JP3644371B2 - 静電荷像現像剤および画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像剤および画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子複写機、レーザービームプリンター等における静電潜像を現像するために用いられる静電荷像現像剤およびこの静電荷像現像剤を用いて画像を形成する方法に関する。
【0002】
【背景技術】
従来、電子写真法を利用する電子写真複写機やレーザービームプリンター、静電記録法を利用する静電記録装置などを用いて、複写画像や記録画像(以下では両者を併せて、単に「複写画像」という。)を得ることが広く行われている。例えば、電子写真法を利用する電子写真複写機やレーザービームプリンターにおいて、画像形成は通常次のように行われている。すなわち、まず、アモルファスシリコン、セレン等の無機光導電性材料あるいは有機光導電性材料を用いる感光体(OPC)ドラムからなる静電潜像担持体を、帯電器により正または負に帯電させ、次いでこの帯電された静電潜像担持体をスリット露光またはビーム露光することにより、静電潜像担持体上に静電荷像を形成する。形成された静電荷像は現像剤によって現像され、現像後のトナー画像は転写紙に転写され、転写されたトナー画像は熱ロール、圧力ロールなどにより定着されて複写画像とされる。前記静電荷像を現像する方法としては、(a)鉄粉やガラス粉、磁性体含有樹脂粉などのキャリア粒子と、樹脂および着色剤を主成分とするトナー粒子とを含む二成分系乾式現像剤を用いる、磁気ブラシ法やカスケード法等の二成分乾式現像法、(b)キャリア粒子を用いずトナー粒子のみを用いて現像を行う一成分現像法、および(c)絶縁性キャリヤ液体を用いる液体現像法などがある。上記一成分現像法では、現像剤としてトナー中に磁性粉体を有する絶縁性磁性トナーを用いる一成分磁性現像法が一般的である(例えば、米国特許第4,336,318号明細書)。上記二成分現像剤および一成分現像剤には、通常、いわゆる外添剤といわれる添加剤が、必要に応じ更に添加されている。
【0003】
一方、トナー転写後の静電潜像担持体上に残留するトナーは、ブレードクリーニング方式、ファーブラシクリーニング方式、磁気ブラシクリーニング方式等によりクリーニングされて、静電潜像担持体上から除去され、静電潜像担持体は再使用に供される。このとき、クリーニング部材は静電潜像担持体にクリーニングに必要とされる圧力で圧接されるため、静電潜像担持体が繰り返し使用されている間に、静電潜像担持体に傷がついたり、トナーが静電潜像担持体に固着する現象が発生する。このトナーが静電潜像担持体に固着する現象を回避するため、現像剤中に研磨材を含有させることが広く行われている。研磨材に関しては、研磨剤として使用する材料、2種以上の特定の研磨材の組合せあるいは研磨材と他の外添成分との組み合わせなどについて従来から種々の提案がなされている。
【0004】
例えば、特開昭48−47345号公報には、トナー中に摩擦減少物質と研磨材の両者を添加することが記載されている。この方法は、静電潜像担持体へのトナー固着現象を有効に回避しうる方法ではあるが、トナー固着現象を回避しうる程度に摩擦減少物質を添加すると、繰り返しの使用によって静電潜像担持体表面に生成もしくは付着する紙粉、オゾン付加物等の低電気抵抗物質の除去が行われにくくなり、特に高温高湿の環境下においては、感光体上の潜像が低電気抵抗物によって損なわれるという欠点がある。また、摩擦減少物質と研磨材のそれぞれの添加量が微妙であり、さらに感光体への付着物を安定して除去することができるように十分量の研磨物質を添加すると、感光体を傷つけたり、クリーニングブレードを傷つけてクリーニング不良を引き起こすという現象が起こる。また、特開昭50−120631号公報には、研磨材として、コロイド状シリカ、表面変成した親油性シリカ、珪酸アルミニウム、表面処理した珪酸アルミニウム、二酸化チタン、アルミナ、炭酸カルシウム、三酸化アンチモン、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、珪酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムなどが、特開昭55−57874号公報には、同じく、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化亜鉛、酸化クロム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどが記載されている。さらに、特開昭60−136752号公報には、焼結法によって生成された窒素吸着法によるBET比表面積が0.2〜30m/gの無機微粉体を含有する現像剤を用いて画像を形成する方法が、特開昭61−112153号公報には、酸化物系セラミック微粉体と非酸化物系セラミック微粉体を含有する現像剤を用いて画像を形成する方法が開示されている。これら従来提案されている方法においては、例えば静電潜像担持体としてアモルファスシリコンのような感光体を用いる場合、十分なクリーニング効果が得られないとか、感光体へのトナーの固着現象を回避し、十分なクリーニング効果を得るためには現像剤中に多量の無機微粉体を含有させる必要があるとか、あるいはOPCあるいはセレン系感光体に対し繰り返しの使用する間に感光体に傷がつくなどの問題点を有するものであった。
【0005】
また、上記特開昭61−112153号公報には、酸化物系セラミック微粉体と共に用いられる非酸化物系セラミック微粉体として、タングステンカーバイド微粉体が例示されている。しかし、研磨材として従来タングステンカーバイド微粉体を用いる場合には、繰り返しの使用により感光ドラムに傷が発生し、また例えばプロセス速度が400mm/sec(複写スピード60枚/分相当)を超えるような高速機においては、タングステンカーバイド微粉体が複写機機内に飛散するという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような状況に鑑みなされたもので、電子写真複写機、レーザービームプリンターなどにおいて用いられる静電荷像現像剤として、上記欠点のない、すなわち、従来の研磨材に比べ少量の使用でOPC、セレン系感光体、アモルファスシリコン感光体などあらゆる感光体を十分に研磨、クリーニングすることができるとともに、繰り返し使用によっても感光体を傷つけることがなく、また研磨材の機内への飛散がなく、あらゆる複写環境下で常に良好な複写画像を形成することができる、研磨材含有静電荷像現像剤を提供することを目的とするものである。
【0007】
また、本発明の他の目的は、研磨材の使用が少量ですみ、感光体を傷つけることなく感光体の良好な研磨、クリーニングを行うことができ、研磨材の機内への飛散がなく、あらゆる環境下で長期間安定して良好な複写画像を得ることができる画像形成方法を提供することにある。
【0008】
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、タングステンカーバイド微粉体を静電荷像現像剤中に添加した場合、現像剤が正帯電性現像剤、負帯電性現像剤の何れであっても、現像剤の帯電特性並びに現像特性はタングステンカーバイド微粉体の添加前と比べて大きく変わることはないものの、従来製法で製造され、一次粒径が従来の研磨材として用いられる0.3〜2μm程度の大きさの粒径とされたタングステンカーバイド粉には、タングステンカーバイド粉の凝集性の強さから、5μm以上の粒径を有する凝集体が多量に存在し、このような5μm以上の粒径を有する凝集体のを多量に含むタングステンカーバイド粉を静電荷像現像剤の研磨材として用いると、これら凝集体がトナー回収部でクリーニングブレードと感光体に挟まったり、或いはこれが選択的にクリーニング部に滞留して研磨効果を通り過ぎてドラム傷を発生させてしまうこと、一方0.5μm以下の微粒子が多量に存在するとこれがクリーニング部に滞留し、ドラム傷を発生させたりクリーニング不良を起させること、また、このような凝集体を多量に含む静電荷像現像剤を高速機の現像剤として用いる場合には、現像剤が現像スリープ上を搬送される際に、凝集体が遠心力に負けて機内に飛散してしまうとの知見を得、このような問題が、タングステンカーバイド微粉体として、特定の粒度分布を有するものを用いることにより解消されることを見出して、本発明を成したものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(7)の発明を含むものである。
(1)研磨材とトナー粒子とを含有する静電荷像現像剤において、研磨材が、5μm以上が5.0体積%以下であり、かつ0.5μm未満が20.0体積%以下である粒度分布を有するタングステンカーバイド微粉体であり、その含有量がトナー粒子100重量部に対し、0.1〜2.5重量部であることを特徴とする静電荷像現像剤。
(2)上記(1)記載の静電荷像現像剤において、トナー粒子が、磁性粉を含む磁性トナー粒子であることを特徴とする静電荷像現像剤。
(3)上記(1)記載の静電荷像現像剤において、静電荷像現像剤にキャリア粒子が含まれていることを特徴とする静電荷像現像剤。
【0010】
(4)感光体上の静電潜像を、トナー粒子および5μm以上が5.0体積%以下であり、かつ0.5μm未満が20.0体積%以下である粒度分布を有し、その含有量がトナー粒子100重量部に対し、0.1〜2.5重量部であるタングステンカーバイド微粉体を含有する静電荷像現像剤を用いて現像し、生成するトナー像を転写部材に転写し、次いで前記感光体上の残余の現像剤をクリーニングにより除去する工程を有することを特徴とする画像形成方法。
(5)感光体がOPC、セレン系感光体またはアモルファスシリコン感光体であることを特徴とする上記(4)記載の画像形成方法。
(6)上記(4)または(5)記載の画像形成方法において、静電荷像現像剤が、一成分磁性現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
【0011】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
(a)研磨材
本発明の静電荷像現像剤に用いられる研磨材としては、5μm以上が5.0体積%以下であり、かつ0.5μm未満が20.0体積%以下である粒度分布を有するタングステンカーバイド微粉末が用いられる。このとき、5μm以上のタングステンカーバイド粒子が5.0体積%を越えると、繰り返し使用時に大粒径のタングステンカーバイドにより感光体に傷が発生する傾向が大きくなると共に大粒径のタングステンカーバイド粉体が機内に飛散し易く、また0.5μm未満のタングステンカーバイド粒子の含有率が20.0体積%を越えると、繰り返し使用する間にクリーニングブレードに0.5μm以下のタングステンカーバイド粒子が滞留し、クリーニング不良による複写不良が発生するため好ましくない。
【0012】
ところで、タングステンカーバイド粉の製法は、従来周知である。従来周知のタングステンカーバイド粉の製法の一例を以下に簡単に説明するが、本発明に用いることのできるタングステンカーバイド粉の製法がこれに限られるものではない。
すなわち、まず灰重石、鉄マンガン重石を粉砕し、ソーダ灰(苛性ソーダ)と高圧釜内で反応させ、タングステン酸ナトリウムとし、濾過後沈殿槽において塩化カルシウムの添加によりタングステン酸カルシウムとして沈殿させる。得られたタングステン酸カルシウムを酸分解槽において塩酸を加えて酸分解し、さらにアンモニア溶解槽に移し、アンモニア水の添加によりタングステン酸アンモニウムとする。得られたタングステン酸アンモニウムをフィルター濾過し、結晶槽において結晶化させ、パラタングステン酸アンモニウムとする。このパラタングステン酸アンモニウムをか焼炉でか焼して酸化タングステンとし、更にこの酸化タングステンを還元炉で還元してタングステン粉を得、タングステン粉を炭化炉で炭化してタングステンカーバイド粉とする。
【0013】
製造されたタングステンカーバイド粉は、一次粒子が凝集した形になっているので、粉砕して一次粒子の形にしなければならない。従来はボールミルで粉砕していたので、一次粒子の他に一次粒子が2個以上凝集した凝集物が残り、本発明の範囲の粒度分布を有するタングステンカーバイド粉は得られていなかった。本発明においては、ボールミルの代りに、ノズルおよびケーシングを友材としたジェットミルで粉砕することにより、本発明の範囲の粒度分布が得られる。ジェットミルでの粉砕時のフィード量、圧力は、例えば、フィード量4Kg/h、圧力6.0Kg/cmとして行えばよい。粉砕後の篩分けは、異物および粒度分布図で検出されない粗大粒子(60μm以上)を取り除く目的で行われる。
本発明において用いられるタングステンカーバイド微粉末の粒度分布は、好ましくは、0.5μm以下の粒径を有する極微小な粉末については、20.0体積%以下であり、より好ましくは15.0体積%以下である。また、5μm以上の粒径の粒子については、5体積%以下が好ましく、より好ましくは1体積%以下、最も好ましくは0体積%である。また、タングステンカーバイド微粉末の平均粒径は、通常0.3〜2.0μmが好ましく、より好ましくは、1.0〜1.8μmである。一方、比表面積は、0.3〜10m/gが好ましく、より好ましくは0.4〜5.0m/gである。
【0014】
また、本発明の静電荷像現像剤における、5μm以上が5.0体積%以下であり、かつ0.5μm未満が20.0体積%以下である粒度分布を有するタングステンカーバイド微粉体の添加量は、トナー粒子100重量部に対し、通常0.1〜2.5重量部、好ましくは0.2〜2重量部、より好ましくは0.2〜1.5重量部である。更に一成分磁性現像剤及び二成分系乾式現像剤に対する本発明のタングステンカーバイド微粉末の添加量は、通常一成分磁性現像剤の方が二成分現像剤より多めに添加されるが、一成分磁性現像剤では、通常トナー粒子100重量部に対し0.1〜2.5重量部で、また二成分系乾式現像剤では、通常トナー粒子100重量部に対し0.1〜2.0重量部の量であることが好ましい。タングステンカーバイド微粉体の添加量がトナー粒子に対し2.5重量部を越えると、感光体の過剰研磨が起こり、感光体に傷が発生する。また、0.1重量部未満であると、感光体の研磨が十分に行われず、繰り返し使用時研磨不良による複写画像の劣化がおこるため好ましくない。なお、本発明の静電荷像現像剤が適用される感光体がOPCであるか、セレン系であるか、アモルファスシリコンであるかによって特に添加量を変える必要はない。
【0015】
(b)トナー粒子
本発明の静電荷像現像剤は、磁性トナーを用いる一成分磁性現像剤であっても、キャリア粒子を含有する二成分系乾式現像剤のいずれであってもよい。したがって、本発明の静電荷像現像剤に用いられるトナー粒子は、磁性粉を含む磁性トナーあるいは磁性粉を含まない非磁性トナーのいずれであってもよい。また、トナー粒子は、正帯電性、負帯電性のいずれのものであってもよい。
【0016】
トナーの結着樹脂としては、従来磁性トナーあるいは磁性粉を含まないトナーの結着樹脂として使用されているもののいずれをも用いることができる。結着樹脂としては、具体的には、スチレン系重合体、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル系共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−ジメチルアミノエチルアクリレート共重合体、スチレン−ジエチルアミノエチルアクリレート共重合体、スチレン−ブチルアクリレート−ジエチルアミノエチルメタクリレート共重合体等のスチレン系共重合体、架橋されたスチレン系重合体など;ポリエステル樹脂、例えば、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジアルコール、ジフェノール類から選択される単量体を構造単位として有するポリエステル樹脂、架橋したポリエステル樹脂など;その他ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、ロジン変成マレイン樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、キシレン樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、石油樹脂などを挙げることができる。
【0017】
上記スチレン−アクリル系共重合体に使用されるアクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸やメタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられ、更にはこれらと共に用いることができる単量体として、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、マレイン酸、マレイン酸ブチルなどのマレイン酸ハーフエステル、あるいはジエステル類、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類を挙げることができる。
【0018】
また、上記の架橋したスチレン系重合体を製造するために用いる架橋剤としては、主として不飽和結合を2個以上有する化合物を挙げることができ、具体的には、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート等の不飽和結合を2個以上有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;および不飽和結合を3個以上有する化合物を、単独で或いは混合してして使用することができる。上記架橋剤は、結着剤樹脂に対して、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%で用いられる。
【0019】
これらの樹脂は、単独であるいは2種以上を併用して用いることができる。これら樹脂のうち、スチレン系重合体、ポリエステル樹脂は、とくに優れた帯電特性を示すため好ましいものである。また、GPC(ゲルパーミエイション・クロマトグラフィー)により測定される分子量分布で3×10〜5×10の領域に少なくとも一つのピークを有し、かつ10以上の領域にも少なくとも一つのピークあるいはショルダーを有するスチレン系共重合体、更には2種以上の樹脂、例えば前記スチレン樹脂とスチレン−アクリル系共重合体との併用あるいは2種以上のスチレン−アクリル系共重合体の併用などによりこのような分子量分布を有するようにされた樹脂組成物が、トナーの粉砕性、定着性などの点から好ましいものである。
【0020】
更に、加圧定着方式を用いる場合には、圧力定着トナー用結着剤樹脂を使用することができる。このような樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチレン、ポリウレタンエラストマー、エチレン−エチルアクリレート共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、線状飽和ポリエステル、パラフィンおよび他のワックス類を挙げることができる。
【0021】
また、本発明に係るトナー粒子の着色材料としては、従来トナー粒子の着色剤として用いられていた染料、顔料のいずれのものをも用いることができる。このような公知の染料、顔料としては、例えば、カーボンブラック、アニリンブルー(C.I.No.50405)、カルコニルブルー(C.I.No.AzessBlue3)、クロムイエロー(C.I.No.14090)、ウルトラマリンブルー(C.I.No.77103)、メチレンブルークロライド(C.I.No.52015)、フタロシアニンブルー(C.I.No.74160)、デュポンオイルレッド(C.I.No.26105)、キノリンイエロー(C.I.No.47005)、マラカイトグリーンオキザレート(C.I.No.42000)、ランプブラック(C.I.No.77266)、ローズベンガル(C.I.No.45435)等の染料または顔料およびそれらの混合物が挙げられる。これら着色剤は、通常結着樹脂100重量部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜20重量部の添加量がよい。なお、磁性トナーにおいて磁性粉が着色剤と機能する場合には、着色剤は必要であれば用いればよい。着色剤としては、例えばカーボンブラック、銅フタロシアニン、鉄黒などが用いられる
【0022】
本発明の現像剤中のトナー粒子が磁性トナーである場合には、トナー中には更に磁性粉が含有される。磁性粉としては、鉄、コバルト、ニッケル、マンガンなどの強磁性金属や強磁性金属の合金の粉末、γ−酸化鉄、マグネタイト、フェライトなど鉄、コバルト、ニッケル、マンガンなどを含む化合物が使用できる。これらの磁性微粒子は窒素吸着法によるBET比表面積が好ましくは2〜20m/g、特に2.5〜12m/g、さらにモース硬度が5〜7の磁性粉が好ましい。また、その粒度は100〜800mμ、好ましくは300〜500mμであり、この磁性粉の含有量は、トナー量に対して10〜70重量%、好ましくは15〜50重量%含有させるのが良い。
【0023】
また、本発明のトナー粒子には必要に応じて従来公知の荷電制御剤が含有されてもよい。荷電制御剤は、現像されるべき静電潜像担持体上の静電荷像の極性に応じて、正荷電制御剤または負荷電制御剤が用いられる。正荷電制御剤としては、ニグロシン染料および脂肪酸金属誘導体、トリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩(例えば、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルベンジルアンモニウムテトラフルオロボレート)、ジオルガノスズオキサイド(例えば、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド)、ジオルガノスズボレート(ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート)等を単独であるいは2種以上組合わせて用いることができる。これらの中でも、ニグロシン系、4級アンモニウム塩が好ましい。
一方、負荷電制御剤としては、カルボキシル基を有する化合物、例えばサリチル酸あるいはサリチル酸誘導体の金属塩や金属キレート(錯体)、金属錯塩染料、脂肪酸石鹸、ナフテン酸金属塩等が挙げられる。
これら荷電制御剤は、通常結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部の割合で使用される。
【0024】
本発明のトナー粒子には、実質的な悪影響を与えない限りにおいて、従来トナー粒子を製造する際に用いられている他の添加剤を加えることができる。これらの添加剤としては、例えば熱ロール定着時の離型性(オフセット防止性)を向上させる、脂肪族炭化水素、脂肪酸金属塩類、高級脂肪酸類、脂肪酸エステル類もしくはその部分ケン化物、シリコーンオイル、各種ワックス等が挙げられる。これらの中では、重量平均分子量が1000〜10000程度の低分子量ポリエチレンや低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、パラフィンワックス等のワックス類が好ましい。その他の添加剤としては、流動化材、滑材剤、導電性付与材剤、研磨剤等が挙げられる。
【0025】
本発明の現像剤で用いられるトナー粒子は、前記のトナー構成成分を、乾式ブレンダー、ヘンシェルミキサー、ボールミル等により予備混合し、しかる後、この混合物を熱ロール、ニーダー、一軸または二軸のエクストルーダー等の熱混練機によって溶融混練し、得られた混練物を冷却後粉砕し、必要に応じ所望の粒径に分級する方法により製造するのが好ましい。しかし、本発明において用いられるトナーの製造方法は、この混練粉砕法に限られるものではなく、例えば結着樹脂溶液中にトナー構成材料を分散した後、噴霧乾燥する方法、あるいは、結着樹脂を構成すべき単量体に所定材料を混合して乳化懸濁液とした後に重合させてトナーを得る方法等の従来公知の方法のいずれの方法によってもよいことは勿論である。本発明で用いられるトナーとしては、平均粒径が3〜35μmであることが好ましく、5〜25μmが更に好ましい。小粒径トナーの場合には、4〜10μm程度の粒径で用いられる。本発明の現像剤が絶縁性磁性トナーである場合には、1010Ω・cm以上、好ましくは1013Ω・cm以上の電気抵抗を有することが好ましい。
【0026】
(c)キャリア粒子
本発明の静電荷像現像剤が二成分系乾式現像剤である場合には、本発明の静電荷像現像剤にはキャリア粒子が含まれる。本発明の二成分系現像剤において用いられるキャリア粒子は、従来二成分系乾式現像剤において用いられるキャリア粒子のいずれであってもよく、例えば、鉄粉等の強磁性金属あるいは強磁性金属の合金粉、ニッケル、銅、亜鉛、マグネシウム、バリウム等の元素から構成されるフェライト粉、マグネタイト粉などが好ましいものとして挙げられる。これらキャリア粒子は、スチレン・メタクリレート共重合体、スチレン重合体、シリコーン樹脂等の樹脂で被覆されたものでもよい。キャリア粒子を樹脂により被覆する方法としては、被覆用樹脂を溶剤に溶解し、これを浸漬法、スプレー法、流動床法等によりコア粒子上に塗布し、乾燥させたのち必要に応じ加熱して塗膜を硬化する方法等公知の任意の方法によることができる。また、キャリア粒子の平均粒径は、通常15〜500μm、好ましくは20〜300μmのものを用いることができる。
【0027】
(d)静電荷像現像剤の製造
本発明の静電荷像現像剤は、トナー粒子と、5μm以上が5.0体積%以下であり、かつ0.5μm未満が20.0体積%以下である粒度分布を有するタングステンカーバイド微粉体とを混合することにより製造される。二成分系乾式現像剤である場合には、必要に応じ、キャリア粒子がさらに混合される。このとき、タングステンカーバイド微粉体の添加量は、前記したように一成分磁性現像剤の場合磁性トナー100重量部に対し少なくとも0.1重量部、好ましくは0.2〜2.5重量部、二成分系乾式現像剤の場合には、トナー100重量部に対し、少なくとも0.1重量部、好ましくは0.2〜2.0重量部である。
【0028】
静電荷像現像剤を製造する際、滑材、流動化材、タングステンカーバイド以外の他の研磨材など、従来静電荷像現像剤を製造する際にトナー粒子と共に用いることが知られた、公知あるいは周知添加材も本発明の静電荷像現像剤に適宜添加、混合することができる。滑材の例としては、例えばポリテトラフルオロエチレン、ステアリン酸亜鉛などが、流動化材の例としては、例えばポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、シリコーン、疎水化処理されたあるいは疎水化処理されていないシリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア、非晶質珪素−アルミニウム共酸化物、非晶質珪素−チタニウム共酸化物などの微粉末が、タングステンカーバイド以外の研磨材としては、例えばチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、炭化珪素などの微粉体が挙げられる。また、導電性付与剤として酸化スズの如き金属酸化物等を加えることもできる。しかし、これらは添加剤の一例を示したにすぎないものであり、本発明の静電荷像現像剤に添加混合される添加材が上記具体的に例示されたものに限定されるものではない。
【0029】
(e)画像の形成
本発明においては、感光体を帯電、露光することにより静電潜像を形成し、形成された静電潜像を、トナー粒子および5μm以上が5.0体積%以下であり、かつ0.5μm未満が20.0体積%以下である粒度分布を有するタングステンカーバイド微粉体を含有する静電荷像現像剤を用いて現像し、生成するトナー像を例えば転写紙のような転写部材に転写し、更に転写されたトナー像を定着することにより複写画像が形成される。一方、トナー像が転写された感光体は、感光体上の残余の現像剤をクリーニングにより除去した後、再度帯電工程に付される。また、静電潜像の形成方法として、静電記録法が用いられてもよい。これら方法において、帯電、露光、現像、転写、クリーニング、定着方法などは、従来周知或いは公知の方法の何れを用いて行ってもよい。また、感光体も、従来静電荷像を担持することができる、感光体として周知或いは公知の何れのものも使用することができる。本発明の現像剤を適用することのできる好ましい感光体の例としては、OPC、セレン系感光体、アモルファスシリコンなどが挙げられる。現像剤も一成分磁性現像剤、二成分乾式現像剤の何れのものであってもよい。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の態様がこれらの例に限定されるものではない。なお、以下においては、部は全て重量部を表す。
【0031】
Figure 0003644371
上記材料を均一混合した後、混練、粉砕、分級して、平均粒径約10.5μmの正帯電性トナー粒子を得た。次いで、このトナー粒子100部に対し、珪素−アルミニウム共酸化物微粉体0.2部、および図1に示される5μm以上が0体積%で0.5μm以下が13体積%であって、平均粒径が1.26μm、比表面積が0.5596m/gであるタングステンカーバイド微粉体0.5部を添加、混合して正帯電性磁性現像剤を得た。この現像剤を用い、OPCドラム搭載の市販の複写機NP−1215(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)、高温高湿(30℃、85%RH)、低温低湿(10℃、20%RH)の環境下で各3万枚の実写試験を行った。試験の結果、いずれの環境下においてもドラム上にトナーの融着現象は見られず、またドラム上の傷も認められなかった。さらに、複写画像は、複写開始当初から最終複写まで良好であった。また、タングステンカーバイド微粉体の機内への飛散もなかった。
【0032】
比較例1
実施例1で用いたタングステンカーバイド微粉体を、5μm以上が12.0体積%で0.5μm以下が9.0体積%であって、平均粒径が1.69μm、比表面積が0.390m/gであるタングステンカーバイド微粉体に代えることを除き、実施例1と同様にして磁性現像剤を得た。この磁性現像剤を用いて実施例1と同様に現像を行ったところ、常温常湿(23℃、50%RH)下で、3千枚を過ぎたあたりから、黒ベタ画像に白すじの発生が認められた。また、現像スリーブ上のトナー層が均一でなく、スリーブとブレードの間に5μm以上のタングステンカーバイド粒子が多く滞留していた。
【0033】
実施例2
実施例1で製造された正帯電性トナー粒子100部に対し、珪素−アルミニウム共酸化物微粉体0.3部、および5μm以上が0.0体積%で0.5μm以下が14.1体積%であって、平均粒径が1.21μm、比表面積が0.547m/gであるタングステンカーバイド微粉体0.5部を添加、混合して正帯電性磁性現像剤を得た。この現像剤を用い、OPCドラム搭載の市販の複写機NP−4145(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)、高温高湿(30℃、85%RH)、低温低湿(10℃、20%RH)の環境下で各15万枚の実写試験を行った。試験の結果、いずれの環境下においてもドラム上にトナーの融着現象は見られず、またドラム上の傷も認められなかった。さらに、複写画像は、複写開始当初から最終複写まで良好であった。また、タングステンカーバイド微粉体の機内への飛散もなかった。
【0034】
比較例2
実施例2で用いたタングステンカーバイド微粉体を、5μm以上が0.0体積%で0.5μm以下が25.0体積%であって、平均粒径が0.7μm、比表面積が3.5m/gであるタングステンカーバイド微粉体に代えることを除き、実施例2と同様にして磁性現像剤を得た。この磁性現像剤を用いて実施例2と同様に現像を行ったところ、常温常湿(23℃、50%RH)下で5千枚を過ぎたあたりから、感光ドラムのクリーニングブレードに0.5μm以下のタングステンカーバイド粒子が滞留し、複写紙上にクリーニング不良による黒すじの発生が認められた。
【0035】
Figure 0003644371
上記材料を均一混合した後、混練、粉砕、分級して、平均粒径約10.5μmの負帯電性トナー粒子を得た。次いで、このトナー粒子100部に対し、ジクロロロジメチルシラン処理したシリカ微粉体0.2部、および5μm以上が0.0体積%で0.5μm以下が13.0体積%であって、平均粒径が1.27μm、比表面積が0.557m/gであるタングステンカーバイド微粉体1部を添加、混合して負帯電性磁性現像剤を得た。この現像剤を用い、アモルファスシリコン感光体ドラム搭載の市販の複写機NP−6060(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)、高温高湿(30℃、85%RH)、低温低湿(10℃、20%RH)の環境下で各20万枚の実写試験を行った。試験の結果、いずれの環境下においてもドラム上にトナーの融着現象は見られず、またドラム上の傷も認められなかった。さらに、複写画像は、複写開始当初から最終複写まで良好であった。また、タングステンカーバイド微粉体の機内への飛散もなかった。
【0036】
比較例3
実施例3で用いたタングステンカーバイド微粉体を添加しないことを除き、実施例3と同様にして磁性現像剤を得た。この磁性現像剤を用いて実施例3と同様に現像を行ったところ、常温常湿(23℃、50%RH)下で1万枚を過ぎたあたりから、高温高湿(30℃、85%RH)の環境下で5千枚を過ぎたあたりから、研磨効果が十分でない場合に起こる複写紙上の黒点(ブラックスポット)の発生が認められ、感光ドラムにトナーが融着していた。
【0037】
Figure 0003644371
上記材料を均一混合した後、混練、粉砕、分級して、平均粒径約12.0μmの負帯電性トナー粒子を得た。次いで、このトナー粒子100部に対し、ジクロロロジメチルシラン処理したシリカ微粉体0.05部、ヘキサメチルジシラザン処理したシリカ微紛体0.15部および5μm以上が0.0体積%で0.5μm以下が12.8体積%であって、平均粒径が1.26μm、比表面積が0.543m/gであるタングステンカーバイド微粉体1部を添加、混合して負帯電性磁性現像剤を得た。この現像剤を用い、アモルファスシリコン感光体ドラム搭載の市販の複写機NP−8530S(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)、高温高湿(30℃、85%RH)、低温低湿(10℃、20%RH)の環境下で各20万枚の実写試験を行った。試験の結果、いずれの環境下においてもドラム上にトナーの融着現象は見られず、またドラム上の傷も認められなかった。さらに、複写画像は、複写開始当初から最終複写まで良好であった。また、タングステンカーバイド微粉体の機内への飛散もなかった。
【0038】
比較例4
実施例4で用いたタングステンカーバイド微粉体を、5μm以上が32体積%で0.5μm以下が3体積%であって、平均粒径が2.5μm、比表面積が0.23m/gである図2の粒度分布を有するタングステンカーバイド微粉末に代えることを除き、実施例4と同様にして磁性現像剤を得た。この磁性現像剤を用いて実施例4と同様に現像を行ったところ、常温常湿(23℃、50%RH)、高温高湿(30℃、85%RH)、低温低湿(10℃、20%RH)の環境下で1万枚を過ぎたあたりから、タングステンカーバイド微粉体の飛散が認められた。
【0039】
Figure 0003644371
上記材料を均一混合した後、混練、粉砕、分級して、平均粒径約10.5μmの負帯電性トナー粒子を得た。次いで、このトナー粒子100部に対し、シリカ微粉体0.5部、オルガノシランポリメトキシシラン処理したアルミナ微紛体0.3部および5μm以上が0.0体積%で0.5μm以下が11.7体積%であって、平均粒径が1.35μm、比表面積が0.503m/gであるタングステンカーバイド微粉体0.7部を添加、混合して負帯電性磁性現像剤を得た。この現像剤を用い、OPC感光体ドラム搭載の市販の複写機GP−55(キヤノン社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)、高温高湿(30℃、85%RH)、低温低湿(10℃、20%RH)の環境下で各6万枚の実写試験を行った。試験の結果、いずれの環境下においてもドラム上にトナーの融着現象は見られず、またドラム上の傷も認められなかった。さらに、複写画像は、複写開始当初から最終複写まで良好であった。また、タングステンカーバイド微粉体の機内への飛散もなかった。
【0040】
Figure 0003644371
上記材料を均一混合した後、混練、粉砕、分級して、平均粒径約8.0μmの負帯電性トナー粒子を得た。次いで、このトナー粒子100部に対し、ジクロロロジメチルシラン処理したシリカ微粉体0.5部、ヘキサメチルジシラザン処理したシリカ微紛体0.15部および5μm以上が0.0体積%で0.5μm以下が11.2体積%であって、平均粒径が1.36μm、比表面積が0.489m/gであるタングステンカーバイド微粉体1部を添加、混合して負帯電性磁性現像剤を得た。この現像剤を用い、OPC感光体ドラム搭載の市販の複写機FPL−300(松下電器産業社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)、高温高湿(30℃、85%RH)、低温低湿(10℃、20%RH)の環境下で各5万枚の実写試験を行った。試験の結果、いずれの環境下においてもドラム上にトナーの融着現象は見られず、またドラム上の傷も認められなかった。さらに、複写画像は、複写開始当初から最終複写まで良好であった。また、タングステンカーバイド微粉体の機内への飛散もなかった。
【0041】
Figure 0003644371
上記材料を均一混合した後、混練、粉砕、分級して、平均粒径約10.0μmの正帯電性トナー粒子を得た。次いで、このトナー粒子100部に対し、正帯電性部位を有するシリコーンオイル処理したシリカ微粉体0.3部、酸化アンチモンドープの酸化錫微紛体0.3部、および5μm以上が0.0体積%で0.5μm以下が11.4体積%であって、平均粒径が1.36μm、比表面積が0.493m/gであるタングステンカーバイド微粉体0.7部を添加、混合して正帯電性非磁性現像剤を得た。この非磁性現像剤を用い、キャリヤとしてシリコンコーティングしたフェライトキャリアを用いて、OPC感光体ドラム搭載の市販の複写機FP−1670(松下電器産業社製)により、常温常湿(23℃、50%RH)、高温高湿(30℃、85%RH)、低温低湿(10℃、20%RH)の環境下で各10万枚の実写試験を行った。試験の結果、いずれの環境下においてもドラム上にトナーの融着現象は見られず、またドラム上の傷も認められなかった。さらに、複写画像は、複写開始当初から最終複写まで良好であった。また、タングステンカーバイド微粉体の機内への飛散もなかった。
【0042】
比較例5
実施例7で用いたタングステンカーバイド微粉体を3.0部添加することを除き、実施例7と同様にして非磁性現像剤を得た。この磁性現像剤を用いて実施例7と同様に現像を行ったところ、常温常湿(23℃、50%RH)下で1万枚を過ぎたあたりから、複写紙上の黒すじの発生が認められ、感光ドラム上に研磨しすぎる場合に起こる深い傷がついていた。
【0043】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の静電荷像現像剤を用いて現像することにより、従来公知の研磨材に比べ少量の添加で、種々の感光体に対し傷の発生および研磨材の機内への飛散がなく、かつ十分な研磨効果を得ることができる。また、このような効果は、静電荷像現像剤が正帯電性であるか負帯電性であるか、更に現像環境がどのようなものであろうと得られるものであり、したがって、本発明の静電荷像現像剤を用いることにより、感光体の種類、現像剤の種類、現像環境のいかんに関わらず、長期間安定して良好な複写画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で用いられるタングステンカーバイド微粉体の粒度分布図。
【図2】本発明の比較例4で用いられるタングステンカーバイド微粉体の粒度分布図。

Claims (6)

  1. 研磨材とトナー粒子とを含有する静電荷像現像剤において、研磨材が、5μm以上が5.0体積%以下であり、かつ0.5μm未満が20.0体積%以下である粒度分布を有するタングステンカーバイド微粉体であり、その含有量がトナー粒子100重量部に対し、0.1〜2.5重量部であることを特徴とする静電荷像現像剤。
  2. 請求項1記載の静電荷像現像剤において、トナー粒子が、磁性粉を含む磁性トナー粒子であることを特徴とする静電荷像現像剤。
  3. 請求項1記載の静電荷像現像剤において、静電荷像現像剤にキャリア粒子が含まれていることを特徴とする静電荷像現像剤。
  4. 感光体上の静電潜像を、トナー粒子および5μm以上が5.0体積%以下であり、かつ0.5μm未満が20.0体積%以下である粒度分布を有し、その含有量がトナー粒子100重量部に対し、0.1〜2.5重量部であるタングステンカーバイド微粉体を含有する静電荷像現像剤を用いて現像し、生成するトナー像を転写部材に転写し、次いで前記感光体上の残余の現像剤をクリーニングにより除去する工程を有することを特徴とする画像形成方法。
  5. 感光体が、OPC、セレン系感光体またはアモルファスシリコン感光体であることを特徴とする請求項4記載の画像形成方法。
  6. 請求項4または5に記載の画像形成方法において、静電荷像現像剤が、一成分磁性現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
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