JPH0641146A - 新規セフェム化合物 - Google Patents

新規セフェム化合物

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JPH0641146A
JPH0641146A JP19424992A JP19424992A JPH0641146A JP H0641146 A JPH0641146 A JP H0641146A JP 19424992 A JP19424992 A JP 19424992A JP 19424992 A JP19424992 A JP 19424992A JP H0641146 A JPH0641146 A JP H0641146A
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JP
Japan
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group
compound
ester
salt
acid
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Pending
Application number
JP19424992A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Terasawa
武志 寺澤
Ayako Nakamura
綾子 中村
Yumi Kitano
由美 北野
Koji Kawabata
浩二 川端
Kazuo Sakane
和夫 坂根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式 【化1】 (I) [式中、R1 はアミノ基またはアシルアミノ基、R2
は、カルボキシ基または保護されたカルボキシ基および
3 は適当な置換基を有していてもよい3〜8員飽和複
素単環基を意味する]で示される新規セフェム化合物お
よびその塩。 【効果】 目的化合物(I)および医薬として許容され
るその塩類は新規であり、強い抗菌作用を発揮してグラ
ム陽性菌およびグラム陰性菌を含む広汎な病原菌の成育
を防止し、抗菌薬として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高い抗菌活性を有す
る新規なセフェム化合物に関するものであり医療の分野
で利用される。
【0002】
【従来の技術】セフェム化合物は数多く知られている
が、この発明の下記一般式(I)で示されるセフェム化
合物は知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】抗菌活性を有し、医薬
として有用なセフェム化合物は数多く知られているが、
この発明はさらに優れた医薬品の開発を意図してなされ
たものである。
【0004】
【発明の構成】この発明の目的とするセフェム化合物は
新規であり、下記一般式(I)で示すことができる。
【0005】
【化3】 (I) [式中、R1 はアミノ基またはアシルアミノ基、R2
は、カルボキシ基または保護されたカルボキシ基および
3 は適当な置換基を有していてもよい3〜8員飽和複
素単環基を意味する。]
【0006】この発明のセフェム化合物(I)は下記に
説明する製造法によって製造することができる。 製造法1
【化4】
【0007】製造法2
【化5】
【0008】製造法3
【化6】
【0009】製造法4
【化7】
【0010】製造法5
【化8】
【0011】(式中、R1 、R2 およびR3 は前と同じ
意味であり、R1 aはアシルアミノ、R1 bは保護されたヒ
ドロキシを有するアシルアミノ、R1 cはヒドロキシを有
するアシルアミノ、R2 aは保護されたカルボキシ、およ
びXは脱離基を意味する)で示される化合物およびその
塩。
【0012】化合物(I)の医薬として許容される好適
な塩類は常用の無毒性塩であり、例えばナトリウム塩、
カリウム塩等のアルカリ金属塩および例えばカルシウム
塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩のような金
属塩、アンモニウム塩、例えばトリメチルアミン塩、ト
リエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、ジシクロ
ヘキシルアミン塩、N,N′−ジベンジルエチレンジア
ミン塩等の有機塩基塩、例えば酢酸塩、トリフルオロ酢
酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、
ベンゼンスルホン酸塩、ギ酸塩、トルエンスルホン酸塩
等の有機酸塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、沃化水素
酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、または例えばア
ルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸
との塩等が挙げられる。
【0013】この明細書の以上および以下の記載におい
て、この発明の範囲内に包含される種々の定義の好適な
例および説明を以下詳細に説明する。「低級」とは、特
に指示がなければ、炭素原子 1ないし6個(好ましくは
1ないし4個)を意味するものとする。
【0014】「高級」とは、、特に指示がなければ、炭
素原子7ないし20個を意味するものとする。
【0015】「アシルアミノ基」の好適な「アシル」部
分としては、カルバモイル、脂肪族アシル基および芳香
族アシルとして示される芳香環あるいは複素環アシルと
して示される複素環を含有するアシル基が挙げられる。
前記アシルの好適な例を以下に示す:低級または高級ア
ルカノイル(例えば、ホルミル、アセチル、スクシニ
ル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、バレリル、ステアロ
イル、等);低級または高級アルコキシカルボニル(例
えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−
ブトキシカルボニル、t−ペンチルオキシカルボニル、
ヘプチルオキシカルボニル、等);低級または高級アル
カンスルホニル(例えば、メタンスルホニル、エタンス
ルホニル、等);低級または高級アルコキシスルホニル
(例えば、メトキシスルホニル、エトキシスルホニル、
等)、等のような脂肪族アシル;アロイル(例えば、ベ
ンゾイル、トルオイル、ナフトイル、等);フェニル
(低級)アルカノイル(例えば、フェニルアセチル、フ
ェニルプロピオニル、等)のようなアル(低級)アルカ
ノイル;アリ−ルオキシカルボニル(例えば、フェノキ
シカルボニル、ナフチルオキシカルボニル、等);アリ
−ルオキシ(低級)アルカノイル(例えば、フェノキシ
アセチル、フェノキシプロピオニル、等);アリ−ルグ
リオキシロイル(例えば、フェニルグリオキシロイル、
ナフチルグリオキシロイル、等);アレ−ンスルホニル
(例えば、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニ
ル、等)、等のような芳香族アシル;複素環カルボニル
(例えば、テノイル、フロイル、ニコチノイル、等);
複素環(低級)アルカノイル(チエニルアセチル、チア
ゾリルアセチル、チアジアゾリルアセチル、テトラゾリ
ルアセチル、等);複素環グリオキシロイル(例えば、
チアゾリルグリオキシロイル、チエニルグリオキシロイ
ル、等)、等のような複素環アシル;但し、上記「複素
環カルボニル」、「複素環(低級)アルカノイル」およ
び「複素環グリオキシロイル」の複素環部分は、さらに
詳しくは、酸素、硫黄、窒素原子等のヘテロ原子を1個
以上含有する飽和または不飽和の単環または多環複素環
基を意味する。
【0016】特に好ましい複素環基としては、窒素原子
1〜4個を含有する不飽和3〜8員(さらに好ましくは
5または6員)複素単環基、例えば、ピロリル、ピロリ
ニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジルおよびその
N−オキシド、ジヒドロピリジル、ピリミジル、ピラジ
ニル、ピリダジニル、トリアゾリル(例えば、4H−
1,2,4−トリアゾリル、1H−1,2,3−トリア
ゾリル、2H−1,2,3−トリアゾリル、等)、テト
ラゾリル(例えば、1H−テトラゾリル、2H−テトラ
ゾリル、等)、等;窒素原子1〜4個を含有する飽和3
〜8員(さらに好ましくは5または6員)複素単環基、
例えば、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジ
ノ、ピペラジニル、等;窒素原子1〜4個を含有する不
飽和縮合複素環基、例えば、インドリル、イソインドリ
ル、インドリジニル、ベンズイミダゾリル、キノリル、
イソキノリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、
等;酸素原子1〜2個および窒素原子1〜3個を含有す
る不飽和3〜8員(さらに好ましくは5または6員)複
素単環基、例えば、オキサゾリル、イソキサゾリル、オ
キサジアゾリル(例えば、1,2,4−オキサジアゾリ
ル、1,3,4−オキサジアゾリル、1、2、5−オキ
サジアゾリル、等)、等;酸素原子1〜2個および窒素
原子1〜3個を含有する飽和3〜8員(さらに好ましく
は5または6員)複素単環基、例えば、モルホリニル、
シドノニル、等;酸素原子1〜2個および窒素原子1〜
3個を含有する不飽和縮合複素環基、例えば、ベンズオ
キサゾリル、ベンズオキサジアゾリル、等;硫黄原子1
〜2個および窒素原子1〜3個を含有する不飽和3〜8
員(さらに好ましくは5または6員)複素単環基、例え
ば、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル(例
えば、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チア
ジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5
−チアジアゾリル、等)、ジヒドロチアジニル、等;硫
黄原子1〜2個および窒素原子1〜3個を含有する飽和
3〜8員(さらに好ましくは5または6員)複素単環
基、例えば、チアゾリジニル、等;硫黄原子1〜2個を
含有する不飽和3〜8員(さらに好ましくは5または6
員)複素単環基、例えば、チエニル、ジヒドロジチイニ
ル、ジヒドロジチオリル、等;硫黄原子1〜2個および
窒素原子1〜3個を含有する不飽和縮合複素環基、例え
ば、ベンゾチアゾリル、、ベンゾチアジアゾリル、等;
酸素原子1個を含有する不飽和3〜8員(さらに好まし
くは5または6員)複素単環基、例えば、フリル、等;
酸素原子1個および硫黄原子1〜2個を含有する不飽和
3〜8員(さらに好ましくは5または6員)複素単環
基、例えば、ジヒドロオキサチイニル、等;硫黄原子1
〜2個を含有する不飽和縮合複素環基、例えば、ベンゾ
チエニル、ベンゾチイニル、等;酸素原子1個および硫
黄原子1〜2個を含有する不飽和縮合複素環基、例え
ば、ベンズオキサチイニル、等;のような複素環基、が
挙げられる。上記アシル部分は、低級アルキル(例え
ば、メチル、エチル、等);低級アルコキシ(例えば、
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、等);低級アルキル
チオ(例えば、メチルチオ、エチルチオ、等);低級ア
ルキルアミノ(例えば、メチルアミノ、等);シクロ
(低級)アルキル(例えば、シクロペンチル、シクロヘ
キシル、等);シクロ(低級)アルケニル(例えば、シ
クロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、等);ハロゲ
ン;アミノ;保護されたアミノ;ヒドロキシ;保護され
たヒドロキシ;シアノ;ニトロ;カルボキシ;保護され
たカルボキシ;スルホ;スルファモイル;イミノ;オキ
ソ;アミノ(低級)アルキル(例えば、アミノメチル、
アミノエチル、等);カルバモイルオキシ;シアノ(低
級)アルケニルチオ(例えば、シアノビニルチオ、
等);式:=N−OR6 (式中、R6 は水素また有機
基)で示される基、等のような同種または異種の適当な
置換基1〜10個を有していてもよい。
【0017】これと関連して、アシル部分が式:=N−
OR6 (式中、R6 は前記に同じ)で示される基を有す
る時、二重結合の存在に基づく幾何異性体(シンおよび
アンチ異性体)が存在する。例えば、シン異性体は式: で示される基を有する1つの幾何異性体を意味し、対応
するアンチ異性体は式: で示される基を有する別の幾何異性体を意味する。有機
基の例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル,ペン
チル、ヘキシル、等の低級アルキル基、例えばクロロメ
チル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチ
ル、クロロエチル、ジクロロエチル、トリクロロエチ
ル、フルオロエチル、トリフルオロエチル等のモノ(ま
たはジまたはトリ)ハロ(低級)アルキル基、例えばビ
ニル、1−プロペニル、アリル、1−メチルアリル、1
または2または3−ブテニル、1または2または3また
は4−ペンテニル、1または2または3または4または
5−ヘキセニル等の低級アルケニル基、例えばエチニ
ル、1−プロピニル、プロパルギル、1−メチルプロパ
ルギル、1または2または3−ブチニル、1または2ま
たは3または4−ペンチニル、1または2または3また
は4または5−ヘキシニル等の低級アルキニル基、例え
ばフェニル、ナフチル等のアリ−ル基、例えばベンジ
ル、フェネチル、フェニルプロピル等のフェニル(低
級)アルキル基のようなアル(低級)アルキル基、前述
したようなアシル基、カルボキシ(低級)アルキル基、
保護されたカルボキシ(低級)アルキル基、ヒドロキシ
(低級)アルキル基、保護されたヒドロキシ(低級)ア
ルキル基、ヒドロキシ保護基等が挙げられる。好適な
「保護されたカルボキシ基」としては、エステル化され
たカルボキシ基等が挙げられる。前記エステルの好適な
例としては、例えばメチルエステル、エチルエステル、
プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエス
テル、イソブチルエステル、第三級ブチルエステル、ペ
ンチルエステル、第三級ペンチルエステル、ヘキシルエ
ステル、1−シクロプロピルエチルエステル等の低級ア
ルキルエステル;例えばビニルエステル、アリルエステ
ル等の低級アルケニルエステル;例えばエチニルエステ
ル、プロピニルエステル等の低級アルキニルエステル;
例えばメトキシメチルエステル、エトキシメチルエステ
ル、イソプロポキシメチルエステル、t−ブトキシメチ
ルエステル、1−メトキシエチルエステル、1−エトキ
シエチルエステル等の低級アルコキシアルキルエステ
ル;例えばメチルチオメチルエステル、エチルチオメチ
ルエステル、エチルチオエチルエステル、イソプロピル
チオメチルエステル等の低級アルキルチオアルキルエス
テル;例えば2−ヨ−ドエチルエステル、2,2,2−
トリクロロエチルエステル等のモノ(またはジまたはト
リ)ハロ(低級)アルキルエステル;例えばアセトキシ
メチルエステル、プロピオニルオキシメチルエステル、
ブチリルオキシメチルエステル、バレリルオキシメチル
エステル、ピバロイルオキシメチルエステル、ヘキサノ
イルオキシメチルエステル、2−アセトキシエチルエス
テル、2−プロピオニルオキシエチルエステル等の低級
アルカノイルオキシ(低級)アルキルエステル;例えば
メシルメチルエステル、2−メシルエチルエステル等の
低級アルカンスルホニル(低級)アルキルエステル;例
えばベンジルエステル、4−メトキシベンジルエステ
ル、4−ニトロベンジルエステル、フェネチルエステ
ル、トリチルエステル、ベンズヒドリルエステル、ビス
(メトキシフェニル)メチルエステル、3,4−ジメト
キシベンジルエステル、4−ヒドロキシ−3,5−ジ第
三級ブチルベンジルエステル等の適当な置換基1個以上
を有していてもよいフェニル(低級)アルキルエステル
のようなアル(低級)アルキルエステル;例えばフェニ
ルエステル、トリルエステル、第三級ブチルフェニルエ
ステル、キシリルエステル、メシチルエステル、クメニ
ルエステル、4−クロロフェニルエステル、4−メトキ
シフェニルエステル等の置換されたまたは非置換フェニ
ルエステルのような適当な置換基1個以上を有していて
もよいアリ−ルエステル;トリ(低級)アルキルシリル
エステル;例えばメチルチオエステル、エチルチオエス
テル等の低級アルキルチオエステル等のようなものが挙
げられる。
【0018】好適な「保護されたヒドロキシ基」および
「保護されたヒドロキシを有するアシルアミノ基」にお
ける好適な「保護されたヒドロキシ部分」としては、ア
シルオキシ基または例えばベンズヒドリル、P−メトキ
シベンジル等の適当な置換基を有していてもよいアル
(低級)アルキル基のような常用の保護基で置換された
ヒドロキシ基等が挙げられる。好適な「3〜8員飽和複
素単環基」としては窒素原子1〜4個を有する飽和3〜
8員(さらに好ましくは5または6員)複素単環基、例
えばピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジノ、ピ
ペラジニル、等;酸素原子1〜2個および窒素原子1〜
3個を含有する飽和3〜8員(さらに好ましくは5また
は6員)複素単環基、例えばモルホリニル、シドノニ
ル、等;硫黄原子1〜2個および窒素原子1〜3個を含
有する飽和3〜8員(さらに好ましくは5または6員)
複素単環基、例えばチアゾリジニル、等;酸素原子1〜
4個を含有する飽和3〜8員(さらに好ましくは5また
は6員)複素単環基、例えばテトラヒドロフリル、等が
挙げられる。
【0019】「適当な置換基を有していてもよい3〜8
員飽和複素単環基」の「適当な置換基」としては、イミ
ノ保護基、等が挙げられ、好適な「イミノ保護基」とし
ては、前述したようなアシル基を挙げることができる。
【0020】好適な「脱離基」としては例えば塩素、臭
素、沃素等のハロゲン、例えばベンゼンスルホニルオキ
シ、トシルオキシ、メシルオキシ等のスルホニルオキシ
基、例えばアセチルオキシ、プロピオニルオキシ等の低
級アルカノイルオキシ基のようなアシルオキシ基等が挙
げられる。
【0021】目的化合物の好ましい実施態様を以下に示
す。R1 はアミノ基、低級アルコキシカルボニルアミノ
基、および次式で示される基:
【化9】 [式中、R4 はアミノ基または保護されたアミノ基(よ
り好ましくは、アシルアミノ基)、R5 は水素、有機基
(より好ましくは低級アルキル基またはアシル基;[さ
らに好ましくは低級アルカノイル基])およびZはNま
たはCHを示す。]、R2 はカルボキシ基またはエステ
ル化されたカルボキシ基[より好ましくはアル(低級)
アルコキシカルボニルまたは低級アルカノイルオキシ
(低級)アルキルオキシカルボニル;さらに好ましくは
ベンズヒドリルオキシカルボニルまたはアセトキシメト
キシカルボニル]、R3 は酸素原子1個を含有する飽和
3〜8員(さらに好ましくは5または6員)複素単環
基、[さらに好ましくはテトラヒドロフラニル]または
イミノ保護基を有していてもよい窒素原子1〜4個を含
有する飽和3〜8員(さらに好ましくは5または6員)
複素単環基、[さらに好ましくは低級アルコキシカルボ
ニルピロリジニルまたはピロリジニル]である。
【0022】製造法1 目的化合物(I) またはその塩は、化合物(II)またはその
塩を化合物(III) またはその塩と反応させることにより
製造することができる。化合物(II)および化合物(III)
の好適な塩としては、化合物(I) について例示したもの
と同じものを挙げることができる。反応は、通常、アセ
トン、ジオキサン、アセトニトリル、クロロホルム、塩
化メチレン、塩化エチレン、テトラヒドロフラン、酢酸
エチル、N,N−ジメチルホルムアミドのような慣用の
溶媒または反応に悪影響を及ぼさないその他のあらゆる
有機溶媒中で行われる。反応温度は特に限定されない
が、通常、冷却下ないし加温下に反応が行われる。この
反応は好ましくは、ハロゲン化アルカリ金属(例えばヨ
ウ化ナトリウム等)またはトリアルキルアミン(例えば
ジイソプロピルエチルアミン等)の有機塩基の存在下で
行われる。
【0023】製造法2 目的化合物(Ib)またはその塩は、化合物(Ia)またはその
塩を脱アシル化反応に付すことにより製造することがで
きる。化合物(Ia)および化合物(Ib)の好適な塩として
は、化合物(I) について例示したものと同じものを挙げ
ることができる。この反応は加水分解、還元等のような
常法により行われる。保護基がエステルの場合は、保護
基は加水分解によって除くことができる。加水分解は塩
基または酸(ルイス酸も含む)の存在下で行うことが望
ましい。好適な塩基としては、アルカリ金属(例えばナ
トリウム、カリウム、セシウム等)、アルカリ土類金属
(例えばマグネシウム、カルシウム等)、これらの水酸
化物または炭酸塩または炭酸水素塩、トリアルキルアミ
ン(例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン等)、
ピコリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン
−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オ
クタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウン
デク−7等のような無機塩基または有機塩基が挙げられ
る。好適な酸としては、有機酸(例えばギ酸、酢酸、プ
ロピオン酸、トリクロロ酢酸等)、無機酸(例えば塩
酸、臭化水素酸、硫酸等)が挙げられる。トリハロ酢酸
(例えばトリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等)等のよ
うなルイス酸を用いる脱離反応はカチオン捕捉剤(例え
ばアニソール、チオアニソ−ル、フェノール等)の存在
下に行うことが望ましい。還元4−ニトロベンジル、2
−ヨ−ドエチル、2,2,2−トリクロロエチル等の保
護基の脱離に適用することが望ましい。脱離反応に用い
ることのできる還元法としては、例えば金属(例えば亜
鉛、亜鉛アマルガム等)またはクロム化合物の塩(例え
ば塩化第一クロム、酢酸第一クロム等)と有機酸あるい
は無機酸(例えば酢酸、プロピオン酸、塩酸等)との組
み合わせを用いる還元ならびに常用の金属触媒(例え
ば、パラジウム−炭素など)の存在下における慣用の接
触還元が挙げられる。反応は通常、水、アルコ−ル(例
えばメタノ−ル、エタノ−ル等)、テトラヒドロフラ
ン、塩化メチレン、これらの混合物のような溶媒中また
は反応に悪影響を及ぼさないその他のあらゆる溶媒中で
行われる。液状塩基あるいは酸も溶媒として用いること
ができる。反応温度は特に限定されず、反応は通常冷却
下ないし室温ないし加温下で行われる。この発明におい
ては、化合物(Ia)がセフェム環の7位にあるアシルアミ
ノ基において1個以上の保護されたカルボキシ基を有す
る場合およびR2 が保護されたカルボキシ基である場合
に、前記の保護されたカルボキシ基が反応中に対応する
遊離カルボキシ基に変化する場合およびR3 がイミノ保
護基を有する3〜8員飽和複素単環基である場合前記の
イミノ保護基が反応中に脱離して3〜8員飽和複素単環
基に変化する場合もまたこの発明の範囲内に包含され
る。
【0024】製造法3 目的化合物(Ia)またはその塩は、化合物(Ib)またはアミ
ノ基におけるその反応性誘導体またはその塩をアシル化
反応に付すことによって、製造することができる。化合
物(Ib)のアミノ基における好適な反応誘導体としては、
化合物(Ib)とアルデヒド、ケトン等のようなカルボニル
化合物との反応によって生成するシッフ塩基型のイミノ
またはエナミン型互変異性体;化合物(Ib)とビス(トリ
メチルシリル)アセトアミド、モノ(トリメチルシリ
ル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)尿素等の
ようなシリル化合物との反応によって生成するシリル誘
導体;化合物(Ib)と三塩化燐またはホスゲンとの反応に
よって生成する誘導体等が挙げられる。このアシル化反
応で使用される好適なアシル化剤としては、式:R7
OH(XII) (式中R7 はアシル)で示される慣用のアシ
ル化剤またはその反応性誘導体もしくはその塩が挙げら
れる。化合物(Ib)および(Ia)の好適な塩としては、化合
物(I) の塩について例示したものと同じものを挙げるこ
とができる。化合物(XII) の適当な塩としては、無機塩
基との塩、例えばアルカリ金属塩(例えばナトリウム
塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(例えばカル
シウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩;有機
塩基との塩、例えば有機アミン塩(例えばトリエチルア
ミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン
塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン
塩、N,N′−ジベンジルエチレンジアミン塩等)等;
無機酸付加塩(例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、
リン酸塩等);有機カルボン酸付加塩または有機スルホ
ン酸付加塩(例えば、ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢
酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、
ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩
等);塩基性アミノ酸または酸性アミノ酸(例えばアル
ギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸等)との塩等の
塩基との塩または酸付加塩が挙げられる。化合物(XII)
の好適な反応性誘導体としては酸ハロゲン化物、酸無水
物、活性化アミド、活性化エステル等が挙げられる。そ
の好適な例としては、酸塩化物;酸アジド;置換された
リン酸(例えばジアルキルりん酸、フェニルりん酸、ジ
フェニルりん酸、ジベンジルりん酸、ハロゲン化りん酸
等)、ジアルキル亜りん酸、低級アルカンスルホン酸
(例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸等)、亜
硫酸、チオ硫酸、硫酸、アルキル炭酸、脂肪族カルボン
酸(例えば、ピバリン酸、ペンタン酸、イソペンタン
酸、2−エチル酪酸またはトリクロロ酢酸等)または芳
香族カルボン酸(例えば安息香酸等)のような酸との混
合酸無水物;対称酸無水物;イミダゾール、4−置換イ
ミダゾール、ジメチルピラゾール、トリアゾールまたは
テトラゾールとの活性化アミド;活性化エステル(例え
ばシアノメチルエステル、メトキシメチルエステル、ジ
メチルイミノメチル[(CH32+ =CH−]エス
テル、ビニルエステル、プロパルギルエステル、p−ニ
トロフェニルエステル、2,4−ジニトロフェニルエス
テル、トリクロロフェニルエステル、ペンタクロロフェ
ニルエステル、メシルフェニルエステル、フェニルアゾ
フェニルエステル、フェニルチオエステル、p−ニトロ
フェニルチオエステル、p−クレジルチオエステル、カ
ルボキシメチルチオエステル、ピラニルエステル、ピリ
ジルエステル、ピペリジルエステル、8−キノリルチオ
エステル等)、もしくはN−ヒドロキシ化合物(例えば
N,N−ジメチルヒドロキシルアミン、1−ヒドロキシ
−2−(1H)−ピリドン、N−ヒドロキシスクシンイ
ミド、N−ヒドロキシフタルイミド、1−ヒドロキシ−
6−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール等)とのエステ
ル等が挙げられる。これらの反応性誘導体は、使用すべ
き化合物(XII)の種類によって、これらの中から適宜選
択することができる。反応は、通常、水、メタノール、
エタノール、アセトン、ジオキサン、アセトニトリル、
クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレン、テトラヒ
ドロフラン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ピリジンのような慣用の溶媒または反応に悪影響を
及ぼさないその他のあらゆる有機溶媒中で行われる。こ
れらの慣用の溶媒は水と混合して用いてもよい。
【0025】化合物(XII)を遊離酸またはその塩の形で
この反応に使用する場合、反応を、N,N′−ジシクロ
ヘキシルカルボジイミド;N−シクロヘキシル−N′−
モルホリノエチルカルボジイミド;N−シクロヘキシル
−N′−(4−ジエチルアミノシクロヘキシル)カルボ
ジイミド;N,N′−ジエチルカルボジイミド、N,
N′−ジイソプロピルカルボジイミド;N−エチル−
N′−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミ
ド;N,N′−カルボニルビス−(2−メチルイミダゾ
ール);ペンタメチレンケテン−N−シクロヘキシルイ
ミン;ジフェニルケテン−N−シクロヘキシルイミン;
エトキシアセチレン;1−アルコキシ−1−クロロエチ
レン;亜りん酸トリアルキル;ポリリン酸エチル;ポリ
リン酸イソプロピル;オキシ塩化リン(塩化ホスホリ
ル);三塩化リン;塩化チオニル;塩化オキサリル;例
えばクロロギ酸エチル、クロロギ酸イソプロピル等のハ
ロギ酸低級アルキル;トリフェニルホスフィン;2−エ
チル−7−ヒドロキシベンズイソオキサゾリウム塩;2
−エチル−5−(m−スルホフェニル)イソオキサゾリ
ウムヒドロキシド分子内塩;1−(p−クロロベンゼン
スルホニルオキシ)−6−クロロ−1H−ベンゾトリア
ゾール;N,N−ジメチルホルムアミドと塩化チオニ
ル、ホスゲン、オキシ塩化リン等との反応によって調整
したいわゆるビルスマイヤー試薬のような慣用の縮合剤
の存在下に行うことが望ましい。反応はまた、アルカリ
金属炭酸水素塩、トリ(低級)アルキルアミン、ピリジ
ン、N−(低級)アルキルモルホリン、N,N−ジ(低
級)アルキルベンジルアミン等のような無機または有機
塩基の存在下に行うことが望ましい。反応温度は特に限
定されず、通常、冷却下ないし加温下で行われる。
【0026】製造法4 化合物(Id)またはその塩は、化合物(Ic)またはその塩を
ヒドロキシ保護基との脱離反応に付することにより製造
することができる。この脱離反応は、製造法2に開示し
た方法と同様にして行うことができる。この反応は、塩
化アンモニウムの存在下に行うのが好ましい。
【0027】製造法5 化合物(If)またはその塩は、化合物(Ie)またはその塩を
カルボキシ保護基の導入反応に付すことにより製造する
ことができる。この反応で使用されるカルボキシ保護基
の導入剤としてはアルコ−ルまたはその反応性等価物
(例えば塩化物、ヨ−化物等のハロゲン化物、スルホン
酸エステル、硫酸エステル、ジアゾ化合物等)のような
慣用のエステル化剤が上げられる。この反応は通常塩基
の存在下に行われる。好適な塩基としては、例えばアル
カリ金属水酸化物(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等)、アルカリ土類金属水酸化物(例えば水酸化
マグネシウム、水酸化カルシウム等)、炭酸アルカリ金
属(例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカ
リ土類金属炭酸塩(例えば炭酸マグネシウム、炭酸カル
シウム、炭酸セシウム等)炭酸水素アルカリ金属(例え
ば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、酢酸ア
ルカリ金属(例えば酢酸ナトリウム、酢酸カリウム
等)、りん酸アルカリ土類金属(例えばりん酸マグネシ
ウム、りん酸カルシウム等)、りん酸水素アルカリ金属
(例えばりん酸水素二ナトリウム、りん酸水素二カリウ
ム等)、等のような無機塩基およびトリアルキルアミン
(例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン等)、ピ
コリン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリ
ン、 1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5
−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタ
ン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウンデセ
ン−7−等 のような有機塩基が挙げられる。この反応
は、通常ベンゼン、N、N−ジメチルホルムアミド、テ
トラヒドロフラン、トルエン、メチレンクロリド、エチ
レンジクロリド、クロロホルム、のような溶媒または反
応に悪影響を及ぼさないその他の溶媒中で行われる。反
応温度は特に限定されず、通常冷却下ないし加温下に行
われる。
【0028】目的化合物(I)および医薬として許容さ
れるその塩類は新規であり、強い抗菌作用を発揮してグ
ラム陽性菌およびグラム陰性菌を含む広汎な病原菌の成
育を防止し、抗菌薬として有用である。ここに目的化合
物(I)の有用性を示すために、この発明の代表的化合
物のMIC(最小発育防止濃度)についての試験結果を
以下に示す。試験法 :試験管内抗菌活性を下記寒天平板倍数希釈法に
より測定した。各試験菌株をトリプトケ−ス−ソイ−ブ
ロス中一夜培養してその1白金耳(生菌数106 個/m
l)を、各濃度段階の代表的試験化合物を含むハ−トイ
ンフ−ジョン寒天(HI−寒天)に接種し、37℃、2
0時間インキュベ−トした後、最小発育阻止濃度(MI
C)をμg/mlで表した。試験化合物 7 β-[2-(2-アミノチアソ゛-ル-4-イル)-2-メトキシイミノアセトアミト゛]-3-(テト
ラヒト゛ロフラン-3-イル)チオメチル-3-セフェム -4-カルホ゛ン酸(シン 異性体) 試験結果
【0029】治療用として投与するために、この発明の
目的化合物(I)および医薬として許容されるその塩類
は、経口投与、非経口投与および外用投与に適した有機
もしくは無機固体状もしくは液状賦形剤のような医薬と
して許容される担体と混合して、前記化合物を有効成分
として含有する常用の医薬製剤の形で使用される。医薬
製剤は錠剤、顆粒、粉剤、カプセルのような固体の形、
または溶液、懸濁液、シロップ、エマルジョン、レモネ
ードなどのような液体の形とすればよい。必要に応じて
上記製剤中に助剤、安定剤、湿潤剤およびその他、乳
糖、クエン酸、酒石酸、ステアリン酸、ステアリン酸マ
グネシウム、白土、ショ糖、トウモロコシデンプン、タ
ルク、ゼラチン、寒天、落花生油、オリーブ油、カカオ
脂、エチレングリコールなどの通常使用される添加剤が
含まれていてもよい。化合物(I)の投与量は、患者の
年齢、条件、疾患の種類、使用する化合物(I)の種類
などによって変化する。一般的には1日あたり1mg〜約
4000mgの範囲もしくはそれ以上を患者に投与すれば
よい。この発明の目的化合物(I)は平均1回投与量約
50mg、100mg、250mg、500mg、1000mgを
病原菌感染症治療に使用すればよい。
【0030】以下、実施例に従ってこの発明をさらに詳
細に説明する。実施例1 7β−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−クロロメチ
ル−3−セフェム−4−カルボン酸ジフェニルメチル
(36.95g)及び3−メルカプトテトラヒドロフロ
ン(11.21g)のN,N−ジメチルホルムアシド
(260ml)溶液を5℃まで冷却する。この混合物に
ヨウ化ナトリウム(10.75g)を加え、混合物を5
℃で15分間、室温で4日間暗所で攪拌する。反応混合
物を氷水(3.5l)6N塩酸(35ml)の混合物中
に注ぐ。沈殿を濾取しテトラヒドロフランに溶解する。
溶液に酢酸エチル、水および食塩を加える。有機層を分
取し、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶
媒を減圧下に留去する。残渣をシリカゲルを使用するク
ロマトグラフィに付して 7β−t−ブトキシカルボニ
ルアミノ−3−(テトラヒドロフラン−3−イル)チオ
メチル−3−セフェム−4−カルボン酸ジフェニルメチ
ル(25.5g)を得る。 IR(Nujol,cm-1): 1775,1710,1510 NMR(DMSO-d6)δ: 1、41(9H,s),1.4-1.7(1H,m),1.8-2.3(1
H,m),3.0-3.8(9H,m),5.17(1H,d,J=5Hz),5.51(1H,dd,J=
5.8Hz),6.93(1H,s),7.2-7.5(10H,m),8.0 オヨヒ゛ 8.1(tota
l 1H,d,J=8Hz)
【0031】実施例2 7β−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−ヨ−ドメチ
ル−3−セフェム−4−カルボン酸ジフェニルメチル
(1.82g)のN,N−ジメチルホルムアミドの溶液
(18ml)に(3S)−1−t−ブトキシカルボニル
−3−メルカプトピロリジン(915mg)を加え、次
いでN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.52m
l)を滴下する。混合物を5℃で40分間攪拌する。反
応混合物を水(130ml)と6N塩酸(0.5ml)
との混合物中に注ぐ。沈殿を濾取し、テトラヒドロフラ
ン(50ml)に溶解する。水(80ml)を溶液に加
える。混合物を酢酸エチル(80ml)で抽出する。有
機層を分取し、水と食塩水で洗浄し、硫酸マクネシウム
で乾燥し、溶媒を減圧下に留去する。残渣をジイソプロ
ピルエ−テルで粉砕する。沈殿を濾取し、乾燥して 7
β−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−[(3S)−
1−t−ブトキシカルボニルピロリジン−3−イル]チ
オメチル−3−セフェム−4−カルボン酸ジフェニルメ
チル得る。 IR(Nujol,cm-1): 3300,1780,1710,1675,1525 NMR(DMSO-d6)δ: 1.39(9H,s),1.41(9H,s),1.5-1.8(1H,
m),1.9-2.1(1H,m),2.9-3.7(9H,m),5.16(1H,d,J=5Hz),5.
50(1H,dd,J=5,9Hz),6.92(1H,s),7.2-7.5(10H,m),8.00(1
H,d,J=9Hz)
【0032】実施例3 7β−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−(テトラヒ
ドロフラン−3−イル)チオメチル−3−セフェム−4
−カルボン酸ジフェニルメチル(25.4g)のジクロ
ロメタン(127ml)とアニソ−ル(25ml)の溶
液を5℃に冷却する。溶液にトリフルオロ酢酸(50.
8ml)を滴下し、混合物を室温で3時間攪拌する。反
応混合物をジイソプロピルエ−テル中に注ぎ、沈殿を濾
取し、ジイソプロピルエ−テルで洗浄し、減圧下に乾燥
して、7β−アミノ−3−(テトラヒドロフラン−3−
イル)チオメチル−3−セフェム−4−カルボン酸・ト
リフルオロ酢酸塩(13.4g)を得る。 NMR(DMSO-d6)δ: 1.5-1.8(1H,m),2.0-2.3(1H,m),3.2-4.
0(9H,m),5.01(1H,d,J=5Hz),5.17(1H,d,J=5Hz)
【0033】実施例4 7β−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−[(3S)
−1−t−ブトキシカルボニルピロリジン−3−イル]
チオメチル−3−セフェム−4−カルボン酸ジフェニル
メチル(890mg)のジクロロメタン(4.5ml)
とアニソ−ル(0.9ml)の溶液に、トリフルオロ酢
酸(1.8ml)を5℃で滴下する。混合物を5℃で1
時間、室温で5時間攪拌する。反応混合物を減圧下で濃
縮し、ジイソプロピルエ−テルで粉砕する。沈殿を濾取
し、ジイソプロピルエ−テルで洗浄し、減圧下で乾燥し
て7β−アミノ−3−[(3S)−ピロリジン−3−イ
ル]チオメチル−3−セフェム−4−カルボン酸・二ト
リフルオロ酢酸塩(790mg)を得る。 NMR(DMSO-d6)δ: 1.7-1.9(1H,m),2.2-2.4(1H,m),2.9-4.
0(9H,m),5.12(1H,d,J=5Hz),5.23 (1H,d,J=5Hz),9.18(2
H,brs)
【0034】実施例5 7β−アミノ−3−(テトラヒドロフラン−3−イル)
チオメチル−3−セフェム−4−カルボン酸(5.17
mg)の塩化メチレン(100ml)溶液に、ビス(ト
リメチルシリル)アセトアミド(8.9ml)を加え、
混合物を室温で10分間攪拌し、5℃まで冷却する。溶
液に2−(2−アミノチアゾ−ル−4−イル)−2−メ
トキシイミノアセチルクロリド・塩酸塩(シン異性体)
(3.69g)を加える。混合物を5℃で2.5時間攪
拌する。反応応合物をジイソプロピルエ−テル中に注
ぐ。沈殿物を濾取しジイソプロピルエ−テルで洗浄し、
減圧下で乾燥し粗生成物を得る。粗生成物を水(500
ml)にけん濁させ、けん濁液をPH7に調整し、溶液
をpH4.3に調節し、ダイヤイオンHP−20(商
標:三菱化成社製)を使用するクロマトグラフィ−に付
し、10−40%のイソプロピルアルコ−ル水溶液で溶
出する。溶出液を濃縮し、生成する沈殿を濾取し、減圧
下に五酸化リンで乾燥し、7β−[2−(2−アミノチ
アゾ−ル−4−イル)−2−メトキシイミノアセトアミ
ド]−3−(テトラヒドロフラン−3−イル)チオメチ
ル−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体)
(1.23g)を得る。濾液を凍結乾燥し2番目の収量
(1.92g)を得る。 IR(Nujol,cm-1): 1760,1660 NMR(DMSO-d6)δ: 1.5-1.7(1H,m),2.21(1H,oct,J=6Hz),
3.4-4.0(9H,m),3.84(3H,s),5.19(1H,d,J=5Hz),5.73(1H,
dd,J=5.8Hz),6.75(1H,s),7.22(2H,br,s),9.61 オヨヒ゛ 9.6
4(total 1H,d,J=8Hz)
【0035】実施例6(1) 実施例5と同様にして下記化合物を得る。7β−[2−
(2−アミノチアゾ−ル−4−イル)−2−アセトキシ
イミノアセトアミド]−3−(テトラヒドロフラン−3
−イル)チオメチル−3−セフェム−4−カルボン酸
(シン異性体) NMR(DMSO-d6)δ: 1.5-1.7(1H,m),2.20(3H,s),2.1-2.3(1
H,m),3.2-4.0(9H,m),5.25(1H,d,J=5Hz),5.80(1H,dd,J=
5,8Hz),7.17(1H,s),9.97 オヨヒ゛ 9.99(total 1H,d,J=8Hz)
【0036】実施例6(2) 実施例5と同様にして下記化合物を得る。7β−[2−
(2−アミノチアゾ−ル−4−イル)−2−メトキシイ
ミノアセトアミド]−3−[(3S)−ピロリジン−3
−イル]チオメチル−3−セフェム−4−カルボン酸
(シン異性体)(200mg)を得る。 IR(Nujol,cm-1): 1750,1620,1530 NMR(DMSO-d6)δ: 1.6-1.8 (1H,m),2.1-2.4(1H,m),2.9-
4.1(9H,m),3.83 (3H,s),5.07(1H,d,J=5Hz),5.59 (1H,d
d,J=5,8Hz),6.74(1H,s),7.22(2H,br,s),9.56 (1H,d,J=8
Hz)
【0037】実施例7 7β−[2−(2−アミノチアゾ−ル−4−イル)−2
−アセトキシイミノアセトアミド]−3−(テトラヒド
ロフラン−3−イル)チオメチル−3−セフェム−4−
カルボン酸(シン異性体)(12.8g)の水(640
ml)とメタノ−ル(32ml)中懸濁液に塩化アンモ
ニウム(3.90g)を加える。混合物をpH8に調整
し、pH8、室温で4.5時間攪拌する。この混合物を
pH6に調整し、メタノ−ルを減圧下で留去する。混合
物をpH4.3に調整し、ダイヤイオンHP−20(商
標:三菱化成社製)を使用するクロマトグラフィ−に付
し、8−15%のイソピロピルアルコ−ル水溶液で溶出
する。溶出液を減圧下で濃縮し、凍結乾燥し、7β−
[2−(2−アミノチアゾ−ル−4−イル)−2−ヒド
ロキシイミノアセトアミド]−3−(テトラヒドロフラ
ン−3−イル)チオメチル−3−セフェム−4−カルボ
ン酸(シン異性体)(1.30g)を得る。 IR(Nujol,cm-1): 3200,1745,1640,1570,1525 NMR(DMSO-d6)δ: 1.61(1H,m),2.21 (1H,m),3.2-4.9(9H,
m),5.06(1H,d,J=5Hz),5.62(1H,dd,J=5,8Hz),6.65(1H,
s),7.14(2H,br,s),9.40 オヨヒ゛ 9.44(total 1H,d,J=8Hz)
【0038】実施例8 7β−[2−(2−アミノチアゾ−ル−4−イル)−2
−ヒドロキシイミノアセトアミド]−3−(テトラヒド
ロフラン−3−イル)チオメチル−3−セフェム−4−
カルボン酸(シン異性体)(800mg)のN,N−ジ
メチルアセトアミド(8ml)溶液に、炭酸セシウム
(295mg)を加える。この混合物を室温で1時間攪
拌し、5℃まで冷却する。この混合物にピバリン酸ヨ−
ドメチル(399mg)を加える。混合物を5℃で6時
間攪拌する。反応混合物を酢酸エチルと氷水の混合物中
に注ぐ。有機層を分取し、水、希炭酸水素ナトリウム水
溶液および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
し、減圧下で溶媒を留去する。残渣をシリカゲルを使用
するクロマトグラフィ−に付し、7β−[2−(2−ア
ミノチアゾ−ル−4−イル)−2−ヒドロキシイミノア
セトアミド]−3−(テトラヒドロフラン−3−イル)
チオメチル−3−セフェム−4−カルボン酸ピバロイル
オキシメチル(シン異性体)(184mg)を得る。 IR(Nujol,cm-1): 1770,1750,1660,1610,1520 NMR(DMSO-d6)δ: 1.16(9H,s),1.6-1.8(1H,m),2.1-2.3(1
H,m),3.3-4.0(9H,m),5.23(1H,d,J=5Hz),5.7-5.9(3H,m),
6.66(1H,s),7.12(2H,br,s),9.52 (1H,d,J=8Hz),11.3(1
H,s)
【0039】実施例9 7β−[2−(2−アミノチアゾ−ル−4−イル)−2
−メトキシイミノアセトアミド−3−(テトラヒドロフ
ラン−3−イル)チオメチル−3−セフェム−4−カル
ボン酸(シン異性体)(300mg)のN,N−ジメチ
ルホルムアミド(3ml)の溶液に炭酸カリウム(46
mg)を加える。混合物を室温で10分間攪拌し、5℃
まで冷却する。混合物にピバル酸ヨ−ドメチル(145
mg)を加える。混合物を5℃で6時間攪拌する。反応
混合物を酢酸エチルと氷水の混合物中に注ぐ。有機層を
分取し、水、希炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水
で洗浄し、減圧下で溶媒を留去する。この残渣をジイソ
プロピルエ−テルで粉砕する。沈殿を濾取し、乾燥して
7β−[2−(2−アミノチアゾ−ル−4−イル)−2
−メトキシイミノアセトアミド−3−(テトラヒドロフ
ラン−3−イル)チオメチル−3−セフェム−4−カル
ボン酸ピバロイルオキシメチル(シン異性体)(279
mg)を得る。 IR(Nujol,cm-1): 1770,1740,1670,1525 NMR(DMSO-d6)δ: 1.16(9H,s),1.6-1.8(1H,m),2.1-2.3(1
H,m),3.4-4.0(9H,m),3.84(3H,s),5.23(1H,d,J=5Hz),5.7
8(1H,dd,J=5,8Hz),5.82 オヨヒ゛ 5.90(2H,ABq,J=6Hz),6.75(1H,s),7.23(2H,br,s),9.62
オヨヒ゛ 9.66(total 1H,d,J=8Hz)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式: 【化1】 [式中、R1 はアミノ基またはアシルアミノ基、R2
    は、カルボキシ基または保護されたカルボキシ基および
    3 は適当な置換基を有していてもよい3〜8員飽和複
    素単環基を意味する]で示される新規セフェム化合物お
    よびその塩。
  2. 【請求項2】R1 がアミノ基、低級アルコキシカルボニ
    ルアミノ基、または次式で示される基: 【化2】 [式中、R4 はアミノ基または保護されたアミノ基、R
    5 は水素または有機基、およびZはNまたはCHを示
    す。]、R2 がカルボキシ基またはエステル化されたカ
    ルボキシ基、R3 が酸素原子1個を含有する飽和3〜8
    員複素単環基、またはイミノ保護基を有していてもよい
    窒素原子1〜4個を含有する飽和3〜8員複素単環基で
    ある請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】R4 がアミノ基またはアシルアミノ基、R
    5 が水素、低級アルキル基またはアシル基、R2 がカル
    ボキシ基、アル(低級)アルコキシカルボニルまたは低
    級アルカノイルオキシ(低級)アルキルオキシカルボニ
    ル、R3 が酸素原子1個を含有する飽和5または6員複
    素単環基、またはイミノ保護基を有していてもよい窒素
    原子1〜4個を含有する飽和5または6員複素単環基で
    ある請求項2記載の化合物。
  4. 【請求項4】R5 が水素、低級アルキル基、低級アルカ
    ノイル基、R2 がカルボキシ基、ベンズヒドリルオキシ
    カルボニルまたはアセトキシメトキシカルボニル、R3
    がテトラヒドロフラニルまたは低級アルコキシカルボニ
    ルピロリジニルまたはピロリジニルである請求項3記載
    の化合物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US4860192A (en) * 1985-02-22 1989-08-22 Intergraph Corporation Quadword boundary cache system
US4884197A (en) * 1985-02-22 1989-11-28 Intergraph Corporation Method and apparatus for addressing a cache memory
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