JP3778111B2 - 中空成形体の成形装置および成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、中空成形体の成形装置および成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
樹脂材料を自動車の部品に適用する場合、軽量でありかつ高剛性および高強度を有することが要求されるため、樹脂内部に中空部を有する部品(中空成形体)が開発されている。
【0003】
例えば、特開平8−323842号公報は、熱可塑性樹脂からなる2枚の樹脂シートの間に、ハニカム状構造体(インサート物)を予め設置し、樹脂シートを加熱した後に、金型で挟み込むことによって、中空成形体を形成する方法を開示している。
【0004】
特開平9−262899号公報は、熱可塑性樹脂からなる2枚の樹脂シートの間に、通気性耐熱支持材(インサート物)を挿入することで、軟化による樹脂シートの垂れを抑制し、中空部における樹脂シートの接触および融着を防ぐことができる、中空成形体の成形方法を開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報に開示されている方法においては、成形あるいは加工によってインサート物を予め用意する必要があるため、成形コストおよび工数が増加する問題を有する。さらに、樹脂シートが透明である場合、インサート物が透過して見えるため、完全に透明な中空成形体を得ることができなかった。
【0006】
一方、インサート物を使用しない中空成形体の成形方法においては、加熱軟化された樹脂シートは、その自重で垂れる。したがって、広大な樹脂シートによって大形の中空成形体を成形する場合、例えば、中空部において樹脂シートが波打ったり、接触して融着する等の問題を有する。
【0007】
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、加熱軟化による樹脂シートの波打ちおよび垂れを防止することができ、かつ、生産性の向上および製造コストの低減を図ることができる中空成形体の成形装置および成形方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、
熱可塑性樹脂からなる一対の樹脂シート間に密閉空間が形成されるように、樹脂シートの周縁部を固定するための固定機構と、
樹脂シートを加熱軟化させるための加熱手段と、
樹脂シートを賦形するための金型キャビティ面を有し、加熱軟化された樹脂シートの周縁部の内側を挟み込み、加圧圧着するための金型と
を有する中空成形体の成形装置であって、
前記固定機構は、
樹脂シートを所定の間隔で保持しかつ互いに摺動自在である一対のシートホルダと、
前記シートホルダの少なくとも一方を摺動して、前記樹脂シートの間隔を縮めるための駆動手段と、
前記シートホルダの摺動面をシールするためのシール構造と
を有することを特徴とする中空成形体の成形装置である。
【0009】
【発明の効果】
請求項に記載の本発明は、以下の効果を奏する。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、樹脂シートを加熱軟化させた後、シートホルダの少なくとも一方をシールした状態で摺動させて、樹脂シートの間隔を縮めることができる。
【0011】
その結果、樹脂シート間に形成される密閉空間の体積は、減少し、内圧が上昇するため、例えば、樹脂シートが大型であっても、加熱軟化による樹脂シートの波打ちおよび垂れが防止される。また、インサート物が不要であるため、成形コストおよび工数が増加しないため、生産性の向上および製造コストの低減を図ることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、ガイド手段を有するため、シートホルダの摺動の位置精度を向上させることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、金型の移動によって、駆動力が駆動手段に付与されるため、駆動手段の構成を単純化することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、シール構造を容易に構成することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、樹脂シートを加熱軟化させた後、シートホルダの少なくとも一方をシールした状態で摺動させて、樹脂シートの間隔が縮められる。
【0016】
その結果、樹脂シート間に形成される密閉空間の体積は、減少し、内圧が上昇するため、例えば、樹脂シートが大型であっても、加熱軟化による樹脂シートの波打ちおよび垂れが防止される。また、インサート物が不要であるため、成形コストおよび工数が増加しないため、生産性の向上および製造コストの低減を図ることができる。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、駆動手段が金型の一方にのみ配置されるため、駆動手段の構成が単純化される。
【0018】
請求項7に記載の発明によれば、加熱軟化している樹脂シートを金型キャビティ面によって賦形するために、真空成形法,圧空成形法、あるいは、真空圧空成形法を適用することができる。
【0019】
請求項8に記載の発明によれば、有機充填剤、無機充填剤、繊維強化材のいずれか1つ、あるいは2以上の組合せからなる混合物が含まれている中空成形体を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る成形装置によって得られる中空成形体20の一例を示している断面図である。
【0022】
中空成形体20は、一対の樹脂シート4を加圧圧着することによって形成され、中空部21と、加圧圧着された周縁部22と、中空部を形成するための加圧ガスを供給するために使用された穴部23とを有する。
【0023】
樹脂シート4の材料は、加熱することで軟化する熱可塑性を有する樹脂(熱可塑性樹脂)であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリスチレン、ポリカ−ボネ−ト、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエンブロック共重合体、ポリアミド繊維などの一般的な熱可塑性樹脂や、エチレン・プロピレンブロック共重合体、スチレン・ブタジエンブロック共重合体などの熱可塑性エラストマー、あるいはこれらのポリマ−アロイなどを適用することが可能である。
【0024】
さらに、熱可塑性樹脂には、タルクやガラス繊維などの各種の充填材や、可視光線の波長(380〜770nm)よりもはるかに小さい数10nmオーダの微粒材料が配合されたコンポジット材料を配合することも可能である。
【0025】
微粒材料としては粘土やタルクあるいはシリカ等が挙げられる。また、顔料、滑材、帯電防止剤、酸化防止剤などの各種の添加剤を配合することも可能である。
【0026】
なお、本発明に係る熱可塑性樹脂は、これらを全て包含する。
【0027】
例えば、有機充填剤、無機充填剤、繊維強化材のいずれか1つあるいは2以上の組合せからなる混合物が配合された熱可塑性樹脂を、適用することが可能である。この場合、有機充填剤、無機充填剤、繊維強化材のいずれか1つあるいは2以上の組合せからなる混合物を含んでいる中空成形体を得ることができる。
【0028】
次に、本発明の実施の形態に係る成形装置を説明する。
【0029】
図2に示されるように、成形装置の金型1,2(上型1および下型2)は、例えば、アルミニウムから構成され、樹脂シート4が賦形される金型キャビティ面1A,2Aと、金型キャビティ面1A,2Aに形成される吸引口3とを有する。なお、樹脂シート4は、例えば、アクリル製であり、330mm×330mm×板厚5mmである。
【0030】
金型キャビティ面1A,2Aは、例えば、縦150mm×横150mm×深さ100mmであり、深さ方向の抜き勾配が5度かつ隅R5の箱型構造を有している。上型1および下型2のプレス面は、200mm×200mmであり、プレス面周縁より内側25mmまでの全周を、加圧圧着できるように構成されている。
【0031】
上型1および下型2の材料は、アルミニウムに限定されず、例えば、鉄系、アルミニウム以外の非鉄系金属、セラミック系、熱硬化性樹脂材料等を適宜使用することができる。
【0032】
吸引口3は、真空引き(減圧)のために使用される。吸引口3の形状は、中空成形体20の表面に転写されるため、吸引口3を、上型1および下型2のコーナー部に適当な数だけ形成し、かつ、その径は1mm以下が好ましい。
【0033】
さらに、本発明の実施の形態に係る成形装置は、図3に示されるように、樹脂シート4を加熱軟化させる(軟化温度以上に加熱する)ための加熱装置15と、樹脂シート4の間に密閉空間13が形成されるように、樹脂シート周縁部4’を固定するための固定機構と、中空部21を形成するための加圧ガスを供給するためのパイプ11を有する圧力調整機構とを有している。
【0034】
加熱装置15の熱源は、例えば、熱風、最大エネルギー波長が4μm近傍にある遠赤外線、最大エネルギー波長が1μm〜3μm近傍にある短波長あるいは中波長の熱線であり、好ましくは、熱可塑性樹脂の吸収波長に対応する出力波長を有する遠赤外線である。
【0035】
固定機構は、樹脂シート4を所定の間隔で保持しかつ互いに摺動自在である一対のシートホルダ8,9(上部ホルダ8および下部ホルダ9)を有する。
【0036】
上部ホルダ8および下部ホルダ9の材料は、樹脂シート4の加熱温度と、加圧圧着時の温度および発生する応力とに耐えられる材料であれば、特に限定されず、例えば、鉄系、非鉄系金属、セラミック系、あるいは、熱硬化性樹脂材であり、好ましくは、安価で加工が容易である鉄系や非鉄系金属材料である。
【0037】
上部ホルダ8および下部ホルダ9は、ガイドピンを利用し、上部押えプレート5および下部押えプレート6を介して、樹脂シート4を固定している。上部ホルダ8および下部ホルダ9によって固定される樹脂シート周縁部4’の内側のサイズは、例えば、300mm×300mmである。なお、樹脂シート周縁部4’には、ガイドピンが嵌め込まれる穴部が形成されている。
【0038】
樹脂シート4の固定は、ガイドピンを利用する方法に限定されず、例えば、ボルトを利用する方法、油圧プレスあるいは空圧プレスを利用する方法、蝶番を使用して樹脂シート周縁部4’を押えるプレートによって狭圧する方法を適用することも可能である。
【0039】
また、上部ホルダ8および下部ホルダ9は、円筒形のスライドシャフト7によって連結されており、下部ホルダ9は、スライドシャフト7によって案内されて、上部ホルダ8の摺動面12を、平行移動する。
【0040】
摺動面12には、下部ホルダ9側にゴムシールが施すことによって、樹脂シート4の間の空気漏れを防止するためのシール構造が形成されている。しかし、シール構造は、これに限定されず、例えば、メカニカルシール、低摺動材を組み込んだ機構、あるいは、摺動面12の隙間を0.5mm以下にする構成を適用することも可能である。
【0041】
スライドシャフト7による案内構造は、良好な位置精度を有し、かつ摺動面12のシール構造の設計が、容易である点で好ましい。しかし、例えば、摺動面12に直接設けられるスライドガイドや、ベアリングを使用したカムフロアあるいはローラフロアを、利用することも可能である。
【0042】
また、固定されている樹脂シート周縁部4’の内側は、下型2の上昇(金型の移動)によって、上型1および下型2によって挟み込まれるため、下部ホルダ9を平行移動するための駆動力が生成される。
【0043】
その結果、上部ホルダ8および下部ホルダ9によって固定される樹脂シート4の間隔(ホルダ間隔)が縮められるため、樹脂シート4の間に形成される密閉空間13の体積は、減少し、内圧が上昇する。したがって、例えば、樹脂シート4が大型であっても、加熱軟化による樹脂シート4の波打ちおよび垂れが防止され、また、インサート物が不要であるため、成形コストおよび工数が増加せず、生産性の向上および製造コストの低減を図ることができる。
【0044】
さらに、下部ホルダ9を摺動してホルダ間隔を縮めるための駆動手段は、駆動力を発生させる必要がないため、その構成が単純化されている。
【0045】
圧力調整機構は、加圧ガスが通過するパイプ11と、加圧ガスの供給を制御するためのバルブ10と、制御装置(不図示)とを有し、例えば、上型1および下型2による加圧圧着(プレス)によって形成される樹脂シートの中空部21に加圧ガスを供給する場合や、プレスが完了して中空成形体20を取り出す直前において中空部21の内部を大気開放する場合に使用される。
【0046】
パイプ11は、例えば、外径φ6mmのSUS304製であり、プレス時において、上型1および下型2の面に対して水平に位置し、かつ金型キャビティ面の壁面より突出するように、設置されている。パイプ11の材料としては、鉄系、非鉄系金属、セラミック系、樹脂系材料などが使用できる。
【0047】
制御装置は、例えば、加圧ガスの供給時間、供給圧力、供給開始時期などを制御するために使用される。
【0048】
加圧ガスは、特に限定されず、例えば、空気、窒素ガス、炭酸ガスなどが使用可能であり、好ましくは窒素ガスである。加圧ガスの供給圧力は、成形条件や樹脂材料によって異なり、1MPa以上の値を適用することも可能であるが、好ましくは1MPa未満である。
【0049】
次に、本発明の実施の形態に係る成形装置を使用する中空体の成形方法を説明する。なお、成形方法は、取付け工程、加熱軟化工程、金型およびホルダ移動工程、加圧圧着工程、成形工程、および、トリミング工程を有する。
【0050】
まず、取付け工程においては、図3に示されるように、2枚の樹脂シート4を、上部ホルダ8と下部ホルダ9(上部押えプレート5および下部押えプレート6)によって、所定のホルダ間隔で保持し、樹脂シート4の間に密閉空間13が形成されるように、樹脂シート周縁部4’を固定する。所定のホルダ間隔は、例えば、加熱軟化された樹脂シート4が垂れ下がっても、接触あるいは融着しない間隔である。
【0051】
加熱軟化工程においては、加熱装置15によって樹脂シート4が加熱されて軟化する。
【0052】
金型およびホルダ移動工程においては、プレスのために下型2が上昇する。そして、図4に示されるように、下型2の移動によって、上型1および下型2によって挟み込まれている樹脂シート周縁部4’の内側が上昇する。
【0053】
一方、樹脂シート4は、上部押えプレート5および下部押えプレート6を介して、上部ホルダ8および下部ホルダ9によって保持されている。したがって、下部ホルダ9は、樹脂シート4によって駆動され、スライドシャフト7に沿って、上部ホルダ8の摺動面12を、平行移動する。
【0054】
そして、ホルダ間隔が縮められることで、密閉空間13の体積は、減少し、内圧が上昇する。そのため、例えば、樹脂シートが大型であっても、インサート物を使用することなく、加熱軟化による樹脂シートの波打ちおよび垂れが防止される。
【0055】
加圧圧着工程においては、所定のプレス位置に到達した上型1および下型2は、固定されている樹脂シート周縁部4’の内側を挟み込んで、加圧圧着する。これによって、樹脂シート4の間に形成されていた密閉空間13は、中空部21を構成することになる。なお、プレス時間は、例えば、60秒である。
【0056】
成形工程においては、加圧圧着した直後に、図5に示されるように、樹脂シート4の金型キャビティ面への密着および賦形を促進するため、パイプ11および金型キャビティ面に形成されている吸引口3を作動させる。
【0057】
詳しくは、パイプ11を経由して、例えば、0.5MPaの加圧ガスを供給して、中空部21の内圧を増加させると同時に、吸引口3を使用して、金型キャビティ面と樹脂シート4との間の外周空間14を減圧(負圧)にする。つまり、本成形工程においては、真空成形法と圧空成形法とが組み合わされた真空圧空成形法が適用されている。なお、上型1および下型2の温度は、例えば、80℃〜90℃である。
【0058】
トリミング工程においては、図6に示されるように、冷却完了後、上型1および下型2を型開きして、樹脂シート周縁部4’やバリを除去することにより、中空成形体20が得られる。
【0059】
図7は、本発明の実施の形態に係る成形装置によって形成された中空成形体の物性を説明するための図表である。なお、比較例1〜3は、ホルダ間隔を縮めない成形条件で得られている点で、実施例1〜4と異なる。
【0060】
物性の評価項目は、賦形性、圧着性、接触痕、および、総合評価である。
【0061】
賦形性は、深絞り性および隅R5における転写性で評価した。圧着性は、圧着部をハンマーで破壊し、樹脂シートの接触界面での剥離の有無で評価した。接触痕は、樹脂シート同士による接触痕および融着の有無で評価した。また、評価が良好な場合は、記号○で表し、不良の場合は、記号×で表示した。
【0062】
総合評価は、賦形性と圧着性と接触痕において全て良好な場合、記号○で表し、その他の場合、符号×で表示した。
【0063】
実施例1〜4においては、樹脂シート取り付け時のホルダ間隔として30mm〜200mmかつ加熱温度として160℃〜200℃が適用されたが、全ての評価項目で良好な結果が得られた。つまり、良好な剛性および強度並びに接合部強度を有する軽量の中空成形体を得ることができた。
【0064】
一方、比較例1においては、30mmのホルダ間隔かつ160℃の加熱温度が適用され、圧着性および接触痕は良好であったが、賦形性(転写性)が不良であり、良好な中空成形体が得られなかった。
【0065】
比較例2においては、30mmのホルダ間隔かつ180℃の加熱温度が適用され、賦形性および圧着性は良好であったが、加熱軟化時に樹脂シート同士が接触および融着したため、良好な中空成形体が得られなかった。
良好な成形品が得られなかった。
【0066】
比較例3においては、100mmのホルダ間隔かつ180℃の加熱温度が適用され、接触痕は良好であったが、全面が圧着されずに加圧ガスの漏れ(圧抜け)が発生したため、賦形性良好な中空成形体が得られなかった。つまり、賦形性および圧着性が不良であった。
【0067】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変することができる。
【0068】
例えば、成形工程においては、真空圧空成形法が適用されているが、これに限定されず、真空成形法を適用し、減圧のみによって樹脂シート4を金型キャビティ面1A,2Aに密着させることも可能である。あるいは、圧空成形法を適用し、加圧ガスのみによって樹脂シート4を金型キャビティ面1A,2Aに密着させることも可能である。
【0069】
また、下部ホルダ9を移動させる駆動手段は、構成を単純化するために、金型の移動によって、駆動力が付与されているが、図8および図9に示すように、独立した駆動手段16,17を、上型1および下型2のいずれか一方の外周部に、配置することも可能である。
【0070】
この場合、樹脂シート4と接触することなく、ホルダ間隔を縮めることができる。なお、駆動手段16,17は、例えば、油圧、空圧、スプリング、あるいは電気モータを適用することができる。
【0071】
さらに、駆動手段は、上型1および下型2の両方に配置することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る成形装置によって形成される中空成形体の一例を示している断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係る成形装置の金型の断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態に係る成形装置の断面図であり、取付け工程および加熱軟化工程を説明するための図である。
【図4】 金型およびホルダ移動工程を説明するための断面図である。
【図5】 加圧圧着工程および成形工程を説明するための断面図である。
【図6】 トリミング工程を説明するための断面図である。
【図7】 本発明の実施の形態に係る成形装置によって形成された中空成形体の物性を説明するための図表である。
【図8】 本発明の実施の形態に係る成形装置の変形例を説明するための断面図である。
【図9】 本発明の実施の形態に係る成形装置の別の変形例を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1…上型、
2…下型、
1A,2A…金型キャビティ面、
3…吸引口、
4…樹脂シート、
4’…周縁部、
5…上部押えプレート、
6…下部押えプレート、
7…スライドシャフト、
8…上部ホルダ、
9…下部ホルダ、
10…バルブ、
11…パイプ、
12…摺動面、
13…密閉空間、
14…外周空間、
15…加熱装置、
16,17…駆動手段、
20…中空成形体、
21…中空部、
22…周縁部、
23…穴部。
Claims (8)
- 熱可塑性樹脂からなる一対の樹脂シート間に密閉空間が形成されるように、樹脂シートの周縁部を固定するための固定機構と、
樹脂シートを加熱軟化させるための加熱手段と、
樹脂シートを賦形するための金型キャビティ面を有し、加熱軟化された樹脂シートの周縁部の内側を挟み込み、加圧圧着するための金型と
を有する中空成形体の成形装置であって、
前記固定機構は、
樹脂シートを所定の間隔で保持しかつ互いに摺動自在である一対のシートホルダと、
前記シートホルダの少なくとも一方を摺動して、前記樹脂シートの間隔を縮めるための駆動手段と、
前記シートホルダの摺動面をシールするためのシール構造と
を有することを特徴とする中空成形体の成形装置。 - 前記駆動手段は、前記シートホルダを案内するためのガイド手段を有することを特徴とする請求項1に記載の中空成形体の成形装置。
- 前記駆動手段は、前記金型の移動によって、駆動力が付与されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の中空成形体の成形装置。
- 前記シール構造は、メカニカルシール、ゴムシール、易摺動材のいずれか1つを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の中空成形体の成形装置。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の中空成形体の成形装置を用いる中空成形体の成形方法であって、
熱可塑性樹脂からなる一対の樹脂シートを、一対のシートホルダによって、所定の間隔で保持し、樹脂シート間に密閉が形成されるように、樹脂シートの周縁部を固定し、
樹脂シートを加熱軟化させ、
前記シートホルダの少なくとも一方をシールした状態で摺動させて、前記樹脂シートの間隔を縮め、
金型によって、加熱軟化された樹脂シートの周縁部の内側を挟み込んで、加圧圧着し、
金型キャビティ面に樹脂シートを賦形する
ことを特徴とする中空成形体の成形方法。 - 前記駆動手段は、金型の一方に配置されることを特徴とする請求項5に記載の中空成形体の成形方法。
- 前記中空成形体の成形方法は、真空成形法,圧空成形法、あるいは、真空圧空成形法が適用されることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の中空成形体の成形方法。
- 前記熱可塑性樹脂には、有機充填剤、無機充填剤、繊維強化材のいずれか1つ、あるいは2以上の組合せからなる混合物が配合されていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の中空成形体の成形方法。
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