JP2004031070A - 有機el材料塗布装置とその塗布方法および有機el表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画素内を均一な溶剤雰囲気とすることにより、インクの乾燥時間を均一化し、乾燥後の発光層の形状差を減少させて輝度ムラの低減を得られる有機EL材料塗布装置とその塗布方法および有機EL表示装置を提供する。
【解決手段】R,G,B3色に対応する複数のドット15から構成される複数の画素Sを備えた基板3に対し、複数のノズル12を有する溶剤用インクジェットヘッド7とインク用インクジェットヘッド8を用いて、先ずは溶剤を表示領域内、もしくは表示領域の外周、もしくは画素内におけるドット以外の領域に付与し、つぎにインクを対応するドットへ吐出する。
【選択図】 図1
【解決手段】R,G,B3色に対応する複数のドット15から構成される複数の画素Sを備えた基板3に対し、複数のノズル12を有する溶剤用インクジェットヘッド7とインク用インクジェットヘッド8を用いて、先ずは溶剤を表示領域内、もしくは表示領域の外周、もしくは画素内におけるドット以外の領域に付与し、つぎにインクを対応するドットへ吐出する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット方式によりインクを微細な液滴にして、基板上に形成される画素の所定のドットに塗布する有機EL材料塗布装置とその塗布方法および有機EL表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータ(PC)や携帯電話などの発達に伴い、表示装置の需要が増加している。現在、主流になっている液晶表示装置に変わる次世代表示装置(ディスプレイ)の有力候補として、有機EL表示装置が注目されている。
その理由は、液晶装置と比較して、有機EL表示装置には、以下に示す多くの有利条件を備えていることによる。
【0003】
すなわち、有機ELは自発光素子なので、液晶装置に必要なバックライトが不要である。液晶装置のように2枚のガラスの間に液晶を注入する必要がなく、そのための材料費の削減や手間の軽減を図れる。
有機EL表示装置は、基本的には1枚のガラスから構成されるので、薄型化を得られ軽量化に寄与する。そして、電子過程で応答する素子のため、液晶装置における懸案課題である視野角と応答速度に関する特性が優れている。
【0004】
なお、有機ELを構成する発光材料として、低分子型と、高分子型に大別されていて、それぞれ発光層形成技術が異なっている。
上記低分子型における発光層はマスク蒸着技術により形成されており、数十ミクロンの薄い金属製のマスクを使わなければならない。このようなマスクの製作精度を高く保持するには、大型テレビ向けなどの大型化には不適である。
一方、上記高分子型では発光高分子材料を有機溶媒に溶解させ、これをインクジェット方式を用いて基板上の画素を構成するドットに塗布するようになっている。
【0005】
このような高分子型においては、インクジェットヘッドと基板との相対位置を大きく変える機構が容易に実現できる。すなわち、基板の大型化を制限する要因は事実上見当たらず、表示装置の大型化に最適である。
また、生産性の面でも、低分子型は蒸着を利用するため無駄になる材料が多い一方、高分子型はインクジェット方式によるので、必要量だけを所定の部位に塗布することができて材料の利用効率が高い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
高分子型を採用した従来のインクジェット方式は、基板上の画素間ピッチに対してインクジェットヘッドに備えた複数のノズル間ピッチを一致させ、同一ヘッド内の各ノズルの液滴量を合せ込む。
そして、基板の端に並べられる画素から順次、インクジェットヘッドを対向してインクを塗布していく。上記画素は、R(赤)、G(緑)、B(青)の三色に対応する複数のドットから構成されていて、対応する色のインクを上記ドットに塗布する。
【0007】
表示装置として表示領域全域を均一な明るさで表示する特性が求められており、有機EL表示装置においても変りがない。そのため、表示領域全域に亘って同色発光層の膜厚を含めた形状が均一であることが要求される。
上記インクは高分子型発光材料を有機溶剤で溶かしたものであり、ドットに塗布されたあと有機溶剤が大気中に揮発して高分子型発光材料が残り、対応する色のインクが塗布された状態になる。
【0008】
しかしながら、画素を構成するドットにインクを確実に塗布したにも係らず、製品としての有機EL表示装置には、使用したノズル数に対応する幅を持つ帯状の輝度ムラが生じ認識し易くなっている。
具体的には,隣接行にインクが有る場合と無い場合とで、インクが大気雰囲気に触れる面積・容量等が相違し、これによってインクの乾燥時間が異なってくる。その結果、乾燥した後の発光層の形状に差異が生じ、輝度差すなわち輝度ムラの発生に至ると考えられる。
【0009】
同様に、両端のノズルからインクを供給されたドット行と、内側のノズルによってインクを供給されたドット行との間でもインクの乾燥時間が異なり、輝度差が生じ易い。
なお、インクの乾燥条件を揃えるために、溶剤の分量を増減して濃度を変えたインクを用いる方法もあるが、インクを使用するためにコストに悪影響を与えてしまう。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、画素間の雰囲気差を軽減することにより、画素内を均一な溶剤雰囲気として、インクの乾燥時間を均一化し、乾燥後の発光層の形状差を減少させて輝度ムラの低減を得られる有機EL材料塗布装置とその塗布方法および有機EL表示装置を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するために本発明は、基板上に、R,G,B3色に対応する複数のドットから構成される画素を備え、複数のノズルを有するインクジェットヘッドを用いて所定のドットに対してインクを吐出する有機EL材料塗布装置において、先ずは溶剤を表示領域内、もしくは表示領域の外周、もしくは画素内におけるドット以外の領域に溶剤を付与し、つぎに対応するドットに対してインクを塗布する。
【0012】
インクと溶剤を吐出するためのインクジェットヘッドは、独立したインク用インクジェットヘッドおよび溶剤用インクジェットヘッドから構成されていて、それぞれのインクジェットヘッドは、一列以上のノズル列を持つ。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は有機EL材料塗布装置の概略構成を示す外観図、図2は有機EL材料塗布装置の要部であるインクジェット機構の斜視図である。
有機EL材料塗布装置として、図中1は基台であり、この基台上にはX,Y方向に移動自在なステージ2が備えられる。上記ステージ2上には、図示しない固定手段によって基板3が交換自在に支持固定されている。
【0014】
上記基板3上には、後述するように複数の画素が格子状に分布した状態で形成されている。それぞれの画素は、R(赤),G(緑),B(青)の3色に対応する複数のドットから構成される。
さらに、上記基台1上の上記ステージ2に対して架台4が跨設されていて、この架台にヘッド機構部5が取付けられている。このヘッド機構部5は、4組のインクジェット機構6から構成される。
【0015】
1組のインクジェット機構6は、その下端部に溶剤を吐出する溶剤付与手段である溶剤用インクジェットヘッド7を備えている。他の3組のインクジェット機構6は、その下端部に3色のインク(R,G,B)を吐出するインク塗布手段であるインク用インクジェットヘッド8を備えている。
4組のインクジェット機構6は、それぞれ上記インクジェットヘッド7,8をθ回転させる機構9と、Y方向に微調整可能とする機構10および、Z方向に微調整可能とする機構11を備えている。それぞれのインクジェットヘッド7,8は、後述するように直列状に配置された複数のノズルを備えている。
【0016】
ここでは、上記ヘッド機構部5が固定され、XYステージ2を移動制御することで、溶剤用とインク用のインクジェットヘッド7,8と基板3の相対位置を変化させるようになっている。
つぎに、有機EL材料の塗布方法について説明する。
図3は、上記有機EL材料塗布方法に係る基本システムを説明するための図である。
【0017】
上記XYステージ2上に支持固定される上記基板3には、X方向とY方向に所定のピッチで複数の画素Sが並べられる。一方、ヘッド機構部5を構成する4組のインクジェット機構6のそれぞれには、溶剤用とインク用のインクジェットヘッド7,8が備えられる。
同図の左側最側端のインクジェットヘッド7は溶剤用であり、残りの3組のインクジェットヘッド8はインク用である。インク用インクジェットヘッド8における左側がR(赤)用、真中がG(緑)用、右側がB(青)用である。
【0018】
各インクジェットヘッド7,8は、たとえば5個のノズル12を備えていて、各ノズルは一列の直列状に所定ピッチを存して並べられる。また、上記画素SがX−Y方向に整列されているのに対して、各インクジェットヘッド7,8は斜めに傾いて取付けられる。
これは、画素Sのピッチに対してインクジェットヘッド7,8におけるノズル12のピッチが機構上、大きくならざるを得ず、画素ピッチに対応させるためにインクジェットヘッド7,8をともに傾けることとなる。
【0019】
図4は、本発明の有機EL材料塗布方法を説明する前に、従来のインク塗布方法について説明する図である。
上記基板3上に形成される画素Sは、図の左右方向に1列からn列まで備えられ、かつ図の上下方向に1行からm行まで備えられている。したがって、基板3にはm×n個の画素Sが構成され、これら画素全体を囲む実線枠が表示領域13を表している。
【0020】
インクを塗布するインクジェットヘッド8は、a〜eまでの5個のノズル12を備えている。上記インクジェットヘッド8は、先に説明したようにR,G,B3色のインク用を備えているが、ここでは1組のインクジェットヘッドのみを示している。
図のように、インクジェットヘッド8が基板3の最上段の画素Sに対向した状態で、基板はX軸の正方向(図の右側方向)に移動する。インクジェットヘッド8は、1列からn列まで順番にインクを供給することで第1ブロック(1〜5行)における画素に対する塗布を終える。
【0021】
この場合、インクジェットヘッド8の中心に対し、外側の隣接行にインクが無い1行目と5行目の乾燥時間が、その他の2〜4行目の乾燥時間に比べて早くなり、輝度に差異を生じてしまう。
つぎに、基板3はY軸の正方向(図の上側方向)に移動してからX軸の負方向(図の左側方向)へ移動する。同時に、インクジェットヘッド8はインクを吐出してn列から1列までの画素Sに対するインク塗布を行い、第2ブロック(6〜10行)の塗布を終える。
【0022】
この場合も、外側の隣接行にインクが無い10行目に輝度差が発生する。ここで、6行目塗布時に5行目が十分に乾燥している場合はインクが無い状況と同様になり、6行目にも輝度差が生じる。
このような輝度差は両端ノズルに対応する行だけに限らず、インクジェットヘッド8中心に向かう内側の複数行にも同様の傾向が見られる。ただし、輝度差は内側になるにしたがって小さくなり、輝度ムラが抑えられる。
【0023】
本発明は、以下に述べるようにして問題解決を図っている。
図5(A)は正方配列方式における画素S内のレイアウトを示している。
画素Sは、実線矩形状のR,G,B3色に対応する3つのドット15を正方配列して構成される。この画素Sにおける上記ドット15以外の領域に、破線円形で示す1つの溶剤付与エリア16が形成される。
【0024】
そして、R,G,B3色に対応するドット15には、それぞれの色のインクが塗布され、溶剤付与エリア16には溶剤が付与される。ただし、R,G,B3色に対応するドット15にそれぞれの色のインクを吐出する前に、予め溶剤を溶剤付与エリア16に付与しなければならない。
すなわち、はじめに上記溶剤用インクジェットヘッド7から溶剤付与エリア16に対して溶剤を付与する溶剤付与工程をなし、そのあと上記インク用インクジェットヘッド8からR,G,B3色に対応するドット15にインクを塗布するインク塗布工程をなす。
【0025】
したがって、1つの画素Sにおいてインク塗布前にほぼ均一な溶剤雰囲気が形成されることになり、これによって従来発生していた隣接行の有無による乾燥時間の差が低減し、輝度バラツキが改善される。
図5(B)においても正方配列方式を採用した画素Sであるが、R,G,B3色に対応するドット15を正方配列する以外に、溶剤用としてダミーバンク17を設けた例である。
【0026】
このダミーバンク17において溶剤付与エリアが確保されていて、ドット15であるインク用バンクにインクが吐出される前に、溶剤がダミーバンク17の溶剤付与エリア18に付与され、インク塗布工程前にほぼ均一な溶剤雰囲気を形成する。
図5(C)は、縦ストライブ配列方式を採用した画素Sであり、1つの画素においてR,G,B3色に対応するドット15を横に並べ、さらに同様形状の縦ストライブであるダミーバンク18が隣設される。
【0027】
このダミーバンク18に溶剤付与エリアが確保され、ドット15にインクが吐出される前に溶剤がダミーバンク18に付与され、インク塗布工程前にほぼ均一な溶剤雰囲気を形成することは先に説明したものと同様である。
図6〜図8は、基板3上の画素Sに対する溶剤およびインクの塗布方法の例であり、図中の矢印は画素に対する塗布順序と塗布軌跡を示している。
【0028】
図6(A)(B)は、表示領域13にある画素S全体に亘って溶剤を付与してから、インクを塗布する例である。
はじめに図6(A)において、横一列を1ブロックとした場合、溶剤用インクジェットヘッド7を用いて(1,1)画素Sから(1,n)画素Sまで溶剤を付与し、さらに1ブロック分ずれて(2,1)画素Sまで軌跡Aに沿って溶剤を付与する。
【0029】
さらに1ブロック分ずれ、以下同様に繰り返して最終的に(m,n)画素Sに至る1スキャン目の溶剤付与工程をなす。これにより溶剤が全画素Sに亘って付与されることになる。
つぎに、図6(B)に示すように基板3を初期の位置に戻す。そして、インク用インクジェットヘッド8を用いて軌跡Cに沿ってR,G,B3色のインクを塗布するインク塗布工程を行う。
【0030】
このようにして、基板3上に形成される画素S全体に亘って溶剤およびR,G,B3色のインクを供給するために、溶剤用とインク用のインクジェットヘッド7,8による2度のスキャン動作が行われる。
図7は、溶剤を付与する溶剤付与工程と、R,G,B3色のインクを塗布するインク塗布工程を1度のスキャン動作で行う例である。
図のように、溶剤用インクジェットヘッド7が、R,G,B3色用のインク用インクジェットヘッド8よりも基板3に近い側に設置され、同時に塗布作用を行うようになっている。
【0031】
この状態で基板3が移動すると、最初に1画素S内の溶剤塗布エリア16に溶剤が吐出され、つぎにR,G,B3色のドット15に対応してインクが塗布される。このような作用が軌跡Dに沿って連続的に行なわれる。
基板3がX方向に1ブロック分だけ移動して、溶剤付与工程とインク塗布工程が画素(1,1)から画素(1,n)まで行われると、それぞれの吐出が一旦終了する。基板3がXY方向に同時移動して、各インクジェットヘッド7,8が画素(2,1)に対向するまでの間は、そのまま各工程が中断される。
【0032】
そして、画素(2,1)に各インクジェットヘッド7,8が対向すると上述の作用が再開され、同様に2ブロック目の溶剤付与工程とインク塗布工程をなし、以下同様である。
このようにして、溶剤付与工程とインク塗布工程が1ブロック分のスキャン中に前後して行われるため、必要な作業時間が図6のものと比較して極く短縮され、作業性の向上を得られる。
【0033】
図8は、溶剤用インクジェットヘッド7がインク用インクジェットヘッド8よりも基板3に近い位置にあり、かつ溶剤用インクジェットヘッド7のY方向位置をインク用インクジェットヘッド8に対して1セット分ずらして配置したヘッド機構部5Aを示している。
このような構成では、はじめ溶剤用インクジェットヘッド7のみでX方向に沿う画素Sに溶剤を付与する。つぎに、基板3をY方向に1ヘッド分(1ブロック分)移動してから、負のX方向に基板を移動する。
【0034】
このときインク用インクジェットヘッド8がR,G,B3色のインクを各画素Sの対応する上記ドット15に塗布するとともに、1ヘッド分ずれた位置の画素Sに対して溶剤用インクジェットヘッド7が溶剤を塗布する。
以下、基板3の往路と復路の両方の移動中に各インクジェットヘッド7,8が溶剤およびインクを吐出するので、1度のスキャンで、かつ往路と復路の両方で有機EL材料を塗布できることとなり、塗布時間の短縮化に有効である。
【0035】
また、乾燥時間の差を低減するための別例として、先に説明した図4に示す基板3の表示領域13の外周に沿って溶剤用インクジェットヘッド7により溶剤を付与してから、インク用インクジェットヘッド8によりR,G,B3色のインクを全ての画素Sに塗布するようにしてもよい。
つぎに、溶剤用インクジェットヘッド8における使用するノズル12の選択について説明する。
【0036】
図9(A)は、溶剤用インクジェットヘッド8に備えられる全てのノズル12を使って溶剤を付与する例である。図中の溶剤付与領域は、ノズル数に対応した幅の帯状となる。
なお、溶剤用インクジェットヘッド8の両端より内側のノズル12に対応した領域で輝度ムラが目立たない場合は、図9(B)に示すように、両端のノズル12からだけ溶剤を付与して、ブロックの継目の輝度差を低減させる。その場合は、溶剤付与領域は図のように線状となる。
【0037】
図10は、先に説明したものとは異なる形態のインクジェットヘッド20を示している。
複数のノズル12が直列状に配置された、溶剤用ノズル列12Aと、インク用ノズル列12Bをそれぞれ備えている。図では省略しているが、インク用ノズル列12BはR,G,B3色用として3列備えられる。それぞれのノズル列12A,12Bは一列である必要はなく、複数列の場合もある。
【0038】
塗布する溶剤の種類は、必ずしも発光高分子材を溶解する溶剤と同一である必要はなく、乾燥時間を揃えるために最適なものを選択し、液滴量と液滴時間および塗布パターンを決定すればよい。
また、インクの組成や基板サイズが変わる場合には、それに合わせて溶剤の種類、液滴量、吐出位置および塗布軌跡等について条件出しを行う。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、従来発生していたインクの乾燥時間の差による輝度ムラを低減させ、高品質な有機EL表示装置を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る、有機EL材料塗布装置の外観図。
【図2】同実施の形態に係る、インクジェットの斜視図。
【図3】同実施の形態に係る、有機EL材料塗布のシステムを説明する図。
【図4】同実施の形態に係る、有機EL材料を塗布する工程を説明する図。
【図5】同実施の形態に係る、互いに異なる画素構成と、素の画素に対応する溶剤塗布エリアを説明する図。
【図6】同実施の形態に係る、互いに異なる有機EL材料を塗布する工程を説明する図。
【図7】同実施の形態に係る、さらに異なる有機EL材料を塗布する工程を説明する図。
【図8】同実施の形態に係る、さらに異なる有機EL材料を塗布する工程を説明する図。
【図9】同実施の形態に係る、溶剤塗布のノズル選択を説明する図。
【図10】同実施の形態に係る、異なるインクジェットヘッドの図。
【符号の説明】
3…基板、
S…画素、
15…ドット、
7…インク用インクジェットヘッド(インク用塗布手段)、
8…溶剤用インクジェットヘッド(溶剤用塗布手段)、
12…ノズル、
17、18…ダミーバンク。
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット方式によりインクを微細な液滴にして、基板上に形成される画素の所定のドットに塗布する有機EL材料塗布装置とその塗布方法および有機EL表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータ(PC)や携帯電話などの発達に伴い、表示装置の需要が増加している。現在、主流になっている液晶表示装置に変わる次世代表示装置(ディスプレイ)の有力候補として、有機EL表示装置が注目されている。
その理由は、液晶装置と比較して、有機EL表示装置には、以下に示す多くの有利条件を備えていることによる。
【0003】
すなわち、有機ELは自発光素子なので、液晶装置に必要なバックライトが不要である。液晶装置のように2枚のガラスの間に液晶を注入する必要がなく、そのための材料費の削減や手間の軽減を図れる。
有機EL表示装置は、基本的には1枚のガラスから構成されるので、薄型化を得られ軽量化に寄与する。そして、電子過程で応答する素子のため、液晶装置における懸案課題である視野角と応答速度に関する特性が優れている。
【0004】
なお、有機ELを構成する発光材料として、低分子型と、高分子型に大別されていて、それぞれ発光層形成技術が異なっている。
上記低分子型における発光層はマスク蒸着技術により形成されており、数十ミクロンの薄い金属製のマスクを使わなければならない。このようなマスクの製作精度を高く保持するには、大型テレビ向けなどの大型化には不適である。
一方、上記高分子型では発光高分子材料を有機溶媒に溶解させ、これをインクジェット方式を用いて基板上の画素を構成するドットに塗布するようになっている。
【0005】
このような高分子型においては、インクジェットヘッドと基板との相対位置を大きく変える機構が容易に実現できる。すなわち、基板の大型化を制限する要因は事実上見当たらず、表示装置の大型化に最適である。
また、生産性の面でも、低分子型は蒸着を利用するため無駄になる材料が多い一方、高分子型はインクジェット方式によるので、必要量だけを所定の部位に塗布することができて材料の利用効率が高い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
高分子型を採用した従来のインクジェット方式は、基板上の画素間ピッチに対してインクジェットヘッドに備えた複数のノズル間ピッチを一致させ、同一ヘッド内の各ノズルの液滴量を合せ込む。
そして、基板の端に並べられる画素から順次、インクジェットヘッドを対向してインクを塗布していく。上記画素は、R(赤)、G(緑)、B(青)の三色に対応する複数のドットから構成されていて、対応する色のインクを上記ドットに塗布する。
【0007】
表示装置として表示領域全域を均一な明るさで表示する特性が求められており、有機EL表示装置においても変りがない。そのため、表示領域全域に亘って同色発光層の膜厚を含めた形状が均一であることが要求される。
上記インクは高分子型発光材料を有機溶剤で溶かしたものであり、ドットに塗布されたあと有機溶剤が大気中に揮発して高分子型発光材料が残り、対応する色のインクが塗布された状態になる。
【0008】
しかしながら、画素を構成するドットにインクを確実に塗布したにも係らず、製品としての有機EL表示装置には、使用したノズル数に対応する幅を持つ帯状の輝度ムラが生じ認識し易くなっている。
具体的には,隣接行にインクが有る場合と無い場合とで、インクが大気雰囲気に触れる面積・容量等が相違し、これによってインクの乾燥時間が異なってくる。その結果、乾燥した後の発光層の形状に差異が生じ、輝度差すなわち輝度ムラの発生に至ると考えられる。
【0009】
同様に、両端のノズルからインクを供給されたドット行と、内側のノズルによってインクを供給されたドット行との間でもインクの乾燥時間が異なり、輝度差が生じ易い。
なお、インクの乾燥条件を揃えるために、溶剤の分量を増減して濃度を変えたインクを用いる方法もあるが、インクを使用するためにコストに悪影響を与えてしまう。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、画素間の雰囲気差を軽減することにより、画素内を均一な溶剤雰囲気として、インクの乾燥時間を均一化し、乾燥後の発光層の形状差を減少させて輝度ムラの低減を得られる有機EL材料塗布装置とその塗布方法および有機EL表示装置を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するために本発明は、基板上に、R,G,B3色に対応する複数のドットから構成される画素を備え、複数のノズルを有するインクジェットヘッドを用いて所定のドットに対してインクを吐出する有機EL材料塗布装置において、先ずは溶剤を表示領域内、もしくは表示領域の外周、もしくは画素内におけるドット以外の領域に溶剤を付与し、つぎに対応するドットに対してインクを塗布する。
【0012】
インクと溶剤を吐出するためのインクジェットヘッドは、独立したインク用インクジェットヘッドおよび溶剤用インクジェットヘッドから構成されていて、それぞれのインクジェットヘッドは、一列以上のノズル列を持つ。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は有機EL材料塗布装置の概略構成を示す外観図、図2は有機EL材料塗布装置の要部であるインクジェット機構の斜視図である。
有機EL材料塗布装置として、図中1は基台であり、この基台上にはX,Y方向に移動自在なステージ2が備えられる。上記ステージ2上には、図示しない固定手段によって基板3が交換自在に支持固定されている。
【0014】
上記基板3上には、後述するように複数の画素が格子状に分布した状態で形成されている。それぞれの画素は、R(赤),G(緑),B(青)の3色に対応する複数のドットから構成される。
さらに、上記基台1上の上記ステージ2に対して架台4が跨設されていて、この架台にヘッド機構部5が取付けられている。このヘッド機構部5は、4組のインクジェット機構6から構成される。
【0015】
1組のインクジェット機構6は、その下端部に溶剤を吐出する溶剤付与手段である溶剤用インクジェットヘッド7を備えている。他の3組のインクジェット機構6は、その下端部に3色のインク(R,G,B)を吐出するインク塗布手段であるインク用インクジェットヘッド8を備えている。
4組のインクジェット機構6は、それぞれ上記インクジェットヘッド7,8をθ回転させる機構9と、Y方向に微調整可能とする機構10および、Z方向に微調整可能とする機構11を備えている。それぞれのインクジェットヘッド7,8は、後述するように直列状に配置された複数のノズルを備えている。
【0016】
ここでは、上記ヘッド機構部5が固定され、XYステージ2を移動制御することで、溶剤用とインク用のインクジェットヘッド7,8と基板3の相対位置を変化させるようになっている。
つぎに、有機EL材料の塗布方法について説明する。
図3は、上記有機EL材料塗布方法に係る基本システムを説明するための図である。
【0017】
上記XYステージ2上に支持固定される上記基板3には、X方向とY方向に所定のピッチで複数の画素Sが並べられる。一方、ヘッド機構部5を構成する4組のインクジェット機構6のそれぞれには、溶剤用とインク用のインクジェットヘッド7,8が備えられる。
同図の左側最側端のインクジェットヘッド7は溶剤用であり、残りの3組のインクジェットヘッド8はインク用である。インク用インクジェットヘッド8における左側がR(赤)用、真中がG(緑)用、右側がB(青)用である。
【0018】
各インクジェットヘッド7,8は、たとえば5個のノズル12を備えていて、各ノズルは一列の直列状に所定ピッチを存して並べられる。また、上記画素SがX−Y方向に整列されているのに対して、各インクジェットヘッド7,8は斜めに傾いて取付けられる。
これは、画素Sのピッチに対してインクジェットヘッド7,8におけるノズル12のピッチが機構上、大きくならざるを得ず、画素ピッチに対応させるためにインクジェットヘッド7,8をともに傾けることとなる。
【0019】
図4は、本発明の有機EL材料塗布方法を説明する前に、従来のインク塗布方法について説明する図である。
上記基板3上に形成される画素Sは、図の左右方向に1列からn列まで備えられ、かつ図の上下方向に1行からm行まで備えられている。したがって、基板3にはm×n個の画素Sが構成され、これら画素全体を囲む実線枠が表示領域13を表している。
【0020】
インクを塗布するインクジェットヘッド8は、a〜eまでの5個のノズル12を備えている。上記インクジェットヘッド8は、先に説明したようにR,G,B3色のインク用を備えているが、ここでは1組のインクジェットヘッドのみを示している。
図のように、インクジェットヘッド8が基板3の最上段の画素Sに対向した状態で、基板はX軸の正方向(図の右側方向)に移動する。インクジェットヘッド8は、1列からn列まで順番にインクを供給することで第1ブロック(1〜5行)における画素に対する塗布を終える。
【0021】
この場合、インクジェットヘッド8の中心に対し、外側の隣接行にインクが無い1行目と5行目の乾燥時間が、その他の2〜4行目の乾燥時間に比べて早くなり、輝度に差異を生じてしまう。
つぎに、基板3はY軸の正方向(図の上側方向)に移動してからX軸の負方向(図の左側方向)へ移動する。同時に、インクジェットヘッド8はインクを吐出してn列から1列までの画素Sに対するインク塗布を行い、第2ブロック(6〜10行)の塗布を終える。
【0022】
この場合も、外側の隣接行にインクが無い10行目に輝度差が発生する。ここで、6行目塗布時に5行目が十分に乾燥している場合はインクが無い状況と同様になり、6行目にも輝度差が生じる。
このような輝度差は両端ノズルに対応する行だけに限らず、インクジェットヘッド8中心に向かう内側の複数行にも同様の傾向が見られる。ただし、輝度差は内側になるにしたがって小さくなり、輝度ムラが抑えられる。
【0023】
本発明は、以下に述べるようにして問題解決を図っている。
図5(A)は正方配列方式における画素S内のレイアウトを示している。
画素Sは、実線矩形状のR,G,B3色に対応する3つのドット15を正方配列して構成される。この画素Sにおける上記ドット15以外の領域に、破線円形で示す1つの溶剤付与エリア16が形成される。
【0024】
そして、R,G,B3色に対応するドット15には、それぞれの色のインクが塗布され、溶剤付与エリア16には溶剤が付与される。ただし、R,G,B3色に対応するドット15にそれぞれの色のインクを吐出する前に、予め溶剤を溶剤付与エリア16に付与しなければならない。
すなわち、はじめに上記溶剤用インクジェットヘッド7から溶剤付与エリア16に対して溶剤を付与する溶剤付与工程をなし、そのあと上記インク用インクジェットヘッド8からR,G,B3色に対応するドット15にインクを塗布するインク塗布工程をなす。
【0025】
したがって、1つの画素Sにおいてインク塗布前にほぼ均一な溶剤雰囲気が形成されることになり、これによって従来発生していた隣接行の有無による乾燥時間の差が低減し、輝度バラツキが改善される。
図5(B)においても正方配列方式を採用した画素Sであるが、R,G,B3色に対応するドット15を正方配列する以外に、溶剤用としてダミーバンク17を設けた例である。
【0026】
このダミーバンク17において溶剤付与エリアが確保されていて、ドット15であるインク用バンクにインクが吐出される前に、溶剤がダミーバンク17の溶剤付与エリア18に付与され、インク塗布工程前にほぼ均一な溶剤雰囲気を形成する。
図5(C)は、縦ストライブ配列方式を採用した画素Sであり、1つの画素においてR,G,B3色に対応するドット15を横に並べ、さらに同様形状の縦ストライブであるダミーバンク18が隣設される。
【0027】
このダミーバンク18に溶剤付与エリアが確保され、ドット15にインクが吐出される前に溶剤がダミーバンク18に付与され、インク塗布工程前にほぼ均一な溶剤雰囲気を形成することは先に説明したものと同様である。
図6〜図8は、基板3上の画素Sに対する溶剤およびインクの塗布方法の例であり、図中の矢印は画素に対する塗布順序と塗布軌跡を示している。
【0028】
図6(A)(B)は、表示領域13にある画素S全体に亘って溶剤を付与してから、インクを塗布する例である。
はじめに図6(A)において、横一列を1ブロックとした場合、溶剤用インクジェットヘッド7を用いて(1,1)画素Sから(1,n)画素Sまで溶剤を付与し、さらに1ブロック分ずれて(2,1)画素Sまで軌跡Aに沿って溶剤を付与する。
【0029】
さらに1ブロック分ずれ、以下同様に繰り返して最終的に(m,n)画素Sに至る1スキャン目の溶剤付与工程をなす。これにより溶剤が全画素Sに亘って付与されることになる。
つぎに、図6(B)に示すように基板3を初期の位置に戻す。そして、インク用インクジェットヘッド8を用いて軌跡Cに沿ってR,G,B3色のインクを塗布するインク塗布工程を行う。
【0030】
このようにして、基板3上に形成される画素S全体に亘って溶剤およびR,G,B3色のインクを供給するために、溶剤用とインク用のインクジェットヘッド7,8による2度のスキャン動作が行われる。
図7は、溶剤を付与する溶剤付与工程と、R,G,B3色のインクを塗布するインク塗布工程を1度のスキャン動作で行う例である。
図のように、溶剤用インクジェットヘッド7が、R,G,B3色用のインク用インクジェットヘッド8よりも基板3に近い側に設置され、同時に塗布作用を行うようになっている。
【0031】
この状態で基板3が移動すると、最初に1画素S内の溶剤塗布エリア16に溶剤が吐出され、つぎにR,G,B3色のドット15に対応してインクが塗布される。このような作用が軌跡Dに沿って連続的に行なわれる。
基板3がX方向に1ブロック分だけ移動して、溶剤付与工程とインク塗布工程が画素(1,1)から画素(1,n)まで行われると、それぞれの吐出が一旦終了する。基板3がXY方向に同時移動して、各インクジェットヘッド7,8が画素(2,1)に対向するまでの間は、そのまま各工程が中断される。
【0032】
そして、画素(2,1)に各インクジェットヘッド7,8が対向すると上述の作用が再開され、同様に2ブロック目の溶剤付与工程とインク塗布工程をなし、以下同様である。
このようにして、溶剤付与工程とインク塗布工程が1ブロック分のスキャン中に前後して行われるため、必要な作業時間が図6のものと比較して極く短縮され、作業性の向上を得られる。
【0033】
図8は、溶剤用インクジェットヘッド7がインク用インクジェットヘッド8よりも基板3に近い位置にあり、かつ溶剤用インクジェットヘッド7のY方向位置をインク用インクジェットヘッド8に対して1セット分ずらして配置したヘッド機構部5Aを示している。
このような構成では、はじめ溶剤用インクジェットヘッド7のみでX方向に沿う画素Sに溶剤を付与する。つぎに、基板3をY方向に1ヘッド分(1ブロック分)移動してから、負のX方向に基板を移動する。
【0034】
このときインク用インクジェットヘッド8がR,G,B3色のインクを各画素Sの対応する上記ドット15に塗布するとともに、1ヘッド分ずれた位置の画素Sに対して溶剤用インクジェットヘッド7が溶剤を塗布する。
以下、基板3の往路と復路の両方の移動中に各インクジェットヘッド7,8が溶剤およびインクを吐出するので、1度のスキャンで、かつ往路と復路の両方で有機EL材料を塗布できることとなり、塗布時間の短縮化に有効である。
【0035】
また、乾燥時間の差を低減するための別例として、先に説明した図4に示す基板3の表示領域13の外周に沿って溶剤用インクジェットヘッド7により溶剤を付与してから、インク用インクジェットヘッド8によりR,G,B3色のインクを全ての画素Sに塗布するようにしてもよい。
つぎに、溶剤用インクジェットヘッド8における使用するノズル12の選択について説明する。
【0036】
図9(A)は、溶剤用インクジェットヘッド8に備えられる全てのノズル12を使って溶剤を付与する例である。図中の溶剤付与領域は、ノズル数に対応した幅の帯状となる。
なお、溶剤用インクジェットヘッド8の両端より内側のノズル12に対応した領域で輝度ムラが目立たない場合は、図9(B)に示すように、両端のノズル12からだけ溶剤を付与して、ブロックの継目の輝度差を低減させる。その場合は、溶剤付与領域は図のように線状となる。
【0037】
図10は、先に説明したものとは異なる形態のインクジェットヘッド20を示している。
複数のノズル12が直列状に配置された、溶剤用ノズル列12Aと、インク用ノズル列12Bをそれぞれ備えている。図では省略しているが、インク用ノズル列12BはR,G,B3色用として3列備えられる。それぞれのノズル列12A,12Bは一列である必要はなく、複数列の場合もある。
【0038】
塗布する溶剤の種類は、必ずしも発光高分子材を溶解する溶剤と同一である必要はなく、乾燥時間を揃えるために最適なものを選択し、液滴量と液滴時間および塗布パターンを決定すればよい。
また、インクの組成や基板サイズが変わる場合には、それに合わせて溶剤の種類、液滴量、吐出位置および塗布軌跡等について条件出しを行う。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、従来発生していたインクの乾燥時間の差による輝度ムラを低減させ、高品質な有機EL表示装置を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る、有機EL材料塗布装置の外観図。
【図2】同実施の形態に係る、インクジェットの斜視図。
【図3】同実施の形態に係る、有機EL材料塗布のシステムを説明する図。
【図4】同実施の形態に係る、有機EL材料を塗布する工程を説明する図。
【図5】同実施の形態に係る、互いに異なる画素構成と、素の画素に対応する溶剤塗布エリアを説明する図。
【図6】同実施の形態に係る、互いに異なる有機EL材料を塗布する工程を説明する図。
【図7】同実施の形態に係る、さらに異なる有機EL材料を塗布する工程を説明する図。
【図8】同実施の形態に係る、さらに異なる有機EL材料を塗布する工程を説明する図。
【図9】同実施の形態に係る、溶剤塗布のノズル選択を説明する図。
【図10】同実施の形態に係る、異なるインクジェットヘッドの図。
【符号の説明】
3…基板、
S…画素、
15…ドット、
7…インク用インクジェットヘッド(インク用塗布手段)、
8…溶剤用インクジェットヘッド(溶剤用塗布手段)、
12…ノズル、
17、18…ダミーバンク。
Claims (8)
- 基板上に形成され、画素を構成するR,G,B3色に対応するドットに対して、インクジェット方式によりインクを塗布するインク塗布手段を備えた有機EL材料塗布装置において、
上記インク塗布手段によりインクを所定のドットへ塗布する以前に、予め、基板の表示領域内、もしくは表示領域の外周に溶剤を付与する溶剤付与手段を備えたことを特徴とする有機EL材料塗布装置。 - 基板上に形成され、画素を構成するR,G,B3色に対応するドットに対して、インクジェット方式によりインクを塗布するインク塗布手段を備えた有機EL材料塗布装置において、
上記インク塗布手段によりインクを所定のドットへ吐出する以前に、予め、画素内におけるドット以外の領域に溶剤を付与する溶剤付与手段を備えたことを特徴とする有機EL材料塗布装置。 - 上記インク塗布手段は、それぞれがR,G,B3色のいずれかを吐出する複数のインク用インクジェットヘッドから構成され、
上記溶剤付与手段は、溶剤をインクジェット方式により吐出する溶剤用インクジェットヘッドから構成されることを特徴とする請求項1および請求項2のいずれかに記載の有機EL材料塗布装置。 - 上記インク用インクジェットヘッドおよび溶剤用インクジェットヘッドは互いに独立して備えられ、それぞれのヘッドにはインクもしくは溶剤を吐出するノズルが所定間隔を存して直列状に配列されることを特徴とする請求項3記載の有機EL材料塗布装置。
- R,G,B3色に対応するドットから構成される画素を複数備えた基板で、基板の表示領域内、もしくは表示領域の外周に溶剤を付与する溶剤付与工程と、
この溶剤付与工程のあと、R,G,B3色に対応するドットに複数のノズルを有するインクジェットヘッドからそれぞれの色のインクを塗布するインク塗布工程とを具備したことを特徴とする有機EL材料塗布方法。 - 塗布される上記インクは、上記溶剤付与工程で付与された溶剤と同種の溶剤を含んでいることを特徴とする請求項5記載の有機EL材料塗布方法。
- R,G,B3色に対応するドットから構成される画素を複数備えた基板で、上記画素内におけるドット以外の領域に溶剤を付与する溶剤付与工程と、
この溶剤付与工程のあと、R,G,B3色に対応するドットに複数のノズルを有するインクジェットヘッドからそれぞれの色のインクを塗布するインク塗布工程とを具備したことを特徴とする有機EL材料塗布方法。 - 基板上に形成される画素において、R,G,B3色のインクが塗布されるインク用バンクおよび、溶剤が塗布されるダミーバンクを具備し、請求項5、請求項6および請求項7のいずれかに記載の有機EL材料塗布方法により有機EL材料が塗布されてなることを特徴とする有機EL表示装置。
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