JP3777060B2 - アイソレータ装置の連通機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、局所的清浄空間を形成するためのアイソレータ装置相互の連通機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体や電子部品、または医薬品を製造する工場などでは、清浄な空気雰囲気中にて各部品の組み付け,加工,充填などを行うためにクリーンルームが一般的に用いられる。このクリーンルームにあっては、室内全体を例えば一方向流(いわゆる層流)を用いた大量の清浄空気により高清浄度を維持する方法が一般的に採用されている。
【0003】
しかしながらクリーンルームを用いる場合には、その初期投資、維持費が膨大であり、そこで、コストの低減等を目的に、所要部分のみに高度な清浄雰囲気を形成するというクリーンルームの局所化が重要な課題となっている。この技術手段として、アイソレータ装置、ミニエンバイロメントなどにより局所空間を構成するようにした手段が提案されている。
【0004】
この清浄雰囲気の局所化は、例えば半導体工場の場合には、ウエハー周辺の局所空間のみを高清浄度に維持された清浄空間とするものである。また、医薬品製造工場などの場合には、無菌充填済みのバイアル瓶やアンプル瓶、あるいは滅菌済みのゴム栓などのパーツを、いわゆるアイソレータ装置といわれる無菌および高清浄度を維持した中で、製造、あるいは搬送する方法が取られている。
【0005】
ところで、このような清浄化された局所空間相互を接続するには、周囲が汚染されているために細心の注意が求められ、特殊な2重扉構造のいわゆる無菌フランジ、あるいはRTP (ラピッドトランスファポート)フランジといわれる接続部品により汚染部分を封じ込める機械的なシーリングを用いた連通手段がとられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記接続フランジは、汚染部分を最小とするため、パッキン形状が複雑化して丈夫に設計できず、その耐久性、ひいては密閉性能に対する信頼性が乏しい。さらにある程度、強い締め込み力が必要なために、その時生じる摩滅、摺摩などによる発塵や、機密性の低下などの懸念を抱え、しかも状態の確認、検証(バリデーション)が難しい。あわせて、接続エリアは、清浄空気を流すことができず、可変連通路全域にわたる清浄空間を確保できない。特に、このような問題は接続、切り離しの工程を短時間で行うことが必要な場合や、かかる工程の頻度が多い場合にはより重大となる。
【0007】
本発明は、クリーンルームにおける無菌・無塵状態を維持したアイソレータ装置にあって、遮閉状態及び連通状態のいずれの場合にも、その内部に汚染空気が侵入することがなく、かつ上述の各問題点を解決し得る連通機構を提案し、信頼性の高い無菌・無塵システムを構築することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内部を無菌・無塵状態を維持して遮閉化されるアイソレータ装置に、他のアイソレータ装置と相互に連通する可変連通路を設け、
かつ該可変連通路を、その少なくとも一面を構成する可動ゲートの開閉作動により、アイソレータ装置の遮閉状態で閉狭路態様とし、アイソレータ装置相互の連通状態で開広路態様とすると共に、
該可変連通路の周面に空気吹き出し面を形成し、該空気吹き出し面から常に可変連通路側へ空気圧を印加するようにし、さらに可変連通路の閉狭路態様で、当該可変連通路を構成する可動ゲートが作動位置を規定されることにより形成されたクリアランスを連通狭隙として、空気吹き出し面からの清浄空気が連通狭隙を通過して外部へ常時排出されるようにしたことを特徴とするアイソレータ装置の連通機構である。
【0009】
かかる構成にあって、アイソレータ装置相互を接続する場合にあって、可動ゲートの外面を相互に当接して、同時に開放作動を行い、夫々の可変連通路を開広路態様にして連続させる。これにより、連通する可変連通路対を介して一方のアイソレータ装置の庫内にあるワーク(被処理物品)を他方のアイソレータ装置の庫内へ移送可能となる。
【0010】
この連通状態にあって、空気吹き出し面からは常に可変連通路側へ空気圧が印加されており、可変連通路は外周囲の空気圧に対して陽圧となる。このため、アイソレータ装置相互の当接面間にクリアランスがあっても、外部の汚染された空気が内部に侵入することはない。
【0011】
次に、ワークの移送が終了すると、各アイソレータ装置の可動ゲートを同時的に閉鎖駆動し、可変連通路を夫々閉狭路態様として、各庫内を遮閉化した後に、相互に分離する。この可動ゲートが閉鎖位置の場合にあって、閉狭路態様にある可変連通路には空気圧が常に印加されており、このため、この閉狭路態様で可変連通路にクリアランスがあっても、汚染空気が侵入しない。
【0012】
ここで、上述のように閉狭路態様の可変連通路に連通狭隙を確保し、これによりその閉鎖状態でも連通狭隙から、常に空気が外部へ噴出するようにした場合は、可変連通路が閉狭路態様となると、空気吹き出し面からの空気圧が上昇することとなり、このため、該連通狭隙により庫外に向かう清浄空気の高速気流が生成され、その通過表面である可変連通路の周囲面が清浄化されると共に、外部の汚染空気の侵入が確実に防止される。
【0013】
ここで、可変連通路の静圧,風速,風量あるいは清浄度を測定することにより、可変連通路の状態検証を常時行うようにする。すなわち、従来の連通機構のように、周囲雰囲気と、庫内の空気の連通を機械的なシーリングにより完全に遮断するという発想であると、外部から汚染空気の侵入に対して常時監視する手段がない。しかるにかかる構成であると、空気が所定量,又は所定圧、外へ流出している状態では、汚染空気の侵入はないものと考えることができ、その計測値が一定以上であるかどうかを確認することにより、常時監視が可能となる。
ここで空気吹き出し面は、可変連通路の上面のみではなく、下面又は側面に形成することができる。
【0014】
【発明実施の形態】
次に本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
図1,図2は、本発明の開口接続部10を備えた移動アイソレータ装置1aと固定アイソレータ装置1bとを用いた、無菌・無塵処理システムの一例を示すものである。
【0015】
ここで、離間して配置された固定アイソレータ装置1b,1b間には、移動アイソレータ装置1aが配備されている。
【0016】
この各アイソレータ装置1a,1bはその庫内を清浄空間としているものであり、かかる清浄空間が作業者により汚染されないように、外部周囲と遮断する筐壁に作業孔2を適宜に形成し、該作業孔2に、手作業を可能とするグローブ3などを取付けると共に、該作業孔2をグローブ3で密閉している。作業者は外からグローブ3に手を挿入し、該グローブ3を介して庫内のワークの加工,処理,調整などの作業を行うこととなる。その他、作業孔2には、作業者が上半身を庫内に挿入可能とするハーフスーツ、全身を庫内に位置させながら該庫内と作業者とを遮断するフルスーツなどの隠蔽被覆材が設けられる。
【0017】
固定アイソレータ装置1b,1b間に設けられる移動アイソレータ装置1aは、相互に設けられた開口接続部10a,10bを介して固定アイソレータ装置1bに接続され、その庫内間をワークwが移送される。
【0018】
すなわち、移動アイソレータ装置1aには一面側に開口接続部10aが設けられ、他面側に手押し用把手11が設けられており、一方の固定アイソレータ装置1bからワークwを受け取った後、その下部に設けたキャスタ5により180度転回して、該開口接続部10aの位置を反転し、その開口接続部10aを他方の固定アイソレータ装置1bの開口接続部10bに接続し、開口接続部10a,10bを開放作動して、庫内相互を連通する。そして移動アイソレータ装置1a内のワークwが固定アイソレータ装置1b内へ移送される。ここで各庫内のワークwの移送は、その内部に設けられたコンベヤで自動搬送されるか、又はワークwを支持するトレー76をグローブ3により手作業で移送することにより行われる。
【0019】
このように開口接続部10a,10b相互の接続を介して、アイソレータ装置1a,1bの局所的な清浄空間が連通し、さらに該清浄空間内でワークwの処理が行われ、かつ順次次工程に移送される。
【0020】
図3〜5は、アイソレータ装置1a,1bの接続作動を段階的に示す側面図である。ここで、固定アイソレータ装置1bの前面には移動アイソレータ装置1aが遊嵌する接続凹面6が形成されている。そして、図3の分離位置から、移動アイソレータ装置1aを移動し、図4で示すように移動アイソレータ装置1aの前部を固定アイソレータ装置1bの接続凹面6に装着し、図5で示すように開口接続部10a,10bを夫々同時に開放することにより、各庫内の連通を行う。
【0021】
上述のアイソレータ装置1a,1bの連通を密閉状に行う開口接続部10a,10bは、本発明の要部に係り、かかる構成を図6,7に従って詳細に説明する。
開口接続部10a,10bは、ワークwの移送ラインLと一致する可変連通路12,12を備え、該可変連通路12,12の下面を構成する可動ゲート20a,20bの昇降により、該可変連通路12を閉狭路態様Xと開広路態様Yとに変換するようにしてなるものである。
【0022】
すなわち、アイソレータ装置1a,1bの主庫13を構成する外筺には、移送ラインLと一致する連通口15が形成され、さらに主庫13の上部前面に固定されたエアーダクト17a,17bと、その直下に配設された可動ゲート20a,20b間を可変連通路12,12とし、該可変連通路12,12を連通口15に水平方向で連続するようにしている。而して、可変連通路12の少なくとも底面が可動ゲート20a,20bの上面により構成されることとなる。
【0023】
また、この可動ゲート20a,20bは、ゲート案内ダクト45a,45bの上部に装着され、可動ゲート20a,20bの前面板21をゲート案内ダクト45a,45bの案内外面46と面接触して、安定的昇降を確保するようにしている。一方、可動ゲート20a,20bはゲート案内ダクト45a,45b内に設けた昇降シリンダ47,47のシリンダロッドと結合している。
【0024】
さらには、可動ゲート20aの前面板21aと可動ゲート20bの前面板21bには、その一方に連結突起50が、他方に該連結突起50が嵌入する連結孔51が形成されている。図6,7では、可動ゲート20bに連結突起50を可動ゲート20aに連結孔51を形成しているが、その配置関係は逆であっても良い。このため、後述するように移動アイソレータ装置1aが固定アイソレータ装置1bに連結した状態で、可動ゲート20a,20bは連結孔51に連結突起50が嵌入することにより、上下方向で連結され、昇降シリンダ47,47が駆動すると、可動ゲート20a,20bは一体的に昇降することとなる。
【0025】
ここで、可変連通路12の上面を構成するエアーダクト17の下面には空気吹き出し面22が形成されている。この空気吹き出し面22は、図6,7で示すように、15〜50mmの微間隙25をおいて設けられた150〜500メッシュのスクリーン23a,23bを多孔板24で機械的に保持してなるものである。このように、多孔板24を設けることにより、スクリーン23a,23bの破損防止の保護となると共に、加圧空気に対して吹き出し面を平面状に保持し得る。またスクリーン23a,23bを微間隙25を置いて配設することにより、単に濾過作用を生じるだけでなく、該間隙25により、吹き出し速度の均一化が図られる。ここで、スクリーンは一層構造としても良く、さらには上述したように同一層のほかメッシュを異ならせた層からなる二層構造としても良い。さらに多孔板24を取付けなくても良い場合もある。
【0026】
一方、前記空気吹き出し面22にはスペーサ58が配設され、これにより、可動ゲート20a,20bの上昇位置を規定し、後述するように、閉狭路態様Xにある可変連通路12の高さを一定とし、連通狭隙sを確保している。この可変連通路12には、その静圧,風速あるいは風量を検知するために、圧力計,速度計,流量計または微粒子計などの監視計器71が設けられる。
【0027】
エアーダクト17は、主庫13の天部に設けたダクト30a,30bと連通し、該ダクト30a,30bの内圧を高めることにより、主庫13の天部に配設した空気吹き出し面31a,31bから清浄空気を移送ラインLに直上から吹き降ろすと共に、エアーダクト17の空気吹き出し面22からも、清浄空気を可変連通路12に直上から吹き降ろすようにしている。この空気吹き出し面31a,31bも、空気吹き出し面22と同様に、スクリーン23a,23bを微間隙25を介して多孔板24で機械的に保持してなる。
【0028】
固定アイソレータ装置1b側にあっては、接続凹面6の上部の天井ダクト36をダクト30bと連通し、天井ダクト36に配設したブロアー35により、天井ダクト36内を負圧とし、ダクト30b及びエアーダクト17bを陽圧とし、上述したように、主庫13内と可変連通路12の移送ラインL上に清浄空気を給送するようにしている。
【0029】
上述した各空気吹き出し面22,22,31a,31b上のダクト17a,17b,30a,30b内にはヘパフィルタ(高性能フィルタ)70またはウルパフィルタが配設されている。このため、可変連通路12,12及び主庫13,13には、ヘパフィルタ70及びスクリーン23a,23bにより、上述したように清浄空気が送給されることとなる。
【0030】
さらに、天井ダクト36の接続凹面6に臨む下面は空気連通面37となっており、該空気連通面37の吸引作用により接続凹面6内が負圧状態となる。このため、図7で示すように、アイソレータ装置1a,1bが連結して、エアーダクト17a,17bの外面が面接触した状態にあって、エアーダクト17a,17bの当接面の上部雰囲気が可変連通路12の内圧よりも確実に低くなるため、かかる当接面から、汚染空気が可動ゲート20a,20b内に侵入することはない。すなわち、該当接面から、内部の圧力が微流出し得る圧力関係におかれ、当接面からの可変連通路12内の汚染が防止される。また、天井ダクト36の前面も、周囲雰囲気と連通する空気連通面38となっており、この空気連通面37,38から外気が天井ダクト36内ヘ導入される。
【0031】
さらに一方、前記可動ゲート20a,20bの上面には、可変連通路12からの圧力空気を回収するリターンエアー孔が多数設けられた空気連通面39が形成され、かつ主庫13の移送ラインL下部の、空気吹き出し面22と連通する基部ダクト44の上面にも空気連通面40が形成され、空気吹き出し面22,22及び空気吹き出し面31a,31bからの圧力空気を空気連通面39,40から回収するようにしている。
【0032】
基部ダクト44内は、上部排出路41とゲート案内ダクト45a,45b内と連通する下部排出路42が配設され、空気連通面40からの空気を上部排出路41に回収し、可動ゲート20a,20bの空気連通面39で捕捉された空気をゲート案内ダクト45a,45bから下部排出路42に回収するようにしている。尚、下部排出路42とゲート案内ダクト45a,45bとを連通する開口は、ヘパフィルタ70で覆われ、下部排出路42に設けたブロアー49により、ゲート案内ダクト45a,45bのエアーを下部排出路42に導入し、かつその過程でヘパフィルタ70を透過して清浄化するようにしている。ブロアー49は、ゲート案内ダクト45a,45b内でヘパフィルタ70に対向状に設けて、下部排出路42へ清浄空気を給送するようにしても良い。
この上部排出路41と、ゲート案内ダクト45a,45bは、天井ダクト36内へ還流される。または庫外へ排出するようにしても良い。
【0033】
次にかかる構成の作動を説明する。
図6で示すように、移動アイソレータ装置1a,固定アイソレータ装置1bが非接続状態にあっては、昇降シリンダ47,47のシリンダロッドが伸出状態となり内部が遮閉化される。一方、空気吹き出し面22,22にはスペーサ58が配設され、このため該伸出状態で、可変連通路12が閉狭路態様Xとなった場合に、可動ゲート20a,20bの上面がスペーサ58と当接して、可変連通路12は完全に閉鎖されず、連通狭隙sが形成される。このとき、空気吹き出し面22からは可変連通路12へ常に圧力空気が印加され、しかも連通狭隙sは開口度が小さいから、開広路態様Yの状態のときに比して、可変連通路12に高圧空気が印加される。このため、該可変連通路12の連通狭隙s内で高速気流が可動ゲート20a,20bの空気連通面39にぶつかり、かつ乱流となって、その大部分が可変連通路12から庫外へ流出することとなる。而して、庫外に向かう高速気流が生成され、かつその通過表面である可変連通路12の周囲面が清浄化される。
【0034】
ここでこの連通狭隙sは、開口高さ0.1mm〜5mm程度とする。また、空気吹き出し面22の幅は、開口の寸法にもよるが一般的に10〜2000mm程度が採用される。
【0035】
さらに閉狭路態様の静圧を20〜500Pa、あるいは吹き出し風速を4〜30m/sとなるように調整する。なおこの調整は、連通狭隙sの寸法、あるいはブロアー35の風量をダンパーまたはインバーターを用いることにより容易に調整できる。
【0036】
一方、この可変連通路12には、上述したように、その静圧,風速,風量,清浄度を検知するための、圧力計,速度計,流量計または微粒子計などの監視計器71が設けられている。従って、これら監視計器71を監視することにより、可変連通路12への圧力空気の排出が確認され、この状態にあっては、外部からの汚染空気の流入が無いことが検証される。この点、例えば従来構成のように、接続状態を機械的シーリングにより機密にするという技術思想に立てば、その状態検証の手段がなく、例えばゴムパッキンの摩耗により汚染空気が流入した状態となっていても、気づかずにこの状態が放置され、主庫13内の汚染が継続進行することとなり、移動アイソレータ装置1aの信頼性を低下させることとなる。
【0037】
ここで、上述の構成にあっては、スペーサ58により閉狭路態様を確保するようにしたが、可変連通路12の連通狭隙sの開口高さは0.1mm以上であればよいから、各種形成誤差等により可変連通路12にはそのクリアランスにより連通狭隙sを生じる。このため、スペーサ58などの規定手段を設けなくとも、可変連通路12に連通狭隙sを形成することが可能となる。
【0038】
なお、本発明は、空気吹き出し面22から常に圧力を可変連通路12側へ印加しているものであり、クリアランスがなく連通狭隙sが生じない場合も含まれる。
【0039】
次に移動アイソレータ装置1a内のワークwを固定アイソレータ装置1b内に移送する場合には、移動アイソレータ装置1aを固定アイソレータ装置1b内の接続凹面6に嵌入し、連結孔51に連結突起50を嵌着してエアーダクト17a,17bの外面を当接した後、昇降シリンダ47,47を同期駆動して、可動ゲート20a,20bを同時に下降する。そして可変連通路12,12を同時に開広路態様Yとする。
【0040】
この連通状態にあって、空気吹き出し面22,22からは常に可変連通路12,12側へ空気圧が印加されており、開口状態で、可変連通路12,12は開口接続部10a,10bの外周囲の空気圧に対して陽圧となっており、このため、エアーダクト17a,17b相互または可動ゲート20a,20b相互が完全に密に当接した状態とならず、クリアランスがあったとしても、外部の汚染された空気が開口接続部10a,10b対間等から内部に侵入することは無い。さらには、このとき、上述したように、天井ダクト36の空気連通面37の吸引作用により、上部の雰囲気を負圧状態とし、可変連通路12,12の内圧に対して、周囲雰囲気が確実に低くなるようにしているから、外部からの汚染空気の侵入が確実に防止される。この開放状態での空気吹き出し面22,22からの吹き出し速度は、医薬製造工程にあってはWHOあるいはFDAなどのGMP基準またはガイドラインの0.3〜0.4m/sが採用されるが、そのほか工程によっては0.1〜2m/sの風速としても良い。
【0041】
ここで、昇降シリンダ47,47の駆動は、リミットスイッチ,近接スイッチなどを用いて、移動アイソレータ装置1aと固定アイソレータ装置1bの接続を検知することにより自動的に作動させることができる。または、作動用スイッチの操作により駆動させるようにしても良い。
【0042】
上述の昇降シリンダ47,47に代えて、昇降制御モータにより駆動するラックピニオン機構,ボールネジなど種々の昇降制御機構を適用することができる。さらには、一方の可動ゲート20a,20bのみに駆動源を連係し、他方の可動ゲート20a,20bに、上昇位置(閉狭路態様)に付勢する付勢手段を付設することにより、連結突起50,連結孔51等の連係機構を介して、一方の駆動源により可動ゲート20a,20bを同期的に昇降させることができる。
【0043】
而して、移動アイソレータ装置1a,固定アイソレータ装置1bの開広路態様Yにある可変連通路12,12が夫々連通し、トレー76に支持されたワークwの移送を、上述した作業孔2に装着されているグローブ3を用いて、該トレー76を遊転ロール75上で摺動させるなどの手段により行う。尚、ワークwの移送はベルトコンベヤやボールネジ,シリンダなどの押出機構を介して自動移送を行うようにしてもよい。
【0044】
この可変連通路12の移送過程で、移送ラインLには、可変連通路12,12及び空気吹き出し面31a,31bから移送方向と直交方向に清浄空気が噴射される。このためワークwに、上方から直接、高圧清浄空気が当たるから、ワークwは空気噴射による清浄作用を受ける。この清浄空気は、側方へ流れて、上述したように、基部ダクト44,44,ゲート案内ダクト45a,45b内へ流入して、上部排出路41,下部排出路42を経由して還流または排出される。
【0045】
上述の構成は、可変連通路12の上面に配設した空気吹き出し面22から高圧空気を放出するようにしたが、可変連通路12の上面と共に両側面(または一側面)から放出しても良い。さらには、該両側面または一側面のみから放出するようにしても良い。
【0046】
上述の実施例にあっては、移動アイソレータ装置1aと固定アイソレータ装置1bとの連通に本発明を適用したものであるが、移動アイソレータ装置1a,1a相互の連通にも本発明を適用することができる。さらに可動ゲート20a,20bを可変連通路12の下部に配設したが上部または側部に配設しても良い。さらにまた上下に可動ゲートを夫々配設して同時的に作動させるようにしても良い。さらに移動アイソレータ装置は、自動搬送装置(AGV)にも勿論適用できる。
【0047】
【発明の効果】
本発明は上述した構成に係り、このため次のような効果がある。
a)アイソレータ装置1a,1bの開口接続部10a,10bの可動ゲート20a,20bを閉止した遮閉状態において、閉狭路態様Xを形成し、該可変連通路12に圧力を印加したから、閉狭路態様Xに連通狭隙sが生じた場合には、該連通狭隙sにより高速の清浄空気が外部へ放出され、外部からの汚染物資の侵入を排除できることにより内部の無菌、および清浄度を維持することができる。
b)アイソレータ装置1a,1bを接続し、可動ゲート20a,20bを開いて開広路態様Yとした連通状態においてもその通路全域にわたって清浄空気を供給でき、かつ外部からの汚染空気の侵入がないため無菌、および清浄度を維持することができる。
c)機械的手段により遮閉化を測るものではないから、パッキン形状が複雑化したり、パッキンなどの機械的摩耗や劣化による遮閉性の低下がなく、さらには、発塵を生ずることがなく、局所的清浄空間を常に確保できる。
d)可変連通路12に静圧,風速あるいは風量を検知するための、圧力計,速度計,流量計または微粒子計などの監視計器71を設けることにより、これら監視計器71を監視することにより、可変連通路12への圧力空気の排出状態が常に確認でき、外部からの汚染空気の流入が無いことが容易に検証される。
e)圧力制御によるものであるから、接続、切り離しの工程を短時間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した無菌・無塵システムの概要側面図である。
【図2】本発明を適用した無菌・無塵システムの概要平面図である。
【図3】アイソレータ装置1a,1bの分離状態の側面図である。
【図4】アイソレータ装置1a,1bの接続状態の側面図である。
【図5】アイソレータ装置1a,1bの可変連通路を開広路態様Yとした状態の側面図である。
【図6】アイソレータ装置1a,1bの要部を示す遮閉状態の縦断側面図である。
【図7】アイソレータ装置1a,1bの要部を示す連通状態の縦断側面図である。
【符号の説明】
1a 移動アイソレータ装置
1b 固定アイソレータ装置
10a,10b 開口接続部
12 可変連通路
13 主庫
17a,17b エアーダクト
20a,20b 可動ゲート
22,22 空気吹き出し面
31a,31b 空気吹き出し面
47,47 昇降シリンダ
58 スペーサ
71 監視計器
X 閉狭路態様
Y 開広路態様
s 連通狭隙
Claims (2)
- 内部を無菌・無塵状態を維持して遮閉化されるアイソレータ装置に、他のアイソレータ装置と相互に連通する可変連通路を設け、
かつ該可変連通路を、その少なくとも一面を構成する可動ゲートの開閉作動により、アイソレータ装置の遮閉状態で閉狭路態様とし、アイソレータ装置相互の連通状態で開広路態様とすると共に、
該可変連通路の周面に空気吹き出し面を形成し、該空気吹き出し面から常に可変連通路側へ空気圧を印加するようにし、さらに可変連通路の閉狭路態様で、当該可変連通路を構成する可動ゲートが作動位置を規定されることにより形成されたクリアランスを連通狭隙として、空気吹き出し面からの清浄空気が連通狭隙を通過して外部へ常時排出されるようにしたことを特徴とするアイソレータ装置の連通機構。 - 可変連通路の静圧,風速,あるいは風量を測定することにより、可変連通路の状態検証を常時行うようにしたことを特徴とする請求項1記載のアイソレータ装置の連通機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP10941999A JP3777060B2 (ja) | 1999-04-16 | 1999-04-16 | アイソレータ装置の連通機構 |
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