JP4972253B2 - 電池用セパレーター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電池用セパレーターに関し、さらに詳しくは電池製造時の装着性や充填性および吸液性、通気性、強度、保液性等に優れた、特にアルカリ電池に好適な電池用セパレーターに関する。
【0002】
【従来の技術】
電池用セパレーターの性能としては、一般に正極と負極の分離性、短絡防止性、電解液の保持性などが要求されるが、アルカリ二次電池用セパレーターでは強アルカリ性の電解液に対する耐久性に優れ、かつ有効電極面積を減少させず、電解液との親液性、電極反応によって生じるガスの通過性、電池生産時の機械的強度などに優れることが要求される。また電池は、通常、セパレーターと電極を重ね合わせて約数百〜数千kpaの加圧下で巻き上げ、これを容器内に装着して製造される。従って、セパレーターは加圧下で適度なへたり性を有し、かつ容器に装着後は元の厚みに戻る厚み回復性に優れることが要求される。
【0003】
このような観点から、電池用セパレーターとしては、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフイン繊維などの短繊維をニードルパンチ加工、水流交絡加工等で繊維シート化し、熱カレンダーで熱圧着するか、接着剤で結合させて得られる不織布が用いられている。しかし、このような不織布は、厚みの圧縮へたり率が大きく、除重後の厚み回復率も小さく、装着性および充填性に劣り、また接着剤が電解液に溶出するなどの問題があった。
また特開平5−325932号公報には、スパンボンド法に対する長繊維不織布を一方向に延伸した後、ニードルパンチ加工または水流交絡加工を施して得られる、一定の繊維配向度を有する繊維を用いたアルカリ2次電池用セパレーターが提案されている。このセパレーターは機械流れ方向の強度や有効電極面積の点で優れているが、延伸処理、交絡加工、接着加工等の複雑な工程を経て製造されるため、安定生産性や価格などの点で問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記従来技術の問題を解決し、セパレーターの有効電極面積を減少させることなく、製造工程時に必要な強度および装着性、充填性を有し、かつ通気性、吸液速度、保液性、安定生産性などに優れた電池用セパレーターを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、ポリアミド長繊維ウェッブの全面に均一に部分熱圧着して結合させた不織布の部分熱圧着率、圧着部の厚み、厚みの圧縮へたり率および厚み回復率を特定することにより、電池製造時の装着性や充填性に優れ、かつセパレーターに要求される吸液性、保液性、通液性等を確保でき、有効電極面積と強度の両特性が良好となることを見いだし、本発明に到達したものである。
上記課題を達成するために本願で特許請求される発明は以下の通りである。
【0006】
(1)平均繊維径10〜20μmの連続フィラメントからなるポリアミド繊維ウェッブを全面に均一に部分熱圧着して結合させた長繊維不織布であって、該長繊維不織布の厚みは0.20〜0.55mmであり、みかけ密度は0.15〜0.5g/cm 3 であり、部分熱圧着率は5〜20%であり、ここで、圧着部の厚みは非圧着部の厚みの20%以下であり、該長繊維不織布の厚みの圧縮へたり率は20〜60%であり、厚み回復率は80%以上であり、かつ、該長繊維不織布に親水剤が0.1〜10重量%付着されていること特徴とする電池用セパレーター。
(2)前記長繊維不織布の機械流れ方向の5%応力は、50N/5cm以上である、(1)に記載の電池用セパレーター。
(3)前記長繊維不織布の突き刺し強度は10N以上であり、かつ、吸液速度は100mm以上である、(1)又は(2)に記載の電池用セパレーター。
【0007】
【作用】
電池用セパレーターは、電池生産工程において、電極とセパレーターを重ねて張力をかけて巻き付けられ、この状態で電池容器に装着されるため、セパレータの厚みの減少が少なく、かつ厚みが減少しても装着した後に元の厚みに戻るのが好ましい。すなわち、電池容器に装着前は厚みが減少して巻き径が小さくなり、容器に入れた後は、容器全体に接触する程度の大きさに厚みが変化(回復)するのが好ましい。
本発明の電池用セパレーターによれば、一定の平均繊維径を有するポリアミド連続フィラメントからなるウェッブを、全面に均一に一定の部分熱圧着率で部分熱圧着させ、特定厚みを有する圧着部と、特定の圧縮へたり率および厚み回復率を有する長繊維不織布を用いるため、不織布の圧着部と非圧着部のバランスが適正化され、製造時に必要な強度と優れた装着性および充填性が得られ、かつ優れた吸液性、保液性等を得ることができる。また一定の機械流れ方向の強度を有する不織布に親水剤を付着させることにより、電池の安定した生産が可能となり、かつ電解液の吸液速度や保液性の低下、有効電極面積の減少などを効率よく防止することができる。
また上記長繊維不織布の厚み、みかけ密度、突き刺し強度および吸液速度を所定の範囲とすることにより、一定品質を有する電池生産が容易となり、かつ生産コストの低減を図ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の電池用セパレーターには、ポリアミド繊維ウェッブを全面に均一に部分熱圧着して結合させた長繊維不織布が用いられる。
本発明において、上記ポリアミド繊維ウェッブは、平均繊維径10〜20μm、好ましくは12〜18μmの連続フィラメントからなる。このような平均繊維径の連続フィラメントを用いることにより、不織布の繊維間隙への電解液の保液が容易となり、また繊維を均一に分散させることができ、安定な不織布の生産が可能となる。ポリアミド繊維の平均繊維径が10μm未満では、繊維間隙が小さくなり、吸液性、保液性は良好となるが、強度が低下する。一方、平均繊維径が20μmを超えると、強度は大きくなるが、繊維間隙が大きくなり、電解液の吸液性および保液性が低下する。なお、構成繊維は、単一の繊維径を有するものでも、また細い繊維径と太い繊維径を有する繊維の混合であってもよい。
【0009】
ポリアミド繊維の素材としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド樹脂を単一成分でまたは数種の成分を混合して用いることができる。またポリアミド繊維ウェップは、例えば、ポリアミド樹脂を紡糸ノズルから溶融紡糸することにより形成された多数の連続フィラメントをエアジェット等によって牽引した後、移動する補集装置上に積層させることにより得ることができる。
本発明に用いられる長繊維不織布の部分熱圧着率(不織布の全面積に対する熱圧着部の面積割合)を5〜20%、好ましくは7〜12%とする必要がある。部分熱圧着率が5%未満では、繊維間の接合が不十分となり、強力が低下し、不織布表面の耐摩耗性が低下する。部分熱圧着率が20%超えると、不織布強力は充分であるが、有効電極面積が低下し、放電率などの電池性能が低下する。
【0010】
部分熱圧着は、例えば、加熱された凹凸表面を有するスチールロール(エンボスロール)と平滑面を有するスチールロール間の間を通過させ、加熱・加圧して不織布の全面に均一に配分した結合部を形成させることにより行われる。この場合の結合部1個の面積は0.1〜7mm2 の範囲が好ましく、より好ましくは0.2〜5mm2 である。1個の結合部の面積が0.1mm2 未満では、結合部に穴が生じ易くなり、また7mm2 を超えると、部分的に電解液の通過、ガスの透過などが不足する部分が生じ、電池性能に悪い影響を与える場合がある。また結合部の形状には特に制限はないが、円状、菱形、楕円状、四角状などの形状が好ましい。
【0011】
本発明において、部分熱圧着された圧着部の厚みは、不織布の強度および耐摩耗性の点から、非圧着部の厚みの20%以下、好ましくは5〜15%とする必要がある。また不織布の厚み方向の圧縮へたり率は20〜60%、好ましくは30〜50%、さらに厚みの回復率は80%以上、好ましくは85%以上とされる。上記範囲の圧縮へたり率であれば、電極板と不織布が加圧下で巻かれた時の巻き径を、筒状容器の巻き径より小さくでき、容器に挿入しやすくなる。また回復率が80%未満では容器の中で電極と不織布の間に隙間が生じ易く、装着性、充填性などの点で問題が生じる。なお、上記厚み圧縮へたり率および除重後の厚み回復率は、2kPa荷重時の不織布の厚みT0 、1250kPa荷重時の不織布の厚みT1 、および1250kPaの荷重した後除重後の2kPa荷重時の不織布の厚みT2 とを求め、下記式で算出した値である。
厚みの圧縮へたり率(%)=(T0 −T1 )×100/T0
除重後の厚み回復率(%)=〔1−(T0 −T2 )/T0 〕×100
なお、圧着部の厚み比率は下式で求められる。t0 およびT0 はそれぞれ2kPa荷重時の厚みである。
圧着部の厚み比率(%)=圧着部の厚み(t0 )/非圧着部の厚み(T0 )×100
【0012】
本発明に用いられる長繊維不織布は、厚みが0.16〜0.55mmであるのが好ましく、より好ましくは0.20〜0.45mmである。厚みが0.16mm未満では、電極の隔離性、電解液の保液性が低下し、電池性能が低下し易くなり、また0.55mmを超えると、電極の隔離性、電解液の保液性は良好となるが、電池容積が大きくなる。
不織布の厚みは、一対の平滑ロール、例えば、スチールロールとスチールロール、スチールロールとペーパーロール、スチールロールとコットンロール、スチールロールとゴムロールなどの組み合わせにより、加熱・加圧して潰し加工を行うことにより調整することができる。潰し加工条件は、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、加熱温度60〜180℃、圧力50〜800N/cmで行うことができる。
【0013】
また長繊維不織布のみかけ密度は0.15〜0.5g/cm3 が好ましく、より好ましくは0.2 0〜0.4g/cm3 である。みかけ密度が0.15g/cm3 未満では電解液の吸液性、保液性が低下し、電池性能が低下し易くなり、また0.5g/cm3 を超えると電解液の吸液性、保液性は良好となるが、ガスの透過性などが低下し易くなる。
【0014】
また本発明に用いられる長繊維不織布は、その機械の流れ方向の5%応力が50N/5cm以上であるのが好ましく、より好ましくは60〜200N/5cmである。上記5%応力が50N/5cm未満では、機械流れ方向の強度が不足し、電極とセパレーターの巻き作業時に幅が狭くなる幅入りや伸びなどが生じ、電池容器にセットした場合に空間が生じ易い。上記応力を有する不織布は、連続フィラメントからなるポリアミド繊維ウェッブに全面に均一に、かつ一定の割合で部分熱圧着部を形成させることにより得ることができる。
【0015】
また、不織布の強度を確保するためにウェッブに部分熱圧着部(結合部)を形成させると、該圧着部におけるガス透過性、液透過性が非圧着部より低下し、有効電極面積として機能しにくくなるが、上記長繊維不織布に電解液に影響を与えない親水剤を付与し、電解液との馴染み性を向上させることにより、ガス透過性や液透過性の低下を防止し、有効電極面積の減少を防ぐことができる。
親水剤としては、例えば、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニールアルコールなどを単独でまたは2種以上混合して用いられる。これらのうち、特にポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤が好ましい。
【0016】
上記長繊維不織布に親水剤を付与する方法としては、不織布の少なくとも片面の繊維全体に均一に付着できる方法であれば特に制限はなく、公知のグラビアロール方式、スプレー方式、含浸方式などで行うことができる。
親水剤の付着量は0.1〜10重量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.2〜5重量%である。0.1重量%未満では不織布の吸液性が不足し易く、また10重量%を超えると吸液性は良好となるが、電解液中に親水剤が溶出する割合が多くなり、電池性能に悪い影響を及ぼす場合がある。
【0017】
また長繊維不織布の突き刺し強度は、繊維が電極のバリ、ノッチなどで切断されるのを防止する点から、10N以上であることが好ましく、より好ましくは12〜25Nである。突き刺し強度が10N未満では、強度が弱く切断しやすくなり、電池の正極と負極との短絡問題が生じ易くなる。
さらに長繊維不織布の吸液速度は、電池の生産工程で電解液がセパレーターに浸透し易く、かつ所定量の電解液の保液時間を短縮できる点から、100mm以上であるのが好ましく、より好ましくは120〜200mmである。吸液速度が100mm未満では、電解液がセパレーターに浸透し難く、保液される時間が長くかかり、生産時間が長くなる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、例中の特性は下記の方法で測定した。
(1) 平均繊維径:顕微鏡で500倍の拡大写真をとり、10本の平均値で示す。
(2) 目付:試料20cm×25cmを切り取り、重量を測定し、その平均値を単位面積当たりの質量に換算して求める(JIS−L−1906)。
(3) 厚み:直径10mmの加圧子、荷重2kPaで任意の10カ所測定し、その平均値で示す(JIS−L−1906)。
(4) みかけ密度:目付、厚みを測定し、単位容積当たりの重量を求める。
(5) 親水剤の付着率:不織布の加工前の重量に対する親水剤付着量の重量百分率で求める。
(6) 5%応力:幅5cm×長さ30cmの試験片を、つかみ間隔20cm、引張速度10cmで引張試験機(島津製作所製)を用いて測定し、機械流れ方向の5%応力を求める(JIS−L−1906)。
【0019】
(7) 突き刺し強度:KES-G 5ハンデイー圧縮試験機(カトーテック社製)で直径1mm球形状の加圧子で測定する。
(8) 吸水速度:JIS−L−1906(B法、バイレック法)に準じて測定し、10分間の上昇した高さを測定3回の平均値で示す。
(9) 保液率:試料5cm角(重量W0 )を31重量%濃度の水酸化カリウム水溶液に1時間漬けた後、取り出し、風乾10分してから重量(W1 )を測定し、試料の重量変化率〔(W1 −W0 )×100/W0 〕を求める。
(10) 厚みの圧縮へたり率および除重後の厚み回復率:2kPa荷重時の不織布の厚みT0 、1250kPa荷重時の不織布の厚みT1 、および除重後の2kPa荷重時の不織布の厚みT2 を求め、下記式で算出した。
厚みの圧縮へたり率(%)=(T0 −T1 )×100/T0
除重後の厚み回復率(%)=〔1−(T0 −T2 )/T0 〕×100
【0020】
(11) 耐摩耗性:学振型摩擦試験機(大栄科学精器製作所製)を用いて試験片を荷重500gで100回往復摩擦した後、下記の判定基準で判定した。
○ 毛羽たちがない
△ 毛羽たちがあるが目立たない
× 毛羽たちが目たつ
(12) 有効電極面積:電解液が浸透できる有効面積(非圧着部の面積)を測定し、下記のように評価した。
○ 85〜100%、
△ 50〜85%
× 50%未満
(13) 通気性:JIS−L−1906フラジュール形試験機で測定する。
【0021】
実施例1〜9および比較例1〜5
ナイロン6を多数の紡糸ノズルから溶融紡糸し、多数の連続フィラメントをエアーサッカーにより、フィラメントを牽引した後、コンベアネット上に不織ウェッブを形成させた。該不織ウェッブを、凸部がロール表面に均一に配置されたエンボスロールと表面が平滑なフラットロールとの間を通過させて熱圧着し、ポリアミド長繊維不織布を得た。
紡糸条件を適宜選定して平均繊維径および目付を変え、またエンボスロール形状により部分熱圧着率を変化させ、さらに得られた不織布に一対の平滑ロールで加工して厚みを変化させて表1に示す不織布をそれぞれ製造した。また各不織布には親水剤として非イオン界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)を表1に示す付着率で付着させ、電池用セパレーターとした。図1は、実施例1で得られた電池用セパレーターの断面図を示した。
得られた電池用セパレーターの必要特性を調べ、その結果を表1に示した。
【0022】
表1から、本発明のポリアミド長繊維不織布(実施例1〜9)は、平均繊維径10〜20μm、厚み0.16〜0.55mm、みかけ密度0.15〜0.5g/cm3 、部分熱圧着率5〜20%、親水剤付着率0.1〜10重量%の範囲にあり、電池セパレーターとしての必要性能を充分満足するものであった。
これに対し、比較例1のものは、親水剤が付着されていないため、吸液速度および保液性に劣るものであった。また比較例2のものは平均繊維径が小さいため、機械流れ方向5%応力が低く、突き刺し強度、吸液速度および耐摩耗性に劣るものであった。また比較例3のものは平均繊維径が大きすぎるため、吸液速度に劣っていた。また比較例4のものは部分熱圧着率が低いため、機械流れ方向5%応力が低く、突き刺し強度および耐摩耗性に劣るものであった。比較例5のものは部分熱圧着率が20%を超えており、有効電極面積の減少が見られた。
【0023】
比較例6
繊維長10mm、繊維径15μmのナイロン短繊維85重量%と、繊維長5mm、繊維径20μmの鞘がポリエチレンで芯がポリプロピレンの合成短繊維15重量%とを混合し、水中に分散、抄造機で抄造した後、支流交絡させ、乾燥機で熱処理し、短繊維不織布を得た。
次いで親水剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテルの被イオン界面活性剤(花王社製)を付着量1%で不織布に付着させた。得られた不織布のセパレーターとしての特性を調べた。その結果を表1に示したが、部分熱圧着されていないため、機械流れ方向5%応力、突き刺し強度、耐摩耗性に劣り、圧縮へたり率が大きく、厚み回復率の低いものであった。
【0024】
【表1】
Figure 0004972253
【0025】
【発明の効果】
請求項1および2に係る発明によれば、一定の平均繊維径を有するポリアミド連続フィラメントからなるウェッブを、全面に均一に一定の部分熱圧着率で部分熱圧着させ、特定の厚みを有する圧着部と、特定の圧縮へたり率および厚み回復率を有する長繊維不織布を用いるため、不織布の圧着部と非圧着部のバランスが適正化され、有効電極面積の減少を抑えつつ製造時に必要な強度と優れた装着性および充填性、さらに優れた吸液性、保液性等を得ることができる。
請求項3および4に係る発明によれば、上記効果に加え、一定以上の機械流れ方向の強度を有する長繊維不織布に親水剤を付着しているため、強アルカリ溶液の電解液に対する耐久性に優れ、セパレーターの有効電極面積を減少させることがなく、また電池生産工程時に必要な強度を有し、かつ通気性、電解液の吸液速度、保液性、安定生産性などに優れる。
請求項5に係る発明によれば、上記効果に加え、一定品質を有する電池生産が容易となり、生産コストの低減を図ることができる。
本発明の電池用セパレーターは、特にニッケルカドミウム電池用セパレーターとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例を示す電池用セパレーターの断面図。
【符号の説明】
1…電池用セパレーター、2…非圧着部、3…圧着部。

Claims (3)

  1. 平均繊維径10〜20μmの連続フィラメントからなるポリアミド繊維ウェッブを全面に均一に部分熱圧着して結合させた長繊維不織布であって、該長繊維不織布の厚みは0.20〜0.55mmであり、みかけ密度は0.15〜0.5g/cm 3 であり、部分熱圧着率5〜20%でありここで、圧着部の厚み非圧着部の厚みの20%以下であり、該長繊維不織布の厚みの圧縮へたり率20〜60%であり、厚み回復率80%以上であり、かつ、該長繊維不織布に親水剤が0.1〜10重量%付着されていること特徴とする電池用セパレーター。
  2. 前記長繊維不織布の機械流れ方向の5%応力は、50N/5cm以上である、請求項1に記載の電池用セパレーター。
  3. 前記長繊維不織布の突き刺し強度10N以上であり、かつ、吸液速度100mm以上である、請求項1又は2に記載の電池用セパレーター。
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