JP3779428B2 - 成膜方法および薄膜トランジスタの作製方法 - Google Patents
成膜方法および薄膜トランジスタの作製方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本明細書で開示する発明は、プラズマCVD法によって薄膜の成膜を行う技術に関する。特にプラズマCVD法を用いて珪素膜を成膜する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
シランを原料ガスとしてプラズマCVD法により非晶質珪素膜を成膜する技術が知られている。
【0003】
この技術は、薄膜トランジスタ(TFTと称される)や太陽電池を構成する薄膜珪素膜を作製するために利用されている。
【0004】
例えば、TFTを作製する場合には、まずガラス基板や石英基板上にプラズマCVD法により非晶質珪素膜(アモルファスシリコン)を成膜し、この非晶質珪素膜をパターニングしてTFTの活性層とし、該活性層を用いてTFTを作製する。
【0005】
近年、TFTに代表される薄膜デバイスに利用される薄膜半導体膜の厚さは、益々薄くなっていく傾向がある。
【0006】
例えば、現在、TFTの活性層を構成する珪素膜の厚さは、50nm以下程度となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような状況においては、成膜ロット毎の膜厚の均一性が問題となる。
【0008】
成膜する薄膜の膜厚が薄くなると、成膜時間が当然短くなる。すると、成膜開始時における放電の不安定性が問題となる。
【0009】
一例として図2(B)に非晶質珪素膜を成膜する場合におけるタイミングチャートを示す。
【0010】
ここでは、原料ガスとしてシランを用いて非晶質珪素膜を成膜する場合の例を示す。
【0011】
まず、減圧チャンバー内を超高真空状態にする。そして、シラン(SiH4 )を100sccmの流量で減圧チャンバー内に供給する。ここでは、シランを100sccmの流量で減圧チャンバー内に供給することにより、減圧チャンバー内を0.5 Torrの圧力とする。
【0012】
そして減圧チャンバー内が所定の圧力になったら、高周波電源(RF電源)をONにし、減圧チャンバー内に高周波エネルギーを供給する。
【0013】
そして所定の時間でもって成膜を行う。この成膜を行う時間を成膜時間と定義する。
【0014】
成膜の終了は、高周波電力の供給を停止することで行われる。
【0015】
条件にもよるが、一例を挙げれば、プラズマCVD法による非晶質珪素膜の成膜における成膜レート(成膜速度)は0.8nm /s程度である。
【0016】
この場合、成膜する膜厚を50nmとすると、成膜時間はおよそ62.5sec となる。
【0017】
条件にもよるが、t1 で示される放電開始時における過渡状態(この状態は放電が不安定な状態である)は、3sec 〜8sec 程度にばらついたものとなる。
【0018】
この放電開始時における放電の不安定性は、ガスの種類にはほとんど関係しない。
【0019】
上述した条件のような場合、この放電の不安定な時間t1 は、総成膜時間の10%前後にもなる。しかもその時間は安定したものではない。即ち、ロット毎にばらついたものとなる。
【0020】
このような場合、この放電の不安定な時間(図2(B)においてt1 で示される)のばらつきは、ロット毎における成膜膜厚のばらつきに大きく影響する。
【0021】
このように成膜する膜厚が薄くなり、成膜時間が短くなると、成膜開始時における放電不安定性の影響が無視できなくなる。
【0022】
具体的には、上記放電の不安定性の持続時間の違いを反映して、ロット毎の膜厚の違いが顕在化してしまう。
【0023】
本明細書で開示する発明は、上述した成膜開始時における放電の不安定性に起因する問題を解決し、ロット毎における成膜膜厚の不均一性を是正する技術を提供することを課題とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本明細書で開示する発明の一つは、
プラズマCVD法により珪素膜を成膜する方法であって、
減圧チャンバー内に放電用の非珪化物気体を供給する第1の段階と、
減圧チャンバー内に高周波エネルギーを供給し高周波放電を起こさせる第2の段階と、
減圧チャンバー内に珪化物気体を供給すると同時に前記非珪化物気体の供給を停止させる第3の段階と、
前記珪化物気体を高周波分解することで珪素膜を成膜する第4の段階と、
を有していることを特徴とする。
【0025】
珪素膜としては、非晶質珪素膜が一般的であるが、微結晶性珪素膜や結晶性珪素膜でもってよい。
【0026】
上記構成において、第2の段階における減圧チャンバー内の圧力と第4の段階における減圧チャンバー内の圧力とを同じにすることは重要となる。
【0027】
これは、成膜を開始する段階における放電の安定性を確保するためである。
【0028】
仮に第2の段階におけるチャンバー内の圧力と第4の段階におけるチャンバー内の圧力とが異なると、成膜開始時(即ち第4の段階の始めの状態)において、放電状態が変化し、放電が不安定になる状態が形成される。
【0029】
この放電が不安定な状態は、再現性が極めて悪く、その持続時間はロット毎に異なるものとなる。そしてこのことが成膜される膜厚にばらつきが生じる要因となってしまう。
【0030】
上記の構成において、非珪化物気体としては水素、珪化物気体としてはシランが一般的に選択される。珪化物気体としては、ジシラン等の他の珪化物気体を採用することもできる。また、珪化物気体中にジボランやホスフィン等のドーピング用のガスを微量に添加したものを用いることもできる。
【0031】
非珪化物気体は、珪素を含んでいない放電用のガスである。非珪化物気体としては、水素以外にヘリウムを利用することができる。この非珪化物気体は、容易に電離し、放電が起きやすいものであることが重要である。また、珪素膜中に含まれても膜質にそれほど悪質な影響を及ぼさないものであることが重要である。
【0032】
また、上記の構成において、第2の段階の放電の開始から放電が安定するまでの最長の時間tと、第4の段階の成膜時間Tとが10t≧Tの関係にある場合に発明の効果をより大きく得ることができる。
【0033】
例えば、成膜時間が十分に長い場合は、放電開始時における放電の不安定な状態の持続時間のばらつきが膜厚に大きな影響を与えることがない。この場合は、本明細書に開示する発明を採用してもそれ程の効果を得ることができない。
【0034】
しかし、上記10t≧Tの関係が成立するような薄い膜を成膜する場合には、放電開始時における放電の不安定な状態の持続時間のばらつきが膜厚に大きな影響を与える。従って、本明細書で開示する発明を採用し、放電開始時の影響を成膜段階から排除することは極めて有効となる。
【0035】
なお、第2の段階の放電の開始から放電が安定するまでの最長の時間tというのは、複数回の放電を行わせた場合にばらついて得られる放電の不安定な時間の値の中で、最長のものを選択した場合の値という意味である。
【0036】
例えば、10回の放電を行わせた場合に、放電の開始から放電が安定するまでの時間(放電の不安定な時間)が4秒〜7秒の範囲にばらついたとする。この場合は、tとして7秒が選択される。
【0037】
他の発明の構成は、
減圧チャンバー内に放電用の非生成物気体を供給する第1の段階と、
減圧チャンバー内に電磁エネルギーを供給し放電を起こさせる第2の段階と、減圧チャンバー内に生成物気体を供給すると同時に前記非生成物気体の供給を停止させる第3の段階と、
前記生成物気体を電磁エネルギーでもって分解することで薄膜を成膜する第4の段階と、
を有していることを特徴とする。
【0038】
上記構成において、非生成物気体として水素を用いることができる。
【0039】
また、電磁エネルギーとしてMHz帯〜GHz帯から選ばれた高周波エネルギーを用いることができる。
【0040】
この場合、電磁エネルギーの供給方法としては、実施例に示すような平行平板型のものに限定されるものではない。
【0041】
生成物気体としてはシランを用い、珪素膜を成膜する場合の例を挙げることができる。しかし、他の半導体膜や絶縁膜を成膜する場合を挙げることもできる。
【0042】
【発明の実施の形態】
プラズマCVD法による非晶質珪素膜の成膜の際に、成膜開始前に水素ガスをチャンバー内に供給し、放電を起こさせる。この状態では成膜はまだ行われていない。
【0043】
そして放電が安定した段階で成膜用のガスであるシランをチャンバー内に供給する。そして同時に水素ガスの供給を停止する。そしてシランを安定した放電により分解し、非晶質珪素膜の成膜を行う。
【0044】
こうすると放電開始時の不安定性を排除することができる。常に放電が安定した状態で成膜を行うことができる。
【0045】
この方法では、成膜の開始がロット毎にバラツキなく同じタイミングで開始させることができる。また放電の開始時に利用される水素ガスが膜質に影響を与えることを抑制することができる。
【0046】
特に得られた非晶質珪素膜を結晶化させる場合には、上記膜中に水素が含まれることを抑制することが極めて重要となる。
【0047】
結晶化の方法としては、加熱による方法、あるいはレーザー光や強光の照射による方法があるが、いずれの場合でも非晶質珪素膜中に含まれる過剰の水素の存在は、結晶化の妨げになることが判明している。
【0048】
従って、結晶化の工程を従う場合は、上述したようにシランガスの供給開始と同時に水素ガスの供給を停止し、膜中に水素が混入してしまうことを抑制することが重要なこととなる。
【0049】
【実施例】
〔実施例1〕
(成膜装置の説明)
まず、本実施例で利用する成膜装置の概要を説明する。図1に非晶質珪素膜を成膜するためのプラズマCVD装置の概略を示す。
【0050】
この装置は、ステンレスで構成された減圧チャンバー11の内部に一対の平行平板電極12と15が備えられている。
【0051】
接地電位に接続されている一方の電極12上には基板(試料)11が配置される。また、他方の電極15には、高周波電源16が接続されている。また、図では省略されているが、電極15と高周波電源16との間には、マッチング回路が配置されている。
【0052】
高周波電源は、必要とする出力の高周波電力を出力する機能を有している。高周波電力の周波数としては、一般に13.56 MHzが利用される。
【0053】
また、減圧チャンバー11には、その内部にガスを供給するためのガス供給系17、18が配置されている。
【0054】
ここで、17がシランガスを供給するためのガスラインであり、18が水素ガスを供給するためのガスラインである。
【0055】
また、減圧チャンバー11には、内部を必要とする減圧状態とするための排気ポンプ14を備えた排気系13が備えられている。
【0056】
また、図示しないが、減圧チャンバー11には、外部から装置内に基板を搬入するための扉を備えている。
【0057】
本実施例では、電極として面積が490cm2の矩形状のものが配置されている。また、高周波電源16からは、周波数13.56 MHz、出力20Wの高周波電力が図示しないマッチング回路を介して電極15に供給される。
【0058】
(非晶質珪素膜の成膜方法)
ここでは、本明細書で開示する方法を利用して非晶質珪素膜を成膜する場合の例を示す。
【0059】
まず減圧チャンバーに備えられた図示しない扉を開放し、チャンバー内に基板11を搬入する。基板11は、接地電位に接続された電極12上に配置される。
【0060】
次に図示しない扉を閉鎖し、減圧チャンバー11を密閉状態とする。そして、排気ポンプ14を動作させて、減圧チャンバー11内を減圧状態とする。
【0061】
ここで、チャンバー内の不純物を排除するために図示しないガス供給系から窒素ガスを供給し、一旦チャンバー内を窒素ガスで充填して、しかる後に減圧チャンバー11内を減圧状態とすることが好ましい。
【0062】
この段階では、チャンバー11内を極力高真空状態とすることが好ましい。
【0063】
次に図2(A)に示すタイミングチャートに従って基板11上に非晶質珪素膜の成膜を行う。
【0064】
まず、減圧チャンバー11内を超高真空状態(極力排気をした状態)にする。そして、ガス供給系18から水素ガスを100sccmの流量で供給する。この条件で減圧チャンバー11内の圧力は0.5 Torrとなる。(流量と圧力との関係は、チャンバーの容積や排気ポンプの能力によって異なる)
【0065】
そして、チャンバー11内が所定の圧力になった状態で高周波電源16からの高周波電力(出力20W)を供給する。
【0066】
この際、t2 で示される放電開始の放電の不安定な状態が持続する時間は、ロット毎でばらついたものとなる。
【0067】
t2 の時間は2秒〜8秒程度の間でばらついいたものとなる。そこで本実施例では、放電の開始から10秒後にチャンバー11へのシラン(SiH4 )の供給を開始する。
【0068】
こうすることで、確実に放電が安定してからシランをチャンバー11内に供給することができる。
【0069】
シランの供給の開始と同時に水素の供給を停止する。この際、チャンバー11内に供給されるガスの総量が変化しないようにシランの供給の開始タイミング及び流量が安定するまでの時間、さらに水素の供給の停止タイミング及び流量が変化する時間を設定することが重要である。
【0070】
こうすることで、水素ガスの供給からシランガスの供給への切り替え時における雰囲気の圧力変化を防ぐことができる。
【0071】
成膜の終了は、高周波電力の供給を停止し、放電を停止させることで行う。
【0072】
図2(A)に示すようなタイミングチャートに従った場合、シランが供給される段階での放電を安定したものとすることができる。従って、成膜時間がロット毎にばらつく問題を解決することができる。
【0073】
本実施例では、シランガスの供給を開始する段階で水素ガスの供給を止めている。これは、成膜される非晶質珪素膜中に過剰な水素が取り込まれることによる非晶質珪素膜の膜質の低下を抑制するためである。
【0074】
図2(A)に示す成膜方法は、放電開始のタイミングと成膜の開始のタイミングとをずらすことにより、成膜に放電開始時の不安定性の影響が及ばないようにしたことを特徴とする。
【0075】
このような成膜方法は、放電開始から放電が安定するまでの最長の時間tが成膜時間Tの10%以上となる場合に有効となる。
【0076】
即ち、成膜時間が短く、放電初期の不安定性が成膜時間に対して無視できない時間持続する場合において、有効なものとなる。
【0077】
〔実施例2〕
本実施例では、実施例1に示した非晶質珪素膜の成膜方法を利用して薄膜トランジスタを作製する工程を示す。
【0078】
図3に本実施例の作製工程を示す。まず図3(A)に示すようにガラス基板101上に下地膜として酸化珪素膜102をプラズマCVD法により300nmの厚さに成膜する。
【0079】
次に実施例1に示した方法により非晶質珪素膜103を50nmの厚さに成膜する。こうして図3(A)に示す状態を得る。
【0080】
次にレーザー光の照射を行い非晶質珪素膜103を結晶化させる。非晶質珪素膜の結晶化の方法としては、加熱、加熱と強光照射の組み合わせ、加熱とレーザー光照射の組み合わせ、等の方法を利用することができる。
【0081】
次に得られた結晶性珪素膜をパターニングして図3(B)の104で示すパターンを得る。
【0082】
さらにゲイト絶縁膜として機能する酸化珪素膜105をプラズマCVD法により100nmの厚さに成膜する。
【0083】
さらにアルミニウムでなる膜を400nmの厚さにスパッタ法で成膜する。そしてこのアルミニウム膜をレジストマスク107を利用してパターニングする。こうして、106で示すパターンを得る。このパターン106は、後にゲイト電極を形成する基となる。
【0084】
こうして図3(B)に示す状態を得る。次にレジストマスク107を残存させた状態でアルミニウムパターン106を陽極とした陽極酸化を行う。ここでは、電解溶液として3体積%の蓚酸を含んだ水溶液を用い、パターン106を陽極、白金を陰極として陽極酸化を行う。
【0085】
この工程では、レジストマスク107が存在する関係上アルミウムパターン106の側面に陽極酸化膜108が図3(C)に示すような状態で形成される。
【0086】
この陽極酸化膜108の膜厚は400nmとする。この工程で形成される陽極酸化膜108は、多孔質状(ポーラス状)を有したものとして得られる。
【0087】
図3(C)に示す状態を得たら、レジストマスク107を除去する。そして、再度の陽極酸化を行う。ここでは、電解溶液として、3体積%の酒石酸を含んだエチレングリコール溶液をアンモニア水で中和したものを用いる。
【0088】
この工程では、電解溶液が多孔質状の陽極酸化膜108の内部に侵入する関係から、図3(D)の109で示されるように陽極酸化膜が形成される。陽極酸化膜109の膜厚は70nmとする。ここで、110で示されるパターンがゲイト電極となる。
【0089】
この工程で形成される陽極酸化膜109は緻密な膜質を有したものとなる。
【0090】
こうして図3(D)に示す状態を得る。次に図4(A)に示す状態で不純物元素のドーピングを行う。ここでは、Nチャネル型のTFTを作製するためにプラズマドーピング法でもって燐のドーピングを行う。
【0091】
ここでは、燐イオンを含んだプラズマから燐イオンを電界でもって引出し、さらにそれを電気的に加速してドーピングを行うプラズマドーピング法を用いる。しかし、質量分離を行った後に燐イオンを電気的に加速注入するイオン注入法をドーピング手段として用いてもよい。
【0092】
このドーピングは、通常のソース及びドレイン領域を形成する条件でもって行う。こうして、図4(A)に示すように111、115の領域に自己整合的に燐のドーピングが行われる。ここで111がソース領域、115がドレイン領域となる。
【0093】
次に多孔質状の陽極酸化膜108を除去し、図4(B)を状態を得る。そして、再度燐のドーピングをプラズマドーピング法でもって行う。
【0094】
このドーピングは、先の図4(A)の状態で行ったドーピングに比較してライトドーピングの条件で行う。
【0095】
この工程において、低濃度不純物濃度領域112、114が自己整合的に形成される。また113の領域がチャネル形成領域として画定する。(図4(B))
【0096】
ここで低濃度不純物濃度というのは、ソース領域111、ドレイン領域115に比較して、ドーパント(この場合は燐)の濃度が低いという意味である。
【0097】
ドーピングが終了したら、レーザー光の照射を行うことにより、ドーピングが行われた領域の結晶性の改善とドーピントの活性化とを行う。
【0098】
ここでは、レーザー光の照射を行う例を示すが、強光の照射による方法を用いてもよい。
【0099】
次に図4(C)に示すように窒化珪素膜116をプラズマCVD法により150nmの厚さに成膜し、さらに酸化珪素膜117をプラズマCVD法により400nmの厚さに成膜する。
【0100】
さらにアクリル樹脂を塗布し、樹脂膜118を成膜する。樹脂膜を利用するとその表面を平坦にできる。アクリル樹脂以外には、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアミド、エポキシ等の樹脂材料を利用することができる。
【0101】
次にコンタクトホールの形成を行い、ソース電極119、ドレイン電極120を形成する。こうしてTFTが完成する。
【0102】
本実施例では、基板としてガラス基板を用いた例を示した。しかし、他に石英基板や絶縁膜を成膜した半導体基板や金属基板を用いてもよい。(これらを総称して絶縁表面を有する基板という)
【0103】
また、本実施例では、TFTの活性層を構成する半導体膜が結晶性珪素膜である場合の例を示したが、活性層を非晶質珪素膜でもって構成する場合でもあってもよい。
【0104】
また、本実施例では、ゲイト電極にアルミニウムを用いる場合の例を示したが、他の珪素材料やシリサイド材料、さらには適当な金属材料を用いたものとしてもよい。
【0105】
また、本実施例では、ゲイト電極が活性層より上部にあるトップゲイト型のTFTの例を示したが、ゲイト電極が活性層の下側(基板側)にあるボトムゲイト型のTFTとしてもよい。
【0106】
【発明の効果】
本明細書で開示する発明を利用することで、成膜開始時における放電の不安定性に起因する問題を解決することができ、ロット毎における膜厚のバラツキを是正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 プラズマCVD装置の概要を示す図。
【図2】 成膜時におけるタイミングチャートを示す図。
【図3】 TFTの作製工程を示す図。
【図4】 TFTの作製工程を示す図。
【符号の説明】
11 減圧チャンバー
12 電極
13 排気系
14 排気ポンプ
15 電極
16 高周波電源
17 シランガス供給系
18 水素ガス供給系
101 ガラス基板
102 下地膜(酸化珪素膜)
103 非晶質珪素膜
104 活性層(結晶性珪素膜)
105 ゲイト絶縁膜
106 アルミニウムパターン
107 レジストマスク
108 多孔質状の陽極酸化膜
109 緻密な膜質を有する陽極酸化膜
110 ゲイト電極
111 ソース領域
115 ドレイン領域
112 低濃度不純物領域
114 低濃度不純物領域
113 チャネル形成領域
116 窒化珪素膜
117 酸化珪素膜
118 アクリル樹脂膜
119 ソース電極
120 ドレイン電極
Claims (11)
- 高周波電力が供給される1つの電極を備えたプラズマ処理装置を用いる成膜方法において、
チャンバー内に放電用のガスを供給し、
前記チャンバー内に高周波エネルギーを供給して前記放電用のガスを放電させ、
前記放電の開始後に、前記チャンバー内に供給されるガスの総量が変化しないようにしながら前記チャンバー内への成膜用のガスの供給を開始すると同時に前記放電用のガスの供給を停止し、前記成膜用のガスを高周波分解することで半導体膜または絶縁膜を成膜し、
前記放電用のガスの放電の開始時から放電が安定するまでの最長の時間tと、成膜時間Tとは、10t≧Tの関係を有することを特徴とする成膜方法。 - 請求項1において、前記放電用のガスの放電の開始におけるチャンバー内の圧力と前記成膜におけるチャンバー内の圧力とを同じにすることを特徴とする成膜方法。
- 請求項1または2において、前記放電用のガスは水素であることを特徴とする成膜方法。
- 高周波電力が供給される1つの電極を備えたプラズマ処理装置を用いる成膜方法において、
チャンバー内に水素を供給し、
前記チャンバー内に高周波エネルギーを供給して前記水素を放電させ、
前記放電の開始後に、前記チャンバー内に供給されるガスの総量が変化しないようにしながら前記チャンバー内への成膜用のガスの供給を開始すると同時に前記水素の供給の停止を開始し、前記成膜用のガスを高周波分解することで半導体膜または絶縁膜を成膜し、
前記水素の放電の開始時から放電が安定するまでの最長の時間tと、成膜時間Tとは、10t≧Tの関係を有することを特徴とする成膜方法。 - 高周波電力が供給される1つの電極を備えたプラズマ処理装置を用いる成膜方法において、
チャンバー内に水素を供給し、
前記チャンバー内に高周波エネルギーを供給して前記水素を放電させ、
前記放電の開始後に、前記チャンバー内に供給されるガスの総量が変化しないようにしながら前記チャンバー内へのシランの供給を開始すると同時に前記水素の供給の停止を開始し、前記シランを高周波分解することで珪素膜を成膜し、
前記水素の放電の開始時から放電が安定するまでの最長の時間tと、成膜時間Tとは、10t≧Tの関係を有することを特徴とする成膜方法。 - 請求項4または5において、前記水素の放電の開始におけるチャンバー内の圧力と前記成膜におけるチャンバー内の圧力とを同じにすることを特徴とする成膜方法。
- 請求項1乃至6のいずれか一において、MHz帯〜GHz帯から選ばれた高周波エネルギーを用いることを特徴とする成膜方法。
- 高周波電力が供給される1つの電極を備えたプラズマ処理装置を用いる薄膜トランジスタの作製方法において、
絶縁表面を有する基板上に下地膜を形成し、
チャンバー内に水素を供給し、
前記チャンバー内に高周波エネルギーを供給して前記水素を放電させ、
前記放電の開始後に、前記チャンバー内に供給されるガスの総量が変化しないようにしながら前記チャンバー内へのシランの供給を開始すると同時に前記水素の供給の停止を開始し、前記シランを高周波分解することで、前記下地膜上に珪素膜を成膜し、
前記珪素膜をパターニングし、
前記パターニングされた珪素膜上にゲイト絶縁膜を形成し、
前記ゲイト絶縁膜上にゲイト電極を形成し、
前記水素の放電の開始時から放電が安定するまでの最長の時間tと、成膜時間Tとは、10t≧Tの関係を有することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。 - 高周波電力が供給される1つの電極を備えたプラズマ処理装置を用いる薄膜トランジスタの作製方法において、
絶縁表面を有する基板上に下地膜を形成し、
チャンバー内に水素を供給し、
前記チャンバー内に高周波エネルギーを供給して前記水素を放電させ、
前記放電の開始後に、前記チャンバー内に供給されるガスの総量が変化しないようにしながら前記チャンバー内へのシランの供給を開始すると同時に前記水素の供給の停止を開始し、前記シランを高周波分解することで、前記下地膜上に非晶質珪素膜を成膜し、
前記非晶質珪素膜を結晶化して、結晶性珪素膜を形成し、
前記結晶性珪素膜をパターニングし、
前記パターニングされた結晶性珪素膜上にゲイト絶縁膜を形成し、
前記ゲイト絶縁膜上にゲイト電極を形成し、
前記水素の放電の開始時から放電が安定するまでの最長の時間tと、成膜時間Tとは、10t≧Tの関係を有することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。 - 請求項8または9において、前記水素の放電の開始におけるチャンバー内の圧力と前記成膜におけるチャンバー内の圧力とを同じにすることを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
- 請求項8乃至10のいずれか一において、MHz帯〜GHz帯から選ばれた高周波エネルギーを用いることを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
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