JP3778466B2 - 眼科検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願に係る発明は、眼科医療において患者の被検眼の眼圧や眼圧異常、角膜異常等を検出するために被検眼を検査する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、眼科医療において従来使用されてきた、患者の被検眼90の眼圧を測定するための非接触式の眼圧測定装置(トノメータ)の概略構成を示すものである。ランプ86による光がスリット85aを介してスリット光となり、光軸80に沿ってレンズ87aを通過して被検眼90に斜めから照射されている。被検眼90で反射したスリット光は光軸80Aに沿ってレンズ87bを通過して、スリット85b上のA点を照射する。この状態から空気噴射装置88により被検眼90の正面から空気を噴射する。そうすると被検眼90の角膜表面が噴射された空気の圧力によって圧平され、スリット光はその反射角度を変化させ、反射光は光軸80Bに沿うこととなり、圧平検知用光センサー84がこの反射光を受光面Bで受光することとなる。そして、A点から受光面Bまで反射光軸が変化するまでの時間に基づいて、または、反射光の反射角が変化して反射光軸が受光面Bに照射されるときの空気噴射装置からの空気圧に基づいて、眼圧値が判断される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような装置によって測定され得るのは、前記反射光がセンサー84の受光面Bにより受光される特定の時点における角膜のへこみ量である。
【0004】
一方、同一圧力等の圧平に対する、特定の時点における被検眼のへこみ量が同一であっても、その中間において被検眼が時間的に変化する様子は、個々の被検査者の個体差や疾病の程度等によって異なる場合がある。
【0005】
また、被検眼に加えられる圧力の時間的な特性に対する被検眼の時間的な変化を各被検眼に固有の応答として評価することができると、被検眼の疾病に関する種々の情報を得ることができ、被検眼の検査の高度化を図ることが期待できる。
【0006】
そこで、本発明は、被検眼に加えられる圧力に対して被検眼が時間的に変化する様子を観察することが可能な眼科検査装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明にかかる請求項1記載の発明は、被検眼を正面から圧平する圧平手段と、該被検眼の被検査部分に点状光もしくは線状光を該被検査部分に結像するように照射する光照射装置と、前記被検査部分より反射された反射光を、該反射光が受光部に結像するようにして、受光するP.S.Dで構成された受光装置と、かかる反射光を計測データとして記録するデータ記録装置とを備えてなる眼科検査装置であって、前記データ記録装置は、前記受光装置において前記圧平により時間とともに前記結像の位置である受光位置が変化する前記反射光を、前記時間と前記受光位置とからなる計測データとして記録する眼科検査装置である。
【0008】
前記光照射装置により点状光もしくは線状光が照射されると、被検眼の被検査部分により反射された反射光は、光照射装置と被検査部分と受光装置との位置関係に基づいて受光装置上の所定の受光位置に受光される。
【0009】
そして、前記圧平が行われる過程においては、前記被検査部分は時間とともに圧平の圧力に応答するように変位し、これに対応して前記反射光の受光位置も時間とともに変化する。かかる反射光の各受光位置と該位置に受光される各時間とは、前記データ記録装置に計測データとして記録される。
【0010】
そして、前記データ記録装置にあっては、前記被検査部分に関する前記計測データを任意に読み出すことができる。これにより、前記計測データを読み出して観察することにより、従来得られなかった被検眼の形状等の時間的に変化する過程に関する情報を得ることができる。また、前記計測データに基づいて、固有値演算等が可能な構成にもでき、より高度な眼科診断に寄与できる。
【0011】
ここで、前記光照射装置により照射される点状光もしくは線状光について、その被検査部分における具体的なビーム径や形状は、着目している被検査部分の動きを、前記反射光の受光装置上における受光位置の変化として反映できる程度に細かいビーム径とビーム形状であればよい。
【0012】
請求項2記載の発明は、前記圧平手段が、時間とともに変化する所定の圧力の流体を前記被検眼に噴射する流体噴射装置を備え、前記被検眼の前記被検査部分の前記圧平手段により加えられる所定の特性の圧力に対する被検眼の物理的応答に関する固有値を、前記所定の圧力と前記計測データとに基づいて演算する固有値演算手段を備えてなる請求項1記載の眼科検査装置である。
【0013】
前記圧平手段により前記流体が噴射されると、前記被検査部分は、かかる流体の圧力に応答し、前記のように時間とともに変位する。そして、かかる被検査部分の変位は、前記データ記録装置に記録される前記計測データに反映される。
【0014】
本発明の眼科検査装置において、流体噴射装置より噴射される前記流体の圧力は、時間とともに変化する所定の圧力特性が予め与えられており、その被検査部分における圧力特性が判るようになっている。これにより、前記固有値演算手段は、被検査部分に入力として作用する所定の圧力特性からなる流体の圧力と、被検査部分の時間的な変位を反映する出力としての前記計測データとに基づいて、被検査部分の固有値の演算を行う。
【0015】
ここで、固有値とは、前記圧平手段により加えられる所定の特性の圧力に対する被検眼の物理的応答に関する固有値であり、主に、被検眼の弾性的特性に関する固有値が対象とされる。
【0016】
また、前記予め与えられる流体の圧力特性については、前記流体噴射装置の機械的な動作速度の制限を受けない範囲内で複数の種類を与えることができる。
【0017】
請求項3記載の発明は、前記被検眼の被検査部分が、角膜前面、角膜後面、水晶体前面、水晶体後面又はこれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の眼科検査装置である。
【0018】
これにより、従来より検査の対象として着目されていた角膜前面のみならず、角膜後面や水晶体前面や水晶体後面についても、その形状等の時間的に変化する過程に関する情報を得ることができ、また、前記固有値の評価を行える。
【0019】
なお、本発明における被検査部分についての前記計測データの記録等は、角膜前面、角膜後面、水晶体前面、水晶体後面の四つの部分の全てを同時に行うのであってもよく、また、四つの部分のいずれか一つとするのであってもよく、又は、前記四つの部分の任意の組み合わせとするのであってもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる眼科検査装置について、図1乃至図3に基づいて説明する。
【0021】
図1は、本発明にかかる眼科検査装置について、被検眼50の角膜前面を被検査部分51とするものの例についての概略構成を示している。
【0022】
眼科検査装置1は、ランプ2とピンホール板3と照射レンズ4とを備えて構成される光照射装置と、流体噴射装置に相当する空気噴射装置11と、受光レンズ20とマスク21と位置検出センサー22とを備えて構成される受光装置とを備えている。
【0023】
受光装置を構成する前記各部材と光照射装置を構成する前記各部材と空気噴射装置11とは筐体6の内側に設置されており、被検査部分51からの反射光以外に位置検出センサー22に入射する光を極力抑え得るようになっている。
【0024】
筐体6は、被検査部分51に対して眼科検査装置1をアライメントできるように、図示していない駆動機構により、X軸、Y軸、Z軸の各々の方向に独立に移動できるように構成されている。なお、図中において、上下方向がX軸方向、左右方向がZ軸方向、紙面に垂直な方向がY軸方向である。
【0025】
前記光照射装置は、この例では、ランプ2を光源として、被検査部分51に正面の斜め方向より光軸40Aに沿って点状光を照射するように構成されている。
【0026】
ランプ2は、前記光軸40Aに沿った所定の位置に設置されており、ピンホール板3に対して放射状の光を照射する。ランプ2は、その点灯と消灯ならびに明るさの調節をコントローラ10に備わる図示していないスイッチ等により自在に行えるようになっている。
【0027】
前記ピンホール板3には所定の径のピンホールが設けられており、ランプ2より照射された光は、該ピンホールによる点光源としてレンズ4の入射側の視野内に所定の光量が入射するようになっている。
【0028】
そして、前記レンズ4に入射する光は、光軸40Aに沿って被検査部分51に点状光として結像される。
【0029】
前記受光装置は、前記点状光の照射による被検査部分51の反射光を、位置検出センサ22に受光し、該検出センサ22の受光部22a上の受光位置を検出するように構成されている。
【0030】
レンズ20は、光軸40B1上の所定の位置に設置されており、前記被検査部分51の反射光を、位置検出センサ22の受光部22aに結像させる。
【0031】
マスク21は、レンズ20と位置検出センサ22との間に設けられており、検査対象として着目している被検査部分51からの反射光のみを位置検出センサ22により検出できるように、他の部分からの反射光等を遮断するための部材である。このマスク21に形成される開口21aは、圧平による被検査部分51の変化により前記反射光の移動を生じても、レンズ20に入射した反射光を位置検出センサ22が受光できる程度の大きさに設計されている。
【0032】
位置検出センサ(P.S.D)22は、受光部22aの中心が光軸40B1に一致するように設置されており、受光部22a上の受光位置に応じた大きさの信号rを経時的に出力するようになっている。
【0033】
位置検出センサー22より出力された前記信号rは、増幅器31に入力され、必要に応じて増幅やA/D変換等の処理が施された後にデータ記録装置32に入力される。
【0034】
データ記録装置32は、入力される信号を時間の経過に従って順次に記録する部材であり、前記信号rが計測データr(t)として記録される。
【0035】
データー記録装置32は、コントローラ10に備わる空気噴射装置11の作動スイッチ12が操作されると、これに伴いコントローラ10より出力される動作信号sの入力により圧平の開始を検知できるようになっており、信号sが入力されると、前記計測データr(t)の入力可能な状態にセットされるようになっている。
【0036】
空気噴射装置11は、被検眼50の被検査部分51の正面に設けられており、被検査部分51を圧平するべく所定の圧力からなる空気流を被検査部分51に噴射するための部材である。この空気噴射装置11は、時間とともに変化する所定の圧力特性を有する空気流が送り込まれるが、かかる空気流は眼科検査装置1において以下のように形成される。
【0037】
コントローラ10は関数設定器13を備えており、関数設定器13には時間とともに変化する所定の特性を有する関数w(t)の複数が予め選択可能に設定されている。
【0038】
そして、関数設定器13により一つの関数w(t)を選択し、作動スイッチ12を操作すると、関数w(t)が圧力形成機構14へと出力される。
【0039】
そして、内部にアクチュエーターとマイクロポンプを備えて構成される圧力形成機構14は、関数w(t)に従って時間とともに強さが変化する圧力を内部に発生し、被検査部分51上で関数i(t)に従って変化する圧力特性の空気流が空気噴射装置11より出力される。
【0040】
なお、前記w(t)に対する前記i(t)は、圧力形成機構14から被検査部分51に至る空気噴射装置11の伝送特性等に基づいて、コントローラ10にモニターされ得るようになっている。かかるi(t)が被検査部分51に対する入力関数に相当する。
【0041】
また、前記設定器13に設定される関数w(t)は、パルスジェネレータ等を設定器13に組み込むことにより、任意の関数を発生させることも可能である。
【0042】
ただし、前記w(t)は、前記圧力形成機構14の機械的動作の応答速度との関係により、時間的に変化する圧力の関数i(t)として再現可能なものに制限される。
【0043】
演算部33は、被検眼50の被検査部51についての固有値の演算を行う部材であり、コントローラ10により出力される前記入力関数i(t)と、前記データ記録装置32に記録されるr(t)とが入力されるようになっている。なお、前記r(t)は、演算部33において、被検査部51上の位置を表す関数r(t)として補正されるようになっている。
【0044】
また、演算部33は、第一記憶部33aと第二記憶部33bとCPU33cとを備えている。
【0045】
第一記憶部33aには、前記i(t)および前記r(t)を格納するための記憶領域や、固有値の演算の実行に必要である演算結果を格納する等のための記憶領域が設けられている。
【0046】
第二記憶部33bは、各種の固有値を求めるために必要な演算の手順(特に図示していない)が記述されるプログラムが格納されており、実行され得る演算の具体例として、フーリエ変換の演算、伝達関数の演算、音響インピーダンスの演算等がある。
【0047】
そして、CPU33cは、第二記憶部33bに格納されるプログラムの手順に従って、前記各種の演算を実行する。
【0048】
次に、前記眼科検査装置について、被検眼50の被検査部分の複数を検査できるように構成されるものについて説明する。
【0049】
図2は、前記眼科検査装置1について、角膜前面51、角膜後面52、水晶体前面53、水晶体後面54の各部分を被検査部分とできるように構成される光照射装置および受光装置の各部材の設置例を示している。
【0050】
図2に示される眼科検査装置1において、レンズ20は、角膜前面51、角膜後面52からの反射光を、各々に位置検出センサ22、25に入射させるべく設けられている。そして、ハーフミラー23が光軸40B1、40B2に対して45度傾斜して設けられており、51、52の反射光は、光軸40B1、40B2に対して90度傾斜した光軸50B1、50B2に沿って伝搬する。
【0051】
角膜前面51の反射光のうち光軸40B1に沿ってハーフミラー23を透過した光は、位置検出センサ22に入射する。一方、角膜後面52の反射光のうち光軸40B2に沿ってハーフミラー23を透過した光は、マスク21により遮断され、位置検出センサ22に検出されることがない。
【0052】
角膜後面52の反射光のうちハーフミラー23により光軸50B2に沿って伝搬する光は、位置検出センサ25に入射する。一方、角膜前面51の反射光のうちハーフミラー23により光軸50B1に沿って伝搬する光は、マスク24により遮断され、位置検出センサ25に検出されることがない。
【0053】
また、図2に示される眼科検査装置1にあっては、レンズ19は、水晶体前面53、水晶体後面54からの反射光を、各々に位置検出センサ27、30に入射させるべく設けられている。そして、ハーフミラー28が光軸40B3、40B4に対して45度傾斜して設けられており、53、54の反射光は、光軸40B3、40B4に対して90度傾斜した光軸50B3、50B4に沿って伝搬する。
【0054】
水晶体前面53の反射光のうち光軸40B3に沿ってハーフミラー28を透過した光は、位置検出センサ27に入射する。一方、水晶体後面54の反射光のうち光軸40B4に沿ってハーフミラー28を透過した光は、マスク26により遮断され、位置検出センサ27に検出されることがない。
【0055】
水晶体後面54の反射光のうちハーフミラー28により光軸50B4に沿って伝搬する光は、位置検出センサ30に入射する。一方、水晶体前面53の反射光のうちハーフミラー28により光軸50B3に沿って伝搬する光は、マスク29により遮断され、位置検出センサ30に検出されることがない。
【0056】
なお、図2において、位置検出センサ22、25,27、30には、図示していない前記データ記録装置32と演算部33とが各々に接続されており、被検査部分51、52、53、54の計測データを得ることができ、また、各々についての固有値を求め得るようになっている。
【0057】
次に、図1と図2とに基づいて、本発明にかかる眼科検査装置1の動作について、被検査部分を角膜前面51と角膜後面52とする場合の例により、以下に説明する。
【0058】
まず、角膜前面51に照射される光の反射光を位置検出センサ22により、角膜後面52に照射される光の反射光を位置検出センサ25により受光できるように、眼科検査装置1をX軸方向、Y軸方向、Z軸方向へ移動させてアライメントを行う。
【0059】
次に、コントローラ10を操作し、ランプ2を適当な明るさに点灯させ、また、関数設定器13により一つの関数w(t)を選択する。ここでは、時間とともに台形状に変化する関数をw(t)として選択する。そして、作動スイッチ12を操作すると、選択されたw(t)に対応して、図3(a)に示されるように被検査部51上で台形状に変化する関数i(t)に従う圧力の空気流が噴射される。これにより、被検査部51、52は圧平され、時間とともに51、52に変位を生ずる。
【0060】
なお、図3(a)において、t0 は作動スイッチ12が操作された瞬間の時間であり、t1 は空気噴射装置11より空気流の噴射が開始される時間である。
【0061】
被検査部51、52が時間とともに変位すると、これに対応して、被検査部51、52の反射光が位置検出センサ22、25の受光部上を移動する。そして、この圧平に伴う受光部上の被検査部51、52の反射光の移動は、圧平の開始から終了に至る全時間にわたって、計測データr1(t)、r2(t)として、51、52の各々に対するデータ記録装置32に記録される。
【0062】
そして、前記計測データは演算部33によりデータ記録装置32より読み込まれ、被検査部51、52の変位r1(t)、r2(t)として記憶部33aに記憶される。
【0063】
図3(b)は、計測されたr1(t)、r2(t)を具体的に示している。
【0064】
入力i(t)に応答するかのように、r1(t)、r2(t)が時間とともに台形状に変化する様子を確認できる。
【0065】
このように、本発明の眼科検査装置1によると、圧平の開始から終了に至る過程における被検眼50の被検査部51が時間的に変化する様子を観察できる。
【0066】
また、このようにして得られたr(t)と、入力i(t)とに基づいて、被検査部51、52についての各種の固有値を演算できる。
【0067】
固有値の具体例の一つである周波数特性を、前記r1(t) を例として、演算する手順の概略を以下に説明する。
【0068】
入力関数i(t)と出力関数r1(t) とについて、式(1)、(2)のようにフーリエ変換を行う。
【0069】
【数1】
Figure 0003778466
【0070】
【数2】
Figure 0003778466
【0071】
上記、式(1)、(2)において、Fはフーリエ変換の演算子を表し、ωはi(t)、r1(t)に含まれる信号成分の周波数に対応する角周波数を表す。
【0072】
式(1)、(2)から、被検眼50の被検査部分51の周波数特性は、式(3)により求められる。
【0073】
【数3】
Figure 0003778466
【0074】
求めることができる他の固有値の典型例として、伝達関数、インパルス応答、音響インピーダンスを上げることができる。
【0075】
このように、本発明の眼科検査装置1によると、被検査部分51に対する圧平を表すi(t)と該圧平による51の変位r(t)とから被検査部分51の固有値を求めることができ、個々の被検眼50についての固有の応答を評価できる。
【0076】
なお、この実施形態の説明にあっては、被検査部分に点状光を照射するように構成される例を上げて説明したが、スリット等を用いることによる線状光を被検査部分に照射することもできる。
【0077】
【発明の効果】
以上のように、本発明にかかる請求項1記載の発明は、被検眼の被検査部分について、時間とともに変化する計測データを任意に読み出し得るので、該計測データに基づいて、従来得られなかった被検眼の形状等の時間的に変化する過程に関する情報が得られるという効果を奏する。また、かかる効果に基づいて、固有値演算等を可能にもできるので、より高度な眼科診断に寄与できるという効果を奏する。
【0078】
請求項2記載の発明は、被検眼の被検査部分について、固有値の評価を行えるので、被検眼に対する従来得られなかった情報を得ることができ、被検眼の疾患の発見等に寄与できるという効果を奏する。
【0079】
請求項3記載の発明は、角膜前面の他、角膜後面や水晶体前面や水晶体後面についても、その形状等が変化する過程に関する情報を得ることができ、また、固有値の評価を行うこともできる。これにより、かかる複数の部分の総合評価によってのみ発見され得る疾患の検査等に寄与しうるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかる眼科撮影装置の一例の概略構成を示す図である。
【図2】被検査部分が四つの部位からなる場合の光学系の一例を示す図である。
【図3】被検査部分に対する圧平の時間的な変化と、それに対する被検査部分の変位の具体例を示す図である。
【図4】従来の非接触式の眼圧測定装置(トノメータ)の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1…眼科撮影装置
2…ランプ
3…ピンホール板
4…照射用レンズ
6…筐体
10…コントローラ
11…空気噴射装置
12…作動スイッチ
13…関数設定器
19…受光用レンズ
20…受光用レンズ
21…マスク
21a…開口
22…受光装置
22a…受光部
23…ハーフミラー
24…マスク
25…受光装置
26…マスク
27…受光装置
28…ハーフミラー
29…マスク
30…受光装置
31…増幅器
32…データ記録装置
33…演算部
33a…第一記憶部
33b…第二記憶部
33c…CPU
50…被検眼
51…角膜前面(被検査部分)
52…角膜後面(被検査部分)
53…水晶体前面(被検査部分)
54…水晶体後面(被検査部分)

Claims (3)

  1. 被検眼を正面から圧平する圧平手段と、該被検眼の被検査部分に点状光もしくは線状光を該被検査部分に結像するように照射する光照射装置と、前記被検査部分より反射された反射光を、該反射光が受光部に結像するようにして、受光するP.S.Dで構成された受光装置と、かかる反射光を計測データとして記録するデータ記録装置とを備えてなる眼科検査装置であって、
    前記データ記録装置は、前記受光装置において前記圧平により時間とともに前記結像の位置である受光位置が変化する前記反射光を、前記時間と前記受光位置とからなる計測データとして記録する眼科検査装置。
  2. 前記圧平手段が、時間とともに変化する所定の圧力の流体を前記被検眼に噴射する流体噴射装置を備え、
    前記被検眼の前記被検査部分の前記圧平手段により加えられる所定の特性の圧力に対する被検眼の物理的応答に関する固有値を、前記所定の圧力と前記計測データとに基づいて演算する固有値演算手段を備えてなる請求項1記載の眼科検査装置。
  3. 前記被検眼の被検査部分が、角膜前面、角膜後面、水晶体前面、水晶体後面又はこれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の眼科検査装置。
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