極的にシフトさせた第7の実施の形態が、図21を用いて説明される。
本実施の形態では、1つの画素を形成するために、インク滴が4回または5回吐出されて、40ngのインクによって1画素が形成されるものとする。そして、「所定の設計重量」は、40ng/4である10.00ngでなく、40ng/5である8.00ngでもなく、この場合9.14ngとされた。
本実施の形態においても、第1吐出駆動信号COM1と第2吐出駆動信号COM2とは同一の周期を有する周期信号であり、本実施の形態の第1吐出駆動信号COM1は、一周期中において、第1の1パルス波形COM1−1と、第1の2パルス波形COM1−2と、第1の3パルス波形COM1−3と、第1の4パルス波形COM1−4と、第1の5パルス波形COM1−5と、を有している。
そして、第1の1パルス波形COM1−1は、仮想的な設計上のノズル開口に対して9.14ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である9.14ngに0.23ng(第1単位差分重量)を加えた9.37ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第1の2パルス波形COM1−2は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して9.14ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である9.14ngに0.46ng(第1単位差分重量の2倍)を加えた9.60ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第1の3パルス波形COM1−3は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して9.14ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である9.14ngに0.92ng(第1単位差分重量の4倍)を加えた10.06ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第1の4パルス波形COM1−4は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して9.14ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である9.14ngに1.83ng(第1単位差分重量の8倍)を加えた10.97ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第1の5パルス波形COM1−5は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して9.14ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である9.14ngに3.66ng(第1単位差分重量の16倍)を加えた12.80ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
そして、第2の1パルス波形COM2−1は、仮想的な設計上のノズル開口に対して9.14ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である9.14ngから0.2017ng(第2単位差分重量)を減じた8.91ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第2の2パルス波形COM2−2は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して9.14ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である9.14ngから0.45ng(第2単位差分重量の2倍)を減じた8.69ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第2の3パルス波形COM2−3は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して9.14ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である9.14ngから0.91ng(第2単位差分重量の4倍)を減じた8.23ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第2の4パルス波形COM2−4は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して9.14ng(所−定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である9.14ngから1.83ng(第2単位差分重量の8倍)を減じた7.31ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第2の5パルス波形COM2−5は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して9.14ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である9.14ngから3.65ng(第2単位差分重量の16倍)を減じた5.49ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
なお、本実施の形態では、第1単位差分重量は9.14ngの2.5%であり、第2単位差分重量も9.14ngの2.5%である。
本実施の形態では、ロジック27は、この場合7ビットからなる選択信号(選択階調データ)D1〜D7に基づいて、アナログスイッチ・ドライバ29を動作させる。具体的には、まず、1ビット目の選択信号D1の1/0によって、インク滴の吐出/非吐出が決定される。選択信号D1が0(非吐出)であれば、2ビット目以後の選択信号D2〜D7は、意味をなさない。次に、2ビット目の選択信号D2の1/0によって、第1の5パルス波形COM1−5と第2の5パルス波形COM2−5との一方が選択されるのか、双方共に選択されないのか、が決定される。選択信号D2が0(非吐出)であれば、7ビット目以後の選択信号D7は、意味をなさない。一方、選択信号D3が1(吐出)である時、3ビット目の選択信号D3の1/0によって、第1の1パルス波形COM1−1と第2の1パルス波形COM2−1との一方が、駆動パルスの一部として選択される(例えば「1」の時にCOM1−1が選択され、「0」の時にCOM2−1が選択される)。同様に、4ビット目の選択信号D4の1/0によって、第1の2パルス波形COM1−2と第2の2パルス波形COM2−2との一方が、駆動パルスの一部として選択される。同様に、5ビット目の選択信号D5の1/0によって、第1の3パルス波形COM1−3と第2の3パルス波形COM2−3との一方が、駆動パルスの一部として選択される。同様に、6ビット目の選択信号D6の1/0によって、第1の4パルス波形COM1−4と第2の4パルス波形COM2−4との一方が、駆動パルスの一部として選択される。同様に、7ビット目の選択信号D7の1/0によって、第1の5パルス波形COM1−5と第2の5パルス波形COM2−5との一方が、駆動パルスの一部として選択される(選択信号D2が0(非吐出)であれば意味をなさない)。
以上のような第7の実施の形態によれば、図21に示すように、各吐出駆動信号COM1、COM2の一周期中において、最大で、仮想的な設計上のノズル開口から、52.8ng(+15.5%(9.14ng×5=45.7ngに対して))の重量のインク滴を吐出することができ、一方、最小では、第1の5パルス波形COM1−5と第2の5パルス波形COM2−5とについて双方共に駆動パルスとして採用しないことにより、33.14ng(−27.5%(9.14ng×5=45.7ngに対して))の重量のインク滴を吐出することができる。
従って、図21に示すように、仮想的な設計上のノズル開口に対して9.14ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形を基準パルスとして、当該基準パルスによって実際に吐出されたインク滴の重量を各ノズル毎に測定して得られるノズル毎重量偏差に関して、実際に吐出されるインク滴の重量誤差を±1%以内に抑えようとした時でも、−25.0%((100−25.0)%×(52.8/40)≒99%)〜+21.8%((100+21.8)%×(33.14/40)≒101%)という広い範囲で、プラスマイナス同程度に、補償することが可能である。
図22に示す第8の実施の形態では、前記第1の実施の形態と比較して、以下のように変更される。
本実施の形態では、1つの画素を形成するために、6.7ng(所定の設計重量)のインク滴が6回吐出されるものとする(6.7ng×6≒40ngのインクによって1画素が形成される)。
本実施の形態においては、第1吐出駆動信号COM1と第2吐出駆動信号COM2とは同一の周期を有する周期信号であるが、本実施の形態の第1吐出駆動信号COM1は、一周期中において、第1の1パルス波形COM1−1と、第1の2パルス波形COM1−2と、第1の3パルス波形COM1−3と、第1の4パルス波形COM1−4と、第1の5パルス波形COM1−5と、第1の6パルス波形COM1−6と、を有している。そして、これらの6つのパルス波形COM1−1乃至COM1−6は、いずれも、仮想的な設計上のノズル開口に対して6.7ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形である。
一方、第2の1パルス波形COM2−1は、仮想的な設計上のノズル開口に対して6.7ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である6.7ngから0.4ng(第2単位差分重量)を減じた6.3ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第2の2パルス波形COM2−2は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して6.7ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である6.7ngから0.8ng(第2単位差分重量の2倍)を減じた5.9ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第2の3パルス波形COM2−3は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して6.7ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である6.7ngから1.6ng(第2単位差分重量の4倍)を減じた5.1ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第2の4パルス波形COM2−4は、仮想的な設計上のノズル開口に対して6.7ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である6.7ngに0.4ng(第1単位差分重量)を加えた7.1ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第2の5パルス波形COM2−5は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して6.7ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である6.7ngに0.80ng(第1単位差分重量の2倍)を加えた7.5ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
第2の6パルス波形COM2−6は、やはり仮想的な設計上のノズル開口に対して6.7ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形ではなく、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である6.7ngに1.60ng(第2単位差分重量の4倍)を加えた8.3ngのインク滴を吐出可能なパルス波形である。
なお、本実施の形態では、第1単位差分重量=第2単位差分重量=0.40ngであるが、これは6.7ngの6.0%に相当する。
本実施の形態では、ロジック27は、この場合7ビットからなる選択信号(選択階調データ)D1〜D7に基づいて、アナログスイッチ・ドライバ29を動作させる。具体的には、まず、1ビット目の選択信号D1の1/0によって、インク滴の吐出/非吐出が決定される。選択信号D1が0(非吐出)であれば、2ビット目以後の選択信号D2〜D7は、意味をなさない。一方、選択信号D1が1(吐出)である時、2ビット目の選択信号D2の1/0によって、第1の1パルス波形COM1−1と第2の1パルス波形COM2−1との一方が、駆動パルスの一部として選択される(例えば「1」の時にCOM1−1が選択され、「0」の時にCOM2−1が選択される)。同様に、3ビット目の選択信号D3の1/0によって、第1の2パルス波形COM1−2と第2の2パルス波形COM2−2との一方が、駆動パルスの一部として選択される。同様に、4ビット目の選択信号D4の1/0によって、第1の3パルス波形COM1−3と第2の3パルス波形COM2−3との一方が、駆動パルスの一部として選択される。同様に、5ビット目の選択信号D5の1/0によって、第1の4パルス波形COM1−4と第2の4パルス波形COM2−4との一方が、駆動パルスの一部として選択される。同様に、6ビット目の選択信号D6の1/0によって、第1の5パルス波形COM1−5と第2の5パルス波形COM2−5との一方が、駆動パルスの一部として選択される。同様に、7ビット目の選択信号D7の1/0によって、第1の6パルス波形COM1−6と第2の6パルス波形COM2−6との一方が、駆動パルスの一部として選択される。
以上のような第8の実施の形態によれば、図22に示すように、各吐出駆動信号COM1、COM2の一周期中において、最大で、仮想的な設計上のノズル開口から、42.8ng(+7.0%(6.7ng×6=40ngに対して))の重量のインク滴を吐出することができ、一方、最小では、37.2ng(−7.0%(6.7ng×6=40ngに対して))の重量のインク滴を吐出することができる。
従って、図22に示すように、仮想的な設計上のノズル開口に対して6.7ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形を基準パルスとして、当該基準パルスによって実際に吐出されたインク滴の重量を各ノズル毎に測定して得られるノズル毎重量偏差に関して、実際に吐出されるインク滴の重量誤差を±1%以内に抑えようとした時でも、−7.4%((100−7.4)%×107%≒99%)〜+8.6%((100+8.6)%×93%≒101%)という広い範囲で補償することが可能である。
図23に示す第9の実施の形態では、前記第8の実施の形態と比較して、以下のように変更される。
すなわち、第2の3パルス波形COM2−3が、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である6.7ngから1.2ng(第1単位差分重量の3倍)を減じた5.5ngのインク滴を吐出可能なパルス波形とされ、第2の6パルス波形COM2−6
が、仮想的な設計上のノズル開口に対して所定の設計重量である6.7ngに1.20ng(第2単位差分重量の3倍)を加えた7.9ngのインク滴を吐出可能なパルス波形とされる。
以上のような第9の実施の形態によれば、図23に示すように、各吐出駆動信号COM1、COM2の一周期中において、最大で、仮想的な設計上のノズル開口から、42.4ng(+6.0%(6.7ng×6=40ngに対して))の重量のインク滴を吐出することができ、一方、最小では、37.6ng(−6.0%(6.7ng×6=40ngに対して))の重量のインク滴を吐出することができる。
従って、図23に示すように、仮想的な設計上のノズル開口に対して6.7ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形を基準パルスとして、当該基準パルスによって実際に吐出されたインク滴の重量を各ノズル毎に測定して得られるノズル毎重量偏差に関して、実際に吐出されるインク滴の重量誤差を±1%以内に抑えようとした時でも、−6.6%((100−6.6)%×106%≒99%)〜+7.4%((100+7.4)%×94%≒101%)という広い範囲で補償することが可能である。
図24は、第10の実施の形態で用いられる吐出駆動信号の一周期を示す概略図である。ここでは、単一の吐出駆動信号が用いられる。また、第1の実施の形態と同様に、1つの画素を形成するために、13.33ng(所定の設計重量)のインク滴が3回吐出されるものとする(13.33ng×3=40ngのインクによって1画素が形成される)。
図24に示すように、吐出駆動信号COMは、一周期中において、第1の1パルス波形COM1−1と、第1の2パルス波形COM1−2と、第1の3パルス波形COM1−3と、第2の1パルス波形COM2−1と、第2の2パルス波形COM2−2と、第2の3パルス波形COM2−3と、を有している。この実施の形態では、第1の1パルス波形COM1−1、第2の1パルス波形COM2−1、第1の2パルス波形COM1−2、第2の2パルス波形COM2−2、第1の3パルス波形COM1−3、第2の3パルス波形COM2−3という順序で設けられている。もっとも、その他に印字内微振動パルス等が設けられていてもよい。
第1の1パルス波形COM1−1、第2の1パルス波形COM2−1、第1の2パルス波形COM1−2、第2の2パルス波形COM2−2、第1の3パルス波形COM1−3及び第2の3パルス波形COM2−3の各波形(特に、それらが吐出するインク滴の重量)については、第1の実施の形態で説明したものと全く同じである。
吐出駆動信号COMは、一周期中において、第1の1パルス波形と、第1の2パルス波形と、第2の1パルス波形と、第2の2パルス波形と、第3の1パルス波形と、第2の3パルス波形と、を有しており、
駆動パルス生成手段は、第1の1パルス波形と第2の1パルス波形とについてその一方のみを駆動パルスの一部として選択し、第1の2パルス波形と第2の2パルス波形とについてその一方のみを駆動パルスの一部として選択し、第1の3パルス波形と第2の3パルス波形とについてその一方のみを駆動パルスの一部として選択するようになっており、
第1の1パルス波形と第2の1パルス波形とは、それぞれ排他的に、仮想的な設計ノズル開口に対して、所定の設計重量に第1単位差分重量を加えた重量の液体滴を吐出可能なパルス波形、または、所定の設計重量から第2単位差分重量を減じた重量の液体滴を吐出可能なパルス波形であり、
第1の2パルス波形と第2の2パルス波形とは、それぞれ排他的に、仮想的な設計ノズル開口に対して、所定の設計重量に第1単位差分重量の2倍を加えた重量の液体滴を吐出可能なパルス波形、または、所定の設計重量から第2単位差分重量の2倍を減じた重量の液体滴を吐出可能なパルス波形であり、
第1の3パルス波形と第2の3パルス波形とは、それぞれ排他的に、仮想的な設計ノズル開口に対して、所定の設計重量に第1単位差分重量の4倍を加えた重量の液体滴を吐出可能なパルス波形、または、所定の設計重量から第2単位差分重量の4倍を減じた重量の液体滴を吐出可能なパルス波形である
図25は、本実施の形態に対応するピエゾ素子駆動回路101(駆動信号発生手段及び駆動パルス生成手段)の電気的な構成例を示す回路図である。ピエゾ素子駆動回路101は、吐出駆動信号生成回路15、ピエゾ素子PZT、アナログスイッチ・ドライバ29’、ロジック27、第1ラッチ23a、第2ラッチ23b、第3ラッチ23c、第4ラッチ23d、第1シフトレジスタ19a、第2シフトレジスタ19b、第3シフトレジスタ19c、第4シフトレジスタ19dを有する。
吐出駆動信号生成回路15は、図24に示す吐出駆動信号COMを生成するようになっている。
ロジック27は、この場合4ビットからなる選択信号(選択階調データ)D1〜D4に基づいて、アナログスイッチ・ドライバ29を動作させる。具体的には、まず、1ビット目の選択信号D1の1/0によって、インク滴の吐出/非吐出が決定される。選択信号D1が0(非吐出)であれば、2ビット目以後の選択信号D2〜D4は、意味をなさない。一方、選択信号D1が1(吐出)である時、2ビット目の選択信号D2の1/0によって、第1の1パルス波形COM1−1と第2の1パルス波形COM2−1との一方が、駆動パルスの一部として選択される(例えば「1」の時にCOM1−1が選択され、「0」の時にCOM2−1が選択される)。同様に、3ビット目の選択信号D3の1/0によって、第1の2パルス波形COM1−2と第2の2パルス波形COM2−2との一方が、駆動パルスの一部として選択される。同様に、4ビット目の選択信号D4の1/0によって、第1の3パルス波形COM1−3と第2の3パルス波形COM2−3との一方が、駆動パルスの一部として選択される。具体的な態様例としては、例えば、2ビット目以後の選択信号D2〜D4の各々について、2ビットのパルス選択データが生成される。すなわち、選択信号D2に基づいて(1、0)または(0、1)が生成され、選択信号D3に基づいて(1、0)または(0、1)が生成され、選択信号D4に基づいて(1、0)または(0、1)が生成され、それらパルス選択データの各ビットデータに応じて各パルス波形が選択され得る。
すなわち、ロジック27及びアナログ・スイッチドライバ29は、第1の1パルス波形COM1−1と第2の1パルス波形COM2−1とについてその一方のみを駆動パルスの一部として選択し、第1の2パルス波形COM1−2と第2の2パルス波形COM2−2とについてその一方のみを駆動パルスの一部として選択し、第1の3パルス波形COM1−3と第2の3パルス波形COM2−3とについてその一方のみを駆動パルスの一部として選択するようになっている。
なお、ラッチ信号LATCH等については、図7と同様であるので、詳細な説明は省略する。
以上のような本実施の形態によれば、吐出駆動信号COMの一周期中において、図8に示したのと同様に、最大で、仮想的な設計上のノズル開口から、40ng+0.20ng(1.5%:COM1−1)+0.40ng(3%:COM1−2)+0.80ng(6%:COM1−3)=41.4ngの重量のインク滴を吐出することができ、一方、最小で、仮想的な設計上のノズル開口から、40ng−0.20ng(COM2−1)−0.40ng(COM2−2)−0.80ng(COM2−3)=38.6ngの重量のインク滴を吐出することができる。
従って、図8に示すように、仮想的な設計上のノズル開口に対して13.33ng(所定の設計重量)のインク滴を吐出可能に設計されたパルス波形を基準パルスとして、当該基準パルスによって実際に吐出されたインク滴の重量を各ノズル毎に測定して得られるノズル毎重量偏差に関して、実際に吐出されるインク滴の重量誤差を±1%以内に抑えようとした時でも、−4.3%((100−4.3)%×103.5%≒99%)〜+4.7%((100+4.7)%×96.5%≒101%)という広い範囲で補償することが可能である。
すなわち、本実施の形態によれば、吐出駆動信号COMに含まれるパルス波形の数は6であって、比較的少ないけれども、ノズル開口のインク滴の重量誤差について、より広範囲の補償を実現することができる。
さて、本発明は、更に、上記の各実施の形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
例えば、記録ヘッド7は、基板13に対して移動されなくても良い。すなわち、固定された記録ヘッド7に対して基板13が移動しても良い。すなわち、記録ヘッド7は、基板13に対して相対的に走査されれば良い。
また、各吐出駆動信号の順番は、排他的に使用するパルス波形の組合せを維持しつつ、交互に入れ替えることも可能である。
また、RGB3色からなるカラーフィルタを例として説明したが、これに限られない。モノカラー、または2色、あるいは他の複数色のカラーフィルターに本発明が適用することもできる。
上記の各実施の形態のフィルタ製造装置は、液晶表示用のカラーフィルタの製造に限定されず、例えば、EL(エレクトロルミネッセンス)表示素子の製造装置としても利用可能である。EL表示素子は、蛍光性の無機及び有機化合物を含む薄膜を、陽極と陰極とで挟んだ構成を有し、この薄膜に電子及び正孔(ホール)を注入して再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して発光させる素子である。このようなEL表示素子に用いられる蛍光性材料のうち、赤・緑および青色の発光色を呈する材料を、本発明の製造方法を用いてTFT等の素子基板上にインクジェットパターニングすることで、自発光フルカラーEL表示素子を製造することができる。
そして、本実施の形態のフィルタ製造装置を用いて製造されるEL表示素子は、セグメント表示や全面同時発光の静止画表示、例えば絵、文字、ラベル等といったローインフォメーション分野への応用、または、点、線、面形状をもった光源としても使用することができる。さらに、パッシブ駆動の表示素子をはじめ、TFT素子等のアクティブ素子を駆動に用いることで、高輝度で応答性に優れたフルカラー表示素子を得ることができる。
また、上記各実施の形態の記録ヘッド7は、R、G、Bの内の1つの種類のインクを吐出することができるようになっているが、この内の2種類或いは3種類のインクを同時に吐出することも可能である。
なお、本発明は、広く液体噴射装置全般を対象としたものであって、液体の例としては、インクの他に、グルー、マニキュア、液体電極材料、生体有機物液体等が用いられ得る。