JP3778026B2 - 冷間伸線加工用潤滑剤、冷間伸線材およびその製造方法 - Google Patents

冷間伸線加工用潤滑剤、冷間伸線材およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱間圧延材の脱スケール後の冷間伸線加工で使用される粉末状の潤滑剤、すなわち一般にダイス前潤滑剤と呼ばれる潤滑剤、ならびにこの潤滑剤の被膜を備えた冷間伸線材およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、冷間伸線加工で使用されることにより、冷間伸線加工後の例えば冷間鍛造加工において潤滑性に優れ、かつ、熱処理時の浸リンを回避することができる潤滑剤、ならびにこの潤滑剤の被膜を備えた冷間伸線材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、冷間伸線加工で得られる鋼線は、更に、様々な用途向けに冷間鍛造加工などの冷間加工が施される。特に、ナット、ボルトおよびベアリング球などは最終製品に至るまでに厳しい冷間加工が施されるために、鋼線表面に耐焼き付き性及び潤滑性を兼ね備えた被膜を形成しておくことが重要である。
【0003】
ところで、一般に、冷間伸線加工用の潤滑剤としては、ステアリン酸カルシウムなどの金属石けんとキャリヤ剤として水酸化カルシウムとを混合した粉末状の潤滑剤が使用される。
【0004】
しかしながら、このような潤滑剤を用いて冷間伸線加工を実施した場合には、冷間伸線加工後の例えば冷間鍛造加工などの厳しい加工工程において、冷間伸線加工により被伸線材の表面に形成された被膜の潤滑性が不十分で焼き付きなどの欠陥が発生するといった問題がある。
【0005】
したがって、例えば、冷間鍛造加工用材料のように、高い潤滑性が要求される場合には、予め被伸線材の表面にリン酸塩化成処理にて化成被膜を形成し、その上にステアリン酸亜鉛とステアリン酸ナトリウムとからなる石けん層を形成して冷間伸線加工を行うことで対応してきた。以降、リン酸塩の化成被膜とその上に形成された石けん層とで構成される被膜をリン酸塩複合被膜と呼ぶ。
【0006】
このリン酸塩複合被膜は、冷間鍛造加工のように厳しい加工に対して十分に追従できる高い潤滑性を有するとともに、優れた耐湿性と耐錆性を有しており、例えば屋内環境下では1月以上の間、錆の発生を防ぐ性能を有する。
【0007】
しかし、リン酸塩化成処理を施した場合には、冷間伸線加工後の最終製品を熱処理する際に、化成被膜中のリンの拡散(以下、浸リンという)による遅れ破壊が、例えば、高張力ボルトなどにおいて発生するという問題があった。
【0008】
高張力ボルトに関しては、 JIS-B1051で「12.9級強度区分のおねじ部品には、引張応力が働く表面に光学顕微鏡で確認できる白色のリン濃化層があってはならない」と規定されている。この規定は、リンを含むリン酸塩被膜の使用範囲を実質的に制約する結果となっている。
【0009】
したがって、高張力ボルト用の材料である鋼線には、ステアリン酸ナトリウムと酸化カルシウムとを添加して得られる水溶液や、ケイ酸塩などの無機塩の水溶液を鋼線に塗布して被膜を形成して対応しているが、この被膜は、潤滑性、耐焼き付き性、耐湿性および耐錆性に関し十分な性能を有していないのが現状である。
【0010】
なお、リン酸塩化成被膜の形成には、煩雑な液管理や多くの工程を必要とするほか、廃水処理や設備投資も含めると多大なコストが必要とされるといった問題もある。
【0011】
このような問題点を解決するため、リンを含まず、かつ、リン酸塩複合被膜と同等以上の耐焼き付き性と潤滑性の性能を有し、簡便な工程で形成できる被膜の開発が試みられている。
【0012】
例えば、特開平6-1994号公報には、被鍛材表面に水溶性無機塩と固体潤滑剤からなる被膜を形成することが開示されている。また、特開平10-36876号公報には、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ金属ホウ酸塩、脂肪酸のアルカリ金属塩、脂肪酸のアルカリ土類金属塩、固体潤滑剤および水溶性熱可塑性樹脂を含む潤滑剤が開示されている。
【0013】
しかしながら、上記公報に開示された手段では、被膜の形成にいずれも水溶液を用いているため、水溶液中に固体潤滑剤を均一に分散させるのが難しく、したがって、被膜中の固体潤滑剤の分散が不均一となり易く、均一な被膜形成が困難となり、潤滑むらが発生するといった問題がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記従来技術の抱える問題点を解決し、リンを含まず、リン酸塩複合被膜と同等もしくはそれ以上の優れた潤滑性及び耐焼き付き性を有する被膜を簡便な方法により形成可能な冷間伸線加工用潤滑剤ならびにこの潤滑剤の被膜を備えた冷間伸線材およびその製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究をおこない、下記に示す知見を得た。なお、以下の化学成分の%表示は質量%を意味する。
【0016】
(a)通常、冷間鍛造加工では、数セットのダイを用いて多段成形が行われ、、ダイと被加工材表面との摩擦により、最大で300〜400℃もしくはそれ以上の加工発熱が瞬時に発生するが、各段の加工度は同一でなく、加工発熱による温度上昇量は 150〜 400℃程度の温度範囲で異なる。被加工材表面に形成させた被膜は、この加工発熱により軟化、液化、脱落あるいは気化し、その結果、被膜の潤滑性が低下し、焼き付きが発生すると考えられる。
【0017】
(b)そこで、本発明者らは、潤滑剤の軟化挙動に着目し、 150〜 400℃もしくはそれ以上の温度範囲の領域で、潤滑剤の軟化、液化および気化が急激に生じないように、潤滑剤を構成する成分を種々選択した試験を実施した結果、その成分の配合を適正化すれば、冷間鍛造加工などの厳しい加工においても優れた潤滑性と耐焼き付き性を有する被膜が得られることが判った。
【0018】
(c)すなわち、本発明者らは、質量%で、ステアリン酸ナトリウム:15%、ステアリン酸カルシウム:15%、ステアリン酸バリウム:10%、フッ素系樹脂: 5%および二硫化モリブデン: 7%を含有し、残部が水酸化カルシウムからなる粉末状の潤滑剤(潤滑剤1)と、ステアリン酸ナトリウム:20%を含有し、残部が水酸化ナトリウムからなる従来の粉末状の潤滑剤(潤滑剤2)の2種類を熱質量分析し、加熱昇温に伴い生じる潤滑剤の質量減少量(以下、加熱減量ともいう)を調査した。なお、分析装置は(株)リガク製Thermo Plus TG8120を使用し、加熱条件は室温から1000℃までを10℃/分で昇温するものとした。
【0019】
図1は、加熱温度と加熱減量との関係を示すグラフである。図1に示すように、潤滑剤2は、 300℃近傍から急激に減量しはじめ、 400℃では50質量%以上が気化するのに対し、潤滑剤1は、昇温とともになだらかに減量し、 400℃で20質量%未満、 500℃でも40質量%未満の気化に留まっている。
【0020】
すなわち、潤滑剤1は潤滑剤2に比し、温度上昇に伴う気化がなだらかで、かつ高温域において気化の程度が低い。したがって、潤滑剤1で形成される被膜は、高温状態に於いても安定して存在することが判った。
【0021】
(d)潤滑性と耐焼き付き性に優れた被膜を形成するには、被膜中にステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸バリウムなどの金属石けんならびにフッ素系樹脂および二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤を均一に分散させることが重要である。被膜の形成には、粉末の潤滑剤を用いて伸線加工することにより被膜を形成する方法(伸線法)と潤滑剤の水溶液に浸漬して被膜を形成する方法(浸漬法)とが考えられるが、伸線法は浸漬法に比べ金属石けんや固体潤滑剤を均一に分散させることが容易である。
【0022】
(e)伸線法にて被膜を形成する際、その下地処理として、ステアリン酸ナトリウムと酸化カルシウムとを添加して得られる水溶液を被伸線材の表面に塗布する処理を行うことにより、金属石けんや固体潤滑剤の付着性が向上する。
【0023】
(f)上記水溶液による下地処理を行い、次いで、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸バリウムなどの金属石けんを含有し、更にフッ素系樹脂および/または二硫化モリブデンを含有する粉末状の潤滑剤を用いて冷間伸線加工を行うことにより、耐焼き付き性と潤滑性に優れた被膜を備えた冷間伸線材が得られる。
【0024】
本発明は、上記知見に基づいて完成されたもので、その要旨は以下のとおりである。
(1)質量%で、ステアリン酸ナトリウム:10〜15%、ステアリン酸カルシウム:10〜15%およびステアリン酸バリウム:10〜15%を含み、さらにフッ素系樹脂: 3〜10%と二硫化モリブデン:3〜10%のうちの少なくとも1種を含み、残部が実質的に水酸化カルシウムからなることを特徴とする冷間伸線加工用潤滑剤。
【0025】
(2)前記水酸化カルシウムの一部に代えて、質量%で、硼砂: 0.5〜 7%、フッ化炭素: 0.5〜 2%のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする前記(1)項に記載の冷間伸線加工用潤滑剤。
【0026】
(3)前記水酸化カルシウムの一部の代えて、質量%で、メラミンシアヌレート: 0.1〜 5%、モリブデン酸のアルカリ金属塩: 0.1〜 3%を含むことを特徴とする前記(1)項または(2)項に記載の冷間伸線加工用潤滑剤。
【0027】
(4)質量%で、ステアリン酸ナトリウム:1〜20%と酸化カルシウム:10〜30%とを添加して得られる水溶液を母材表面に塗布して形成された第1の層と、前記(1)〜(3)項のいずれかに記載の冷間伸線加工用潤滑剤を、前記層の表面に供給して冷間伸線加工を施して形成された第2の層とを備えたことを特徴とする冷間伸線材。
【0028】
(5)母材表面に、質量%で、ステアリン酸ナトリウム: 1〜20%と酸化カルシウム:10〜30%とを添加して得られる水溶液を塗布し、次いで、水溶液を塗布して形成された層の表面に、前記(1)〜(3)項のいずれかに記載の冷間伸線加工用潤滑剤を供給して冷間伸線加工を行うことを特徴とする冷間伸線材の製造方法。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明に係る冷間伸線加工用潤滑剤(以下、単に潤滑剤ともいう)、冷間伸線材およびその製造方法の実施の形態を説明する。
【0030】
最初に、本発明に係る潤滑剤について説明する。
ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム:ステアリン酸ナトリウムは、軟化温度が 260℃であり、被膜の耐熱性を高める作用がある。 ステアリン酸カルシウムは、軟化温度が、150℃であり、低温域での被膜の潤滑性と被膜の展伸性を高める作用がある。ステアリン酸バリウムは、軟化温度が 240℃であり、被膜の耐熱性を高めるとともに、被膜の展伸性を高める作用がある。
【0031】
なお、展伸性とは、例えば、冷間鍛造加工時の被加工材表面の面積拡大や冷間伸線加工時の被加工材表面の伸線方向の伸びに対し、被膜が被加工材表面から離れることなく付着したまま追従する性能であり、被加工材表面と加工工具との間の直接的な接触を防ぎ、加工発熱や焼き付きの発生を抑制する為に必要な特性である。
【0032】
ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸バリウムなどの金属石けんは、いずれも摩擦係数が小さく、これらを適正量配合することにより、展伸性を確保し、 150〜 300℃程度までの温度域における潤滑性を高めることができる。
【0033】
ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸バリウムのそれぞれの含有量は、10%未満では潤滑性を高める効果が小さく、かつ、展伸性が不十分となり、一方、15%を超えて含有させても潤滑性の改善効果が飽和するとともに、潤滑剤の粘性が高くなり冷間伸線性が劣化して伸線能率の低下や表面疵の発生といった問題が発生しやすい。
【0034】
特に、ステアリン酸カルシウムは、軟化温度が低いので、過剰に含有させると被膜に塊状の潤滑剤の残存(ガミー)が発生し易くなるといった問題がある。
したがって、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸バリウムの含有量は、それぞれ10〜15%である。好ましくは、ステアリン酸ナトリウムおよびステアリン酸カルシウムの含有量はそれぞれ12〜15%であり、ステアリン酸バリウムの含有量は10〜12%である。
【0035】
フッ素系樹脂および二硫化モリブデン:フッ素系樹脂および二硫化モリブデンは、自己潤滑性を有する固体潤滑剤であり、高温域での潤滑性と耐焼き付き性を向上させる成分である。すなわち、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸バリウムなどの金属石けんだけでは、 300〜 400℃以上の高温域まで潤滑性を保つことが難しいが、フッ素系樹脂や二硫化モリブデンを含有させることにより高温域での潤滑性と耐焼き付き性を向上させることができる。
【0036】
フッ素系樹脂は軟化温度が高く、耐熱性に優れていること、摩擦係数が低いこと等の特徴を有しており、高温域において潤滑性を高めることができる。フッ素系樹脂としては、例えば、3フッ化エチレンや4フッ化エチレンを挙げることができる。なお、2フッ化エチレンは潤滑性に乏しいため適さない。
【0037】
フッ素系樹脂の含有量が 3%未満では高温域での潤滑性を高める効果が小さく、一方、10%を超えて含有させても上記効果が飽和する。
二硫化モリブデンは、軟化温度が高く、被膜中に安定して存在し、その劈開性に基づいて、高い荷重が作用した際の潤滑性を高める成分である。二硫化モリブデンの含有量が 3%未満では潤滑性を高める効果が小さく、一方、10%を超えて含有させても上記効果が飽和する。
【0038】
したがって、潤滑剤はフッ素系樹脂および二硫化モリブデンのうちの少なくとも1種を含有し、フッ素系樹脂を含有させる場合には、その含有量を 3〜10%とし、二硫化モリブデンを含有させる場合には、その含有量を 3〜10%とする。好ましくは、フッ素系樹脂の含有量は、 4〜 6%であり、二硫化モリブデンの含有量は、 4〜 6%である。
【0039】
本発明に係る潤滑剤は、硼砂および/またはフッ化炭素を含有させるのが望ましい。
硼砂(ボラックス):硼砂は、軟化温度はそれほど高くないが、被膜中に安定して存在し、その劈開性に基づいて、高い荷重が作用した際の潤滑性を高める作用がある。硼砂の含有量が 0.5%未満では潤滑性を高める効果が小さく、一方、 7%を超えて含有させても上記効果が飽和するとともに、吸湿性が高いため錆が発生しやすい。したがって、硼砂を含有させる場合には、その含有量は 0.5〜 7%とするのが望ましい。
【0040】
フッ化炭素:フッ化炭素は、摩擦係数が低く、高温域での潤滑性を高める成分であり、ナトリウムとともに高温で保持されても分解せずに被膜中に安定して存在する。フッ化炭素の含有量が 0.5%未満では潤滑性を高める効果が小さく、一方、 2%を超えて含有させても潤滑性を高める効果が飽和する。したがって、フッ化炭素を含有させる場合には、フッ化炭素の含有量を 0.5〜 2%とするのが望ましい。
【0041】
本発明に係る潤滑剤は、メラミンシアヌレートおよびモリブデン酸のアルカリ金属塩のうちの1種または2種を含有させるのが望ましい。
メラミンシアヌレート:メラミンシアヌレートは、防湿性を高め、耐錆性を高める成分である。メラミンシアヌレートの含有量が、 0.1%未満では耐錆性を高める効果が小さく、一方、 5%超では潤滑剤の粘性が高くなり冷間伸線性が劣化する。
【0042】
モリブデン酸のアルカリ金属塩は、防錆性を高める成分である。モリブデン酸のアルカリ金属塩としては、モリブデン酸ナトリウムやモリブデン酸カリウムを挙げることができる。好ましくはモリブデン酸ナトリウムである。モリブデン酸のアルカリ金属塩の含有量が 0.1%未満では耐錆性を高める効果が小さく、一方、 3%を超えると潤滑剤の粘性が高くなり冷間伸線性が劣化する。
【0043】
したがって、耐錆性が要求される場合には、メラミンシアヌレート: 0.1〜 5%およびモリブデン酸のアルカリ金属塩: 0.1〜 3%のうちの少なくとも1種を含有させるのが望ましい。
【0044】
上記以外は、実質的に水酸化カルシウムである。水酸化カルシウムは、被膜をを形成する際に、金属石けんや固体潤滑剤を巻き込み、これらを均一に分散させる、いわゆるキャリア剤としての作用がある。なお、実質的にとの意味は、潤滑性と耐焼き付き性を損なわない範囲で、他の成分を含有させてもよいことを意味する。水酸化カルシウムの含有量が過小では、上記効果が小さいので、水酸化カルシウムの含有量の下限は、20%とするのが望ましい。
【0045】
本発明に係る潤滑剤は、以上のように構成される。
次に、本発明に係る冷間伸線材とその製造方法について説明する。
本発明に係る冷間伸線材は、ステアリン酸ナトリウムと酸化カルシウムとを添加して得られる水溶液を母材表面に塗布して形成された第1の層(第1層)と、上述した化学組成を有する潤滑剤を第1層の表面に供給しながら冷間伸線加工を施して形成された第2の層(第2層)とを備える。
【0046】
第1層は、ステアリン酸ナトリウムやステアリン酸カルシウムなどの金属石けんを含有し、また、第2層は上記潤滑剤と同じ組成を有しており、第1層と第2層とからなる被膜は、リンを含まず、リン酸塩複合被膜と同等以上の優れた潤滑性と耐焼き付き性を有している。したがって、この被膜を備えた冷間伸線材は、冷間鍛造加工用の材料として好適である。
【0047】
母材:熱間圧延材、冷間圧延材のいずれを用いてもよい。熱間圧延材を用いる場合には、表面のスケールを除去したものを用いる。表面粗さは、Rmaxで10〜30μm とするのが望ましい。
【0048】
水溶液:ステアリン酸ナトリウムと酸化カルシウムとを添加して得られる水溶液は、液中での化学反応によりステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、水酸化カルシウムおよび水酸化ナトリウムとを含有したものとなっている。この水溶液を母材表面に塗布して第1層を形成することにより、第2層の付着性を高めることができるとともに、冷間伸線加工前における母材の疵の発生を防止することができる。上記効果を得るために、水溶液を 100%としたとき、ステアリン酸ナトリウムの添加量は、 1%以上20%以下で、酸化カルシウムの添加量は、10%以上30%以下とする。また、酸化カルシウムの粒子径は、平均で4μm 以下とするのが望ましい。
【0049】
水溶液の塗布:水溶液の塗布は、ステアリン酸ナトリウムと酸化カルシウムとを添加して得られる水溶液中に被伸線材を浸漬する方法(以下、浸漬法という)やステアリン酸ナトリウムと酸化カルシウムとを添加して得られる水溶液を被伸線材の表面に散布する方法のいずれでも可能である。水溶液の温度は60℃〜90℃の温度範囲とされる。浸漬法は、簡便で塗布むらが少なく好適である。
【0050】
水溶液を塗布した後、これを乾燥することにより第1層を形成する。乾燥は、乾燥炉などを用いて強制乾燥する方法、放置して自然乾燥する方法のいずれでもよい。
【0051】
上記方法により第1層を形成した後、潤滑剤を被伸線材の表面と伸線用工具との間に供給して冷間伸線加工を行うことにより第2層を形成することができる。潤滑剤:潤滑剤を構成する各成分の限定理由については、上述したのでここでは省略する。
【0052】
冷間伸線加工:冷間伸線加工は、特に限定されるものでなく、公知のダイスなどの伸線用工具を用い、例えば、ダイスを収納したダイスボックスに上記潤滑剤を充填して行うことができる。
【0053】
本発明に係る冷間伸線材は、その直径が 5〜50mmで、断面形状は特に限定されないが丸状や異形状とすることができる。また、材質は、特に限定されないが、炭素鋼、ボロン添加鋼、合金鋼(Cr鋼、 Cr-Mo鋼、Ni-Cr-Mo鋼)、軸受鋼、ステンレス鋼、非鉄金属(アルミ、銅、チタンおよびその合金)などが例示され、好ましくは、炭素鋼、ボロン鋼、合金鋼、軸受鋼である。
【0054】
【実施例】
本発明の実施例を比較例と共に挙げることによって、本発明をその効果と共にさらに具体的に説明する。以下はあくまで一例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において、当業者の知識に基づき様々な変更を加えた様態で実施可能である。
【0055】
(A) 供試材の調整;
熱間圧延後の線材(鋼種:SCM435、線外径:12.3mm)を 760℃で球状化焼鈍して断面硬度: Hv170前後に調整し、その後、脱スケール処理を施して供試材とした。
【0056】
実施例1〜15、比較例1〜8および従来例1については、前記供試材をステアリン酸ナトリウム: 5%および酸化カルシウム:20%とを添加して得られる水溶液(60℃)に3分間浸漬する方法で前処理した。次いで、80℃で3分間の乾燥を行った後、成分の異なる種々の潤滑剤を用いてダイスによる冷間伸線加工を行い、線外径: 11.75mmの鋼線を得た。鋼線の表面には、前記水溶液を塗布して形成された、ステアリン酸塩を含有する第1層と、前記潤滑剤と同じ組成を有する第2層とが形成され、第1層と第2層とからなる被膜の付着量は約10g/m2で、鋼線の断面硬度は約Hv200であった。
【0057】
従来例2については、前記供試材を市販のリン酸亜鉛(日本パーカライジング(株)製、商品名:パルボンド181X)の濃度: 90g/Lの溶液(80℃)に10分間浸漬する方法で化成処理を施した後、湯洗し、その後、市販の石けん(日本パーカライジング(株)、商品名:パルーブ 235)の濃度: 70g/Lの溶液(80℃)に5分間浸漬した後、80℃で3分間の乾燥処理を施してリン酸塩複合被膜を形成させた。次いで、このリン酸塩複合被膜を有する供試材にダイスによる冷間伸線加工を施し、線外径: 11.75mmの鋼線を得た。鋼線に形成された被膜の付着量は、リン酸亜鉛被膜: 7.2g/m2 、石けん被膜: 4.7g/m2 程度であり、断面硬度は、 Hv200程度であった。
【0058】
(B)冷間前方押出し試験;
前記(A)の冷間伸線加工で得られた鋼線をマイクロカッタにより切断し、長さ50mmの押出し試験用の試片を得た。なお、切断面は長手方向に対しほぼ垂直とし、面取りは行わずバリ取り程度にとどめた。この試片を用いて合計3パスの冷間前方押出し試験を実施し、そのときの押出し荷重(以下、成形荷重ともいう)を測定し、潤滑性を評価した。
【0059】
図2は、冷間前方押出し試験に用いたダイの形状を示す模式図である。符号1は押し台、2はダイ、3は試片を表す。図2に示すように、ダイは加工度が3パス合計で減面率:32.6%(線外径:加工前11.75mm→加工後9.65mm)となるように製作した。押出しには、300Tonの油圧プレスを用い、平均押出し速度は10mm/秒とした。
【0060】
さらに、上記冷間押出し試験により得られた線外径:9.65mmの試片を用いてバウデン試験を実施した。バウデン試験は、試片の長手方向を摺動方向とし、試験温度:常温、試験荷重:30N、試験硬球径: 2.0mm、摺動長さ:10mmで、摩擦係数μが0.20になるまでの摺動回数を測定し、付着滑り性すなわち耐焼き付き性を評価した。
【0061】
この前方押出し試験は、軸絞り加工のみで加工発熱があまり発生しない場合を想定したものである。
(C)フランジボルト冷間鍛造試験;
前記(A)の冷間伸線加工で得られた鋼線をマイクロカッタにより切断し、長さ98mmの試片を得た。なお、切断面は長手方向に対しほぼ垂直とし、面取りは行わずバリ取り程度にとどめた。この試片を用いて、合計3パスでM12フランジボルトを模擬したボルト状部材に成形する冷間鍛造試験を実施し、そのときの鍛造荷重(以下、成形荷重ともいう)を測定し、潤滑性を評価した。なお、冷間鍛造試験は、500Tonクランクプレスを用い、加工速度は最大100mm/秒とした。
【0062】
図3は、M12フランジボルトの形状を示す模式図である。図中の数字は寸法(mm)を表す。
次いで、上記冷間鍛造試験で得られたボルト状部材の軸径:11.0mmの平行部から試片を切り出し、この試片を用いてバウデン試験を実施した。バウデン試験は、試片の長手方向を摺動方向とし、上記(B)のバウデン試験と同様の条件で摺動回数を測定し、付着滑り性すなわち耐焼き付き性を評価した。なお、この鍛造試験は、高荷重、高速で加工発熱が発生する実際の製造ラインでのボルト鍛造を想定したものである。
【0063】
(D)浸リン評価;
上記(C)の冷間鍛造試験で得られたボルト状部材に油焼入れ−焼き戻し処理を施した。油焼入れ温度は 870℃(炭素ポテンシャルCp値: 0.2%雰囲気)で、焼戻し温度は 500℃とした。このようにして、油焼入れ−焼き戻し処理を施したボルト状部材の頭部(外径19.0mm)と軸部(外径11.0mm)とから試片を採取し、これを、ミクロマウントに埋め込み、研磨、琢磨後にステッド試薬で腐食し、顕微鏡観察試験片を作成した。これを光学顕微鏡を用いて倍率100〜500倍で観察し、浸リン状況を調査した。浸リンの評価は、表層部に白層が観察された場合には、浸リンの発生有りと判断した。
【0064】
(E)耐錆性評価;
上記(A)の伸線加工で得られた鋼線をマイクロカッタにより切断し、長さ: 150mmの試験片を得た。
【0065】
この試験片を湿潤試験装置に挿入し、相対湿度:95%以上、試験温度:49± 1℃、空気流量: 886.5± 110.5L/時の湿潤環境下で24時間保持した後、目視及び拡大鏡にて観察し、赤錆の発生面積(X)を調査し、表面積全体(Y)に対する赤錆発生面積の割合(X/Y:赤錆面積率)で耐錆性を評価した。なお、湿潤試験装置は、スガ試験機(株)製 CT-3H型を使用した。
【0066】
表1に潤滑剤の組成ならびに上記試験結果を示す。また、表2に各試験の評価基準を示す。
【0067】
【表1】
Figure 0003778026
【0068】
【表2】
Figure 0003778026
【0069】
表2に示すように、前方押出し試験では、3パス合計の成形荷重により潤滑性を評価し、合計の成形荷重が 105kN未満のものを潤滑性が良好と判断した。鍛造試験では、3パス合計の成形荷重により潤滑性を評価し、合計の成形荷重が1250kN未満のものを潤滑性が良好と判断した。バウデン試験では、摺動回数が50回より大きいものを耐焼き付き性が良好と判断した。また、湿潤試験では、赤錆発生面積率が30%未満のものを耐錆性が良好と判断した。
【0070】
表1に示すように、実施例1〜実施例15は、冷間前方押出し試験及びフランジボルト冷間鍛造試験で耐焼き付き性と潤滑性の双方が良好であり、従来例2とほぼ同等の耐焼き付き性と潤滑性が得られることが判った。さらに、当然のことながら、実施例1〜実施例15は、焼入れ焼戻し後にも浸リンの発生が認められず良好であった。
【0071】
実施例13〜実施例15は、湿潤試験で、優れた耐錆性を備えることが判った。
一方、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸バリウムの少なくともいずれか一つの含有量が10%未満である比較例1〜比較例3ならびに比較例5〜比較例7は、フランジボルト冷間鍛造試験において、成形荷重が高く、耐焼き付き性に劣る結果となった。これは、それぞれの金属石けんが適量配合されていないため、低荷重から高荷重の全領域、ならびに、低温〜高温の全領域において、十分な耐焼き付き性と潤滑性が得られないためと推察される。
【0072】
4フッ化エチレンと二硫化モリブデンの含有量を双方とも 0.5%未満とした比較例4又は比較例8は、フランジボルト冷間鍛造試験において、成形荷重が特に高く、耐焼き付き性に劣る結果となった。これはフッ素系樹脂と二硫化モリブデンの含有量が共に過小であるため、高温域における潤滑性が劣化したためと推察される。
【0073】
従来例1では、浸リンの発生は認められなかったが、耐焼き付き性と潤滑性の双方とも不良であった。
従来例2は、耐焼き付き性と潤滑性とも良好であったが高張力ボルトで問題となる浸リンが発生した。
【0074】
【発明の効果】
本発明の潤滑剤により、簡便な方法で、従来のリン酸亜鉛処理+石けん処理により形成されるリン酸塩複合被膜に対し同等以上の優れた耐焼き付き性と潤滑性と有する被膜を形成することができる。したがって、本発明の潤滑剤は、特に、冷間鍛造加工に用いる冷間伸線材の被膜を構成する潤滑剤として有用であり、本発明の冷間伸線材ならびにその製造方法は、冷間鍛造加工用の冷間伸線材ならびにその製造方法として有用である。
【0075】
本発明によれば、全くリンを含まない被膜を形成することができるため、熱処理時の浸リンの発生を回避できる。したがって、本発明の潤滑剤は、高張力ボルト用の冷間伸線材の被膜を構成する潤滑剤として有用であり、本発明の冷間伸線材ならびにその製造方法は、高張力ボルト用の冷間伸線材ならびにその製造方法として有用である。
【0076】
さらに、本発明の冷間伸線材の製造方法は、従来のリン酸塩化成処理のように廃棄物を生じず、特別な設備も必要としないので産業上の利用価値も極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】加熱温度と加熱減量との関係を示すグラフである。
【図2】冷間前方押出し試験に用いたダイの形状を示す模式図である。
【図3】M12フランジボルトの形状を示す模式図である。
【符号の説明】
1:押し台、
2:ダイ、
3:試片。

Claims (5)

  1. 質量%で、ステアリン酸ナトリウム:10〜15%、ステアリン酸カルシウム:10〜15%およびステアリン酸バリウム:10〜15%を含有し、さらにフッ素系樹脂: 3〜10%および二硫化モリブデン: 3〜10%のうちの少なくとも1種を含有し、残部が実質的に水酸化カルシウムからなることを特徴とする冷間伸線加工用潤滑剤。
  2. 前記残部の一部に代えて、質量%で、硼砂: 0.5〜 7%およびフッ化炭素: 0.5〜 2%のうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1に記載の冷間伸線加工用潤滑剤。
  3. 前記残部の一部に代えて、質量%で、メラミンシアヌレート: 0.1〜 5%およびモリブデン酸のアルカリ金属塩: 0.1〜 3%のうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の冷間伸線加工用潤滑剤。
  4. 質量%で、ステアリン酸ナトリウム: 1〜20%と酸化カルシウム:10〜30%とを添加して得られる水溶液を母材表面に塗布して形成された第1の層と、請求項1〜3のいずれかに記載の冷間伸線加工用潤滑剤を、前記層の表面に供給して冷間伸線加工を施して形成された第2の層とを備えたことを特徴とする冷間伸線材。
  5. 母材表面に、質量%で、ステアリン酸ナトリウム: 1〜20%と酸化カルシウム:10〜30%とを添加して得られる水溶液を塗布し、次いで、水溶液を塗布して形成された層の表面に、請求項1〜3のいずれかに記載の冷間伸線加工用潤滑剤を供給して冷間伸線加工を行うことを特徴とする冷間伸線材の製造方法。
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