JP3775355B2 - ハイブリッド型の動力出力装置及びその制御方法、並びにハイブリッド車両 - Google Patents

ハイブリッド型の動力出力装置及びその制御方法、並びにハイブリッド車両 Download PDF

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    • Y02T10/62Hybrid vehicles

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンとモータジェネレータ装置とを組み合わせてなり、例えばハイブリッド車両等に好適に用いられるハイブリッド型の動力出力装置及びその制御方法の技術分野に属し、更に、このような動力出力装置が搭載されたハイブリッド車両の技術分野に属する。本発明は特に、このようなエンジンとして、火花点火燃焼及び圧縮自着火燃焼を切替可能な燃焼形態切替機能を有するものを用いるハイブリッド型の動力出力装置等の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
この種の動力出力装置は、例えば特開平9-47094号公報、特開2000−324615号公報等に開示されているように、要求される動作状態に応じて適宜、モータジェネレータ装置をエンジンの駆動力で回転されるジェネレータ(発電機)として利用して或いはモータジェネレータ装置に含まれる専用のジェネレータを利用して、バッテリに充電する。また、モータジェネレータ装置をバッテリから電源供給を受けて回転するモータ(電動機)として利用して或いはモータジェネレータ装置に含まれる専用のモータを利用して、駆動軸を単独で或いはエンジンと共に回転させる。これにより、エンジンを運転効率が高い状態で運転させ続けることができ、燃費や排気浄化性が向上するものとされている。
【0003】
そして、この種の動作出力装置は、パラレルハイブリッド方式とシリアルハイブリッド方式とに大別される。前者では、駆動軸をエンジンの出力の一部により回転させると共にモータジェネレータ装置の駆動力により回転させる。後者では、エンジン出力はモータジェネレータ装置による充電に専ら用いられ、駆動軸をモータジェネレータ装置の駆動力により回転させる。
【0004】
尚、本願明細書では、このようにパラレル又はシリアルハイブリッド方式の動力出力装置を構成しており、モータジェネレータを一又は複数含む若しくは、ジェネレータ及びモータを一又は複数ずつ含む重電機全体を、それらの接続配線等を含めて「モータジェネレータ装置」と呼ぶことにする。更に、本願明細書では、いずれの形式のハイブリッド型の場合にも、エンジンの出力をモータジェネレータ装置の駆動力で補うことを「アシストする」といい、この際のモータジェネレータ装置の駆動力を「アシスト力」と呼ぶ。
【0005】
他方で、例えば特開2000−265910号公報、特開平10−23606号公報等に開示されているように、ディーゼルエンジンの如き圧縮自着火燃焼或いは自己着火燃焼を行うガソリンエンジンとモータジェネレータとを組み合わせてなるハイブリッド車両も提案されている。
【0006】
更に、例えば特開2001−3800号公報等に開示されているように、火花点火燃焼を行う燃焼形態と圧縮自着火燃焼を行う燃焼形態とを切替可能な燃焼形態切替機能を有するエンジンが開発されている。このエンジンでは、その回転数及びトルクが特定範囲に入っている場合に、圧縮自着火燃焼が可能となり、よって、このような場合に、圧着圧縮自着火燃焼が行われるように切替制御が実行される。そして、この特開2001−3800号公報には、当該燃焼形態切替機能を有するエンジンのハイブリッド車両への応用についても提案されている。
【0007】
尚、本願明細書では、上記圧縮自着火燃焼を行うエンジン或いは上記燃焼形態切替機能を有するエンジンについて、エンジンの回転数とトルクとの相互関係を2次元座標上にプロットした特性図上において、このように圧縮自着火燃焼する領域を、「自着火燃焼可能領域」と呼ぶことにする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特開2000−265910号公報等に開示された圧縮自着火燃焼を行うエンジンは、圧縮自着火燃焼領域が小さいため、実用化は困難である。更に、排気損失が低減される代わりに排気温度が低くなるので、排気側における触媒温度が低下する結果、排気ガス浄化性能が低下してしまう。従って、このような専ら圧縮自着火燃焼を行うガソリンエンジンをハイブリッド型の動力出力装置に組み込んでも、動力性能や排気ガス浄化性能等の各種性能に優れた装置を構築することは基本的に困難であるという問題点がある。
【0009】
更に、上述した特開2001−3800号公報等に開示された燃焼形態切替機能を有するエンジンのハイブリッド車両への応用については、技術的に見て以下の如き問題点が生じるものと考察される。
【0010】
即ち、先ず圧縮自着火燃焼は、基本的に高負荷燃焼が困難である。従って、パラレルハイブリッド方式であれシリアルハイブリッド方式であれ、バッテリにおける蓄電量が少ない時点で圧縮自着火燃焼に切り替えてしまうと、例えば、加速時など大きな駆動力が要求されているような環境では、モータジェネレータ装置によるアシスト力が不足する場合がある。即ち、加速要求に対する加速性能が悪化する。更に、駆動力を確保するために圧縮自着火燃焼から火花点火燃焼に移行するにしても、バッテリにおける蓄電量が少ない時点で当該移行を行うと、移行時における“トルク段差”或いは“駆動力段差”を吸収可能な程度のアシスト力をモータジェネレータ装置によって得ることも困難である。即ち、燃焼切替時に、アシスト力不足により、トルク段差が発生する場合があるという技術的問題点が有る。これは、動力性能、燃費性能、排気ガス浄化性能等の低下や、更に乗り心地の悪化、エンジンの故障・短命化に繋がる。
【0011】
特に、高負荷時には圧力が上がりすぎて、圧縮自着火燃焼における着火時期制御ができない。即ち、ピストンが上死点に至る前に圧縮自着火が開始してしまい、ピストンを押し戻す力が働いて、エンジン動作が適切に行われなくなる。従って、実際には、低負荷時にしか圧縮自着火燃焼を行えないという技術的問題点がある。
【0012】
加えて、圧縮自着火燃焼を継続していると、エンジン排気側における触媒温度が下がり、排気ガス浄化性能が低下してしまうという技術的問題点もある。
【0013】
本発明は上述した問題点に鑑みなされたものであり、エンジンにおける燃焼形態切替機能を有しつつ、安定した動力性能を有しており、その燃焼形態の切替えの際に、例えばモータジェネレータ装置によるアシスト力が不足する事態を効率的に回避可能なハイブリッド型の動力出力装置及びその制御方法、並びにそのような動力出力装置を具備してなるハイブリッド車両を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のハイブリッド型の動力出力装置は上記課題を解決するために、エンジンと、該エンジンの出力の少なくとも一部を用いて発電可能であると共に駆動軸を介して駆動力を出力可能なモータジェネレータ装置と、該モータジェネレータ装置により充電可能であると共に前記モータジェネレータ装置に電源供給可能な蓄電装置と、前記エンジンにおける火花点火燃焼及び圧縮自着火燃焼を切り替える燃焼形態切替手段と、前記エンジンのトルク及び回転数の組合せにより規定される第1条件を含む前記エンジンに前記圧縮自着火燃焼を行わせるための所定条件が満たされる場合に、前記エンジンに前記圧縮自着火燃焼を行わせ、前記所定条件が満たされない場合に、前記エンジンに前記火花点火燃焼を行わせるように、前記燃焼形態切替手段を制御すると共に、前記蓄電装置の蓄電量が所定の蓄電量閾値より小さい場合には大きい場合と比べて前記所定条件を厳しくする制御手段とを備える。
【0015】
本発明のハイブリッド型の動力出力装置によれば、例えばマイコン等からなる制御手段による制御下で、圧縮自着火燃焼を行わせるための所定条件が満たされる場合には、例えばエンジンの点火プラグ、並びにターボ過給装置及びEGR(Exhaust Gas Recirculation:排気再循環)装置などの筒内温度の調整機構、筒内圧力の調整機構等の燃焼形態切替手段によってエンジンに圧縮自着火燃焼を行わせる。より具体的には、点火プラグによる点火を停止し、筒内温度や筒内圧力を高めることにより、圧縮自着火燃焼を行わせる。他方、圧縮自着火燃焼を行わせるための所定条件が満たされない場合には、燃焼形態切替手段によってエンジンに火花点火燃焼を行わせる。より具体的には、筒内温度や筒内圧力を低めることで圧縮自着火燃焼を防止しつつ点火プラグによる点火を行う。ここで特に、制御手段による制御下で、蓄電装置の蓄電量が所定の蓄電量閾値より小さい場合には、これが大きい場合と比べて、圧縮自着火燃焼を行わせるための所定条件を厳しくする。具体的には例えば、蓄電量が所定の蓄電量閾値より小さい場合には、エンジンの回転数とトルクとの特性図上における所定条件に対応する条件領域を「自着火燃焼可能領域」よりも小さく設定し、この小さく設定された条件領域に入る回転数とトルクの組合せの場合にのみ圧縮自着火燃焼に行わせる或いは圧縮自着火燃焼に切り替えるようにする。尚、本発明に係る蓄電装置としては、例えばバッテリ、大容量コンデンサ等がある。
【0016】
以上によって、高負荷時にモータジェネレータ装置によるアシスト力が不足するような時点で、圧縮自着火燃焼に切り替えてしまう事態を回避でき、よって例えば加速要求に対する加速性能が悪化する事態を効率的に回避できる。特に、高負荷時にはエンジンにおける筒内圧力が上がりすぎて、圧縮自着火燃焼における着火時期制御ができない事態を回避できる。これにより、エンジン動作を適切に行える。更に、燃焼形態の切替えの際に、モータジェネレータ装置によるアシスト力が不足してトルク段差が発生する事態を効率的に回避できる。これらの結果、動力性能、燃費性能、排気ガス浄化性能等を向上させることが可能となり、更に乗り心地の向上、エンジンの長寿命化にも繋がる。
【0017】
本発明のハイブリッド型の動力出力装置の一態様では、前記蓄電量を監視する監視手段を更に備え、前記制御手段は、前記監視された蓄電量が前記蓄電量閾値より小さいか否かを判定し、その判定結果に応じて前記燃焼形態切替手段を制御する。
【0018】
この態様によれば、エンジン動作中、電圧センサ、蓄電量センサ、マイコン等の監視手段によって定期的に或いは不定期に蓄電装置の蓄電量を監視する。そして、制御手段は、この監視された蓄電量が蓄電量閾値より小さいか否かを定期的に或いは不定期に判定する。更に制御手段は、その判定結果に応じて燃焼形態切替手段を制御する。よって、モータジェネレータ装置によるアシスト力が不足するような時点で圧縮自着火燃焼に切り替えてしまう事態や、燃焼形態の切替えの際にアシスト力不足でトルク段差が発生する事態を効率的に回避できる。
【0019】
本発明のハイブリッド型の動力出力装置の他の態様では、前記制御手段は、前記回転数及び前記トルクに基づいて前記第1条件が満たされるか否かを判定し、前記第1条件が満たされないと判定した場合には、前記エンジンに前記火花点火燃焼を行わせるように前記燃焼形態切替手段を制御し、前記第1条件が満たされると判定した場合には、更に前記蓄電量が前記蓄電量閾値以上であり且つ前記エンジンの排気側における触媒温度が所定の温度閾値以上であることを第2条件としてこれが満たされる場合に、前記エンジンに前記圧縮自着火燃焼を行わせるように前記燃焼形態切替手段を制御する。
【0020】
この態様によれば、制御手段は先ず、回転数及び前記トルクに基づいて、第1条件が満たされるか否かを判定する。続いて、第1条件が満たされないと判定した場合には、制御手段による制御を受けて、燃焼形態切替手段は、エンジンに火花点火燃焼を行わせる。即ち、圧縮自着火燃焼は行わせない。他方、第1条件が満たされると判定した場合には更に、第1条件に加えて上述の所定条件を構成すると共に蓄電量及び触媒温度に関する第2条件が満たされる場合に、制御手段による制御を受けて、燃焼形態切替手段によりエンジンに圧縮自着火燃焼を行わせる。よって、触媒温度が低いために排気ガス浄化性能が低下した状態では、当該触媒温度を相対的に低下させやすい圧縮自着火燃焼を行わせることを避け且つ当該触媒温度を相対的に上昇させやすい火花点火燃焼を行わせることが可能となる。
【0021】
この態様では、前記触媒温度を検出又は推定する温度特定手段を更に備えており、前記制御手段は、前記第1条件が満たされると判定した場合には、前記蓄電量に加えて前記検出又は推定された触媒温度に基づいて前記第2条件が満たされるか否かを更に判定する用に構成してもよい。
【0022】
このように構成すれば、温度特定手段によって定期又は不定期に検出又は推定された触媒温度に基づいて、制御手段は第2条件が満たされるか否かの判定を行うので、当該判定を迅速且つ確実に行うことが可能となる。
【0023】
本発明の他のハイブリッド型の動力出力装置は上記課題を解決するために、エンジンと、該エンジンの出力の少なくとも一部を用いて発電可能であると共に駆動軸を介して駆動力を出力可能なモータジェネレータ装置と、該モータジェネレータ装置により充電可能であると共に前記モータジェネレータ装置に電源供給可能な蓄電装置と、前記エンジンにおける火花点火燃焼及び圧縮自着火燃焼を切り替える燃焼形態切替手段と、前記エンジンの排気側における触媒温度を検出又は推定する温度特定手段と、前記検出又は推定された触媒温度が所定の温度閾値より低い場合には、前記エンジンにおける前記圧縮自着火燃焼を禁止し、前記検出又は推定された触媒温度が前記温度閾値より高い場合には、前記エンジンにおける前記圧縮自着火燃焼を禁止しないように前記燃焼形態切替手段を制御すると共に、前記検出又は推定された触媒温度が前記温度閾値より低い場合には、前記エンジンに要求されている出力より大きい出力を出すように前記エンジンを制御する制御手段とを備える。
【0024】
本発明の他のハイブリッド型の動力出力装置によれば、その動作中には、例えば温度センサ、マイコン等の温度特定手段によって定期又は不定期に触媒温度が検出又は推定される。そして特に、このように検出又は推定された触媒温度が所定の温度閾値より低い場合には、例えばマイコン等からなる制御手段による制御を受けて、例えばエンジンの点火プラグ、筒内温度や筒内圧力の調整機構等の燃焼形態切替手段は、エンジンにおける圧縮自着火燃焼を禁止する。即ち、火花点火燃焼を行わせる。他方、このように検出又は推定された触媒温度が所定の温度閾値より低い場合には、制御手段による制御を受けて、燃焼形態切替手段は、エンジンにおける圧縮自着火燃焼を禁止しない。更に、このように検出又は推定された触媒温度が温度閾値より低い場合には、制御手段による制御受けて、エンジンは、要求されている出力より大きい出力を出す。これにより、排気ガス温度を上昇させ、早期に触媒温度を上昇させることができる。
【0025】
以上によって、圧縮自着火燃焼を行いつつ、これを長時間続けることによる触媒温度が低下してしまう事態、即ち、排気ガス浄化性能が低下する事態を効率的に回避できる。或いは、触媒温度が低い場合には、早期にこれを上昇させ、排気ガス浄化性能を早期に回復させることが可能となる。他方、触媒温度が高ければ、排気ガス浄化性能を維持しつつ、圧縮自着火燃焼を行うことによって排気損失を低減でき、燃費性能等を向上させられる。
【0026】
本発明のハイブリッド型の動力出力装置の他の態様では、前記モータジェネレータ装置は、複数のモータジェネレータを含み、該複数のモータジェネレータのうち少なくとも一つは、前記エンジンの出力の少なくとも一部を用いて発電して前記蓄電装置を充電し、前記複数のモータジェネレータのうち少なくとも一つは、前記蓄電装置により電源供給されて前記駆動力を出力する。
【0027】
この態様によれば、パラレルハイブリッド方式であってもシリアルハイブリッド方式であっても、本発明のハイブリッド型の動力出力装置は、エンジンにおける燃焼形態の切替えの際に、アシスト力が不足する事態を効率的に回避可能である。
【0028】
本発明のハイブリッド車両は上記課題を解決するために、上述した本発明の動力出力装置(但し、その各種態様を含む)と、該動力出力装置が搭載される車両本体と、該車両本体に取り付けられると共に前記駆動軸を介して出力される前記駆動力により駆動される車輪とを備える。
【0029】
本発明のハイブリッド車両によれば、上述した本発明の動力出力装置を備えるので、動力性能、燃費性能、排気ガス浄化性能等に優れる。更に乗り心地の向上、エンジンの長寿命化も図られている。
【0030】
本発明のハイブリッド型の動力出力装置の制御方法は上記課題を解決するために、エンジンと、該エンジンの出力の少なくとも一部を用いて発電可能であると共に駆動軸を介して駆動力を出力可能なモータジェネレータ装置と、該モータジェネレータ装置により充電可能であると共に前記モータジェネレータ装置に電源供給可能な蓄電装置と、前記エンジンにおける火花点火燃焼及び圧縮自着火燃焼を切り替える燃焼形態切替手段とを備えた動力出力装置を制御する制御方法であって、前記蓄電装置の蓄電量を監視する監視工程と、前記エンジンのトルク及び回転数の組合せにより規定される第1条件を含む前記エンジンに前記圧縮自着火燃焼を行わせるための所定条件が満たされる場合に、前記エンジンに前記圧縮自着火燃焼を行わせ、前記所定条件が満たされない場合に、前記エンジンに前記火花点火燃焼を行わせるように、前記燃焼形態切替手段を制御すると共に、前記監視された蓄電量が所定の蓄電量閾値より小さい場合には大きい場合と比べて前記所定条件を厳しくする制御工程とを備える。
【0031】
本発明のハイブリッド型の動力出力装置の制御方法によれば、エンジン動作中、電圧センサ、蓄電量センサ、マイコン等を用いての監視工程によって定期的に或いは不定期に蓄電装置の蓄電量を監視する。そして、例えばマイコン等を用いた制御工程により、圧縮自着火燃焼を行わせるための所定条件が満たされる場合には、燃焼形態切替手段によってエンジンに圧縮自着火燃焼を行わせる。他方、圧縮自着火燃焼を行わせるための所定条件が満たされない場合には、燃焼形態切替手段によってエンジンに火花点火燃焼を行わせる。ここで特に、制御工程により、蓄電装置の蓄電量が所定の蓄電量閾値より小さい場合には、これが大きい場合と比べて、圧縮自着火燃焼を行わせるための所定条件を厳しくする。
【0032】
以上によって、動力性能、燃費性能、排気ガス浄化性能等を向上させることが可能となり、更に乗り心地の向上、エンジンの長寿命化にも繋がる。
【0033】
本発明の他のハイブリッド型の動力出力装置の制御方法は上記課題を解決するために、エンジンと、該エンジンの出力の少なくとも一部を用いて発電可能であると共に駆動軸を介して駆動力を出力可能なモータジェネレータ装置と、該モータジェネレータ装置により充電可能であると共に前記モータジェネレータ装置に電源供給可能な蓄電装置と、前記エンジンにおける火花点火燃焼及び圧縮自着火燃焼を切り替える燃焼形態切替手段とを備えた動力出力装置を制御する制御方法であって、前記エンジンの排気側における触媒温度を検出又は推定する温度特定工程と、前記検出又は推定された触媒温度が所定の温度閾値より低い場合には、前記エンジンにおける前記圧縮自着火燃焼を禁止し、前記検出又は推定された触媒温度が前記温度閾値より高い場合には、前記エンジンにおける前記圧縮自着火燃焼を禁止しないように前記燃焼形態切替手段を制御する制御工程と、前記検出又は推定された触媒温度が前記温度閾値より低い場合には、前記エンジンに要求されている出力より大きい出力を出すように前記エンジンを制御する制御工程とを備える。
【0034】
本発明の他のハイブリッド型の動力出力装置の制御方法によれば、その動作中には、例えば温度センサ、マイコン等を用いた温度特定工程によって定期又は不定期に触媒温度が検出又は推定される。そして特に、このように検出又は推定された触媒温度が所定の温度閾値より低い場合には、例えばマイコン等を用いた制御工程により、燃焼形態切替手段は、エンジンにおける圧縮自着火燃焼を禁止する。即ち、火花点火燃焼を行わせる。他方、このように検出又は推定された触媒温度が所定の温度閾値より低い場合には、制御工程により、燃焼形態切替手段は、エンジンにおける圧縮自着火燃焼を禁止しない。更に、このように検出又は推定された触媒温度が温度閾値より低い場合には、制御工程により、エンジンは、要求されている出力より大きい出力を出す。これにより、排気ガス温度を上昇させ、早期に触媒温度を上昇させることができる。
【0035】
以上によって、排気ガス浄化性能が低下する事態を効率的に回避でき、排気ガス浄化性能を早期に回復させることが可能となる。
【0036】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、本発明に係るハイブリッド型の動力出力装置を、パラレルハイブリッド方式のハイブリッド車両に適用したものであり、更に、本発明に係る動力出力装置の制御方法は、当該ハイブリッド車両において実行されるものである。
【0038】
(ハイブリッド車両の基本構成及び動作)
先ず、本実施形態のハイブリッド車両の構成について図1を用いて説明する。ここに図1は、本実施形態のハイブリッド車両における動力系統のブロック図である。
【0039】
図1において、本実施形態のハイブリッド車両の動力系統は、エンジン150、モータジェネレータ装置の一例を構成するモータジェネレータMG1及びMG2、これらのモータジェネレータMG1及びMG2を夫々駆動する駆動回路191及び192、これらの駆動回路191及び192を制御する制御ユニット190、並びにエンジン150を制御するEFIECU(Electrical Fuel Injection Engine Control Unit)170を備えて構成されている。
【0040】
本実施形態では特に、エンジン150は、圧縮自着火燃焼及び火花点火燃焼を切替可能な燃焼形態切替機能を有するガソリンエンジンである。この燃焼形態の切替え動作に付いては後に詳述する。
【0041】
エンジン150は、クランクシャフト156を回転させる。エンジン150の運転は、EFIECU170により制御されている。EFIECU170は、内部にCPU、ROM、RAM等を有するワンチップ・マイクロコンピュータであり、CPUがROMに記録されたプログラムに従い、エンジン150の燃料噴射量や回転速度その他の制御を実行する。図示を省略したが、これらの制御を可能とするために、EFIECU170にはエンジン150の運転状態を示す種々のセンサが接続されている。
【0042】
モータジェネレータMG1及びMG2は、同期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁石を有するロータ132及び142と、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータ133及び143とを備える。ステータ133及び143は、ケース119に固定されている。モータジェネレータMG1及びMG2のステータ133及び143に巻回された三相コイルは、夫々駆動回路191及び192を介してバッテリ194に接続されている。
【0043】
駆動回路191及び192は、各相ごとにスイッチング素子としてのトランジスタを2つ1組で備えたトランジスタインバータである。駆動回路191及び192は夫々、制御ユニット190に接続されている。制御ユニット190からの制御信号によって駆動回路191及び192のトランジスタがスイッチングされると、バッテリ194とモータジェネレータMG1及びMG2との間に電流が流れる。
【0044】
モータジェネレータMG1及びMG2は夫々、バッテリ194からの電力の供給を受けて回転駆動するモータ(電動機)として動作することもできる(以下適宜、この運転状態を“力行”と呼ぶ)。或いは、ロータ132及び142が外力により回転している場合には三相コイルの両端に起電力を生じさせるジェネレータ(発電機)として機能してバッテリ194を充電することもできる(以下適宜、この運転状態を“回生”と呼ぶ)。
【0045】
エンジン150とモータジェネレータMG1及びMG2とは夫々、プラネタリギヤ120を介して機械的に結合されている。プラネタリギヤ120は、遊星歯車とも呼ばれ、以下に示す夫々のギヤに結合された3つの回転軸を有している。プラネタリギヤ120を構成するギヤは、中心で回転するサンギヤ121、サンギヤの周辺を自転しながら公転するプラネタリピニオンギヤ123、及びその外周で回転するリングギヤ122である。プラネタリピニオンギヤ123はプラネタリキャリア124に軸支されている。本実施形態のハイブリッド車両では、エンジン150のクランクシャフト156はダンパ130を介してプラネタリキャリア軸127に結合されている。ダンパ130はクランクシャフト156に生じる捻り振動を吸収するために設けられている。モータジェネレータMG1のロータ132は、サンギヤ軸125に結合されている。モータジェネレータMG2のロータ142は、リングギヤ軸126に結合されている。リングギヤ122の回転は、チェーンベルト129を介して駆動軸112、更に車輪116R及び116Lに伝達される。
【0046】
次に以上の如く構成された本実施形態のハイブリッド車両の動力系統における動作について説明する。
【0047】
先ず、プラネタリギヤ120の動作について図2及び図3を参照して説明する。
【0048】
プラネタリギヤ120は、上述した3つの回転軸のうち、2つの回転軸の回転数及びトルク(以下適宜、両者をまとめて“回転状態”と呼ぶ)が決定されると残余の回転軸の回転状態が決まるという性質を有している。各回転軸の回転状態の関係は、機構学上周知の計算式によって求めることができるが、共線図と呼ばれる図により幾何学的に求めることもできる。
【0049】
図2に共線図の一例を示す。縦軸が各回転軸の回転数を示している。横軸は、各ギヤのギヤ比を距離的な関係で示している。サンギヤ軸125(図中のS)とリングギヤ軸126(図中のR)を両端にとり、位置Sと位置Rの間を1:ρに内分する位置Cをプラネタリキャリア軸127の位置とする。ρはリングギヤ122の歯数に対するサンギヤ121の歯数の比である。こうして定義された位置S、C及びRに、夫々のギヤの回転軸の回転数Ns、Nc及びNrをプロットする。プラネタリギヤ120は、このようにプロットされた3点が必ず一直線に並ぶという性質を有している。この直線を動作共線と呼ぶ。動作共線は2点が決まれば一義的に決まる。従って、動作共線を用いることにより、3つの回転軸のうち2つの回転軸の回転数から残余の回転軸の回転数を求めることができる。
【0050】
また、プラネタリギヤ120では、各回転軸のトルクを動作共線に働く力に置き換えて示したとき、動作共線が剛体として釣り合いが保たれるという性質を有している。具体例として、プラネタリキャリア軸127に作用するトルクをTeとする。このとき、図2に示す通り、トルクTeに相当する大きさの力を位置Cで動作共線に鉛直下から上に作用させる。作用させる方向はトルクTeの方向に応じて定まる。また、リングギヤ軸126から出力されるトルクTrを位置Rにおいて動作共線に、鉛直上から下に作用させる。図中のTes,Terは剛体に作用する力の分配法則に基づいてトルクTeを等価な2つの力に分配したものである。「Tes=ρ/(1+ρ)×Te」「Ter=1/(1+ρ)×Te」なる関係がある。以上の力が作用した状態で、動作共線図が剛体として釣り合いがとれているという条件を考慮すれば、サンギヤ軸125に作用すべきトルクTm1と、リングギヤ軸に作用すべきトルクTm2とを求めることができる。トルクTm1はトルクTesに等しくなり、トルクTm2はトルクTrとトルクTerとの差分に等しくなる。
【0051】
プラネタリキャリア軸127に結合されたエンジン150が回転をしているとき、動作共線に関する上述の条件を満足する条件下で、サンギヤ121およびリングギヤ122は様々な回転状態で回転することができる。サンギヤ121が回転しているときは、その回転動力を利用してモータジェネレータMG1により発電することが可能である。リングギヤ122が回転しているときは、エンジン150から出力された動力を駆動軸112に伝達することが可能である。図1に示した構成を有するハイブリッド車両では、エンジン150から出力された動力を駆動軸に機械的に伝達される動力と、電力として回生される動力に分配し、さらに回生された電力を用いてモータジェネレータMG2を力行して動力のアシストを行なうことによって所望の動力を出力しながら走行することができる。こうした動作状態は、ハイブリッド車両の通常走行時に取り得る状態である。なお、全開加速時等の高負荷時には、バッテリ194からもモータジェネレータMG2に電力が供給され、駆動軸112に伝達する動力を増大している。
【0052】
また、上述のハイブリッド車両では、モータジェネレータMG1またはMG2の動力を駆動軸112から出力することができるため、これらのモータにより出力される動力のみを用いて走行することもできる。従って、車両が走行中であっても、エンジン150は停止していたり、いわゆるアイドル運転していたりすることがある。この動作状態は、発進時或いは低速走行時に取り得る状態である。
【0053】
更に、本実施形態のハイブリッド車両では、エンジン150から出力された動力を2経路に分配するのではなく、駆動軸112側だけに伝達させることもできる。これは、高速定常走行時に取り得る動作状態であり、モータジェネレータMG2は高速走行による慣性によって連れ回された状態となり、モータジェネレータMG2によるアシストなしにエンジン150から出力された動力のみの走行となる。
【0054】
図3は、この高速定常走行時の共線図を示している。図2に示す共線図ではサンギヤ軸125の回転数Nsは正であったが、エンジン150の回転数Neとリングギヤ軸126の回転数Nrとによって、図3に示す共線図のように負となる。このときには、モータジェネレータMG1では、回転の方向とトルクの作用する方向とが同じになるから、モータジェネレータMG1は電動機として動作し、トルクTm1と回転数Nsとの積で表わされる電気エネルギを消費する(逆転力行の状態)。一方、モータジェネレータMG2では、回転の方向とトルクの作用する方向とが逆になるから、モータジェネレータMG2は発電機として動作し、トルクTm2と回転数Nrとの積で表わされる電気エネルギをリングギヤ軸126から回生することになる。
【0055】
このように、本実施形態のハイブリッド車両は、プラネタリギヤ120の作用に基づいて種々の運転状態で走行することができる。
【0056】
続いて、制御ユニット190による制御動作について再び図1を参照して説明する。
【0057】
図1において、本実施形態の動力出力装置の運転全体は、制御ユニット190により制御されている。制御ユニット190は、EFIECU170と同様、内部にCPU、ROM、RAM等を有するワンチップ・マイクロコンピュータである。制御ユニット190はEFIECU170と接続されており、両者は種々の情報を伝達し合うことが可能である。制御ユニット190は、エンジン150の制御に必要となるトルク指令値や回転数の指令値などの情報をEFIECU170に送信することにより、エンジン150の運転を間接的に制御可能に構成されている。制御ユニット190はこうして、動力出力装置全体の運転を制御しているのである。かかる制御を実現するために制御ユニット190には、種々のセンサ、例えば、駆動軸112の回転数を知るためのセンサ144などが設けられている。リングギヤ軸126と駆動軸112とは機械的に結合されているため、本実施形態では、駆動軸112の回転数を知るためのセンサ144をリングギヤ軸126に設け、モータジェネレータMG2の回転を制御するためのセンサと共通にしている。
【0058】
(ハイブリッド車両の動力系統における電気回路)
次に図4を参照して、本実施形態のハイブリッド車両の動力系統に備えられる電気回路について更に詳細に説明する。即ちここでは、図1に示した制御ユニット190、モータジェネレータMG1及びMG2、駆動回路191及び192、並びにバッテリ194の詳細について述べる。
【0059】
図4に示すように、バッテリ194に対して、インバータコンデンサ196と、モータジェネレータMG1に接続される駆動回路191と、モータジェネレータMG2に接続される駆動回路192とが夫々並列に接続されている。
【0060】
バッテリ194は、詳細には、電池モジュール部194aと、SMR(システムメインリレー)194bと、電圧検出回路194cと、電流センサ194d等を備える。SMR194bは、制御ユニット190からの指令により高電圧回路の電源の接続・遮断を行なうもので、電池モジュール部194aの+−両極に配置された2個のリレーR1及びR2から構成される。バッテリ194に2個のリレーR1及びR2を設けたのは、電源の接続時には、まずリレーR2をオンし、続いてリレーR1をオンし、電源の遮断時には、まずリレーR1をオフし、続いてリレーR2をオフすることにより、確実な作動を行なうことを可能とするためである。電圧検出回路194cは、電池モジュール部194aの総電圧値を検出する。電流センサ194dは、電池モジュール部194aからの出力電流値を検出する。電圧検出回路194c及び電流センサ194dの出力信号は、制御ユニット190に送信される。
【0061】
駆動回路191及び192は、バッテリの高電圧直流電流とモータジェネレータMG1及びMG2用の交流電流の変換を行なう電力変換装置であり、詳細には、6個のパワートランジスタで構成される3相ブリッジ回路191a及び192aを夫々備えており、この3相ブリッジ回路191a及び192aにより直流電流と3相交流電流との変換を行なっている。
【0062】
駆動回路191及び192には、電圧検出回路191b及び192bが夫々設けられている。電圧検出回路191b及び192bは、モータジェネレータMG1及びMG2の逆起電圧を夫々検出する。3相ブリッジ回路191a及び192aの各パワートランジスタの駆動は、制御ユニット190により制御されると共に、駆動回路191及び192から制御ユニット190に対し、電圧検出回路191b及び192bにて検出された電圧値や、3相ブリッジ回路191a及び192aとモータジェネレータMG1及びMG2との間に設けられた図示しない電流センサにて検出された電流値など電流制御に必要な情報を送信している。
【0063】
(直噴式ガソリンエンジン)
次に図5を参照して、本実施形態のハイブリッド車両に備えられる直噴式エンジンについて更に詳細に説明する。即ちここでは、図1に示すエンジン150の詳細に付いて述べる。
【0064】
図5に示すように、エンジン150は、燃料室内に燃料を直接噴射する、いわゆる直噴式ガソリンエンジンである。エンジン150は、EFIECU170により制御される。エンジン150は、シリンダブロック14を備えている。シリンダブロック14の内部には、シリンダ16が形成されている。なお、エンジン150は、複数のシリンダを備えているが、説明の便宜上、図5には複数のシリンダのうち1つのシリンダ16を示している。
【0065】
シリンダ16の内部にはピストン18が配設されている。ピストン18は、シリンダ16の内部を、図5における上下方向に摺動することができる。シリンダ16の内部において、ピストン18の上方には燃焼室20が形成されている。燃焼室20には、燃料噴射弁22の噴射口が露出している。エンジン150の運転中、燃料噴射弁22には燃料ポンプ24から燃料が圧送される。燃料噴射弁22及び燃料ポンプ24は、EFIECU170に接続されている。燃料ポンプ24は、EFIECU170から供給される制御信号に応じて燃料噴射弁22側へ燃料を圧送する。また、燃料噴射弁22は、EFIECU170から供給される制御信号に応じて燃焼室20内へ燃料を噴射する。
【0066】
また、燃焼室20には、点火プラグ26の先端が露出している。点火プラグ26は、EFIECU170から点火信号を供給されることにより、燃焼室20内の燃料に点火する。燃焼室20には、排気弁28を介して排気管30が連通している。燃焼室20には、また、吸気弁32を介して吸気マニホールド34の各枝管が連通している。吸気マニホールド34は、その上流側においてサージタンク36に連通している。サージタンク36の更に上流側には吸気管38が連通している。
【0067】
吸気管38には、スロットル弁40が配設されている。スロットル弁40は、スロットルモータ42に連結されている。そして、スロットルモータ42は、EFIECU170に接続されている。スロットルモータ42は、EFIECU170から供給される制御信号に応じてスロットル弁40の開度を変化させる。スロットル弁40の近傍には、スロットル開度センサ44が配設されている。スロットル開度センサ44は、スロットル弁40の開度(以下適宜、スロットル開度SCと称す)に応じた電気信号をEFIECU170に向けて出力する。EFIECU170は、スロットル開度センサ44の出力信号に基づいてスロットル開度SCを検出する。
【0068】
EFIECU170には、また、イグニッションスイッチ76(以下、IGスイッチ76と称す)が接続されている。EFIECU170は、IGスイッチ76の出力信号に基づき、IGスイッチ76のオン/オフ状態を検出する。IGスイッチ76がオン状態からオフ状態とされると、燃料噴射弁22による燃料噴射、点火プラグ26による燃料の点火、及び、フューエルポンプ24による燃料の圧送が停止され、エンジン150の運転が停止される。
【0069】
アクセルペダル78の近傍には、アクセル開度センサ80が配設されている。アクセル開度センサ80は、アクセルペダル78の踏み込み量(以下適宜、アクセル開度ACと称す)に応じた電気信号をEFIECU170に向けて出力する。EFIECU170は、アクセル開度センサの出力信号に基づいてアクセル開度ACを検出する。
【0070】
本実施形態では、吸気管38には、ターボ過給装置39が設けられており、例えば排気管30側に設けられたタービンに連動するタービンにより、吸気管38内に圧縮空気をターボ過給するように構成されている。また、このようなターボ過給装置39は、ジェネレータモータMG1又はMG2によりアシストされるように構成してもよい。更に、ターボ過給装置39は、EFIECU170による制御を受けて、特定タイミングで筒内圧力を可変に高めるように構成してもよい。
【0071】
本実施形態では、排気管30には、三元触媒装置31が設けられており、これにより排気ガス浄化性能が高められている。尚、三元触媒装置31は、一定温度以上の高温でないと、その浄化性能が顕著に低下する。そこで、三元触媒装置31には、温度センサ31Tが取り付けられており、その触媒温度TCAが検出され、触媒温度情報としてEFIECU170に入力される。或いは、このような触媒温度TCAは、エンジン150におけるエンジン回転数等の他の検出情報に基づいて間接的に推定してもよい。このように検出又は推定された触媒温度TCAは、当該触媒温度TCAが一定温度以下に低下しないようにエンジン制御するのに用いられる。
【0072】
以上説明したように本実施形態に係るエンジン150では、点火プラグ26並びにターボ過給装置39、不図示のEGR装置等の筒内温度や筒内圧力の調整機構などから、燃焼形態切替手段の一例が構成されている。これにより、エンジン150は、EFIECU170による制御下で、圧縮自着火燃焼及び火花点火燃焼を切替え可能であるように、即ち燃焼形態切替機能を有するように構成されている。
【0073】
(燃焼形態の切替え制御)
次に、本発明に係る制御手段を構成する制御ユニット190及びEFIECU170による、エンジン150における火花点火燃焼及び圧縮自着火燃焼間で燃焼形態を切替える制御について、モータジェネレータMG1及びMG2における力行及び回生間で動作を適宜切替える制御と共に、図6から図8を参照して説明する。ここに、図6は、当該切替制御の一具体例における動作を示すフローチャートであり、図7は、自着火燃焼可能領域を示すエンジンにおける回転数Ne及びトルクTeの特性図である。図8は、当該切替制御の他の具体例における動作を示すフローチャートである。
【0074】
図6において先ず、初期状態として、ハイブリッド車両は動作中である。即ち、制御ユニット190及びEFIECU170による制御下で、現在の車速、アクセルの踏み込み量、充電容量SOC等に応じて、要求されるエンジンの回転数Ne及びトルクTe(エンジンパワー)が設定される。これらの回転数Ne及びトルクTeの値は、例えば、火花点火燃焼時には、図7に示した動作曲線C1上の値として選択される。尚、動作曲線C1とは、運転効率が良くなる回転数NeとトルクTeとの組合せをNe−Pe特性図上で結んだ曲線である。そして、このように設定された運転ポイントを示す情報等が、制御ユニット190から、EFIECU170に対して送信され、EFIECU170によってエンジン150の制御が行われ、エンジン150においては、その燃料噴射量或いはスロットルの開度等の動作状態が制御される。これと並行して、モータジェネレータMG1及びMG2においては、図2及び図3に示した如き共線図或いは所謂比例積分制御(PI制御)によって、それらの回転数が制御される。より具体的には、モータジェネレータMG1及びMG2の制御は例えば、設定された回転数Ne及びトルクTeに応じて各モータの三相コイルに印加する電圧が設定され、現時点での印加電圧との偏差に応じて、駆動回路191及び192のトランジスタのスイッチングが行われる。
【0075】
以上のような初期状態において、圧縮自着火燃焼及び火花点火燃焼間の切替ロジックが、例えば割り込み処理により定期的に或いは不定期に繰り返し開始される(ステップS10)。すると、エンジンに要求されている回転数Ne及びトルクTeに基づいて、これらが第1条件として自着火燃焼可能領域に入っているか否かが判定される(ステップS11)。具体的には、図7に示した要求中の回転数Ne及び要求中のトルクTeの特性図上において、これらの値の組(Ne,Te)が、自着火燃焼可能領域A1に入っているか否かが判定される。尚、図7に示したように、自着火燃焼可能領域A1は、一般に動作曲線C1の下方且つ左より、即ち低回転数側且つ低トルク側に位置している。
【0076】
続いて、ステップS11の判定の結果、自着火燃焼可能領域に入っていなければ、即ち、火花点火燃焼を選択すべきであれば(ステップS11:“火花点火燃焼選択”)、点火プラグに対して所定タイミングで電気的パルス信号を送って、エンジン150に火花点火燃焼を行わせる(ステップS12)。この際、エンジン150においては、その筒内圧力や筒内温度、その噴射燃料の空気混合比率、ターボ過給の度合い、EGRによる排気循環の度合い、吸気及び排気バルブの開閉タイミングなども、火花点火燃焼用に設定する。即ち、本実施形態では、このような点火プラグ等から、燃焼形態切替手段の一例が構成されている。その後、当該割り込み処理等により実行される切替動作が終了する。
【0077】
これに対し、ステップS11の判定の結果、自着火燃焼可能領域に入っていれば、即ち、圧縮自着火燃焼を選択すべきであれば(ステップS11:“自着火燃焼選択”)、更にバッテリ194の充電容量SOCが所定充電量S0より大きな値であるか否かが判定される(ステップS13)。
【0078】
ステップS13において、バッテリ194の充電容量SOCは例えば、蓄電量を監視する監視手段の一例としての、バッテリ194に内蔵される電流センサ194dの検出信号から求められる充電・放電の電流値の積算によって求められる。或いは、蓄電量を監視する監視手段の一例としての、バッテリ194の電解液の比重を測定することにより充電容量SOCを検出する構成としてもよいし、バッテリの端子間を瞬間的にショートさせて電流を流し内部抵抗を測ることにより充電容量SOCを検出する構成としてもよい。
【0079】
ステップS13において、所定蓄電量S0としては、例えば飽和充電時に対して45%など、10〜80%の範囲内の値が、予め設定される。その設定方法は、当該ハイブリッド車両の仕様、より具体的には要求される動力性能、燃費性能、排気ガス浄化性能、乗り心地の良さ、エンジン寿命等に総合的に鑑み、実験的、経験的、理論的、シミュレーション等により個別具体的に設定される性質のものである。そして、所定充電量S0が大きい程、ステップS13における条件は厳しくなり圧縮自着火燃焼を行う期間或いは機会が減少し、火花点火燃焼を行う期間或いは機会が増加する。これに対して、所定充電量S0が小さい程、ステップS13における条件は緩くなり、圧縮自着火燃焼を行う期間或いは機会が増加し、火花点火燃焼を行う期間或いは機会が減少する。
【0080】
更に、ステップS13では、触媒温度TCAが所定温度T0以上であることが満足されているか否かが判定される。触媒温度TCAは、前述の如く温度特定手段の一例としての三元触媒装置31に取り付けられた温度センサ31Tから検出してもよいし、他の回転数Ne、トルクTe等のパラメータに基づいて算出或いは推定してもよい。
【0081】
ステップS13において、所定温度T0としては、例えば摂氏数十度〜百数十度の範囲内の値が、予め設定される。その設定方法は、当該ハイブリッド車両の仕様、より具体的には要求される排気ガス浄化性能を中心として動力性能、燃費性能、乗り心地の良さ、エンジン寿命等に総合的に鑑み、実験的、経験的、理論的、シミュレーション等により個別具体的に設定される性質のものである。そして、所定温度T0が大きい程、ステップS13における条件は厳しくなり圧縮自着火燃焼を行う期間或いは機会が減少し、火花点火燃焼を行う期間或いは機会が増加する。これに対して、所定温度T0が小さい程、ステップS13における条件は緩くなり、圧縮自着火燃焼を行う期間或いは機会が増加し、火花点火燃焼を行う期間或いは機会が減少する。
【0082】
以上のように、ステップS13では、本発明に係る第2条件の一例として、充電容量SOCが所定蓄電量S0以上であり且つ触媒温度TCAが所定温度T0以上であることが満足されているか否かが判定される。
【0083】
ステップS13における判定の結果、上述の第2条件が満足されていなければ(ステップS13:NO)、ステップS12に分岐して、前述の如くエンジン150に火花点火燃焼を行わせる。
【0084】
これに対し、ステップS13における判定の結果、上述の第2条件が満足されていれば(ステップS13:Yes)、点火プラグに対して電気的パルス信号を送ることなく、エンジン150に圧縮自着火燃焼を行わせる(ステップS14)。この際、エンジン150においては、その筒内圧力や筒内温度、その噴射燃料の空気混合比率、ターボ過給の度合い、EGRによる排気循環の度合い、吸気及び排気バルブの開閉タイミングなども、圧縮自着火燃焼用に設定する。その後、当該割り込み処理等により実行される切替ロジックが終了する。
【0085】
以上説明したように、ステップS13において、蓄電容量SOCが所定蓄電量S0以上で有る場合にのみ、ステップS14における圧縮自着火燃焼が行われるので、当該圧縮自着火燃焼が行われる際には、十分な蓄電量のバッテリ194を用いて、モータジェネレータMG1及びMG2によりエンジン150のアシストを行って、必要な駆動力が得られる。
【0086】
尚、本実施形態では、ステップS10の切替ロジックが初期状態として「火花点火燃焼」中に開始された場合には、ステップS11の判定では、車両の加速が必要でないことを条件に加えて、圧縮自着火燃焼を選択するように(即ち、圧縮自着火燃焼に切替えるように)制御してもよい。また、ステップS10の切替ロジックが初期状態として「火花点火燃焼」中に開始された場合には、ステップS11の判定では、仮に燃焼形態を切替えたとするとトルク段差を吸収できないことを条件に加えて、火花点火燃焼を選択するように(即ち、火花点火燃焼を継続するように)制御してもよい。他方、ステップS10の切替ロジックが初期状態として「圧縮自着火燃焼」中に開始された場合には、ステップS11の判定では、車両の加速が必要でないことを条件に加えて、圧縮自着火燃焼を選択するように(即ち、圧縮自着火燃焼を継続するように)制御してもよい。
【0087】
次に図8を参照して、本実施形態における切替制御の他の具体例について説明を加える。尚、図8において、図6と同様のステップには同様のステップ番号を付し、それらの説明は適宜省略する。
【0088】
即ち図8において、ステップS10〜S13までの処理が、図6の場合と同様に行われる。
【0089】
続いて、ステップS13の判定の結果、第2条件たる充電容量SOCが所定蓄電量S0以上であり且つ触媒温度TCAが所定温度T0以上である第2条件が満足されていなければ(ステップS13:NO)、要求されているエンジンの回転数Ne及びトルクTeよりも大きな出力が得られるように、制御ユニット190及びEFIECU170による制御下で、エンジン出力を増大させる(ステップS21)。この結果、触媒温度TCAを迅速に上昇させることができる。よって、排気ガス浄化性能を迅速に回復させることができる。同時に、ジェネレータモータMG1及びMG2における回生動作によって、蓄電容量SOCを迅速に増大させることも可能となる。
【0090】
その後、ステップS12に分岐して、前述の如くエンジン150に火花点火燃焼を行わせる。
【0091】
これに対し、ステップS13における判定の結果、上述の第2条件が満足されていれば(ステップS13:Yes)、図6の場合と同様にステップS14が行われ、その後、当該割り込み処理等により実行される切替ロジックが終了する。
【0092】
(その他の変形形態)
本発明を適用するハイブリッド車両の構成としては、図1に示した構成の他、種々の構成が可能である。
【0093】
上述の実施形態では、図1に示したようにモータジェネレータMG2がリングギヤ軸126に結合されているが、モータジェネレータMG2が、エンジン150のクランクシャフト156に直結したプラネタリキャリア軸127に結合された構成をとることもできる。或いは、図1では、エンジン150から出力された動力の一部を駆動軸112に伝達するための動力調整装置としてプラネタリギヤ120等を用いた機械分配型動力調整装置を用いていたのに対し、動力調整装置として、対ロータ電動機等を用いた電気分配型動力調整装置を用いることも可能である。例えば、プラネタリギヤ120およびモータジェネレータMG1に代えて、クラッチモータCMを備えて構成してもよい。
【0094】
上述の実施形態では、モータジェネレータ装置が同期電動機からなるモータジェネレータを複数備えてなるが、その少なくとも一部に代えて又は加えて、誘導電動機、バーニアモータ、直流電動機、超伝導モータ、ステップモータ等を用いることも可能である。
【0095】
上述の実施形態では、エンジン150としてガソリンにより運転される直噴型のガソリンエンジンを用いていたが、その他に、伝統的なポート噴射型のガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、タービンエンジン、ジェットエンジン等の各種の内燃あるいは外燃機関を用いることができる。
【0096】
加えて、本発明の動力出力装置は、パラレルハイブリッド方式の車両ではなく、シリアルハイブリッド方式の車両にも適用可能である。更に、ハイブリッド車両用のみならず、その他の各種移動体や重電機器に対して、本発明のハイブリッド型の動力出力装置は適用可能である。
【0097】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なうハイブリッド型の動力出力装置、その制御方法並びにそのような動力出力装置を備えたハイブリッド車両もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0098】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、例えばハイブリッド車両等に好適に用いられるハイブリッド型の動力出力装置において、エンジンが燃焼形態切替機能を有しつつ、安定した動力性能を実現できる。更に、その燃焼形態の切替えの際に、モータジェネレータ装置によるアシスト力が不足する事態を効率的に回避可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のハイブリッド車両における動力系統のブロック図である。
【図2】本実施形態に係るハイブリッド車両の基本的動作を説明するための共線図である。
【図3】本実施形態に係るハイブリッド車両が高速定常走行している場合の共線図である。
【図4】本実施形態に係るハイブリッド車両のバッテリ及びモータ駆動回路の構成を示す。
【図5】本実施形態に係るエンジンの構造の概略構成図である。
【図6】本実施形態に係る圧縮自着火燃焼及び火花点火燃焼の切替制御の一具体例における動作を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態に係る自着火燃焼可能領域を示すエンジンにおける回転数Ne及びトルクTeの特性図である。
【図8】本実施形態に係る圧縮自着火燃焼及び火花点火燃焼の切替制御の他の具体例における動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
22 燃料噴射弁
24 燃料ポンプ
31 三元触媒装置
38 吸気管
39 ターボ過給装置
40 スロットル弁
44 スロットル開度センサ
76 イグニッションスイッチ
78 アクセルペダル
80 アクセル開度センサ
120 プラネタリギア
150 エンジン
170 EFIECU
190 制御ユニット(ECU)
194 バッテリ

Claims (9)

  1. エンジンと、
    該エンジンの出力の少なくとも一部を用いて発電可能であると共に駆動軸を介して駆動力を出力可能なモータジェネレータ装置と、
    該モータジェネレータ装置により充電可能であると共に前記モータジェネレータ装置に電源供給可能な蓄電装置と、
    前記エンジンにおける火花点火燃焼及び圧縮自着火燃焼を切り替える燃焼形態切替手段と、
    前記エンジンのトルク及び回転数の組合せにより規定される第1条件を含む前記エンジンに前記圧縮自着火燃焼を行わせるための所定条件が満たされる場合に、前記エンジンに前記圧縮自着火燃焼を行わせ、前記所定条件が満たされない場合に、前記エンジンに前記火花点火燃焼を行わせるように、前記燃焼形態切替手段を制御すると共に、前記蓄電装置の蓄電量が所定の蓄電量閾値より小さい場合には大きい場合と比べて前記所定条件を厳しくする制御手段と
    を備えたことを特徴とする動力出力装置。
  2. 前記蓄電量を監視する監視手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記監視された蓄電量が前記蓄電量閾値より小さいか否かを判定し、その判定結果に応じて前記燃焼形態切替手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の動力出力装置。
  3. 前記制御手段は、
    前記回転数及び前記トルクに基づいて前記第1条件が満たされるか否かを判定し、
    前記第1条件が満たされないと判定した場合には、前記エンジンに前記火花点火燃焼を行わせるように前記燃焼形態切替手段を制御し、
    前記第1条件が満たされると判定した場合には、更に前記蓄電量が前記蓄電量閾値以上であり且つ前記エンジンの排気側における触媒温度が所定の温度閾値以上であることを第2条件としてこれが満たされる場合に、前記エンジンに前記圧縮自着火燃焼を行わせるように前記燃焼形態切替手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の動力出力装置。
  4. 前記触媒温度を検出又は推定する温度特定手段を更に備えており、
    前記制御手段は、前記第1条件が満たされると判定した場合には、前記蓄電量に加えて前記検出又は推定された触媒温度に基づいて前記第2条件が満たされるか否かを更に判定することを特徴とする請求項3に記載の動力出力装置。
  5. エンジンと、
    該エンジンの出力の少なくとも一部を用いて発電可能であると共に駆動軸を介して駆動力を出力可能なモータジェネレータ装置と、
    該モータジェネレータ装置により充電可能であると共に前記モータジェネレータ装置に電源供給可能な蓄電装置と、
    前記エンジンにおける火花点火燃焼及び圧縮自着火燃焼を切り替える燃焼形態切替手段と、
    前記エンジンの排気側における触媒温度を検出又は推定する温度特定手段と、
    前記検出又は推定された触媒温度が所定の温度閾値より低い場合には、前記エンジンにおける前記圧縮自着火燃焼を禁止し、前記検出又は推定された触媒温度が前記温度閾値より高い場合には、前記エンジンにおける前記圧縮自着火燃焼を禁止しないように前記燃焼形態切替手段を制御すると共に、前記検出又は推定された触媒温度が前記温度閾値より低い場合には、前記エンジンに要求されている出力より大きい出力を出すように前記エンジンを制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする動力出力装置。
  6. 前記モータジェネレータ装置は、複数のモータジェネレータを含み、
    該複数のモータジェネレータのうち少なくとも一つは、前記エンジンの出力の少なくとも一部を用いて発電して前記蓄電装置を充電し、
    前記複数のモータジェネレータのうち少なくとも一つは、前記蓄電装置により電源供給されて前記駆動力を出力することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の動力出力装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の動力出力装置と、
    該動力出力装置が搭載される車両本体と、
    該車両本体に取り付けられると共に前記駆動軸を介して出力される前記駆動力により駆動される車輪と
    を備えたことを特徴とするハイブリッド車両。
  8. エンジンと、該エンジンの出力の少なくとも一部を用いて発電可能であると共に駆動軸を介して駆動力を出力可能なモータジェネレータ装置と、該モータジェネレータ装置により充電可能であると共に前記モータジェネレータ装置に電源供給可能な蓄電装置と、前記エンジンにおける火花点火燃焼及び圧縮自着火燃焼を切り替える燃焼形態切替手段とを備えた動力出力装置を制御する制御方法であって、
    前記蓄電装置の蓄電量を監視する監視工程と、
    前記エンジンのトルク及び回転数の組合せにより規定される第1条件を含む前記エンジンに前記圧縮自着火燃焼を行わせるための所定条件が満たされる場合に、前記エンジンに前記圧縮自着火燃焼を行わせ、前記所定条件が満たされない場合に、前記エンジンに前記火花点火燃焼を行わせるように、前記燃焼形態切替手段を制御すると共に、前記監視された蓄電量が所定の蓄電量閾値より小さい場合には大きい場合と比べて前記所定条件を厳しくする制御工程と
    を備えたことを特徴とする動力出力装置の制御方法。
  9. エンジンと、該エンジンの出力の少なくとも一部を用いて発電可能であると共に駆動軸を介して駆動力を出力可能なモータジェネレータ装置と、該モータジェネレータ装置により充電可能であると共に前記モータジェネレータ装置に電源供給可能な蓄電装置と、前記エンジンにおける火花点火燃焼及び圧縮自着火燃焼を切り替える燃焼形態切替手段とを備えた動力出力装置を制御する制御方法であって、
    前記エンジンの排気側における触媒温度を検出又は推定する温度特定工程と、
    前記検出又は推定された触媒温度が所定の温度閾値より低い場合には、前記エンジンにおける前記圧縮自着火燃焼を禁止し、前記検出又は推定された触媒温度が前記温度閾値より高い場合には、前記エンジンにおける前記圧縮自着火燃焼を禁止しないように前記燃焼形態切替手段を制御する制御工程と、
    前記検出又は推定された触媒温度が前記温度閾値より低い場合には、前記エンジンに要求されている出力より大きい出力を出すように前記エンジンを制御する制御工程と
    を備えたことを特徴とする動力出力装置の制御方法。
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