JP3809816B2 - 動力出力装置 - Google Patents

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばエンジンとモータジェネレータ装置とを組み合わせてなり、例えばハイブリッド車両等に好適に用いられる動力出力装置及びその制御方法の技術分野に属し、更に、このような動力出力装置が搭載されたハイブリッド車両の技術分野に属する。本発明は特に、このようなエンジンとして、自着火燃焼型のエンジン、火花点火燃焼及び自着火燃焼を切替可能な燃焼形態切替機能を有するエンジン、又はリーンバーン型のエンジン等を用いる動力出力装置等の技術分野に属する。なお、本明細書中、「自着火燃焼」とあるのは、「圧縮自着火燃焼」と同義の用語として用いている。
【0002】
【従来の技術】
この種の動力出力装置は、例えば特許文献1、特許文献2等に開示されているように、要求される動作状態に応じて適宜、モータジェネレータ装置をエンジンの駆動力で回転されるジェネレータ(発電機)として利用して或いはモータジェネレータ装置に含まれる専用のジェネレータを利用して、バッテリに充電する。また、モータジェネレータ装置をバッテリから電源供給を受けて回転するモータ(電動機)として利用して或いはモータジェネレータ装置に含まれる専用のモータを利用して、駆動軸を単独で或いはエンジンと共に回転させる。これにより、エンジンを運転効率が高い状態で運転させ続けることができ、燃費や排気浄化性が向上するものとされている。
【0003】
そして、この種の動作出力装置は、パラレルハイブリッド方式とシリーズハイブリッド方式とに大別される。前者では、駆動軸をエンジンの出力の一部により回転させると共にモータジェネレータ装置の駆動力により回転させる。後者では、エンジン出力はモータジェネレータ装置による充電に専ら用いられ、駆動軸をモータジェネレータ装置の駆動力により回転させる。
【0004】
尚、本願明細書では、このようにパラレル又はシリーズハイブリッド方式の動力出力装置を構成しており、モータジェネレータを一若しくは複数含む、又は、ジェネレータ及びモータを一若しくは複数ずつ含む重電機全体を、それらの接続配線等を含めて「モータジェネレータ装置」と呼ぶことにする。更に、本願明細書では、いずれの形式のハイブリッド型の場合にも、エンジンの出力をモータジェネレータ装置の駆動力で補うことを「アシストする」といい、この際のモータジェネレータ装置の駆動力を「アシスト力」と呼ぶ。
【0005】
他方で、例えば特許文献3、特許文献4等に開示されているように、ディーゼルエンジンの如き自着火燃焼或いは自己着火燃焼を行うガソリンエンジンとモータジェネレータとを組み合わせてなるハイブリッド車両も提案されている。
【0006】
このような自着火燃焼を行うガソリンエンジンを備えると、ほぼ同様な現象(拡散燃焼)により運転が行われるディーゼルエンジンに比べて、NOx排出量を低減することができ、高い熱効率のため燃料消費率を抑制することができる。すなわち、自着火燃焼を行うガソリンエンジンでは、優れた排気浄化性能及び燃料経済性を達成することができるのである。
【0007】
更に、例えば特許文献5等に開示されているように、火花点火燃焼を行う燃焼形態と自着火燃焼を行う燃焼形態とを切替可能な燃焼形態切替機能を有するエンジンが開発されている。このエンジンでは、その回転数及びトルクが特定範囲に入っている場合に、自着火燃焼が可能となり、よって、このような場合に、圧着自着火燃焼が行われるように切替制御が実行される。そして、この特許文献5には、当該燃焼形態切替機能を有するエンジンのハイブリッド車両への応用についても提案されている。なお、特許文献6参照。
【0008】
尚、本願明細書では、上記自着火燃焼を行うエンジン或いは上記燃焼形態切替機能を有するエンジンについて、エンジンの回転数とトルクとの相互関係を2次元座標上にプロットした特性図上において、このように自着火燃焼する領域を、「自着火燃焼可能領域」と呼ぶことにする。
【0009】
【特許文献1】
特開平9-47094号公報
【特許文献2】
特開2000−324615号公報
【特許文献3】
特開2000−265910号公報
【特許文献4】
特開平10−23606号公報
【特許文献5】
特開2001−3800号公報
【特許文献6】
特開2000−265910号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献3等に開示された自着火燃焼を行うエンジンは、自着火燃焼領域が小さいため、実用化は困難とされている。更に、上述した特許文献5等に開示された燃焼形態切替機能を有するエンジンのハイブリッド車両への応用についても、技術的に見て以下の如き問題点が生じるものと考察される。
【0011】
すなわち、第一に、自着火燃焼は、負荷・出力のコントロール、また燃焼制御ないし着火時期制御が困難である。このうち燃焼制御ないし着火時期制御が困難であるということは、本来であれば、過早着火(ノッキング)及び失火(着火に失敗すること)の中間時点に点火時期を定めたいところ、これら過早着火及び失火が生じやすいことを意味する。これにより、適切なエンジン動作は期しえなくなる。
【0012】
第二に、自着火燃焼では、高出力・高トルクを達成することが困難である。これは、前述の自着火燃焼可能領域が、回転数−トルク特性図上において低出力・低トルクよりにしか存在しえないことによる。つまり、自着火燃焼を比較的大きな回転数及びトルクでもって行うことは、そもそも不可能なのである。ちなみに、自着火燃焼可能領域がそのような範囲に限定されるという事情に相俟って、上述のように自着火燃焼における燃焼制御が困難であるという事情があることから、結局、一般的には、自着火燃焼は低負荷時にしか行い得ないという制約が課されることになる。
【0013】
第三に、自着火燃焼を行っているエンジンの回転数及びトルクが過渡的に変化する場合において、自着火燃焼をそれに追従させることが困難である。換言すると、エンジン回転数及びトルクを急激に変化させると、その変化後の回転数及びトルクが自着火燃焼可能領域内に存在する値であったとしても、エンジンにおいてもはや自着火燃焼を生じさせることができなくなる場合がある(以下、このような事情を指して、「追従性が劣る」ということがある。)。これは、上述した自着火燃焼可能領域の狭小性、燃焼制御の困難性等の各種事情の存在が直接・間接に影響するとともに、該困難性等が回転数及びトルクの急激な変化時においてより顕著になるためであるということがいえる。
【0014】
このように、エンジンに自着火燃焼を行わせようとすると前記各種の不具合が生じることから、これをハイブリッド型の動力出力装置全体の問題として有効に解決しなければならない。なお、上述の特許文献6においては、上述でいう過早着火及び失火を生じさせずに自着火燃焼を安定的に生じさせるため、吸気温度を上昇させる技術が開示されているが、これのみでは問題の根本的解決には未だ遠い。
【0015】
また、自着火燃焼とは直接には関係ないが、ハイブリッド型動力出力装置については、以下のような問題点がある。すなわち、いわゆるエネルギ再循環領域では、ハイブリッドの伝達効率が低下するのである。ここにエネルギ再循環領域とは、例えば当該ハイブリッド型の動力出力装置が車輪等を備えた車両等に備えられている場合において、前記車輪にエンジンから与えられるエネルギ(直達効)と、モータジェネレータ装置から与えられるエネルギ(アシスト効)とのバランスが崩れ、直達効が車輪を越えてモータジェネレータ装置にまで及ぶかのような事態(エネルギ再循環)の生じることをいう。これでは、エネルギの効率的な利用が困難となる。
【0016】
以上述べたように、ハイブリッド型の動力出力装置を好適に運用するためには、種々の課題を解決しなければならず、とりわけより低燃費・より高効率を実現するため該ハイブリッド型の動力出力装置を構成するエンジンに自着火燃焼を行わせるためには、上述した各種の課題をも解決しなければならない。
【0017】
なお、上に述べた自着火燃焼に関する問題点は、リーンバーン型エンジンその他の一般に制御困難とされるエンジンにおいても相当程度共有されるものであり、したがって、仮に、該リーンバーン型エンジンとモータジェネレータ装置等を組み合わせてハイブリッド型の動力出力装置を構成する場合においても、上述した各種の課題が同様に顕在化することになると考えることができる。
【0018】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、エネルギの伝達効率に無駄がなく、特にエンジンに自着火燃焼等を行わせても出力コントロール困難性、着火時期制御困難性等の不都合を被ることなく、自着火燃焼を行うことにより得られる低燃費、低公害及び高熱効率という効果を如何なく享受することが可能な動力出力装置及びその制御方法並びにこれを搭載するハイブリッド車両を提供することを課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の動力出力装置は、上記課題を解決するため、駆動軸を回転可能なエンジンと、前記エンジンの回転数を調整可能なエンジン回転数調整手段と、前記エンジンに対する要求出力及び該エンジンにおいて第1燃焼形態を維持し得るか否かの判断結果に基づいて当該エンジンの目標回転数を決定するとともに、当該エンジンを前記目標回転数で回転させるように、前記エンジン回転数調整手段を制御する制御手段と、前記エンジンにおける前記第1燃焼形態及び第2燃焼形態を切り替える燃焼形態切替手段とを備え、前記第1燃焼形態は自着火燃焼を含み、第2燃焼形態は火花点火燃焼を含み、前記制御手段は、前記エンジンの回転数−トルク特性図上における自着火燃焼可能領域に含まれる制御線の上において前記エンジンの動作を制御し、前記回転数−トルク特性図上に描いた前記要求出力を表す複数の線は、前記制御線と交わるか又はその端点を通り、前記制御手段は、前記第1燃焼形態を維持し得ないと判断する場合には、前記エンジンにおいて前記第2燃焼形態を行わせるように、前記燃焼形態切替手段を制御する
【0020】
本発明の第1の動力出力装置によれば、まず、エンジンの回転数を調整可能なエンジン回転数調整手段を備える。
【0021】
そして、本発明では特に、このようなエンジン回転数調整手段を制御する制御手段が備えられており、該制御手段は、前記エンジンに対する要求出力該エンジンにおいて第1燃焼形態を維持し得るか否かの判断結果に基づいて当該エンジンの目標回転数を決定する。これとともに、当該エンジンを前記目標回転数で回転させる。この点、従来においては、スロットル開度等に応じて、エンジン回転数は成り行きで定まっていた。言い換えれば、特にエンジン回転数の制御は行われていなかったのである。しかしながら、これでは、エンジンの回転数が不定となる結果、その出力が不定になるとともに、筒内温度等もまた不定になる。ここで筒内温度等が不定になるという帰結は、エンジンの燃焼室内における燃焼条件を不定にするという状態を更に招く。すると、該エンジンが例えば第1燃焼形態の一例たる自着火燃焼を行っているときには、ただでさえ過早着火(ノッキング)等を防止することが困難とされているのに、この燃焼制御ないし着火時期制御をより一層困難なものとすることになる。
【0022】
しかるに、本発明においては、既に述べたように、制御手段が、エンジンの目標回転数を定めるとともに、エンジン回転数調整手段の制御を通じて、該エンジンを該目標回転数で回転させるように制御する。すなわち、本発明によれば、制御手段及びエンジン回転数調整手段により、エンジンの回転を所望の状態に維持することができるのである。
【0023】
これによると、エンジンは、目標回転数ないしその近傍で回転することになるから、その出力は安定することになる。そして、本発明では、このような制御を、例えば該エンジンが前記自着火燃焼、或いは第1燃焼形態の別の例たるリーンバーン(希薄燃焼)を維持し得るか否かの判断結果に基づいて行う。例えば、当該燃焼が維持可能であると判断されれば、当該燃焼を好適に行い得る目標回転数を決定するとともに、エンジンを当該目標回転数で回転させる前記の制御を行うことにより、自着火燃焼或いはリーンバーンを行うエンジンにおいて当該燃焼を安定的に行わせることができ、一般にこれらの燃焼形態において負荷・出力コントロールが困難であるという難点は有効に解決されることになるのである。
【0024】
また、エンジンが目標回転数で回転するならば、筒内温度等が安定し、更には燃焼条件もまた安定することになる。したがって、該エンジンが自着火燃焼等を行っているとしても、その過早着火等を防止することが可能となり、燃焼制御ないし着火時期制御をより好適に実施することができる。
【0025】
なお、本発明において、「エンジンにおける第1燃焼形態を維持し得るか否かの判断結果」に基づき目標回転数が決定されるというのは、典型的には、上述のように、第1燃焼形態を維持する「ため」の目標回転数が決定されるということを意味する他、第1燃焼形態を維持し得ず第2燃焼形態(第1燃焼形態が自着火燃焼なら、当該第2燃焼形態は火花点火燃焼。後でも言及。)に移行する必要がある場合において、当該第2燃焼形態を好適に行うための目標回転数が決定されるなどという場合を含む。
本発明では特に、エンジンは、回転数−トルク特性図上における自着火燃焼可能領域に含まれる制御線の上において、言い換えれば、自着火燃焼可能領域を画する境界線の全部又は一部に含まれる制御線の上において、制御される。ここに制御線とは、典型的には、比例関数のグラフ(すなわち、回転数が増大すればする程、トルクが直線的に増大する直線)として描かれる(ただし、その以外、例えば一般に「曲線」となる制御線であってもよい。)。また、この制御線は、通常、最低回転数に対応する最低トルク、或いは最大回転数に対する最大トルクが存在するという「線分」として描かれる。これにより、該制御線は、いま述べた二つの場合それぞれに対応した端点を有することになる。
他方、該エンジンの回転数−トルク特性図上において、前述の要求出力を描くと、それは概ね反比例関数のグラフ(すなわち、回転数が増大すればする程、トルクが減少するような曲線)のように描かれる。そして、要求出力を表す複数の線が、前記制御線と交わるか又はその端点を通る。すなわち、前述したような「エンジンに対する要求出力に基づいて」行われるモータジェネレータ装置によるエンジンの回転数制御において、該要求出力を表す線は、制御線と交わるか又はその端点を通るのであるから、ある一つの「要求出力」に対応する、前記制御線上におけるエンジンの回転数及びトルクは原理的には一義に定まることになる。この場合更に、当該回転数を、前述にいう「目標回転数」として設定すればよい。
加えて本発明では特に、燃焼形態切替手段によって、エンジンにおける第1燃焼形態及び第2燃焼形態の切り替えが可能である。即ち、エンジンは、第1燃焼形態に含まれる自着火燃焼及び第2燃焼形態に含まれる火花点火燃焼の両燃焼形態の切り替えが可能である。そして、第1燃焼形態を維持し得ないと判断された場合には、エンジンにおいて第2燃焼形態を行わせるように、制御手段によって燃焼形態切替手段が制御される。したがって、エンジンは、燃焼形態切替手段による、第1燃焼形態及び第2燃焼形態間の切替えを経験しながら運用され得ることになる。ここで、これら第1燃焼形態及び第2燃焼形態とは、具体的には例えば、前者が自着火燃焼、後者が火花点火燃焼である場合、或いは前者がリーンバーン、後者がリッチバーンである場合等が該当すると考えることができる。前述のように、エンジンに対する要求出力及び該エンジンにおける第1燃焼形態の維持可能性の如何等によって、エンジンを目標回転数で回転させるように前記モータジェネレータ装置を制御する制御手段は、後者の条件を満たしえないと判断するときには、第1燃焼形態によるエンジンの運用をやめて、第2燃焼形態へと移行する制御を行うのである。これにより、動力出力装置全体としてのより安定的な運用を行うことが可能となる。
なお、本態様にいう「燃焼形態切替手段」とは、具体的には、点火プラグ、並びにターボ過給装置及びEGR( Exhaust Gas Recirculation :排気再循環)装置などの筒内温度の調整機構、筒内圧力の調整機構等を含む。そして、現実にエンジンに、例えば第1燃焼形態の一例たる自着火燃焼を行わせるためには、点火プラグにおける点火を停止し、筒内圧力を上昇させるなどという各処理を実施することになる(この場合、第2燃焼形態の一例たる火花点火燃焼ではその逆となる。)。
このように、本発明によれば、エンジンの回転数制御を、有効且つ適切に、また、より容易になしうるということができる。
【0026】
本発明の第1の動力出力装置の一態様では、前記エンジン回転数調整手段は、前記エンジンの出力軸に連結された動力伝達状態調整手段からなる。
【0027】
この態様によれば、エンジン回転数は、エンジンの出力軸を介し、いわばエンジンの外部から調整されることになる。なお、前記動力伝達状態調整手段としては、具体的には例えば、後述するモータジェネレータ装置が含まれる他、無断変速機(CVT;Continuously Variable Transmission)等が含まれる。
【0028】
本発明の第2の動力出力装置は、上記課題を解決するため、エンジンと、該エンジンの出力の少なくとも一部を用いて発電可能であると共に駆動軸を介して駆動力を出力可能なモータジェネレータ装置と、前記エンジンに対する要求出力及び該エンジンにおける第1燃焼形態を維持し得るか否かの判断結果に基づいて当該エンジンの目標回転数を決定するとともに、当該エンジンを前記目標回転数で回転させるように、前記モータジェネレータ装置を制御する制御手段と、前記エンジンにおける前記第1燃焼形態及び第2燃焼形態を切り替える燃焼形態切替手段とを備え、前記第1燃焼形態は自着火燃焼を含み、第2燃焼形態は火花点火燃焼を含み、前記制御手段は、前記エンジンの回転数−トルク特性図上における自着火燃焼可能領域に含まれる制御線の上において前記エンジンの動作を制御し、前記回転数−トルク特性図上に描いた前記要求出力を表す複数の線は、前記制御線と交わるか又はその端点を通り、前記制御手段は、前記第1燃焼形態を維持し得ないと判断する場合には、前記エンジンにおいて前記第2燃焼形態を行わせるように、前記燃焼形態切替手段を制御する
【0029】
本発明の第2の動力出力装置によれば、エンジンの出力により発電し、或いは駆動軸を介して駆動力を出力するモータジェネレータ装置を備えている。このうち後者の性質によれば、駆動軸の回転は、モータジェネレータ装置によって実現される他、前記エンジンによっても実現可能(パラレルハイブリッド方式)であるから、例えばエンジンの出力が仮に低くても、モータジェネレータ装置を構成するモータによるアシストにより、十分な駆動力を得ることができる。また、前者の性質(発電)によれば、エンジンの出力を借りて、バッテリの充電を実現することが可能となるから、モータジェネレータ装置を構成するモータによる駆動軸に対する駆動力の付与は、特別な充電期間を設けるなどという必要なく、比較的長期にわたって実現可能となる(シリーズハイブリッド方式)。
【0030】
このように、当該動力出力装置では、前述した駆動力付与及び発電が実現可能なようにエンジン及びモータジェネレータ装置間において機構的な連係が図られており、排気ガスを排出するエンジンの役割が相対的に縮小化されることによって、燃料消費量を抑えるとともに、いわゆる環境汚染を招くこと等のない動力出力装置を提供することが可能となる。
【0031】
そして、本発明では特に、エンジンに対する要求出力該エンジンにおける第1燃焼形態を維持し得るか否かの判断結果に基づいて当該エンジンの目標回転数を決定する。これとともに、当該エンジンを前記目標回転数で回転させるように、前記モータジェネレータ装置を制御する制御手段が備えられている。
【0032】
この点、従来においては、スロットル開度等に応じて、エンジン回転数は成り行きで定まっていた。言い換えれば、特にエンジン回転数の制御は行われていなかったのである。しかしながら、これでは、エンジンの回転数が不定となる結果、その出力が不定になるとともに、筒内温度等もまた不定になる。ここで筒内温度等が不定になるという帰結は、エンジンの燃焼室内における燃焼条件を不定にするという状態を更に招く。すると、該エンジンが例えば第1燃焼形態の一例たる自着火燃焼を行っているときには、ただでさえ過早着火(ノッキング)等を防止することが困難とされているのに、この燃焼制御ないし着火時期制御をより一層困難なものとすることになる。
【0033】
しかるに、本発明においては、既に述べたように、制御手段が、エンジンの目標回転数を定めるとともに、モータジェネレータ装置の力を借りて、該エンジンを該目標回転数で回転させるように制御する。すなわち、本発明によれば、制御手段及びモータジェネレータ装置により、エンジンの回転を所望の状態に維持することができるのである。
【0034】
これによると、エンジンは、目標回転数ないしその近傍で回転することになるから、その出力は安定することになる。そして、本発明では、このような制御を、例えば該エンジンが前記自着火燃焼、或いは第1燃焼形態の別の例たるリーンバーンを維持し得るか否かの判断結果に基づいて行う。例えば、当該燃焼が維持可能であると判断されれば、当該燃焼を好適に行い得る目標回転数を決定するとともに、エンジンを当該目標回転数で回転させる前記の制御を行うことにより、自着火燃焼或いはリーンバーンを行うエンジンにおいて当該燃焼を安定的に行わせることができ、一般にこれらの燃焼形態において負荷・出力コントロールが困難であるという難点は有効に解決されることになるのである。
【0035】
また、エンジンが目標回転数で回転するならば、筒内温度等が安定し、更には燃焼条件もまた安定することになる。したがって、該エンジンが自着火燃焼等を行っているとしても、その過早着火等を防止することが可能となり、燃焼制御ないし着火時期制御をより好適に実施することができる。
【0036】
なお、本発明において、「エンジンにおける第1燃焼形態を維持し得るか否かの判断結果」に基づき目標回転数が決定されるというのは、典型的には、上述のように、第1燃焼形態を維持する「ため」の目標回転数が決定されるということを意味する他、第1燃焼形態を維持し得ず第2燃焼形態(第1燃焼形態が自着火燃焼なら、当該第2燃焼形態は火花点火燃焼。後でも言及。)に移行する必要がある場合において、当該第2燃焼形態を好適に行うための目標回転数が決定されるなどという場合を含む。その他、後述するように、第1燃焼形態の一例たる自着火燃焼を行うエンジンにおいて、その低出力・低トルクを補うために、目標回転数が決定される等という場合をも含む。このように、前記「第1燃焼形態を維持し得るか否かの判断結果」に基づく「目標回転数」の決定方法は種々のバリエーションが想定され得る。
【0037】
また、前述の機構的連係の例としては、例えばプラネタリギア等を用いるのが好ましい。この場合、例えばモータジェネレータ装置は2台のモータを備え、且つ、そのうちの一方は該プラネタリギアのサンギアに接続され、他方はリングギアに接続されるようにするとともに、エンジンの出力軸をプラネタリピニオンギアに接続するようにすると、モータジェネレータ装置及びエンジン間の機構的連係を好適に実現することができる。
【0038】
そして、このような構成では特に、前記2台のモータ及びエンジンそれぞれの回転数及びトルク間には共線図上の動作共線で表現される関係が存在することになる(後述の実施形態参照。)。したがって、エンジンを目標回転数で回転させるためには、前記サンギアに接続されたモータのトルクを調整することにより、これを容易に実現することができるのである。
本発明では特に、エンジンは、回転数−トルク特性図上における自着火燃焼可能領域に含まれる制御線の上において、言い換えれば、自着火燃焼可能領域を画する境界線の全部又は一部に含まれる制御線の上において、制御される。ここに制御線とは、典型的には、比例関数のグラフ(すなわち、回転数が増大すればする程、トルクが直線的に増大する直線)として描かれる(ただし、その以外、例えば一般に「曲線」となる制御線であってもよい。)。また、この制御線は、通常、最低回転数に対応する最低トルク、或いは最大回転数に対する最大トルクが存在するという「線分」として描かれる。これにより、該制御線は、いま述べた二つの場合それぞれに対応した端点を有することになる。
他方、該エンジンの回転数−トルク特性図上において、前述の要求出力を描くと、それは概ね反比例関数のグラフ(すなわち、回転数が増大すればする程、トルクが減少するような曲線)のように描かれる。そして、要求出力を表す複数の線が、前記制御線と交わるか又はその端点を通る。すなわち、前述したような「エンジンに対する要求出力に基づいて」行われるモータジェネレータ装置によるエンジンの回転数制御において、該要求出力を表す線は、制御線と交わるか又はその端点を通るのであるから、ある一つの「要求出力」に対応する、前記制御線上におけるエンジンの回転数及びトルクは原理的には一義に定まることになる。この場合更に、当該回転数を、前述にいう「目標回転数」として設定すればよい。
加えて本発明では特に、燃焼形態切替手段によって、エンジンにおける第1燃焼形態及び第2燃焼形態の切り替えが可能である。即ち、エンジンは、第1燃焼形態に含まれる自着火燃焼及び第2燃焼形態に含まれる火花点火燃焼の両燃焼形態の切り替えが可能である。そして、第1燃焼形態を維持し得ないと判断された場合には、エンジンにおいて第2燃焼形態を行わせるように、制御手段によって燃焼形態切替手段が制御される。したがって、エンジンは、燃焼形態切替手段による、第1燃焼形態及び第2燃焼形態間の切替えを経験しながら運用され得ることになる。ここで、これら第1燃焼形態及び第2燃焼形態とは、具体的には例えば、前者が自着火燃焼、後者が火花点火燃焼である場合、或いは前者がリーンバーン、後者がリッチバーンである場合等が該当すると考えることができる。前述のように、エンジンに対する要求出力及び該エンジンにおける第1燃焼形態の維持可能性の如何等によって、エンジンを目標回転数で回転させるように前記モータジェネレータ装置を制御する制御手段は、後者の条件を満たしえないと判断するときには、第1燃焼形態によるエンジンの運用をやめて、第2燃焼形態へと移行する制御を行うのである。これにより、動力出力装置全体としてのより安定的な運用を行うことが可能となる。
なお、本態様にいう「燃焼形態切替手段」とは、具体的には、点火プラグ、並びにターボ過給装置及びEGR( Exhaust Gas Recirculation :排気再循環)装置などの筒内温度の調整機構、筒内圧力の調整機構等を含む。そして、現実にエンジンに、例えば第1燃焼形態の一例たる自着火燃焼を行わせるためには、点火プラグにおける点火を停止し、筒内圧力を上昇させるなどという各処理を実施することになる(この場合、第2燃焼形態の一例たる火花点火燃焼ではその逆となる。)。
このように、本発明によれば、エンジンの回転数制御を、有効且つ適切に、また、より容易になしうるということができる。
【0049】
この態様では、前記エンジンの回転数又は前記目標回転数が所定回転数以下となる場合であって、且つ、該エンジンに対する要求出力が所定出力値以下となる場合において、前記制御手段は、自着火燃焼を行う前記エンジンに、火花点火燃焼を行わせるように、前記燃焼形態切替手段を制御するように構成するとよい。
【0050】
このような構成によれば、前記エンジンの回転数又は前記目標回転数が所定回転数以下となる場合であって、且つ、該エンジンに対する要求出力が所定出力値を下る場合においては、エンジンに火花点火燃焼を行わせることになる。
【0051】
ここで「所定回転数」とは、例えば前述の回転数−トルク特性図上の自着火燃焼可能領域における最低回転数が該当すると考えることができる。また、「所定出力値」とは、該特性図上に描いた或る出力に係る線が、前記自着火燃焼可能領域における最低回転数及び最低トルク(これは、前述の制御線の端点を規定する最低回転数及び最低トルクとは一般に異なり得るが、一致してもよい。)を表す点を通る場合における、当該或る出力が該当すると考えることができる。
【0052】
これによると、回転数及び要求出力に係る上述の条件を満たす場合は、回転数−トルク特性図上の該要求出力を表す線が、自着火燃焼可能領域内を通らないということを意味することになる。つまり、この場合、本態様にかかる制御は、もはや自着火燃焼を実行することが不可能なエンジンにおいて、火花点火燃焼を行わせるという意味を有することになるから、該エンジンのより好適な運用を実現することができることになる。
【0053】
なお、本態様においては、所定回転数及び所定出力値として、前述のような比較的厳密な意味における所定回転数及び所定出力値のみが該当すると考える必要はない。例えば、これらの具体的な値としては、それぞれ、相当程度に小さい、或いは上述の回転数−トルク特性図上の自着火燃焼可能領域を規定する最低回転数に相当程度近い回転数となる或る所定の回転数、及び、自着火燃焼可能領域における最低回転数及び最低トルクに程近い点を通る或る所定の出力値が該当するなどと考えることもできる。
【0054】
これによっても、相応の作用効果を得ることができる。というのも、自着火燃焼の行われているエンジンは、一般に、ただでさえ出力等が安定しないから、現実のエンジンの回転数が「相当程度に小さい或る所定の回転数」以下であり、また、要求出力が「自着火燃焼可能領域における最低回転数及び最低トルクに程近い点を通る或る所定の出力値」を下回る場合においては、それが自着火燃焼可能領域内であったとしても、エンジンの挙動は不安定になるおそれがあるからである。
【0055】
上述の自着火燃焼及び火花点火燃焼の切替可能なエンジンを備える態様では、前記制御手段は、前記エンジンが自着火燃焼から火花点火燃焼へ又はその逆に移行する際において、前記エンジンに対する要求出力に基づいて当該エンジンの目標回転数を決定するとともに、当該エンジンが前記目標回転数で回転するように、前記モータジェネレータ装置を制御するように構成するとよい。
【0056】
このような構成によれば、エンジンが自着火燃焼から火花点火燃焼へなどと移行する際において、前述したようなモータジェネレータ装置によるエンジン回転数の制御が行われることになる。ところで、このような移行の際、より一般には、一方の燃焼形態から他方の燃焼形態への移行の際を、従前状態、移行状態(すなわち、次の目標状態への準備段階)及び目標状態の三段階に分けて考えるとすると、このうちの移行状態は比較的長い時間がかかることが知られており、また、この移行状態においてはエンジンが実質的には動作していないことにより、従前状態、或いは目標状態から見て、いわゆるトルク段差が生じることになる。これによると、当該動力出力装置の動作やこれを搭載する車両等の動作、更には運転感覚等に影響を及ぼす可能性がある。
【0057】
しかるに、本態様においては、上述の移行の際、とりわけ前記移行状態において、前述したようなモータジェネレータ装置によるエンジン回転数の制御を行うことから、前記トルク段差を有効に解消することが可能となるのである。この場合、「目標回転数」は、このトルク段差を解消するようなものとして定められる、と考えることができる。
【0058】
以上のように、本態様によれば、トルク段差を解消するように、エンジンの回転数が制御されることから、当該動力出力装置の動作やこれを搭載する車両等の動作、更には運転感覚等に影響を及ぼす可能性が低減されることになる。
【0059】
また、自着火燃焼及び火花点火燃焼の切替可能なエンジンを備える態様では、前記モータジェネレータ装置により充電可能であると共に前記モータジェネレータ装置に電源供給可能な蓄電装置を更に備えてなり、前記制御手段は、前記エンジンが自着火燃焼から火花点火燃焼へ又はその逆に移行する際において、前記エンジンに対する要求出力に基づいて、前記蓄電装置の電気エネルギを用いて駆動された前記モータジェネレータ装置により前記駆動軸に動力が伝達されるように、前記蓄電装置及び前記モータジェネレータ装置を制御するように構成するとよい。
【0060】
このような構成によれば、モータジェネレータ装置により充電可能であるとともに、これに電源供給可能な蓄電装置が備えられている。そして、本態様では特に、エンジンが自着火燃焼から火花点火燃焼へと移行する際において、前記蓄電装置の電気エネルギを用いて前記モータジェネレータ装置が駆動され、このように駆動されたモータジェネレータ装置により前記駆動軸に動力が伝達されるようになっている。
【0061】
ここで、エンジンに対して現実に何らかの負荷がかかっている場合を仮定するととともに、本態様にいう「移行する際」を、前述したように従前状態、移行状態及び目標状態の三段階に分けて考えると、このうちの移行状態においては、現に実現されている駆動力と、前記負荷により要求されている駆動力との間で差が生じる場合がある。この場合、当該移行状態においては、パワー不足を起因として、当該動力出力装置の動作やこれを搭載する車両等の動作、更には運転感覚等に影響を及ぼす可能性がある。
【0062】
しかるに、本態様においては、モータジェネレータ装置が蓄電装置の電気エネルギを用いて駆動されるようになっており、その結果、該モータジェネレータ装置により前記駆動軸に動力が伝達されるようになっている。ここに伝達されるべき駆動力の程度は、従前状態、移行状態及び目標状態のいずれにおいても駆動力が同一となるように、或いはこれらの状態間のスムースな遷移が実現されるように、などということを指標として具体的内容が定められる。なお、本態様にいう「要求出力」は、前記負荷により要求されている駆動力に基づいて定まる。
【0063】
このように、本態様によれば、蓄電装置の電気エネルギを用いモータジェネレータ装置を介することによって駆動軸に動力が伝達されることによって、当該動力出力装置のパワー不足分を補うことが可能となり、該動力出力装置の動作やこれを搭載する車両等の動作、更には運転感覚等に影響を及ぼす可能性が低減されることになる。
【0064】
なお、本態様にいう「蓄電装置」としては、具体的には、バッテリ、大容量コンデンサ等が該当する。
【0065】
また、本態様は、蓄電装置における蓄電量が、所定蓄電量以上である場合に実施するようにすると好ましい。これによると、蓄電装置にいわば余裕がある場合にのみ、前述したような制御が行われることから、蓄電装置の電気エネルギを必要以上に消費することがない。
【0066】
さらに、自着火燃焼及び火花点火燃焼の切替可能なエンジンを備える態様では、前記モータジェネレータ装置により充電可能であると共に前記モータジェネレータ装置に電源供給可能な蓄電装置を更に備えてなり、前記制御手段は、前記エンジンが自着火燃焼を行っている期間中の少なくとも一時点において、前記エンジンに対する要求出力に基づいて、前記蓄電装置の電気エネルギを用いて駆動された前記モータジェネレータ装置により前記駆動軸に動力が伝達されるように、前記蓄電装置及び前記モータジェネレータ装置を制御するように構成するとよい。
【0067】
このような構成によれば、前述した態様と同様に、蓄電装置が備えられている。そして本態様では特に、前記エンジンが自着火燃焼を行っている期間中の少なくとも一時点において、前記蓄電装置の電気エネルギを用いて前記モータジェネレータ装置が駆動され、このように駆動されたモータジェネレータ装置により前記駆動軸に動力が伝達されるようになっている。
【0068】
これによれば、そもそも自着火燃焼を行っているエンジンにおいては、低出力・低トルクしか実現できないところ、これを補うように、モータジェネレータ装置により前記駆動軸に動力が伝達されるようになっているから、当該動力出力装置の動作やこれを搭載する車両等の動作、或いは運転感覚等に影響を及ぼす可能性を低減することができる。
【0069】
なお、本態様は、蓄電装置における蓄電量が、所定蓄電量以上である場合に実施するようにすると好ましい。これによると、蓄電装置にいわば余裕がある場合にのみ、前述したような制御が行われることから、蓄電装置の電気エネルギを必要以上に消費することがない。
【0070】
更に加えて、自着火燃焼及び火花点火燃焼の切替可能なエンジンを備える態様では、前記制御手段は、前記エンジンが自着火燃焼中は、火花点火燃焼時に比べて、前記モータジェネレータ装置及び前記エンジンにおける自着火燃焼を維持するための自着火燃焼維持手段に関する制御目標量を小さくするように構成するとよい。
【0071】
このような構成によれば、エンジンが自着火燃焼を行っている最中は、火花点火燃焼時に比べて、モータジェネレータ装置及び前記エンジンにおける自着火燃焼を維持するための自着火燃焼維持手段に関する制御目標量を小さくする。これによると、以下に述べるような作用効果を得ることができる。
【0072】
ここで、まず、前記「自着火燃焼維持手段」を構成するものとしては、例えばスロットル弁、燃料噴射弁、ターボ過給装置及びEGR弁等を挙げることができる。エンジンは、これら各種要素の調整を通じて、自着火燃焼を維持することが可能となる。
【0073】
次に、このような自着火燃焼維持手段、或いは前記モータジェネレータ装置「に関する制御目標量」とは、より具体的には次のような意義を有する。
【0074】
まず、自着火燃焼維持手段では、スロットル弁についてのスロットル開度、燃料噴射弁についての燃料噴射量及びターボ過給装置についての過給圧の大きさ等々は、エンジンにおける自着火燃焼を維持するための制御の対象としてのパラメータと考えることができる。また、モータジェネレータ装置についても、これを構成するモータのトルク及び回転数等々は、いま述べたと同様な意味におけるパラメータと考えることができる。
【0075】
本態様における制御手段は、これらのパラメータの調整を通して、エンジンの自着火燃焼の維持、及びモータジェネレータ装置によるエンジン回転数の制御を実現することになるが、この場合、具体的には、前述したようなスロットル開度、燃料噴射量及びモータのトルク等について、制御目標量を定める必要がある。ここに「制御目標量」とは、例えば、モータのトルクに関していえば、当初のトルクがT1で、これをT2にまで上昇させたいという場合において、全体の制御量として観念されるT2−T1=ΔTを等分割したΔT=Δt1+Δt2+…+Δtnにおける、これらΔt1、Δt2、…、Δtnの各値のこと等をいう。制御手段は、第1段階でΔt1だけトルクを変化させ、第2段階でΔt2だけ変化させ、以後同様にして最終的にトルクT2を実現することになる。
【0076】
そして、本態様においては特に、このような制御目標量が、自着火燃焼時におけるものであるときには、それが火花点火燃焼時におけるものであるときに比べて小さいのである。すなわち、上述と同様に、火花点火燃焼時における制御目標量を、Δs1、Δs2、…、Δsmと考えると、このうち任意のΔsp(p=1、2、…、m)は、任意のΔtq(q=1、2、…、n)よりも大きい(即ち、Δsp>Δtq)ということになる。
【0077】
これにより、本態様では次のような作用効果が得られる。すなわち、エンジンが自着火燃焼を行っている場合において、エンジン回転数及びトルクを急激に変化させると、その変化後の回転数及びトルクが自着火燃焼可能領域内に存在する値であったとしても、該エンジンでもはや自着火燃焼を生じさせることができなくなる場合がある。既述のように「追従性が劣る」のである。
【0078】
しかるに、本態様のように、モータジェネレータ装置及び前記自着火燃焼維持手段に関する制御目標量を小さく設定すれば、時々刻々変化する前記パラメータの変化量もまた当然に小さくなるから、エンジンにおいて自着火燃焼を維持し、且つ、モータジェネレータ装置によるエンジン回転数制御も好適に行うことができるのである。
【0079】
このような作用効果は、回転数及びトルクの急激に変化させる必要があるときにおいて、より顕著になる。というのも、自着火燃焼可能領域の狭小性、或いは燃焼制御の困難性等の各種事情が存在することにより、そもそも自着火燃焼それ自体が困難であるところ、比較的短期間の間にエンジン等に関するパラメータを急激に変化させると、その影響が直接・間接に響き、該困難性等がより顕著になるためである。本態様においては、以上のような不都合を被る可能性を低減し、自着火燃焼の維持、とりわけエンジン等に関するパラメータの急激な変化にも無理なく追従していくことによって自着火燃焼の維持を図ることができる。
【0080】
なお、この自着火燃焼時における制御目標量の小さ目の設定とは、例えば、火花点火燃焼時に対する割合という形で定義しておくことができる。すなわち、火花点火燃焼時における制御目標量を1とした場合において、自着火燃焼時におけるそれが0.5などというようである。
【0081】
この構成では特に、前記モータジェネレータ装置は、プラネタリギアのサンギア及びリングギアにそれぞれ接続された第1及び第2のモータを含み、前記エンジンは、前記プラネタリギアのプラネタリピニオンギアに接続されてなり、前記制御手段は、前記第1のモータを制御するとともに、前記制御目標量は該第1のモータのトルクについて定められるように構成するとよい。
【0082】
このような構成によれば、制御手段がサンギアに接続された第1のモータを制御する。この場合、プラネタリギアについては、これを構成する各ギアないしその軸に作用する回転数及びトルクを共線図上の動作共線及びこれに働く力で表現することができる。そして、この共線図上の動作共線を用いれば、あるギアないしその軸に作用させる回転数及びトルクを調整することによって、他のギアないしその軸、更にこれに連なる要素の動作制御を、容易且つ確実に行うことができる。しがって、まず、本態様によれば、前述のようにサンギアに接続された第1のモータを制御することによって、プラネタリピニオンギアに接続されたエンジンの回転数を制御することが容易且つ確実に可能となる。
【0083】
そして、本態様では特に、前記制御目標量は、この第1のモータのトルクについて定められる。つまり、自着火燃焼時におけるエンジンの回転数は、火花点火燃焼時に比べて、徐々に増加又は減少するように制御されることになる。これにより、上述したように自着火燃焼を良好に維持することができる。
【0084】
なお、制御目標量は、前記第1のモータのトルクの他、前記自着火燃焼維持手段を構成する各要素に関するパラメータについても併せて定めておくことができることは言うまでもない。
【0085】
本発明の動力出力装置の他の態様では、前記制御手段は、当該動力出力装置がエネルギ再循環領域で運用されている場合において、前記エンジンに自着火燃焼を行わせるように当該エンジンを制御する。
【0086】
この態様によれば、当該動力出力装置におけるエネルギ伝達効率を向上させることができる。これは以下の事情による。
【0087】
まず、本態様にいう「エネルギ再循環領域」とは、例えば当該動力出力装置が車輪等を備えた車両等に備えられている場合において、前記車輪にエンジンから与えられるエネルギ(直達効)と、モータジェネレータ装置から与えられるエネルギ(アシスト効)とのバランスが崩れ、直達効が車輪を越えてモータジェネレータ装置にまで及ぶかのような事態(エネルギ再循環)の生じることをいう。これでは、エネルギの効率的な利用が困難となる。
【0088】
しかるに、本態様においては、前述のようなエネルギ再循環が生じたときには、エンジンに自着火燃焼を行わせる。すなわち、火花点火燃焼を行っているエンジンについては、これを自着火燃焼へと移行させ、自着火燃焼を行っているエンジンについては、そのまま当該状態を維持する。これによると、まず、該エンジンは低出力・低トルクの運転状態となるから、前記の直達効が小さくなる。すると、相対的にアシスト効が大きくなるから、該アシスト効と直達効とのバランスを取り戻すことが可能となるのである。
【0089】
したがって、本態様によれば、当該動力出力装置がエネルギ再循環領域で運用されている場合においても、エネルギ伝達効率が低下するという事態を極力回避することができる。
【0090】
なお、上述の各種態様、すなわち制御線上でエンジンの動作を制御する態様、所定回転数及び所定出力値を用いて燃焼形態を切り替える態様、自着火燃焼から火花点火燃焼への移行時にエンジン回転数を制御する態様、同移行時に蓄電装置の電気エネルギを用いながらエンジン回転数を制御する態様、自着火燃焼を行っている少なくとも一時点において蓄電装置の電気エネルギを用いながらエンジン回転数を制御する態様、自着火燃焼維持手段等に関する制御目標量を小さくする態様及び該態様において更にプラネタリギアを備える態様、並びにエネルギ再循環領域で自着火燃焼を行わせる態様の各種態様においては、制御手段は、「モータジェネレータ装置」を制御することが前提とされていたが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。すなわち、モータジェネレータ装置に代えて、制御手段がエンジン回転数調整手段を制御する前記第1の動力出力装置に対しても、前記各種態様の適用が基本的には可能である。
【0091】
本発明の動力出力装置の他の態様では、前記エンジンは、自着火燃焼型エンジンを含む。
【0092】
この態様によれば、エンジンは、自着火燃焼型であり、点火プラグ等を備えておらず、火花点火燃焼を行うことなく、専ら自着火燃焼を行う。この場合にも、エンジンは、回転数−トルク特性図上における自着火燃焼可能領域を画する境界線の全部又は一部に含まれる制御線の上において制御される。そして、要求出力を表す線が、この制御線と交わり、又はその端点を通る。すなわち、前述したような「エンジンに対する要求出力に基づいて」行われるモータジェネレータ装置によるエンジンの回転数制御において、該要求出力を表す線は、制御線と交わり、又はその端点を通るのであるから、ある一つの「要求出力」に対応する、前記制御線上におけるエンジンの回転数及びトルクは原理的には一義に定まることになる。
【0093】
このように、本態様によれば、一般に出力コントロールや着火時期制御が困難とされている自着火燃焼型エンジンの回転数制御を、有効且つ適切に、また、より容易になしうるということができる。
【0094】
本発明の動力出力装置の他の態様では、前記エンジンは、リーンバーン型エンジンを含む。
【0095】
この態様において、まず、リーンバーン型エンジンとは、一般に、燃料の比率に対する空気の比率の大きい混合気を燃やしながら運転を行い得るエンジンであり、該リーンバーン型エンジンによれば、燃費改善、低公害及び高熱効率化を達成することができる。
【0096】
そして、この態様では、上述までにおいて、主に、自着火燃焼と火花点火燃焼との切替可能なエンジンに関して述べた作用効果を同様に享受することが可能となる。すなわち、前記のリーンバーン型エンジンにおいても、通常、希薄燃焼(リーンバーン)そのものが実行されるのは、低負荷時・低回転数状態に限られる。すると、この点に着目すれば、リーンバーンを行っているエンジンと、自着火燃焼を行っているエンジンとは、本発明が解決しようとする課題の観点からして実質的に同一と見ることができる。つまり、低負荷時・低回転数状態にあるリーンバーン型エンジンは、一般に、出力のコントロール、或いはまた燃焼制御ないし点火時期制御が困難であり、高出力・高トルクの発生が困難であり、急激なエンジン回転数及びトルクの変化に対しては追従性が劣る等、自着火燃焼を行うエンジンと略同様な問題を抱えることになる。
【0097】
しかるに、本態様においては、このようなリーンバーン型エンジンと、モータジェネレータ装置が組み合わされるとともに、後者による前者の回転数の制御が行われ、該リーンバーン型エンジンは目標回転数で回転するように制御されることになるから、上述した各種の問題点は、既に述べたのと略同様な理屈により、有効に解消することが可能となるのである。
【0098】
また、これを基本とした各種態様に関しても、自着火燃焼を行うエンジンとリーンバーンを行うエンジンとでは、実質的に同一の問題を抱えるということができる。すなわち、リーンバーン型エンジンでは、低負荷時・低回転数状態から高負荷時・高回転数状態への移行が行われる際には、リーンバーンからリッチバーンへの移行が行われることになるから、上述した自着火燃焼から火花点火燃焼への移行の際に生じる問題と同様な問題を抱えることになる。また、動力出力装置を構成するエンジンがリーンバーン型エンジンであったとしても、前記エネルギ再循環に係る問題が生じることに変わりはない。
【0099】
したがって、前記した本発明の動力出力装置の各種態様は、その構成要素たるエンジンがリーンバーン型エンジンを含む場合にあっても、全く同様に適用することが可能であり、また、それによって上述したと略同様な作用効果を得ることができる。
【0100】
なお、このような場合においては、前述の各種態様にいう「自着火燃焼」を「リーンバーン」と、「火花点火燃焼」を「リッチバーン」と読み替えることによって、当該各種態様に係る各発明を把握するようにすればよい。
【0101】
本発明の第1の動力出力装置の制御方法は、上記課題を解決するために、駆動軸を回転可能なエンジン及びの回転数を調整可能なエンジン回転数調整手段を備えた動力出力装置を制御する動力出力装置の制御方法であって、前記エンジンに対する要求出力及び該エンジンにおいて第1燃焼形態を維持し得るか否かの判断結果に基づいて当該エンジンの目標回転数を決定するとともに、当該エンジンを前記目標回転数で回転させる工程を含む。
【0102】
本発明の第1の動力出力装置の制御方法によれば、上述の本発明の第1の動力出力装置を好適に制御することが可能となる。
【0103】
本発明の第2の動力出力装置の制御方法は、上記課題を解決するために、エンジン及びその出力の少なくとも一部を用いて発電可能であると共に駆動軸を介して駆動力を出力可能なモータジェネレータ装置を備えた動力出力装置を制御する動力出力装置の制御方法であって、前記エンジンに対する要求出力及び該エンジンにおける第1燃焼形態を維持し得るか否かの判断結果に基づいて当該エンジンの目標回転数を決定するとともに、当該エンジンを前記目標回転数で回転させる工程を含む。
【0104】
本発明の第2の動力出力装置の制御方法によれば、上述の本発明の第2の動力出力装置を好適に制御することが可能となる。
【0105】
本発明のハイブリッド車両は、上記課題を解決するために、前述の本発明のハイブリッド型の動力出力装置(但し、その各種態様を含む。)と、該動力出力装置が搭載される車両本体と、該車両本体に取り付けられるとともに前記駆動軸を介して出力される前記駆動力により駆動される車輪とを備えている。
【0106】
本発明のハイブリッド車両によれば、エンジン回転数が制御されることによって、例えば該エンジンが自着火燃焼を行っている場合であっても、その出力を安定させることができる。また、その燃焼条件を安定させることも可能となり、過早着火や失火等の生じる可能性を低減することができる。
【0107】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0108】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の第1実施形態では、本発明に係る動力出力装置を、パラレルハイブリッド方式のハイブリッド車両に適用したものであり、更に、本発明に係る動力出力装置の制御方法は、当該ハイブリッド車両において実行されるものである。
【0109】
(ハイブリッド車両の基本構成及び動作)
図1において、第1実施形態のハイブリッド車両の動力系統は、エンジン150、モータジェネレータ装置の一例を構成するモータジェネレータMG1及びMG2、これらのモータジェネレータMG1及びMG2を夫々駆動する駆動回路191及び192、これらの駆動回路191及び192を制御する制御ユニット190、並びにエンジン150を制御するEFIECU(Electrical Fuel Injection Engine Control Unit)170を備えて構成されている。
【0110】
第1実施形態では特に、エンジン150は、自着火燃焼及び火花点火燃焼を切替可能な燃焼形態切替機能を有するガソリンエンジンである。この燃焼形態の切替え動作については後に詳述する。
【0111】
エンジン150は、クランクシャフト156を回転させる。エンジン150の運転は、EFIECU170により制御されている。EFIECU170は、内部にCPU、ROM、RAM等を有するワンチップ・マイクロコンピュータであり、CPUがROMに記録されたプログラムに従い、エンジン150の燃料噴射量や回転速度その他の制御を実行する。図示を省略したが、これらの制御を可能とするために、EFIECU170にはエンジン150の運転状態を示す種々のセンサが接続されている。
【0112】
モータジェネレータMG1及びMG2は、同期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁石を有するロータ132及び142と、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータ133及び143とを備える。ステータ133及び143は、ケース119に固定されている。モータジェネレータMG1及びMG2のステータ133及び143に巻回された三相コイルは、夫々駆動回路191及び192を介してバッテリ194に接続されている。
【0113】
駆動回路191及び192は、各相ごとにスイッチング素子としてのトランジスタを2つ1組で備えたトランジスタインバータである。駆動回路191及び192は夫々、制御ユニット190に接続されている。制御ユニット190からの制御信号によって駆動回路191及び192のトランジスタがスイッチングされると、バッテリ194とモータジェネレータMG1及びMG2との間に電流が流れる。
【0114】
モータジェネレータMG1及びMG2は夫々、バッテリ194からの電力の供給を受けて回転駆動するモータ(電動機)として動作することもできる(以下適宜、この運転状態を“力行”と呼ぶ)。或いは、ロータ132及び142が外力により回転している場合には三相コイルの両端に起電力を生じさせるジェネレータ(発電機)として機能してバッテリ194を充電することもできる(以下適宜、この運転状態を“回生”と呼ぶ)。
【0115】
エンジン150とモータジェネレータMG1及びMG2とは夫々、プラネタリギヤ120を介して機械的に結合されている。プラネタリギヤ120は、遊星歯車とも呼ばれ、以下に示す夫々のギヤに結合された3つの回転軸を有している。プラネタリギヤ120を構成するギヤは、中心で回転するサンギヤ121、サンギヤの周辺を自転しながら公転するプラネタリピニオンギヤ123、及びその外周で回転するリングギヤ122である。プラネタリピニオンギヤ123はプラネタリキャリア124に軸支されている。第1実施形態のハイブリッド車両では、エンジン150のクランクシャフト156はダンパ130を介してプラネタリキャリア軸127に結合されている。ダンパ130はクランクシャフト156に生じる捻り振動を吸収するために設けられている。モータジェネレータMG1のロータ132は、サンギヤ軸125に結合されている。モータジェネレータMG2のロータ142は、リングギヤ軸126に結合されている。リングギヤ122の回転は、チェーンベルト129を介して駆動軸112、更に車輪116R及び116Lに伝達される。
【0116】
次に以上の如く構成された第1実施形態のハイブリッド車両の動力系統における動作について説明する。
【0117】
先ず、プラネタリギヤ120の動作について図2及び図3を参照して説明する。
【0118】
プラネタリギヤ120は、上述した3つの回転軸のうち2つの回転軸の回転数及びトルク(以下適宜、両者をまとめて“回転状態”と呼ぶ)が決定されると残余の回転軸の回転状態が決まるという性質を有している。各回転軸の回転状態の関係は、機構学上周知の計算式によって求めることができるが、共線図と呼ばれる図により幾何学的に求めることもできる。
【0119】
図2に共線図の一例を示す。縦軸が各回転軸の回転数を示している。横軸は、各ギヤのギヤ比を距離的な関係で示している。サンギヤ軸125(図中のS)とリングギヤ軸126(図中のR)を両端にとり、位置Sと位置Rの間を1:ρに内分する位置Cをプラネタリキャリア軸127の位置とする。ρはリングギヤ122の歯数に対するサンギヤ121の歯数の比である。こうして定義された位置S、C及びRに、夫々のギヤの回転軸の回転数Ns、Nc及びNrをプロットする。プラネタリギヤ120は、このようにプロットされた3点が必ず一直線に並ぶという性質を有している。この直線を動作共線と呼ぶ。動作共線は2点が決まれば一義的に決まる。従って、動作共線を用いることにより3つの回転軸のうち2つの回転軸の回転数から残余の回転軸の回転数を求めることができる。
【0120】
また、プラネタリギヤ120では、各回転軸のトルクを動作共線に働く力に置き換えて示したとき、動作共線が剛体として釣り合いが保たれるという性質を有している。具体例として、プラネタリキャリア軸127に作用するトルクをTeとする。このとき、図2に示す通り、トルクTeに相当する大きさの力を位置Cで動作共線に鉛直下から上に作用させる。作用させる方向はトルクTeの方向に応じて定まる。また、リングギヤ軸126から出力されるトルクTrを位置Rにおいて動作共線に、鉛直上から下に作用させる。図中のTes,Terは剛体に作用する力の分配法則に基づいてトルクTeを等価な2つの力に分配したものである。「Tes=ρ/(1+ρ)×Te」「Ter=1/(1+ρ)×Te」なる関係がある。以上の力が作用した状態で、動作共線図が剛体として釣り合いがとれているという条件を考慮すれば、サンギヤ軸125に作用すべきトルクTm1と、リングギヤ軸に作用すべきトルクTm2とを求めることができる。トルクTm1はトルクTesに等しくなり、トルクTm2はトルクTrとトルクTerとの差分に等しくなる。
【0121】
プラネタリキャリア軸127に結合されたエンジン150が回転をしているとき、動作共線に関する上述の条件を満足する条件下で、サンギヤ121およびリングギヤ122は様々な回転状態で回転することができる。サンギヤ121が回転しているときは、その回転動力を利用してモータジェネレータMG1により発電することが可能である。リングギヤ122が回転しているときは、エンジン150から出力された動力を駆動軸112に伝達することが可能である。図1に示した構成を有するハイブリッド車両では、エンジン150から出力された動力を駆動軸に機械的に伝達される動力と、電力として回生される動力に分配し、さらに回生された電力を用いてモータジェネレータMG2を力行して動力のアシストを行なうことによって所望の動力を出力しながら走行することができる。こうした動作状態は、ハイブリッド車両の通常走行時に取り得る状態である。なお、全開加速時等の高負荷時には、バッテリ194からもモータジェネレータMG2に電力が供給され、駆動軸112に伝達する動力を増大している。
【0122】
また、上述のハイブリッド車両では、モータジェネレータMG1またはMG2の動力を駆動軸112から出力することができるため、これらのモータにより出力される動力のみを用いて走行することもできる。従って、車両が走行中であっても、エンジン150は停止していたり、いわゆるアイドル運転していたりすることがある。この動作状態は、発進時或いは低速走行時に取り得る状態である。
【0123】
更に、第1実施形態のハイブリッド車両では、エンジン150から出力された動力を2経路に分配するのではなく、駆動軸112側だけに伝達させることもできる。これは、高速定常走行時に取り得る動作状態であり、モータジェネレータMG2は高速走行による慣性によって連れ回された状態となり、モータジェネレータMG2によるアシストなしにエンジン150から出力された動力のみの走行となる。
【0124】
図3は、この高速定常走行時の共線図を示している。図2に示す共線図ではサンギヤ軸125の回転数Nsは正であったが、エンジン150の回転数Neとリングギヤ軸126の回転数Nrとによって、図3に示す共線図のように負となる。このときには、モータジェネレータMG1では、回転の方向とトルクの作用する方向とが同じになるから、モータジェネレータMG1は電動機として動作し、トルクTm1と回転数Nsとの積で表わされる電気エネルギを消費する(逆転力行の状態)。一方、モータジェネレータMG2では、回転の方向とトルクの作用する方向とが逆になるから、モータジェネレータMG2は発電機として動作し、トルクTm2と回転数Nrとの積で表わされる電気エネルギをリングギヤ軸126から回生することになる。
【0125】
このように、第1実施形態のハイブリッド車両は、プラネタリギヤ120の作用に基づいて種々の運転状態で走行することができる。
【0126】
続いて、制御ユニット190による制御動作について再び図1を参照して説明する。
【0127】
図1において、第1実施形態の動力出力装置の運転全体は、制御ユニット190により制御されている。制御ユニット190は、EFIECU170と同様、内部にCPU、ROM、RAM等を有するワンチップ・マイクロコンピュータである。制御ユニット190はEFIECU170と接続されており、両者は種々の情報を伝達し合うことが可能である。制御ユニット190は、エンジン150の制御に必要となるトルク指令値や回転数の指令値などの情報をEFIECU170に送信することにより、エンジン150の運転を間接的に制御可能に構成されている。制御ユニット190はこうして、動力出力装置全体の運転を制御しているのである。かかる制御を実現するために制御ユニット190には、種々のセンサ、例えば、駆動軸112の回転数を知るためのセンサ144などが設けられている。リングギヤ軸126と駆動軸112とは機械的に結合されているため、第1実施形態では、駆動軸112の回転数を知るためのセンサ144をリングギヤ軸126に設け、モータジェネレータMG2の回転を制御するためのセンサと共通にしている。
【0128】
(ハイブリッド車両の動力系統における電気回路)
次に図4を参照して、第1実施形態のハイブリッド車両の動力系統に備えられる電気回路について更に詳細に説明する。即ちここでは、図1に示した制御ユニット190、モータジェネレータMG1及びMG2、駆動回路191及び192、並びにバッテリ194の詳細について述べる。
【0129】
図4に示すように、バッテリ194に対して、インバータコンデンサ196と、モータジェネレータMG1に接続される駆動回路191と、モータジェネレータMG2に接続される駆動回路192とが夫々並列に接続されている。
【0130】
バッテリ194は、詳細には、電池モジュール部194aと、SMR(システムメインリレー)194bと、電圧検出回路194cと、電流センサ194d等を備える。SMR194bは、制御ユニット190からの指令により高電圧回路の電源の接続・遮断を行なうもので、電池モジュール部194aの+−両極に配置された2個のリレーR1及びR2から構成される。バッテリ194に2個のリレーR1及びR2を設けたのは、電源の接続時には、まずリレーR2をオンし、続いてリレーR1をオンし、電源の遮断時には、まずリレーR1をオフし、続いてリレーR2をオフすることにより、確実な作動を行なうことを可能とするためである。電圧検出回路194cは、電池モジュール部194aの総電圧値を検出する。電流センサ194dは、電池モジュール部194aからの出力電流値を検出する。電圧検出回路194c及び電流センサ194dの出力信号は、制御ユニット190に送信される。
【0131】
駆動回路191及び192は、バッテリの高電圧直流電流とモータジェネレータMG1及びMG2用の交流電流の変換を行なう電力変換装置であり、詳細には、6個のパワートランジスタで構成される3相ブリッジ回路191a及び192aを夫々備えており、この3相ブリッジ回路191a及び192aにより直流電流と3相交流電流との変換を行なっている。
【0132】
駆動回路191及び192には、電圧検出回路191b及び192bが夫々設けられている。電圧検出回路191b及び192bは、モータジェネレータMG1及びMG2の逆起電圧を夫々検出する3相ブリッジ回路191a及び192aの各パワートランジスタの駆動は、制御ユニット190により制御されると共に、駆動回路191及び192から制御ユニット190に対し、電圧検出回路191b及び192bにて検出された電圧値や3相ブリッジ回路191a及び192aとモータジェネレータMG1及びMG2との間に設けられた図示しない電流センサにて検出された電流値など電流制御に必要な情報を送信している。
【0133】
(直噴式ガソリンエンジン)
次に図5を参照して、第1実施形態のハイブリッド車両に備えられる直噴式エンジンについて更に詳細に説明する。即ちここでは、図1に示すエンジン150の詳細に付いて述べる。
【0134】
図5に示すように、エンジン150は、燃料室内に燃料を直接噴射する、いわゆる直噴式ガソリンエンジンである。エンジン150は、EFIECU170により制御される。エンジン150は、シリンダブロック14を備えている。シリンダブロック14の内部には、シリンダ16が形成されている。なお、エンジン150は、複数のシリンダを備えているが、説明の便宜上、図5には複数のシリンダのうち1つのシリンダ16を示している。
【0135】
シリンダ16の内部にはピストン18が配設されている。ピストン18は、シリンダ16の内部を、図5における上下方向に摺動することができる。シリンダ16の内部において、ピストン18の上方には燃焼室20が形成されている。燃焼室20には、燃料噴射弁22の噴射口が露出している。エンジン150の運転中、燃料噴射弁22には燃料ポンプ24から燃料が圧送される。燃料噴射弁22及び燃料ポンプ24は、EFIECU170に接続されている。燃料ポンプ24は、EFIECU170から供給される制御信号に応じて燃料噴射弁22側へ燃料を圧送する。また、燃料噴射弁22は、EFIECU170から供給される制御信号に応じて燃焼室20内へ燃料を噴射する。
【0136】
また、燃焼室20には、点火プラグ26の先端が露出している。点火プラグ26は、EFIECU170から点火信号を供給されることにより、燃焼室20内の燃料に点火する。燃焼室20には、排気弁28を介して排気管30が連通している。燃焼室20には、また、吸気弁32を介して吸気マニホールド34の各枝管が連通している。吸気マニホールド34は、その上流側においてサージタンク36に連通している。サージタンク36の更に上流側には吸気管38が連通している。
【0137】
吸気管38には、スロットル弁40が配設されている。スロットル弁40は、スロットルモータ42に連結されている。そして、スロットルモータ42は、EFIECU170に接続されている。スロットルモータ42は、EFIECU170から供給される制御信号に応じてスロットル弁40の開度を変化させる。スロットル弁40の近傍には、スロットル開度センサ44が配設されている。スロットル開度センサ44は、スロットル弁40の開度(以下適宜、スロットル開度SCと称す)に応じた電気信号をEFIECU170に向けて出力する。EFIECU170は、スロットル開度センサ44の出力信号に基づいてスロットル開度SCを検出する。
【0138】
EFIECU170には、また、イグニッションスイッチ76(以下、IGスイッチ76と称す)が接続されている。EFIECU170は、IGスイッチ76の出力信号に基づき、IGスイッチ76のオン/オフ状態を検出する。IGスイッチ76がオン状態からオフ状態とされると、燃料噴射弁22による燃料噴射、点火プラグ26による燃料の点火、及び、フューエルポンプ24による燃料の圧送が停止され、エンジン150の運転が停止される。
【0139】
アクセルペダル78の近傍には、アクセル開度センサ80が配設されている。アクセル開度センサ80は、アクセルペダル78の踏み込み量(以下適宜、アクセル開度ACと称す)に応じた電気信号をEFIECU170に向けて出力する。EFIECU170は、アクセル開度センサの出力信号に基づいてアクセル開度ACを検出する。
【0140】
第1実施形態では、吸気管38には、ターボ過給装置39が設けられており、例えば排気管30側に設けられたタービンに連動するタービンにより、吸気管38内に圧縮空気をターボ過給するように構成されている。また、ターボ過給装置39の回転軸は、モータジェネレータMG1及びMG2とは異なる専用のモータジェネレータによって駆動され、その回転数増大によってターボ過給による過給圧が高められるように構成されている。即ち、「ターボアシスト」が実行可能に構成されている。尚、係る専用のモータジェネレータは、排気管30側におけるエンジン150の排気エネルギーを発電により回生可能に構成されている。更に、ターボ過給装置39は、EFIECU170による制御を受けて、特定タイミングで筒内圧力を可変に高めるように構成してもよい。
【0141】
第1実施形態では、排気管30には、三元触媒装置31が設けられており、これにより排気ガス浄化性能が高められている。尚、三元触媒装置31は、一定温度以上の高温でないと、その浄化性能が顕著に低下する。そこで、三元触媒装置31には、温度センサ31Tが取り付けられており、その触媒温度TCAが検出され、触媒温度情報としてEFIECU170に入力される。或いは、このような触媒温度TCAは、エンジン150におけるエンジン回転数等の他の検出情報に基づいて間接的に推定してもよい。このように検出又は推定された触媒温度TCAは、当該触媒温度TCAが一定温度以下に低下しないようにエンジン制御するのに用いられる。
【0142】
以上説明したように第1実施形態に係るエンジン150では、点火プラグ26並びにターボ過給装置39、不図示のEGR装置等の筒内温度や筒内圧力の調整機構などから、燃焼形態切替手段の一例が構成されている。これにより、エンジン150は、EFIECU170による制御下で、自着火燃焼及び火花点火燃焼を切替え可能であるように、即ち燃焼形態切替機能を有するように構成されている。
【0143】
(燃焼形態切替の制御)
次に、本発明に係る制御手段を構成する制御ユニット190及びEFIECU170による、エンジン150における火花点火燃焼及び自着火燃焼間で燃焼形態を切替える制御について、図6から図8を参照して説明する。ここに、図6は、当該切替制御の一具体例における動作を示すフローチャートであり、図7は、自着火燃焼可能領域を示すエンジンにおける回転数Ne及びトルクTeの特性図である。
【0144】
図6において先ず、初期状態として、ハイブリッド車両は動作中である。即ち、制御ユニット190及びEFIECU170による制御下で、現在の車速、アクセルの踏み込み量、外気温等に応じ、且つ、エンジン150に対する要求出力に基づいて、これに対応する該エンジン150の回転数Ne及びトルクTe(エンジンパワー)が設定される。これらの回転数Ne及びトルクTeの値は、例えば、火花点火燃焼時には、図7に示した動作曲線C1上の値として選択される。尚、動作曲線C1とは、運転効率が良くなる回転数NeとトルクTeとの組合せをNe−Te特性図上で結んだ曲線である。そして、このように設定された運転ポイントを示す情報等が、制御ユニット190から、EFIECU170に対して送信され、EFIECU170によってエンジン150の制御が行われ、エンジン150においては、その燃料噴射量或いはスロットルの開度等の動作状態が制御される。これと並行して、モータジェネレータMG1及びMG2においては、図2及び図3に示した如き共線図或いは所謂比例積分制御(PI制御)によって、それらの回転数が制御される。より具体的には、モータジェネレータMG1及びMG2の制御は例えば、設定された回転数Ne及びトルクTeに応じて各モータの三相コイルに印加する電圧が設定され、現時点での印加電圧との偏差に応じて、駆動回路191及び192のトランジスタのスイッチングが行われる。
【0145】
以上のような初期状態において、自着火燃焼及び火花点火燃焼間の切替ロジックが、例えば割り込み処理により定期的に或いは不定期に繰り返し開始される(ステップS10)。
【0146】
そして、当該切替ロジックに入った後では、まず第一に、エンジン150がそもそも自着火可能な環境下にあるか、即ち該エンジン150は自着火燃焼が可能な程度に暖気されているか等の物理的・客観的環境が確認される(ステップS11)。続いて第二に、前述の回転数Ne及びトルクTeが、図7に示した要求中の回転数Ne及び要求中のトルクTeの特性図上において、これらの値の組(Ne,Te)が、自着火燃焼可能領域A1に入っているか否かが判定される(ステップS12)。なお、図7に示したように、自着火燃焼可能領域A1は、一般に動作曲線C1の下方且つ左より、即ち低回転数側且つ低トルク側に位置している。
【0147】
以上のように、自着火燃焼が可能かどうかは、前記の各ステップS11及びステップS12のそれぞれにおいて判断されることになるが、これら各ステップのどの段階においても、それが否定されると、エンジン150に火花点火燃焼を行わせるような処理へ移行する(ステップS11及びS12からステップS31へ)。
【0148】
このように、第1実施形態ではまず、自着火燃焼か火花点火燃焼かの基本的な分岐が行われた後、以下述べるように、自着火燃焼運転時、及び火花点火燃焼運転時のいずれにおいても、モータジェネレータMG1及びエンジン150の協働動作、すなわちモータジェネレータMG1によるエンジン150の回転数制御が行われることになる。ただし、その態様については両者間で相違がある。以下では、自着火燃焼運転時における場合、及び、火花点火燃焼運転時における場合の二つの場合に分けて説明を行い、その中で前述の相違点についても言及することとする。
【0149】
(自着火燃焼運転時)
上述のステップS12までにおいて自着火燃焼が可能と判断されると、まず、エンジン150に現実に自着火燃焼を行わせる(ステップS21)。すなわち、燃焼形態切替手段を構成する点火プラグ26における点火を停止するとともに、筒内圧力を上昇させること等によって、自着火が可能なように仕向けられる。なお、この場合においては同時に、筒内温度、燃料噴射量の調整及びその噴射燃料の空気混合比率、ターボ過給の度合い、EGRによる排気循環の度合い、吸気及び排気バルブの開閉タイミングなども、自着火燃焼用に設定する。すなわち、第1実施形態では、このような点火プラグ等から、燃焼形態切替手段の一例が構成されている。
【0150】
次に、この自着火燃焼を行うエンジン150に対して、モータジェネレータMG1による回転数制御が行われる(ステップS22)。
【0151】
このステップS22における回転数制御は、具体的には、エンジン150に対する要求出力及び該エンジン150における自着火燃焼を維持し得るか否かの判断結果に基づいて、当該エンジン150の目標回転数を決定するとともに、当該エンジン150を前記目標回転数で回転させるように、制御ユニット190が前記モータジェネレータMG1の回転数ないしトルクを制御することにより行われる。ここで、「自着火燃焼を維持し得るか否かの判断結果」に基づいて目標回転数が決定されるとは、より好ましくは、エンジン150における自着火燃焼を維持するための目標回転数が決定されるという場合を含むとよい。このような状態は、モータジェネレータMG1が、いわばサーボモータとして機能している状態とみることができる。
【0152】
なお、モータジェネレータMG1の回転数、或いはトルクの調整の程度は、図2又は図3に示したように、共線図上の動作共線に基づいて定めることができる。すなわち、エンジン150についての目標回転数を定めた後、図2又は図3等と同様な共線図上で、当該目標回転数を表す水平線と位置Cを通る鉛直線とが交わる点を動作共線が通るように描けば、これにより、モータジェネレータMG1の回転数、或いはトルクが定まることになるから、後は、この回転数、或いはトルクとなるように、モータジェネレータMG1を実際に制御すればよい。逆にいうと、モータジェネレータMG1によってエンジン150を目標回転数で回転させるためには、該モータジェネレータMG1の回転数、或いはトルクを制御することによって実現するのが好ましいといえる。
【0153】
また、前記要求出力から前記目標回転数を求める手順については、以下の第2実施形態で説明する態様の他、種々のものが考えられるが、その他にも図7等を用いたり、或いは両者間に一定の関数関係を設定すること等によって、前者から後者を求める手順を容易に定めることができる。ここで「一定の関数関係」とは、例えば単純には、要求出力の上昇に応じて、目標回転数が上昇するという比例関係等を想定することが可能である。
【0154】
ところで、第1実施形態においては特に、このステップS22におけるモータジェネレータMG1における時々刻々の回転数ないしトルクの設定、ないしはエンジン150が現実に目標回転数で回転するに至るまでの時間は、火花点火燃焼運転時の場合に比べて、より緩やかなものとして設定される。ここに「緩やか」とは、より正確には、モータジェネレータMG1及び自着火燃焼維持手段に関する制御目標量を、火花点火燃焼運転時におけるそれに比べて小さめに設定するということである(ステップS22のかっこ内参照)。ここにいう制御目標量としては、具体的には例えば、モータジェネレータMG1のトルクについて定めることが可能である。
【0155】
そして、制御目標量が小さいということは、具体的には例えば、当初のトルクがT1であって、これをT2にまで上昇させたいという場合において、全体の制御量として観念されるT2−T1=ΔTを等分割したΔT=Δt1+Δt2+…+Δtnにおける、これらΔt1、Δt2、…、Δtnの各値が小さいということを意味する。ここで更に、「小さい」とは、火花点火燃焼運転時における制御目標量を、上述と同様にして、ΔTを等分割したΔT=Δs1+Δs2+…+Δsmにおける、これらΔs1、Δs2、…、Δsmを考え、このうち任意のΔsp(p=1、2、…、m)は、任意のΔtq(q=1、2、…、n)よりも大きい(即ち、Δsp>Δtq)ということを意味することになる(後述のステップS32の説明も参照)。なお、上述の定義により、m<nである。
【0156】
また、上述にいう自着火燃焼維持手段の一例としては、例えば、スロットル弁40、燃料噴射弁22及びこれに連なる燃料ポンプ24及びターボ過給装置39等から構成され、したがって、その制御の対象としては、スロットル開度、燃料噴射量及び過給圧の大きさ、或いはEGR量等を挙げることができる。自着火燃焼は、これらのパラメータの調整を通して維持されることになる。そして、この場合における「制御目標量」についても、上述と同様に考えることができる。すなわち、上述のうち一例として、燃料噴射量Fを考えると、当初の燃料噴射量がF1であってこれをF2にまで下降させたいという場合においては、ΔF=F2−F1=−Δf1−Δf2−…−Δfnなどということになり、これらΔf1、Δf2、…、Δfnが上述と同じ意味で「小さい」ということになる。
【0157】
このように、第1実施形態においては、制御目標量が小さく設定されることから、エンジンに関するパラメータ等を急激に変化させる必要があるときにおいても、エンジン150において自着火燃焼を維持し、且つ、モータジェネレータ装置によるエンジン150の回転数制御も好適に行うことができるという作用効果を得ることができる。
【0158】
なお、この自着火燃焼運転時における制御目標量の小さ目の設定ということは、より具体的には、火花点火燃焼運転時に対する割合という形で定義しておくことができる。すなわち、火花点火燃焼運転時における制御目標量を1とした場合において、自着火燃焼運転時におけるそれが0.5などというようである。
【0159】
さて、ステップS22においては、以上のような小さ目の制御目標量に基づいたエンジン150の回転数の制御が行われることになるが、いまの場合においては、エンジン150は自着火燃焼を行っているから、該エンジン150においては、そもそも図7の自着火燃焼可能領域A1に示した範囲内での運転、即ち比較的低出力・低トルクでの運転を実行せざるをえない。このような事情は、上述のように、モータジェネレータMG1によるエンジン150の回転数制御が行われるとしても変わりはない。つまり、要求出力が極めて大きい場合等においては、自着火燃焼を行うエンジン150のみでは、対応不可能な場合が生じることが考えられるのである。
【0160】
そこで、第1実施形態においては、要求出力の大きさとモータジェネレータ装置及びエンジン150によって現実に発生している駆動力とが不釣合いであるかどうか、より具体的には前者が後者に比べて極めて大きいか否かという確認処理が実施されるようになっている(ステップS23)。そして、要求出力が極めて大きいと判断される場合においては、次の処理へと進み(ステップS23からステップS24へ)、そうでない場合には第1実施形態に係る処理を抜ける(ステップS23からステップS25へ)。このうち後者の場合は、前述したような不都合が生じていない、すなわち要求出力が過大ではない状態であることを意味している。
【0161】
これに対して、前者の場合は、前述したような不都合が生じている場合であり、この場合においては、バッテリ194の電気エネルギがモータジェネレータMG2に供給され、該電気エネルギにより駆動されるモータジェネレータMG2の駆動力は、リングギヤ12、チェーンベルト129を介して駆動軸112に伝達される(ステップS24)。したがって、駆動軸112に伝達される動力はより強化されることになり、その結果、前述の駆動力不足は解消される。
【0162】
このように、ステップS23乃至S25に係る処理によれば、エンジン150が自着火燃焼を行っていることにより生じうる駆動力不足によって、当該ハイブリッド型の動力出力装置の動作やこれを搭載する車両等の動作、或いは運転感覚等に影響がでる可能性を低減することができる。
【0163】
(火花点火燃焼運転時)
次に、上述のステップS12までにおいて自着火燃焼が不可と判断された場合、すなわち火花点火燃焼が選択された場合について説明する。この場合においては、まず、エンジン150に現実に火花点火燃焼を行わせる(ステップS31)。すなわち、燃焼形態切替手段を構成する点火プラグ26に対して所定タイミングで電気的パルス信号を送って点火を開始するとともに、筒内圧力を比較的下降させること等によって、点火プラグ26における点火を起因とした爆発が燃焼室20内で生じるように仕向ける。なお、この場合においては同時に、筒内温度、燃料噴射量の調整及びその噴射燃料の空気混合比率、ターボ過給の度合い、EGRによる排気循環の度合い、吸気及び排気バルブの開閉タイミングなども、火花点火燃焼用に設定する。
【0164】
次に、この火花点火燃焼を行うエンジン150に対して、モータジェネレータMG1による回転数制御が行われる(ステップS32)。その概要は、上述のステップS22と略同様である。すなわち、制御ユニット190及びEFIECU170は、エンジン150の目標回転数を決定するとともに、該エンジン150を該目標回転数で回転させるように、モータジェネレータMG1を制御する。
【0165】
そして、第1実施形態では特に、上述のステップS22におけるのとちょうど反対に、このステップS32におけるモータジェネレータMG1における時々刻々の回転数ないしトルクの設定、ないしはエンジン150が現実に目標回転数で回転するに至るまでの時間は、自着火燃焼運転時の場合に比べて、より速やかなものとして設定される。すなわち、既に述べたように、モータジェネレータMG1のトルクが制御対象であるとすると、その制御目標量ΔT=T1−T2=Δs1+Δs2+…+Δsmにおける、これらΔs1、Δs2、…、Δsmは、前述のΔt1、Δt2、…、Δtmに比べて大きく設定されることになる。
【0166】
以上のようにして、エンジン150における火花点火燃焼は行われることになる。
【0167】
以上述べたような構成を有し、且つ、図6に示す処理を実施する第1実施形態においては、次のような作用効果が得られることになる。すなわち、まず、エンジン150においては自着火燃焼が適宜に実施されることにより、当該ハイブリッド型の動力出力装置全体から見て、NOx排出量を低減することができる。また、自着火燃焼運転は熱効率が高いため燃料消費率を抑制することができる。このように、当該ハイブリッド型の動力出力装置では、優れた排気浄化性能及び燃料経済性を達成することができるのである。
【0168】
そして、本実施形態においては特に、とりわけ自着火燃焼を行っているエンジン150に対して、モータジェネレータMG1による回転数制御が行われ、該エンジン150は、目標回転数で回転するように制御される。したがって、まず第一に、エンジン150の出力を安定させることができる。これは、該エンジン150の回転が目標回転数での回転という安定した状態に維持されることによる。したがって、エンジン150が自着火燃焼を行っている場合には特に、その出力コントロールが困難とされていたところ、第1実施形態ではそのような難点は有効に解決されることになる。
【0169】
また第二に、エンジン150が目標回転数で回転するように制御されることにより、該エンジン150の筒内温度等の燃焼条件を安定させることができる。したがって、エンジン150が自着火燃焼を行っている場合には特に、その燃焼制御ないし着火時期制御が困難とされていたところ、これをより好適に実施することができることになる。
【0170】
さらに、第1実施形態では特に、自着火燃焼を行っているエンジン150において、駆動力不足が確認された場合には、バッテリ194の電気エネルギの供給を受けたモータジェネレータMG2によるアシストが実現されることから、自着火燃焼時におけるパワー不足という事態に有効に対応することができる。
【0171】
なお、このようなバッテリ194の電気エネルギの利用は、バッテリ194における蓄電量が、所定蓄電量以上である場合に実施するようにすると好ましい。これによると、バッテリ194に、いわば余裕がある場合にのみ、前述したような処理が行われることから、該バッテリ194の電気エネルギを必要以上に消費することがなく、効率的なエネルギ利用が可能となる。
【0172】
ここで、バッテリ194の蓄電量の確認は、例えば、該蓄電量を監視する監視手段の一例としての、バッテリ194に内蔵される電流センサ194dの検出信号から求められる充電・放電の電流値の積算によって求められる。或いは、蓄電量を監視する監視手段の一例としての、バッテリ194の電解液の比重を測定することにより蓄電量を検出する構成としてもよいし、バッテリ194の端子間を瞬間的にショートさせて電流を流し内部抵抗を測ることにより蓄電量を検出する構成としてもよい。
【0173】
また、上述においては、当該ハイブリッド型の動力出力装置全体として駆動力の不足が見られる場合において、バッテリ194の電気エネルギを利用する形態について説明したが、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、エンジン150が自着火燃焼を行っている限り、又は該自着火燃焼を行っている最中の少なくとも一時点において、前述のように、モータジェネレータMG2に対してバッテリ194からエネルギが供給されるという形態としてもよい。これによれば、そもそも低出力・低トルクでの運転が強制される自着火燃焼運転時において、より強力な駆動力の導出が可能となる。
【0174】
ただし、このような形態においても、上述したと同様な理由から、バッテリ194における蓄電量が所定蓄電量以上の場合のみ、その電気エネルギの消費を行うという態様とするのが好ましい。
【0175】
(第2実施形態:要求出力に基づく自着火燃焼の最適制御)
以下では、本発明の第2実施形態について、図8及び既に登場した図7を参照しながら説明する。ここに図8は、上記第1実施形態において参照した図6のステップS22における、モータジェネレータMG1によるエンジン150の回転数制御に係る処理の内容を、より詳細に示すフローチャートである。なお、第2実施形態では、上記第1実施形態として説明した「ハイブリッド車両の基本構成及び動作」、「ハイブリッド車両の動力系統における電気回路」、「直噴式ガソリンエンジン」及び「燃焼形態切替の制御」等の構成及び作用等については、これを全く同様に当てはめて考えることができる。したがって、以下では、これらの説明については省略することとし、主に第2実施形態において特徴的な構成及び作用等についてのみ説明を加えることとする。
【0176】
第2実施形態では、上述したように、エンジン150が自着火燃焼を行っている最中において、モータジェネレータMG1によるエンジン150の回転数制御に係る処理が、エンジン150に対する要求出力等の相違に応じて好適に設定されることに特徴がある。以下、詳細に説明する。
【0177】
図8においては、まず、エンジン150に対する要求出力の大きさが確認される(ステップS41)。次に、この要求出力Prの大きさが、三つの所定の出力値(第1出力値P1、第2出力値P2及び第3出力値P3。ただし、P1<P2<P3)を基準として、どの程度であるかが確認されるとともに、モータジェネレータMG1によるエンジン150の回転数制御処理を三つの場合に分別する(ステップS42)。なお、本発明にいう「所定出力値」は、前述の三つの値のうちの第2出力値P2がそれに該当する。
【0178】
まず第一に、要求出力Prが、第1出力値P1を下るとき(即ち、Pr<P1のとき)には、続いて、エンジン150における自着火燃焼を終了し、火花点火燃焼へと移行させる処理を実行した後(ステップS4(11))、図6のステップS32へと移行する(ステップS4(12))。
【0179】
これは次のような事情による。まず、前提として、図7においては、前述した第1、第2及び第3所定出力値P1、P2及びP3が、エンジン150の回転数−トルク特性図上、前述の自着火燃焼可能領域A1に併せて示されている。この図からわかるように、要求出力一般は、当該特性図上において、回転数Neが増大すればする程、トルクTeが減少するような曲線、即ち概ね反比例関数のグラフのように描かれる。そして特に、第1出力値P1については、自着火燃焼可能領域A1における最低回転数及び最低トルクを表す点を通るように描かれている。逆にいえば、該第1出力値P1は、このようにして定められるのが最も好ましい。
【0180】
そうすると、上述した一連の処理、即ちステップS42、ステップS4(11)及びS4(12)に係る処理は、次のような意義を有することになる。すなわち、ステップS4(11)で、要求出力Prが第1出力値P1を下ると判断されることは、図7において、該要求出力Prを表す曲線が、図7中、曲線P1より図中左下に位置する曲線に一致することを意味する。これによると、当該要求出力Prは自着火燃焼可能領域A1を外れる、言い換えると、当該要求出力P1を表す曲線は、もはや自着火燃焼可能領域A1内を決して通らないことになる。
【0181】
したがって、この場合、エンジン150において自着火燃焼を続けることは不可能であり、またその努力をすることにも何ら意味がないことになる。よって、以上のような条件が満たされる場合には、ステップS4(12)において、自着火燃焼を終了させ、火花点火燃焼に移行する処理を実行するのである。このような処理により、該エンジン150におけるより好適な動作を実現することができる(上述のような条件が満たされるにもかかわらず、自着火燃焼の実行に拘ることには何ら利益がないばかりか、却って有害でさえある。)。
【0182】
さて、図8に戻って、第二に、要求出力Prが第1出力値P1以上であって、第2出力値P2を下るとき(即ち、P1≦Pr<P2のとき)には、続いて、現在のエンジン150の回転数Rcが確認される(ステップS4(21))。ここで当該回転数Rcが、所定回転数Rp以下となる場合においては、次なる処理へと進み(ステップS4(21)からステップS4(22)へ)、そうでない場合にはエンジン150における自着火燃焼をそのまま続行する(ステップS4(2R))。なお、図において「リターン」とあるのは、自着火燃焼をそのまま続行するの意である。そして、前者の場合は更に、エンジン150における自着火燃焼を終了し、続いて、火花点火燃焼へと移行させる処理を実行した後(ステップS4(22))、図6のステップS32へと移行する(ステップS4(23))。
【0183】
これは次のような事情による。まず、前提として、図7における第1出力値P1については、既に述べたとおりである。次に、第2出力値P2については、自着火燃焼可能領域A1の境界線の一部(図7において図中上方の線分)を含む制御線CCの左方の端点(即ち、当該制御線CCにおける最低回転数及び最低トルクを表す点)を通るように描かれている。逆にいえば、該第2出力値P2は、このようにして定められるのが最も好ましい。
【0184】
他方、上述の所定回転数Rpとは、図7に示すように、自着火燃焼能領域A1内における最低回転数に一致するように定められる。逆にいえば、該所定回転数Rpは、このようにして定められるのが最も好ましい。なお、図7では特に、ここにいう最低回転数と、前記制御線CCの端点における最低回転数とは一致する。
【0185】
そうすると、上述した一連の処理、即ちステップS42、及びS4(21)乃至ステップS4(23)に係る処理は、次のような意義を有することになる。すなわち、まず、ステップS42で、要求出力Prが第2出力値を下ると判断されることは、図7において、該要求出力Prを表す曲線が、図7中、該曲線P2より図中左下に位置する曲線に一致することを意味する(ただし、この曲線は、曲線P1より図中右上に位置する。)。これによると、当該要求出力Prは、制御線CCを外れる、言い換えると、該制御線CCとは決して交わらないことになる。次に、ステップS4(21)で、現在のエンジン150の回転数Rcが、所定回転数Rp以下であると判断されることは、図7において、該回転数Rcが自着火燃焼可能領域A1における最低回転数Rpよりも図中左方に位置することを意味する。以上によると、当該要求出力Prと現在のエンジン150の回転数Rcを表す直線との交点は、自着火燃焼可能領域A1を外れる、言い換えると、当該交点は、もはや自着火燃焼可能領域A1内には存在しないことになる。
【0186】
要するに、ステップS42及びS4(21)を通り抜け、ステップS4(22)にまで至るという場合には、前述のステップS4(11)以下の処理と同様に、エンジン150において自着火燃焼を続けることが不可能であり、またその努力をすることにも何ら意味がないことになる。よって、以上のような条件が満たされる場合には、ステップS4(22)において、自着火燃焼を終了させ、火花点火燃焼に移行する処理を実行するのである。このような処理により、該エンジン150におけるより好適な動作を実現することができる(この場合にも、自着火燃焼の実行に拘ることには何ら利益がないばかりか、却って有害でさえある。)。
【0187】
一方、ステップS4(21)において、回転数Rcが所定回転数Rpを超えると判断されるときには、図7において、該回転数Rpが自着火燃焼可能領域A1における最低回転数Rpよりも図中右方に位置することを意味する。また、要求出力Prは、既に述べたように、曲線P1及び曲線P2の間に挟まれるように存在している。したがって、当該要求出力Prを表す曲線と、前述の回転数Rcとは、自着火燃焼可能領域A1内で交わることになる。したがって、この場合には、制御線CCを外れるものの、未だ自着火燃焼を続行する意義があるのである(ステップS4(2R))。
【0188】
最後に、第三に、要求出力Prが第2出力値P2以上、第3出力値P3以下であるとき(即ち、P2≦Pr≦P3のとき)には、特別な処理を実施することなく、エンジン150における自着火燃焼をそのまま続行させる(ステップS4(31))。ちなみに、第3出力値P3については、自着火燃焼可能領域A1の境界線の一部(図7において図中上方の線分)を含む制御線CCの右方の端点(即ち、当該制御線CCにおける最高回転数及び最高トルクを表す点)を通るように描かれている。逆にいえば、該第3出力値P3は、このようにして定められるのが最も好ましい。
【0189】
このことから、当該要求出力Prを表す線は、図7において、制御線CCに交わるか、又はその端点を通ることになる。したがって、モータジェネレータMG1によるエンジン150の回転数制御は、該要求出力Prを表す線と該制御線CCとが交わる点における回転数を目標回転数と定めることによって、これを行うことができる。したがって、目標回転数の決定が良好に行われることにより、エンジン150の回転数制御を、有効且つ適切に、また、より容易になしうるということができる。また、これによって、安定した自着火燃焼を行うことも可能となる。
【0190】
以上説明したように、第2実施形態においては、エンジン150が自着火燃焼を行っている最中において、モータジェネレータMG1によるエンジン150の回転数制御に係る処理が、エンジン150に対する要求出力等の相違に応じて好適に設定されることになる。すなわち、上述の第一の場合及び第二の場合の一部においては、もはや自着火燃焼を続行することに意味がないため、速やかに火花点火燃焼へと移行することにより、無駄なエネルギを消費することがない。また、上述の第二の場合の一部及び第三の場合においては自着火燃焼が続行されるが、これは自着火燃焼が好適に行える範囲に限って、当該燃焼形態を選択する意味を有している。したがって、当然に、その自着火燃焼は好適に行われることになる。
【0191】
なお、上述では、第3所定出力値P3以下である場合のみについて説明したが、要求出力Prが、第3所定出力値P3を超える場合においては、図7から明らかなように、エンジン150を自着火燃焼ではなく火花点火燃焼で運転すべきである。このような判断は、図6のステップS12において実行されることになる。
【0192】
また、上述における第1、第2及び第3出力値P1、P2及びP3、並びに所定回転数Rpは、それぞれ図7を参照して説明したような値を有するものとして定められていたが、本発明は、このような形態に限定されるものではない。例えば、第2出力値P2は、図7において制御線CCの図中左方の端点を通るように定められていたが、これを若干図中右方へ移動させたようなものとして定め、且つ、所定回転数については、図7における回転数Rpよりも若干図中右方へ移動させたようなものとして定めることができる。これを改めて図示すると、図9に示すように、第2出力値は曲線P2´のように、また所定回転数は直線Rp´のように表されることになる。
【0193】
このようにすると、上述した第二の場合の処理の実質的内容が変更を受ける。すなわち、上述においては、第2出力値P2は制御線CCの図中左方の端点を通り、且つ、所定回転数Rpが自着火燃焼可能領域A1の図中左方の境界線を通るような形態となっていたことから、前記第二の場合の処理は、要求出力Prが、制御線CCとは決して交わらない場合において実行されるものとなっていたが、図9においては、例えば要求出力が、図中符号PrLで示されるようなものであった場合には、該要求出力PrLを表す線が制御線CCと交わる場合であっても、ステップS4(22)により、自着火燃焼を終了して、火花点火燃焼への移行処理が実行されるということになる。
【0194】
本発明は、このような形態を積極的に排除するものではない。というのも、自着火燃焼の行われているエンジン150は、一般に、ただでさえ出力等が安定しないから、現実のエンジン150の回転数が「相当程度に小さい或る所定の回転数」以下であり、また、要求出力が「自着火燃焼可能領域における最低回転数及び最低トルクに程近い点を通る或る所定の出力値」を下回る場合においては、それが自着火燃焼可能領域A1内であったとしても、エンジン150の挙動は不安定になるおそれがあるからである。したがって、そのような場合において、エンジン150における自着火燃焼を諦念し、火花点火燃焼への移行を実行することは、該エンジン150のより安定的な動作に資する。
【0195】
(第3実施形態:燃焼形態が一方から他方へと移行する際における制御)
以下では、本発明の第3実施形態について、図10を参照しながら説明する。ここに図10は、第3実施形態に係る、自着火燃焼から火花点火燃焼への移行の際において、モータジェネレータMG1によるエンジン150の回転数制御が行われる処理の流れを示すフローチャートである。なお、第3実施形態では、上記第1実施形態として説明した「ハイブリッド車両の基本構成及び動作」、「ハイブリッド車両の動力系統における電気回路」、「直噴式ガソリンエンジン」及び「燃焼形態切替の制御」等の構成及び作用等については、これを全く同様に当てはめて考えることができる。したがって、以下では、これらの説明については省略することとし、主に第3実施形態において特徴的な構成及び作用等についてのみ説明を加えることとする。
【0196】
第3実施形態では、上述したように、自着火燃焼から火花点火燃焼への移行の際において、モータジェネレータMG1によるエンジン150の回転数制御が行われることに特徴がある。以下では、これを二つの場合に分けて説明することとする。
【0197】
第1の場合は、ただ単に、前述の移行の際において、モータジェネレータMG1によるエンジン150の回転数制御が行われる場合である。まず、自着火燃焼から火花点火燃焼への移行を現実に行う必要があるのは、図6のステップS11及びステップS12における判定で、自着火燃焼が否定され、且つ、当該時点においてエンジン150が自着火燃焼を行っている場合を考えることができる。また、前述の第2実施形態に関し、図8のステップS4(11)及びステップS4(22)においても、同様に自着火燃焼から火花点火燃焼への移行を実現する必要がある。
【0198】
しかしながら、このような移行の際、より一般には、一方の燃焼形態から他方の燃焼形態への移行の際を、従前状態、移行状態(すなわち、次の目標状態への準備段階)及び目標状態の三段階に分けて考えるとすると、このうちの移行状態は比較的長い時間がかかることが知られており、また、この移行状態においてはエンジン150が実質的には動作していないことにより、従前状態、或いは目標状態から見て、いわゆるトルク段差が生じることになる。これによると、当該ハイブリッド型の動力出力装置の動作やこれを搭載するハイブリッド車両の動作、更には運転感覚等に影響を及ぼす可能性がある。
【0199】
しかるに、第3実施形態の第1の場合では、図10に示すように、上述の移行の際、とりわけ前記移行状態において、モータジェネレータMG1によるエンジン150の回転数の制御を行う(ステップS52)。したがって、前記トルク段差を有効に解消することが可能となる。
【0200】
なお、図10においては、そのステップS51において自着火燃焼状態、即ち従前状態にあることが示され、ステップS53において火花点火燃焼状態、即ち目標状態にあることが示されている。
【0201】
第2の場合は、前述の移行の際において、モータジェネレータMG1によるエンジン150の回転数制御を行うことに加えて又は代えて、モータジェネレータMG2がバッテリ194の電気エネルギの供給を受けて駆動され、且つ、該モータジェネレータMG2によって駆動軸112を回転させるように構成してもよい(すなわち、この場合、図10のステップS52におけるかっこ内が「バッテリ194の電気エネルギを用いて駆動されたモータジェネレータMG2により駆動軸に動力伝達」という処理が加わる又は当該処理に変更される形になる。)。これにより、当該移行の際における駆動力不足を有効に解消することが可能となる。
【0202】
なお、このような処理を実施するのは、バッテリ194の電気エネルギを必要以上に消費することを回避するため、当該バッテリ194内に所定蓄電量以上の蓄電量がある場合に限るとすると好ましい。
【0203】
以上のように、第3実施形態においては、燃焼形態の切替時点において、モータジェネレータMG1によるエンジン150の回転数制御が行われることにより、当該時点におけるトルク段差を解消することが可能となり、当該ハイブリッド型の動力出力装置の動作やこれを搭載するハイブリッド車両の動作、更には運転感覚等に影響を及ぼす可能性を低減することができる。
【0204】
なお、上述においては、自着火燃焼から火花点火燃焼への移行が、図6のステップS11及びステップS12に基づく場合、或いは図8のステップS4(11)及びステップS4(22)に基づく場合に実施されることについて言及したが、この第3実施形態は、このような移行時点においてのみ適用が限定されるものではない。即ち、何らかの事情で自着火燃焼から火花点火燃焼へと移行する場合、更にはその逆の移行を行う場合においても、上述と同様な処理を実施してよいことは勿論である。
【0205】
なお、上記各実施形態においては、当該ハイブリッド型の動力出力装置を構成するエンジンが、自着火燃焼及び火花点火燃焼間を切替可能なエンジンであるとする説明を行ったが、本発明は、このような形態に限定されるものではない。例えば、エンジン150が、例えば特開2002−130007号公報に開示されているような成層リーン燃焼と均質燃焼とを切替可能なリーンバーン型のエンジンなど、各種のリーンバーン型エンジンから構成されている場合も、本実施形態、或いは本発明の考え方を適用することは容易に可能である。また、一部トルクアシストタイプのハイブリッド型の動力出力装置にも適用可能である。
【0206】
また、上述の実施形態では、モータジェネレータ装置が同期電動機からなるモータジェネレータを複数備えてなるが、その少なくとも一部に代えて又は加えて、誘導電動機、バーニアモータ、直流電動機、超伝導モータ、ステップモータ等を用いることも可能である。
【0207】
上述の実施形態では、エンジン150としてガソリンにより運転される直噴型のガソリンエンジンを用いていたが、その他に、伝統的なポート噴射型のガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、タービンエンジン、ジェットエンジン等の各種の内燃あるいは外燃機関を用いることができる。
【0208】
加えて、本発明のハイブリッド型の動力出力装置は、既存の若しくは現在開発中又は今後開発される各種パラレルハイブリッド方式や各種シリーズハイブリッド方式の車両にも適用してもよい。
【0209】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うハイブリッド型の動力出力装置及びその制御方法並びにハイブリッド車両もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0210】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るハイブリッド型の動力出力装置等によれば、エネルギの伝達効率に無駄がなく、特にエンジンに自着火燃焼等を行わせても、出力コントロール困難性、着火時期制御困難性等の不都合を被ることなく、自着火燃焼を行うことにより得られる低燃費、低公害及び高熱効率という効果を如何なく享受することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のハイブリッド車両における動力系統のブロック図である。
【図2】第1実施形態に係るハイブリッド車両の基本的動作を説明するための共線図である。
【図3】第1実施形態に係るハイブリッド車両が高速定常走行している場合の共線図である。
【図4】第1実施形態に係るハイブリッド車両のバッテリ及びモータ駆動回路の構成を示す回路図である。
【図5】第1実施形態に係るエンジンの構造の概略構成図である。
【図6】第1実施形態に係る燃焼形態切替制御に係る処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】自着火燃焼可能領域を示すエンジンにおける回転数Ne及びトルクTeの特性図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係り、図6に示すエンジンに対するモータジェネレータの動力伝達に係る処理の内容をより詳細に示すフローチャートである。
【図9】図7と同趣旨の図であって、図8に示す処理中、第2出力値と所定回転数の具体値を変更した場合における該第2出力値を表す曲線及び該所定回転数を表す直線を示すものである。
【図10】本発明の第3実施形態に係り、自着火燃焼から火花点火燃焼への移行の際に行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
22…燃料噴射弁
26…点火プラグ
40…スロットル弁
150…エンジン
170…EFIECU
190…制御ユニット
MG1、MG2…モータジェネレータ

Claims (5)

  1. 駆動軸を回転可能なエンジンと、
    前記エンジンの回転数を調整可能なエンジン回転数調整手段と、
    前記エンジンに対する要求出力及び該エンジンにおいて第1燃焼形態を維持し得るか否かの判断結果に基づいて当該エンジンの目標回転数を決定するとともに、当該エンジンを前記目標回転数で回転させるように、前記エンジン回転数調整手段を制御する制御手段と
    前記エンジンにおける前記第1燃焼形態及び第2燃焼形態を切り替える燃焼形態切替手段と
    を備え
    前記第1燃焼形態は自着火燃焼を含み、第2燃焼形態は火花点火燃焼を含み、
    前記制御手段は、前記エンジンの回転数−トルク特性図上における自着火燃焼可能領域に含まれる制御線の上において前記エンジンの動作を制御し、
    前記回転数−トルク特性図上に描いた前記要求出力を表す複数の線は、前記制御線と交わるか又はその端点を通り、
    前記制御手段は、前記第1燃焼形態を維持し得ないと判断する場合には、前記エンジンにおいて前記第2燃焼形態を行わせるように、前記燃焼形態切替手段を制御する
    ことを特徴とする動力出力装置。
  2. 請求項1に記載の動力出力装置において、
    前記エンジン回転数調整手段は、前記エンジンの出力軸に連結された動力伝達状態調整手段からなることを特徴とする動力出力装置。
  3. エンジンと、
    該エンジンの出力の少なくとも一部を用いて発電可能であると共に駆動軸を介して駆動力を出力可能なモータジェネレータ装置と、
    前記エンジンに対する要求出力及び該エンジンにおける第1燃焼形態を維持し得るか否かの判断結果に基づいて当該エンジンの目標回転数を決定するとともに、当該エンジンを前記目標回転数で回転させるように、前記モータジェネレータ装置を制御する制御手段と、
    前記エンジンにおける前記第1燃焼形態及び第2燃焼形態を切り替える燃焼形態切替手段と
    を備え
    前記第1燃焼形態は自着火燃焼を含み、第2燃焼形態は火花点火燃焼を含み、
    前記制御手段は、前記エンジンの回転数−トルク特性図上における自着火燃焼可能領域に含まれる制御線の上において前記エンジンの動作を制御し、
    前記回転数−トルク特性図上に描いた前記要求出力を表す複数の線は、前記制御線と交わるか又はその端点を通り、
    前記制御手段は、前記第1燃焼形態を維持し得ないと判断する場合には、前記エンジンにおいて前記第2燃焼形態を行わせるように、前記燃焼形態切替手段を制御する
    ことを特徴とする動力出力装置。
  4. 前記エンジンの回転数又は前記目標回転数が所定回転数以下となる場合であって、且つ、該エンジンに対する要求出力が所定出力値以下となる場合において、
    前記制御手段は、
    前記自着火燃焼を行う前記エンジンに、前記火花点火燃焼を行わせるように、前記燃焼形態切替手段を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の動力出力装置。
  5. 前記制御手段は、
    当該動力出力装置がエネルギ再循環領域で運用されている場合において、前記エンジンに前記自着火燃焼を行わせるように当該エンジンを制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の動力出力装置。
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