JP3777191B2 - 新規セファロスポリン誘導体 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は有用な抗菌活性を有する新規なセフェム化合物、詳しくはセファロスポリン誘導体及びその製薬学的に許容される塩とエステルに関する。
背景技術
セファロスポリン系抗生物質は細菌に優れた抗菌活性を有しかつ哺乳類に対して低い毒性を有することから哺乳類の細菌感染症の治療に極めて有効な薬剤である。
グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して広い抗菌活性を示す種々の半合成セファロスポリン誘導体がすでに合成され市販されて、各種の細菌の感染性疾病の治療剤として臨床に用いられている。しかしながら、既知のセファロスポリン誘導体のなかで、緑膿菌や変形菌に対してすぐれた抗菌活性を示す誘導体は数少ない。また既知のセファロスポリン誘導体の多くは耐性菌により産生されるβ−ラクタマーゼに対して不安定であり、現在臨床上問題とされている各種の耐性菌に対する抗菌活性が低い欠点及びその他の欠点がある。また、既存のセフェム系の抗菌性化合物の多くは、注射剤として開発されたものが主であるから、経口投与した場合、体内への吸収率が悪く、充分な治療有効性を示さないという欠点も有していた。近年、セフェム環の7位にアミノチアゾリルアセチル基を有するセファロスポリン誘導体の数多くが強い抗菌力とβ−ラクタマーゼに対する安定性を持つことから、研究され開発されている。
例えば、セフェム環の7位にアミノチアゾリルアセチル基を有し且つ3位にβ−(置換又は非置換)ビニル基を有する既知のセフェム化合物には、次式(A)
Figure 0003777191
で示されるセフィキシム(Cefixime)と、次式(B)
Figure 0003777191
で示されるセフジニール(Cefdinir)がある。
また、次の一般式(C)
Figure 0003777191
〔式中、R1はアミノ基又は保護されたアミノ基であり;R2は低級アルキル基、カルボキシメチル基又は保護されたカルボキシメチル基であり;R3は水素原子、塩生成カチオン又はカルボキシル保護基であり、:そしてAはフェニル基、低級アルキル−フェニル基、低級アルコキシ−フェニル基又はハロ−フェニル基、あるいはフリル基、ニトロ−フリル基、又はハロ−フリル基、あるいはチアゾリル基、低級アルキル−チアゾリル基又はハロ−チアゾリル基、若しくはチアゾリル環上の3位以外の位置に低級アルキル基の1個を置換基として有することができ且つチアゾリオ基中の3位の第4級窒素原子に配位する陰イオン性のカウンターイオンを有する3−低級アルキル−チアゾリオ基を表わす〕で示されるセフェム化合物(シン異性体)又はその塩又はそのエステルが知られている(特公平3-64503号,欧州特許第0175610号及び米国特許第4,839,350号参照)。一般式(C)の化合物の一例には、7−〔2−メトキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−メチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体、シス異性体)(以下、ME1206化合物と略記される)がある。このME1206化合物のピバロイルオキシメチルエステル(以下、ME1207化合物と略記される)は一般名セフジトレン ピボキシル(Cefditoren pivoxil)として知られる。
更に、次の一般式(D)
Figure 0003777191
〔式中、R1は低級(C1〜C6)アルキル基であり、R2は生体内で加水分解により脱離できるエステル形成基であり、しかも4-メチルチアゾリル基とセフェム環とは、セフェム環の3位にある置換ビニル基の炭素−炭素2重結合に関してシル位にある〕で示されるセフェム化合物のシン異性体は経口投与時の吸収性が高いことが知られる(米国特許第4,918,068号及び欧州特許第0236231号参照)。
本発明者らは、セフィキシム、セフジニール及びME1206化合物よりも向上された抗菌活性をもち且つその他の優れた性質をもつ新規なセファロスポリン誘導体を提供することを目的として鋭意研究を続けた。その結果、セフェム環の3位にβ−(4−置換又は非置換チアゾール−5−イル)ビニル基を有し且つセフェム環の7位に2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド基又は2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)アセトアミド基を有し、しかも7位の側鎖中のアシル基のα位にヒドロキシイミノ基(保護されていてもよい)を置換基として導入してあるセファロスポリン誘導体であって、後記の一般式(I)で総括的に表しうる新規なセファロスポリン誘導体を合成することに成功した。
そして本発明者らは後記の一般式(I)で示される新規セファロスポリン系化合物は極めて広範囲の抗菌スペクトルを有すること、そしてグラム陽性菌及びグラム陰性菌並びに各種の耐性菌に対しても強い抗菌活性を示し、またセフィキシム,セフジニール及びME1206化合物よりも優れた抗菌活性を有すること、特に黄色ブドウ球菌のみならず、前記の3種のセフェム化合物が抗菌活性を実質上示さない腸球菌フェカリス(Enterococcus faecalis)に対しても極めて強い抗菌活性を示すことを見出した。これらの知見に基いて本発明を完成した。
発明の開示
すなわち、第1の本発明によると、次の一般式(I)
Figure 0003777191
(式中、XはCHもしくはNであ 5 は水素原子、低級アルキル基、ハロ−(低級)アルキル基又はハロゲン原子を表わす)で示されるセフェム化合物のシン異性体、又はその製薬学的に許容できる塩又はエステルが提供される。
式(I)の本発明化合物において、セフェム環の3位に置換したビニル基のβ位に結合しているチアゾリル基は、そのチアゾール環上に全く置換基を持たないチアゾール−5−イル基であるか、若しくは4−低級アルキルチアゾール−5−イル基、4−ハロチアゾール−5−イル基あるいは4−ハロ(低級)アルキルチアゾール−5−イル基であることができる。式(I)の本発明化合物には、3位の置換ビニル基の置換基の位置に依存する(E)異性体(すなわちトランス異性体)と(Z)異性体(すなわちシス異性体)があり、本発明は(E)異性体、又は(Z)異性体又はそれらの混合物を包含する。
上記及び下記の説明において示される種々の用語の定義と、それら定義された用語に含まれる適当な例を詳細に説明すると次のとおりである。
用語「低級アルキル基」又は「低級アルコキシ基」における「低級」なる語は特にことわりのないかぎり炭素原子1〜6個のものであることを意味するものとする。
式(I)の本発明化合物がエステルの形である場合には、その4位カルボキシル基におけるエステル形成基は生体内で加水分解できて脱離できる代謝的に不安定なエステル形成基として、低級アルコキシカルボニルオキシアルキル基、低級アルキルカルボニルオキシアルキル基、及び置換基(例えば5−低級アルキル基)を有してもよい(2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル基その他が挙げられる。R5がハロ−(低級)アルキル基又はハロゲン原子である場合、かかるハロ置換基又はハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、フッ素原子または塩素原子が好ましい。
第1の本発明による式(I)のセフェム化合物又はその塩又はエステルは、下記に示す式(Ia)のセフェム化合物、式(Ib)のセフェム化合物、あるいはこれらの塩又はエステルを包含する。
(1)次式(Ia)
Figure 0003777191
〔式中、R5は水素原子、低級アルキル基、ハロ−(低級)アルキル基又はハロゲン原子を表わす〕で示されるセフェム化合物のシン異性体、又はその4位カルボキシル基における製薬学的に許容できる塩又はエステル。
(2)次式(Ib)
Figure 0003777191
〔式中、R5は水素原子、低級アルキル基、ハロ−(低級)アルキル基又はハロゲン原子を表わす〕で示されるセフェム化合物のシン異性体、又はその4位カルボキシル基における製薬学的に許容できる塩又はエステル。
式(Ia)のセフェム化合物又はその塩又はそのエステルの具体的な例には、7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−クロロチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体)(シス異性体);7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−トリフルオロメチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体)(シス異性体);7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−メチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体)(シス異性体);7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(チアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体)(シス異性体);又は7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(チアゾール−5−イル)ビニル−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体)(トランス異性体又はシス異性体とトランス異性体との混合物);あるいはこれらセフェム化合物のナトリウム塩、あるいはピバロイルオキシメチルエステル、アセトキシメチルエステル、1−アセトキシエチルエステル、1−(エトキシカルボニルオキシ)エチルエステル、(2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル又は(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステルがある。
式(Ib)のセフェム化合物又はその塩又はそのエステルの具体的な例には、7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−クロロチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体)(シス異性体);7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−トリフルオロメチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体)(シス異性体);7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−メチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体)(シス異性体);又は7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(チアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体)(シス異性体);あるいはこれらセフェム化合物のナトリウム塩、あるいはピバロイルオキシメチルエステル、アセトキシメチルエステル、1−アセトキシエチルエステル、1−(エトキシカルボニルオキシ)エチルエステル、(2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル又は(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステルがある。式(Ia)または式(Ib)の化合物について、それらの官能基上に保護基がある場合のセフェム化合物の具体的な例には、7−〔2−トリチルオキシイミノ−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−クロロチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸p−メトキシベンジルエステル(シン異性体)(シス異性体);7−〔2−トリチルオキシイミノ−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−トリフルオロメチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸p−メトキシベンジルエステル(シン異性体)(シス異性体);7−〔2−トリチルオキシイミノ−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−メチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸p−メトキシベンジルエステル(シン異性体)(シス異性体);7−〔2−トリチルオキシイミノ−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(チアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸p−メトキシベンジルエステル(シン異性体)(シス異性体又はトランス異性体又はシス体とトランス体との混合物);7−〔2−トリチルオキシイミノ−2−(5−トリチルアミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−メチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸p−メトキシベンジルエステル(シン異性体)(シス異性体);又は7−〔2−トリチルオキシイミノ−2−(5−トリチルアミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−トリフルオロメチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸p−メトキシベンジルエステル(シン異性体)(シス異性体)等がある。
第1の本発明による一般式(I)のセフェム化合物は、式(Ia)の化合物及び式(Ib)の化合物を求めて、それらの製薬学的に許容できる塩の形であることができる。そのような製薬学的に許容される塩の適当な例は、通常の製薬学的に許容できる非毒性の塩であり、そのような塩にはアルカリ金属、たとえばナトリウム、カリウムとの塩、及びアルカリ土類金属、たとえばカルシウム、マグネシウムとの塩のような金属塩、アンモニウム塩、製薬学的に許容できる有機塩基、たとえばトリエチルアミン、トリメチルアミン、ピリジン、ピコリン、ジシクロヘキシルアミン、N, N'-ジベンジルエチレンジアミンとの塩、ならびに製薬学的に許容できる有機酸、たとえば酢酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、酒石酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ギ酸、トルエンスルホン酸との塩、またはアミノ酸、たとえばアルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸との塩が含まれる。
本発明の一般式(I)のセファロスポリン誘導体は、各種の病原性細菌類に対する強い抗菌活性を有するものである。また経口投与時にかなり良い吸収性を示し、さらに投与後の高い血中濃度を与えて保持する性質を持っている若干の化合物例をも包含する。以下に本発明化合物の有利な薬理学的性質を若干の代表的化合物について試験例で説明する。
試験例1
本例では、本発明の一般式(I)の化合物のうちの下記の代表例の試験化合物の抗菌活性を、常法の倍数希釈法で測定された各種の細菌に対する最小発育阻止濃度(MIC, μg/ml)を示すことにより例証する。この際の測定は、感性ディスク用培地N(日水製薬社製)に供試菌を106CFU/mlで接種し、35℃で18〜20時間培養後に評価して行われた。試験化合物は下記の化合物A〜化合物Fのナトリウム塩である。
(1)化合物A:
7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−クロロチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体,シス異性体)(後記の実施例2参照)
(2)化合物B:
7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−トリフルオロメチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体,シス異性体)(後記の実施例5参照)
(3)化合物C:
7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−メチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体,シス異性体)(後記の実施例8参照)
(4)化合物D:
7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(チアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体,シス異性体)(後記の実施例11参照)
(5)化合物E:
7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(チアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体,トランス異性体)(後記の実施例13参照)
(6)化合物F:
7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−メチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体,シス異性体)(後記の実施例16参照)
上記の化合物A〜Fの最小発育阻止濃度(MIC, μg/ml)の測定値を表1に示す。また、比較のため、同様に測定されたME1206化合物(Na塩),セフジニール(Na塩)(CFDNと略記)及びセフィキシム(Na塩)(CFIXと略記)のMIC値(μg/ml)も表1に示す。
Figure 0003777191
試験例2
化合物Cのピバロイルオキシメチルエステル(後記の実施例9の化合物)と化合物Dのパビロイルオキシメチルエステル(後記の実施例12の化合物)を、供試化合物としてマウス(ICR系、雄性、4週令,1群3匹)に1匹当り0.5mgの投与量で経口投与した。投与方法として供試化合物を0.2%CMC水溶液に懸濁した液を経口投与した。
なお、供試化合物(エステル体)はいずれも投与後に消化器から吸収されて生体内で4位カルボキシル基上のエステル形成基が容易に脱離して、対応する遊離のカルボン酸の形となる。投与後0〜4時間の間に尿中に排泄された遊離のカルボン酸の形の本発明化合物を定量し、尿中回収率を算定した。
定量方法:高速液体クロマトグラフィー法(カラム:Licrosorb RP18 4φ×150mm;UV-detector 270nmで検出)で行った。
得られた結果(3例平均)を表2に示す。
Figure 0003777191
試験例3
本例では、本発明化合物の代表例として前記の化合物A,B,C,D,E及びFが皮下注射時に高い血中濃度を維持することを下記の試験法で例証する。
試験方法は次の通りである。すなわち、4週令のJcl;ICR(オス)マウスに、注射用蒸留水にとかした2.5mg/mlの供試化合物の水溶液を、皮下投与で0.2mlずつ(0.5mg/マウス)投与した。投与後5,15,30,60,120分間の時点で腋下から採血した。採取した血液は室温で約2時間放置し、遠心分離機で10分間遠心し、血清を採取した。得られた血清にメタノールを等量加え混和し、12000rpm3分間遠心し、上清をフィルター(サンプレップLCR13-LH)に通し、HPLC用血清サンプルとした。HPLCを行って供試化合物の血清中濃度を測定した。
供試化合物について、薬動力学パラメーターである血中半減期と血中濃度曲線下面積(AUC)(Area under the plasma Concentration-time curve)をGauss-Newton法で算出した。
比較のために、ME1206化合物も同様に試験した。得られた結果を表3に示す。
Figure 0003777191
第1の本発明による一般式(I)のセフェム化合物のうち、官能基の保護基を脱離された化合物、すなわち前記の式(Ia)と式(Ib)のセフェム化合物又はその製薬学的に許容される塩またはエステルは、これを細菌感染症の治療の目的で投与するにあたっては、上記化合物を有効成分として含有し、経口投与、非経口投与又は外用に適した有機または無機質の固体又は液体の担体と混合されて抗菌剤組成物の形に製剤化されうる。
この組成物は慣用の製剤の形であることができる。この様な製剤としては、カプセル、錠剤、軟膏、座薬、溶液、懸濁液、乳剤などが挙げられる。さらに必要により前記製剤に補助剤、安定剤、湿潤剤又は乳化剤、緩衝剤その他の通常使用される添加剤を含有させることができる。
従って、第2の本発明によると、次式(Ia)
Figure 0003777191
(式中、R5は水素原子、低級アルキル基、ハロ-(低級)アルキル基又はハロゲン原子を表す)で示されるセフェム化合物のシン異性体、又はその4位カルボキシル基における製薬学的に許容できる塩又はエステル、あるいは次式(Ib)
Figure 0003777191
(式中、R5は水素原子、低級アルキル基、ハロ-(低級)アルキル基又はハロゲン原子を表す)で示されるセフェム化合物のシン異性体、又はその4位カルボキシル基における製薬学的に許容できる塩又はエステルの少なくとも1つを、有効成分として含み、しかも有効成分が製薬学的に許容し得る固体状又は液体状の担体と混和されていることを特徴とする、抗菌性組成物が提供される。
第2の本発明による抗菌性組成物は注射剤、経口剤または坐剤などの製剤の形で投与される。賦形剤および担体としては製薬学上許容されるものが選ばれ、その種類は投与経路や投与方法によって決まる。例えば、液状担体として水、アルコールもしくは大豆油、ゴマ油、ミネラル油などの動植物油、または合成油などが用いられる。固体担体としてマルトース、シュクロースなどの糖類、リジンなどのアミノ酸類、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体、シクロデキストリンなどの多糖類、ステアリン酸マグネシウシムなどの有機酸塩などが使用される。
注射剤として製剤する場合には、一般に生理食塩水、各種緩衝液、グルコース、イノシトール、マンニトールなどの糖類溶液、エチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのグリコール類が望ましい。また、イノシトール、マンニトール、グルコース、マンノース、マルトース、シュクロースなどの糖類、フェニルアラニンなどのアミノ酸類などの賦形剤と共に、凍結乾燥製剤とし、それを投与時に注射用の適当な溶剤、例えば滅菌水、生理食塩水、ブドウ糖液、電解質溶液、アミノ酸溶液などの静脈投与用液体に溶解して用いることもできる。
製剤された組成物中における式(Ia)又は式(Ib)のセフェム化合物の含量は製剤型により種々異なるが、通常は0.1〜99重量%、好ましくは1〜90重量%である。例えば注射液の場合には、通常0.1〜10重量%の有効成分化合物を含むようにすることがよい。経口投与の場合には、前記固体担体もしくは液状担体と共に錠剤、カプセル剤、粉剤、顆粒剤、ドライシロップ剤、液剤、シロップ剤などの形態で用いられる。カプセル、錠剤、顆粒、粉剤の場合、一般に有効成分化合物の含量は3〜99重量%、好ましくは5〜90重量%であり、残部は担体である。
本発明による式(I)の有効成分セフェム化合物またはその塩またはエステルの投与量は、患者の年令、体重、症状、治療目的などにより決定されるが、投与量は感染した細菌を殺滅するのに有効な量である。しかし、その投与量は動物試験の結果など種々の状況を勘案して総投与量が一定量を越えない範囲で、連続的または間けつ的に投与できる。
非経口投与の場合におけるその総投与量は投与方法、患者の状況、例えば年令、体重、性別、食事、併用薬剤などに応じて適宜変更して投与することはもちろんである。一定の条件下における適量と投与回数は、上記の指針を基にして専門医の決定によらなければならない。これらの投与条件は経口投与においても同様である。
本発明の別の要旨においては、前記の式(Ia)のセフェム化合物又は式(Ib)のセフェム化合物あるいはこれの製薬学的に許容できる塩又はエステルを抗菌剤の製造に使用する方法が提供される。
発明を実施するための最良の形態
次に、式(I)の本発明の化合物の製造方法を説明する。これは種々の方法によって製造できるが、下記の反応式で図式的に示した工程1、工程2および工程3からなる製造法A、もしくは後記に示す製造法Bで製造するのが便利である。
製造法A
Figure 0003777191
上記反応式でX, R1, R2, R3, R4及びR5は前記と同じであり、R6はアリール基、例えばフェニル基であり、Wはハロゲン原子を意味する。
製造法Aの各工程について詳しく説明すると、次のとおりである。
工程1
一般式(II)で示される化合物またはその塩に一般式(III)で示されるトリ置換ホスフィンを作用させる。化合物(II)の適当な塩としては、化合物(I)について例示したものと同じ塩基との塩類が使用できる。
この反応は、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、臭化ナトリウム等のアルカリ金属ハライドの様な金属ハライド共存下に実施することが望ましい。反応は、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチルまたはこれらの混合溶媒中で行われる。反応温度は特に限定されないが、室温が望ましい。反応生成物として一般式(IV)で示される化合物が生成し、これは必要であれば単離してもよい。
工程2
一般式(IV)で示される化合物またはその塩に塩基を作用させる。化合物(IV)の適当な塩類としては、化合物(I)で例示したものと同じ塩基との塩類が使用できる。この工程で使用する塩基としては炭酸水素アルカリ金属(たとえば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなど)、炭酸アルカリ金属(たとえば炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)、炭酸アルカリ土類金属(たとえば炭酸カルシウムなど)などの無機塩基類、またはトリ(低級)アルキルアミン(たとえばトリメチルアミン、トリエチルアミン)、ピリジン、N−(低級)アルキルモルホリン、N,N−ジ(低級)アルキルベンジルアミン等が挙げられる。この反応は、通常、アセトン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、水またはこれらの混合溶媒中で行われる。反応温度は特に限定されないが、室温が望ましい。反応生成物として一般式(V)で示される化合物が生成し、これは必要であれば単離してもよい。
工程3
一般式(V)で示される化合物またはその塩に一般式(VI)で示されるアルデヒドを作用して縮合させる。化合物(V)の適当な塩としては、化合物(I)について例示したものと同じ塩基との塩類が使用できる。この反応は、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはこれらの混合溶媒中で行われる。反応温度は特に限定されないが、反応は通常、冷却下ないし室温付近で行われる。これによって、目的とする式(I)の化合物が生成される。また工程2と工程3は順次行なうことなく、化合物(IV)に塩基とアルデヒド(VI)を同時に作用させてもよい。
製造法B
Figure 0003777191
製造法Bにおいては、上記の反応式で示すように式(VII)(式中、R3, R4及びR5は前記と同じ意味である)で示される化合物、もしくはそのアミノ基における反応性誘導体またはそれらの塩に、式(VIII)(式中、X,R1およびR2は前記と同じ意味である)で示される化合物、もしくはそのカルボキシル基における反応性誘導体またはそれらの塩を反応せしめる。
製造法Bの方法で用いられる化合物(VII)のアミノ基における反応性誘導体の適当な例としては、化合物(VII)と、アルデヒド、ケトンなどのようなカルボニル化合物との反応によって生成したシッフ塩基型のイミノ誘導体またはその互変異性体であるエナミン型異性体;あるいは化合物(VII)とビス(トリメチルシリル)アセトアミドなどのようなシリル誘導体;あるいは化合物(VII)と三塩化リンまたはホスゲンとの反応によって生成した誘導体などが挙げられる。化合物(VII)および化合物(VIII)の適当な塩としては、有機酸との塩(たとえば酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩など)又は無機酸との塩(たとえば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩など)のような酸付加塩、アルカリ金属塩(たとえばナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(たとえばカルシウム塩、マグネシウム塩など)のような金属塩;アンモニウム塩;有機アミン塩(たとえばトリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩など)などが挙げられる。
化合物(VIII)のカルボキシル基における反応性誘導体の適当な例としては、酸ハロゲン化物、酸アジド、酸無水物、活性アミド、活性エステルなどが挙げられる。さらに詳細には、酸塩化物、酸臭化物、置換リン酸(たとえばジアルキルリン酸、ジベンジルリン酸、ハロゲン化リン酸など)、ジアルキル亜リン酸、亜硫酸、チオ硫酸、硫酸、炭酸アルキル(たとえば炭酸メチル、炭酸エチルなど)、脂肪族カルボン酸(たとえばピバリン酸、吉草酸、イソ吉草酸、トリクロロ酢酸など)又は芳香族カルボン酸(たとえば安息香酸など)のような酸との混合酸無水物;イミダゾール、ジメチルピラゾール、トリアゾールまたはテトラゾールとの活性アミド;又は活性エステル(たとえばシアノメチルエステル、メトキシメチルエステル、ビニルエステル、プロパルギルエステル、p−ニトロフェニルエステル、2,4−ジニトロフェニルエステル、トリクロロフェニルエステル、ペンタクロロフェニルエステル、メシルフェニルエステル、フェニルアゾフェニルエステル、フェニルチオエステル、p−ニトロフェニルチオエステル、p−クレジルチオエステル、カルボキシメチルチオエステル、ピラニルエステル、ピリジルエステルなど)、もしくはN−ヒドロキシ化合物(たとえばN,N−ジメチルヒドロキシルアミン、1−ヒドロキシ−2−(1H)−ピリドン、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、1−ヒドロキシ−6−クロロ−1H−ベンゾトリアゾールなど)とのエステルなどが挙げられる。これらの反応誘導体は使用すべき反応剤(VIII)の種類によって適宜選択される。
製造法Bの方法においては、化合物(VII)と化合物(VIII)の反応は、通常、水、アセトン、ジオキサン、アセトニトリル、クロロホルム、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジンのような慣用溶媒又はこの反応に影響を与えない他の有機溶媒中で行われる。これらの溶媒は水と混合して使用してもよい。
この反応において、化合物(VIII)を遊離の形または塩の形で使用する場合、縮合剤としては、たとえばN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド;N−シクロヘキシル−N′−モルホリノエチルカルボジイミド;N−シクロヘキシル−N′−(4−ジエチルアミノシクロヘキシル)カルボジイミド;N,N′−ジエチルカルボジイミド;N,N′−ジイソプロピルカルボジイミド;N−エチル−N′−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド;N,N′−カルボニルビス(2−メチルイミダゾール);ペンタメチレンケテン−N−シクロヘキシルイミン;ジフェニルケテン−N−シクロヘキシルイミン;エトキシアセチレン;1−アルコキシ−1−クロロエチレン;亜リン酸トリアルキル;ポリリン酸エチル;ポリリン酸イソプロピル;オキシ塩化リン;三塩化リン;塩化チオニル;トリフェニルホスフィン;N,N−ジメチルホルムアミドと塩化チオニル、ホスゲン、オキシ塩化リンとの反応によって得られるいわゆるビルスマイヤー試薬などが挙げられる。
この反応は、また無機塩基又は有機塩基の存在下に行なっていてもよい。このような塩基の例としては、炭酸水素アルカリ金属(たとえば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなど)、炭酸アルカリ土類金属(たとえば炭酸カルシウムなど)などの無機塩基類、またはトリ(低級)アルキルアミン(たとえばトリメチルアミン、トリエチルアミン)、ピリジン、N−(低級)アルキルモルホリン、N,N−ジ(低級)アルキルベンジルアミン等が挙げられる。反応温度は特に限定されず、反応は通常、冷却下ないし加温下に行なわれる。この反応によって、目的とする式(I)の化合物が生成される。
なお、以上の方法で得られた本発明による一般式(I)で表され且つ保護基をもつセフェム化合物において、必要であれば常法に従い、保護基の除去を行なってもよい。カルボキシル保護基又はアミノ保護基又はヒドロキシイミノ保護基の除去の方法は、脱離される保護基の種類により適宜選択される。アミノ保護基の脱離反応には加水分解又は加水素分解を行うことができ、またアミノ保護基がアシル基である化合物に対してはイミノハロゲン化剤、次いでイミノエーテル化剤を作用させた後、必要に応じて加水分解する方法等の慣用される任意の方法を適用できる。酸を用いた加水分解の方法はアミノ保護基を脱離させる一般的な方法の一つであり、例えばアルコキシカルボニル基、ホルミル基、トリチル基等の基の脱離に適用される。また使用される酸としては、ギ酸、トリフルオロ酢酸、塩酸等がアミノ保護基の種類に応じて適宜選択される。反応は無溶媒下でもまたは水、親水性有機溶媒もしくはそれらの混合溶媒の存在下でも行うことができる。またトリフルオロ酢酸を用いる場合はアニソールの存在下に反応を行ってもよい。カルボキシル保護基の脱離反応には加水分解、還元等の慣用される任意の方法を適用できる。酸を用いた加水分解の方法はカルボキシル保護基を脱離させる一般的な方法の一つであり、例えばシリル基、ジフェニルメチル基及びp−メトキシベンジル基等のの如きカルボキシル保護基の脱離に適用される。ヒドロキシイミノ基の保護に用いるメトキシエトキシメチル基のような低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキル基は塩化メチレン溶液中で四塩化チタンで処理することにより脱離できる。
上記の製造法で得られた式(I)のセフェム化合物が遊離カルボン酸の形である場合には、また必要に応じてカルボキシル基の代謝上不安定な無毒性エステル基への変換をおこなってもよい。代謝上不安定なエステルへの変換の方法はそれ自体公知の慣用されるエステル化方法、たとえばカルボン酸の形のセフェム化合物に導入すべきエステル形成基の反応性誘導体(例えばヨーダイドなどのハライド)を溶媒中で反応させる方法である。
以下、本発明を参考例と実施例により説明する。
参考例1
4−トリフルオロメチル−5−チアゾールアルデヒドの製造
4−トリフルオロメチル−5−チアゾールカルボン酸エチルエステル〔L. F. Lee et al., J. Heterocycl. Chem., 22. 1621(1985)〕2000mgのトルエン溶液25mlを−75℃に冷却し、ジイソブチルアルミニウムヒドリド1.58mlを滴下した。同温度で30分間撹拌した後、水3mlを加えて室温まで昇温した。1N塩酸を加えて撹拌後酢酸エチルで3回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下濃縮しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製して、標題化合物0.30mg(収率19%)を得た。
NMR(CDCl3):δ 9.14(1H,S), 10.29(1H,S)
実施例1
p−メトキシベンジル 7−〔2−トリチルオキシイミノ−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−クロロチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボキシレート(シン異性体)(シス異性体)の製造(製造法Aによる)
p−メトキシベンジル 7−〔2−トリチルオキシイミノ−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−クロロメチル−3−セフェム−4−カルボキシレート1532mgとトリフェニルホスフィン413mgのアセトン溶液12mlに室温にてヨウ化ナトリウム263mgを加え2時間撹拌した。
反応液を減圧下に濃縮乾固し次に塩化メチレン15mlを加える。得られた溶液に4−クロロ−5−チアゾールアルデヒド〔米国特許第4,839,350号明細書に示される〕243mgを加え、次いで5%炭酸水素ナトリウム水溶液12.6mlを加えた。室温で2時間撹拌後に分液し、水層は塩化メチレンにて抽出した。抽出液を有機層と混合して飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後に減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=3:2)で精製して、標題化合物1266mg(収率76%)を得た。
NMR(CDCl3):δ3.04(1H,d,J=18.9Hz),
3.43(1H,d,J=18.9Hz), 5.15(3H,m), 6.11(1H,m),
6.36(1H,d,J=12.8Hz), 6.44(1H,m),
6.64(1H,d,J=12.8Hz), 6.84(2H,m), 7.26(30H,m),
8.43(1H,s)
実施例2
7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−クロロチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸ナトリウム塩(シン異性体)(シス異性体)の製造
実施例1で得たp−メトキシベンジル 7−〔2−トリチルオキシイミノ−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−クロロチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボキシレート(シン異性体)(シス異性体)920mgと4−メトキシフェノール2050mgのアニソール溶液1.5mlに氷冷下トリフルオロ酢酸7mlを滴下した。氷冷下にて1時間撹拌後に、冷却したイソプロピルエーテルを加えた。
生じた沈澱を濾取しイソプロピルエーテルで洗浄し、乾燥させた後、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した。これを非イオン性吸着樹脂、ダイヤイオンHP−20のカラムで精製し、目的物を含む画分を集めて減圧下濃縮後に凍結乾燥して、標題化合物240mg(収率57%)を得た。
NMR(D2O):δ 3.41(1H,d,J=18.5Hz),
3.68(1H,d,J=18.5Hz), 3.81(3H,s),
5.43(1H,d,J=4.8Hz), 5.92(1H,d,J=4.8Hz),
6.43(1H,d,J=11.5Hz), 6.70(1H,d,J=11.5Hz),
7.03(1H,s), 8.87(1H,s)
実施例3
7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−クロロチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸ピバロイルオキシメチルエステル(シン異性体)(シス異性体)の製造
実施例2で得た7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−クロロチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸ナトリウム塩(シン異性体)(シス異性体)40mgをN,N−ジメチルホルムアミド1mlに溶解した。得られた溶液に氷冷下ヨードメチル ピバレート18.8mgを加え氷冷下の温度で1時間撹拌した。
反応液を酢酸エチルで希釈し少量の氷水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後に0.5mlまで減圧下濃縮した。濃縮液に冷却したイソプロピルエーテルを加え、生じた沈澱を濾取しイソプロピルエーテルで洗浄し、乾燥させて、標題化合物15mg(収率31%)を得た。
NMR(CDCl3):δ 1.14(9H,s), 3.35(1H,d,J=18.0Hz),
3.58(1H,d,J=18.0Hz), 5.18(1H,d,J=5.4Hz),
5.77(1H,d,J=5.1Hz), 5.85(1H,d,J=5.1Hz),
5.98(1H,dd,J=5.4, 9.0Hz), 6.45(1H,d,J=11.7Hz),
6.72(1H,d,J=11.7Hz), 7.10(1H,br), 8.01(1H,s)
8.65(1H,s), 10.78(1H,br)
実施例4
p−メトキシベンジル 7−〔2−トリチルオキシイミノ−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−トリフルオロメチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボキシレート(シン異性体)(シス異性体)の製造
p−メトキシベンジル 7−〔2−トリチルオキシイミノ−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−クロロメチル−3−セフェム−4−カルボキシレート919mg,トリフェニルホスフィン259mg;ヨウ化ナトリウム148mg,及び参考例1により製造した4−トリフルオロメチル−5−チアゾールアルデヒド179mgを用いて、実施例1と同様に反応と精製を行い、標題化合物700mg(収率64%)を得た。
NMR(CDCl3):δ 2.98(1H,d,J=18.6Hz),
3.14(1H,d,J=18.6Hz), 3.90(3H,s),
5.10(1H,d,J=4.9Hz), 5.17(2H,s),
6.10(1H,dd,J=9.2, 4.9Hz), 6.43(1H,s),
6.53(1H,d,J=11.9Hz), 6.88(3H,m),
7.06(1H,d,J=9.2Hz), 7.29(33H,m), 8.48(1H,s)
実施例5
7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−トリフルオロメチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸ナトリウム塩(シン異性体)(シス異性体)の製造
実施例4で得たp−メトキシベンジル 7−〔2−トリチルオキシイミノ−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−トリフルオロメチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボキシレート(シン異性体)(シス異性体)700mgを用いて、実施例2と同様に反応と精製を行い、標題化合物166mg(53%)を得た。
NMR(D2O):δ 3.36(1H,d,J=17.9Hz),
3.63(1H,d,J=17.9Hz), 5.38(1H,d,J=4.9Hz),
5.90(1H,d,4.9Hz), 6.59(1H,d,J=11.9Hz),
6.86(1H,d,J=11.9Hz), 6.99(1H,S), 8.94(1H,s)
実施例6
7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−トリフルオロメチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸ピバロイルオキシメチルエステル(シン異性体)(シス異性体)の製造
実施例5で得た7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−トリフルオロメチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸ナトリウム塩(シン異性体)(シス異性体)40mgを用いて、実施例3と同様にヨードメチル ピバレートとの反応と精製を行い、標題化合物13mg(27%)を得た。
NMR(DMSO-d6):δ 1.13(9H,s),
3.68(1H,d,J=18.0Hz), 3.84(1H,d,J=18.0Hz),
5.53(1H,d,J=5.1Hz), 5.91(1H,d,J=5.1Hz),
5.98(1H,d,J=5.3Hz), 6.17(1H,dd,J=5.3, 9.0Hz),
6.88(1H,d,J=11.7Hz), 7.07(1H,d,J=11.7Hz),
7.40(1H,br), 9.44(1H,s)9.80(1H,d,J=9.0Hz),
11.6(1H,s)
実施例7
p−メトキシベンジル 7−〔2−トリチルオキシイミノ−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−メチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボキシレート(シン異性体)(シス異性体)の製造(製造法Bのよる)
2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)−2−トリチルオキシイミノ酢酸(シン異性体)1000mgの塩化メチレン溶液15mlに、氷冷下N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド322mg及びヒドロキシペンズトリアゾール211mgを加え、室温で3時間撹拌した。次にp−メトキシベンジル 7−アミノ−3−〔2−(4−メチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボキシレート(シス異性体)660mgを加え5℃にて12.5時間放置した。不溶物を濾去し、減圧下に濃縮して得た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=2:3)で精製して、標題化合物1128mg(69%)を得た。
NMR(CDCl3):δ 2.45(3H,s), 3.10(1H,d,J=18.4Hz),
3.44(1H,d,J=18.4Hz), 3.83(3H,s), 5.15(3H,m),
6.11(1H,m), 6.32(1H,d,J=11.8Hz), 6.44(1H,s),
6.56(1H,d,J=11.8Hz), 6.83(3H,m), 7.30(33H,m),
8.49(1H,s)
実施例8
7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−メチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸ナトリウム塩(シン異性体)(シス異性体)の製造
実施例7で得たp−メトキシベンジル 7−〔2−トリチルオキシイミノ−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−メチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボキシレート(シン異性体)(シス異性体)1128mgを用いて、実施例2と同様に反応と精製を行い、標題化合物234mg(46%)を得た。
NMR(D2O):δ 2.39(3H,s), 3.36(1H,d,J=17.9Hz),
3.62(1H,d,J=17.9Hz), 5.40(1H,d,J=4.9Hz),
5.89(1H,d,J=4.9Hz), 6.32(1H,d,J=11.6Hz),
6.68(1H,d,J=11.6Hz), 7.00(1H,s), 8.79(1H,s)
実施例9
7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−メチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸ピバロイルオキシメチルエステル(シン異性体)(シス異性体)の製造
実施例8で得た7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−メチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸ナトリウム塩(シン異性体)(シス異性体)40mgを用いて、実施例3と同様にヨードメチル ピバレートとの反応と精製を行い、標題化合物13mg(27%)を得た。
NMR(DMSO-d6):δ 1.15(9H,s),
3.68(1H,d,J=18.0Hz), 3.84(1H,d,J=18.0Hz),
4.15(1H,d,J=5.3Hz), 5.72(1H,d,J=5.1Hz),
5.79(1H,d,J=5.1Hz), 5.92(1H,dd,J=5.3, 9.0Hz),
6.38(1H,d,J=11.5Hz), 6.75(1H,d,J=11.5Hz),
8.10(1H,br), 8.98(1H,s)9.60(1H,d,J=9.0Hz),
11.50(1H,s)
実施例10
p−メトキシベンジル 7−〔2−トリチルオキシイミノ−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(チアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボキシレート(シン異性体)(シス異性体及びトランス異性体)の製造(製造法Aによる)
p−メトキシベンジル 7−〔2−トリチルオキシイミノ−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−クロロメチル−3−セフェム−4−カルボキシレート1156mg、トリフェニルホスフィン256mg、ヨウ化ナトリウム185mg及び5−チアゾールアルデヒド640mgを用いて、実施例1と同様に反応を行い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:トルエン:酢酸エチル=5:1)で精製して、標題化合物のシス異性体400mgを、トランス異性体200mgを、シス異性体及びトランス異性体の混合物300mgとを得た(総収率93%)。
シス異性体
NMR(CDCl3):δ 3.09(1H,d,J=18.6Hz),
3.34(1H,d,J=18.6Hz), 3.80(3H,s), 5.15(3H,m),
6.10(1H,dd,J=5.2, 9.0Hz), 6.29(1H,d,J=11.8Hz),
6.45(1H,s), 6.65(1H,d,J=11.8Hz), 6.79(1H,br),
6.85(2H,d,J=8.8Hz), 7.25(33H,m), 7.72(1H,s),
8.58(1H,s)
トランス異性体
NMR(CDCl3):δ 3.49(2H,s), 3.82(3H,S),
5.08(1H,d,J=4.9Hz), 5.28(2H,s),
6.03(1H,dd,J=4.9, 8.8Hz), 6.44(1H,s),
6.82(1H,d,J=8.8Hz), 6.91(3H,m), 7.30(34H,m),
7.80(1H,s), 8.68(1H,s)
実施例11
7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(チアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸ナトリウム塩(シン異性体)(シス異性体)の製造
実施例10で得たp−メトキシベンジル 7−〔2−トリチルオキシイミノ−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(チアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボキシレート(シン異性体)(シス異性体)400mgを用いて、実施例2と同様に反応と精製を行い、標題化合物120mg(68%)を得た。
NMR(D2O):δ 3.41(1H,d,J=18.3Hz),
3.69(1H,d,J=18.3Hz), 5.45(1H,d,J=4.8Hz),
5.93(1H,d,J=4.8Hz), 6.33(1H,d,J=11.5Hz),
6.77(1H,d,J=11.5Hz), 7.03(1H,s), 7.81(1H,s),
8.89(1H,s)
実施例12
7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(チアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸ピバロイルオキシメチルエステル(シン異性体)(シス異性体)の製造
実施例11で得た7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(チアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸ナトリウム塩(シン異性体)(シス異性体)22mgを用いて、実施例3と同様にヨードメチル ピバレートとの反応と精製を行い、標題化合物8mg(30%)を得た。
NMR(DMSO-d6):δ 1.14(9H,s),
3.66(1H,d,J=18.0Hz), 3.85(1H,d,J=18.0Hz),
5.38(1H,d,J=5.3Hz), 5.68(1H,d,J=5.1Hz),
5.74(1H,d,J=5.1Hz), 5.90(1H,dd,J=5.3, 8.7Hz),
6.32(1H,d,J=11.2Hz), 6.71(1H,s),
6.82(1H,d,J=11.2Hz), 7.95(1H,br), 9.05(1H,s)
9.65(1H,d,J=8.7Hz)
実施例13
7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(チアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸ナトリウム塩(シン異性体)(トランス異性体体)の製造
実施例10で得たp−メトキシベンジル 7−〔2−トリチルオキシイミノ−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(チアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボキシレート(シン異性体)(トランス異性体)200mgを用いて、実施例2と同様に反応と精製を行い、標題化合物80mg(93%)を得た。
NMR(D2O):δ 3.70(1H,d,J=18.0Hz),
3.75(1H,d,J=18.0Hz), 5.29(1H,d,J=4.9Hz),
5.87(1H,d,J=4.9Hz), 6.91(1H,d,J=16.2Hz),
6.98(1H,s), 7.12(1H,d,J=16.2Hz), 7.80(1H,s),
8.81(1H,s)
実施例14
7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(チアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸ピバロイルオキシメチルエステル(シン異性体)(トランス異性体)の製造
実施例13で得た7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(チアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸ナトリウム塩(シン異性体)(トランス異性体)30mgを用いて、実施例3と同様にヨードメチル ピバレートとの反応と精製を行い、標題化合物12mg(34%)を得た。
NMR(DMSO-d6):δ 1.16(9H,s),
3.74(1H,d,J=18.5Hz), 4.17(1H,d,J=18.5Hz),
5.28(1H,d,J=5.2Hz), 5.84(1H,dd,J=5.0, 8.7Hz),
5.86(1H,d,J=5.4Hz), 5.94(1H,d,J=5.4Hz),
6.71(1H,s), 7.16(1H,d,J=16.4Hz), 7.95(1H,br),
9.08(1H,s), 9.54(1H,d,J=8.7Hz)
実施例15
p−メトキシベンジル 7−〔2−メトキシエトキシメチルオキシイミノ−2−(5−トリチルアミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)セトアミド〕−3−〔2−(4−メチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボキシレート(シン異性体)(シス異性体)の製造(製造法Bによる)
2−(5−トリチルアミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)−2−メトキシエトキシメチルオキシイミノ酢酸(シン異性体)900mgと7−アミノ−3−〔2−(4−メチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シス異性体)827mgの塩化メチレン溶液20mlに、−20℃にてピリジン0.63mlおよびオキシ塩化リン0.19mlを順次加えた。同じ−20℃の温度にて1時間撹拌後、氷水及び塩化メチレンを加え撹拌後に有機層を分離した。有機層は飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後に減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=1:4)で精製して、標題化合物1435mg(88%)を得た。
NMR(CDCl3):δ 2.41(3H,s), 3.23(1H,d,J=18.2Hz),
3.30(3H,s), 3.47(1H,d,J=18.2Hz), 3.54(2H,m),
3.80(3H,s), 3.91(2H,m), 5.12(2H,s),
5.31(1H,d,J=4.8Hz), 5.30(1H,d,J=7.5Hz),
5.41(1H,d,J=7.5Hz), 6.01(1H,dd,J=5.1, 8.4Hz),
6.31(1H,d,J=11.8Hz), 6.58(1H,d,J=11.8Hz),
6.82(2H,d,J=8.7Hz), 7.28(17H,m), 7.48(1H,s),
8.05(1H,d,J=8.5Hz), 8.56(1H,s)
実施例16
7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−メチルチアゾール5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸ナトリウム塩(シン異性体)(シス異性体)の製造
実施例15で得たp−メトキシベンジル 7−〔2−メトキシエトキシメチルオキシイミノ−2−(5−トリチルアミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−メチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボキシレート(シン異性体)(シス異性体)700mgの塩化メチレン溶液10mlに1.0M四塩化チタンの塩化メチレン溶液2.0mlを氷冷下で滴下し、1.5時間撹拌した。メトキシエトキシメチル基の脱離の反応が行われた。反応液5mlをとり、実施例2と同様な反応剤を加えて同様に反応と精製を行い、標題化合物35mgを得た。
NMR(D2O):δ 2.41(3H,s), 3.37(1H,d,J=18.2Hz),
3.65(1H,d,J=18.2Hz), 5.41(1H,d,J=4.8Hz),
5.94(1H,d,J=4.8Hz), 6.34(1H,d,J=11.8Hz),
6.69(1H,d,J=11.8Hz), 8.83(1H,s)
産業上の利用可能性
以上のように、本発明においては、各種の細菌に対して高い抗菌活性を有する新規なセフアロスポリン誘導体が得られた。これらセフアロスポリン誘導体は細菌感染症の治療に抗菌剤として有用である。

Claims (9)

  1. 次式(I)
    Figure 0003777191
    (式中、XはCHもしくはNであ 5 は水素原子、低級アルキル基、ハロ−(低級)アルキル基又はハロゲン原子を表わす)で示されるセフェム化合物のシン異性体、又はその製薬学的に許容できる塩又はエステル。
  2. 請求の範囲1に記載の式(I)のセフェム化合物が次式(Ia)
    Figure 0003777191
    〔式中、R5は水素原子、低級アルキル基、ハロ−(低級)アルキル基又はハロゲン原子を表す〕で示されるセフェム化合物のシン異性体、又はその4位カルボキシル基における製薬学的に許容できる塩又はエステルである請求の範囲1に記載の化合物。
  3. 請求の範囲1に記載の式(I)のセフェム化合物が次式(Ib)
    Figure 0003777191
    (式中、R5は水素原子、低級アルキル基、ハロ−(低級)アルキル基又はハロゲン原子を表わす)で示されるセフェム化合物のシン異性体、又はその4位カルボキシル基における製薬学的に許容できる塩又はエステルである請求の範囲1に記載の化合物。
  4. 請求の範囲1に記載の式(I)のセフェム化合物の塩又は請求の範囲2に記載の式(Ia)のセフェム化合物の塩又は請求の範囲3に記載の式(Ib)のセフェム化合物の塩が製薬学的に許容できるアルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムのカチオンとの塩である請求の範囲1、2又は3に記載の化合物。
  5. 請求の範囲1に記載の式(I)のセフェム化合物のエステル又は請求の範囲2に記載の式(Ia)のセフェム化合物のエステル又は請求の範囲3に記載の式(Ib)のセフェム化合物のエステルが低級アルコキシカルボニルオキシアルキル基、低級アルキルカルボニルオキシアルキル基及び置換基を有してもよい(2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル基から選ばれる、生体内で加水分解できて脱離できるエステル形成基との製薬学的に許容し得るエステルである請求の範囲1、2又は3に記載の化合物。
  6. 式(Ia)のセフェム化合物又はその塩又はそのエステルが7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−クロロチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体)(シス異性体);7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−トリフルオロメチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体)(シス異性体);7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−メチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体)(シス異性体);7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(チアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体)(シス異性体);又は7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(チアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体)(トランス異性体);あるいはこれらセフェム化合物のナトリウム塩、あるいはピバロイルオキシメチルエステル、アセトキシメチルエステル、1−アセトキシエチルエステル、1−(エトキシカルボニルオキシ)エチルエステル、(2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル又は(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステルである請求の範囲2に記載の化合物。
  7. 式(Ib)のセフェム化合物又はその塩又はそのエステルが7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−クロロチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体)(シス異性体);7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−トリフルオロメチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体)(シス異性体);7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−メチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体)(シス異性体);又は7−〔2−ヒドロキシイミノ−2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(チアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体)(シス異性体);あるいはこれらセフェム化合物のナトリウム塩、あるいはピバロイルオキシメチルエステル、アセトキシメチルエステル、1−アセトキシエチルエステル、1−(エトキシカルボニルオキシ)エチルエステル、(2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル又は(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステルである請求の範囲3に記載の化合物。
  8. 次式(Ia)
    Figure 0003777191
    (式中、R5は水素原子、低級アルキル基、ハロ−(低級)アルキル基又はハロゲン原子を表す)で示されるセフェム化合物のシン異性体、又はその4位カルボキシル基における製薬学的に許容できる塩又はエステル、あるいは次式(Ib)
    Figure 0003777191
    (式中、R5は水素原子、低級アルキル基、ハロ−(低級)アルキル基又はハロゲン原子を表わす)で示されるセフェム化合物のシン異性体、又はその4位カルボキシル基における製薬学的に許容できる塩又はエステルの少なくとも1つを、有効成分として含み、しかも有効成分が製薬学的に許容し得る固体状又は液体状の担体と混和されていることを特徴とする、抗菌性組成物。
  9. 請求の範囲2に記載の式(Ia)のセフェム化合物又は請求の範囲3に記載の式(Ib)のセフェム化合物、あるいはこれの製薬学的に許容できる塩又はエステルを抗菌剤の製造に使用する方法
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