JP3780315B2 - 炎症性疾患の処置のための抗il−8モノクローナル抗体 - Google Patents

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Description

発明の分野
本出願は、抗インターロイキン−8(IL−8)抗体および炎症性疾患の処置におけるそれらの用途に関するものである。
背景
インターロイキン−8(IL−8)は、炎症仲介物質に応答して、様々な細胞により分泌される好中球走化性ペプチドである(総説については、ヘバート等、Cancer Investigation、11(6)巻743頁(1993)を参照されたい)。IL−8は、成人呼吸困難症候群(ARDS)、敗血症性ショック、および多臓器不全のような炎症性疾患の病因に重要な役割を果たし得る。このような炎症性疾患の免疫療法には、抗IL−8抗体による罹患患者の処置が包含され得る。
スティチャリング等(J.Immunol.、143巻1628頁(1989))は、IL−8に対する四つのモノクローナル抗体の産生および特性決定を開示している。1992年3月19日公開のWO92/04372は、IL−8およびIL−8のペプチド類似体のレセプター相互作用部位と反応するポリクローナル抗体、ならびに患者の炎症性反応を防止するための係る抗体の使用を開示している。セント・ジョン等(Chest、103巻932頁(1993))は、抗IL−8抗体の治療的使用の可能性を含む、ARDS、敗血症性ショック、および多臓器不全の免疫療法を総説している。セキド等(Nature、365巻654頁(1993))は、IL−8に対するモノクローナル抗体によるウサギの肺再灌流損傷の防止を開示している。ミュリガン等(J.Immunol.、150巻5585頁(1993))は、ラットの炎症性肺損傷におけるヒトIL−8に対するマウスモノクローナル抗体の防護作用を開示している。
本発明は、本発明に係る抗IL−8モノクローナル抗体が、細菌性肺炎および炎症性腸疾患のようなその他の炎症性疾患の処置で治療的に使用できることを立証するものである。
抗IL−8抗体はさらに、IL−8を検定するための試薬としても有用である。例えば、スティチャリング等(Arch.Dermatol.Res.、284巻82頁(1992))は、免疫組織化学的研究における試薬としての抗IL−8モノクローナル抗体の使用を開示している。コー等(J.Immunol.Methods、149巻227頁(1992))は、IL−8のための酵素結合イムノソルベント検定(ELISA)における試薬としての抗IL−8モノクローナル抗体の使用を開示している。
発明の要約
本発明の一つの態様は、以下の特性:約1x10-8ないし1x10-10Mの間のKdでヒトIL−8に結合する能力、IL−8に応答した好中球走化性を阻害する能力、および好中球によるIL−8仲介性エラスターゼ放出を阻害する能力を有する抗IL−8モノクローナル抗体(ここで、該モノクローナル抗体はC5a、β−TGまたは血小板因子4に結合しない)である。
本発明の別の態様は、プラスミドpantiIL−8.2である。本発明のさらなる態様は、pantiIL−8.2によりコードされているFab、およびFab、Fab'、Fab'−SH、Fv、またはF(ab')2(ここで、該抗体フラグメントはpantiIL−8.2によりコードされている相補性決定領域を有する)より成る群から選ばれる抗体フラグメントである。
本発明の別の態様は、プラスミドp6G425chim2である。本発明のさらなる態様は、p6G425chim2によりコードされているFab、およびFab、Fab'、Fab'−SH、Fv、またはF(ab')2(ここで、該抗体フラグメントはp6G425chim2によりコードされている相補性決定領域を有する)より成る群から選ばれる抗体フラグメントである。
本発明の別の態様は、本発明に係る抗IL−8抗体の治療的有効量を投与することからなる、哺乳動物の潰瘍性大腸炎を処置する方法である。
本発明の別の態様は、本発明に係る抗IL−8抗体の治療的有効量を投与することからなる、哺乳動物の細菌性肺炎を処置する方法である。
【図面の簡単な説明】
図1は、抗IL−8モノクローナル抗体5.12.14による、IL−8の仲介する好中球によるエラスターゼ放出の遮断を示すグラフである。
図2は、非標識IL−8による、125I−IL−8の好中球への結合の阻害を示すグラフである。
図3は、陰性のイソタイプ合致Fabはヒト好中球に対する125I−IL−8の結合を阻害しないことを立証する図である。
図4は、平均IC50が1.6nMである、キメラ5.12.14による、ヒト好中球への125I−IL−8の結合の阻害を示すグラフである。
図5は、平均IC50が7.5nMである、キメラ6G.4.25による、ヒト好中球への125I−IL−8の結合の阻害を示すグラフである。
図6は、キメラ6G4.2.5Fabおよびキメラ5.12.14Fabによる、ヒトIL−8仲介好中球走化性の阻害を立証する図である。
図7は、ウサギIL−8仲介好中球走化性を阻害する、キメラ6G4.2.5Fabおよびキメラ5.12.14Fabの相対的能力を立証する図である。
図8は、種々の濃度のヒトおよびウサギIL−8による、ヒト好中球からのエラスターゼ放出の刺激を示す図である。エラスターゼ放出の相対的な程度を405nmの吸光度の測定により定量化した。データは三重の試料の平均値±SEMを表す。
図9は、キメラ6G4.2.5Fabおよびキメラ5.12.14Fabが、ヒトIL−8により刺激されたヒト好中球からのエラスターゼ放出を阻害する能力を示すグラフである。この結果は、100nM IL−8単独により導かれたエラスターゼ放出のパーセンテージを反映するように正規化した。データは、異なる血液ドナーを用いて異なった日に実施された3回の別個の実験の平均値±SEMを表す。IC50値を4パラメータの当てはめにより算出した。
図10は、キメラ6G4.2.5Fabおよびキメラ5.12.14Fabが、ウサギIL−8により刺激されたヒト好中球からのエラスターゼ放出を阻害する相対的能力を示すグラフである。この結果は、100nM IL−8単独により導かれたエラスターゼ放出のパーセンテージを反映するように正規化した。データは、異なる血液ドナーを用いて異なった日に実施された3回の別個の実験の平均値±SEMを表す。IC50値を4パラメータの当てはめにより算出した。
図11、a−j部は、ウサギ潰瘍性大腸炎モデルにおける以下のパラメータを示すグラフの組である:(a)組織のミエロペルオキシダーゼレベル;(b)組織のIL−8レベル;(c)結腸の重量;(d)肉眼的炎症;(e)浮腫;(f)壊死の大きさ;(g)壊死の重篤度;(h)好中球の辺縁趨向;(i)好中球の浸潤;(j)単核球の浸潤。
図12は、ストレプトコッカス・ニューモニアエ、エシェリチア・コリ、またはシュードモナス・アエルギノーサに感染した動物の気管支肺胞洗浄(BAL)液中の好中球の数に及ぼす抗IL−8モノクローナル抗体処置の効果を示すグラフである。6G4.2.5による処置は、イソタイプ対照マウスIgGで処理された動物と比較して、BAL液中に存在する好中球の数を有意に低下させた(図12)。
図13は、軽鎖および重鎖の各々のために設計された3個のプライマーのDNA配列を示す図である。プライマーのハイブリダイゼーションの機会を増大させ、モノクローナル抗体5.12.14の軽鎖および重鎖可変領域のクローニングのための第一鎖cDNA合成の効率を高めるため、複数のプライマーを設計した。
図14は、5.12.14軽鎖可変領域の増幅のための1個の前進プライマーおよび1個の逆プライマーのDNA配列を示す図である。
図15は、5.12.14重鎖可変領域の増幅のための1個の前進プライマーおよび1個の逆プライマーのDNA配列を示す図である。
図16は、5.12.14軽鎖可変領域のDNA配列を示す図である。CDRは、X線結晶学(下線を付したアミノ酸)またはカバット配列比較(星印で示されるアミノ酸)のいずれかにより示される。重要な制限部位をイタリック体で示す。STIIのシグナルペプチドはアミノ酸−23ないし−1である。マウス軽鎖可変領域はアミノ酸1ないし109である。部分的マウス軽鎖不変領域はアミノ酸110ないし123である(イタリック体)。
図17は、5.12.14重鎖可変領域のDNA配列を示す図である。CDRは、X線結晶学(下線を付したアミノ酸)またはカバット配列比較(星印で示されるアミノ酸)のいずれかにより示される。重要な制限部位をイタリック体で示す。STIIのシグナルペプチドはアミノ酸−23ないし−1である。マウス重鎖可変領域はアミノ酸1ないし120である。部分的マウス重鎖不変領域はアミノ酸121ないし130である。
図18は、マウス軽鎖および重鎖不変領域の残基をヒトの軽鎖および重鎖不変領域の残基に変換するために用いられる増幅プライマーのDNA配列を示す図である。
図19は、5.12.14軽鎖可変領域およびヒトIgG1軽鎖不変領域のコード化配列を示す図である。CDRは、X線結晶学(下線を付したアミノ酸)またはカバット配列比較(星印で示されるアミノ酸)のいずれかにより示される。ヒト不変領域をイタリック体で示す。STIIのシグナルペプチドはアミノ酸−23ないし−1である。マウス軽鎖可変領域はアミノ酸1ないし109である。ヒト軽鎖不変領域はアミノ酸110ないし215である。
図20は、5.12.14重鎖可変領域およびヒトIgG1の重鎖不変領域のコード化配列を示す図である。CDRは、X線結晶学(下線を付したアミノ酸)またはカバット配列比較(星印で示されるアミノ酸)のいずれかにより示される。ヒト不変領域をイタリック体で示す。STIIのシグナルペプチドはアミノ酸−23ないし−1である。マウス重鎖可変領域はアミノ酸1ないし120である。ヒト重鎖不変領域はアミノ酸121ないし229である。
図21は、軽鎖および重鎖の各々のために設計された3個のプライマーのDNA配列を示す図である。プライマーのハイブリダイゼーションの機会を増大させ、モノクローナル抗体6G4.2.5の軽鎖および重鎖可変領域のクローニングのための第一鎖cDNA合成の効率を高めるため、複数のプライマーを設計した。
図22は、6G4.2.5軽鎖可変領域の増幅のための1個の前進プライマーおよび1個の逆プライマーのDNA配列を示す図である。
図23は、6G4.2.5重鎖可変領域の増幅のための1個の前進プライマーおよび1個の逆プライマーのDNA配列を示す図である。
図24は、6G4.2.5軽鎖可変領域のDNA配列を示す図である。CDRは、X線結晶学(下線を付したアミノ酸)またはカバット配列比較(星印で示されるアミノ酸)のいずれかにより示される。有用なクローニング部位をイタリック体で示す。STIIのシグナルペプチドはアミノ酸−23ないし−1である。マウス軽鎖可変領域はアミノ酸1ないし114である。部分的マウス軽鎖不変領域はアミノ酸115ないし131である。
図25は、6G4.2.5重鎖可変領域のDNA配列を示す図である。CDRは、X線結晶学(下線を付したアミノ酸)またはカバット配列比較(星印で示されるアミノ酸)のいずれかにより示される。有用なクローニング部位をイタリック体で示す。STIIのシグナルペプチドはアミノ酸−23ないし−1である。マウス重鎖可変領域はアミノ酸1ないし122である。部分的マウス重鎖不変領域はアミノ酸123ないし135である。
図26は、マウス軽鎖および重鎖不変領域をヒトの軽鎖および重鎖不変領域に変換するためのプライマーを示す図である。
図27は、キメラ6G4.2.5軽鎖のためのコード化配列を示す図である。CDRは、X線結晶学(下線を付したアミノ酸)またはカバット配列比較(星印で示されるアミノ酸)のいずれかにより示される。ヒト不変領域をイタリック体で示す。STIIのシグナルペプチドはアミノ酸−23ないし−1である。マウス重鎖可変領域はアミノ酸1ないし114である。ヒト重鎖不変領域はアミノ酸115ないし220である。
図28は、キメラ6G4.2.5重鎖のためのコード化配列を示す図である。CDRは、X線結晶学(下線を付したアミノ酸)またはカバット配列比較(星印で示されるアミノ酸)のいずれかにより示される。ヒト不変領域をイタリック体で示す。STIIのシグナルペプチドはアミノ酸−23ないし−1である。マウス重鎖可変領域はアミノ酸1ないし122である。ヒト重鎖不変領域はアミノ酸123ないし231である。
好ましい態様の説明
A.定義
一般に以下の語または句は、説明、実施例、および請求の範囲に使用される時、以下に示す定義を有する。
「ポリメラーゼ連鎖反応」または「PCR」とは、核酸、RNAおよび/またはDNAの特定の断片の少量を、1987年7月28日登録の米国特許第4683195号に記載のように増幅させる操作または技術を指す。一般に、オリゴヌクレオチドプライマーを設計できるよう、目的とされる領域の末端から、またはそれ以上の配列情報が得られる必要があり;これらのプライマーは増幅される鋳型の反対側の鎖と同一または類似の配列であろう。2個のプライマーの5'末端ヌクレオチドは、増幅されたものの末端と一致し得る。PCRは、特定のRNA配列、総ゲノムDNAからの特定のDNA配列、および総細胞RNAから転写されたcDNA、バクテリオファージまたはプラスミド配列等の増幅に使用することができる。一般に、ミュリス等、Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.、51巻263頁(1987);アーリッヒ編、PCR Technology(ストックトン・プレス、NY、1989)を参照されたい。本明細書に記載のように、PCRは、核酸の特定の断片を増幅または作成するために、プライマーとしての既知の核酸および核酸ポリメラーゼを使用することからなる、核酸被験試料を増幅するための核酸ポリメラーゼ反応法の一例であるが、唯一の例ではないと考えられる。
「抗体」(Ab)および「免疫グロブリン」(Ig)は、同じ構造特性を有する糖蛋白である。抗体は特異的抗原に対する結合特異性を示すのに対し、免疫グロブリンは、抗体および抗原特異性を欠くその他の抗体様分子の両者を包含する。後者の種類のポリペプチドは、例えばリンパ系により低レベルが、そして骨髄腫により高レベルが産生される。
「天然の抗体および免疫グロブリン」は、通常、2個の同一の軽(L)鎖および2個の同一の重(H)鎖で構成される約150000ダルトンのヘテロ四量体糖蛋白である。各々の軽鎖は1個の共有ジスルフィド結合により重鎖に連結しているが、ジスルフィド結合の数は、異なる免疫グロブリンイソタイプの重鎖の間で相違する。各々の重鎖および軽鎖はさらに、規則的に間隔のあいた鎖内ジスルフィド橋を有する。各々の重鎖は一方の端に1個の可変ドメイン(VH)、続いて幾つかの不変ドメインを持っている。各々の軽鎖は一方の端に1個の可変ドメイン(VL)、そして他方の端に1個の不変ドメインを持っている;軽鎖の不変ドメインは重鎖の第一不変ドメインと並置しており、軽鎖可変ドメインは重鎖の可変ドメインと並置している。特定のアミノ酸残基が、軽鎖および重鎖可変ドメインの間の界面を形成していると信じられている(クロチア等、J.Mol.Biol.、186巻651頁(1985);ノヴォトニーおよびヘイバー、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、82巻4592頁(1985))。
「可変」という語は、可変ドメインの或る部分が配列の上で抗体間で甚だしく異なっている事実を指し、特定の抗原に対する特定の各抗体の結合および特異性に用いられる。しかしながら、可変性は抗体の可変ドメイン全体に平均して分布してはいない。それは、軽鎖および重鎖可変ドメインの両方にある相補性決定領域(CDR)または超可変領域と呼ばれる三個のセグメントに集中している。可変ドメインの、より高度に保存された部分はフレームワーク(FR)と呼ばれる。天然の重および軽鎖の可変ドメインはそれぞれ四個のFR領域を含んでおり、これらは大抵βシートコンフィギュレーションを採用しており、三個のCDRによって連結しているが、それらはこのβシート構造を結合するループを形成するか、幾つかの場合にはそのβシート構造の一部を形成している。各鎖のCDRはFR領域によって極めて近接して保持されており、他の鎖のCDRと共に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与している(カバット等、シークエンシズ・オブ・プロテインズ・オブ・イミュノロジカル・インタレスト、第5版、ナショナル・インスティテュート・オブ・ヘルス、ベセスダ、MD(1991)を参照されたい)。不変ドメインは抗体の抗原への結合に直接関与している訳ではないが、抗体の抗体依存細胞毒性への参加といったような様々なエフェクター機能を示す。
抗体のパパイン消化は、それぞれが1個の抗原結合部位を伴う「Fab」フラグメントと呼ばれる二つの等しい抗原結合フラグメント、および、その名称が容易に結晶化する能力を反映している、残りの「Fc」フラグメントを生成する。ペプシン処理は、二個の抗原結合部位を持ち、なお抗原と交差反応できるF(ab')2フラグメントを生成する。
「Fv」は、完全な抗原認識および抗原結合部位を含む最小の抗体フラグメントである。この領域は、緊密に非共有結合している1個の重鎖および1個の軽鎖可変ドメインの二量体で構成されている。各可変ドメインの三つのCDRが相互作用してVH−VL二量体表面の抗原結合部位を規定しているのはこのコンフィギュレーションにおいてである。まとはめると、6個のCDRが抗体に抗原結合特異性を付与している。しかしながら、ただ一つの可変ドメイン(または、或る抗原に特異的な3個のCDRのみを含むFvの半分)でさえ、結合部位全体より親和性は低いものの、抗原を認識し結合する能力を持っている。
Fabフラグメントはまた、軽鎖の不変ドメインおよび重鎖の最初の不変ドメイン(CH1)を含んでいる。Fab'フラグメントは、抗体のヒンジ領域由来の1またはそれ以上のシステインを含む数個の残基が重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端に加わっている点でFabフラグメントと異なっている。Fab'−SHは本明細書において、不変ドメインのシステイン残基が遊離チオール基を持っているFab'の表記である。F(ab')2抗体フラグメントは元々、間にヒンジシステインを持っているFab'フラグメントの対として生成された。別の、抗体フラグメントの化学的結合もまた知られている。
任意の脊椎動物種由来の抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、それらの不変ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(k)およびラムダ(1)と呼ばれる極めて明瞭な二つのタイプの一つに割り当てることができる。
重鎖の不変ドメインのアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは異なるクラスに割り当てることができる。五つの主要な免疫グロブリンのクラス:IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM、があり、これらのうち幾つかはさらにサブクラス(イソタイプ)、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2、に分けることができる。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖不変ドメインは、それぞれα、δ、ε、γ、およびμと呼ばれる。免疫グロブリンの異なるクラスのサブユニット構造および三次元コンフィギュレーションは良く知られている。
「抗体」という語は最も広い意味で用いられ、詳細には、単一のモノクローナル抗体(アゴニストおよびアンタゴニスト抗体を包含する)および多エピトープ特異性を有する抗体組成物を包含する。
本明細書中使用される「モノクローナル抗体」(mAb)という語は、実質上均質な抗体の集団から得られた抗体、即ち、その集団を構成する個々の抗体が、少量存在し得る天然に存在する可能な突然変異を除いては同一である抗体を指す。モノクローナル抗体は、極めて特異的であり、単一の抗原部位に対するものである。さらに、典型的には異なる決定基(エピトープ)に対して作製される異なった抗体を含む常套的(ポリクローナル)抗体調製物とは対照的に、各mAbは抗原上の一つの決定基に対して作製されたものである。それらの特異性に加えて、モノクローナル抗体は、他の免疫グロブリンにより汚染されていないハイブリドーマ培養によって合成されるという点で有利である。
本明細書に記載のモノクローナル抗体は、供給源となる種または免疫グロブリンクラスもしくはサブクラスの指定に拘わらず、抗IL−8抗体の可変(超可変を包含する)ドメインを不変ドメインに(例えば「ヒト化」抗体)、または軽鎖を重鎖に、またはある種由来の鎖を別の種由来の鎖にスプライシングすることにより生成されるハイブリッドおよび組換え抗体、または、ヘテロローガス蛋白の融合物、ならびに、それらが所望の生物活性を示す限り、抗体フラグメント(例えば、Fab、F(ab')2、およびFv)を包含する。(例えば、キャビリー等、米国特許第4816567号;メイジおよびラモイ、モノクローナル・アンティボディー・プロダクション・テクニークス・アンド・アプリケーションズ、79−97頁(マーセル・デッカー、Inc.、ニューヨーク、1987)を参照されたい。)
したがって、修飾語句「モノクローナル」は、実質上均質な抗体の集団から得られるような抗体の性格を示すものであり、特定の方法によりその抗体を産生することを要求すると解してはならない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、コーラーおよびミルシュタイン、Nature、256巻495頁(1975)により最初に記載されたハイブリドーマ法により作製することができ、または、組換えDNA法により作製することができる(キャビリー等、上記)。
本明細書に記載のモノクローナル抗体は、それらが所望の生物活性を示す限り、重および/または軽鎖の一部は、特定の種から誘導されるまたは特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体の対応配列と同一またはホモローガスであるが、一方、鎖の残部は、別の種から誘導されるまたは別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体の対応配列と同一またはホモローガスである、「キメラ」抗体(免疫グロブリン)、および係る抗体のフラグメントを特に包含する(キャビリー等、上記;モリソン等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、81巻6851頁(1984))。
非ヒト(例えばマウス)抗体の「ヒト化」型は、非ヒト免疫グロブリンから誘導された最小の配列を含む、特異的キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖またはそのフラグメント(例えば、抗体の、Fv、Fab、Fab'、F(ab')2またはその他の抗原結合サブ配列)である。大抵は、ヒト化抗体は、受容者の相補性決定領域(CDR)由来の残基が、所望の特異性、親和性および能力を有するマウス、ラットまたはウサギのようなヒト以外の種(ドナー抗体)のCDR由来の残基により置き換えられている、ヒト免疫グロブリン(受容者抗体)である。幾つかの例では、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基が、対応する非ヒト残基に置き換えられている。さらに、ヒト化抗体は、受容者抗体にも取り入れられたCDRまたはフレームワーク配列にも見いだされない残基を含み得る。これらの修飾は、抗体の挙動をさらに洗練および最適化するためになされる。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1個、典型的には2個の可変ドメインの実質上全てを含み、ここで、全てまたは実質上全てのCDR領域は非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、全てまたは実質上全てのFR領域はヒト免疫グロブリン共通配列のものである。ヒト化抗体は、最適には、免疫グロブリン不変領域(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンの不変領域の少なくとも一部をも含むであろう。さらなる詳細については、ジョーンズ等、Nature、321巻522頁(1986);リーチマン等、Nature、332巻323頁(1988);およびプレスタ、Curr.Op.Struct.Biol.、2巻593頁(1992)を参照されたい。
「処置」とは、治療的処置および予防的または防止的方法の両者を指す。処置を必要とする者には、既にその疾患を有する者ならびにその疾患に罹患し易い者またはその疾患が防止されるべき者が包含される。
処置の目的のための「哺乳動物」とは、人間、飼い慣らされたおよび農場の動物、および動物園、競技、または愛玩動物を包含する、哺乳動物に分類される任意の動物、例えば犬、馬、猫、牛等を包含する。好ましくは、本明細書に記載の哺乳動物とは、人間である。
本明細書中使用される蛋白、ペプチドおよびポリペプチドは互換的に用いられ、アミノ酸ポリマーまたは2もしくはそれ以上の相互作用するまたは結合したアミノ酸ポリマーの組を意味する。
本明細書中使用される「炎症性疾患」という語は、典型的には好中球の走化性により惹起される、炎症の際にもたらされる病理学的状態を指す。係る疾患の例は、乾癬を包含する炎症性皮膚疾患;炎症性腸疾患(例えばクローン病および潰瘍性大腸炎)に伴う応答;虚血性再灌流;成人呼吸困難症候群;皮膚炎;髄膜炎;脳炎;ブドウ膜炎;慢性関節リウマチ、ショーグレン症候群、脈管炎のような自己免疫疾患;白血球滲出を含む疾患;中枢神経系(CNS)炎症性疾患、敗血症または外傷に続発性の多臓器傷害症候群;アルコール性肝炎、細菌性肺炎、抗原抗体複合体仲介疾患;胸膜炎、肺胞炎、脈管炎、肺炎、慢性気管支炎、気管支拡張症、および嚢胞性線維症を包含する肺の炎症等を包含する。好ましい適応は、細菌性肺炎および潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患である。
B.発明を実施する様式
1.抗IL−8抗体の製造
a.モノクローナル抗体
本発明に係る抗IL−8抗体は、好ましくはモノクローナルであり、約1x10-8ないし1x10-11、より好ましくは1x10-9ないし1x10-10のKdでIL−8と結合する。本発明に係る抗体は、好ましくは、ELISA検定において、C5a、血小板因子4またはβ−TGのようなIL−8以外のケモカインと、測定し得る程には結合しない。さらに、本発明に係る抗体は、好ましくは、IL−8で刺激された好中球からのエラスターゼ放出を阻害し、そしてIL−8で刺激された好中球の走化性を阻害する。本発明の一つの態様において、本発明に係る抗体は、ヒトIL−8に加えてヒト以外の種由来のIL−8、例えばウサギIL−8と結合することができる。
本発明の別の態様において、本発明に係る抗IL−8抗体のFab、Fab'、Fab'−SH、またはF(ab')2フラグメントが作り出される。これらの抗体「フラグメント」は、酵素的消化のような常套的手段によって作り出され、または組換え技術によって生成することができる。このような抗体フラグメントはキメラ化またはヒト化されていてよい。これらのフラグメントは、下に開示する診断および治療目的にとって有用である。
本発明に係る抗IL−8モノクローナル抗体は、例えば、コーラーおよびミルシュタイン、Nature、256巻495頁(1975)により最初に記載されたハイブリドーマ法を用いて作成することができ、または組換えDNA法(キャビリー等、上記)によって作成することができる。
ハイブリドーマ法においては、マウスまたはその他の適当な宿主動物、例えばハムスターを上記のように免疫し、免疫に用いられたIL−8またはIL−8フラグメントと特異的に結合する抗体を産生するまたは産生することのできるリンパ球を導く。IL−8に対する抗体は一般に、IL−8およびアジュバントを動物に複数回皮下(sc)または腹腔内(ip)注射することによって作成される。動物は通常、モノホスホリルリピドA(MPL)/トレハロースジコリノミコラート(TDM)(リビ・イミュノケム・リサーチ、Inc.、ハミルトン、MT)を伴うIL−8の免疫原性コンジュゲートまたは誘導体に対して免疫し、この溶液を複数部位に皮内注射する。2週間後、この動物を追加免疫する。7ないし14日後、動物を採血し、血清を抗IL−8力価について検定する。動物は、力価がプラトーに達するまで追加免疫する。
別法として、リンパ球をインビトロで免疫することもできる。この場合、リンパ球は適当な融合剤、例えばポリエチレングリコールを用いて骨髄腫細胞と融合させ、ハイブリドーマ細胞を形成させる(ゴディング、モノクローナル・アンティボディーズ:プリンシプルズ・アンド・プラクティス、59−103頁(アカデミック・プレス、1986))。
こうして製造されたハイブリドーマ細胞を、好ましくは、融合していない親の骨髄腫細胞の増殖および生存を阻害する1またはそれ以上の物質を含有する適当な培養基に蒔き、増殖させる。例えば、親の骨髄腫細胞が酵素ヒポキサンチングアニジンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を欠損しているならば、ハイブリドーマのための培養基は、典型的にはヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジンを含み(HAT培地)、これらの物質はHGPRT欠失細胞の増殖を妨げる。
好ましい骨髄腫細胞は、効率的に融合し、選ばれた抗体産生細胞による安定な高レベルの抗体産生を支持し、そしてHAT培地のような培地に対して感受性である。これらの中でも好ましい骨髄腫セルラインは、ソーク・インスティテュート・セル・ディストリビューション・センター、サンディエゴ、カリフォルニア、U.S.A.より入手し得るMOPC−21およびMPC−11マウス腫瘍、および、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、ロックヴィル、メリーランド、U.S.A.より入手し得るSP−2細胞から誘導されるもののようなマウス骨髄腫ラインである。
ハイブリドーマ細胞が増殖している培養基をIL−8に対するモノクローナル抗体の産生について検定する。好ましくは、ハイブリドーマ細胞により産生されるモノクローナル抗体の結合特異性を、免疫沈降またはインビトロ結合検定、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)または酵素結合イムノソルベント検定(ELISA)によって測定する。
mAbの結合親和性は、例えばマンソンおよびポラード、Anal.Biochem.、107巻220頁(1980)のスキャッチャード分析により決定することができる。
ハイブリドーマ細胞が所望の特異性、親和性、および/または活性の抗体を産生すると確定された後、クローンを限界希釈法によってサブクローニングし、標準法(ゴディング、上記)により増殖させることができる。この目的のための好適な培地は、例えばD−MEMまたはRPMI−1640培地を包含する。加えて、このハイブリドーマ細胞は、動物の腹水腫瘍としてインビボで増殖させることができる。
サブクローンにより分泌されたモノクローナル抗体は、常套的免疫グロブリン精製法、例えばプロテインA−セファロース、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、または親和クロマトグラフィーにより、培養基、腹水液、または血清から適当に分離する。
本発明に係るモノクローナル抗体をコードしているDNAは、常法を用いて(例えば、マウス抗体の重鎖および軽鎖をコードしている遺伝子と特異的に結合することのできるオリゴヌクレオチドプローブを使用することにより)容易に分離および配列決定される。本発明に係るハイブリドーマ細胞は係るDNAの好ましい供給源としての役割を有する。分離されたならば、このDNAは発現ベクター中に入れ、次にこれを、この状況以外では免疫グロブリン蛋白を産生しない大腸菌細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または骨髄腫細胞のような宿主細胞中にトランスフェクトし、組換え宿主細胞におけるモノクローナル抗体の合成を獲得することができる。該抗体をコードしているDNAの細菌における組換え発現に関する総説には、スケラ等、Curr.Opinion in Immunol.、5巻256頁(1993)およびプリュックトン、Immunol.Revs.、130巻151頁(1992)が包含される。
このDNAはまた、例えば、ヒト重鎖および軽鎖不変ドメインのコード化配列を、ホモローガスなマウス配列の代わりに置換することにより(例えばモリソン等、Proc.Natl.Acad.Sci.、81巻6851頁(1984))、または、免疫グロブリンコード化配列に非免疫グロブリンポリペプチドのコード化配列の一部または全てを共有結合させることにより、修飾することができる。このようにして、本明細書に記載の抗IL−8mAbの結合特異性を有する「キメラ」または「ハイブリッド」抗体が製造される。
典型的には、このような非免疫グロブリンポリペプチドは、本発明に係る抗体の不変ドメインを置換し、または本発明に係る抗体の1個の抗原結合部位の可変ドメインを置換して、IL−8に対する特異性を有する1個の抗原結合部位、および異なる抗原に対する特異性を有するもう一つの抗原結合部位を含むキメラ二価抗体を作り出す。
キメラまたはハイブリッド抗体は、架橋剤を用いる方法を包含する、合成蛋白化学において既知の方法を用いてインビトロで製造することもできる。例えば、免疫毒素は、ジスルフィド交換反応を用いて、またはチオエステル結合を形成することにより、組み立てることができる。この目的のための好適な試薬の例は、イミノチオラートおよびメチル−4−メルカプトブチルイミダートを包含する。
b.ヒト化抗体
非ヒト抗体をヒト化する方法は当分野で良く知られている。一般に、ヒト化抗体は、ヒト以外の供給源から導入された1またはそれ以上のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基はしばしば「移入」残基と呼ばれ、これは典型的には「移入」可変ドメインから取られている。ヒト化は、本質的にはウィンターおよび共同研究者の方法(ジョーンズ等、Nature、321巻522頁(1986);リーチマン等、Nature、332巻323頁(1988);ベルホーエン等、Science、239巻1534頁(1988))に従って、齧歯類CDRまたはCDR配列でヒト抗体の対応配列を置換することにより、実施することができる。したがって、このような「ヒト化」抗体は、無傷のヒト可変ドメインより実質上小さい部分が非ヒト種由来の対応配列によって置換されている、キメラ抗体である(キャビリー等、上記)。実際、ヒト化抗体は、典型的には、幾つかのCDR残基およびことによると幾つかのFR残基が、齧歯類抗体の類似部位からの残基によって置換されているヒト抗体である。
ヒト化抗体の作製に使用される軽鎖および重鎖両方のヒト可変ドメインの選択は、抗原性を低下させるために極めて重要である。いわゆる「ベストフィット」法に従うと、齧歯類抗体の可変ドメインの配列を既知のヒト可変ドメイン配列の全ライブラリーに対してスクリーニングする。次いで、その齧歯類の配列に最も近いヒト配列を、ヒト化抗体のためのヒトフレームワーク(FR)として受け入れる(シムズ等、J.Immunol.、151巻2296頁(1993);チョシアおよびレスク、J.Mol.Biol.、196巻901頁(1987))。もう一つの方法は、軽鎖または重鎖の特定のサブグループにある、全てのヒト抗体の共通配列から誘導される特定のフレームワークを使用するものである。同じフレームワークを幾つかの異なるヒト化抗体に使用することができる(カーター等、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、89巻4285頁(1992);プレスタ等、J.Immunol.、151巻2623頁(1993))。
さらに、抗体は、抗原に対する高親和性およびその他の望ましい生物学的性質を保持したままヒト化することが重要である。この目的を達成するため、好ましい態様によれば、親配列および様々な概念的ヒト化生成物を、親およびヒト化配列の三次元モデルを用いて分析する工程によって、ヒト化抗体を製造する。三次元免疫グロブリンモデルは一般に利用でき、当業者には良く知られている。選ばれた候補免疫グロブリン配列の可能な三次元コンホメーション構造を例示し表示するコンピュータープログラムが利用できる。これらの表示を調べることにより、候補免疫グロブリン配列の機能における当該残基の可能な役割の分析、即ち、候補免疫グロブリンがその抗原を結合させる能力に影響を及ぼす残基の分析、が可能となる。このようにして共通および移入配列からのFR残基を選択し、結びつけることができ、その結果、所望の抗体の性格、例えば標的抗原に対する親和性の増加が達成される。一般に、CDR残基は、直接且つ最も実質的に抗原結合への影響に関与する。
c.ヒト抗体
ヒトモノクローナル抗体はハイブリドーマ法によって作成することができる。ヒトモノクローナル抗体の産生のためのヒト骨髄腫およびマウス−ヒトヘテロ骨髄腫セルラインが、例えば、コズボア、J.Immunol.、133巻3001頁(1984);ブロデュア等、モノクローナル・アンティボディ・プロダクション・テクニークス・アンド・アプリケーションズ、51−63頁(マーセル・デッカー、Inc.、ニューヨーク、1987);およびボーナー等、J.Immunol.、147巻86頁(1991)に記載されている。
免疫時に内因性免疫グロブリンの産生無しにヒト抗体の全レパートリーを産生することのできる、形質転換動物(例えば、マウス)を作ることが現在可能である。例えば、キメラおよび生殖系列突然変異体マウスにおける抗体重鎖結合領域(JH)遺伝子の同型接合除去が内因性抗体産生の完全な阻害をもたらすということが記載されている。このような生殖系列突然変異体マウスでのヒト生殖系列免疫グロブリン遺伝子列の転移は、抗原チャレンジ時にヒト抗体の産生をもたらすであろう。例えば、ジャコボヴィッツ等、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、90巻2551頁(1993);ジャコボヴィッツ等、Nature、362巻255頁(1993);ブラガーマン等、Year in Immuno.、7巻33頁(1993)を参照されたい。
別法として、ファージデイスプレイ技術(マクカファーティ等、Nature、348巻552頁(1990))を用いてヒト抗体および抗体フラグメントをインビトロで、非免疫ドナーからの免疫グロブリン可変(V)ドメイン遺伝子レパートリーから生成することもできる。この技術によれば、抗体Vドメイン遺伝子を、M13またはfdのような繊維状バクテリオファージの主要なまたは重要性の低いコート蛋白遺伝子のいずれかの中にフレーム内クローニングし、このファージ粒子の表面上に機能的抗体フラグメントとして表示させる。繊維状粒子はこのファージゲノムの一本鎖DNAコピーを含んでいるため、抗体の機能的性質に基づく選択は、それらの性質を示す抗体をコードしている遺伝子の選択をももたらす。よって、このファージはB細胞の性質の幾つかを模倣するものである。ファージデイスプレイは様々な形式で遂行でき、これらの総説については、例えばジョンソン等、Current Opinion in Structural Biology、3巻564頁(1993)を参照されたい。幾つかのV遺伝子セグメントの供給源がファージディスプレイに使用できる。クラックソン等、Nature、352巻624頁(1991)は、免疫されたマウスの脾臓から誘導されたV遺伝子の小さな無作為組み合わせライブラリーから、抗オキサゾロン抗体の多様性ある列を分離した。免疫されていない人間のドナー由来のV遺伝子のレパートリーを組み立てることができ、多様性ある列の抗原に対する抗体(自己抗原を含む)を、マークス等、J.Mol.Biol.、222巻581頁(1991)、またはグリフィス等、EMBO J.、12巻725頁(1993)により記載される技術に本質上従って、分離することができる。
天然の免疫応答の際、抗体遺伝子は高率で突然変異を蓄積する(体細胞突然変異)。導入される変化の幾つかは高い親和性を付与し、後の抗原チャレンジの間に、高親和性表面免疫グロブリンを表示するB細胞が専ら複製され分化する。この天然の工程は、「鎖シャフリング」として知られる技術を用いることにより模倣することができる(マークス等、Bio/Technol.、10巻779頁(1992))。この方法においては、ファージデイスプレイにより得られる「一次」ヒト抗体の親和性を、免疫されていないドナーから得られたVドメイン遺伝子の天然に存在する変異体(レパートリー)のレパートリーで重鎖および軽鎖V領域遺伝子を順次置き換えることによって改善することができる。この技術は、nM範囲の親和性を有する抗体および抗体フラグメントの産生を可能にする。非常に大きなファージ抗体レパートリーを作成するための方法が、ウォーターハウス等、Nucl.Acids Res.、21巻2265頁(1993)に記載されている。
遺伝子シャフリングは、齧歯類抗体からヒト抗体を誘導するのに使用することもでき、この場合、ヒト抗体は、出発齧歯類抗体と類似の親和性および特異性を持っている。「エピトープ刷り込み」とも呼ばれるこの方法に従って、ファージディスプレイ技術により得られた齧歯類抗体の重鎖または軽鎖Vドメイン遺伝子は、ヒトVドメイン遺伝子のレパートリーに置き換えられ、齧歯類−ヒトキメラが作り出される。抗原による選択が、機能的抗原結合部位を回復させ得るヒト可変部の分離をもたらし、即ち、エピトープがパートナーの選択を支配する(刷り込む)。残っている齧歯類Vドメインを置き換えるためにこの工程を反復すると、ヒト抗体が得られる(1993年4月1日公開のPCT WO93/06213を参照されたい)。CDR接合による齧歯類抗体の常套的なヒト化は異なり、この技術は、齧歯類のフレームワークまたはCDRを持たない完全なヒト抗体を提供する。
d.二重特異性抗体
二重特異性抗体は、少なくとも二つの異なる抗原に対する結合特異性を有する、モノクローナルの、好ましくはヒト抗体またはヒト化抗体である。本発明においては、一方の結合特異性はIL−8に対するものであり、他方は他の任意の抗原に対するものである。例えば、IL−8および神経栄養因子、または二つの異なる型のIL−8ポリペプチドを特異的に結合させる二重特異性抗体は本発明の範囲内にある。
二重特異性抗体を作製する方法は当分野において既知である。常套的には、二重特異性抗体の組換え産生は二つの免疫グロブリン重鎖−軽鎖の対の同時発現に基づき、ここでこの二つの重鎖は異なる特異性を持っている(ミルシュタインおよびキュエロ、Nature、305巻537頁(1983))。免疫グロブリン重鎖および軽鎖が無作為に取り揃えられているため、これらのハイブリドーマ(四部雑種)は10個の異なる抗体分子の可能性ある混合物を産生し、そのうちただ一つが正しい二重特異性構造を有する。通常、親和クロマトグラフィー工程により行われる正しい分子の精製は、かなり煩わしく、そして生成物の収率は低い。同様の方法は、1993年5月13日公開のWO93/08829およびトラウネッカー等、EMBO J.、10巻3655頁(1991)に開示されている。
異なったそしてより好ましいアプローチによると、所望の結合特異性を有する抗体可変ドメイン(抗原−抗体結合部位)を、免疫グロブリン不変ドメイン配列と融合させる。この融合は好ましくは、少なくともヒンジの一部、CH2およびCH3領域を含む免疫グロブリン重鎖不変ドメインとの融合である。軽鎖の結合に必要な部位を含む第一の重鎖不変領域(CH1)を、融合物の少なくとも一つに存在させることが望ましい。免疫グロブリン重鎖の融合、および、所望ならば免疫グロブリン軽鎖をコードしているDNAを、別々の発現ベクター中に挿入し、適当な宿主生物に同時トランスフェクトする。この事により、組み立てに使用される三つのポリペプチド鎖の等しくない比率が最適の収率を提供する態様において、三つのポリペプチドフラグメントの相互の割合の調節に大きな融通性が与えられる。しかし、少なくとも二つのポリペプチド鎖の等しい比率での産生が高収率をもたらす時、または、その比率が特に重要性を持たない時は、2または3個全てのポリペプチド鎖のためのコード化配列を一つの発現ベクターに挿入することが可能である。このアプローチの好ましい態様において、二重特異性抗体は、第一の結合特異性を有する一方の腕のハイブリッド免疫グロブリン重鎖、そして他方の腕のハイブリッド免疫グロブリン重鎖−軽鎖対(第二の結合特異性を提供する)で構成される。その二重特異性分子の半分しか免疫グロブリン軽鎖がないことで容易な分離法が提供されるため、この非対称的構造は、所望の二重特異性化合物を不要な免疫グロブリン鎖の組み合わせから分離することを容易にする。二重特異性抗体を作製するさらなる詳細については、例えばスレッシュ等、Methods in Enzymology、121巻210頁(1986)を参照されたい。
e.ヘテロコンジュゲート抗体
ヘテロコンジュゲート抗体もまた本発明の範囲内にある。ヘテロコンジュゲート抗体は、共有結合により連結した二つの抗体で構成される。このような抗体は、例えば、不要な細胞に対する免疫系細胞を標的とするため(米国特許第4676980号)、そしてHIV感染の処置のため(WO91/00360;WO92/00373;およびEP03089)に提唱された。ヘテロコンジュゲート抗体は、任意の簡便な架橋法を用いて作製することができる。好適な架橋剤は当分野において良く知られており、幾つかの架橋技術と共に米国特許第4676980号に開示されている。
2.抗IL−8抗体の用途
a.診断的用途
IL−8の検出または定量を必要とする診断上の適用のため、本発明に係る抗体を、典型的には検出可能な原子団で標識する。検出可能な原子団は、検出可能なシグナルを直接的または間接的に生成することのできる任意のものとすることができる。例えば、検出可能な原子団は、3H、14C、32P、35S、または125Iのような放射性同位元素;フルオレセインイソチオシアナート、ローダミン、またはルシフェリンのような蛍光または化学ルミネセント化合物;例えば125I、32P、14C、または3Hのような放射性同位元素標識;またはアルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、もしくは西洋ワサビペルオキシダーゼのような酵素とすることができる。
ハンター等、Nature、144巻945頁(1962);デイヴィッド等、Biochemistry、13巻1014頁(1974);ペイン等、J.Immunol.Meth.、40巻219頁(1981);およびニグレン、J.Histochem.and cytochem.、30巻407頁(1982)により記載される方法を包含する、抗体を検出可能な原子団に個別にコンジュゲートさせるための当分野で既知の任意の方法を使用することができる。
本発明に係る抗体は、競合的結合検定、直接および間接サンドイッチ検定、および免疫沈降検定のような既知の任意の検定法に使用することができる。例えば、ゾラ、モノクローナル・アンティボディーズ:ア・マニュアル・オブ・テクニークス、147−158頁(CRCプレス、Inc.、1987)を参照されたい。
競合的結合検定は、標識された標準(これはIL−8またはその免疫学的に活性な部分とすることができる)が限られた量の抗体との結合について被験試料検定(IL−8)と競合する能力に依るものである。被験試料中のIL−8の量は、抗体に結合することになる標準の量に逆比例する。結合することになる標準の量の決定を容易にするため、抗体は一般にこの競合の前または後で不溶化し、その結果、抗体に結合する標準および被験体は、非結合のままである標準および被験体から簡便に分離することができる。
サンドイッチ検定は、各々が、検出されるべき蛋白(IL−8)の相異なる抗原部分、またはエピトープと結合することのできる、二つの抗体の使用を含む。サンドイッチ検定においては、被験試料検体は、固体支持体上に固定された第一の抗体に結合し、その後第二の抗体が該被験体に結合し、こうして不溶性の三部複合体が形成される(米国特許第4376110号)。第二の抗体は、自身検出可能な原子団で標識されていてよく(直接サンドイッチ検定)、または検出可能な原子団で標識されている抗免疫グロブリン抗体を用いて測定することもできる(間接サンドイッチ検定)。例えば、サンドイッチ検定の一つの型はELISA検定であり、この場合、検出可能な原子団は酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ)である。
IL−8抗体はまた、組換え細胞培養または天然供給源からのIL−8の親和精製に有用である。例えば、これらの抗体は、培養上清または組織のような供給源からIL−8が精製されるよう、当分野で良く知られる技術により、固体支持体に固定することができる。
b.抗IL−8抗体の治療用組成物および投与
凍結乾燥塊または水溶液の形の抗IL−8抗体の治療用製剤は、所望の純度を有する抗IL−8抗体を、所望による生理学上許容し得る担体、賦形剤、または安定剤(レミントンズ・ファーマシューティカル・サイエンシズ、上記)と混合することにより、保存用に製造される。許容し得る担体、賦形剤または安定剤は、使用される用量および濃度において受容者にとり非毒性であって、燐酸、クエン酸、およびその他の有機酸のような緩衝剤;アスコルビン酸を包含する抗酸化剤;低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンのような蛋白;ポリビニルピロリドンのような親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニンまたはリジンのようなアミノ酸;グルコース、マンノース、またはデキストリンを包含する単糖類、二等類、およびその他の炭水化素;EDTAのようなキレート試薬;マンニトールまたはソルビトールのような糖アルコール類;ナトリウムのような塩形成対イオン;および/またはトゥイーン、プルロニックまたはポリエチレングリコール(PEG)のような非イオン性界面活性剤を包含する。
インビボ投与に使用される抗IL−8 mAbは無菌でなければならない。これは、凍結乾燥および再構成の前または後に無菌濾過膜で濾過することにより、容易に達成される。抗IL−8 mAbは、通常、凍結乾燥型または溶液で保存されるであろう。
治療用抗IL−8 mAb組成物は一般に、無菌取り出し口を有する容器、例えば静脈内溶液袋または皮下注射針が貫通し得る栓を有するバイアル中に入れる。
抗IL−8 mAbの投与経路は既知の方法に従い、例えば吸入、静脈内、腹腔内、脳内、筋肉内、眼内、動脈内、もしくは病変内径路による注射または注入、浣腸剤もしくは坐剤、または下記のような持続放出系による。好ましくは該抗体は全身的にまたは炎症の部位に投与する。
徐放製剤の適当な例は、成型された物体、例えばフィルムまたはマイクロカプセルの形の半透過性ポリマーマトリックスを包含する。徐放性マトリックスは、ポリエステル類、ヒドロゲル類、ポリラクチド類(U.S.3773919、EP58481)、L−グルタミン酸およびγエチル−L−グルタマートのコポリマー(シドマン等、Biopolymers、22巻547頁(1983))、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリラート)(ランガー等、J.Biomed.Mater.Res.、15巻167頁(1981)およびランガー、Chem.Tech.、12巻98頁(1982))、エチレンビニルアセタート(ランガー等、上記)またはポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸(EP133988)を包含する。徐放性抗IL−8抗体組成物は、リポソームに捕捉された抗IL−8抗体をも包含する。抗IL−8抗体を包含するリポソームは、自体既知の方法によって製造される:DE3218121;エプシュタイン等、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、82巻3688頁(1985);ファング等、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、77巻4030頁(1980);EP52322;EP36676;EP88046;EP143949;EP142641;日本国特許出願83−118008;米国特許第4485045および4544545号;ならびにEP102324。通常、リポソームは、脂質含有量が約30モルパーセントコレステロール以上である、小さな(約200−800オングストローム)単層型のものであり、選択される比率は最適な抗IL−8抗体療法のために調節される。
治療的に使用される抗IL−8抗体の「有効量」は、例えば、治療目的、投与経路、および患者の状態に依存するであろう。したがって、治療者は、用量を滴定し、最適の治療効果の獲得に要するように投与経路を修飾する必要があろう。典型的には、臨床医は、抗IL−8抗体を、所望の効果が達成される用量に達するまで投与する。この治療の進行は、常套的検定により容易に監視される。
抗IL−8抗体による炎症性疾患の処置および防止において、該抗体組成物は、良好な医学実務に合致するやり方で調合され、用量決定され、そして投与されるであろう。このような状況において考慮される因子には、処置される個々の疾患、処置される個々の哺乳動物、患者個人の臨床状態、疾患の原因、抗体の送り込まれる部位、抗体の個々の型、投与方法、投与スケジュール、および医師の知悉するその他の因子が包含される。投与される抗体の「治療的有効量」は、係る考察により決定され、急性または慢性呼吸疾患の処置および炎症反応の低減を包含する該炎症性疾患を防止、緩和、または処置するのに必要な最少量である。このような量は、好ましくは宿主にとって毒性である量または宿主を有意により感染に罹患し易くする量より少ない。
一般的比率として、一用量当たりの非経口的に投与される抗体の初回薬学的有効量は、一日当たり約0.1ないし50mg/kg(患者の体重)の範囲であって、使用される抗体の典型的な初回の範囲は0.3ないし20mg/kg/日、より好ましくは0.3ないし15mg/kg/日であろう。
しかしながら、上記のように、これらの示唆された抗体の量は、治療上の裁量に著しく支配される。適切な用量およびスケジュールの選択における重要な因子は、上に指摘したように、得られる結果である。
該抗体は、問題の炎症性疾患を防止または処置するために現在使用されている1またはそれ以上の物質と共に調合される必要はないが、所望によりそうしてもよい。例えば、慢性関節リウマチにおいて、該抗体はグルココルチコステロイドと組み合わせて投与することができる。このような別の物質の有効量は、製剤中に存在するIL−8抗体の量、疾患または処置の型、および上で論じたその他の因子に依存する。これらは一般に、上記で使用されたものと同じ用量および投与経路で、または上記で使用された用量の約1ないし99%が使用される。
以下の実施例は例示のために供するものであって、限定のためのものではない。本明細書中、全ての引用の内容は説明的に引用して本明細書の一部とするものである。
実施例
A.ヒトIL−8に対するモノクローナル抗体の作成および特性決定
Balb/cマウスを、組換えヒトIL−8(ユビキチンを伴う(ser−IL−8)72の融合物として産生される)10μgを用いて各後肢足底でまたは腹腔内で免疫した(ヘバート等、J.Immunology、145巻3033−3040頁(1990));IL−8は、ペプロテク、Inc.、ロッキーヒル、NJ)より市販品が入手でき、MPL/TDM(リビ・イミュノケム・リサーチ・Inc.、ハミルトン、MT)に再懸濁し、同量のIL−8で2回追加免疫した。これらの実験において、「IL−8」は、別途明記しない限り、(ser−IL−8)72を意味することを意図している。IL−8 10μgの最終追加免疫を、融合の3日前に実施した。脾臓細胞または膝窩リンパ節細胞を、35%ポリエチレングリコールを用いて前記のようにマウス骨髄腫P3X63Ag8U.1(ATCC CRL1597)、骨髄腫P3X63Ag8の非分泌クローンと融合させた。融合の10日後、培養上清をELISAによってIL−8に対するモノクローナル抗体の存在についてスクリーニングした。
ELISAは以下のように実施した。ナンク96ウェルの免疫プレート(フロー・ラブ、マクリーン、VA)を、燐酸緩衝化食塩水(PBS)中の2μg/mlのIL−8 50μl/ウェルを用いて4℃で一夜被覆した。残りの工程は室温で実施した。非特異結合部位を0.5%牛血清アルブミン(BSA)で1時間ブロックした。次にプレートを、672の増殖しつつある親融合物のウェル由来のハイブリドーマ培養上清50μl/ウェルと共に1時間インキュベートし、次いでアルカリホスファターゼにコンジュゲートさせたヤギ抗マウスIg(タゴ・Co.、フォスターシティー、CA)の1mg/ml保存溶液の1:1000希釈液50μl/ウェルと共に1時間インキュベートした。プレートに結合した酵素結合抗体のレベルを、重炭酸ナトリウム緩衝液、pH9.6、中の0.5mg/mlのr−ニトロフェニルホスファート100μl/ウェルの添加によって決定した。着色反応をELISAプレート読み取り機(タイタートレック・マルティスキャン、フロー・ラブ、マクリーン、VA)により405nmで測定した。それぞれの工程の合間にプレートを0.05%トゥイーン20を含有するPBSで3回洗浄した。
IL−8の結合を対照培地の4倍促進した培養上清を陽性として選択した。この基準によると、672の増殖しつつある親の融合物ウェルのうち16(2%)が陽性であった。これら陽性のハイブリドーマセルラインを限界希釈法を用いて少なくとも2回クローニングした。
陽性のハイブリドーマのうち7個を以下のごとくさらに特性決定した。ナンク96ウェル免疫プレート(フロー・ラブ、マクリーン、VA)をIL−8で一夜被覆し、BSAでブロックし、培養上清と共にインキュベートした後、予め定められた量のイソタイプ特異的アルカリホスファターゼコンジュゲート化ヤギ抗マウスIg(フィッシャー・バイオテク、ピッツバーグ、PA)を添加することにより、このモノクローナル抗体のイソタイプを決定した。プレートに結合したコンジュゲート化抗体のレベルを、上記のようにr−ニトロフェニルホスファートの添加によって決定した。
試験されたモノクローナル抗体は全てIgG1またはIgG2免疫グロブリンイソタイプに属していた。これらモノクローナル抗体を含有する腹水液は、ELISAにおいて最大結合の50%を与える希釈係数の逆数により決定された10000ないし100000の範囲の抗体価を有していた。
これらのモノクローナル抗体が同じエピトープに結合しているか否かを評価するため、競合的結合ELISAを実施した。ビオチニル化mAb対非標識mAbの比が1:100においては、ビオチニル化mAb5.12.14の結合はそのホモローガスなmAbにより有意に阻害されたが、mAb4.1.3によっては阻害されず、一方、ビオチニル化mAb4.1.3の結合は、mAb4.1.3により阻害されたがmAb5.12.14によっては阻害されなかった。モノクローナル抗体5.2.3はmAb4.1.3と同様に挙動したが、一方モノクローナル抗体4.8および12.3.9はmAb5.12.14.と同様であった。このように、mAb4.1.3およびmAb5.2.3は、モノクローナル抗体12.3.9、4.8および5.12.14により認識されるエピトープとは異なったエピトープに結合する。
ニトロセルロース紙に固定したIL−8に対する抗体の反応性を評価するため、イムノドットブロット分析を実施した。7つの抗体は全て、紙上に固定されたIL−8を認識したが、一方対照のマウスIgG抗体は認識しなかった。
これらのモノクローナル抗体が可溶性125I−IL−8を捕捉する能力を、放射免疫沈降試験(RIP)により評価した。簡潔に述べると、トレーサー125I−IL−8(4x104cpm)を、0.5%BSAおよび0.05%トゥイーン20を含有するPBS(検定緩衝液)0.2ml中の種々の希釈のモノクローナル抗IL−8抗体と共に室温で1時間インキュベートした。予め定められた濃度のヤギ抗マウスIg抗血清(ペル−フリーズ、ロジャーズ、AR)100μlを加え、混合物を室温で1時間インキュベートした。4℃に保たれた6%ポリエチレングリコール(M.W.8000)0.5mlの添加により免疫複合体を沈澱させた。4℃で20分間2000xgで遠心した後、上清を吸引により除去し、ペレットに残存する放射活性をガンマカウンターで計数した。(沈澱したcpm−バックグラウンドcpm)/(合計cpm−バックグラウンドcpm)として特異的結合パーセントを算出した。モノクローナル抗体4.1.3、5.2.3、4.8、5.12.14および12.3.9は125I−IL−8を極めて有効に捕捉したが、一方抗体9.2.4および8.9.1は、ELISAプレート上に被覆されたIL−8に結合することができたとしても、RIPにおいて可溶性125I−IL−8を捕捉することはできなかった(第I表)。
これらのモノクローナル抗体の解離定数を、競合的結合RIP検定を用いて決定した。簡潔に述べると、様々な量の非標識IL−8による、125I−IL−8(検定当たり20000−40000cpm)への各抗体の結合の競合的阻害を、上に記載されたRIPによって測定した。各mAbの解離定数(親和性)は、ヴァーサターム−PROコンピュータープログラム(シナジー・ソフトウェア、リーディング、PA)中に提供されるスキャッチャードプロット分析(マンソン等、Anal.Biochem.、107巻220頁(1980))を用いて決定した。これらのモノクローナル抗体(9.2.4および8.9.1を除く)のKdは、2x10-8ないし3x10-10Mの範囲であった。3x10-10MのKdを有するモノクローナル抗体5.12.14は、試験された全てのモノクローナル抗体の中で最高の親和性を示した(第I表)。
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これらのモノクローナル抗体がIL−8活性を中和する能力を評価するため、様々な量の培養上清および精製モノクローナル抗体の存在下においてヒト好中球に結合した125I−IL−8の量を測定した。好中球はモノ−ポリリゾルヴィングミディアム(M−PRM)(フロー・ラブ.Inc.、マクリーン、VA)を用いて調製した。簡潔に述べると、新鮮なヘパリン処理したヒト血液を、血液対培地の比が3.5:3.0でM−PRMにロードし、室温下に300xgで30分間遠心した。中間層に濃縮された好中球を集め、PBSで1回洗浄した。このような調製物は普通、ライツ・ギームサ染色によると95%以上の好中球を含んでいた。レセプター結合検定は以下のように行った。125I−IL−8(5ng/ml)50μlを、0.1%BSAを含有するPBS中の非標識IL−8(100μg/ml)またはモノクローナル抗体50μlと共に室温で30分間インキュベートした。次にこの混合物を、好中球(107細胞/ml)100μlと共に37℃で15分間インキュベートした。混合物を、20%シュクロースおよび0.1%BSAを含有するPBS0.4ml上にロードし300xgで15分間遠心することにより、125I−IL−8結合物質を非結合物資から分離した。上清を吸引により除去し、ペレットに付随する放射活性をガンマカウンターで計数した。
モノクローナル抗体4.1.3、5.2.3、4.8、5.12.14、および12.3.9は、IL−8対mAbのモル比1:25において、ヒト好中球に対するIL−8の結合の85%以上を阻害した。これに反して、モノクローナル抗体9.2.4および8.9.1は、ヒト好中球上のレセプターに対するIL−8の結合を促進するように見えた。対照のマウスIgGもまた好中球へのIL−8の結合を促進したことから、mAb9.2.4および8.9.1によるレセプターへのIL−8の結合の促進は、非特異的であると思われる。したがって、モノクローナル抗体4.1.3、5.1.3、4.8、5.12.14、および12.3.9は可能性ある中和モノクローナル抗体であり、一方、モノクローナル抗体8.9.1および9.2.4は非中和モノクローナル抗体である。
IL−8により誘発される好中球走化性をブロックする抗IL−8抗体の能力を以下のように試験した。IL−8により誘発される好中球走化性は、ボイデンチェインバー法(ラーソン等、Science、243巻1464頁(1989))を用いて測定した。0.1%BSAを含有するRPMIに再懸濁したヒト好中球(106細胞/ml)100μlを上室に入れ、モノクローナル抗体有りまたは無しのIL−8(20nM)29μlを下室に入れた。細胞を37℃で1時間インキュベートした。下室に遊走した好中球をライツ・ギームサ染色により染色し、顕微鏡下に数えた(倍率100x)。実験群当たりおよそ10の異なる視野を調べた。中和モノクローナル抗体5.12.14および4.1.3は、IL−8対mAbの比1:10においてIL−8の好中球走化活性のほぼ70%をブロックした。
ファストゲルシステム(ファルマシア、ピスカタウェイ、NJ)を用いて精製抗体をIEFポリアクリルアミドゲル(pH3−9、ファルマシア)に適用することにより、各mAbの等電点電気泳動(IEF)パターンを決定した。IEFゲルは、試料をロードする前に、1%トリトンx100を含有するファーマライト(シグマ、セントルイス、MO)で10分間前処理した。製造者の指示に従い、IEFパターンを銀染色により可視化した。モノクローナル抗体は全て異なるIEFパターンを持ち、この事は、これらが異なるクローンに起源することを確認するものである。抗体のpI値を第I表に列挙する。
これらのモノクローナル抗体は全て、IL−8の(ala−IL−8)77および(ser−IL−8)72型の両者に等しく良好に結合した。IL−8は、β−TG(ヴァン・ダンメ等、Eur.J.Biochem.、181巻337頁(1989);タナカ等、FEB、236(2)巻467頁(1988))およびPF4(デュエル等、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、74巻2256頁(1977))といったような炎症性サイトカインの血小板因子4(PF4)ファミリーの或る別の成員と、30%以上の配列相同性を持つため、これらを、β−TGおよびPF4、ならびにもう一つの好中球活性化因子Ca5との交差反応性の可能性について試験した。β−TGに対して僅かな交差反応性を有していたmAb4.1.3を除いて、これらの蛋白のいずれとも、検出され得る結合は観察されなかった。
この抗体の一つであるmAb5.12.14をさらに研究して、好中球によるエラスターゼのIL−8仲介放出をブロックできるか否かを決定した。簡潔に述べると、ヒト好中球を、1.0%BSA、画分V(シグマ、セントルイス、MO)、α−D−グルコース2mg/ml(シグマ)、4.2mM重炭酸ナトリウム(シグマ)および0.01M HEPES、pH7.1(JRHバイオサイエンス、レネキサ、KS)を含有するハンクス均衡塩溶液(ジブコ、グランドアイランド、NY)に再懸濁した。サイトカラシンB(シグマ)の保存液をジメチルスルホキシド(シグマ)中に調製し(5mg/ml)、2−8℃で保存した。サイトカラシンBを好中球調製物に添加して最終濃度5μg/mlとし、37℃で15分間インキュベートした。ヒトIL−8を、1mlポリプロピレン管(DBMサイエンティフィック、サンフェルナンド、CA)中でmAb5.12.14(20μl)または陰性の対照抗体と共に37℃で30分間インキュベートした。IL−8の最終検定濃度は50および500nMであった。モノクローナル抗体を以下の比率となるように希釈した(IL−8:Mab):1:50、1:10、1:2、1:1、および1:0.25。サイトカラシンBで処理した好中球を加え(100μl/管)、25℃で2時間インキュベートした。この管を10分間遠心し(210xg、2−8℃)、上清を96ウェル組織培養プレートに移した(30μl/ウェル)。エラスターゼ基質保存液である、DMSO中の10mMメトキシスクシニル−アラニル−アラニル−プロピル−バリル−p−ニトロアニリド(カルビオケム、ラジョーラ、CA)を調製し、2−8℃で保存した。エラスターゼ基質溶液(蒸留水中の、1.2mM基質、1.2M NaCl(マリンクロット、パリス、ケンタッキー)、0.12M HEPES pH7.2)を上清に加え(170μl/ウェル)、37℃で0.5ないし2時間インキュベートした(対照のO.D.が1.0に達するまで)。吸光度を405nmで測定した(SLT340 ATTCプレート読み取り機、SLTラブ・インストゥルメンツ、オーストリア)。
結果を図1に示す。IL−8対mAb5.12.14の比1:1において、この抗体は好中球からのエラスターゼの放出を有効にブロックすることができた。
抗体5.12.14を産生するハイブリドーマは1993年2月15日にアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、12301パークローン・ドライヴ、ロックヴィル、MD、U.S.A.(ATCC)に寄託され、ATCC受理番号HB11553が割り当てられた。この寄託は、特許手続上の微生物の寄託の国際承認に関するブダペスト条約およびその規則(ブダペスト条約)の規定の下になされた。
B.ウサギIL−8に対するモノクローナル抗体の作製および特性決定
ウサギIL−8に対する抗体を、ウサギIL−8を免疫原として使用し(C.ブローダスの好意により提供された;ヨシムラ等、J.Immunol.、146巻3483頁(1991)もまた参照されたい)、抗ヒトIL−8抗体と本質上同じ方法で作製した。この抗体を、ELISAプレート上に被覆された他のサイトカインに対する結合について上記のように特性決定し;MGSA、fMLP、C5a、b−TG、TNF、PF4、またはIL−1に対する測定可能な結合は見いだされなかった。
抗体6G4.2.5を産生するハイブリドーマは1994年9月28日にアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、12301パークローン・ドライヴ、ロックヴィル、MD、U.S.A.(ATCC)に寄託され、ATCC受理番号HB11722が割り当てられた。この寄託は、特許手続上の微生物の寄託の国際承認に関するブダペスト条約およびその規則(ブダペスト条約)の規定の下になされた。
5.12.14および6G4.2.5のための組換えヒト−マウスキメラFabを下記のように組み立てた。キメラ6G.4.25Fabは、下記の詳細のようにキメラ5.12.14Fabと比較される。
1.5.12.14−Fabおよび6G4.2.5−Fabによるヒト好中球へのIL−8の結合の阻害
二つのキメラFab、5.12.14−Fabおよび6G4.2.5−FabがIL−8と有効に結合しヒト好中球上のIL−8レセプターへのIL−8の結合を防止する能力を、IL−8結合の50%阻害を達成するのに要する濃度IC50の算出を可能にする競合的結合検定を実施することにより、決定した。
ヒト好中球(5x105)を、種々の濃度(0ないし300nM)の5.12.14−Fab、6G4.2.5−Fab、イソタイプ対照(4D5−Fab)または非標識IL−8の存在下に、0.5nM125I−IL−8と共に4℃で1時間インキュベートした。インキュベーションの後、燐酸緩衝化食塩水中の20%シュクロースおよび0.1%牛血清アルブミンの溶液を通して遠心することにより非結合の125I−IL−8を除去し、細胞に結合した125I−IL−8の量を、ガンマカウンターで細胞ペレットを計数することによって決定した。図2は、非標識IL−8による、好中球への125I−IL−8結合の阻害を立証するものである。図3は、陰性のイソタイプ合致Fabはヒト好中球への125I−IL−8の結合を阻害しないことを証明している。抗IL−8Fab、5.12.14Fab(図4)および6G.4.25Fab(図5)のいずれも、それぞれ1.6nMおよび7.5nMの平均IC50でヒト好中球に対する125I−IL−8の結合を阻害することができた。
2.5.12.14−Fabおよび6G4.2.5による、IL−8仲介好中球走化性の阻害
ヒト好中球を分離し、数え、0.1%牛血清アルブミンを伴うハンクス均衡塩溶液(HBSSと略記;カルシウムおよびマグネシウム無し)に5x106細胞/mlで再懸濁した。この好中球を、カルセインAM(モレキュラー・プローブ、ユージン、OR)を最終濃度2.0μMで添加することにより標識した。37℃で30分間インキュベートした後、細胞をHBSS−BSAで2回洗浄し、5x106細胞/mlで再懸濁した。
走化性の実験を、ニューロ・プローブ(キャビン・ジョン、MD)96ウェルチェインバー、モデルMBB96で実施した。実験試料(緩衝液のみの対照、IL−8単独またはIL−8+Fab)を、下室に入れたポリフィルトロニクス96ウェルビュープレート(ニューロ・プローブ・Inc.)にロードした。カルセインAM標識した好中球100μlを上室に加え、5μm孔の無PVPポリカーボネートフレーム付きフィルター(ニューロ・プローブ・Inc.)を通して下室の試料の方へ遊走させた。次にこの走化性装置を5%CO2と共に37℃で40ないし60分間インキュベートした。インキュベーションの最後に、上室に残存する好中球を吸引し、上室をPBSで3回洗浄した。次いでポリカーボネートフィルターをはずし、遊走していない細胞をPBSで湿らせたゴム雑巾で拭い取り、フィルターを15分間風乾した。
フィルターの蛍光強度および下室の内容物の蛍光強度を測定し、二つの値を加えることによって、フィルターを通って遊走する好中球の相対的数(好中球遊走指数)を決定した。蛍光強度は、485−20nm励起フィルターおよび530−25発光フィルターを使用し、コーニング96ウェルプレートを読み取るように配置されたサイトフルオア2300蛍光プレート読み取り機(ミリポア・Corp.、ベッドフォード、MA)により、3に設定された感度で測定した。
結果を図6および7に示す。図6は、キメラ6G4.2.5および5.12.14FabによるヒトIL−8仲介好中球走化性の阻害を立証している。図7は、ウサギIL−8仲介好中球走化性を阻害するキメラ6G4.2.5および5.12.14Fabの相対能力を立証するものである。
3.種々の濃度の6G4.2.5および5.12.14FabによるIL−8仲介好中球エラスターゼ放出の阻害
健康な男性のドナーから血液をヘパリン添加した注射筒に採血した。好中球を、デキストラン沈降、リンパ球分離媒質(オーガノン・テクニカ、ダーハム、NC)上での遠心、およびバーマン等(J.Cell Biochem.、52巻183頁(1993))により記載のような、混在する赤血球の低張性溶菌によって分離した。最終的好中球ペレットを、1.0%BSA(画分V、シグマ、セントルイス、MO)、2mg/mlグルコース、4.2mM重炭酸ナトリウム、および0.01M HEPES、pH7.2を添加したハンクス均衡塩溶液(ジブコ、グランドアイランド、NY)から成る検定緩衝液に1x107細胞/mlの濃度で懸濁した。この好中球は4℃で1時間以内保存された。
IL−8(10μl)を、1mlのポリプロピレン管に入れた抗IL−8Fab、イソタイプ対照Fab、または緩衝液(20μl)と混合し、37℃の水浴で30分間インキュベートした。IL−8は、用量反応研究(図8)では0.01ないし1000nMの範囲の最終濃度で、そして、エラスターゼ放出に及ぼすFabの効果を扱う実験(図9および10)では100nMの最終濃度で使用した。Fabの濃度はおよそ20nMないし300nMの範囲であり、その結果Fab:IL−8のモル比は0.2:1ないし3:1となった。サイトカラシンB(シグマ)を5μg/mlの濃度で好中球懸濁液に加え(DMSO中に作成した5mg/ml保存溶液を使用)、細胞を37℃の水浴で15分間インキュベートした。次に、サイトカラシンB処理された好中球(100μl)をIL−8/Fab混合物に加えた。室温で3時間インキュベートした後、この好中球を遠心(200xgで5分間)によってペレット化し、そして無細胞上清のアリコートを96ウェルプレートに移した(30μl/ウェル)。エラスターゼ基質、メトキシスクシニル−アラニル−アラニル−プロリル−バリル−p−ニトロアニリド(カルビオケム、ラジョーラ、CA)をDMSO中の10mM保存溶液として作成し、4℃で保存した。エラスターゼ基質作業溶液を使用直前に作成し(1.2mMエラスターゼ基質、1.2M NaCl、0.12M HEPES、pH7.2)、170μlを試料を入れた各々のウェルに加えた。プレートを37℃の組織培養インキュベーターに30分間または陽性対照の光学密度の読みが少なくとも1.0に達するまで入れた。吸光度はSLT340プレート読み取り機(SLTラブ・インストゥルメンツ、オーストリア)を用いて405nmで測定した。
図9は、ヒトIL−8により刺激されたヒト好中球からのエラスターゼ放出を阻害するキメラ抗IL−8Fabの能力を立証し;図10は、ウサギIL−8により刺激されたヒト好中球からのエラスターゼ放出を阻害するキメラ抗IL−8Fabの相対能力を立証するものである。
B.実験的大腸炎モデル
慢性の実験的大腸炎の最も広く受け入れられているモデルの一つは、モリス等、Gastroenterology、96巻795頁(1989)により最近記載された2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)により誘発される損傷である。簡潔に述べると、50%エタノール0.25ml中の10ないし30mgのTNBSの直腸投与は、結腸重量、肉眼的潰瘍、およびミエロペルオキシダーゼ値の用量依存的上昇により証明される急性および慢性の局所的炎症を作り出す。エタノール中高用量のTNBS(30mg)は、投与後1週間でピークに達するが少なくとも8週間持続する結腸の損傷をもたらす。結腸の炎症には、第一週目の体重減少、1ないし3週間で90%の動物に下痢、そして近位の拡張を伴う遠位結腸の狭窄が付随するが、致死率はわずか3%である。慢性相においては、炎症は部分に分かれ線状(横行)潰瘍および結腸の著明な肥厚を伴う。経壁性の急性および慢性炎症は、組織学的には、3ないし5週における外筋および漿膜への炎症細胞の浸潤の漸進的増加が注目される。粘膜および漿膜の肉芽腫が、2ないし3週間目に調査された動物の55%に、そして損傷の4週間またはそれ以上後にはおよそ20%の動物に存在する。
本発明に係る抗IL−8抗体がウサギの急性大腸炎を緩和する能力を研究するため、30%エタノールに入れた17−35mg/mlのトリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS/EtOH)5mlを結腸内に点滴注入することにより、ニュージーランドホワイトウサギ(体重1.8−2kg)に大腸炎を誘発した(モリス等、Gastroenterology、96巻795頁1989)の方法により採用)。5羽のウサギを5mg/kgの6G4.2.5で静脈内処置した。3羽の対照ウサギにはPBSを与えた。TNBS/EtOHで処置した動物を投薬の24時間後に安楽死させ、IL−8、ミエロペルオキシダーゼ(多形核白血球またはヘテロフィルの酵素マーカー)、湿潤結腸重量、肉眼的炎症、および組織病理学のレベルについて結腸組織を調べた。結腸の2個の切片をホルマリン中に保存し、常套的ヘマトキシリンおよびエオシン切片用に標準法で処理した。結腸組織を酵素結合イムノアッセイによりIL−8のレベルについて調べた。処置および非処置ウサギ由来の湿潤結腸重量を測定し比較した。浮腫を、1試料当たり3ないし5の部位で、粘膜下組織の厚さとして測定した。白血球の辺縁趨向を、組織切片中どの血管が影響を受けているかを決定することにより、評価した(例えば、固有層にある上皮下の血管のみを含む表在性、から、粘膜下組織の血管を含む著明まで)。壊死の大きさを、壊死が明らかである結腸のパーセントとして測定した。壊死の重篤度を、結腸の壁の中に貫入している壊死の深さとして測定した。肉眼的炎症は、関係している結腸の長さ全体にわたる炎症の重篤度として定義され、腫脹および着色の程度に基づいて視覚的に採点した。白血球の湿潤は、強拡大(HPF)で好中球の数を数えることにより決定した(倍率40x)。単核球の浸潤は、HPFで単核球の数を数えることにより決定した(倍率40x)。
炎症を起こしているウサギ結腸組織中へのヘテロフィル(好中球)の流入を、MPOレベルの測定により監視した(例えば、ブラドレイ等、J.Invest.Dermatol.、7B巻206頁(1982)を参照されたい)。簡潔に述べると、結腸の切片を15mlポリプロピレン管に入れ、60℃で2時間インキュベートした。この組織を液体窒素で凍結した。乳鉢と乳棒で組織溶菌液の微細粉末を調製し、15mlポリプロピレン管に移した。この組織試料を、組織ホモジナイザーを使用して、組織1gあたり3.5mlの比で0.5%ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(HTAB)(pH6の50mM KPO4緩衝液中0.5%w/v)中に可溶化した。試料を、液体窒素中で凍結し60℃の水浴中で融解することにより、2回凍結および融解させた。次にこの試料を、2.5出力レベル、50%効率サイクルで10秒間超音波処理した。各試料溶菌液を微量遠心管に移し、室温下に15600xgで15分間遠心した。試料を新しい清浄な微量遠心管に移した。各試料75μlおよびウェル当たり0.03単位に希釈したHTAB中のヒトMPO標準陽性対照(カルビオケム・Corp.、サンディエゴ、CA)75μlを96ウェル平底プレートに三重に移した。HTAB75μl(50mM KPO4緩衝液、pH6.0中0.5%w/v)を対照標準ブランクとして加えた。100μlのH22を各ウェルに加えた。96ウェルプレート内の反応を、サーモマックスオプティカルプレート読み取り機(モレキュラー・ディヴァイシズ・Co.、メンロパーク、CA)で監視した。蒸留水1.0ml中の乾燥粉末10mgでO−ジアニシジン(シグマ、セントルイス、MO)の保存溶液を調製し、0.2ミクロンフィルターを通して吸引した。25μlを各ウェルに加えた。このプレートをOD450nmで30分間にわたり3−5分間隔で連続的に読み取った。
漸増する用量のTNBS/EtOHが投与された動物では、偽似処理された対照動物と比較して、増加したレベルのミエロペルオキシダーゼおよびIL−8が検出された。結腸重量の増加および肉眼的炎症もまた明らかであった。組織学的評価により、血管のヘテロフィルの辺縁趨向および罹患組織における浸潤を伴う、腸壁の粘膜壊死が明らかとなった。
しかしながら、抗IL−8抗体によるウサギの処置は、TNBS/EtOH誘発大腸炎の重篤度を低減した。TNBS/EtOHによる大腸炎誘発の直前に5mg/Kg静脈内6G4.2.5で処置された動物の病変は、3羽の対照動物と比較して5羽のうち4羽の動物において緩和された。抗体による処置は、壊死の大きさおよび重篤度、肉眼的炎症、結腸重量、浮腫、ヘテロフィルの辺縁趨向および浸潤を低減した。結腸のミエロペルオキシダーゼおよびIL−8のレベルは著しく低下した。これらの実験の結果を図11に示す。これらの観察は、大腸炎の緩和における抗IL−8抗体の有用性を支持するものである。
C.細菌性肺炎の際の好中球遊走に及ぼす抗IL−8の効果
好中球は、ストレプトコッカス・ニューモニアエによる感染を包含する様々な刺激に応答して、肺の中に遊走する。本発明に係る抗IL−8抗体がこのような好中球遊走を阻害し、それにより肺の炎症を緩和できるか否かを決定するために、ウサギ肺炎モデルを使用した。簡潔に述べると、麻酔したニュージーランドホワイトウサギに、抗ウサギIL−8抗体(クローン6G4.2.5)または対照マウスIgGのいずれか(最終濃度0.5mg/ml)およびコロイド状炭素(5%)と合したストレプトコッカス・ニューモニアエ、エシェリチア・コリ、またはシュードモナス・アエルギノーサ(3x109微生物/ml)を、総容量0.5mlで気管支内点滴注入した。3時間50分後、肺血流を測定するため、放射標識したミクロスフェアをウサギに静脈内注射した。4時間の時点で心臓および肺を摘出し、肺を分離した。コロイド状炭素により示される肺炎領域(通常は左下葉)および対側の肺の対応領域を燐酸緩衝化食塩水を用いて洗浄した。洗浄液についての総白血球数を血球計算盤を用いて得、ライト染色した細胞遠心調製物について分画計数を行った。
抗ウサギIL−8抗体による処置は、イソタイプ対照マウスIgGで処置した動物と比較して、BAL液中に存在する好中球の数を有意に低下させた(図12)。したがって、抗IL−8抗体は肺炎の肺における好中球の遊走を有効に低下させる。
D.マウス5.12.14(抗IL−8)モノクローナル抗体の可変軽および重領域の分子クローニング
チョムチンスキーおよびサッチ(Anal.Biochem.、162巻156頁(1987))により記載の方法を用いて、1x108細胞(ハイブリドーマセルラインATCC HB−11722)から総RNAを分離した。カッパ軽鎖またはIgG2a重鎖の不変領域をコードしているマウスRNAの領域(これらの領域のDNA配列は、シークエンシズ・オブ・プロテインズ・オブ・イミュノロジカル・インタレスト、E.A.カバット等(1991)、NIHパブリケーション91−3242、V1−3に公開されている)とハイブリダイズさせるべく設計された合成DNAオリゴヌクレオチドを用いてこのmRNAを特異的にプライミングすることにより、第一鎖cDNAを合成した。プライマーハイブリダイゼーションの機会および第一鎖cDNA合成の効率を高めるため、軽鎖および重鎖の各々のために3個のプライマーを設計した(図13)。第一鎖cDNAの二本鎖(ds)DNAへの増幅は、二組の合成DNAオリゴヌクレオチドプライマー:軽鎖可変領域増幅のための1個の前進プライマーおよび1個の逆プライマー(図14)ならびに重鎖可変領域増幅のための1個の前進プライマーおよび1個の逆プライマー(図15)、を用いて達成された。5.12.14の軽鎖または重鎖いずれかの最初の8個のアミノ酸のN末端配列を用いて、この領域に対応する推定的マウスDNA配列を作成した。(エドマン分解蛋白配列決定技術を用いて、軽鎖および重鎖可変領域両方のN末端から、合計29のアミノ酸を配列決定した。)この情報を用いて、天然マウスDNAコドンへのプライマーのハイブリダイゼーションの機会を拡大するよう、幾つかのコドンの第三位が変性されており、そしてさらに、軽鎖可変領域前進プライマーおよび重鎖可変領域前進プライマーの両者にとってクローニングベクター中のSTII要素の3'末端へのライゲーションが容易になるような、特異な制限部位MluIを含む、前進増幅プライマーを設計した。逆増幅プライマーは、可変/不変接合部付近の軽鎖または重鎖の不変領域の一部に対応するマウスDNA配列とアニーリングするよう設計した。ベクターpB13.1(軽鎖)およびpB14(重鎖)中のヒトIgG1不変軽領域またはIgG1不変重領域のいずれかの5'末端へのライゲーションのため、軽鎖可変領域の逆プライマーは特異なBstBI制限部位を含み、重鎖可変領域の逆プライマーは特異なApaI制限部位を含んでいた。これらのプライマーの組を用いたポリメラーゼ連鎖反応は、およそ400bpのDNAフラグメントを生成した。5.12.14をコードしているcDNAの軽鎖可変領域をベクターpB13.1にクローニングしてpA51214VLを形成させ、5.12.14重鎖可変領域をベクターpB14にクローニングしてpA51214VHを形成させた。cDNA挿入物をDNA配列決定により特性決定し、図16(マウス軽鎖可変領域)および図17(マウス重鎖可変領域)に示す。
E.5.12.14Fabベクターの組み立て
最初の組み立て物pA51214VLにおいて、5.12.14マウス軽鎖可変配列の末端と、ヒトIgG1不変軽鎖配列中の特異なクローニング部位BstBIとの間のアミノ酸は、マウスIgG1不変領域の最初の13アミノ酸に対応するマウス起源のものである(図16)。故に、このプラスミドは、5.12.14マウス軽鎖可変領域とヒト軽鎖IgG1不変領域とを分離する、マウス不変領域の余分な部分を含んでいた。この介在する配列は、このキメラのアミノ酸配列を変え、誤って折り畳まれたFabの産生が最も起こりそうである。この問題は、A109の後ろでこのcDNAクローンを直接末端切除し、ポリメラーゼ連鎖反応によりBstBI部位を可変/不変接合部に再度位置させることによって処理された。図18は、これらの修飾を施すために使用された増幅プライマーを示している。前進プライマーVL.frontは、MluIクローニング部位を含むSTIIシグナル配列の最後の5アミノ酸、および5.12.14マウス軽鎖可変配列の最初の4アミノ酸に合うように設計した。この配列は、最初の二つのコドンD1(TからC)およびI2(CからT)の第3位で元のcDNAから変化させられて特異なEcoRVクローニング部位を作り出し、これが後の組み立てに使用された。逆プライマーVL.rearは、ヒトIgG1不変軽鎖配列の最初の3アミノ酸、および、特異なBstBIクローニング部位を含む5.12.14軽鎖可変配列の最後の7アミノ酸に合うように設計された。BstBI部位を付加する工程において、幾つかのアミノ酸をコードしているヌクレオチド配列が変えられた:アルギニンへの同類置換を産むL106(TTGがCTTに)、K107(AAAがCGAに)、およびR108(CGGがAGAに)。次に、修飾された5.12.14軽鎖可変配列をコードしているPCR生成物を、二部ライゲーションでpB13.1にサブクローニングした。軽鎖可変領域をコードしているMluI−BstBI消化された5.12.14PCR生成物をMluI−BstBI消化されたベクター中にライゲーションして、プラスミドpA51214VL'を形成させた。この修飾されたcDNAをDNA配列決定により特性決定した。5.12.14軽鎖のためのコード化配列を図19に示す。
同様に、重鎖可変領域の末端と、pA51214VHのヒトIgG1重鎖不変ドメイン中の特異なクローニング部位ApaIとの間のDNA配列を再組み立てし、この領域のアミノ酸をマウスからヒトへと変化させた。これはポリメラーゼ連鎖反応によって行った。マウス5.12.14重鎖可変配列の増幅を図18に示されるプライマーを用いて達成した。前進PCRプライマーは、STIIシグナル配列の上流のpA51214VHのヌクレオチド867−887および重鎖可変領域をコードしている推定的cDNA配列に合うように設計され、特異なクローニング部位SpeIを含んでいた。逆PCRプライマーは、5.12.14重鎖可変配列の最後の4アミノ酸、および、特異なクローニング部位ApaIをも含むヒトIgG1重鎖不変配列に対応する最初の6アミノ酸に合うように設計された。次に、この修飾された5.12.14重鎖可変配列をコードしているPCR生成物を、発現プラスミドpMHM24.2.28に二部ライゲーションでサブクローニングした。ベクターをSpeI−ApaIで消化し、重鎖可変領域をコードしているSpeI−ApaI消化5.12.14PCR生成物をそれにライゲーションして、プラスミドpA51214VH'を形成させた。この修飾されたcDNAをDNA配列決定により特性決定した。5.12.14重鎖のためのコード化配列を図20に示す。
pA51214VH'をEcoRVおよびBpu1102Iで消化し、EcoRV−Bpu1202IフラグメントをpA51214VL'のマウス5.12.14軽鎖可変領域をコードしているEcoRV−Bpu1102Iフラグメントに置き換えることによって、5.12.14のキメラFabをコードしている第一の発現プラスミドpantiIL−8.1を作成した。したがって得られたプラスミドは、5.12.14の軽鎖および重鎖両方のマウス−ヒト可変/不変領域を含んでいた。
pantiIL−8.1を用いたFab発現の予備的な分析は、軽鎖および重鎖は細胞内で産生されるが、極めて少量が大腸菌の周辺腔に分泌されることを示した。この問題を是正するため、第二の発現プラスミドを組み立てた。
第二の発現プラスミドpantiIL−8.2は、ベクターとしてプラスミドpmy187を用いて組み立てられた。プラスミドpantiIL−8.2を、pmy187をMluIおよびSphIで消化することにより作成し、pantiIL−8.1のマウス5.12.14マウス−ヒトキメラFabをコードしているMluI(部分的)−SphIフラグメントをそれにライゲーションした。したがって得られたプラスミドは、5.12.14の軽鎖および重鎖両方のマウス−ヒト可変/不変領域を含んでいた。
プラスミドpantiIL−8.2は、1995年2月10日、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、12301パークローンドライヴ、ロックヴィル、MD、U.S.A.(ATCC)に寄託され、ATCC受理番号ATCC97056が割り当てられた。この寄託は、特許手続上の微生物の寄託の国際承認に関するブダベスト条約およびその規則(ブダベスト条約)の規定の下になされた。
F.マウス6G4.2.5モノクローナル抗体の可変軽および重領域の分子クローニング
チョムチンスキーおよびサッチ(Anal.Biochem.、162巻156頁(1987))により記載の方法を用いて1x108細胞(ハイブリドーマセルライン6G4.2.5)から総RNAを分離した。カッパ軽鎖またはIgG2a重鎖の不変領域をコードしているマウスRNAの領域(これらの領域のDNA配列は、シークエンシズ・オブ・プロテインズ・オブ・イミュノロジカル・インタレスト、カバット等(1991)、NIHパブリケーション91−3242、V1−3に公開されている)とハイブリダイズさせるべく設計された合成DNAオリゴヌクレオチドを用いてこのmRNAを特異的にプライミングすることにより、第一鎖cDNAを合成した。プライマーハイブリダイゼーションの機会および第一鎖cDNA合成の効率を高めるため、軽鎖および重鎖の各々のために3個のプライマーを設計した(図21)。第一鎖cDNAの二本鎖(ds)DNAへの増幅は、二組の合成DNAオリゴヌクレオチドプライマー:軽鎖可変領域増幅のための1個の前進プライマーおよび1個の逆プライマー(図22)ならびに重鎖可変領域増幅のための1個の前進プライマーおよび1個の逆プライマー(図23)、を用いて達成された。6G4.2.5の軽鎖または重鎖いずれかの最初の8個のアミノ酸のN末端配列を用いて、この領域に対応する推定的マウスDNA配列を作成した。(エドマン分解蛋白配列決定技術を用いて、軽鎖および重鎖可変領域両方のN末端から、合計29のアミノ酸を配列決定した。)この情報を用いて、天然マウスDNAコドンへのプライマーのハイブリダイゼーションの機会を拡大するよう、幾つかのコドンの第三位が変性されており、そしてさらに、ベクターpchimFab中のSTII要素の3'末端へのライゲーションを容易にさせるための、軽鎖可変領域前進プライマーのための特異な制限部位NsiI、および重鎖可変領域前進プライマーのための特異な制限部位MluIを含む、前進増幅プライマーを設計した。逆増幅プライマーは、可変/不変接合部付近の軽鎖または重鎖の不変領域の一部に対応するマウスDNA配列とアニーリングするよう設計した。ベクターpchimFabのヒトIgG1不変軽領域またはIgG1不変重領域のいずれかの5'末端へのライゲーションのため、軽鎖可変領域の逆プライマーは特異なMunI制限部位を含み、重鎖可変領域の逆プライマーは特異なApaI制限部位を含んでいた。これらのプライマーの組を用いたポリメラーゼ連鎖反応は、およそ400bpのDNAフラグメントを生成し、ベクターpchimFab中に個別にクローニングして、p6G425VLおよびp6G425VHが形成された。cDNA挿入物をDNA配列決定により特性決定し、図24(マウス軽鎖可変領域)および図25(マウス重鎖可変領域)に示す。
G.6G4.2.5キメラFabベクターの組み立て
最初の組み立て物p6G425VLにおいて、6G4.2.5マウス軽鎖可変配列の末端と、ヒトIgG1不変軽鎖配列中の特異なクローニング部位MunIとの間のアミノ酸は、マウス起源のものである。これらのアミノ酸は、キメラFabが正しい折り畳みができるよう、ヒトIgG1アミノ酸配列と適合していなくてはならない。二つのマウスアミノ酸D115およびS121はヒトIgG1不変ドメインのβ鎖のループに見いだされるアミノ酸とは劇的に異なっており、これらを、図26に示されるプライマーを用いる位置指定突然変異生成により、正しいヒトアミノ酸残基V115およびF121に変換した。これらの特異的突然変異はDNA配列決定によって確認され、修飾されたプラスミドはp6G425VL'と命名された。コード化配列を図27に示す。
同様に、重鎖可変領域の末端と、p6G425VHのヒトIgG1重鎖不変ドメイン中の特異なクローニング部位ApaIとの間のDNA配列を再組み立てし、この領域のアミノ酸をマウスからヒトへと変化させた。この工程は、重鎖可変領域の末端付近のBstEII部位の発見により容易となった。この部位およびApaI部位は、対応するIgGヒトアミノ酸配列をコードしているDNAの合成断片の付加に使用された。図26Bに示される合成オリゴヌクレオチドは、dsDNAの27bp断片の形成が可能となるよう、互いの相補物として設計された。プラスミドp6G425VHは、ベクター配列内にさらなるBstEII部位を持っているため、この組み立ては三部ライゲーションとして行われた。MluI−ApaIで消化されたp6G425VHの5309bpフラグメントを、6G4.2.5重鎖可変領域を有する388bpフラグメントおよびヒトIgG1不変領域の最初の6アミノ酸をコードしている27bp合成DNAフラグメントにライゲーションして、プラスミドp6G425VH'を形成させた。この合成DNA断片の挿入をDNA配列決定により確認した。このコード化配列を図28に示す。
p6G425chimVL'をMluIおよびApaIで消化してSTII−マウスHPC4重鎖可変領域を除去し、それを、p6G425chimVH'のSTII−マウス6G4.2.5重鎖可変領域をコードしているMluI−ApaIフラグメントに置き換えることによって、6G4.2.5のキメラFabをコードしている発現プラスミドp6G425chim2を作成した。したがって得られたプラスミドは、6G4.2.5の軽鎖および重鎖両方のマウス−ヒト可変/不変領域を含んでいた。
プラスミドp6G425chim2は、1995年2月10日、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、12301パークローンドライヴ、ロックヴィル、MD、U.S.A(ATCC)に寄託され、ATCC受理番号ATCC97055が割り当てられた。この寄託は、特許手続上の微生物の寄託の国際承認に関するブダペスト条約およびその規則(ブダペスト条約)の規定の下になされた。
配列表
(1) 一般的情報:
(i) 出願人:ジェネンテク・インコーポレイテッド
インディアナ・ユニバーシティ
(ii) 発明の名称:炎症性疾患の処置のための抗IL−8モノクローナル抗体
(iii) 配列の数:58
(iv) 連絡先:
(A) 宛名:ジェネンテク・インコーポレイテッド
(B) 通り:ポイント・サン・ブルノ・ブールバード460番
(C) 市:サウス・サン・フランシスコ
(D) 州:カリフォルニア
(E) 国:アメリカ合衆国
(F) ZIP:94080
(v) コンピューター解読書式:
(A) 媒体型:5.25インチ,360Kbフロッピーデイスク
(B) コンピューター:IBM PC適合
(C) オペレーティング・システム:PC−DOS/MS−DOS
(D) ソウトウエア:Patin(ジェネンテク)
(vi) 本出願のデータ:
(A) 出願番号:
(B) 出願日:
(C) 分類:
(Vii) 優先権主張出願のデータ:
(A) 出願番号:08/205864
(B) 出願日:1994年3月3日
(viii) 弁理士/代理人 情報:
(A) 氏名:フィッツ,レニー・エイ
(B) 登録番号:35,136
(C) 参照/整理番号:874P1PCT
(ix) 電話連絡先情報:
(A) 電話番号:415/225−1489
(B) ファックス番号:415/952−9881
(C) テレックス:910/371−7168
(2) 配列番号1の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:22塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号1:
Figure 0003780315
(2) 配列番号2の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:22塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号2:
Figure 0003780315
(2) 配列番号3の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:23塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号3:
Figure 0003780315
(2) 配列番号4の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:24塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号4:
Figure 0003780315
(2) 配列番号5の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:22塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号5:
Figure 0003780315
(2) 配列番号6の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:22塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号6:
Figure 0003780315
(2) 配列番号7の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:35塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号7:
Figure 0003780315
(2) 配列番号8の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:35塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号8:
Figure 0003780315
(2) 配列番号9の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:35塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号9:
Figure 0003780315
(2) 配列番号10の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:37塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号10:
Figure 0003780315
(2) 配列番号11の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:39塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号11:
Figure 0003780315
(2) 配列番号12の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:39塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号12:
Figure 0003780315
(2) 配列番号13の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:39塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号13:
Figure 0003780315
(2) 配列番号14の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:39塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号14:
Figure 0003780315
(2) 配列番号15の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:39塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号15:
Figure 0003780315
(2) 配列番号16の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:39塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号16:
Figure 0003780315
(2) 配列番号17の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:39塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号17:
Figure 0003780315
(2) 配列番号18の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:39塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号18:
Figure 0003780315
(2) 配列番号19の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:369塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:二本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号19:
Figure 0003780315
(2) 配列番号20の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:123アミノ酸
(B) 型:アミノ酸
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号20:
Figure 0003780315
(2) 配列番号21の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:417塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:二本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号21:
Figure 0003780315
(2) 配列番号22の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:130アミノ酸
(B) 型:アミノ酸
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号22:
Figure 0003780315
(2) 配列番号23の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:31塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号23:
Figure 0003780315
(2) 配列番号24の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:31塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号24:
Figure 0003780315
(2) 配列番号25の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:21塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号25:
Figure 0003780315
(2) 配列番号26の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:33塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号26:
Figure 0003780315
(2) 配列番号27の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:714塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:二本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号27:
Figure 0003780315
(2) 配列番号28の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:238アミノ酸
(B) 型:アミノ酸
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号28:
Figure 0003780315
(2) 配列番号29の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:756塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:二本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号29:
Figure 0003780315
(2) 配列番号30の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:252アミノ酸
(B) 型:アミノ酸
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号30:
Figure 0003780315
(2) 配列番号31の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:22塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号31:
Figure 0003780315
(2) 配列番号32の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:22塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号32:
Figure 0003780315
(2) 配列番号33の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:23塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号33:
Figure 0003780315
(2) 配列番号34の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:24塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号34:
Figure 0003780315
(2) 配列番号35の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:22塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号35:
Figure 0003780315
(2) 配列番号36の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:22塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号36:
Figure 0003780315
(2) 配列番号37の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:37塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号37:
Figure 0003780315
(2) 配列番号38の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:37塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号38:
Figure 0003780315
(2) 配列番号39の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:37塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号39:
Figure 0003780315
(2) 配列番号40の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:35塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号40:
Figure 0003780315
(2) 配列番号41の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:32塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号41:
Figure 0003780315
(2) 配列番号42の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:32塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号42:
Figure 0003780315
(2) 配列番号43の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:39塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号43:
Figure 0003780315
(2) 配列番号44の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:39塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号44:
Figure 0003780315
(2) 配列番号45の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:39塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号45:
Figure 0003780315
(2) 配列番号46の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:39塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:二本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号46:
Figure 0003780315
(2) 配列番号47の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:391塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:二本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号47:
Figure 0003780315
(2) 配列番号の48情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:131アミノ酸
(B) 型:アミノ酸
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号48:
Figure 0003780315
(2) 配列番号49の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:405塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:二本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号49:
Figure 0003780315
(2) 配列番号50の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:135アミノ酸
(B) 型:アミノ酸
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号50:
Figure 0003780315
(2) 配列番号51の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:22塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号51:
Figure 0003780315
(2) 配列番号52の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:38塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号52:
Figure 0003780315
(2) 配列番号53の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:31塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号53:
Figure 0003780315
(2) 配列番号54の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:22塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号54:
Figure 0003780315
(2) 配列番号55の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:729塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:二本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号55:
Figure 0003780315
(2) 配列番号56の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:242アミノ酸
(B) 型:アミノ酸
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号56:
Figure 0003780315
(2) 配列番号57の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:762塩基対
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:二本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号57:
Figure 0003780315
(2) 配列番号58の情報:
(i) 配列の特徴:
(A) 長さ:253アミノ酸
(B) 型:アミノ酸
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号58:
Figure 0003780315

Claims (21)

  1. 受託番号ATCC−HB11722のハイブリドーマにより産生される抗IL−8モノクローナル抗体の相補性決定領域(CDR)を含む抗体であって、該相補性決定領域(CDR)が、配列番号48の軽鎖CDRアミノ酸残基、RSSOSLVHGIGNTYLH、KVSNRFSおよびSQSTHVPLT、ならびに、配列番号50の重鎖CDRアミノ酸残基、GYSFSSHYMH、GYIDPSNGETTYNOKFKGおよびGDYRYNGDWFFDVを含む抗体
  2. 受託番号ATCC−HB11722のハイブリドーマにより産生される抗IL−8モノクローナル抗体の軽鎖および重鎖可変領域のアミノ酸配列を含む、請求項1記載の抗体であって、該軽鎖可変領域が配列番号48のアミノ酸1〜114を含み、該重鎖可変領域が配列番号50のアミノ酸1〜122を含む抗体
  3. 受託番号ATCC−HB11722のハイブリドーマにより産生される抗IL−8モノクローナル抗体である、請求項1記載の抗体。
  4. 請求項1記載の抗体をコードする核酸を含むDNA分子。
  5. 請求項2記載の抗体をコードする核酸を含むDNA分子。
  6. 受託番号ATCC−HB11722のハイブリドーマにより産生される抗IL−8モノクローナル抗体の軽鎖可変領域をコードする核酸を含むDNA分子であって、該軽鎖可変領域が配列番号48のアミノ酸残基1〜114を含む、DNA分子。
  7. 受託番号ATCC−HB11722のハイブリドーマにより産生される抗IL−8モノクローナル抗体の重鎖可変領域をコードする核酸を含むDNA分子であって、該重鎖可変領域が配列番号50のアミノ酸残基1〜122を含む、DNA分子。
  8. 受託番号ATCC−HB11722のハイブリドーマにより産生される抗IL−8モノクローナル抗体の軽鎖可変領域の相補性決定領域(CDR)をコードする核酸を含むDNA分子であって、該軽鎖相補性決定領域(CDR)が、配列番号48のアミノ酸残基、RSSOSLVHGIGNTYLH、KVSNRFSおよびSQSTHVPLTを含む、DNA分子
  9. 受託番号ATCC−HB11722のハイブリドーマにより産生される抗IL−8モノクローナル抗体の重鎖可変領域の相補性決定領域(CDR)をコードする核酸を含むDNA分子であって、該重鎖相補性決定領域(CDR)が、配列番号50のアミノ酸残基、GYSFSSHYMH、GYIDPSNGETTYNOKFKGおよびGDYRYNGDWFFDVを含む、DNA分子
  10. 受託番号ATCC−HB11722のハイブリドーマにより産生される抗IL−8モノクローナル抗体の相補性決定領域(CDR)を有する、Fab、Fab’、Fab’−SH、FvまたはF(ab’)2よりなる群から選択される抗体断片であって該相補性決定領域(CDR)が、配列番号48の軽鎖CDRアミノ酸残基、RSSOSLVHGIGNTYLH、KVSNRFSおよびSQSTHVPLT、ならびに、配列番号50の重鎖CDRアミノ酸残基、GYSFSSHYMH、GYIDPSNGETTYNOKFKGおよびGDYRYNGDWFFDVを含む、抗体断片。
  11. ヒト化されている、請求項10記載の抗体断片。
  12. 哺乳類において潰瘍性大腸炎を処置するための医薬組成物であって、治療的有効量の請求項1の抗IL−8抗体を含み、該抗IL−8抗体が、好中球によるIL−8仲介性エラスターゼ放出を阻害することができ、C5a、β−TGまたは血小板因子4に結合しない、医薬組成物。
  13. 哺乳類がヒトである、請求項12記載の医薬組成物。
  14. 全身的に投与される、請求項12記載の医薬組成物。
  15. 持続的注入により投与される、請求項12記載の医薬組成物。
  16. ボーラス投与により投与される、請求項12記載の医薬組成物。
  17. 抗体が、請求項2記載の抗体である、請求項12記載の医薬組成物。
  18. 哺乳類において細菌性肺炎を処置するための医薬組成物であって、治療的有効量の請求項1の抗IL−8抗体を含み、該抗IL−8抗体が、好中球によるIL−8仲介性エラスターゼ放出を阻害することができ、C5a、β−TGまたは血小板因子4に結合しない、医薬組成物。
  19. 哺乳類がヒトである、請求項18記載の医薬組成物。
  20. 細菌性肺炎が、ストレプトコッカス・ニューモニア、エシェリチア・コリ、またはシュードモナス・アエルギノーサにより惹起される、請求項18記載の医薬組成物。
  21. 抗体が、請求項2記載の抗体である、請求項18記載の医薬組成物。
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