JP3778890B2 - 静電荷像現像剤及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機、レーザービームプリンター、静電記録装置等における静電荷像を現像するために用いられる静電荷像現像剤及びこの静電荷像現像剤を用いて画像を形成する方法に関する。
【0002】
【背景技術】
従来、電子写真法を利用する電子写真複写機やレーザービームプリンター、静電記録法を利用する静電記録装置などを用いて、複写画像や記録画像(以下では両者を併せて、単に「複写画像」という。)を得ることが広く行われている。例えば、電子写真法を利用する電子写真複写機やレーザービームプリンターにおいては、画像の形成は通常次のようにして行われる。すなわち、まず、アモルファスシリコン、セレン等の無機光導電性材料あるいは有機光導電性材料(OPC)を用いる感光体ドラムからなる静電潜像担持体を、帯電器により正または負に帯電させ、次いでこの帯電された静電潜像担持体をスリット露光またはビーム露光することにより、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する。形成された静電荷像はトナー粒子を含有する現像剤によって現像され、現像後のトナー画像は転写紙などの転写材に転写され、転写されたトナー画像は熱ロール、圧力ロールなどにより定着されて複写画像とされる。前記静電荷像を現像する方法としては、(イ)鉄粉やガラス粉、磁性体含有樹脂粉などのキャリア粒子と、樹脂及び着色剤を主成分とするトナー粒子とを含む二成分系現像剤を用いる、磁気ブラシ法やカスケード法等の二成分乾式現像法、(ロ)キャリア粒子を用いずトナー粒子のみを用いて現像を行う一成分現像法、及び(ハ)絶縁性キャリヤ液体を用いる液体現像法などが知られている。上記一成分現像法では、現像剤としてトナー粒子中に磁性粉体を有する絶縁性磁性トナーを用いる一成分磁性現像法が一般的である(例えば、特許文献1参照)。上記二成分系現像剤及び一成分現像剤には、通常、流動化剤、研磨剤などいわゆる外添剤といわれる添加剤が、必要に応じ更に添加されている。
【0003】
一方、トナー転写後の静電潜像担持体上に残留する現像剤は、ブレードクリーニング方式、ファーブラシクリーニング方式、磁気ブラシクリーニング方式等によりクリーニングされて、静電潜像担持体上から除去され、静電潜像担持体は再使用に供される。このとき、クリーニング部材は静電潜像担持体にクリーニングに必要とされる圧力で圧接されるため、静電潜像担持体が繰り返し使用されている間に、静電潜像担持体に傷がついたり、トナー粒子あるいはトナー粒子成分などが静電潜像担持体に固着し、画像の劣化が発生する。従来、静電潜像担持体に固着する現象の回避あるいは固着した物質を除去するため、更には劣化した潜像担持体表面を研磨除去するため、現像剤中に研磨剤を含有させることが広く行われている。研磨剤に関しては、使用材料や研磨剤の組合せあるいは研磨剤と他の外添成分との組み合わせなどについて従来から種々の提案がなされている。
【0004】
例えば、静電潜像担持体上へのトナーの固着現象並びに静電潜像担持体への傷の発生を防ぐ目的で、現像剤中に摩擦減少物質と研磨剤とを添加することが知られている(例えば、特許文献2参照)。この摩擦減少物質と研磨剤を含む現像剤を用いる方法は、静電潜像担持体へのトナー固着現象を有効に回避しうる方法ではあるが、トナー固着現象を回避しうる程度に摩擦減少物質を添加すると、繰り返しの使用によって静電潜像担持体表面に生成もしくは付着する紙粉、オゾン付加物等の低電気抵抗物質の除去が行われ難くなり、特に高温高湿の環境下においては、感光体上の潜像が低電気抵抗物によって損なわれるという欠点がある。また、摩擦減少物質と研磨剤のそれぞれの添加量が微妙であり、さらに感光体への付着物を安定して除去することができるように十分量の研磨物質を添加すると、感光体を傷つけたり、クリーニングブレードを傷つけてクリーニング不良を引き起こすという現象が起こる。
【0005】
また、研磨剤として、コロイド状シリカ、表面変成した親油性シリカ、珪酸アルミニウム、表面処理した珪酸アルミニウム、二酸化チタン、アルミナ、炭酸カルシウム、三酸化アンチモン、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、珪酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム(例えば、特許文献2、3参照)、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化亜鉛、酸化クロム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム(例えば、特許文献4参照)などを用いること、更には、焼結法によって生成された窒素吸着法によるBET比表面積が0.2〜30m2/gの無機微粉体を含有する現像剤を用いて画像を形成する方法(特許文献5参照)、粒径が0.1μm以下のような、酸化物系セラミック微粉体及び非酸化物系セラミック微粉体(例えば炭化ケイ素、タングステンカーバイド、窒化アルミニウム、窒化ほう素など)、あるいは前記非酸化物系セラミック微粉体を滑剤とともに含有する現像剤を用いて画像を形成する方法(特許文献6参照)などの提案も行われている。これら従来提案されている方法においては、例えば静電潜像担持体としてアモルファスシリコンのような感光体を用いる場合、十分なクリーニング効果が得られないとか、感光体へのトナーの固着現象を回避し、十分なクリーニング効果を得るためには現像剤中に多量の無機微粉体を含有させる必要があるとか、また炭化ケイ素微粉末などでは単独で用いる場合ブレードクリーニング時にトナーフィルミングの形成が見られるとか、OPCあるいはセレン系感光体に対し繰り返しの使用する間に感光体に傷がつくなどの問題点を有するものであった。
【0006】
更に、アモルファスシリコンのコロナチャージなどに基づく表面劣化を改善する目的で、トナー当り0.05〜5重量%の平均粒径0.1〜1μmの炭化ケイ素をトナー表面に外添し、感光体表面を研磨することも提案されている(特許文献7)が、このトナーを用いる場合にも上記と同様、ブレードクリーニング時に感光体ドラム上にトナー融着が起りやすく、複写画像にトナー融着に基づくホワイトスポットの発生が見られるという問題がある。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第4,336,318号明細書
【特許文献2】
特開昭48−47345号公報
【特許文献3】
特開昭50−120631号公報
【特許文献4】
特開昭55−57874号公報
【特許文献5】
特開昭60−136752号公報
【特許文献6】
特開昭61−112153号公報
【特許文献7】
特開昭61−15154号公報
【0008】
本発明は、上記のような状況に鑑みなされたもので、電子写真複写機、レーザービームプリンター、静電記録装置などにおいて、従来の研磨剤に比べ少量の使用で砒素セレン系感光体、アモルファスシリコン感光体などの無機系の静電潜像担持体を十分に研磨、クリーニングすることができるとともに、ブレードクリーニング時にトナーの融着や、繰り返し使用によっても感光体を傷つけることがなく、また研磨剤の機内への飛散がなく、あらゆる複写環境下で常に良好な複写画像を極めて長期にわたり形成することができる画像形成方法及び静電荷像現像剤を提供することを目的とするものである。
【0009】
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、驚くべきことに特定の物性を有する炭化ケイ素微粉体を静電荷像現像剤中に添加した場合、現像剤が正帯電性現像剤、負帯電性現像剤の何れであっても、現像剤の帯電特性並びに現像特性が炭化ケイ素微粉体の添加前と比べて大きく変わることなく、しかも静電潜像担持体に傷を発生させることなく研磨が行われ、クリーニングブレードを用いて静電潜像担持体上に残留するトナーを掻き取りクリーニングする際にもトナー融着によるフィルミングの発生がなく、極めて長期に亘りあらゆる複写環境下で常に良好な画像を形成することができることを見出して、本発明を成したものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程、形成された静電荷像を静電荷像現像剤により現像する工程、得られた現像画像を転写材に転写する工程、転写された画像を定着する工程、及び転写後の静電潜像担持体上に残留する現像剤をクリーニングブレードにより掻き取る工程を含む画像形成方法において、前記静電潜像担持体が無機系の材料で構成され、かつ前記現像剤がトナー粒子と平均一次粒子径が0.2〜1.5μm、比表面積が10〜50m2/g、凝固粒子量が10〜60%の炭化ケイ素微粉体とを少なくとも含むものであって、該炭化ケイ素微粉体はトナー粒子に対し0.1〜5.0重量%含有されていることを特徴とする画像形成方法に関する。
【0011】
また、本発明は、トナー粒子と炭化ケイ素微粉体とを少なくとも含有する静電荷像現像剤において、前記炭化ケイ素微粉体が0.2〜1.5μmの平均一次粒子径及び10〜50m2/gの比表面積を有し、且つ凝固粒子量が10〜60%であり、トナー粒子に対し0.1〜5.0重量%の量で含まれていることを特徴とする静電荷像現像剤に関する。
【0012】
さらに、本発明は、画像形成方法及び静電荷像現像剤の好ましい態様として次のような発明を含むものである。
(1)上記画像形成方法において、静電潜像担持体がアモルファスシリコンからなることを特徴とする画像形成方法。
(2)上記(1)の画像形成方法において、アモルファスシリコンがX線光電子分光法分析において、静電潜像担持体表面のSi2pスペクトルのピーク分離結果に由来するSiの化学状態に対し、Si−Oが50%以上のアモルファスシリコンであることを特徴とする画像形成方法。
(3)上記画像形成方法において、静電潜像担持体が蒸着膜厚60〜150μmの砒素セレン系感光体であることを特徴とする画像形成方法。
(4)上記画像形成方法において、炭化ケイ素微粉体表面に付着したFe元素の濃度が0.14〜0.32重量%であり、且つAl元素の濃度が0.135〜0.437重量%であることを特徴とする画像形成方法。
(5)上記画像形成方法において、静電荷像現像剤が一成分磁性現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
(6)上記画像形成方法において、静電荷像現像剤が非磁性トナーを含む二成分系現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
(7)上記画像形成方法において、静電荷像現像剤に前記炭化ケイ素微粉体以外の他の無機微粒子が更に含まれていることを特徴とする画像形成方法。
【0013】
(8)上記静電荷像現像剤において、炭化ケイ素微粉体は、炭化ケイ素を粉砕した後、湿式分級により0.2〜1.5μmの平均一次粒子径を有する炭化ケイ素微粒子を分級し、分級水溶液に凝集剤を添加して分級水溶液中の炭化ケイ素微粒子を凝集沈降させ、得られたスラリーを乾燥、解砕することにより製造されたものであることを特徴とする静電荷像現像剤。
(9)上記静電荷像現像剤において、炭化ケイ素微粉体表面に付着したFe元素の濃度が0.14〜0.32重量%であり、且つAl元素の濃度が0.135〜0.437重量%であることを特徴とする静電荷像現像剤。
【0014】
【発明の具体的態様】
以下、本発明の画像形成方法を図1を参照しつつ更に詳細に説明する。
図1には、本発明の画像形成方法が適用される画像形成装置の一例が示されている。図1の画像形成装置において、1は静電潜像担持体であるアモルファスシリコン感光体であり、帯電ローラ2が感光体1面に押圧力をもって圧接されている。帯電ローラ2は感光体1の回転に伴って従動回転し、帯電ローラ2に外部からバイアス電圧を印加することにより、感光体1は所定の極性、電位に帯電される。帯電された感光体1は、次いでレーザービーム3により走査露光され、感光体1上に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、現像器4内に収容された炭化ケイ素微粉体を含む本発明の一成分磁性現像剤6により現像されて順次可視化される。現像されたトナー画像は、転写工程において感光体1と転写ローラ7間に搬送される紙などの転写材11に転写される。トナー画像が転写された転写材11は図示されていない定着装置に送られ、熱ロール定着される。他方、トナー画像が転写された感光体1は、感光体上に残留する現像剤がクリーニング装置8に設けられたクリーニングブレード9により掻き取りクリーニングされ、再使用に供される。
【0015】
上記したが、図1は本発明の画像形成方法が適用される装置の一例を示したものにすぎず、無機系材料からなる静電潜像担持体上に担持された静電荷像を静電荷像現像剤を用いて現像し、現像されたトナー画像を転写、定着する一方、静電潜像担持体上に残留する現像剤をクリーニングブレードを用いてクリーニングする画像形成装置であれば従来公知或いは周知の画像形成装置の何れのものに対しても本発明の画像形成方法を適用することができる。すなわち、無機系静電潜像担持体としては、図1の装置で用いられるアモルファスシリコンの他、例えば砒素セレン系感光体、セレンテルル系感光体等が挙げられる。しかし、本発明の画像形成方法において用いられる炭化ケイ素微粉体は硬度が高く感光体表面に傷が付き易いため、アモルファスシリコン、砒素セレン系感光体など硬度の高い感光体を用いることが好ましい。
【0016】
また表面硬度の点から、アモルファスシリコンとしては、X線光電子分光法(ESCAあるいはXPS)分析において、静電潜像担持体表面のSi2pスペクトルのピーク分離結果に由来するSiの化学状態に対し、Si−Oが50%以上のアモルファスシリコンが好ましいものである。さらに、砒素セレン系感光体としては、蒸着膜厚が60〜150μmであるものが好ましい。蒸着膜厚が60μm未満であると強度の点で問題が生じ、一方蒸着膜厚が150μmを超えると感度の点で問題を生じるため好ましい感光体とは言えない。なお、上記X線光電子分光法分析は、例えば装置として1600S型X線光電子分光装置(PHI社製)を用い、測定条件X線源Mg Kα(400W)、分析領域0.4mmφにより行われる。
【0017】
また、帯電は図1のような接触帯電でなくても、コロトロン、スコロトロンなどを用いるコロナ放電を利用する非接触帯電でもよく、接触帯電の場合にも図1のようなローラーを用いるものでなく、ブレード或いはブラシを帯電部材として用いるものでもよい。露光もレーザービーム露光でなくスリット露光など任意の方法で良く、現像も一成分磁性トナーを用いるものでなくキャリアとトナー粒子とを含む二成分系現像剤を用いる、例えば磁気ブラシ現像などによっても良い。更に、定着も熱ロール定着でなく、圧力定着など任意のものであってもよい。
【0018】
また、本発明の静電荷像現像剤は、トナー粒子と0.2〜1.5μmの平均一次粒子径及び10〜50m2/gの比表面積を有し、且つ凝固粒子量が10〜60%である炭化ケイ素微粉体を、トナー粒子に対し0.1〜5.0重量%の量で含むものである。本発明の静電荷像現像剤には、上記トナー粒子及び炭化ケイ素微粉体以外にも、いわゆる外添剤と呼ばれる添加成分が含まれていてもよく、更に二成分系現像剤の場合にはキャリア粒子が含まれていてもよい。以下、本発明の静電荷像現像剤について、炭化ケイ素微粉体から順次詳細に説明する。
【0019】
(a)炭化ケイ素微粉体
本発明の静電荷像現像剤に用いられる炭化ケイ素微粉体は、上記のとおり平均一次粒子径が0.2〜1.5μm、比表面積が10〜50m2/gであり、且つ凝固粒子量が10〜60%であることが必要である。本発明において用いられる炭化ケイ素微粉体のより好ましい平均一次粒子径、比表面積、凝固粒子量は、0.2〜1.3μm、15〜45m2/g、15〜55%であり、更に好ましくは0.3〜1.0μm、20〜40m2/g、20〜50%である。平均一次粒子径が0.2μm未満であると凝固粒子が多くなるためクリーニングを十分に行うことができず、また1.5μmを超えると凝固粒子が少なくなるため静電潜像担持体上へのトナーの融着が生じ、複写画像にホワイトスポットが発生するという問題が生じる。比表面積が10m2/g未満であると一次粒子が大きいため、凝固粒子が少なくなり静電潜像担持体へのトナーの融着が生じ、また50m2/gを超えると一次粒子が小さいため、凝固粒子が多くなりクリーニングを十分に行うことができないという問題が出てくる。更に、凝固粒子量が10%未満であると静電潜像担持体上へのトナーの融着が生じて、複写画像にホワイトスポットが発生し、また60%を超えると凝固粒子過多によりクリーニングブレードに炭化ケイ素が滞留しクリーニング不良が発生するという問題が出てくる。また、上記特性を有する炭化ケイ素微粉体は、通常湿式分級された微粒子をポリ塩化アルミニウムなどの凝集剤で凝集沈降させて製造される。従って、炭化ケイ素微粉体表面に付着したAl元素の濃度が高い場合凝集過多となり好ましくない。また、湿式分級する前の炭化ケイ素粉体の微細粒子形成のための粉砕は通常鉄ボールを用いて行われるが、この粉砕時に粉砕物中に鉄が不純物として混入する。この混入された鉄も炭化ケイ素微粒子の凝集剤的な役割を担うと思われるが、最終微粉体表面に付着したFe元素の濃度が高い場合炭化ケイ素微粉体が凝集過多になる傾向にある。このため、炭化ケイ素微粉体表面に付着したFe元素の濃度が0.5重量%以下であり、且つAl元素の濃度が0.6重量%以下であることが好ましい。
【0020】
また炭化ケイ素微粉末の添加量は、現像剤中のトナー粒子量に対し、0.1〜5.0重量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜2.0重量%である。炭化ケイ素微粉末の添加量が0.1重量%未満であると添加による効果が表れ難く、また5.0重量%を超えると感光体としてアモルファスシリコンを用いる場合にも、過剰研磨により感光体に傷が発生する。本発明においては、炭化ケイ素微紛体は、一成分磁性現像剤の方が二成分系現像剤より多めに添加される場合に好ましい結果が得られることが多い。
【0021】
なお、上記炭化ケイ素微粉体の平均一次粒子径、比表面積、凝固粒子量は以下の方法で測定される。
【0022】
(平均一次粒子径の測定)
測定装置としてマイクロトラックFRA(マイクロトラック社製)を用い、次のようにして行う。まず、試料(スラリー)約5ccを100ccビーカーに入れ、これに市水100ccを注入し、20〜30秒超音波処理を行って、測定試料を作製する。循環モジュール内を洗浄してSet Zeroを行う。この時Flux4chが0.05以上の時は再洗浄を行う。前記調製した試料を循環モジュールに注入し、規定濃度にする。循環モジュールの攪拌を3秒以上停止させ、泡抜きした後、攪拌を再開する。計測を選択して粒度分布測定を行い、測定結果から平均一次粒子径を得る。
【0023】
(比表面積の測定)
測定装置として、BET法を応用したフローソープII2300(島津製作所社製)を用い、まず、乾燥冷却した空セルの重量を量り(値A)、セルの中に試料を入れ、1時間以上105℃に設定した乾燥器で乾燥させた後、デシケーター内で放置、冷却する。このセルを測定装置に取付け、脱気する。脱気終了後、液体窒素でセルを冷却し、ガスを吸着させる。吸着が終了したら、ビーカー中の水にサンプルセルを浸して温め、ガスを脱着させる。安定したところで、脱着時の値B(m2)を読み取る。測定後、セルを乾燥機に20分入れ乾燥させる。乾燥後、セルはデシケーター内で冷却され、次いで重量が測定される(値C)。これら測定された値A、B、Cから、次式にしたがって比表面積を算出する。
比表面積(m2/g)=B÷(C−A)
【0024】
(凝固粒子量の測定)
500ccの容器にスラリー状の試料を乾燥重量で10g入れた後、蒸留水を500ccまで注入し、沈殿物がなくなるまで攪拌し、この分散液を、目開き88μm(170メッシュ)のマイクロシーブ(筒井理化学器械株式会社製)でろ過する。容器に留まった(側面に付着したもの等)粒子をも前記マイクロシーブ上に洗い落とした後、この容器に500ccの蒸留水を計り、マイクロシーブを洗い流す。時計皿にマイクロシーブ上の凝固粒子を全量回収して、乾燥器にて乾燥させ、マイクロシーブ上に残存していた凝固粒子の重量(乾燥残分重量)を測定する。この値から次式にしたがって凝固粒子量を算出する。
凝固粒子量(%)=〔乾燥残分重量(g)÷10(g)〕×100
【0025】
上記物性を有する本発明の画像形成方法あるいは静電荷像現像剤で用いられる炭化ケイ素微粉末は、例えば次のような方法により製造される。すなわち、先ずAcheson法で製造されたα−炭化ケイ素を、乾式粉砕法により粗粉砕し、更に湿式粉砕により微粉砕する。微粉砕スラリーを酸処理により除鉄した後、水洗を行う。酸処理では、塩酸や硫酸等の酸を使用することが可能である。次いで、得られたスラリーを所望の粒度の炭化ケイ素微粉体が得られるまで必要回数湿式分級した後、凝集剤を加え炭化ケイ素微粉体を凝集沈降させる。使用可能な凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウム、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、活性ケイ酸などがあるが、いずれも安価で、SiC微粒子を効率よく凝集させ、またpHの制御が比較的容易であるという特徴を有する。上澄み液を除去したのち、乾燥し、解砕後必要であれば篩にかけて不必要に大きい粒子を除去し、上記物性を有する炭化ケイ素微粉体を得る。
【0026】
なお、従来、炭化ケイ素微粉末の製造方法は通常次のような方法によっている。
すなわち、Acheson法で製造されたα−炭化ケイ素を、乾式粉砕法により粗粉砕し、更に湿式粉砕により微粉砕する。微粉砕スラリーを酸処理により除鉄した後、水洗を行う。次いで得られたスラリーを所望の粒度の炭化ケイ素微粉末が得られるまで必要回数湿式分級し、静置した後上澄み液を除去し、乾燥させ、解砕後必要であれば篩にかけて不必要に大きい粒子を除去することにより、所望の粒径を有する炭化ケイ素微粉末を製造していた。
【0027】
(b)トナー粒子
本発明の静電荷像現像剤は、磁性トナーを用いる一成分磁性現像剤であっても、キャリア粒子と共に用いられる二成分系現像剤のいずれであってもよい。したがって、本発明の静電荷像現像剤に用いられるトナー粒子は、磁性粉を含む磁性トナーあるいは磁性粉を含まない非磁性トナーのいずれであってもよい。また、トナー粒子は、正帯電性、負帯電性のいずれのものであってもよい。本発明の静電荷像現像剤に用いられるトナー粒子は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含む。
【0028】
トナー粒子を構成する結着樹脂としては、従来磁性トナーあるいは磁性粉を含まない非磁性トナーの結着樹脂として用いられているもののいずれをも用いることができる。結着樹脂としては、具体的には、スチレン系重合体、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル系共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−ジメチルアミノエチルアクリレート共重合体、スチレン−ジエチルアミノエチルアクリレート共重合体、スチレン−ブチルアクリレート−ジエチルアミノエチルメタクリレート共重合体等のスチレン系共重合体;架橋されたスチレン系重合体など:ポリエステル樹脂、例えば、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジアルコール、ジフェノール類から選択される単量体を構造単位として有するポリエステル樹脂、架橋したポリエステル樹脂など:その他ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、ロジン変成マレイン樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、キシレン樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、石油樹脂などを挙げることができる。
【0029】
上記スチレン−アクリル系共重合体を構成するアクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸やメタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。更に、これらスチレン、アクリル系単量体と共に用いることができる単量体として、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、マレイン酸、マレイン酸ブチルなどのマレイン酸ハーフエステル、あるいはジエステル類、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類が挙げられる。
【0030】
また、上記の架橋したスチレン系重合体を製造するために用いる架橋剤としては、主として不飽和結合を2個以上有する化合物を挙げることができ、具体的には、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート等の不飽和結合を2個以上有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;及び不飽和結合を3個以上有する化合物を、単独で或いは混合してして使用することができる。上記架橋剤は、結着剤樹脂に対して、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%で用いられる。
【0031】
これらの樹脂は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。これら樹脂のうち、スチレン系重合体、ポリエステル樹脂は、優れた帯電特性を示すため特に好ましいものである。また、GPC(ゲルパーミエイション・クロマトグラフィー)により測定される分子量分布で3×103〜5×104の領域に少なくとも一つのピークを有し、かつ105以上の領域にも少なくとも一つのピークあるいはショルダーを有するスチレン系共重合体、更には2種以上の樹脂、例えば前記スチレン樹脂とスチレン−アクリル系共重合体との併用あるいは2種以上のスチレン−アクリル系共重合体の併用などによりこのような分子量分布を有するようにされた樹脂組成物が、トナーの粉砕性、定着性などの点から好ましい。
【0032】
更に、加圧定着方式を用いる場合には、圧力定着トナー用結着剤樹脂を使用することができる。このような樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチレン、ポリウレタンエラストマー、エチレン−エチルアクリレート共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、線状飽和ポリエステル、パラフィン及び他のワックス類を挙げることができる。
【0033】
また、トナー粒子の着色剤としては、従来トナー粒子の着色剤として用いられていた染料、顔料のいずれのものをも用いることができる。このような公知の染料、顔料としては、例えば、黒の着色剤としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、鉄黒等が好適に用いられる。イエローの着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、168、174、176、180、181、191等が好適に用いられる。マゼンタの着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254等が好適に用いられる。シアンの着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が好適に用いられる。これら着色剤は、通常結着樹脂100重量部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜20重量部の添加量とされる。なお、磁性トナーにおいて磁性粉が着色剤と機能する場合には、着色剤は必要であれば用いればよく、着色剤を用いる場合、例えばカーボンブラック、銅フタロシアニン、鉄黒などが用いられる
【0034】
本発明の現像剤中のトナー粒子が磁性トナーである場合には、トナー粒子中に更に磁性粉が含有される。磁性粉としては、鉄、コバルト、ニッケル、マンガンなどの強磁性金属や強磁性金属の合金の粉末、γ−酸化鉄、マグネタイト、フェライトなど鉄、コバルト、ニッケル、マンガンなどを含む化合物が使用できる。これらの磁性微粒子は窒素吸着法によるBET比表面積が好ましくは2〜20m2/g、特に2.5〜12m2/g、さらにモース硬度が5〜7の磁性粉が好ましい。また、その粒度は100〜800mμ、好ましくは300〜500mμであり、この磁性粉の含有量は、トナー量に対して10〜70重量%、好ましくは15〜50重量%とされる。
【0035】
本発明のトナー粒子には必要に応じて従来公知の荷電制御剤が含有されてもよい。荷電制御剤は、現像されるべき静電潜像担持体上の静電荷像の極性に応じて、正荷電制御剤または負荷電制御剤が用いられる。正荷電制御剤としては、ニグロシン染料及び脂肪酸金属誘導体、トリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩(例えば、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルベンジルアンモニウムテトラフルオロボレート)、ジオルガノスズオキサイド(例えば、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド)、ジオルガノスズボレート(ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート)等を単独であるいは2種以上組合わせて用いることができる。これらの中でも、ニグロシン系、4級アンモニウム塩が好ましい。
【0036】
一方、負荷電制御剤としては、カルボキシル基を有する化合物、例えばサリチル酸あるいはサリチル酸誘導体の金属塩や金属キレート(錯体)、金属錯塩染料、脂肪酸石鹸、ナフテン酸金属塩等が挙げられる。
これら荷電制御剤は、通常結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部の割合で使用される。
【0037】
本発明のトナー粒子には、実質的な悪影響を与えない限りにおいて、従来トナー粒子を製造する際に用いられている他の添加剤を加えることができる。これらの添加剤としては、例えば熱ロール定着時の離型性(オフセット防止性)を向上させる、脂肪族炭化水素、脂肪酸金属塩類、高級脂肪酸類、脂肪酸エステル類もしくはその部分ケン化物、シリコーンオイル、各種ワックス等が挙げられる。これらの中では、重量平均分子量が1000〜10000程度の低分子量ポリエチレンや低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、パラフィンワックス等のワックス類が好ましい。その他の添加剤としては、流動化剤、滑剤、導電性付与剤、研磨剤等が挙げられる。
【0038】
本発明の現像剤で用いられるトナー粒子は、前記のトナー構成成分を、乾式ブレンダー、ヘンシェルミキサー、ボールミル等により予備混合し、しかる後、この混合物を熱ロール、ニーダー、一軸または二軸のエクストルーダー等の熱混練機によって溶融混練し、得られた混練物を冷却後粉砕し、必要に応じ所望の粒径に分級する方法により製造するのが好ましい。しかし、本発明において用いられるトナー粒子の製造法は、この混練粉砕法に限られるものではなく、例えば結着樹脂溶液中にトナー構成材料を分散した後、噴霧乾燥する方法、あるいは、結着樹脂を構成すべき単量体に所定材料を混合して乳化懸濁液とした後に重合させてトナー粒子を得る方法等、従来公知の方法のいずれの方法によってもよい。本発明で用いられるトナー粒子は、平均粒径が3〜35μmであることが好ましく、5〜25μmが更に好ましい。小粒径トナーの場合には、4〜10μm程度の粒径で用いられる。本発明の現像剤が絶縁性磁性トナーである場合には、1010Ω・cm以上、好ましくは1013Ω・cm以上の電気抵抗を有するものが好ましい。
【0039】
(c)キャリア粒子
本発明の静電荷像現像剤が二成分系現像剤である場合には、本発明の静電荷像現像剤にはキャリア粒子が共に用いられる。本発明の二成分系現像剤において用いられるキャリア粒子は、従来二成分系現像剤において用いられるキャリア粒子のいずれであってもよく、例えば、鉄粉等の強磁性金属あるいは強磁性金属の合金粉、ニッケル、銅、亜鉛、マグネシウム、バリウム等の元素から構成されるフェライト粉、マグネタイト粉などが好ましいものとして挙げられる。これらキャリア粒子は、スチレン・メタクリレート共重合体、スチレン重合体、シリコーン樹脂等の樹脂で被覆されたものでもよい。キャリア粒子を樹脂により被覆する方法としては、被覆用樹脂を溶剤に溶解し、これを浸漬法、スプレー法、流動床法等によりコア粒子上に塗布し、乾燥させたのち必要に応じ加熱して塗膜を硬化する方法等公知の任意の方法によることができる。また、キャリア粒子の平均粒径は、通常15〜500μm、好ましくは20〜300μmのものを用いることができる。
【0040】
(d)静電荷像現像剤の製造
本発明の静電荷像現像剤は、トナー粒子と上記炭化ケイ素微粉体、更に必要に応じ他の添加剤とを乾式混合することにより製造される。二成分系現像剤である場合には、必要に応じ、キャリア粒子がさらに混合される。このとき、炭化ケイ素微粉体の添加量は、トナー粒子100重量部に対し0.1〜5.0重量部とされる。より具体的に一成分磁性現像剤と二成分系現像剤の場合に分けて炭化ケイ素微粉体の好ましい添加量を示すと、一成分磁性現像剤の場合磁性トナー100重量部に対し0.2〜2.0重量部であり、二成分系現像剤の場合には、トナー粒子100重量部に対し、0.1〜1.0重量部である。
【0041】
静電荷像現像剤を製造する際、炭化ケイ素微粉体と共に用いることができる添加剤としては、滑剤、流動化剤、炭化ケイ素以外の他の研磨剤など、従来静電荷像現像剤を製造する際にトナー粒子と共に用いることが知られた、公知あるいは周知微粒子が挙げられる。滑剤の例としては、例えばポリテトラフルオロエチレン、ステアリン酸亜鉛などが、流動化剤の例としては、例えばポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、シリコーン、ジクロロジメチルシリコーン、ヘキサメチルジシラザンなどの疎水化剤で疎水化処理されたあるいは疎水化処理されていないシリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア、非晶質珪素−アルミニウム共酸化物、非晶質珪素−チタニウム共酸化物などの微粒子が、炭化ケイ素以外の研磨としては、例えばチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、タングステンカーバイドなどの微粒子が挙げられる。また、導電性付与剤として酸化スズの如き金属酸化物等を加えることもできる。しかし、これらは添加剤の一例を示したにすぎないものであり、本発明の静電荷像現像剤に添加混合される添加が上記具体的に例示されたものに限定されるものではない。
【0042】
【実施例】
以下、実施例比較例及び参考例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例、比較例及び参考例により何等の限定もなされるものではない。なお以下において、「部」は全て「重量部」を表す。
【0043】
まず、実施例1で用いられる炭化ケイ素微粉体の製造法を具体的に示す。実施例2〜6及び比較例1〜2で用いられる炭化ケイ素微粉体は、添加される凝集剤の量、あるいは分級微粒子の一次粒子径などを調製するなどして適宜製造することができる。
【0044】
(炭化ケイ素微粉体の製造)
Acheson法により合成された後、乾式粉砕法により粉砕されたD50(平均粒子径)=25μm、S.A.(比表面積)=0.07m2/g(BET法。以下、同じ。)のα−SiC粉砕用原料と、水及び鉄ボールを粉砕ミルに投入し、湿式粉砕を行うことでD50=10μm、S.A.=0.07m2/gの炭化ケイ素粒子を含む粉砕スラリーを調製した。続いて、前記粉砕スラリーを樹脂製タンクに移し、攪拌しながらスラリーのpHが2になるまで塩酸を加え、さらに攪拌し続け十分な酸洗浄を行うことで除鉄を行った。そして、上記除鉄を行ったスラリーをタンク内に静置し上澄液を除去した後、水を加え十分に混合した。この作業をスラリーのpHが6になるまで繰り返し行い、分級用原料スラリーを調製した。
【0045】
次に、前記分級用原料スラリーに水を加え50重量%に調整した後、水簸分級を行い、D50=6.0μmの炭化ケイ素粉末を含む分級スラリー1を調製した。続いて、上記分級スラリー1について、サイクロン分級器を使用した湿式分級を2回繰り返し行うことで、D50=1.0μmの炭化ケイ素微粒子を含む分級スラリー2を調製した。ここで、前記分級スラリー2に含まれるFe2+濃度を測定したが、鉄は検出されなかった。続いて、分級スラリー2について、遠心分級器を使用した精密分級を行うことで、D50=0.42μm、S.A.=26.3m2/gの炭化ケイ素微粒子を含む分級スラリー3を得た。そして、この分級スラリー3を攪拌しながら、スラリー中の炭化ケイ素微粒子の凝集が目視で観察されるまでポリ塩化アルミニウム溶液を加え、静置後上澄液を除去し分級スラリー3を得た。
【0046】
前記分級スラリー3を乾燥機で十分に乾燥させた後、解砕機で解砕することで炭化ケイ素微粉体を得た。この炭化ケイ素微粉体のS.A.及び凝固粒子量を測定したところ、それぞれ26.3m2/g、40.6%であった。また、炭化ケイ素微粉体表面に付着したFe元素及びAl元素の濃度を測定したところ、それぞれ0.21重量%と0.25重量%であった。
【0047】
なお、炭化ケイ素粉砕用原料、粉砕スラリー及び分級スラリー1〜3中の炭化ケイ素粉末のD50、炭化ケイ素微粉体の凝固粒子量ならびに表面に付着したFe元素及びAl元素の濃度、分級スラリー中のFe2+濃度、の測定は以下の通りに行った。
【0048】
炭化ケイ素粉砕用原料及び粉砕スラリー中の炭化ケイ素微粒子のD50:Multisizer II (Coulter社製)を使用し平均粒子径を求めた。
分級スラリー1〜3中の炭化ケイ素粉末のD50:マイクロトラックFRA(マイクロトラック社製)を用い、前記した「平均粒子径の測定法」にしたがって平均粒子径を求めた。
炭化ケイ素微粉体の凝固粒子量:前記「凝固粒子量の測定法」にしたがって測定し、算出した。
【0049】
炭化ケイ素微粉体表面に付着したFe元素の濃度:分光光度計(UV−1240;株式会社島津製作所製)を使用し、以下の方法にしたがって測定し、算出した。
まず、柄付きカセロールに炭化ケイ素微粉体1.0gと(1+1)塩酸50mlを入れ10分間煮沸する。冷却後、濾紙(アドバンテック5C;東洋濾紙株式会社製)を使用し濾過し、残査は(1+100)塩酸で洗浄する。濾液と洗浄液を250mlのメスフラスコに移し、標線まで純水を満たし試料を調整する。この試料50mlに、過マンガン酸カリウム溶液(1/10N)を2滴加え十分に混ぜ、うすい赤色に変化するのを確認する。うすい赤色にならなければ、うすい赤色になるまで更に前記過マンガン酸カリウム溶液を加える。うすい赤色に変化した試料に10%チオシアン酸カリウム溶液10mlを加え測定液を調整し、これを370nmの波長に合わせた前記分光光度計で測定し、次式に従って炭化ケイ素微粉体表面に付着したFe元素の濃度を測定した。
Fe元素濃度(重量%)=測定値(ppm)×10 3×0.25(L)/1.0(g)×100
【0050】
炭化ケイ素微粉体表面に付着したAl元素の濃度:高周波プラズマ発光分析装置(ICPS−1000IV;株式会社島津製作所製)を使用し、以下の方法にしたがって測定し、算出した。
まず、炭化ケイ素微粉体0.5gを白金るつぼに入れ、硝酸5ml及びフッ酸5mlを加え蒸発乾固させた後、さらに超純水約30mlと硝酸1mlを加えた後、蒸気が出るまで加熱する。白金るつぼ内の試料を100mlのメスフラスコに移し、標線まで純水を満たし測定液を調整する。この測定液とAlのBLANK試料を高周波プラズマ発光分析装置で測定し、次式に従って炭化ケイ素微粉体表面に付着したAl元素の濃度を測定した。
Al元素濃度(重量%)=[測定値−BLANK](ppb)×10 6×0.1(L)/0.5(g)×100
【0051】
分級スラリー中のFe2+濃度:イオン試験紙(アドバンテック ANION−CATION TEST PAPER Fe2+;東洋濾紙株式会社製)を使用し測定した。
【0052】
Figure 0003778890
上記成分を均一に混合した後、混練、粉砕、分級して平均粒径10.4μmの正帯電性トナー粒子を得た。次いで、このトナー粒子100部に対し、ジクロロジメチルシランで処理したシリカ微粉末0.3部、及び平均一次粒子径が0.42μm、比表面積26.3m2/g、凝固粒子量40.6%、Fe元素付着量が0.21重量%、Al元素付着量が0.25重量%の炭化ケイ素微粉体1.0部を添加、混合して正帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて市販のデジタル複写機GP−605(キヤノン社製)にドラム表面のSi−Oが67.5%であるアモルファスシリコン感光体ドラム(A)を搭載し、常温常湿(N/N;23℃、50%RH)、高温高湿(30℃、85%RH)、低温低湿(10℃、20%RH)の環境下で各50万枚の実写試験を行った。試験の結果、いずれの環境下においてもドラム上にトナーの融着現象は見られず、またドラム上の傷も認められなかった。さらに50万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、常温常湿において、初期及び50万枚複写時の画像濃度(I.D.)は各々1.36及び1.37であり、また初期及び50万枚複写時のカブリは各々0.4及び0.2であった。
なお、感光体ドラム(A)表面のX線光電子分光分析によるスペクトル(Mgstd 400.0W 0.0μ 117.40eV)を図2に、図2のSi2pスペクトルのピーク分離後のスペクトルを図3に示す。
【0053】
なお、画像濃度はマクベス光度計を用いて行い、画像濃度は1.35以上の濃度であればよい。また、カブリはフォトボルトにて、反射率を測定することにより行った。1.2%以下が良好な値である。更に、トナーの機内飛散は、複写機の転写チャージャー上に飛散トナーが存在するか否かを確認することにより行った。転写チャージャー上にトナー飛散がみられる場合、これに伴う画像汚れが発生する。画像濃度及びカブリの測定、トナー飛散の有無は以下の実施例においても同様な方法で行われた。
【0054】
〔実施例2〕
実施例1で製造されたトナー粒子100部に対し、ジクロロジメチルシランで処理したシリカ微粉末0.4部及び平均一次粒子径が0.32μm、比表面積31.6m2/g、凝固粒子量52.7%、Fe元素付着量が0.30重量%、Al元素付着量が0.437重量%の炭化ケイ素微粉体1.0部を添加、混合して正帯電性磁性体トナーを得た。次にこのトナーを用いて、市販のデジタル複写機iR8500(キヤノン社製)にドラム表面のSi−Oが67.5%であるアモルファスシリコン感光体ドラム(A)を搭載し、常温常湿(23℃、50%RH)、高温高湿(30℃、85%RH)、低温低湿(10℃、20%RH)の環境下で各50万枚の実写試験を行った。試験の結果、いずれの環境下においてもドラム上にトナーの融着現象は見られず、またドラム上の傷も認められなかった。さらに50万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、常温常湿において、初期及び50万枚複写時の画像濃度は各々1.42及び1.41であり、また初期及び50万枚複写時のカブリは各々0.5及び0.9であった。
【0055】
〔実施例3〕
実施例1で製造されたトナー粒子100部に対し、ジメチルジメトキシシランで処理したシリカ微粉末0.3部及び平均一次粒子径が0.71μm、比表面積22.5m2/g、凝固粒子量30.2%、Fe元素付着量が0.18重量%、Al元素付着量が0.182重量%の炭化ケイ素微粉体1.0部を添加、混合して正帯電性磁性体トナーを得た。次にこのトナーを用いて、市販のデジタル複写機iR105(キヤノン社製)にドラム表面のSi−Oが67.5%であるアモルファスシリコン感光体ドラム(A)を搭載し、常温常湿(23℃、50%RH)、高温高湿(30℃、85%RH)、低温低湿(10℃、20%RH)の環境下で各50万枚の実写試験を行った。試験の結果、いずれの環境下においてもドラム上にトナーの融着現象は見られず、またドラム上の傷も認められなかった。さらに50万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、常温常湿において、初期及び50万枚複写時の画像濃度は各々1.37及び1.40であり、また初期及び50万枚複写時のカブリは各々0.1及び0.3であった。
【0056】
Figure 0003778890
上記成分を均一に混合した後、混練、粉砕、分級して平均粒径10.3μmの負帯電性トナー粒子を得た。次いで、このトナー粒子100部に対し、ジクロロジメチルシランで処理したシリカ微粉末0.2部、アミノシランで処理した炭酸カルシウム微粉末1.0部、及び平均一次粒子径が0.37μm、比表面積27.5m2/g、凝固粒子量35.1%、Fe元素付着量が0.17重量%、Al元素付着量が0.208重量%の炭化ケイ素微粉体0.7部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて市販のデジタル複写機iR6000(キヤノン社製)にドラム表面のSi−Oが80.0%であるアモルファスシリコン感光体ドラム(B)を搭載し、常温常湿(23℃、50%RH)、高温高湿(30℃、85%RH)、低温低湿(10℃、20%RH)の環境下で各25万枚の実写試験を行った。試験の結果、いずれの環境下においてもドラム上にトナーの融着現象は見られず、またドラム上の傷も認められなかった。さらに25万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、常温常湿において、初期及び25万枚複写時の画像濃度は各々1.44及び1.41であり、また初期及び25万枚複写時のカブリは各々1.1及び0.9であった。
【0057】
Figure 0003778890
上記成分を均一に混合した後、混練、粉砕、分級して平均粒径12.0μmの負帯電性トナー粒子を得た。次いで、このトナー粒子100部に対し、ジクロロジメチルシランで処理したシリカ微粉末0.05部、ヘキサメチルジシラザンで処理したシリカ微粉末0.15部、及び平均一次粒子径が0.26μm、比表面積35.2m2/g、凝固粒子量21.5%、Fe元素付着量が0.14重量%、Al元素付着量が0.135重量%の炭化ケイ素微粉体1.5部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて市販のアナログ複写機NP−8530S(キヤノン社製)にドラム表面のSi−Oが52.8%であるアモルファスシリコン感光体ドラム(C)を搭載し、常温常湿(23℃、50%RH)、高温高湿(30℃、85%RH)、低温低湿(10℃、20%RH)の環境下で各25万枚の実写試験を行った。試験の結果、いずれの環境下においてもドラム上にトナーの融着現象は見られず、またドラム上の傷も認められなかった。さらに25万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、常温常湿において、初期及び25万枚複写時の画像濃度は各々1.39及び1.39であり、また初期及び25万枚複写時のカブリは各々0.8及び1.0であった。
【0058】
〔実施例6〕
(成 分) (配合量)
スチレン−アクリル系共重合体 100部
カーボン1 8部
カーボン2 1部
サリチル酸系クロム塩 2部
低分子量ポリプロピレン 4部
上記成分を均一に混合した後、混練、粉砕、分級して平均粒径11.0μmの負帯電性トナー粒子を得た。次いで、このトナー粒子100部に対し、ジクロロジメチルシランで処理したシリカ微粉末0.5部、ポリメチルメタクリレート(PMMA)微粒子0.4部、及び平均一次粒子径が1.00μm、比表面積20.7m2/g、凝固粒子量32.4%、Fe元素付着量が0.32重量%、Al元素付着量が0.188重量%の炭化ケイ素微粉体0.5部を添加、混合して負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用い、キャリアとしてシリコーンコーティングしたフェライトキャリアを用いて、市販のアナログ複写機M6765(レニア社製)に蒸着膜厚が90μmである砒素セレン感光体ドラムを搭載し、常温常湿(23℃、50%RH)、高温高湿(30℃、85%RH)、低温低湿(10℃、20%RH)の環境下で各20万枚の実写試験を行った。試験の結果、いずれの環境下においてもドラム上にトナーの融着現象は見られず、またドラム上の傷も認められなかった。さらに20万枚実写後でも画像濃度は安定しており、カブリは少なく、機内のトナー飛散、画像汚れも見られなかった。なお、常温常湿において、初期及び20万枚複写時の画像濃度は各々1.44及び1.38であり、また初期及び20万枚複写時のカブリは各々0.5及び0.2であった。
【0059】
〔比較例1〕
実施例1で用いた炭化ケイ素微粉体を、平均一次粒子径が3.03μm、比表面積1.71m2/g、凝固粒子量0.01%、Fe元素付着量が0.04重量%、Al元素付着量が0.004重量%である炭化ケイ素微粉体に代えることを除き、実施例1と同様にして正帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行ったところ、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で約8千枚を過ぎたあたりから、研磨効果が十分でない場合に起こる複写紙上の白点(ホワイトスポット)の発生が認められ、感光ドラムにトナーが融着していた。
【0060】
〔比較例2〕
実施例2で用いた炭化ケイ素微粉体を、平均粒径が0.11μm、比表面積54.5m2/g、凝固粒子量88.1%、Fe元素付着量が1.15重量%、Al元素付着量が0.745重量%である炭化ケイ素微粉体に代えることを除き、実施例2と同様にして正帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例2と同様に実写試験を行ったところ、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で約5千枚を過ぎたあたりから、感光体ドラムのクリーニングブレードに炭化ケイ素凝固粒子が過多滞留し、複写紙上にクリーニング不良による黒すじの発生が認められた。
【0061】
〔比較例3〕
実施例1で用いた炭化ケイ素微粉体を添加しないことを除き、実施例1と同様にして正帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例1と同様に実写試験を行ったところ、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で約1千枚を過ぎたあたりから、研磨効果が十分でない場合に起こる複写紙上の白点(ホワイトスポット)の発生が認められ、感光ドラムにトナーが融着していた。
【0062】
〔比較例4〕
実施例4で用いた炭化ケイ素微粉体を6.0部添加することを除き、実施例4と同様にして負帯電性磁性トナーを得た。次にこのトナーを用いて、実施例4と同様に実写試験を行ったところ、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で約5万枚を過ぎたあたりから、複写紙上にすじの発生が認められ、感光体上に研磨しすぎる場合に起こる深い傷がついていた。
【0063】
参考例1
実施例2で用いた正帯電性磁性トナーを用いて、市販のデジタル複写機iR8500(キヤノン社製)にドラム表面のSi−Oが31.5%であるアモルファスシリコン感光体ドラム(D)を搭載し、実写試験を行ったところ、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下で約7万枚を過ぎたあたりから、複写紙上にすじの発生が認められ、感光体上に研磨しすぎる場合に起こる深い傷がついていた。
【0064】
上記実施例比較例及び参考例の条件及び結果を次表にまとめて示す。
【表1】
Figure 0003778890
【0065】
上記表から、本発明の特定の平均一次粒子径、比表面積、凝固粒子量を有する炭化ケイ素微粉体を用いることにより、トナーが磁性トナーであるか非磁性トナーであるか、また極性が正であるか負であるかにかかわらず、極めて長期に亘り良好な複写画像を形成することができることが分かる。また、比較例から、平均一次粒子径、比表面積、凝固粒子量が本発明の炭化ケイ素微粉末の範囲を外れると、感光体上にトナー融着が見られるとか、クリーニングブレードへの炭化ケイ素微粉体の滞留に基づくクリーニング不良や過剰研磨による感光体への傷の発生が見られるようになることも分かる。
【0066】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明においては、特定の平均一次粒子径、比表面積、凝固粒子量を有する炭化ケイ素微粉体を特定量配合した静電荷像現像剤を用いることにより、無機系静電潜像担持体をブレードによりクリーニングする画像形成方法においても、静電潜像担持体上へのトナーの融着、クリーニング不良がなく、また静電潜像担持体への傷の発生もなく、複写環境に関係なく極めて長期に亘り良好な複写画像を形成することができ、更にはトナー粒子の画像形成装置内での飛散もなく、極めて長期に亘り安定して良好な複写を行うことができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法が適用される画像形成装置の一例である。
【図2】実施例1で用いられた感光体ドラム(A)表面のX線光電子分光分析により得られたスペクトル図である。
【図3】図2のスペクトル図のSi2pスペクトルの詳細図である。
【符号の説明】
1:感光体
2:帯電ローラ
3:露光光(レーザービーム)
4:現像器
5:磁性ローラ
6:現像剤
7:転写ローラ
8:クリーニング装置
9:クリーニングブレード
10:転写バイアス付与装置
11:転写材

Claims (11)

  1. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程、形成された静電潜像を静電荷像現像剤により現像する工程、得られた現像画像を転写材に転写する工程、転写された画像を定着する工程、及び転写後の静電潜像担持体上に残留する現像剤をクリーニングブレードにより掻き取る工程を含む画像形成方法において、前記静電潜像担持体が無機系の材料で構成され、かつ前記現像剤が、トナー粒子と平均一次粒子径が0.2〜1.5μm、比表面積が10〜50m2/g、凝固粒子量が10〜60%の炭化ケイ素微粉体とを少なくとも含むものであって、該炭化ケイ素微粉体はトナー粒子に対し0.1〜5.0重量%含有されていることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記静電潜像担持体がアモルファスシリコンからなることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記アモルファスシリコンが、X線光電子分光法分析において、静電潜像担持体表面のSi2pスペクトルのピーク分離結果に由来するSiの化学状態に対し、Si−Oが50%以上のアモルファスシリコンであることを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 前記静電潜像担持体が蒸着膜厚60〜150μmの砒素セレン系感光体であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  5. 前記炭化ケイ素微粉体表面に付着したFe元素の濃度が0.14〜0.32重量%であり、且つAl元素の濃度が0.135〜0.437重量%であることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
  6. 前記静電荷像現像剤が一成分磁性現像剤であることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
  7. 前記静電荷像現像剤が非磁性トナーを含む二成分系現像剤であることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
  8. 前記静電荷像現像剤に前記炭化ケイ素微粉体以外の他の無機微粒子が更に含まれていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成方法。
  9. トナー粒子と炭化ケイ素微粉体とを少なくとも含有する静電荷像現像剤において、前記炭化ケイ素微粉体が0.2〜1.5μmの平均一次粒子径及び10〜50m2/gの比表面積を有し、且つ凝固粒子量が10〜60%であり、トナー粒子に対し0.1〜5.0重量%の量で含まれていることを特徴とする静電荷像現像剤。
  10. 前記炭化ケイ素微粉体は、炭化ケイ素粉体を粉砕した後、湿式分級により0.2〜1.5μmの平均一次粒子径を有する炭化ケイ素微粒子を分級し、分級水溶液に凝集剤を添加して分級水溶液中の炭化ケイ素微粒子を凝集沈降させ、得られたスラリーを乾燥、解砕することにより製造されたものであることを特徴とする請求項9記載の静電荷像現像剤。
  11. 前記炭化ケイ素微粉体表面に付着したFe元素の濃度が0.14〜0.32重量%であり、且つAl元素の濃度が0.135〜0.437重量%であることを特徴とする請求項10記載の静電荷像現像剤。
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