JP3779938B2 - 新規な消臭材 - Google Patents

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武士 秋山
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な消臭材に関する。より詳しくは、長期間にわたって悪臭成分の除去に優れた効果を発揮する新規な消臭材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどのアルデヒド類などが人体に悪影響を与える点が問題となっている。特に、ホルムアルデヒドは、シックハウス・シンドロームやアレルギー症状を引き起こす物質として大きな社会問題となっており、その放散量を減らしたり素材中のホルムアルデヒド含有量の低減を図ることが要求されている。
【0003】
ところで、アルデヒド類の除去方法としては、アルデヒド類と反応してこれを吸着除去する性質を有する化合物、例えば尿素化合物、アミド化合物、ピラゾール化合物、イミダゾール化合物、ヒドラジド化合物などを用いる方法が知られている(特開平4−293474号公報、特開平9−322929号公報、特開平10−36681号公報、特開平10−204211号公報など参照)。
【0004】
しかしながら、これらの方法にあっては、耐熱性が低く熱分解を生じたり、加水分解を生じ易いなどの問題があり、長期にわたってその効果を維持することはできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、各種の悪臭成分の除去効果を長期間持続する新規な消臭材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、構造中にテルペン骨格と−N−結合もしくはN−N結合のうち少なくとも一つを有することを特徴とし、経時の安定性、効果持続性を改良した新規な消臭材に係わる。
すなわち、本発明は、分子中にテルペン骨格と−N−結合もしくはN−N結合のうち少なくとも一つを有する消臭材であって、該消臭材がテルペンと酸無水物の反応生成物に−N−結合もしくはN−N結合のうち少なくとも一つを導入したテルペン誘導体である新規な消臭材に関する。
また、本発明は、分子中にテルペン骨格と−N−結合もしくはN−N結合のうち少なくとも一つを有する消臭材であって、該消臭材がテルペン重合物に−N−結合もしくはN−N結合のうち少なくとも一つを有する化合物が結合した新規な消臭材に関する。
さらに、本発明は、分子中にテルペン骨格と−N−結合もしくはN−N結合のうち少なくとも一つを有する消臭材であって、該消臭材がテルペン重合物誘導体に−N−結合もしくはN−N結合のうち少なくとも一つを有する化合物が結合した新規な消臭材に関する。
さらに、本発明は、分子中にテルペン骨格と−N−結合もしくはN−N結合のうち少なくとも一つを有する消臭材であって、該消臭材がテルペンと酸無水物の共重合物に−N−結合もしくはN−N結合のうち少なくとも一つを有する化合物が結合した新規な消臭材に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の消臭材の一方の原料となるテルペンは、一般に植物の葉、樹、根などから得られる植物精油に含まれる化合物である。ここで、テルペンとは、一般的に、イソプレン(C58)の重合体で、モノテルペン(C1018)、セスキテルペン(C1524)、ジテルペン(C2032)などに分類される。本発明におけるテルペンとは、これらを基本骨格とする化合物である。この中で、モノテルペンが、本発明では好ましく用いられる。また、テルペンとしては、鎖状のテルペン化合物でも良い。テルペンの具体的な例としては、例えば次のようなものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0008】
すなわち、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、d−リモネン、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α−フェランドレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノーレン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール、サビネン、パラメンタジエン類、カレン類などが挙げられる。これらの化合物の中で、α−ピネン、β−ピネン、α−テルピネン、ジペンテン、d−リモネンが特に好ましく用いられる。
【0009】
本発明の消臭材に用いられるもう一方の原料としては、分子中に−N−結合として、アミノ結合、尿素結合、アミド結合またはイミド結合を有する化合物や、分子中にN−N結合を有するアゾール化合物、アジン化合物、1−アミノピロリジン化合物またはヒドラジド化合物などが挙げられる。
【0010】
分子中に−N−結合を有する化合物のうち、アミノ結合を有する化合物としては、ヒドロキシルアミン、クロルアミン、アンモニア、メタノールアミン、エタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、プロリン、ヒドロキシプロリン、ジシアノジアミド、エチレンイミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン、テトラメチレンジアミン、炭酸グアニジン、グリシン、アラニン、ザルコシン、グルタミン酸、ヘキサメチレンジアミン、メラミン、モルホリン、2−アミノ−4,5−ジシアノイミダゾール、3−アザヘキサン−1,6−ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、α−アミノ−ε−カプロラクタム、アセトグアナミン、グアニン、アセトアルデヒドアンモニア、4,7−ジアザデカン- 1,10−ジアミン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、アミノ安息香酸塩などがある。
【0011】
また、分子中に−N−結合を有する化合物のうち、尿素結合を有する化合物としては、尿素、チオ尿素、メチル尿素、エチル尿素、ジメチル尿素、ジエチル尿素、エチレン尿素、アセチル尿素、グアニル尿素、グアニルチオ尿素、アゾジカルボンアミド、グリコリルウレア、アセチルウレアなどがある。
【0012】
さらに、分子中に−N−結合を有する化合物のうち、アミド結合を有する化合物としては、ホルムアミド、アセトアミド、ベンズアミド、オキサミド、ピロリドン、ピロリドンカルボン酸、オキサミン酸、コハク酸アミド、ジシアンジアミド、オキサゾリドン、マロンアミドなどがある。
【0013】
さらに、分子中に−N−結合を有する化合物のうち、イミド結合を有する化合物としては、スクシンイミド、フタルイミド、マレイミド、コハク酸イミド、ヒダントイン、バルビツール酸、1−メチロール−5,5−ジメチルヒダントイン、イソシアヌル酸などがある。
これらの分子中に−N−結合を有する化合物は、1種単独で使用することも、また2種以上を併用することもできる。
【0014】
一方、分子中にN−N結合を有する化合物のうち、アゾール化合物およびアジン化合物としては、異項原子として2個または3個の窒素原子を有する、公知の5員ないし6員の複素環化合物を広く使用することができる。これらの複素環化合物には、炭素数1〜4程度の直鎖または分岐鎖状のアルキル基、1または2個以上の置換基を有してもよいアリール基、水酸基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、メルカプト基、エステル基、カルボキシル基、ベンゾトリアゾリル基、1−ヒドロキシベンゾトリアゾリル基などの置換基が1個または2個以上置換していてもよい。ここで、炭素数1〜4程度の直鎖または分岐鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチルなどが挙げられる。また、アリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基が挙げられ、これらの基には水酸基、ハロゲン原子、スルホン酸基、炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖状のアルキル基などの置換基が1または2個以上置換していてもよい。なお、置換基としてカルボキシル基を有する場合には、そのエステルも本発明に用いられる。
【0015】
分子中にN−N結合を有するアゾール化合物としては、例えばジアゾール化合物、トリアゾール化合物、チアジアゾール化合物などを挙げることができ、ジアゾール化合物およびトリアゾール化合物を好ましく使用できる。ジアゾール化合物の具体例としては、例えば3−メチル−5−ピラゾロン、1,3−ジメチル−5−ピラゾロン、3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン、3−フェニル−6−ピラゾロン、3−メチル−1−(3−スルホフェニル)−5−ピラゾロンなどのピラゾロン化合物、ピラゾール、3−メチルピラゾール、1,4−ジメチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3,5−ジメチル−1−フェニルピラゾール、3−アミノピラゾール、5−アミノ−3−メチルピラゾール、3−メチルピラゾール−5−カルボン酸、3−メチルピラゾール−5−カルボン酸メチルエステル、3−メチルピラゾール−5−カルボン酸エチルエステル、3,5−メチルピラゾールジカルボン酸などのピラゾール化合物などが挙げられる。
【0016】
トリアゾール化合物の具体例としては、例えば1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−n−ブチル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジ−n−ブチル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール−3−オン、ウラゾール(3,5−ジオキシ−1,2,4−トリアゾール)、1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、5−ヒドロキシ−7−メチル−1,3,8−トリアザインドリジン、1H−ベンゾトリアゾール、4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
【0017】
分子中にN−N結合を有するアジン化合物としては、例えばジアジン化合物、トリアジン化合物、ピリダジン化合物などを挙げることができ、これらの中でもピリダジン化合物が好ましく使用できる。ピリダジン化合物の具体例としては、例えば、6−メチル−8−ヒドロキシトリアゾロピリダジン、4,5−ジクロロ−3−ピリダジン、マレイン酸ヒドラジド、6−メチル−3−ピリダゾンなどが挙げられる。
【0018】
これらの中でも、分子中にN−N結合を有するアゾール化合物が好ましく、1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾールなどのトリアゾール化合物、3,5−ジメチルピラゾールなどのピラゾール化合物および3−メチル−5−ピラゾロンなどのピラゾロン化合物が特に好ましい。
【0019】
また、上記1−アミノピロリジン化合物としては、1−アミノピロリジン、3,5−ジメチル−1−アミノピロリジン、1−アミノピロールなどが挙げられる。
【0020】
さらに、上記ヒドラジド化合物としては、分子中に1個のヒドラジド基を有するモノヒドラジド化合物、分子中に2個のヒドラジド基を有するジヒドラジド化合物、分子中に3個以上のヒドラジド基を有するポリヒドラジド化合物などが挙げられる。モノヒドラジド化合物の具体例としては、例えば、一般式
R−CO−NHNH2 …(1)
〔式中、Rは水素原子、アルキル基または置換基を有することのあるアリール基を示す。〕で表されるモノヒドラジド化合物が挙げられる。
【0021】
上記一般式(1)において、Rで示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基などの炭素数1〜12の直鎖状アルキル基が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基などを挙げることができ、これらの中でもフェニル基が好ましい。また、アリール基の置換基としては、例えば、水酸基、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、iso−ブチル基などの炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖状のアルキル基などが挙げられる。上記一般式(1)のヒドラジド化合物としては、より具体的には、ラウリル酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、p−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド、ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジドなどが例示できる。
【0022】
ジヒドラジド化合物の具体例としては、例えば、一般式
2NHN−X−NHNH2 …(2)
〔式中、Xは−CO−基、−CO−A−CO基を示す。ここで、Aはアルキレン基またはアリーレン基を示す。〕で表されるジヒドラジド化合物が挙げられる。上記一般式(2)において、Aで示されるアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基などの炭素数1〜12の直鎖状アルキレン基が挙げられる。アルキレン基の置換基としては、例えば水酸基などが挙げられる。
【0023】
アリーレン基としては、例えばフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基などを挙げることができ、これらのなかでも、フェニレン基、ナフチレン基が好ましい。アリーレン基の置換基としては、上記アリール基の置換基と同様のものが挙げられる。上記一般式(2)のジヒドラジド化合物は、具体的には、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン−二酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン−二酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、ジグリコール酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、ダイマー酸ジヒドラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジドなどの2塩基酸ジヒドラジドなどが挙げられる。さらに、特公平2−4607号公報に記載の各種2塩基酸ジヒドラジド化合物、2,4−ジヒドラジノ−6−メチルアミノ−sym−トリアジンなども、本発明のジヒドラジドとして用いることができる。ポリヒドラジド化合物は、具体的には、ポリアクリル酸ヒドラジドなどが挙げられる。
【0024】
これらのなかでも、ジヒドラジド化合物が好ましく、二塩基酸ジヒドラジドがさらに好ましく、アジピン酸ジヒドラジドが特に好ましい。
以上のN−N結合を有する化合物は、1種単独で使用することも、また2種以上を併用することもできる。
【0025】
テルペンに−N−結合を導入する方法としては、例えば、アルコールやアルデヒドを含むテルペンにアミンを還元的縮合させ、イミンを得る方法や、オレフィン部位にシアン化物やヒドロキシルアミンを付加させる方法などが挙げられる。この場合の反応条件としては、0〜150℃で、水酸基を有するテルペン類に脱水縮合用触媒の存在下、アミン類を縮合させる方法が用いることが可能で、触媒の種類や形状、アミンの種類は特に限定されるものではない。0℃未満では反応の進行が遅く、一方、150℃を超えると副反応が多くなり、目的物の回収率が低下する。
【0026】
また、テルペンにN−N結合を導入する方法としては、例えば、テルペンと酸無水物の付加生成物を水加ヒドラジンと反応させる方法などが挙げられる。
この場合の反応条件としては、通常、0〜150℃に加熱したテルペンと酸無水物の付加生成物に水加ヒドラジンを滴下撹拌することが望ましい。0℃未満では反応の進行が遅く、一方、150℃を超えると副反応が多くなり、目的物の回収率が低下する。
【0027】
テルペンと酸無水物の反応生成物に−N−結合を導入し、テルペン誘導体を得る方法としては、例えば、アミンとの縮合反応によるイミド化などが挙げられる。この場合の反応条件としては、0〜200℃に加熱したテルペン誘導体にアミンを滴下することが好ましい。0℃未満では反応の進行が遅く、一方、200℃を超えると目的物の熱分解などにより収率が低下する。
また、テルペンと酸無水物の反応生成物にN−N結合を導入し、テルペン誘導体を得る方法としては、テルペンと酸無水物の反応生成物に水加ヒドラジンを脱水縮合させる方法が挙げられる。
この場合の反応条件としては、0〜200℃で反応溶媒中に溶解もしくは分散させたテルペンと酸無水物の反応生成物に、水加ヒドラジンを滴下し反応させる。0℃未満では反応の進行が遅く、一方、200℃を超えると目的物の熱分解などにより収率が低下する。
【0028】
ここで、本発明に用いられるテルペンと酸無水物の反応生成物を得る方法としては、例えば、テルペン類と無水マレイン酸などとのディールス・アルダー反応生成物などが挙げられる。
なお、テルペン化合物と無水マレイン酸との付加反応生成物は、通常、無触媒または触媒存在下で反応させることにより得られる。テルペン化合物が、共役二重結合を有する化合物の場合は、ディールス・アルダー型の反応となるために、無触媒下で加熱するだけで反応は進行し、付加物が得られる。
しかし、テルペン化合物が、非共役系の場合、通常、酸触媒存在下で行う。
その際、酸触媒としては、硫酸、塩酸、リン酸、ポリリン酸、シュウ酸、酢酸、ヘテロポリ酸、酸性白土、活性白土、酸性陽イオン交換樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
反応温度は、通常0〜250℃、好ましくは50〜200℃である。0℃未満では反応の進行が遅く、一方、250℃を超えると、重合などの副反応が顕著になるために好ましくない。
【0029】
テルペン重合物に−N−結合またはN−N結合を有する化合物を導入するには、例えば、アルコールやアルデヒドを含むテルペンにアミンを還元的縮合させ、イミンを得る方法や、オレフィン部位にシアン化物やヒドロキシルアミンを付加させる方法などが挙げられる。この場合の反応条件としては、0〜200℃で、水酸基を有するテルペン類に脱水縮合用触媒の存在下、アミン類を縮合させる方法が用いることが可能で、触媒の種類や形状、アミンの種類は特に限定されるものではない。0℃未満では反応の進行が遅く、一方、200℃を超えると副反応や分解反応が多くなり、目的物の回収率が低下する。
【0030】
ここで、テルペン重合物は、例えば、リモネンやピネンなどの反応性テルペンモノマーをルイス酸、活性白土などの酸触媒存在下に加熱撹拌することにより得ることができる。
【0031】
テルペン重合物誘導体に−N−結合またはN−N結合を有する化合物を導入するには、例えば、アルコールやアルデヒドを含むテルペンにアミンを還元的縮合させ、イミンを得る方法や、オレフィン部位にシアン化物やヒドロキシルアミンを付加させる方法などが挙げられる。この場合の反応条件としては、0〜200℃で、水酸基を有するテルペン類に脱水縮合用触媒の存在下、アミン類を縮合させる方法が用いることが可能で、触媒の種類や形状、アミンの種類は特に限定されるものではない。0℃未満では反応の進行が遅く、一方、200℃を超えると副反応や分解反応が多くなり、目的物の回収率が低下する。
【0032】
ここで、テルペン重合物誘導体は、テルペン重合物の二重結合部分を酸化剤により酸化する方法や、酸無水物をグラフト重合することにより得ることができる。
【0033】
テルペンと酸無水物の共重合物に−N−結合またはN−N結合を有する化合物を導入するには例えば、アミンとの縮合反応によるイミド化などが挙げられる。この場合の反応条件としては、0〜200℃に加熱したテルペン誘導体にアミンを滴下することが好ましい。0℃未満では反応の進行が遅く、一方、200℃を超えると目的物の熱分解などにより収率が低下する。
また、テルペンと酸無水物の反応生成物にN−N結合を導入し、テルペン誘導体を得る方法としては、テルペンと酸無水物の反応生成物に水加ヒドラジンを脱水縮合させる方法が挙げられる。
この場合の反応条件としては、0〜200℃で反応溶媒中に溶解もしくは分散させたテルペンと酸無水物の反応生成物に、水加ヒドラジンを滴下し反応させる。0℃未満では反応の進行が遅く、一方、200℃を超えると目的物の熱分解などにより収率が低下する。
【0034】
ここで、本発明に用いられるテルペンと酸無水物の共重合物としては、テルペン類と無水マレイン酸の共重合物が挙げられる。
【0035】
上記共重合物は、テルペン化合物と無水マレイン酸とのラジカル重合により製造される。テルペンと無水マレイン酸のラジカル重合については、Eur.Polym.J.,17,961〜968,1981やEur.Polym.J.,24(5),453〜456,1988、Macromol.Chem.Phys.,195,1848〜1850,1994に製造方法などが記載されている。また、特表平9−511012には無溶剤系での製造方法が開示されている。つまり、以下のような方法で製造される。
【0036】
例えば、原料モノマーとしてテルペンと無水マレイン酸をフラスコに仕込み、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)などの有機過酸化物を反応開始剤として滴下し、数時間反応させて合成される。得られる共重合体は収率95%以上、物性は反応条件により分子量(Mw)=2,000〜50,000である。
【0037】
本発明に用いられるテルペン−無水マレイン酸共重合物のテルペン化合物と無水マレイン酸の共重合割合は特に限定されるものではないが、新規な消臭性物質の使用量の観点より、テルペン化合物/無水マレイン酸=1/0.25〜1/2.5モルが好適に用いられる。
【0038】
なお、本発明で得られる消臭材は、テルペン樹脂、ポリエチレン、ポリカーボネートなどの樹脂に配合しても、何ら効果が変わらず、また、ベースとなる樹脂の熱的、機械的特性も低下させない。
【0039】
消臭材の配合量としては、ベースとなる樹脂100重量部に対して1〜40重量部であり、好ましくは5〜20重量部である。1重量部未満では、消臭効果に乏しく、一方、40重量部を超えると、熱的、機械的特性の低下が著しい。
【0040】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
【0041】
実施例1
攪拌機、コンデンサー、温度計を備えたフラスコにα−テルピネン136g(1.0mol)と無水マレイン酸98g(1.0mol)を仕込み、窒素気流下で100℃まで昇温させた。内部温度が安定した後、8時間の後反応を行い反応を完結させた。反応液を真空蒸留し、未反応物および重合物を除き、目的物を回収することにより、α−テルピネンと無水マレイン酸のディールスアルダー反応生成物(マレイン化テルピネン、MW=234)を200g(収率85%)得た。
【0042】
得られたマレイン化テルピネン117g(0.5mol)とオクチルアミン65g(0.5mol)を70℃で溶融撹拌することにより、マレイン化テルピネンのオクチルイミドを180g(収率99%)得た。
【0043】
実施例2
実施例1と同様の方法で得られたマレイン化テルピネンに、オクチルアミンの代わりにヒドラジン水和物を用い、実施例1と同様にして反応させ、マレイン化テルピネンのヒドラジド340g(収率95%)を得た。
【0044】
実施例3
α−テルペンピネンの代わりにリモネンを用い、実施例2と同様に反応させ、リモネンヒドラジドを得た。
【0045】
実施例4
攪拌機、コンデンサー、温度計を備えたフラスコにα−ピネン136g(1.0mol)と無水マレイン酸196g(2.0mol)を仕込み、窒素気流下で70℃まで昇温させた。内部温度が安定した後、ターシャリーブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート6.8g(対テルペン 5重量%,日本油脂(株)製)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、8時間の後反応を行い、ヘキサンを加えて重合物をろ過、洗浄し乾燥させて樹脂を得た(MN=5,000)。得られた共重合樹脂に、オクチルアミン258g(2.0mol)を脱水縮合させ、α−ピネンと無水マレイン酸の共重合物のオクチルイミドである、消臭材(MN=7,500)を526g(収率95%)得た。
【0046】
実施例5
実施例4と同様の方法で得られた、MN=5,000の共重合物に、ヒドラジン水和物を脱水縮合させ、α−ピネンと無水マレイン酸の共重合物のヒドラジド(MN=6,000)である、消臭材を340g(収率95%)を得た。
【0047】
実施例6(テルペン樹脂のヒドラジド)
テルペン樹脂(YSレジンPx1150N ヤスハラケミカル(株)製、MW=1,600)272gに、ヒドラジン水和物100gを80℃から100℃の条件で脱水縮合させ、α−ピネンと無水マレイン酸の共重合物のヒドラジドである、消臭材(MN=2,000)を320g(収率95%)を得た。
【0048】
応用例1
ポリプロピレン[(株)グランドポリマー製”グランドポリプロF122V”]95重量部、実施例5で得られたN−N結合含有樹脂 5重量部をドライブレンドし、2軸押出機を用いて溶融混合してペレットとした。
溶融混合条件;
Figure 0003779938
【0049】
応用例2(実施例6を用いた、消臭用樹脂ペレットの成形)
実施例6で得られたN−N結合含有テルペン樹脂を、応用例1と同様の方法でペレットとした。
【0050】
以下に本発明の新規消臭材および比較例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する。
アルデヒドに対する消臭性能の評価は、デシケーター法を改良した試験方法により実施した。すなわち、内容積約30Lのデシケータに、エアーポンプ、ホルムアルデヒド濃度測定器(理研計器製:FP−250FLS)を接続し、消臭組成物の添加ラインを接続した測定計を作成した。デシケーター内に、試験開始時のホルムアルデヒド濃度が、所定濃度となるようにホルマリン水溶液を添加し、2時間ホルマリンを揮発させた後に、被検体を添加し、5時間エアーポンプによる系内の空気循環を行い、ホルムアルデヒド濃度の測定を行った。
【0051】
また、新規な消臭材の長期の保留性を確認するために、実施例1〜6の新規な消臭材および比較例1〜3を所定量、オープン容器に入れ、室温で1週間放置した後に、同様の試験を実施した。
【0052】
【表1】
Figure 0003779938
【0053】
【表2】
Figure 0003779938
【0054】
比較例1:トリエタノールアミン
比較例2:アラントイン[川研ファインケミカル(株)製]
比較例3:実施例1で得られたマレイン化テルピネン
【0055】
【表3】
(一週間放置後の測定)
Figure 0003779938
【0056】
上記の結果のように、実施例1〜6の消臭組成物(消臭材)は、何れも優れたアルデヒド消臭効果を有する。
また、長期の放置でも消臭性能が損なわれない。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る新規な消臭材によれば、通常のアルデヒド消臭材に比較し、長期保存や長期の環境暴露後でも、充分な消臭性を有する。

Claims (4)

  1. 分子中にテルペン骨格と−N−結合もしくはN−N結合のうち少なくとも一つを有する消臭材であって、該消臭材がテルペンと酸無水物の反応生成物に−N−結合もしくはN−N結合のうち少なくとも一つを導入したテルペン誘導体である新規な消臭材。
  2. 分子中にテルペン骨格と−N−結合もしくはN−N結合のうち少なくとも一つを有する消臭材であって、該消臭材がテルペン重合物に−N−結合もしくはN−N結合のうち少なくとも一つを有する化合物が結合した新規な消臭材。
  3. 分子中にテルペン骨格と−N−結合もしくはN−N結合のうち少なくとも一つを有する消臭材であって、該消臭材がテルペン重合物誘導体に−N−結合もしくはN−N結合のうち少なくとも一つを有する化合物が結合した新規な消臭材。
  4. 分子中にテルペン骨格と−N−結合もしくはN−N結合のうち少なくとも一つを有する消臭材であって、該消臭材がテルペンと酸無水物の共重合物に−N−結合もしくはN−N結合のうち少なくとも一つを有する化合物が結合した新規な消臭材。
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