JP3775814B2 - 電池用セパレーター及びその製造方法とアルカリ蓄電池 - Google Patents

電池用セパレーター及びその製造方法とアルカリ蓄電池 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は新規な電池用セパレーターとその製造方法並びに上記セパレーターを組み込んだアルカリ蓄電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電池用セパレーターの役割としては正極と負極の分離、短絡防止、電解液の保持、又、二次電池においては電極反応により生じるガスの通過などが挙げられる。特に充放電サイクルの進行に伴いセパレーター内の電解液が電極板に吸い寄せられ、電池の寿命低下が起こることから、電解液の保持はきわめて重要である。 又、電池セパレーターは電池製造工程において生じる張力に対抗するために、一定以上の引張強度及び電極挿入時に際し幅入れしない等の機械的特性も併せて備えていることが要求される。
【0003】
しかしながら、従来の電池用セパレーターではこれらのことが充分に実現されていなかった。
特開平5−129012号公報では耐アルカリ性界面活性剤を0.3〜3.0重量%付着させてセパレーターの吸液速度、保液率を向上させることが提案されているが、界面活性剤を多く付着させたために電解液中への界面活性剤の脱落が多くなり、界面活性剤の電極板上への再付着が時間の経過とともに起こり、保液率の高いセパレーターにも関わらず電解液が電極板に吸い寄せられる現象が現れる。従って、電解液の電極板への移行、いわゆるドライアウトは電池の寿命を早める。
【0004】
特開平1−157055号公報ではメルトブロ−ン不織布を特定の条件で加熱されたロ−ルに接触させ、短絡防止、保液性と機械強度の向上を図ろうとしているが、機械強度は充分でなく、またガス通気性の低下が懸念される。
又、特開平2−259189号公報では熱融着繊維を融着させることで強度と保液率の両方を向上させようとしているが、高強度を得るために熱処理温度を高くすると繊維の相互接着により繊維表面積が減少し、保液率の低下が免れない結果となっているのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記のような問題を解決しようとするものであり、短絡防止性能が良く、二次電池に使用される際はガス通過性が良好な上に電池内での電解液の保持性能に優れ、ドライアウトし難い上、更に電池製造工程上充分な機械的強度を有する新規な電池用セパレーター及び上記電池用セパレーターを組み込んだサイクル特性に優れたアルカリ蓄電池を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記の手段によって達成することができる。
即ち、(1) 1種以上のポリアミド系短繊維とポリアミド系熱融着短繊維とが相互に三次元的に水流交絡されており、該ポリアミド系熱融着短繊維の一部又は全部が熱溶融されて繊維間が接着されてなる湿式不織布において、繊維表面に不織布の全重量に基いて0.05〜0.5重量%のノニオン系界面活性剤が付着し、吸液速度40mm以上、抱液率85%以上の性能を有する、電池用セパレーターを提供することによる。
【0007】
また、(2) 抄造法により作製される1種以上のポリアミド系短繊維とポリアミド系熱融着短繊維からなる混抄シ−トに水流を衝突させて、繊維を三次元的に立体交絡させた後、熱処理によって該ポリアミド系熱融着短繊維の一部又は全部を溶融させた湿式不織布の繊維表面に0.05〜0.5重量%のノニオン系界面活性剤を付着させる請求項1記載の電池用セパレーターの製造方法を提供することによる。
従って、本発明のもう一つ発明(3)は、上記電池用セパレーターを組み込んだサイクル特性に優れたアルカリ蓄電池である。
【0008】
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明の電池用セパレーターを組み込んだアルカリ蓄電池の種類としては代表的なものとして、ニッケル−カドニウム型、ニッケル−水素型、ニッケル−鉄型、酸化銀−亜鉛型でボタン形状や円筒形状のものが含まれる。
【0009】
本発明に用いるポリアミド系短繊維、ポリアミド系熱融着短繊維の素材としては、電解液のアルカリ溶液に対し耐久性を有するナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン10、ナイロン12などのポリアミド系:ポリパラフェニレンテレフタルアミド等の(芳香族ポリアミド系である)アラミド系繊維等の単独または組合せたものが好ましい。
【0010】
本発明に用いるポリアミド系短繊維として、より好ましくは適度の親水性を有し、耐アルカリ性を有するポリアミド系繊維であり、特に好ましくはナイロン6、ナイロン66が使用される。
本発明の電池用セパレーターを構成するポリアミド系熱融着短繊維は熱融着温度がポリアミド系短繊維の融点よりも10℃以上低いもので、ポリアミド系短繊維が2種以上の場合は最も低い融点を持つポリアミド系短繊維より10℃以上低いことが好ましい。
10℃未満であるとポリアミド系熱融着短繊維が熱溶融の際短繊維の一部も溶融する恐れがあり、目的とする充分な不織布強度が得られず、又電解液の保持率が低下するという問題がある。更に好ましくは20℃以上である。
【0011】
本発明におけるポリアミド系熱融着短繊維は、従来の熱融着乾式不織布や熱融着湿式不織布に使用されている鞘芯型、サイドバイサイド型の複合繊維、あるいは単一成分タイプなどが挙げられるが、高い引張強度を得るという点から特に鞘芯型ポリアミド系熱融着短繊維であることが好ましい。
例えば、具体的な鞘芯型ポリアミド系熱融着短繊維としては、耐アルカリ性の芯成分がナイロン66で鞘成分がナイロン6、或いは芯成分がナイロン6又は66で鞘成分がナイロン612、610等の共重合ナイロンのような組合せが好適に用いられる。
【0012】
本発明におけるポリアミド系熱融着短繊維の効果は、ポリアミド系熱融着短繊維を使用しない場合に起こる低い引張強度でかつ伸び易い、また電池製造工程で切断あるいは伸びによる幅入れのため極板の幅より小さくなり、短絡が起きるなどの問題を解決するためである。
【0013】
また、ポリアミド系熱融着短繊維の混合比率としては、不織布全体の5〜80%が好ましく、更に好ましくは10〜70%である。
混合比率が80%を超えると繊維間接着部の増大で繊維表面積が減少し、液体の保持率の低下を引き起こす。
一方、ポリアミド系熱融着短繊維の混合比率が5%未満であると引張強度が低くなる。
【0014】
本発明におけるポリアミド系短繊維、ポリアミド系熱融着短繊維の単糸直径はガス通過性、短絡防止、液体保持の点から見て、好ましくは3〜25μm、さらに好ましくは5〜20μmであるが、電池セパレーターとしての性能が達成されれば特に限定されるものではない。
ここで言う単糸の断面は円形であっても非円形の種々の断面であってもよい。単糸の断面が円形の場合は直接的にその直径を測定した値でもって単糸の直径とし、異形断面の場合は重量法によりその繊度(デニ−ル)を測定し、このデニ−ルを単糸が円形と仮定した場合の次式で得られる平均直径でもって表すこととする。
【数1】
R=√(4d/(π×9×105 ×ρ))×104
〔ここで、Rは単繊維直径(μm)であり、ρは単繊維を構成する高分子重合体の密度(g/cm3 )であり、dは単繊維繊度(デニール)であり、πは円周率である。〕
【0015】
本発明に用いる界面活性剤は耐アルカリ性を有することが必要である。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のノニオン系界面活性剤が望ましい。
界面活性剤の親水性あるいは親油性を表すHLBは特に限定するものではないが、10〜17、好ましくは12〜16がよい。
HLBが10未満の界面活性剤は水への溶解性が極めて悪くイソプロピルアルコール等の溶剤と併用する必要があり、製造工程が複雑になる。
また、HLBが17を超える界面活性剤は目的である親水性能が低く、本発明の電池用セパレーターを作り得ない。
【0016】
界面活性剤の付着量は不織布の全重量に対して0.05〜0.5重量%、好ましくは0.1〜0.3重量%が必要である。
界面活性剤が全く付着していない、または0.05重量%未満では親水基を持つ繊維といえども電解液の吸液速度が著しく遅くなり、セパレーターが濡れない等、実用の点から問題になる。
これは、本発明の電池用セパレーターの不織布原反の製造方法が抄造、水流交絡という水を多量に使うプロセスであって、紡糸に由来する繊維表面の界面活性剤を殆ど全て洗い流すためである。
また、界面活性剤の付着量が0.5重量%を超えると吸液速度は満足するものの、電解液中への脱落が多くなり界面活性剤の再付着が電極板上に行われるために、時間の経過とともにセパレーター中の電解液が電極板に移行するという問題が生じる。
【0017】
従来、セパレーターの電解液を保持する能力を表す評価として保液率が挙げられていたが、この評価はセパレーター単独の能力であり、保液率の高いセパレーターであっても界面活性剤の付着量が多い場合、電池内では電解液を保持できない。
電解液の電極板への移行といった電池内でのセパレーターの電解液を保持する能力として新しく抱液率により規定することにより本発明の特定の不織布を使用した効果を明確に表すことができる。
濡れ易さを表すセパレーターの吸液速度は構成繊維の繊維径に相関があり、繊維が太くなるほど高くなる。液離れを表すセパレーターの抱液率は構成繊維の繊維径に逆相関があり、繊維が太くなるほど低くなる。
【0018】
このため、セパレーターを構成する繊維により界面活性剤の付着量を適正化する必要がある。
電池の性能を満足するためには、セパレーターとして吸液速度40mm以上、抱液率85%以上が必要である。
吸液速度が40mm未満であると、セパレーターにアルカリ電解液が均一に含浸されず、内部抵抗が高くなり十分な放電電圧が得られない問題を生ずる。
一方、抱液率が85%未満であるとセパレーターが電解液を保持する力が弱いため、電池の充放電サイクルを繰り返すと経時的にセパレーターの電解液が電極に取られるドライアウト現象を起こし、電池の寿命が早く尽きるなどの問題が生じる。
【0019】
本発明の電池セパレーター用不織布の目付は10〜350g/m2 であり、好ましくは25〜150g/m2 であり、より好ましくは35〜100g/m2 である。
また、本発明の電池セパレーター用不織布の厚みは30〜1,000μmであり、好ましくは70〜400μm、より好ましくは90〜250μmである。
目付が10g/m2 未満で、厚みが30μm未満になると、余りにも目付が薄いために強度が不足し、活物質の通過も完全に防止できず、また目付が350g/m2 を超え、厚みが1,000μmより厚くなると十分な繊維交絡を得られず電気抵抗も大きくなり、電極活物質を多く充填できなくなることから、十分な電気容量が得られないなどの問題が生じるため好ましくない。
【0020】
次に、本発明の電池用セパレーターの製造方法について説明する。
1種以上のポリアミド系短繊維とポリアミド系熱融着短繊維を準備して、これを0.05〜3%の濃度になるように水に分散させスラリ−を調合する。このスラリ−を長網式或は傾斜型長網式、丸網式の抄造機で抄造する。
次いで、得られた混抄シ−トを円柱柱状の水流にて交絡させる。水圧は用いる原糸の種類及び混抄シ−トの目付量により異なるが、繊維間の充分な交絡を得るためには3〜100kg/cm2 、好ましくは3〜50kg/cm2 の範囲で衝突させる。
【0021】
同一繊維の場合低目付ほど水圧は低く、高目付になるほど高水圧に設定すればよい。又、同一目付の場合、ヤング率の高い原糸の時には高水圧で処理すると本発明の目的とする高強度が得られる。
水流を噴射するノズルの径は0.01〜1mmが好ましい。水流の軌跡形状は混抄シ−トの進行方向に対し並行な直線状であっても良いし、ノズルを取り付けたヘッダ−の回転運動やシ−トの進行方向に直角に往復する振動運動によって得られる曲線形状であっても良い。
【0022】
回転運動により得られる幾重にも重なった円形状の水流軌跡の交絡は、ノズル1錘あたりのシ−トに対する水流の噴射面積が大きくなり効率的であると同時に、商品価値を低下させる水流軌跡の斑が見えにくくなる。混抄シ−トに対する水流処理の方法は表裏交互に水流を噴射する方法でも良いし、片面だけを処理する方法でも良い。
又、処理回数も目的に応じて最適条件を選択すれば良い。これら混抄シ−トの水流処理の水圧条件は目的とする充分な繊維交絡を得、且つ均一性を得るような条件下で選択させるが、例えば10〜100g/m2 の比較的小さい目付の混抄シ−トの場合は3〜40kg/cm2 の水圧で片面或は両面処理するのが好ましい。 この交絡処理によって混抄シ−トの構成繊維は水流によって移動し相互に絡み合って強固な結合を得るに至る。
【0023】
不織布製造工程において、水流交絡が無い製造工程では、基布を乾燥機に導布する場合混抄シート中のポリアミド系短繊維とポリアミド系熱融着短繊維が三次元的に絡み合っていないことから、混抄シートは殆ど引張強度を持っていない。
強度発現のためには、一度ポリアミド系熱融着短繊維を溶融させ繊維相互間を仮接着せねばならず、その後でないと乾燥機に導布することが出来ない。直接混抄シートをそのまま乾燥させる面接触型の乾燥機などにより乾燥させることが考えられるが、混抄シートの表面だけしか熱が伝わらないため強度が充分発現できなかったり、表面のポリアミド系熱融着短繊維によるフィルム化により通気度の低下を招いたりするため余り実用的でなく、また低温高圧力で混抄シートを圧着すれば厚みが薄くなり、通気度、液体の保持の低下を招くこととなる。
【0024】
一方では、ポリアミド系短繊維とポリアミド系熱融着短繊維の交絡点の数が減少するために、上記に記載したポリアミド系熱融着短繊維の効果が発現しにくいと解釈される。この様な工程上の問題を解決するために水流交絡工程が必要不可欠となってくる。
次いで得られた交絡シ−トを熱処理することによってポリアミド系熱融着短繊維の一部または全部を溶融せしめる。熱処理条件はガスの通過性や電解液の保持率を損なわないようにするため、非接触式の熱風乾燥機を用いて5秒〜10分の短時間処理が好ましい。熱処理温度はポリアミド系熱融着短繊維の融点以上、ポリアミド系短繊維の融点以下の温度に設定する。
【0025】
このようにして得られた不織布に不織布の全重量に対して0.05〜0.5重量%、好ましくは0.1〜0.3重量%のノニオン系界面活性剤を付着させる。 界面活性剤をシートに付着させる方法としては、界面活性剤を水溶液にして浸漬させた後、水分率を調整し乾燥する方法、界面活性剤の水溶液を噴霧し、その後乾燥する方法等が用いられる。
界面活性剤の濃度は特に限定されないが、斑付等が起こらないようにするために好ましくは0.02〜0.5%である。
厚みの調整が必要な場合はエンボス機やカレンダー機等で圧着処理をする。しかし、この時ガス通過性や電解液の保持能力を低下させないような条件を選択しなければならない。
界面活性剤の付着処理と厚み調整のための圧着処理の順序は特にこだわらないが、圧着処理を行った後のシートは繊維密度が高くなり界面活性剤水溶液の浸透性が悪く付着斑を生じることがあるので付着処理後に圧着処理を行う方が良い。 この後、使用する電池つまり電極板に合った大きさにシートを切断して本発明の電池用セパレーターが得られる。
【0026】
【実施例】
以下実施例でもって本発明を更に詳しく説明するが、これらは本発明の範囲を制限しない。
なお、実施例中、測定値は以下の方法によって測定したものであり%はすべて重量%である。
(1) 引張強度 (Kg/cm):
JIS−L1096 ストリップ法に準じ測定する。
(2) 通気度 (cc/cm2 s):
JIS−L1096 フラジ−ル法に準じ測定する。
【0027】
(3) 保液率 (%):
10cm×10cmの正方形にカットした試験片を採取し、水分平衡に至らせた状態の重量(W1 )を1mgまで測定する。次に31%水酸化カリウム水溶液中に1時間以上広げて浸した後、液中から引き上げて正方形の1角をつかみ10分間吊した後の試験片重量(W2 )を測定する。保液率(%)は次式で求める。
【数2】
保液率=(W2 −W1 )/W1 ×100
(4) 吸液速度 (mm):
2.5cm×20cmの試験片の先端5mmを31%水酸化カリウム水溶液に垂直に浸漬する。毛細管現象による水酸化カリウム水溶液の30分後の上昇高さ(mm)を測定し、吸液速度とする。
【0028】
(5) 抱液率 (%):
3.4cm×5cmの試験片に試験片と等重量(W1 )の31%水酸化カリウム水溶液を加え、濾紙(アドバンテックNo.4−A)上に置き試験片と同じ大きさの100gの重りを加えて、30秒間放置し離液させた後の試験片が保持している液重量(W2 )を測定する。抱液率(%)は次式で求める。
【数3】
抱液率=W2 /W1 ×100
【0029】
(実施例1)
繊維長L=7.5mmである0.5デニール(単糸直径D=7.8μm)のナイロン66短繊維80%とL=15mmである2デニール(単糸直径D=14.1mm)の熱融着短繊維ユニメルトUL−61〔ユニチカ(株)製、芯部:ナイロン6、鞘部:共重合ナイロン〕20%を水に分散し1%濃度のスラリー液に調整した。このスラリー液から傾斜型長網抄紙機により85g/m2 の混抄シートを得た。得られた混抄シ−トを80メッシュの金網に乗せ、ノズル径0.15mmのノズルを装着したノズルヘッダーを285rpmで円運動させ、圧力15kg/cm2 の水を噴射させて混抄シートに衝突させることにより短繊維、熱融着短繊維を交絡させた。更に同じ処理を6回行った後、シートの表裏を逆転させて同じ処理を7回施した。続いてノズルヘッダーを420rpmで回転させ、水圧10kg/cm2 で表裏各2回ずつ処理して交絡シートが完成した。
【0030】
得られた交絡シートを温度を160℃に設定したピンテンター乾燥機で乾燥すると同時に交絡シート間のユニメルトUL−61の鞘部(融点140℃)を溶融せしめた。
次いで、ノニオン系界面活性剤エマルゲン120(花王(株)製)を0.05%含有する水溶液に浸漬した後、付着率が不織布の200%になるように絞り、温度を130℃に設定したピンテンター乾燥機で乾燥した。
更に、100℃に加熱した一対の金属ロールに導き、線圧45kg/cmでカレンダー加工を施して目付65g/m2 、厚さ0.15mmの電池用セパレーターを得た。
【0031】
(実施例2)
ノニオン系界面活性剤水溶液の濃度が0.1%の他は全て実施例1と同様の方法で電池用セパレーターを得た。
(実施例3)
ノニオン系界面活性剤水溶液の濃度が0.25%の他は全て実施例1と同様の方法で電池用セパレーターを得た。
【0032】
(比較例1)
ノニオン系界面活性剤水溶液の代わりに水だけを用い、他は全て実施例1と同様の方法で電池用セパレーターを得た。
(比較例2)
ノニオン系界面活性剤水溶液の濃度が1%の他は全て実施例1と同様の方法で電池用セパレーターを得た。
【0033】
(比較例3)
実施例1と同様にナイロン66が80%、ユニメルトUL−61が20%からなる混抄シートに実施例記載の流体流処理を全く施さず、温度160℃、圧力70g/cm2 の条件で熱プレスし、続いて温度を160℃に設定したピンテンター乾燥機でシート内のユニメルトUL−61を溶解せしめた。
更に実施例1と同様に同じ界面活性剤付与、カレンダー加工を行い目付65g/m2 、厚さ0.15mmの電池用セパレーターを得た。
上記の実施例1、2、3及び比較例1、2、3で得られた電池用セパレーターの性能試験結果を下記表1に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0003775814
【0035】
比較例1は界面活性剤が繊維表面に全く付着していない場合で、電池用セパレーターに必須の親水性が認められない。
比較例2は界面活性剤の付着量が2.0重量%と多い。この為、界面活性剤は電解液中に溶解し、次いで電極板(この場合は濾紙)上への再付着が行われることにより抱液率が極めて低くなる。
比較例3の場合はポリアミド系短繊維とポリアミド系熱融着短繊維が三次元的に絡み合っていない。つまり混抄シートはほとんど引張強度を持っていないので、一度ポリアミド系熱融着短繊維を溶融させ繊維相互間を仮接着した後、乾燥機で融着しているのも関わらず引張強度が低い。また、厚み調整のためのプレス圧が高くなり、通気度も低くなる。
【0036】
表1で明らかなように本発明の電池用セパレーターは引張強度、通気度、保液率が高く、吸液速度が良好な上に抱液率が高い。
実施例1、2、3及び比較例2のセパレーターを用い、公称容量1.2AHのSCサイズの密閉形ニッケル−カドミウム蓄電池を作成しサイクル特性を調べた。
この時の条件は1.8Aの電流で1時間充電を行った後、1.2Aの電流で終止電圧1.0Vまで放電するというものである。
図1にこの結果を示す。本発明の実施例1、2、3は比較例2に比べサイクルの進行に伴う電池容量の低下が小さい、極めて優れたサイクル特性を示した。
比較例2の電池の容量低下はセパレーターに付着している界面活性剤がサイクルの進行とともに電極板面にも付着し出し、セパレーター中の電解液が電極板に吸い寄せられた結果である。
【0037】
【発明の効果】
本発明の電池用セパレーターは機械的強度が充分な上、通気度、保液率、吸液速度性能が良好で、かつ抱液率が優れているので、電池セパレーターの用途に採用しうるものである。
上記電池用セパレーターを組み込んだアルカリ蓄電池はサイクル特性に優れており、その工業的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例に従うノニオン系界面活性剤を施した電池用セパレーターとそのような処理を施さない比較例の電池用セパレーターとを組み込んだアルカリ蓄電池のサイクル回数と電池容量比との関係を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 1種以上のポリアミド系短繊維とポリアミド系熱融着短繊維とが相互に三次元的に水流交絡されており、該ポリアミド系熱融着短繊維の一部又は全部が熱溶融されて繊維間が接着されてなる湿式不織布において、繊維表面に不織布の全重量に基いて0.05〜0.5重量%のノニオン系界面活性剤が付着し、吸液速度40mm以上、抱液率85%以上の性能を有することを特徴とする、電池用セパレーター。
  2. 抄造法により作製される1種以上のポリアミド系短繊維とポリアミド系熱融着短繊維からなる混抄シ−トに水流を衝突させて、繊維を三次元的に立体交絡させた後、熱処理によって該ポリアミド系熱融着短繊維の一部又は全部を溶融させた湿式不織布の繊維表面に0.05〜0.5重量%のノニオン系界面活性剤を付着させることを特徴とする、請求項記載の電池用セパレーターの製造方法。
  3. 請求項記載の電池用セパレーターを組み込んだことを特徴とするアルカリ蓄電池。
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