JP3780468B2 - 穀物乾燥機の予熱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は穀物乾燥機の予熱装置に係り、特に、エネルギ効率を向上し得て、乾燥効率を向上し得る穀物乾燥機の予熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
米麦等の穀物を乾燥させる穀物乾燥機には、精米前の籾状態の米や麦等の穀物を乾燥するものであり、循環型や平型等の穀物乾燥機がある。
【0003】
循環型の穀物乾燥機は、上部から順次に穀物の投入される貯留部と穀物を乾燥する乾燥部と乾燥した穀物を集める集穀部とを有し、穀物を上段の貯留部から中段の乾燥部を経て下段の集穀部に導いた後に前記上段の貯留部に戻して循環させる間に、前記乾燥部においてバーナ及び送風機の発生する熱風により穀物を乾燥する。
【0004】
乾燥部内には、多孔板や網状部材等からなる通気性の通風部材により仕切られて上下方向に延びる流穀路を設けるとともに、この流穀路の両側に前記通風部材により仕切られる熱風路及び排風路を設けている。バーナ及び送風機の発生する熱風は、熱風路から通風部材を通過して流穀路に供給され、流穀路内の穀物の間を通り抜ける間に穀物を乾燥し、通風部材を通過して排風路に排出される。
【0005】
このような穀物乾燥機としては、特開昭55−137473号公報に開示されるものがある。この公報に開示されるものは、ヒートポンプの凝縮器を乾燥器の通風路中に設置して熱風を発生させ、得られた熱風により穀物を乾燥するとともに、前記ヒートポンプの蒸発器により得られた冷水を放熱器を介して循環させることにより、乾燥機を設置した室内を冷房するものである。
【0006】
【発明が解決しょうとする課題】
ところで、穀物乾燥機の熱風は、熱風路から通風部材を通過して流穀路に供給され、流穀路内の穀物の間を通り抜ける間に穀物を乾燥し、通風部材を通過して排風路に排出される。排風路に排出された排風は、穀物の乾燥により湿度が高いが温度も高く、充分な熱エネルギを有している。
【0007】
このため、従来の穀物乾燥機は、排風路に排出された排風をそのまま外部に排出していたため、エネルギが無駄に廃棄されるという問題があった。
【0008】
そこで、穀物乾燥機には、このように廃棄されるエネルギを回収するためにヒートポンプを設けているものがある。
【0009】
ところが、ヒートポンプは、エネルギの回収効率が高い一方で、導入コストが高く、保守が困難である不都合がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、穀物を上段の貯留部から中段の乾燥部を経て下段の集穀部に導いた後に前記上段の貯留部に戻して循環させる間に前記乾燥部において熱風により穀物を乾燥する穀物乾燥機を設け、前記乾燥部内に通風部材により仕切られて上下方向に延びる流穀路を設けるとともにこの流穀路の両側に前記通風部材により仕切られる熱風路及び排風路を設け、前記排風路に排風の熱を熱媒体により収集する集熱部を設け、前記貯留部に前記排風の熱により昇温した熱媒体の熱を放出する放熱部を設け、前記集熱部と放熱部との間に熱媒体を循環・停止するよう動作される循環部を設け、前記集熱部の熱媒体の温度が前記乾燥部の流穀路を流下する穀物の温度以上となった場合に前記集熱部と放熱部との間に熱媒体を循環させるよう前記循環部の動作を制御する制御部を設けたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明の循環型乾燥機の予熱装置は、乾燥部の排風路に排風の熱を熱媒体により収集する集熱部を設け、貯留部に排風の熱により昇温した熱媒体の熱を放出する放熱部を設け、集熱部と放熱部との間に熱媒体を循環・停止するよう動作される循環部を設け、集熱部の熱媒体の温度が前記乾燥部の流穀路を流下する穀物の温度以上となった場合に前記集熱部と放熱部との間に熱媒体を循環させるよう前記循環部の動作を制御する制御部を設けたことにより、排風路の排風の熱を熱媒体によって回収することができ、この回収した熱を貯留部の穀物に供給して予熱することができる。
【0012】
【実施例】
以下図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。図1〜図2は、この発明の実施例を示すものである。図1において、2は循環型の穀物乾燥機、4は貯留部、6は乾燥部、8は集穀部である。穀物乾燥機2は、上部から順次に穀物の投入される貯留部4と穀物を乾燥する乾燥部6と乾燥した穀物を集める集穀部8とを有している。
【0013】
前記乾燥部6内には、多孔板や網状部材等からなる通気性の通風部材10により仕切られて上下方向に延びる流穀路12を設けるとともに、この流穀路12の両側に通風部材10により仕切られる熱風路14及び排風路16を設けている。図1においては、乾燥部6の幅方向中央部位に長手方向に指向する熱風路14を設け、この熱風路14の幅方向外側にそれぞれ流穀路12・12を設け、これら流穀路12・12の幅方向外側にそれぞれ排風路16・16を設けている。
【0014】
乾燥部6には、長手方向の一端面に熱気を発生するバーナ18を設け、長手方向の他端面に熱気を送給する送風機20を設けている。バーナ18及び送風機20は、バーナ18に付設された制御部22により制御される。制御部22は、バーナ18及び送風機20を制御して穀物の乾燥に必要な熱風を発生させて穀物を乾燥し、また、図示しない揚穀機や上部搬送手段、下部搬送手段等の各モータを制御して穀物を循環させる。
【0015】
この穀物乾燥機2は、揚穀機により揚上された穀物を上部搬送手段により上段の貯留部4の上方中央部位まで搬送して貯留部4内に均分落下させ、この貯留部4から中段の乾燥部6を経て下段の集穀部8に導いた後に、下部搬送手段により揚穀機の下方に搬送し、揚穀機により再び揚上して前記上段の貯留部4に戻して循環させる。
【0016】
穀物乾燥機2は、このように穀物を循環させる間に、乾燥部8において制御部22によって制御されるバーナ18及び送風機20の発生する熱風により穀物を乾燥する。
【0017】
この穀物乾燥機2は、図2に示す如く、予熱装置24を設けている。予熱装置24は、排風路16に排風の熱を熱媒体により収集する集熱部26を設け、貯留部4に排風の熱により昇温した熱媒体の熱を放出する放熱部28を設けている。
【0018】
前記集熱部26は、熱伝達率の高い管状素材により繰り返し折曲げ形成され、内部に熱媒体が流通される流路(図示せず)を設けている。前記放熱部28は、熱伝達率の高い管状素材により繰り返し折曲げ形成され、内部に熱媒体が流通される流路(図示せず)を設けている。
【0019】
前記集熱部26と放熱部28とは、集熱部26と放熱部28との間に熱媒体を循環・停止するよう動作される循環部30に接続されている。循環部30は、集熱部26と放熱部28との間に熱媒体を循環させるように圧送するポンプ32を設け、集熱部26と放熱部28との間の熱媒体の循環を停止するよう開閉される開閉弁34を設けている。
【0020】
循環部30のポンプ32及び開閉弁34は、穀物乾燥機2の前記制御部22に接続されている。制御部22には、集熱部26の熱媒体の温度を検出する熱媒体温度センサ36を接続して設け、乾燥部6の流穀路12を流下する穀物の温度を検出する穀物温度センサ38を接続して設けている。
【0021】
循環部30は、制御部22によって動作を制御される。制御部22は、集熱部26の熱媒体の温度T1が乾燥部6の流穀路12を流下する穀物の温度T2以上(T1≧T2)となった場合に、集熱部26と放熱部28との間に熱媒体を循環させるよう循環部30のポンプ32及び開閉弁34の動作を制御する。
【0022】
次に作用を説明する。
【0023】
穀物乾燥機2は、運転を開始すると、制御部22によって、穀物を上段の貯留部4内に均分落下させ、この貯留部4から中段の乾燥部6を経て下段の集穀部8に導いた後に、再び揚上して前記上段の貯留部4に戻して循環させる間に、乾燥部8の流穀路12においてバーナ18及び送風機20の発生する熱風により穀物を乾燥する。
【0024】
この穀物乾燥機2は、予熱装置24を設けている。予熱装置24は、排風路16に排風の熱を熱媒体により収集する集熱部26を設け、貯留部4に排風の熱により昇温した熱媒体の熱を放出する放熱部28を設け、これら集熱部26と放熱部28と間に熱媒体を循環・停止するよう動作される循環部30を設け、この循環部30の動作を制御する制御部22を設けている。
【0025】
集熱部26の熱媒体は、穀物乾燥機2の運転中に、排風路16の排風の熱により加温され、昇温される。
【0026】
制御部22は、熱媒体温度センサ36の検出する集熱部26の熱媒体の温度T1が、穀物温度センサ38の検出する乾燥部6の流穀路12を流下する穀物T2未満(T1<T2)の場合に、集熱部26と放熱部28との間の熱媒体の循環を阻止するよう循環部30のポンプ32を停止させるとともに開閉弁34を閉動作させる。
【0027】
制御部22は、熱媒体温度センサ36の検出する集熱部26の熱媒体の温度T1が、穀物温度センサ38の検出する乾燥部6の流穀路12を流下する穀物の温度T2以上(T1≧T2)になると、集熱部26と放熱部28との間に熱媒体を循環させるよう循環部30のポンプ32を駆動させるとともに開閉弁34を開動作させる。
【0028】
放熱部28は、排風の熱により昇温した熱媒体の熱を放出し、乾燥部6の流穀路12を流下する穀物を加温する。
【0029】
このように、予熱装置24は、熱媒体温度センサ36によって集熱部26の熱媒体の温度を検出し、穀物温度センサ38によって乾燥部6の流穀路12を流下する穀物の温度を検出し、制御部22によって、集熱部26の熱媒体の温度T1が乾燥部6の流穀路12を流下する穀物の温度T2以上(T1≧T2)となった場合に、集熱部26と放熱部28との間に熱媒体を循環させるよう循環部30のポンプ32及び開閉弁34の動作を制御する。
【0030】
これにより、予熱装置24は、穀物乾燥機2の運転中に、排風路16の排風の熱を集熱部26の熱媒体により回収することができ、集熱部26の熱媒体の温度T1が流穀路12の穀物の温度T2以上(T1≧T2)となった場合に、前記回収により昇温した熱媒体を貯留部4の放熱部28に循環させて放熱させ、この放熱により回収した熱を貯留部4の穀物に供給し、乾燥部6の流穀路12に流下する穀物の温度を上昇させて予熱することができる。
【0031】
このため、この穀物乾燥機2の予熱装置24は、排風路16の排風の熱を回収し得ることにより、エネルギ効率を向上することができ、貯留部4の穀物を予熱し得ることにより、乾燥部6における穀物の乾燥効率を向上することができる。
【0032】
【発明の効果】
このように、この発明の循環型乾燥機の予熱装置は、制御部によって、集熱部の熱媒体の温度が乾燥部の流穀路を流下する穀物の温度以上となった場合に、集熱部と放熱部との間に熱媒体を循環させるよう循環部の動作を制御することにより、排風路の排風の熱を熱媒体によって回収することができ、この回収した熱を貯留部の穀物に供給して予熱することができる。
【0033】
このため、この穀物乾燥機の予熱装置は、排風路の排風の熱を回収し得ることにより、エネルギ効率を向上することができ、貯留部の穀物を予熱し得ることにより、乾燥部における穀物の乾燥効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す予熱装置を設けた穀物乾燥機の概略斜視図である。
【図2】予熱装置のブロック図である。
【符号の説明】
2 穀物乾燥機
4 貯留部
6 乾燥部
8 集穀部
10 通風部材
12 流穀路
14 熱風路
16 排風路
22 制御部
24 予熱装置
26 集熱部
28 放熱部
30 循環部
36 熱媒体温度センサ
38 穀物温度センサ
Claims (1)
- 穀物を上段の貯留部から中段の乾燥部を経て下段の集穀部に導いた後に前記上段の貯留部に戻して循環させる間に前記乾燥部において熱風により穀物を乾燥する穀物乾燥機を設け、前記乾燥部内に通風部材により仕切られて上下方向に延びる流穀路を設けるとともにこの流穀路の両側に前記通風部材により仕切られる熱風路及び排風路を設け、前記排風路に排風の熱を熱媒体により収集する集熱部を設け、前記貯留部に前記排風の熱により昇温した熱媒体の熱を放出する放熱部を設け、前記集熱部と放熱部との間に熱媒体を循環・停止するよう動作される循環部を設け、前記集熱部の熱媒体の温度が前記乾燥部の流穀路を流下する穀物の温度以上となった場合に前記集熱部と放熱部の間に熱媒体を循環させるよう前記循環部の動作を制御する制御部を設けたことを特徴とする穀物乾燥機の予熱装置。
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JP14293699A JP3780468B2 (ja) | 1999-05-24 | 1999-05-24 | 穀物乾燥機の予熱装置 |
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