JP3775523B2 - ドアロック装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドアの室内側に回転自在に支持された操作部材の操作によりドアを施錠及び解錠できるドアロック装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のドアロック装置としては、特開平2−21758号公報に示されるものが知られている。これは、ドアの室外側に回転自在に支持された操作部材の回転操作により回動してドアの施錠状態及び解錠状態を得るレバーを備えたドアロック装置である。
【0003】
このドアロック装置では、ドア内の室外側に配置されドアの上下方向に動く連結リンクにより操作部材とレバーとを連結し、これにより、操作部材の回転操作をレバーに伝達していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記したドアロック装置であると、ドア内の室外側に配置された連結リンクの上下動でレバーが回動させられてドアが施錠及び解錠させられるものであるので、連結リンクは、その配置及び動きから、ドアを構成するウインドガラスと室外側パネルとの間等からドアの上下方向で差し込まれる針金等の操作部材以外の不当な工具で容易に動かされやすくなる。結果、レバーが不当な工具で回動させられる恐れがあった。
【0005】
故に、本発明は操作部材以外の不当な工具によってレバーが操作されないようにすることを、その技術的課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するために本発明において講じた技術的手段は、ドアの室外側に回転自在に支持された操作部材と当該操作部材の回転操作により回動してドアの施錠状態及び解錠状態を得るキーレバーとを備えたドアロック装置において、ドア内の車室側のパネルに近接して配置されたベース部材と、前記ベース部材に回転自在に支持され前記操作部材の回転中心軸線上に配置されるとともに前記操作部材に連係された回転部材と、当該回転部材からドアの下方に延在するとともにドア内の車室側に配置された連結リンクと、当該連結リンクの前記回転部材の側とは反対側の端部に接続されるとともに前記キーレバーに接続された連結レバーと、前記キーレバーに係合可能な出力レバーを備えたアクチュエータと、前記出力レバーに接続されドアの開錠状態及び施錠状態を可能にするロッキングレバーとを有し、前記回転部材・前記連結リンク・前記連結レバー・前記出力レバー・前記キーレバー・前記ロッキングレバーが、前記ベースプレートに固定されたプロテクトカバーで被覆してある、ことである。
【0007】
より好ましくは、前記回転部材及び前記操作部材の回転中心軸線上に配置され前記回転部材と前記操作部材とを連結し前記操作部材の回転動作を前記回転部材に伝達する連結棒を有する、と良い。
【0008】
より好ましくは、前記プロテクトカバーの前記回転部材と前記連結棒との連結部が位置する部分に前記連結部の直径と略同径の貫通穴が設けてある、とよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1ないし図3に示されるように、ドアロック装置1は、ベースプレート2,ラッチ機構3,レバー機構4及びアクチュエータ5を有して構成されている。
【0010】
ベースプレート2は、L字状を呈するものであって、図1に示されるように、車両のドア6内に配置され、ドア6の車両幅方向(ドア6の厚方向)のパネル6aに沿って配置されるベース部21及びドア6の車両前後方向(ドア6の前後方向)に沿い且つドア6の室内側のパネル6bに近接して配置される立壁部22を備えている。
【0011】
図4に示されるように、ラッチ機構3は、ボディ31,ポール32,ラッチ33及びストライカ34よりなるものである。ボディ31は、ベースプレート2のベース部21に固定され、ポール32及びラッチ33を収容する。又、このボディ31には、ドア6の開閉動作に応じてストライカ34が出入するための挿通溝31aが形成されている。ポール32及びラッチ33は、夫々、ピン32a,33aによりボディ31に回転自在に支持されている。ストライカ34は、ドア6の閉状態においてドア6のパネル6aと対向する車両のボディ(図示せず)に固定されている。又、ラッチ33の外周面には、ボディ31の挿通溝31aに進入したストライカ34を受け入れるU字溝33b及びポール32と係脱可能な係合爪33cが形成されている。ポール32は、その回転動作によりラッチ33の係合爪33cと係合するようになっている。このように構成されたポール32及びラッチ33において、ストライカ34がラッチ33のU字溝33b内に受け入れられた状態でポール32とラッチ33の係合爪33cが係合してラッチ33の回転動作がポール32によって規制されることでドア6を閉状態で保持する。又、ポール32を回転動作してラッチ33の係合爪33cとの係合を解除することでドア6が開可能状態となる。
【0012】
図2及び図3に示されるように、レバー機構4は、リフトレバー41,オープンレバー42,ロッキングレバー43,キャンセルレバー44,スライドブッシュ45及びキーレバー47からなるものである。
【0013】
リフトレバー41は、ベースプレート2のベース部21上に配置され、ラッチ機構3のポール32を支持するピン32aに回転自在に支持されている。このリフトレバー41は、その一方の腕部分に形成された嵌合フランジ部41aによりポール32に嵌合してポール32と一体に回転動作する。又、リフトレバー41の一方及び他方の腕部分には、夫々、係合フランジ41b,41cが形成されている。更に、リフトレバー41には、他方の腕部分と対向して脚部分41dが延在形成されており、この脚部分41dでドア6の室内側のパネル6bに設けられたインサイドハンドル(図示せず)にリンク(図示せず)及びインサイドレバー46を介して連結されている。尚、インサイドレバー46は、ベースプレート2の立壁部22にピン46aにより回動自在に支持されている。
【0014】
オープンレバー42は、リフトレバー41と同様にベース部21上に配置されピン32aに回動自在に支持されている。このオープンレバー42は、その一方の腕部分でドア6の室外側のパネル6cに設けられたアウトサイドハンドル8(図1示)にリンク(図示せず)を介して連結されている。又、オープンレバー42には、ピン部42aが形成されている。
【0015】
ロッキングレバー43は、ベース部21上に配置され、ピン43aによりベース部21に回動自在に支持されている。このロッキングレバー43は、その一方の腕部分でリンクを介してドア6の室内側のパネル6bに設けられたロックノブ(図示せず)に連結されると共にアクチュエータ5の後述する出力レバー52,キーレバー47及び連結機構7を介してドア6の室外側のパネル6cに設けられたキーシリンダ機構9(図1示)に連結されている。又、ロッキングレバー43の他方の腕部分には、ピン32aを中心とした円弧状の長穴43bが形成されている。
【0016】
スライドブッシュ45は、オープンレバー42の他方の腕部分にスライド自在に支持されている。このスライドブッシュ45には、ピン部45aが形成されており、ロッキングレバー43の長穴43aに摺動自在に挿通されている。又、スライドブッシュ45には、オープンレバー42の回動動作でリフトレバー41の係合フランジ41cと係脱自在な係合突起45bが形成されている。このように構成されたスライドブッシュ45は、ロッキングレバー43の回動動作で長穴43bとピン部45aとの挿通を介してオープンレバー42の他方の腕部分に対してスライド動作させられ、これにより、係合突起45bは、リフトレバー41の係合フランジ41cとの係合軌跡上に位置したり係合軌跡上からはずれたりする。結果、ドア6の施錠状態及び解錠状態を作り出す。
【0017】
キャンセルレバー44は、ロッキングレバー43にロッキングレバー43に一体成形されたスナップピン44aにより揺動自在に嵌合支持されている。このキャンセルレバー44の自由端部分には、長穴44bが形成されており、オープンレバー42のピン42aが摺動自在に挿通されている。又、キャンセルレバー43の自由端部分にはリフトレバー41のポール32と一体の回転動作でリフトレバー41の係合フランジ41bと係脱自在な係合突起44cが長穴44bと並列して形成されている。このように構成されたキャンセルレバー44は、オープンレバー42の回動動作でロッキングレバー43に対して揺動させられ、これにより、係合突起44cは、リフトレバー41の係合フランジ41bとの係合軌跡上に位置したり係合軌跡上からはずれたりする。結果、オープンレバー42の回動動作に応じた施錠動作いわゆるキーレスエントリー動作及び施錠動作のキャンセリングが行われる。
【0018】
アクチュエータ5は、ハウジング51内に収容されたモータ(図示せず)を含むものであって、ベースプレート2の立壁部22の車両上下方向(図1に示されるドア6の上下方向)における下部側に支持されている。このアクチュエータ5の出力軸53は、ハウジング51の立壁部22と平行な壁部51aを貫通して外部に延在しており、この延在部位には、出力レバー52が一体回転するように固定されている。この出力レバー52は、ロッキングレバー43に連結されている。又、出力レバー52には、係合突起52aが形成されている。このようなアクチュエータ5の構成において、モータを作動させて出力軸53を回転させることにより、出力レバー52が出力軸53と一体回転させられる。これにより、ロッキングレバー43が回動動作させられる。
【0019】
前述したレバー機構4のキーレバー47は、アクチュエータ5のハウジング51の壁部51aにピン47aにより回動自在に支持されている。このキーレバー47には、切り欠き47bが形成されており、この切り欠き47bにはアクチュータ5の出力レバー52係合突起52aが受け入れられており、キーレバー47の回動動作により切り欠き47bの壁部と係合突起52aとの当接によりキーレバー47の回転動作が出力レバー52に伝達される。又、キーレバー47には、後述する連結機構7に連係するための軸部47cが形成されている。
【0020】
尚、キーレバー47をロッキングレバー43に直接連結してもよい。この場合、キーレバーは、ロッキングレバー43と同軸で配置され、切り欠き47bに受け入れられる係合突起は、ロッキングレバー43に形成されることになる。
【0021】
次に本発明の主要部である連結機構7について詳しく説明する。
【0022】
図1ないし図3及び図5に示されるように、連結機構7は、ロータ71,連結リンク72,連結レバー73及び連結棒74からなる。
【0023】
ロータ71は、円柱形状を呈するものであって、キーシリンダ機構9の後述するキーロータ92の回転中心軸線上に同軸関係で配置されており、一方端面に一体成形されたスナップピン71aによりベースプレート2の立壁部22の車両上下方向(図1に示されるドア6の上下方向)における上部側に回転自在に嵌合支持されている。このロータ71の他方端面には、矩形形状の嵌合溝71bが形成されている。又、ロータ7の周面には、腕部71cが延在形成されている。連結レバー73は、一体成形されたスナップピン73aによりベースプレート2のベース部21の車両上下方向(図1に示されるドア6の上下方向)における下部側に形成されたベースプレート2の立壁部22と平行なフランジ部23に揺動自在に嵌合支持されている。この連結レバー73には、キーレバー47の軸部47cが挿通される穴部73bが形成されており、この軸部47cの穴部73bへの連結によって連結レバー73の揺動動作がキーレバー47に伝達される。連結リンク72は、ベースプレート2の立壁部22と平行に且つ立壁部22に近接して配置されている。この連結リンク72は、その一端72aでロータ71の腕部71cに形成された穴部71dに挿通されてロータ71に連結されており、その他端72bで連結レバー73に形成された穴部73cに挿通されて連結レバー73に連結されている。これにより、ロータ71の回転動作が連結レバー73に連結リンク72を介して伝達される。
【0024】
これらロータ71、連結リンク72及び連結レバー73は、アクチュエータ5の出力レバー52及びレバー機構4を被覆するプロテクトカバー10により覆われている。このプロテクトカバー10は、ベースプレート2に固定されており、貫通穴10aが形成されている。この貫通穴10aは、ロータ71の他方端面を露出させるもので、ロータ71の径と略同じ径となっている。
【0025】
尚、連結レバー73を用いずに、キーレバー47に直接連結リンク72の多端72bを連結してもよい。
【0026】
キーシリンダ機構9は、周知のものであって、ドア6の室外側のパネル6cに固定されたキーケース91及びキーケース91に回転自在に収容されたキーロータ92よりなるものであって、前述した連結機構7の連結棒74は、キーロータ92の端面に一体成形されている。連結棒74は、平板状を呈するものであって、キーロータ92及びロータ71の回転軸線上に同軸関係で配置されており、ロータ71の嵌合溝71bに嵌合されロータ71と一体回転するようになっている。これにより、連結棒74は、自身の回転動作でキーロータ92の回転動作をダイレクトにロータ71に伝達する。
【0027】
このような構成において、キーシリンダ機構91を操作すると、連結棒74が回転してロータ71が回転する。これにより、連結リンク72が上下動して連結レバー73が揺動させられる。この連結レバー73の揺動によりキーレバー47が回動して駆動レバー52が回転する。結果、ロッキングレバー43が回動動作してドア6の施錠状態及び解錠状態が得られる。
【0028】
上記したように、回転動作するロータ71を設け、キーシリンダ機構9のキーロータ92とを回転動作する連結棒74により連結したので、キーシリンダ機構9とは異なる不当な工具(例えば針金やものさし等)がドア6内に差し込まれたとしても、この不当な工具の動く方向と連結棒74の動く方向とが一致することはなく、上下動する連結リンク72が不当な工具により動かされにくくなる。又、上下動する連結リンク72は、プロテクトカバー10により覆われ、しかも、ベースプレート2の立壁部2aに近接して配置されているつまりドア6の室内側のパネル6bに近接して配置されることとなるので、連結リンク72が不当な工具によって直接動かされることもない。これにより、キーレバー47が不当な工具で動かされることが防止され、施錠状態にあるドア6が不当な工具で解錠状態とさせられるのを防止することができ、盗難防止性が向上する。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、ベース部材に支持された回転部材の回転動作で操作部材の回転操作をレバーに伝達するので、操作部材とは異なる不当な工具によりレバーを動かしにくくすることができる。これにより、ドアが不当な工具で施錠及び解錠動作させられることを防止することができ、盗難防止性を向上させることができる。
【0030】
又、本発明によれば、回転部材とレバーとをプロテクタカバーにより覆われ且つドアのドア内の室内側に配設された連結リンクにより連結したので、連結リンクの長さの設定により、盗難防止性を確保しつつ回転部材の配置自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドアロック装置の回転部材と操作部材の連結構造を示すドアの部分断面斜視図である。
【図2】本発明に係るドアロック装置の平面図である。
【図3】本発明に係るドアロック装置の側面図である。
【図4】本発明に係るドアロック装置のラッチ機構を示す平面図である。
【図5】本発明に係るドアロック装置の連結機構を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
2 (ベースプレート)
6 ドア
9 操作部材(キーシリンダ機構)
10 プロテクトカバー
47 キーレバー(レバー)
71 ロータ(回転部材)
72 連結リンク
74 連結棒
10a 貫通穴
Claims (3)
- ドアの室外側に回転自在に支持された操作部材と当該操作部材の回転操作により回動してドアの施錠状態及び解錠状態を得るキーレバーとを備えたドアロック装置において、ドア内の車室側のパネルに近接して配置されたベース部材と、前記ベース部材に回転自在に支持され前記操作部材の回転中心軸線上に配置されるとともに前記操作部材に連係された回転部材と、当該回転部材からドアの下方に延在するとともにドア内の車室側に配置された連結リンクと、当該連結リンクの前記回転部材の側とは反対側の端部に接続されるとともに前記キーレバーに接続された連結レバーと、前記キーレバーに係合可能な出力レバーを備えたアクチュエータと、前記出力レバーに接続されドアの開錠状態及び施錠状態を可能にするロッキングレバーとを有し、前記回転部材・前記連結リンク・前記連結レバー・前記出力レバー・前記キーレバー・前記ロッキングレバーが、前記ベースプレートに固定されたプロテクトカバーで被覆してあるドアロック装置。
- 前記回転部材及び前記操作部材の回転中心軸線上に配置され前記回転部材と前記操作部材とを連結し前記操作部材の回転動作を前記回転部材に伝達する連結棒を有する請求項1記載のドアロック装置。
- 前記プロテクトカバーの前記回転部材と前記連結棒との連結部が位置する部分に前記連結部の直径と略同径の貫通穴が設けてある請求項2に記載のドアロック装置。
Priority Applications (1)
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JP20044196A JP3775523B2 (ja) | 1996-07-30 | 1996-07-30 | ドアロック装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP20044196A JP3775523B2 (ja) | 1996-07-30 | 1996-07-30 | ドアロック装置 |
Publications (2)
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JPH1037559A JPH1037559A (ja) | 1998-02-10 |
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Family Applications (1)
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JP20044196A Expired - Lifetime JP3775523B2 (ja) | 1996-07-30 | 1996-07-30 | ドアロック装置 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (2)
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1996
- 1996-07-30 JP JP20044196A patent/JP3775523B2/ja not_active Expired - Lifetime
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