JP3775658B2 - 釣竿 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術の分野】
この発明は、釣竿、特に釣用リールが装着され、定格長さを変化させることのできる機構(いわゆるズーム機構)を備えた釣竿に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
釣竿の中にはズーム機構を備えているものがある。この機構は、釣竿の使用中に釣竿を構成する元節に対して元上節の一部が進退(伸縮)するように構成されたものであり、単一の釣竿でありながら長尺モードと短尺モードとの2つの態様を自由に選択して使用することができる。
【0003】
ズーム機構を搭載したタイプの釣竿は、たとえば図5に示すように、釣用リール1が釣竿2に対して上向きに装着される場合がある。このような場合に釣竿2は、釣糸ガイド3が上向きになるように使用され、釣用リール1から引き出された釣糸4は、釣竿2の上端縁に沿うように釣糸ガイド3によって案内される。
【0004】
ところで、同図に示すようにズーム機構を作動させた場合(定格長さを長尺に設定した場合)には、釣用リール1にもっとも近い第1番目の釣糸ガイド3までの距離が長くなるため、魚がヒットして釣竿2が大きく曲がったときに、釣用リール1と釣糸ガイド3との中間部分5において、釣糸4が釣竿2の表面と接触することがある。なお、このことは、図に示すようないわゆるアウターガイドタイプの釣竿に限らず、釣糸がエントランスガイドから釣竿の内部に案内されるインナーガイドタイプの釣竿であっても同様である。
【0005】
釣糸4と釣竿2との接触はそれ自体特に問題はないが、釣人にとっては釣糸4の接触による不快感があることは否めない。これを解消するためには、釣用リール1と釣糸ガイド3との間にさらに釣糸ガイド3と同様の別の釣糸ガイドを設ければよいが、ズーム機構を搭載した釣竿2では元上節6が元節7に対して伸縮するから、単純にそのような措置をとることはできない。
【0006】
そこで、本発明は、ズーム機構を備えた釣竿であっても、釣糸と釣竿本体との接触を防止することのできる釣竿を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するため、本願に係る釣竿は、元上節の後端部を元節に対して引出/収容させることによって定格長さを変化させることができるズーム機構を備え、釣糸を各節に沿って案内する釣糸ガイド機構が設けられた釣竿であって、元上節の後端部に、元上節の後端部を元節に収容させた状態で元上節の外周面と元節の内周面との隙間に挿入可能に配設され、元上節の後端部が元節から引き出された状態で収容状態時より径方向へ突出し釣糸と元上節との接触を防止する接触防止手段が備えられていることを特徴とするものである。
【0008】
この構成によれば、元上節の後端部が元節から引き出された状態にあるとき(この状態を「ズームアップ状態」という。)は、釣用リールと釣糸ガイドとの距離が大きくなるため、魚がヒットして釣竿が湾曲すると、釣用リールから繰り出された釣糸と元上節とが接近することがある。しかし、元上節の後端部に接触防止手段が設けられているから、元上節に接近した釣糸が元上節と接触することがない。
【0009】
(2) 上記接触防止手段は、上記元上節から突出するように湾曲形成された板状部材により構成することができる。このようにすれば、元上節に接近した釣糸は板状部材と当接するから、元上節と接触することがない。
【0010】
また、上記板状部材を、上記元上節の長手方向に沿って配設された薄肉細長の部材により構成し、当該板状部材が上記元上節に固定された固定端部と、固定端部に延設され、上記元上節の径方向外方に湾曲形成された釣糸当接部とを有するように形成することができる。このようにすれば、薄肉板にプレス加工や打ち抜き加工等を施すことによって、接触防止手段を簡単に構成することができる。また、固定端部を元上節に固定するだけで容易に接触防止手段を配設することができる。そして、元上節に接近した釣糸は釣糸当接部に当接するから、元上節との接触を避けることができる。
【0011】
さらに、上記接触防止手段は、上記釣糸と接触したときに当該釣糸との摩擦力を抑える摩擦低減部材を備えることもできる。これにより、釣糸が接触防止手段に当接して摺動する場合でも、両者間に生じる摩擦力を低減させて釣糸を保護することができる。
【0012】
(3) 元上節が元節に収容されるときに、上記隙間に上記接触防止手段が挿入されるように当該接触防止手段を案内する挿入案内手段をさらに備えることもできる。このようにすれば、元上節の後端部を元節に収容させるときに、接触防止手段が元節に引っ掛かることを防止してスムーズに挿入することができる。
【0013】
特に、上記挿入案内手段は、上記板状部材の少なくとも上記釣糸当接部を弾性材料により形成することにより構成することができる。このようにすれば、仮に接触防止手段を構成する板状部材の外形寸法が元節と元上節との隙間寸法よりも大きい場合であっても、上記板状部材を元節と元上節との隙間に挿入することができる。
【0014】
詳述すると、釣糸当接部は、上記固定端部から元上節の径方向外方に湾曲形成されているから、元上節を元節に収容する際に、釣糸当接部が元節の端部に当接する。さらに元上節を元節に収容すると、釣糸当接部に元節の端部が相対的に押し付けられる。このとき、釣糸当接部は湾曲形成されていることから、釣糸当接部と元節の端部とは一定の交差角で交差する。したがって、元節の端部に相対的に押し付けられた釣糸当接部は弾性変形し、板状部材の外形寸法が上記隙間寸法よりも小さくなる。その結果、板状部材全体を上記隙間に挿入することができる。
【0015】
さらに、上記挿入案内手段は、上記元上節側へ滑らかに漸次近接する近接端部を上記釣糸当接部に延設することにより構成することもできる。このようにすれば、特に近接端部を元節側に向けて配置することにより、元上節が元節に収容される際に、近接端部が元上節と元節との隙間に入りこむ。そして、さらに元上節を元節に収容していくと、元節の端部が相対的に近接端部または上記釣糸当接部を当接・押圧する。その結果、釣糸当接部が弾性変形して板状部材全体を上記隙間に挿入することができる。
【0016】
なお、元上節を元節から引き出すと、上記板状部材が上記隙間から引き抜かれ、上記弾性変形が復元する。
【0017】
(4) 上記接触防止手段は、上記元上節と上記釣糸とが接近したときに、当該釣糸を支持する釣糸支持部をさらに備えることもできる。
【0018】
この構成では、釣糸支持部によって釣糸を支持することができるから、接触防止手段に当接した釣糸が簡単に当該接触防止手段から外れてしまうことがなく、釣糸と元上節との接触を確実に防止することができる。
【0019】
特に、上記釣糸支持部は、上記釣糸が嵌まり込む溝により構成することができる。このようにすれば、釣糸支持部を簡単に形成することができるし、釣糸を確実に保持することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係る釣竿10の要部正面図であり、釣用リール11が装着され、且つ魚がヒットした状態を示している。
【0022】
釣竿10は、たとえば船釣りに使用される振出式のものであって、複数の節12,13,14等からなる。なお、説明を簡単にするために、図1では釣竿10の一部を省略して図示している。
【0023】
上記節とは、釣竿10を構成する細長棒状の部材であって、釣竿10の先端側から順に、第1番節12,第2番節(図示せず)と呼ばれ、最も後端の節を特に元節14といい、元節14に連続する前節を特に元上節13という。各節12〜14は筒状に形成されており、たとえばカーボン繊維を螺旋状に巻回して形成する等、公知の要領で製造することができる。なお、第1番節12は、中空棒状ではなく中実棒状に形成されることもある。
【0024】
また、各節12〜13には、図に示すようなガイド部材15〜18が設けられている。各ガイド部材15〜18は、釣用リール11から繰り出される釣糸19が挿通される挿通孔(図示せず)を有し、釣糸19を釣竿10の外周面に沿って長手方向に案内するためのものである。すなわち、この釣竿10は、アウターガイドタイプの釣竿である。
【0025】
本実施形態に係る釣竿10は、いわゆるズーム機構を搭載しており、元上節13の後端部分20が元節14に対して収容され、また引き出されるようになっている。詳述すると、ズーム機構は、元上節13を元節14から引き出した伸長位置(図に示す位置)と、この位置から上記後端部分20を元節14に収容した縮短位置との間で位置変化を可能とするものであって、伸長位置および縮短位置のそれぞれの位置において、元上節13を元節14に対して所定の保持力で保持させることができるようになっている。つまり、釣竿10を長尺モードと短尺モードとの2つのモードで使い分けることができるようになっている。
【0026】
また、縮短位置において元上節13をがたつきなく保持するために、元上節13の所定位置には、リング状の保持具21が装着されている。この保持具21の外径は元節14の先端内径に対応しており、元上節13が縮短位置となったときに保持具21が元節14の先端内部にぴったりと嵌め込まれた状態となる。すなわち、元上節13が縮短位置となったときの当該元上節13と元節14との境界部分に上記保持具21が設けられている。
【0027】
図に示すように、元上節13の後端部分20の所定部には、接触防止板22(接触防止手段)が取り付けられている。この接触防止板22は、釣糸19が元上節13に接触するのを防止するためのものである。本実施形態では、接触防止板22は、弾性材料、たとえばニッケルチタン合金等のいわゆる形状記憶合金等からなる板状の部材である。接触防止板22をこのような形状記憶合金等により構成するのは、後述するように弾性変形させるためであり、したがって、弾性に富む材料であれば、他の材料を採用することができるのは勿論である。
【0028】
図2は、元上節13の要部拡大斜視図であり、接触防止板22の具体的形状とその取付要領を示したものである。また、図3は、接触防止板22が元節14の内部に挿脱される要領を示したものであり、(a)図は、ズームアップ状態において接触防止板22が元節14の外側に配置されている状態を示し、(b)図は元節14の内部に挿入されている状態を示している。
【0029】
図2に示すように接触防止板22は、薄肉かつ細長に形成されており、元上節13の長手方向に沿って延びるように配置されている。接触防止板22は、本体23と脚部24(固定端部)とを有しており、これらが一体的に形成されている。
【0030】
脚部24は、本体23よりもさらに細く形成されており、綿糸やナイロン糸等からなる締結糸25により元上節13に締結固定されている。なお、脚部24の固定は、他の既知の手段を採用することもできる。
【0031】
本体23は、図に示すように略への字状に形成されており、脚部24に連続する釣糸当接部26と、近接端部27とを有している。釣糸当接部26は、釣糸19が当接する部材であって(図1参照)、元上節13の径方向外方に突出するような山形に湾曲形成されている。
【0032】
また、近接端部27は、釣糸当接部26に連続し、元上節13の外周面に滑らかに沿うように湾曲形成されている。近接端部27は、図に示すように、元上節13に滑らかに漸次近接するように形成するのが好ましい。この場合、「滑らかに漸次近接」とは、元上節13に当接するように形成する態様も含まれる。さらに、近接端部27の先端部(図中右端部)28は、図に示すように、幅方向寸法が漸次小さくなるように曲面状に仕上げる(いわゆるR加工を施す)のが好ましい。なお、上記釣糸当接部26および近接端部27の作用効果については後述する。
【0033】
本実施形態では、釣糸当接部26に溝29(釣糸支持部)が設けられている。この溝29は、釣糸当接部26の頂部31に、元上節13の径方向内方に凹となるように形成されている。釣糸19は、元上節13に近接したときにこの溝29に嵌まり込むようになっている。
【0034】
溝29は、釣糸当接部26と一体的に形成することができる。すなわち、接触防止板22は、たとえば平板のプレス加工等により構成することができるが、そのときに、釣糸当接部26と共に溝29を形成することができる。なお、この溝29を無くすこともできる。
【0035】
本実施形態に係る釣竿10では、その使用時に次のようにして釣糸19と元上節13との接触を防止することができる。
【0036】
図1を参照して説明する。まず、仮に元上節13が縮短位置にあるとしたならば、釣糸ガイド18と釣用リール11との距離が短くなるので、魚がヒットして釣竿10が湾曲したとしても釣糸19が元上節13に接触することはない。
【0037】
ところが、ズームアップ状態となったときは、釣用リール11と釣糸ガイド18との距離が大きくなるため、釣竿10が湾曲すると、釣糸19が元上節に接近する。しかし、元上節13に接触防止板22が設けられているから、元上節13に接近した釣糸19が接触防止板22に当接する。これにより、釣糸19が元上節13と接触することがない。したがって、釣糸19の接触による元上節13の塗装の損傷のおそれや釣人の不快感をなくすことができる。
【0038】
ところで、この釣竿10はズーム機構を搭載しているから、元上節13が元節14に対して自在に引き出し、収容が可能である必要がある。この場合、接触防止板22の外形寸法(高さ寸法)が上記隙間30の寸法(元上節13の外周面と元節14の内周面との隙間寸法)よりも小さい場合は、接触防止板22と元節14との接触を避けることができるが、本実施形態のように、接触防止板22の高さ寸法が上記隙間30の寸法よりも大きい場合には、次のようにして接触防止板22が上記隙間30に挿入される。
【0039】
図3を参照して説明する。同図(a)の状態(ズームアップ状態)から元上節13を元節14内に収容していくと、接触防止板22が元節14側に接近する。接触防止板22の近接端部27は、元上節13に滑らかに漸次近接するように形成されているから、さらに元上節13を元節14内に収容すると、近接端部27の先端部が上記隙間30に挿入されると共に、元節14の端部に接触防止板22が当接する。
【0040】
このとき、接触防止板22が上述したような弾性材料により構成されているから、元上節13を元節14に収容していくにしたがって、接触防止板22が弾性変形し、接触防止板22の高さ寸法が小さくなる。したがって、同図(b)に示すように接触防止板22が撓み、完全に上記隙間30内に挿入される。すなわち、本実施形態では、接触防止板22自体を弾性材料により形成した点、および接触防止板22の近接端部27を、接触防止板22を上記隙間30に挿入するときの案内部材として機能させた点により、接触防止板22が隙間30に挿入されるときの挿入案内手段が構成されている。
【0041】
もっとも、上記近接端部27はなくすこともできる。そのような場合でも、接触防止板22が弾性材料により形成されているから、次のようにして接触防止板22が上記隙間30に挿入される。
【0042】
すなわち、釣糸当接部26が元上節13の径方向外方に湾曲形成されているから、元上節13を元節14に収容すると、釣糸当接部26が元節14の端部に当接し、釣糸当接部26に元節14の端部が相対的に押し付けられる。このとき、釣糸当接部26は図3に示すように湾曲形成されているから、釣糸当接部26の表面(斜面)と元節14の端部とが一定の交差角で交差しながら、釣糸当接部26が弾性変形する。その結果、接触防止板22が上記隙間30に挿入される。
【0043】
なお、元上節13を元節14から引き出す場合(ズームアップ状態に展開する場合)には、接触防止板22が上記隙間30から引き出されたときに上記弾性変形が復元し、同図(a)に示すように元上節13から径方向に飛び出した姿勢となる。
【0044】
また、上述した接触防止板22の上記隙間30への挿入要領は、接触防止板22の取付方向を逆にした場合(上記固定端部24を元節14側に固定した場合)であっても同様である。すなわち、元上節13を元節14に収容すると、釣糸当接部26が元節14の端部に当接し、釣糸当接部26に元節14の端部が相対的に押し付けられる。このとき、釣糸当接部26は図3に示すように湾曲形成されているから、釣糸当接部26の表面(固定端部24側の斜面)と元節14の端部とが一定の交差角で交差しながら、釣糸当接部26が弾性変形する。その結果、接触防止板22が上記隙間30に挿入される。
【0045】
さらに、上述のように接触防止板22を撓ませて上記隙間30に挿入するためには、接触防止板22全体を弾性材料により構成する必要はなく、少なくとも釣糸当接部26が弾性材料により構成されていればよい。
【0046】
加えて、本実施形態に係る接触防止板22は、固定端部24が元上節13に固定されるものであるが、接触防止板22の両端部を元上節13に固定するようにしてもよい。その場合であっても、少なくとも釣糸当接部26が弾性材料により構成していれば、釣糸当接部26の弾性変形により、接触防止板22全体を上記隙間30に挿入することができる。
【0047】
このように本実施形態に係る釣竿10では、上述のように釣糸19の接触による元上節13の塗装の損傷のおそれや釣人の不快感をなくすことができることに加えて、接触防止板22の外形寸法が元節14と元上節13との隙間30の寸法より大きい場合であっても、従来どおりのズーム機構の機能を損なうことがない。
【0048】
さらに、本実施形態に係る釣竿10では特に次のような作用効果を奏する。
【0049】
近接端部27の先端部28を曲面に仕上げているので(図2参照)、近接端部27の上記隙間30への挿入がきわめて円滑に行えるという利点がある。
【0050】
なお、本実施形態では、接触防止板22を上記隙間に案内するために上記近接端部27を形成し、この部分によって接触防止板22の挿入案内を行うようにしたが、接触防止板22の挿入案内手段として他の既知の機構を採用することも可能である。たとえば、接触防止板22を元上節13にヒンジ機構等を介して回動可能に取り付け、元上節13および元節14内に配設したリンク機構によって、接触防止板22の姿勢を、当該接触防止板22が上記隙間30に進入できるように変化させることもできる。
【0051】
また、本実施形態では、接触防止板22を板状部材を湾曲形成して構成しているので、釣糸19の接触防止を実現するための構造をきわめて簡単にすることができ、釣竿10の製造コストも大幅に上昇することがないという利点もある。
【0052】
さらに、本実施形態では、接触防止板22に溝29が形成されているから、釣糸19が元上節13に接近すれば、釣糸19が溝29に嵌まり込む。したがって、釣糸19は確実に支持され、釣糸19が簡単に接触防止板22から外れてしまうことを防止することができるので、釣糸19と元上節13との接触を確実に防止することができる。
【0053】
本実施形態では、釣糸19を支持するために溝29を設けているが、他の構成により釣糸を支持または保持するようにしてもよい。たとえば、釣糸当接部26の上にさらに釣糸19を保持するような保持器を形成することもできる。ただし、接触防止板22の上記隙間30への収納や製造コストを考慮すると、釣糸19を支持・保持する手段は、上記溝29により実現するのが好ましい。
【0054】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0055】
図4は、上記実施形態の変形例に係る接触防止板35の斜視図である。
【0056】
本変形例に係る接触防止板35が上記実施形態に係る接触防止板22と異なるところは、上記実施形態に係る接触防止板22では釣糸当接部26に溝29を設けたのに対し、本変形例では貫通孔37を設けた点、およびこの貫通孔37の両端部に一対の摩擦低減部材36を設けた点である。そして、これら貫通孔37および摩擦低減部材36により、上記釣糸支持部が構成されている。なお、その他の構成については、上記実施形態に係る接触防止板22と同様であるので、それらの詳しい説明は省略する。
【0057】
本変形例では、この摩擦低減部材36は、軸方向に切断された半円筒状に形成されており、その端部にフランジ38が形成されている。また、このフランジ38の内縁部39および外縁部40は、いわゆるR加工が施されて滑らかな曲面に仕上げられている。
【0058】
摩擦低減部材36は、たとえばシリコンカーバイト(SiC)やセラミック等により構成することができる。この摩擦低減部材36は、貫通孔37の内側に嵌め込まれて固定されている。なお、摩擦低減部材36の固定を確実なものとするために、所要のブラケット等あるいは接着剤等を介して貫通孔37の内面に固着するようにしてもよい。
【0059】
この摩擦低減部材36を設けることにより、釣糸19は、当該摩擦低減部材36に当接し、これを介して接触防止板35に支持されることになる。これにより、釣糸19が接触防止板35に当接して摺動する場合でも、両者間に生じる摩擦力を低減させることができ、釣糸19を保護することができる。しかも、本変形例では、摩擦低減部材36をシリコンカーバイト(SiC)等により構成しているから、上記摩擦力をきわめて小さくすることができる。加えて、摩擦低減部材36のフランジ38の内縁部39および外縁部40は曲面に形成されているから、釣糸19がきわめて滑らかに摺動することができるという利点もある。
【0060】
なお、本実施形態では、釣竿10はアウターガイドタイプのものであるが、釣糸が釣竿の内部を通るインナーガイドタイプのものでも同様に適用できる。インナーガイドタイプの釣竿では、釣用リールから繰り出された釣糸は、元上節の先端側に設けられたエントランスガイドから釣竿内部に案内されるが、そのようなタイプの釣竿であっても、釣用リールとエントランスガイドとの間の部分で釣糸が釣竿に接触する場合がある。しかし、上述した接触防止板22または接触防止板35を、たとえば元上節に取り付けることによって、釣糸と釣竿との接触を回避することができる。
【0061】
【発明の効果】
以上のように本願発明によれば、釣竿をズームアップ状態で使用したとしても、釣用リールから繰り出された釣糸が元上節と接触することを防止できるので、釣糸との接触による塗装の損傷のおそれや釣竿使用中の不快感をなくすことができる。しかも、従来どおりのズーム機構の機能を損なうこともないという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る釣竿の要部正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る釣竿の元上節の要部拡大斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る接触防止板が元節の内部に進退する要領を示す要部拡大断面図であり、(a)図は、ズームアップ状態において接触防止板が元節の外側に配置されている状態を示し、(b)図は元節の内部に配置されている状態を示す。
【図4】本発明の一実施形態に係る接触防止板の変形例に係る接触防止板の構造を示す斜視図である。
【図5】ズーム機構が搭載された従来の釣竿の要部正面図である。
【符号の説明】
10 釣竿
11 釣用リール
13 元上節
14 元節
15 釣糸ガイド
16 釣糸ガイド
17 釣糸ガイド
18 釣糸ガイド
19 釣糸
20 後端部分
22 接触防止板
23 本体
24 脚部
26 釣糸当接部材
27 近接端部
28 先端部
29 溝
30 隙間
35 接触防止板
36 摩擦低減部材
Claims (9)
- 元上節の後端部を元節に対して引出/収容させることによって定格長さを変化させることができるズーム機構を備え、釣糸を各節に沿って案内する釣糸ガイド機構が設けられた釣竿であって、
元上節の後端部に、元上節の後端部を元節に収容させた状態で元上節の外周面と元節の内周面との隙間に挿入可能に配設され、元上節の後端部が元節から引き出された状態で収容状態時より径方向へ突出し釣糸と元上節との接触を防止する接触防止手段が備えられていることを特徴とする釣竿。 - 請求項1記載の釣竿において、
上記接触防止手段は、上記元上節から突出するように湾曲形成された板状部材からなることを特徴とする釣竿。 - 請求項2記載の釣竿において、
上記板状部材は、上記元上節の長手方向に沿って配設された薄肉細長の部材からなり、
上記元上節に固定された固定端部と、
固定端部に延設され、上記元上節の径方向外方に湾曲形成された釣糸当接部とを有することを特徴とする釣竿。 - 請求項1ないし3のいずれかに係る釣竿において、
上記接触防止手段は、上記釣糸と接触したときに当該釣糸との摩擦力を抑える摩擦低減部材を備えていることを特徴とする釣竿。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の釣竿において、
元上節が元節に収容されるときに、上記隙間に上記接触防止手段が挿入されるように当該接触防止手段を案内する挿入案内手段をさらに備えていることを特徴とする釣竿。 - 請求項5記載の釣竿において、
上記挿入案内手段は、
上記板状部材の少なくとも上記釣糸当接部を弾性材料により形成することにより構成されていることを特徴とする釣竿。 - 請求項6記載の釣竿において、
上記挿入案内手段は、
上記元上節側へ滑らかに漸次近接する近接端部を上記釣糸当接部に延設することにより構成されていることを特徴とする釣竿。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の釣竿において、
上記接触防止手段は、上記元上節と上記釣糸とが接近したときに、当該釣糸を支持する釣糸支持部をさらに備えていることを特徴とする釣竿。 - 請求項8記載の釣竿において、
上記釣糸支持部は、上記釣糸が嵌まり込む溝により構成されていることを特徴とする釣竿。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001381091A JP3775658B2 (ja) | 2001-12-14 | 2001-12-14 | 釣竿 |
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JP2001381091A JP3775658B2 (ja) | 2001-12-14 | 2001-12-14 | 釣竿 |
Publications (2)
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