JP3774795B2 - 可動スクロール及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、スクロール型圧縮機等のスクロール型流体機械を構成する可動スクロール及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スクロール型圧縮機は可動スクロールと固定スクロールとを有している。可動スクロールは、図5に示すように、板状の可動側板90と、この可動側板90の前端面から突出する被駆動部としてのボス91と、可動側板90の後端面から直立し、渦巻き状に設けられた可動渦巻体92とからなる。なお、固定スクロールは、板状の固定側板と、この固定側板の前端面から直立し、渦巻き状に設けられた固定渦巻体を有している。
【0003】
かかる可動スクロールを構成要素として含むスクロール型圧縮機では、図示はしないが、ボス91の内周面に軸受を介して駆動ブッシュが収納され、駆動ブッシュが駆動軸から偏心した駆動ピンによって公転駆動されるように構成され得る。そして、可動スクロールの可動側板90とハウジングとの間には可動スクロールの自転を防止する自転防止機構が介在されており、かつ可動スクロールの可動渦巻体92が固定スクロールの固定渦巻体と噛合されているため、固定及び可動スクロールで形成される圧縮室は、可動スクロールの公転運動によって渦巻き中心方向に移動されて容積を縮小する。
【0004】
従来、かかる可動スクロールはおよそ以下の方法により製造されていた。すなわち、まず成形工程として、図6に示すように、鋳造により略円柱状の本体部80と、この本体部80の一端面から一体に突出し、略円筒状の突出部81とからなる一体品Wを成形するのであれば、そのうちの本体部80を形成する第1型85と、そのうちの突出部81を形成する第2型86とからなる砂型を用意する。そして、第1型85及び第2型86のキャビティ内に溶湯を注湯し、図7(A)に示す一体品Wを成形する。この際、砂型の型割り面PLは本体部80のうち側板形成部位82の一端面82a側にある。
【0005】
そして、切削工程として、一体品Wの本体部80の外周面を矢印C−Cのように把持し、本体部80のうち側板形成部位82の一端面82a及び外周面82bを破線のように切削する。また、突出部81の外面(外周面81a及び外端面81b)及び内面(内周面81c及び内端面81d)を破線のように切削する。次いで、図7(B)に示すように、切削後の突出部81の外周面81aを矢印C−Cのように把持し、本体部80のうち渦巻体形成部位83を破線のように切削する。こうして図5に示す可動側板90、ボス91及び可動渦巻体92を形成する。なお、この後、チップシール溝等が切削されて完成品とされる。
【0006】
なお、被駆動部としてピンが突出された可動スクロールも知られており、かかる可動スクロールを構成要素として含むスクロール型圧縮機では、ピンの外周面に軸受を介して駆動ブッシュ等が係合され、同様に可動スクロールが公転運動するようになされている。そして、この可動スクロールも被駆動部としてボスを有するものと同様の方法により製造されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の可動スクロールは、上記のように鋳造等後の一体品の表面を全て切削することにより製造していたため、被駆動部においてある程度の肉厚を確保しなければ、強度を確保できなかった。このため、スクロール型圧縮機等のスクロール型流体機械は、厚肉の可動スクロールを構成要素として含むことで大型化するとともに重量化し、例えば車両等への搭載性に欠けることとなっていた。
【0008】
特に、被駆動部がボスであれば、このボスは内周面に軸受を介して可動スクロールを公転駆動するため、かかるボスは十分な強度を確保すべくある程度の肉厚を確保しなければならない。このため、ボスの薄肉化によりスクロール型流体機械の大型化等を回避することができれば、非常に実用的である。
本発明は、可動スクロールの被駆動部、特にボスを薄肉化しても、十分に強度を確保できるようにすることを解決すべき課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、従来の製造方法においていわゆる黒皮を全て除去しなければならなかった要因は、図6に示すように、鋳造時において型割り面PLが本体部80の一端面82a側に位置する砂型を採用していたことから、本体部80の軸芯O1 と突出部81の軸芯O2 とを一致させにくかったことにあること見い出した。そして、可動スクロールの外形を形成する全表面のうちの被駆動部、特にボスについて、素地を残留させ得るか否かの検討を行い、鋳造時における型割り面を変更することにより、少なくとも被駆動部、特にボスの外周面に素地を残留させ得ることを見い出し、請求項4〜6の発明を完成した。
【0015】
請求項の可動スクロールの製造方法は、本体部と、該本体部の一端面から一体に突出し、略円柱状又は略円筒状の突出部とからなる一体品を鋳造により成形する成形工程と、
該一体品の該本体部のうち側板形成部位を切削することにより、板状の可動側板を形成し、該一体品の該突出部を切削することにより、該可動側板の一端面から突出し、軸受を介して公転駆動される被駆動部を形成し、かつ該一体品の該本体部のうち渦巻体形成部位を切削することにより、該可動側板の他端面から直立し、渦巻き状に設けられた可動渦巻体とを形成する切削工程とを有する可動スクロールの製造方法において、
前記成形工程は、前記側板形成部位と前記突出部とを同一型で形成することにより、前記突出部の外径を所望範囲内に規制し、
前記切削工程は、該突出部の外周面を把持し、前記側板形成部位の外周面及び前記渦巻体形成部位を切削する第1切削工程と、該第1切削工程後の該側板形成部位の外周面又は該渦巻体形成部位を把持し、該側板形成部位の前記一端面及び該突出部の外周面を除く面を切削する第2切削工程とからなることを特徴とする。
【0016】
第2切削工程においては、第1切削工程後の渦巻体形成部位を把持することが好ましい。
請求項の可動スクロールの製造方法では、まず成形工程として、側板形成部位と突出部とを同一型で形成するため、鋳型の型割り面が本体部側になり、本体部の軸芯と突出部の軸芯とが一致する。このため、突出部の外径を所望範囲内に規制することができる。
【0017】
そして、第1切削工程として、突出部の外周面を把持し、側板形成部位の外周面と、渦巻体形成部位とを切削する。これにより可動側板の外周面及び可動渦巻体を形成する。
次いで、第2切削工程として、第1切削工程後の側板形成部位の外周面又は渦巻体形成部位を把持し、側板形成部位の一端面と、突出部の外周面を除く面とを切削する。これにより可動側板の一端面及び被駆動部を形成する。この第2切削工程において、第1切削工程後の渦巻体形成部位を把持する場合には、可動渦巻体に対して被駆動部を直接的に形成することになり、両者の芯精度が高くなる。
【0018】
こうして被駆動部の外周面に鋳造等時の素地が残留された可動スクロールを製造する。
求項の可動スクロールの製造方法は、本体部と、該本体部の一端面から一体に突出し、略円柱状又は略円筒状の突出部とからなる一体品を鋳造により成形する成形工程と、
該一体品の該本体部のうち側板形成部位を切削することにより、板状の可動側板を形成し、該一体品の該突出部を切削することにより、該可動側板の一端面から突出し、軸受を介して公転駆動される被駆動部を形成し、かつ該一体品の該本体部のうち渦巻体形成部位を切削することにより、該可動側板の他端面から直立し、渦巻き状に設けられた可動渦巻体とを形成する切削工程とを有する可動スクロールの製造方法において、
前記成形工程は、前記側板形成部位と前記突出部とを同一型で形成することにより、前記側板形成部位の外径及び前記突出部の外径を所望範囲内に規制し、
前記切削工程は、該側板形成部位の外周面又は該突出部の外周面を把持し、前記渦巻体形成部位を切削する第1切削工程と、該側板形成部位の外周面又は該第1切削工程後の該渦巻体形成部位を把持し、該側板形成部位の前記一端面及び該突出部の外周面を除く面を切削する第2切削工程とからなることを特徴とする。
【0019】
第2切削工程においては、第1切削工程後の渦巻体形成部位を把持することが好ましい。
請求項の可動スクロールの製造方法では、まず成形工程として、側板形成部位と突出部とを同一型で形成することにより、一体品の本体部のうち側板形成部位の外径及び突出部の外径を所望範囲内に規制する。この際、鋳型の型割り面が本体部側になるため、本体部の軸芯と突出部の軸芯とは一致する。
【0020】
そして、第1切削工程として、側板形成部位の外周面又は突出部の外周面を把持し、渦巻体形成部位を切削する。これにより可動渦巻体を形成する。
次いで、第2切削工程として、側板形成部位の外周面又は第1切削工程後の渦巻体形成部位を把持し、側板形成部位の一端面と、突出部の外周面を除く面とを切削する。これにより可動側板の一端面及び被駆動部を形成する。この第2切削工程において、第1切削工程後の渦巻体形成部位を把持する場合には、可動渦巻体に対して被駆動部を直接的に形成することになり、両者の芯精度が高くなる。
【0021】
こうして被駆動部の外周面及び可動側板の外周面に鋳造等時の素地が残留された可動スクロールを製造する。
請求項の可動スクロールの製造方法は、請求項又は記載の可動スクロールの製造方法において、被駆動部は内周面に軸受が介装されるボスであることを特徴とする。
【0022】
被駆動部がボスであれば、薄肉化でも十分な強度確保の実用性が高い。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、各請求項1〜3の発明を具体化した実施形態1、2を図面を参照しつつ説明する。
(実施形態1)
実施形態1では請求項1及び3を具体化して可動スクロールを製造している。実施形態1の可動スクロール4(図3参照)は以下のように製造した。
【0024】
「成形工程」
まず、図1に示すように、略円柱状の本体部64を形成する第1型87と、この本体部64の一端面から一体に突出し、略円筒状の突出部65を形成する第2型88とからなる砂型を用意する。そして、第1型87及び第2型88のキャビティ内にアルミニウム系合金の溶湯を注湯し、図2(A)に示す一体品Wを成形する。この際、側板形成部位66と突出部64とが同一の第2型88により形成されることで砂型の型割り面PLは本体部64側にあるため、本体部64の軸芯O1と突出部65の軸芯O2とは一致し、一体品Wの突出部65の外径dを所望範囲内に規制することができる。
【0025】
「第1切削工程」
そして、一体品Wの突出部65の外周面65a(ボス43の外周面43a)を矢印C−Cのように把持し、側板形成部位66の外周面66aと、渦巻体形成部位67とを破線のように切削する。こうして、側板形成部位66の外周面66aにより可動側板41の外周面41cを形成するとともに、渦巻体形成部位67により可動渦巻体42を形成する。
【0026】
「第2切削工程」
次いで、図2(B)に示すように、第1切削工程後の渦巻体形成部位67(可動渦巻体42)を矢印C−Cのように把持し、側板形成部位66の一端面66bと、突出部65の外周面65aを除く面、つまり外端面65b及び内面(内周面65c及び内端面65d)とを切削する。この間、側板形成部位66の外周面66a(可動側板41の外周面41c)を把持してもよい。こうして側板形成部位66の一端面66bにより可動側板41の一端面41bを形成するとともに、突出部65の外端面65b及び内面によりボス43を形成する。このとき、第1切削工程後の渦巻体形成部位67を把持しているため、可動渦巻体42に対してボス65を直接的に形成することになり、両者の芯精度が高くなる。
【0027】
この後、チップシール溝等が切削されて完成品とされる。こうしてボス43の外周面43aに鋳造時の素地が残留された可動スクロール4を製造する。
この可動スクロール4を構成要素としてスクロール型圧縮機を組付けた。このスクロール型圧縮機では、図3に示すように、固定スクロール2が可動スクロール4と噛合することにより圧縮室1を形成している。固定スクロール2は、円板状の固定側板21と、この固定側板21と一体に形成され外郭を形成するシェル部22と、固定側板21の前面側にインボリュート曲線等により形成された固定渦巻体23とからなる。可動スクロール4は、円板状の可動側板41と、この可動側板41の裏面側にインボリュート曲線等により形成された可動渦巻体42と、可動側板41の前面側に形成されたボス部43とからなる。
【0028】
また、固定スクロール2のシェル部22と締結手段により結合されたフロントハウジング30内には、軸封装置31及び主軸受32を介して駆動軸33が回転自在に支承されており、駆動軸33の大径部内端にはスライドキー34が突設されている。このスライドキー34にはカウンタウェイト35及び駆動ブッシュ36が嵌合され、駆動ブッシュ36に軸受37を介して可動側板41のボス部43が支承されている。
【0029】
フロントハウジング30と可動側板41との間には軸方向に延在する所定数の自転防止ピン51aをもつ可動リング51が介在され、自転防止ピン51aはフロントハウジング30に凹設された規制孔30aと可動側板41に凹設された規制孔41aとにライナーを介して係合され、これにより駆動軸33及び可動側板41より作用するラジアル方向の力を受承して可動側板41の自転を防止している。また、自転防止ピン51aが設けられていない可動リング51の前後面はフロントハウジング30及び可動側板41と当接されており、これにより可動側板41より作用するスラスト方向の力が受承されている。
【0030】
また、フロントハウジング30には冷凍回路と通じる図示しない吸入口が貫設され、吸入口は可動リング51の開口により吸入段階の圧縮室1内に連通されている。固定スクロール2の固定側板21と締結手段により結合されたリアハウジング38内には吐出室39が形成されており、この吐出室39は固定側板21の中央部分に貫設された吐出ポート2と吐出弁39a及びリテーナ39bを介して連通され、図示しない吐出口で冷凍回路と連通されている。
【0031】
以上のように構成されたこのスクロール型圧縮機では、駆動軸33が車両用エンジンから電磁クラッチ等を介して回転される。これにより、スライドキー34が駆動され、駆動ブッシュ36が可動リング51、自転防止ピン51a及び規制孔30a、41aとの協働により可動スクロール4を公転円に沿って公転させる。そして、固定側板21、固定渦巻体23、可動側板41及び可動渦巻体42により形成される圧縮室1は順次容積を縮小させながら渦巻き中心方向へ移動される。このため、冷凍回路より冷媒ガスが吸入口から吸入段階の圧縮室1に吸入される。その後、圧縮室1の移動によって圧縮された冷媒ガスは、吐出口2、吐出弁39aを介して吐出室39へ吐出される。
【0032】
この間、実施形態1の可動スクロール4は、ボス43の外周面43aに素地が残留されていることにより、薄肉でも十分な強度を確保しているため、スクロール型圧縮機の小型化及び軽量化を実現している。
したがって、このスクロール型圧縮機は車両等への優れた搭載性を発揮できることがわかる。
【0033】
また、従来の可動スクロールは、鋳造等後の素地を残留させていないため、切削後に素地を基準とする他の面への距離を把握することができない。このため、切削後の可動スクロールの寸法が良品でない欠陥品を生じてしまった場合に、検査においてその原因を究明することができず、歩留りの低下をもたらすおそれもある。これに対し、実施形態1の可動スクロールは、素地をボス43の外周面43aに残留させているため、その外周面43aを基準として欠陥の原因を早期に究明することができ、歩留りを向上させることもできる。
【0034】
さらに、実施形態1の可動スクロール4は一体品Wの表面の一部を切削すれば得られるため、加工コストが低くなり、スクロール型圧縮機の製造コストの低廉化を実現できる。
(実施形態2)
実施形態2では請求項2、3を具体化して可動スクロールを製造している。実施形態2の可動スクロール4(図3参照)は以下のように製造した。
【0035】
「成形工程」
まず、実施形態1と同様、図1に示す第1型87及び第2型88からなる砂型を用い、図4(A)に示すように、本体部68と突出部69とからなる一体品Wを鋳造により成形する。この際、側板形成部位70と突出部69とが同一の第2型88により形成されることで砂型の型割り面PLは本体部68側にあるため、本体部68の軸芯O1と突出部69の軸芯O2とは一致し、一体品Wの本体部68のうち側板形成部位70の外径D及び突出部69の外径dを所望範囲内に規制することができる。
【0036】
「第1切削工程」
そして、一体品Wの突出部69の外周面69a(ボス43の外周面43a)を矢印C−Cのように把持し、渦巻体形成部位71を破線のように切削する。この間、側板形成部位70の外周面70a(可動側板41の外周面41c)を把持してもよい。こうして、渦巻体形成部位71により可動渦巻体42を形成する。
【0037】
「第2切削工程」
次いで、図4(B)に示すように、第1切削工程後の渦巻体形成部位71(可動渦巻体42)を矢印C−Cのように把持し、側板形成部位70の一端面70bと、突出部69の外周面69aを除く面、つまり外端面69b及び内面(内周面69c及び内端面69d)とを切削する。この間、側板形成部位70の外周面70aを(可動側板41の外周面41c)把持してもよい。こうして、側板形成部位70の一端面70bにより可動側板41の一端面41aを形成するとともに、突出部69の外端面69b及び内面によりボス43を形成する。このとき、第1切削工程後の渦巻体形成部位71を把持しているため、可動渦巻体42に対してボス43を直接的に形成することになり、両者の芯精度が高くなる。
【0038】
こうしてボス43の外周面43a及び可動側板41の外周面41cに鋳造時の素地が残留された可動スクロール4を製造する。
この可動スクロール4を構成要素とするスクロール型圧縮機は、可動スクロール4のボス43の外周面43aに素地が残留されているため、実施形態1と同様に小型化及び軽量化が実現されるとともに、可動側板41の外周面41cにも素地が残留されているため、切削容積が減少し、加工も容易になる。
【0039】
したがって、このスクロール型圧縮機は実施形態1のものよりもさらに優れた効果を発揮発揮できることがわかる。
なお、上記実施形態においては、突出部の外端面に素地を残留させる構成も可能である。
また、請求項1、2、4、5記載の発明は、被駆動部としてピンが突出された可動スクロールを適用する場合にも有効である。
【0040】
以上詳述したように、この実施例の可動スクロールは被駆動部が薄肉でも十分な強度を確保することができるため、スクロール型流体機械の小型化及び軽量化を図ることができる。
特に、被駆動部がボスである可動スクロールは、ボスが薄肉でも十分な強度を確保し、軸受を介して可動スクロールを公転駆動できるため、スクロール型流体機械の小型化等の程度が大きく、極めて実用的である。
【0041】
したがって、スクロール型流体機械にこれらの可動スクロールを採用すれば、例えば車両等への搭載性が向上する。
また、これらの可動スクロールは、素地を残留させているため、素地の部分を基準として欠陥の原因を早期に究明することができ、歩留りを向上させることもできる。
【0042】
さらに、これらの可動スクロールは一体品の表面の一部を切削すれば得られるため、加工コストが低くなり、スクロール型流体機械の製造コストの低廉化を実現可能である
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の製造方法に係る砂型の断面図である。
【図2】実施形態1の製造方法に係る可動スクロールの断面図である。
【図3】実施形態1、2に係るスクロール型圧縮機の縦断面図である。
【図4】実施形態2の製造方法に係る可動スクロールの断面図である。
【図5】可動スクロールの断面図である。
【図6】従来の製造方法に係る砂型の断面図である。
【図7】従来の製造方法に係る可動スクロールの断面図である。
【符号の説明】
4…可動スクロール
41…可動側板
37…軸受
43…ボス(被駆動部)
42…可動渦巻体
43a…ボスの外周面
41c…可動側板の外周面
W…一体品
64、68…本体部
65、69…突出部
66、70…側板形成部位
67、71…渦巻体形成部位
66a、70a…側板形成部位の外周面
66b、70b…側板形成部位の一端面
65a、69a…突出部の外周面

Claims (3)

  1. 本体部と、該本体部の一端面から一体に突出し、略円柱状又は略円筒状の突出部とからなる一体品を鋳造により成形する成形工程と、
    該一体品の該本体部のうち側板形成部位を切削することにより、板状の可動側板を形成し、該一体品の該突出部を切削することにより、該可動側板の一端面から突出し、軸受を介して公転駆動される被駆動部を形成し、かつ該一体品の該本体部のうち渦巻体形成部位を切削することにより、該可動側板の他端面から直立し、渦巻き状に設けられた可動渦巻体とを形成する切削工程とを有する可動スクロールの製造方法において、
    前記成形工程は、前記側板形成部位と前記突出部とを同一型で形成することにより、前記突出部の外径を所望範囲内に規制し、
    前記切削工程は、該突出部の外周面を把持し、前記側板形成部位の外周面及び前記渦巻体形成部位を切削する第1切削工程と、該第1切削工程後の該側板形成部位の外周面又は該渦巻体形成部位を把持し、該側板形成部位の前記一端面及び該突出部の外周面を除く面を切削する第2切削工程とからなることを特徴とする可動スクロールの製造方法。
  2. 本体部と、該本体部の一端面から一体に突出し、略円柱状又は略円筒状の突出部とからなる一体品を鋳造により成形する成形工程と、
    該一体品の該本体部のうち側板形成部位を切削することにより、板状の可動側板を形成し、該一体品の該突出部を切削することにより、該可動側板の一端面から突出し、軸受を介して公転駆動される被駆動部を形成し、かつ該一体品の該本体部のうち渦巻体形成部位を切削することにより、該可動側板の他端面から直立し、渦巻き状に設けられた可動渦巻体とを形成する切削工程とを有する可動スクロールの製造方法において、
    前記成形工程は、前記側板形成部位と前記突出部とを同一型で形成することにより、前記側板形成部位の外径及び前記突出部の外径を所望範囲内に規制し、
    前記切削工程は、該側板形成部位の外周面又は該突出部の外周面を把持し、前記渦巻体形成部位を切削する第1切削工程と、該側板形成部位の外周面又は該第1切削工程後の該渦巻体形成部位を把持し、該側板形成部位の前記一端面及び該突出部の外周面を除く面を切削する第2切削工程とからなることを特徴とする可動スクロールの製造方法。
  3. 被駆動部は内周面に軸受が介装されるボスであることを特徴とする請求項1又は2記載の可動スクロールの製造方法。
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