JP3777309B2 - 可変吸気装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸気通路構造体に、該吸気通路構造体が備える吸気集合室の容量または吸気通路長をエンジン回転数に応じて切換える切換弁が回動可能に支承され、前記切換弁の弁軸の軸線と直交する平面内に作動軸線を有するダイヤフラム式のアクチュエータの作動部材が、前記弁軸の一端側に連結され、前記弁軸の前記一端側回動位置が検出器で検出される可変吸気装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる可変吸気装置は、たとえば特表平8−500411号公報等で既に知られており、このものでは、吸気通路構造体に固定されたステーにアクチュエータが支持されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のものでは、アクチュエータを支持するためのステーが必要であり、その分だけ部品点数が多くなり、組付工数も余分にかかってしまう。
【0004】
このような欠点を解消するために、アクチュエータが備えるアクチュエータケースの一部に、吸気通路構造体側に取付けられるカバー部を一体に設け、そのカバー部でアクチュエータおよび弁軸の連結部を覆うことが考えられる。しかるに、このような構成によれば、部品点数の低減を図ることができるものの、重量が比較的大きいアクチュエータが、吸気通路構造体側に取付けられる前記カバー部から突出した配置となり、アクチュエータの首振りによる振動がカバー部に作用し、検出器による検出精度に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、部品点数を低減してダイヤフラム式のアクチュエータを吸気通路構造体側に固定、支持することを可能としつつ、アクチュエータの首振りによる振動による悪影響が検出器に及ぶことを防止し得るようにした可変吸気装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、吸気通路構造体に、該吸気通路構造体が備える吸気集合室の容量または吸気通路長をエンジン回転数に応じて切換える切換弁が回動可能に支承され、前記切換弁の弁軸の軸線と直交する平面内に作動軸線を有するダイヤフラム式のアクチュエータの作動部材が、前記弁軸の一端側に連結され、前記弁軸の前記一端側回動位置が検出器で検出される可変吸気装置において、前記アクチュエータが備えるアクチュエータケースの一部には、前記作動部材および弁軸の連結部を覆とともに外面には前記検出器の検出器ハウジングが取付けられるカバー部が、該カバー部および前記検出器よりも外方に前記アクチュエータケースの一部を突出させるようにして一体に連設され、前記弁軸および前記アクチュエータ間で前記作動部材を挟む位置に配置される一対のボルトを含んで前記検出器ハウジングを囲むように配置される複数のボルトで前記カバー部が前記吸気通路構造体側に締結されることを特徴とする。
【0007】
このような請求項1記載の発明の構成によれば、ダイヤフラム式のアクチュエータの作動部材および弁軸の連結部を覆うカバー部が、アクチュエータケースの一部に一体に設けられ、該カバー部が吸気通路構造体側に締結されるので、部品点数を低減してアクチュエータを吸気通路構造体側に固定、支持することができる。しかも検出器を囲むように配置されて前記カバー部を吸気通路構造体側に締結する複数のボルトのうち一対のボルトが、弁軸およびアクチュエータ間で作動部材を挟む位置に配置されるので、重量が比較的大きいアクチュエータケースの一部が、前記カバー部および前記検出器よりも外方に突出していてもアクチュエータケースの首振りによる振動がカバー部および検出器に作用することを極力抑制することができ、アクチュエータケースの首振りによる振動が検出器による検出精度に悪影響を及ぼすことを防止することができる。
【0008】
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記カバー部は、該カバー部および吸気通路構造体間に挟まれる取付け板を介して前記吸気通路構造体に締結されることを特徴とし、かかる構成によれば、カバー部を有するアクチュエータケース、検出器および取付け板をユニットとして予め組み付けておき、そのユニットを吸気通路構造体に取付けるようにして組付作業を容易とすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1〜図3は本発明の一実施例を示すものであり、図1は可変吸気装置の側面図、図2は図1と同方向から見た可変吸気装置の縦断面図、図3は図2の3−3線断面図である。
先ず図1および図2において、この可変吸気装置の吸気通路構造体11は、4気筒エンジンに対応したものであり、合成樹脂から成る複数たとえば3つの接合部材を相互に溶着して構成され、吸気集合室12を形成するサージタンク部13と、吸気集合室12に連なる主吸気通路14,14…をそれぞれ形成するようにして一端がサージタンク部13に共通に接続される4つの相互に独立した分岐管15,15…と、各分岐管部15,15…の他端に共通に連設されるエンジン取付け用フランジ16とを備える。
【0011】
各分岐管部15,15…の並列方向に沿うサージタンク部13の一端には大気導入口17が設けられており、この大気導入口17には図示しないスロットルボディを介してエアクリーナが接続され、スロットルボディにおけるスロットル開度に対応した量の大気が吸気集合室12に導入される。
【0012】
サージタンク部13の下部に一端が接続される各分岐管部15,15…は、略C字状に彎曲するように形成されて水平方向に並列配置されており、各分岐管部15,15…の他端に共通に連設されるエンジン取付け用フランジ16がサージタンク部13の上方に配置される。
【0013】
図3を併せて参照して、吸気通路構造体11には、吸気集合室12に一端を開口させるとともに他端を主吸気通路14,14…の途中に開口させる副吸気通路18…が設けられており、吸気集合室12内から副吸気通路18…および主吸気通路14,14…を経てエンジンに至るまでの吸気通路長は、吸気集合室12内から主吸気通路14,14…を経てエンジンに至るまでの吸気通路長よりも短く設定される。
【0014】
エンジン回転数に応じて各副吸気通路18…の連通・遮断を切換えることにより吸気通路構造体11における吸気通路長が切換えられるものであり、各副吸気通路18…の連通・遮断を切換える切換弁20が、吸気通路構造体11に回動可能に支承される。
【0015】
この切換弁20は、各副吸気通路18…に個別に対応した通路孔22…を有して円柱状に形成される弁ハウジング23と、前記各通路孔22…相互間で弁ハウジング23に回動可能に支承されるようにして弁ハウジング23を同軸に貫通する弁軸24と、前記各通路孔22…をそれぞれ閉鎖し得るようにして弁軸24に固定されるバタフライ式の弁体25…とを備える。
【0016】
前記弁軸24および各弁体25…は、合成樹脂で一体成形されてもよいが、剛性を高くし、組立精度を高めるためには、弁軸24および各弁体25…をそれぞれ金属製とする方がよい。
【0017】
吸気通路構造体11には、副吸気通路18…の中間部を横切る横断面円形の支持孔21が設けられており、前記切換弁20の弁ハウジング23は、該支持孔21に嵌合、固定される。すなわち弁軸24は弁ハウジング23を介して吸気通路構造体11に回動可能に支承される。
【0018】
前記弁軸24の一端側にはアーム26の基端が固定され、アーム26の先端部に、アクチュエータ27の作動部材28が連結される。該アクチュエータ27は、前記弁軸24の軸線と直交する平面内に作動軸線を有するダイヤフラム式のものであり、エンジン回転数に応じて前記作動部材28を軸方向に作動させる。而してエンジンの低、中速回転領域では吸気集合室12の負圧がアクチュエータ27に導入され、それに応じてアクチュエータ27は作動部材28を図3で右動させ、それにより吸気弁20は各副吸気通路18…を閉じる側に回動する。またエンジンの高速回転領域ではアクチュエータ27は作動部材28を図3で左動させ、それにより吸気弁20は各副吸気通路18…を開放する位置に回動する。
【0019】
アクチュエータ27が備えるアクチュエータケース29は、合成樹脂から成るケース部材30と、該ケース部材30に締結される合成樹脂製のカバー31とから成る。アクチュエータケース29の一部であるケース部材30は、カバー31と共働してアクチュエータケース29を構成すべく椀状に構成されるものであるが、このケース部材30には、作動部材28および弁軸24の連結部を覆って吸気通路構造体11側に締結されるカバー部30aが一体に連設される。
【0020】
カバー部30aは、該カバー部30aおよび吸気通路構造体11間に挟まれる合成樹脂製の取付け板32を介して吸気通路構造体11に締結される。而して、カバー部30aおよび取付け板32は、カバー部30aおよび取付け板32に挿通されるとともに吸気通路構造体11にねじ込まれるようにしたたとえば3本のボルト33A,33B,33Cによって共締めされることで吸気通路構造体11に締結され、またカバー部30aは、たとえば2本のボルト33D,33Eにより取付け板32に締結される。
【0021】
すなわちカバー部30aは、たとえば5本のボルト33A〜33Eで吸気通路構造体11側に締結されるのであるが、それらのボルト33A〜33Eのうち一対のボルト33A,33Eは、弁軸24およびアクチュエータ27間で前記作動部材28を挟む位置に配置される。
【0022】
ところで、切換弁20の作動位置は、弁軸24の一端側に連結されるアクチュエータ27に、弁軸24の軸線に沿う方向の外方側で隣接するように配置される検出器34で検出されるものであり、該検出器34は、弁軸24の一部を覆ってカバー部30aに取付けられる。
【0023】
而して検出器34は、弁軸24の一端を覆うようにしてカバー部30aの外面に一対のねじ部材38,38で取付けれる検出器ハウジング35と、弁軸24と一体に回動すべく該弁軸24に取付けられるマグネット等の被検出部36と、被検出部36を非接触で検出すべく検出器ハウジング35内に固定配置されるホールICや磁電変換素子等の検出部37とを備えるものであり、弁軸24に接触することなく該弁軸24の回動位置すなわち切換弁20の作動位置を検出可能である。
【0024】
前記被検出部36の弁軸24への取付けにあたっては、弁軸24に被検出部36を直接固定してもよく、また被検出部36を有する軸を弁軸24に同軸に連結するようにしてもよく、弁軸24および被検出部36が一体的に回動するようにすればよい。
【0025】
而して検出器ハウジング35が外面に取付けられる前記カバー部30aが、前記ボルト33A〜33Eで吸気通路構造体11側に締結された状態で、アクチュエータケース29の一部は前記カバー部30aおよび検出器34よりも外方に突出した状態となる。
【0026】
次にこの実施例の作用について説明すると、吸気通路長をエンジン回転数に応じて切換えるようにして吸気通路構造体11に回動可能に支承される切換弁20は、弁ハウジング23を介して吸気通路構造体11に回動可能に支承される弁軸24と、該弁軸24に固定されるバタフライ式の弁体25…とを備えるバタフライ式のものである。したがって切換弁20の軸方向全体にわたる撓み変形およびねじれ変形を小さく抑えることができるとともに、回動時におけるフリクションを小さくすることができる。
【0027】
しかも切換弁20の作動位置を検出する非接触式の検出器34が弁軸24の一端に対応して吸気通路構造体11に取付けられているので、検出器34側でのフリクションも小さく抑えることが可能である。したがってアクチュエータ27からの距離に応じた切換弁20の回動位置の差を少なくすることを可能としつつ、アクチュエータ27の小型化を図ることができ、しかも検出器34に偏荷重が作用することがないので検出器34の耐久性を高めつつ検出精度を向上することができる。
【0028】
また検出器34が、吸気通路構造体11に固定されたカバー部30aに取付けられて弁軸24の一部を覆う検出器ハウジング35と、弁軸24と一体に回動すべく該弁軸24に取付けられる被検出部36と、被検出部36を非接触で検出すべく検出器ハウジング35内に固定配置される検出部37とを備えるものであり、検出器34の被検出部36を弁軸24側に配置するようにして検出器34の構成を単純化しつつ、弁軸24との非接触を維持するようにして検出器34の検出器ハウジング35を吸気通路構造体11に容易に取付け得るようにし、検出器34の組付作業を容易とすることができる。
【0029】
また弁軸24の一端側に連結されるアクチュエータ27と、検出器34とが隣接配置されることにより、切換弁20の軸線に沿う方向での回動位置の差が最も少ない位置で切換弁20の作動位置を検出器34で検出するようにして検出精度をより一層向上することができる。さらに検出器34が、弁軸24の軸線に沿う方向でアクチュエータ27が備えるアクチュエータケース29と一体であるカバー部30aよりも外方に配置されるので、弁軸24の一端を検出器ハウジング35で覆うようにして検出器34の構造をより単純化することができ、しかも吸気通路構造体11および検出器34間にアクチュエータケース29と一体である前記カバー部30aが配置されるようにし、アクチュエータ27の弁軸24への連結部から検出器34までの長さ、ならびに前記連結部から弁軸24の他端までの長さを短く設定し、検出精度のより一層の向上を図るとともに切換弁20の軸方向全体にわたる撓み変形およびねじれ変形をより小さく抑えることができる。
【0030】
さらにアクチュエータ27の作動部材28および弁軸24の連結部を覆うカバー部30aが、アクチュエータケース29の一部であるケース部材30に一体に設けられ、該カバー部30aが吸気通路構造体11側に締結されるので、吸気通路構造体11に固定されたステーでアクチュエータケース29を支持するようにしたものと比べ、部品点数を低減してアクチュエータ27を吸気通路構造体11側に固定、支持することができる。
【0031】
しかもカバー部30aを吸気通路構造体11側に締結する複数たとえば5本のボルト33A〜33Eのうち一対のボルト33A,33Eが、弁軸24およびアクチュエータ27間で作動部材28を挟む位置に配置されている。したがって重量が比較的大きいアクチュエータケース29の一部が、吸気通路構造体11側に取付けられるカバー部30aならびに該カバー部30aに取付けられる検出器34よりも外方に突出した配置となっていてもアクチュエータケース29の首振りによる振動がカバー部30aおよび検出器34に作用することを極力抑制することができ、アクチュエータケース29の首振りによる振動が検出器34による検出精度に悪影響を及ぼすことを防止することができる。
【0032】
さらにカバー部30aは、該カバー部30aおよび吸気通路構造体11間に挟まれる取付け板32を介して吸気通路構造体11に締結され、検出器34の検出器ハウジング35がカバー部30aに取付けられているので、カバー部30aを有するアクチュエータケース29、検出器34および取付け板32をユニットとして予め組み付けておき、そのユニットを吸気通路構造体11に取付けるようにして組付作業を容易とすることができる。この際、切換弁20の弁ハウジング23を前記ユニットに予め組付けるようにしておくと、組付作業をより一層容易とすることができる。
【0033】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0034】
たとえば上記実施例では、吸気通路長を切換弁20で切換えるようにした可変吸気装置に付いて説明したが、本発明は、吸気集合室12の容量を切換弁で切換えるようにした可変吸気装置にも適用可能である。
【0035】
またカバー部30aに別体の検出器ハウジング35が取り付けられる構成となっていたがカバー部30aおよび検出器ハウジング35が一体に形成されていてもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、部品点数を低減してアクチュエータを吸気通路構造体側に固定、支持することができ、アクチュエータケースの首振りによる振動がカバー部に作用することを極力抑制し、アクチュエータの首振りによる振動が検出器による検出精度に悪影響を及ぼすことを防止することができる。
【0037】
また請求項2記載の発明によれば、カバー部を有するアクチュエータケース、開度センサおよび取付け板を予め組付けて成るユニットを吸気通路構造体に取付けるようにして、組付作業を容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 可変吸気装置の側面図である。
【図2】 図1と同方向から見た可変吸気装置の縦断面図である。
【図3】 図2の3−3線断面図である。
【符号の説明】
11・・・吸気通路構造体
12・・・吸気集合室
20・・・切換弁
24・・・弁軸
27・・・アクチュエータ
28・・・作動部材
29・・・アクチュエータケース
30a・・・カバー部
32・・・取付け板
33A〜33E・・・ボルト
34・・・検出器
35・・・検出器ハウジング

Claims (2)

  1. 吸気通路構造体(11)に、該吸気通路構造体(11)が備える吸気集合室(12)の容量または吸気通路長をエンジン回転数に応じて切換える切換弁(20)が回動可能に支承され、前記切換弁(20)の弁軸(24)の軸線と直交する平面内に作動軸線を有するダイヤフラム式のアクチュエータ(27)の作動部材(28)が、前記弁軸(24)の一端側に連結され、前記弁軸(24)の前記一端側回動位置が検出器(34)で検出される可変吸気装置において、前記アクチュエータ(27)が備えるアクチュエータケース(29)の一部には、前記作動部材(28)および弁軸(24)の連結部を覆とともに外面には前記検出器(34)の検出器ハウジング(35)が取付けられるカバー部(30a)が、該カバー部(30a)および前記検出器(34)よりも外方に前記アクチュエータケース(29)の一部を突出させるようにして一体に連設され、前記弁軸(24)および前記アクチュエータ(27)間で前記作動部材(28)を挟む位置に配置される一対のボルト(33A,33E)を含んで前記検出器ハウジング(35)を囲むように配置される複数のボルト(33A〜33E)で前記カバー部(30a)が前記吸気通路構造体(11)側に締結されることを特徴とする可変吸気装置。
  2. 前記カバー部(30a)は、該カバー部(30a)および吸気通路構造体(11)間に挟まれる取付け板(32)を介して前記吸気通路構造体(11)に締結されることを特徴とする請求項1記載の可変吸気装置。
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