JP3773649B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気テープ、磁気カード、フロッピーディスク等の磁気記録媒体に関するものであり、特には微細な強磁性粉末の分散性が良好で、かつ併用するポリウレタン樹脂との相溶性にも優れる共重合体を用いた、得られる磁性塗膜が耐久性、耐摩耗性に優れた性能を示す高速塗布に適した改良された磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
磁気テープ、磁気カード、フロッピーディスク等の磁気記録媒体は、一般にポリエステルフィルムなどの支持体表面に磁性粉末と結合剤(合成樹脂)とからなる塗膜(磁性層)を設けることにより作られている。
近年、磁気記録媒体の記録密度の向上やS/N比、C/N比の改良要求に伴って磁性粉末はこれまでより一層微粒子化され、また非常に大きな磁気モーメントを有しているため粒子が互いに凝集しやすく、この結果磁性粉を均一に塗料中に分散させ平滑で充填度の高い磁性層を形成させて磁気記録媒体としての性能の向上を達成するためには、結合剤の分散性能が決定的に重要な要因となる。また、さらに磁気記録媒体の柔軟性や耐摩耗性を高めるために、併用するポリウレタン樹脂等との相溶性にも優れていることが不可欠の条件となっている。
【0003】
強磁性粉末の素材については酸化鉄からコバルトイオンを吸着もしくはドープした酸化鉄へと移行しており、さらには鉄、ニッケル、コバルトのような強磁性の金属あるいはこれらを含む合金が使用されるようになってきた。
このような強磁性粉末の分散性向上のためには合成樹脂結合剤に -OH、 -COOH、 -SO3M、-OSO3M、-PO3M2、 -OPO3M2、 -N<、 -CN< (ただしMは水素原子、NH4 +又はアルカリ金属)等の親水性官能基を導入することにより、磁性粉末の分散に有利となることが先行技術に開示されている(Colloid Polymer.Sci.2661014、1988)。
結合剤に用いる共重合体としては塩化ビニル系樹脂が知られ、これに上記の官能基を導入すると強磁性粉末の分散には優れた結果が得られる。しかし十分な耐久性が得られず、従って信頼性に欠ける結果となる。
一方塩化ビニルを含まないアクリル系共重合体も知られていて、このものからは耐久性や信頼性にある程度優れた磁性層が得られるが、相溶性が悪いため限られた範囲のポリウレタン樹脂しか使用できないので要求性能を十分満足する記録媒体を製造するのは難しい。
また最近、生産性を向上させるため磁気塗料の粘度を下げて高速塗布に適したバインダー樹脂が求められているが、塩化ビニル系の場合、塗料粘度を下げるため通常の単量体を共重合したり、分子量を下げたりすると塗膜が柔らかくなり耐久性が悪くなるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記した従来技術が有するような問題点がなく、微細な磁性粉末に対する分散性が良好で、かつ併用するポリウレタン樹脂との相溶性にも優れ、耐久性、耐摩耗性に優れた塗膜を与える高速塗布に適した磁気塗料のための結合剤用樹脂を開発し、該結合剤用樹脂を用いたことにより特性の優れた磁性層をもつ磁気記録媒体を提供するためになされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記の課題を解決するため鋭意検討の結果、非磁性支持体上に強磁性微粉末を結合剤中に分散せしめた磁性塗料からなる磁性層が設けられた磁気記録媒体においてアルキル(メタ)アクリレート、塩化ビニル、親水性極性基を有する単量体等からなる共重合体を結合剤用樹脂として用いて、磁気記録媒体を得ることにより課題を解決することを見いだし、さらには各種単量体の割合等について検討を加えて本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明は前記の課題を解決したものであり、本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に強磁性微粉末を結合剤中に分散せしめた磁性層を設けてなる磁気記録媒体において、該結合剤が
Figure 0003773649
を構成単位として含む共重合体を主剤とすることを特徴とするものである。
さらに、前記(4)のその他のラジカル重合性単量体単位は酢酸ビニル、ベンジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルから選ばれた単位であるか、もしくは含窒素エチレン性不飽和二重結合を有する単量体単位である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳しく説明する。
(1)単位のアルキル(メタ)アクリレート単位に対応する単量体の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単量体は1種類のみ用いても2種類以上を併用してもよいが、(1)単位の量が少ないと塗膜の十分な平滑性(光沢)や耐久性が得られないし磁気塗料の粘度が高くなり、多すぎるとポリウレタン樹脂との相溶性が悪くなるので共重合体中の20〜50重量%とするが、好ましくは25〜49重量%である。なお、(メタ)アクリレートはアクリレートとメタクリレートの総称である。
【0008】
(2)単位の塩化ビニル単位はその量が少ないとポリウレタン樹脂との相溶性が悪くなるし、多いと溶剤に対する溶解性が低下し磁気塗料の粘度が高くなって強磁性微粉末に対する分散性が低下するようになるので共重合体中の20〜50重量%とするが、好ましくは25〜55重量%である。
【0009】
(3)単位の窒素を含まない親水性の極性基を有するエチレン性不飽和二重結合を有する単量体の例としては、(メタ)アクリル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和基を有する水酸基含有単量体、カルボキシル基含有単量体、スルホン酸基含有単量体、リン酸基含有単量体などが挙げられる。
【0010】
水酸基含有単量体の例としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の上記(1)単位に対するアルキル(メタ)アクリレート以外の(メタ)アクリレート類、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、ヒドロキシエチルモノ(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシプロピルモノ(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシブチルモノ(メタ)アリルエーテル、ジエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、グリセリンモノ(メタ)アリルエーテル、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アリルエーテル等の(メタ)アリルエーテル類、(メタ)アリルアルコールなどが挙げられる。なお、(メタ)アリルはアリルとメタリルの総称である。
ビニルアルコール単位については酢酸ビニルを共重合し、溶媒中で苛性アルカリによってケン化反応することにより導入できる。
【0011】
カルボキシル基含有単量体の例では、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸無水物及びこれら二塩基酸の半エステルなどが挙げられる。
【0012】
スルホン酸基含有単量体の例では、
CH2=CHSO3M、CH2=CHCH2SO3M 、CH2=CHC6H4SO3M、
【化1】
Figure 0003773649
(ただし、Mは水素原子、NH4 +又はNa+,K+等のアルカリ金属を、Rはアルキル基具体的には炭素数8〜18のアルキル基を示す。)などが挙げられる。
【0013】
リン酸基含有単量体の例ではモノ[(メタ)アクリロイルオキシエチル]アシッドホスフェート、モノ[(メタ)アクリロイルオキシプロピル]アシッドホスフェート、モノ[(メタ)アクリロイルオキシブチル]アシッドホスフェート、モノ[(メタ)アクリロイルオキシエトキシエチル]アシッドホスフェート、モノ[(メタ)アクリロイルオキシポリオキシエチレングリコール]アシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシエチルブチルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルエチルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシエトキシエチルメチルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシポリオキシエチレングリコールブチルアシッドホスフェート、ビニルアシッドホスフェート及びそれらのアルカリ金属塩(Na、K)や
【0014】
【化2】
Figure 0003773649
などが挙げられる。
【0015】
(3)単位を導入するための好ましい単量体はヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、アリル−2 −ヒドロキシエチルエーテル、アクリル酸、
【化3】
Figure 0003773649
ビニルスルホン酸Na、アリルドデシルスルホサクシネートNaである。
この親水性の極性基を有するエチレン性不飽和二重結合を有する単量体は1種類のみ用いても2種類以上を併用してもよいが、(3)単位の量が少なすぎると強磁性微粉末の分散性が低下し、多すぎる場合には塗料粘度が高くなり、耐水性も低下するので共重合体中の1〜30重量%とするが、好ましくは1〜28重量%である。
【0016】
また、スルホン酸基は上記したこの基を有する単量体の共重合により導入する方法以外に、本発明で使用する共重合体の製造に際して、スルホン酸基含有ラジカル重合開始剤を用いて単量体混合物を共重合させる方法、スルホン酸基含有連鎖移動剤の存在下に単量体混合物を共重合させる方法、さらに、共重合後に共重合体にスルホン酸基含有化合物を付加させる方法によっても導入することができる。
【0017】
この際用いられるスルホン酸基含有ラジカル重合開始剤としては、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどが挙げられる。これらのラジカル重合開始剤の使用量は単量体の合計量に対し、1〜10重量%とすればよいが、好ましくは1〜5重量%である。
スルホン酸基含有連鎖移動剤としては、2−クロロエタンスルホン酸、2−クロロエタンスルホン酸ナトリウム、4−クロロフェニルスルホキシド、4−クロロベンゼンスルホンアミド、p−クロロベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸ナトリウム、2−ブロモエタンスルホン酸ナトリウム、4−(ブロモメチル)ベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが例示されるが、2−クロロエタンスルホン酸ナトリウム、p−クロロベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。これらの連鎖移動剤の使用量は単量体の合計量に対し、 0.1〜10重量%とすればよいが、好ましくは 0.2〜5重量%である。
【0018】
共重合後に共重合体にスルホン酸基含有化合物を付加させる方法としては、例えば共重合体に含まれる水酸基と Cl-CH2CH2SO3M、Cl-SO3M などの塩素を含むスルホン酸金属塩とをジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの極性有機溶剤中で、ピリジン、ピロリン、トリエチルアミンなどのアミン類、エチレンオキシド、プロピレンオキシドなどの脱塩酸剤の存在下に反応させる方法が挙げられる。
【0019】
(4)単位の、その他のラジカル重合性単量体の例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ブタジエン等の上記(2)、(3)単位に対応する単量体以外の不飽和二重結合を有する単量体、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等の上記(1)、(3)単位に対応するアルキル(メタ)アクリレート以外の(メタ)アクリレート類、さらにメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルなどの上記(3)単位に対するビニルエーテル以外のアルキルビニルエーテル類、アリルグリシジルエーテルなどの上記(3)単位に対するアリルエーテル以外のアリルエーテル類が挙げられ、さらにはラジカル重合性を有する含窒素単量体として、(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカルバゾール、2−ビニル−4、6−ジアミノ−5−トリアジン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、マレイミド、N−フェニルマレイミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
好ましい単量体は酢酸ビニル、ベンジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ビニルピリジン、N−メチロールアクリルアミド、ジエチルアミノエチルメタクリレートである。
これらの単量体は1種のみで用いても2種以上を併用してもよいが、(4)単位の量が少ないと溶剤に対する溶解性が低下し、ポリウレタン樹脂との相溶性が悪くなり、多いと塗膜の十分な耐久性が得られなくなるので共重合体中の1 〜40重量%とするが、好ましくは4〜38重量%である。
【0020】
なお、窒素は上記した含窒素単量体の共重合により導入する方法以外に共重合体をアミン変性することによっても導入できる。
アミン変性は、共重合後、共重合体を下記のアミン化合物と反応させることにより行う。この反応においては塩化ビニル単位の塩素原子とアミン化合物との反応によりアミンが側鎖に導入されるものと考えられる。使用されるアミン化合物としては脂肪族アミン、脂環状アミン、芳香族アミン等の第1級、第2級もしくは第3級アミンが挙げられる。具体的にはエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ナフチルアミン、アニリン、o−トルイジン、ジエチルアミン、ジオクチルアミン、ジイソブチルアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジフェニルアミン、ヘキサメチレンテトラミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリブチルアミン、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、2,4-ルチジン、キノリン、モルホリン等が挙げられる。
【0021】
以上に説明した各単位の組み合わせから構成される共重合体は、分子量が低すぎると磁性塗膜がもろくなるなどの物理的強度が低下し、また磁気テープ等の耐久性も低下するし、逆に分子量が高すぎると所定濃度における塗料粘度が高くなって作業性が悪くなり取り扱いが困難となってくるので、その数平均分子量は 5,000〜100,000 であることが好ましく、より好ましくは10,000〜50,000の範囲である。共重合体はランダムもしくはブロックに形成されていてもよい。
分子量の調整にはn−ドデシルメルカプタン、チオグリコール、トリクロロエチレンなどの分子量調整剤を用いることもできる。
【0022】
このような共重合体は、一般に溶液重合法、沈殿重合法、懸濁重合法、乳化重合法などにより製造することができる。
共重合に際して使用される重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩や過酸化水素、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、ジブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物系重合開始剤、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリルなどの窒素含有重合開始剤が例示され、これらを単独で使用するか、あるいはこれらと酸性亜硫酸ソーダ、ロンガリット、L−アスコルビン酸、糖類、アミン類などの還元剤を併用して常法により重合をおこなうことができる。
重合開始剤の使用量は単量体の合計量 100重量部に対して0.01〜4重量部が好ましい。
【0023】
懸濁重合の場合の懸濁安定剤としては、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル部分ケン化物等のポリビニルアルコール系重合体、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、マレイン酸−スチレン共重合体、マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合体等の合成高分子、澱粉、ゼラチン等の天然高分子などが例示される。懸濁安定剤の使用量は単量体の合計量 100重量部に対して0.01〜1重量部が好ましい。
また、乳化重合の場合の乳化剤としては、アルキルまたはアルキルアリル硫酸塩、アルキルまたはアルキルアリルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホコハク酸塩等のアニオン性乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンカルボン酸エステル等のノニオン性乳化剤などが例示される。乳化剤の使用量は単量体の合計量 100重量部に対して 0.5〜5重量部が好ましい。
【0024】
重合に際しては、以上に記した単量体、重合開始剤、懸濁安定剤、乳化剤などを重合開始時に一括して重合系に添加してもよいし重合中に分割して添加することもできる。
また前述の(1)〜(4)の単量体を一度に重合してもよいし、塩化ビニルを主成分とする一部の単量体を共重合した系で残りのアクリルを主成分とする単量体を共重合してもよいし、逆にアクリルを主成分とする単量体を共重合した系で残りの塩化ビニルを主成分とする単量体を共重合してもよい。
なお、乳化重合の場合には重合後に公知の塩析法に従い、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウムのような無機塩の水溶液を加えるか、水溶性有機溶剤などを加えるなどして粒子を凝集させたのち、ろ過、水洗し乾燥すればよい。
【0025】
本発明においては、磁性塗料製造時に上記共重合体を結合剤用樹脂として使用する際、上記(1)〜(4)の単量体からなる共重合体のみからなるものでもよいが、上記共重合体の他に必要に応じて他の樹脂が併用されてもよく、この併用し得る樹脂としてはポリウレタン樹脂、ニトロセルロース、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等の重合体または共重合体などの各種樹脂が例示される。これらのうちではポリウレタン樹脂が好適である。
なお、上記結合剤中の(1)〜(4)の単量体からなる共重合体の含有割合は、結合剤全体100 重量部に対して30〜70重量部が好ましく、特に40〜60重量部が好ましい。30重量部に満たないと、強磁性微粉末の分散が十分でないため、磁気性能が良好でなく、また、相対的にポリウレタン樹脂等が多くなると塗膜が軟らかくなり磁気ヘッドなどの摩擦が大きくなる。70重量部を超えると、塗膜が硬くなり耐久性が悪くなる。
【0026】
本発明に使用される強磁性微粉末としては、γ-Fe2O3、Fe3O4 及びこれらにコバルトイオンを吸着またはドープしたもの、CrO2さらにはFe、Co、Fe-Co 、Ni等を含有させた金属または合金の針状微粒子などをはじめ、その他の従来公知の各種磁性粉末が例示される。強磁性微粉末と結合剤樹脂との混合割合は、強磁性微粉末 100重量部当たり結合剤樹脂8〜50重量部、特に13〜20重量部とすることが望ましい。
なお、強磁性微粉末と結合剤樹脂とを均一に分散させるに当たり、従来一般に使用されている潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤、分散助剤、防錆剤等を添加すること、さらに塗布媒体としてメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン等のほか各種の有機溶剤を使用することは従来と同様でよく、これらの点に特別の制限はない。
また、乳化重合の場合には前記した重合後の公知の塩析法をとることなく、重合後の乳化分散液そのままへ磁性粉末を分散助剤などと加え、混合分散して水性エマルジョン系磁性塗料を調製する方法も可能である。
【0027】
支持体としてはポリエステル、ポリオレフィン、セルロースアセテート、ポリカーボネート等の合成樹脂類、非磁性金属類、セラミック類などが使用され、形態はフィルム、テープ、シート、板状体等で使用される。
支持体上に磁性層を形成するための塗布手段としては公知の方法を用いればよく、適宜カレンダリング処理等の平滑化処理を施すことにより、本発明の目的とする高性能磁気記録媒体が得られる。
【0028】
【実施例】
つぎに、本発明を共重合体の合成例及びこの共重合体を用いた具体的実施例ならびに比較例をあげて説明するが、本発明はこの実施例の範囲に限定されるものではない。なお、例中の部及び%はそれぞれ重量部と重量%を示す。また、各合成例における単量体単位の分析は下記のようにして行った。
【0029】
a.(メタ)アクリレート単位
重合後のスラリー又はエマルジョン中の未反応(メタ)アクリレートの量をガスクロマトグラフィーで分析し、これを仕込量から除いた値をもって重合量とし、共重合体中の単位の値とした。
b.塩化ビニル単位
乾燥共重合体を白金触媒の存在下に燃焼させ、脱イオン水に吸収された塩酸分を硝酸銀で中和滴定することにより求めた。
c.水酸基及びエチレン性不飽和二重結合含有単位
乾燥共重合体をアセトンに溶解し、水酸基を無水酢酸と反応させることにより求めた。
d.カルボキシル基及びエチレン性不飽和二重結合含有単位
乾燥共重合体をアセトンに溶解し、NaOH−メタノール溶液による中和滴定により求めた。
e.スルホン酸基、リン酸基及びエチレン性不飽和二重結合含有単位
蛍光X線分析装置(島津製作所製)により硫黄分、燐分を分析することにより求めた。
f.酢酸ビニル単位
乾燥共重合体をアセトンに溶解し、NaOH−メタノール溶液を加えて70〜80℃で反応させ、消費されるNaOH分を中和滴定することにより求めた。
g.エポキシ基含有単位
乾燥共重合体をアセトンに溶解し、一定量の塩酸を加え、消費された塩酸分を中和滴定することにより求めた。
h.含窒素単量体単位
ディジタル全窒素分析(テルミュレン法)装置(三菱化成工業社製)により窒素分を分析することにより求めた。
【0030】
(合成例1)[ポリマー1の合成]
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に、窒素置換後脱イオン水 300部、塩化ビニル87部、酢酸ビニル15部、アリルグリシジルエーテル18部、過硫酸カリウム5部、ラウリル硫酸ソーダ 1.5部、炭酸ソーダ1部を仕込み、攪拌しながら56℃に加温して反応を開始し、内圧がゲージ圧で1kg/cm2に低下したところで、未反応ガスを排気して冷却しエマルジョンを得た。
その後、攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた別の重合容器に、窒素置換後上記で得られたエマルジョン80部、メチルメタクリレート20部、ヒドロキシエチルメタクリレート1.5 部、チオカルコール#20(花王社製、商品名)1部、ノイゲンET−83(第一工業製薬社製、商品名)3部を仕込み、攪拌しながら70℃に加温して反応を開始し、8時間攪拌後冷却し重合反応を完結させた。
重合終了後、塩化ナトリウム20部、熱脱イオン水 100部を添加して共重合体を析出させた。析出した共重合体を脱イオン水 150部/回で5回洗浄−ろ過操作を繰り返した後、乾燥して共重合体(ポリマー1)36部を得た。このポリマーはメチルメタクリレート単位46.9%、塩化ビニル単位41.4%、ヒドロキシエチルメタクリレート単位単位 3.3%、酢酸ビニル単位4.1 %、アリルグリシジルエーテル単位 4.3%であった。
【0032】
(合成例3)[ポリマー3の合成]
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に、窒素置換後脱イオン水 300部、塩化ビニル17部、酢酸ビニル3部、アリルグリシジルエーテル3部、メチルメタクリレート20部、ヒドロキシエチルメタクリレート1.5 部、チオカルコール#20(前出)1部、過硫酸カリウム5部、ラウリル硫酸ソーダ 1.5部、炭酸ソーダ1部を仕込み、攪拌しながら70℃に加温して反応を開始し、8時間攪拌後冷却し重合反応を完結させた。
重合終了後、合成例1と同様の方法で塩析、洗浄−ろ過、乾燥させて共重合体(ポリマー3)35部を得た。このポリマーはメチルメタクリレート単位44.0%、塩化ビニル単位44.1%、ヒドロキシプロピルアクリレート単位 3.3%、酢酸ビニル単位4.8 %、アリルグリシジルエーテル単位 3.8%であった。
【0033】
(合成 10)[ポリマ 10の合成]
合成例1と同様にして表1に示される単量体の種類、量で共重合し、同様の方法で塩析して表2に示すとおりの組成のポリマ 10を得た。
【0034】
(合成例6)[ポリマー6の合成]
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に、窒素置換後脱イオン水 300部、塩化ビニル17部、酢酸ビニル 3部、アリルグリシジルエーテル3部、チオカルコール#20(前出)0.2 部、過硫酸カリウム1部、ラウリル硫酸ソーダ0.3 部、炭酸ソーダ0.2 部を仕込み、攪拌しながら70℃に加温して反応を開始し、8時間攪拌後冷却しエマルジョンを得た。
得られたエマルジョンにメタノール300 部を加えて、樹脂を塩析させた後、メチルメタクリレート20部、ヒドロキシプロピルアクリレート2部、メチルセルロース 65SH400 (信越化学工業社製、商品名)0.1 部、ベンゾイルパーオキサイド0.1 部を加え、60℃に加温して6時間攪拌後冷却し重合反応を完結させた。
重合終了後、共重合体を脱イオン水 150部/回で5回洗浄−ろ過操作を繰り返した後、乾燥して共重合体(ポリマー6)35部を得た。このポリマーはメチルメタクリレート単位45.8%、塩化ビニル単位41.6%、ヒドロキシプロピルアクリレート単位 4.2%、酢酸ビニル単位 4.7%、アリルグリシジルエーテル単位 3.7%であった。
【0035】
(合成例7)[ポリマー7の合成]
合成例1と同様にして、表1に示すようにエマルジョン100 部、メチルメタクリレート16部、ヒドロキシエチルメタクリレート1.2 部で共重合し、同様の方法で塩析、洗浄−ろ過、乾燥させて共重合体(ポリマー7)35部を得た。このポリマーはメチルメタクリレート単位32.5%、塩化ビニル単位55.0%、ヒドロキシエチルメタクリレート単位 2.3%、酢酸ビニル単位5.0 %、アリルグリシジルエーテル単位 5.2%であった。
【0036】
(合成例8)[ポリマー8の合成]
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に、窒素置換後脱イオン水 300部、塩化ビニル87部、酢酸ビニル15部、アリルグリシジルエーテル18部、過硫酸カリウム5部、ラウリル硫酸ソーダ1.5 部、炭酸ソーダ1部を仕込み、攪拌しながら56℃に加温して反応を開始し、内圧がゲージ圧で1kg/cm2 に低下したところで、未反応ガスを排気して冷却し重合反応を完結させた。
重合終了後、合成例1と同様の方法で塩析、洗浄−ろ過、乾燥させて共重合体(ポリマー8)35部を得た。このポリマーは塩化ビニル単位82.7%、酢酸ビニル単位8.8 %、アリルグリシジルエーテル単位 8.5%であった。
【0037】
(合成例9)[ポリマー9の合成]
合成例3と同様にして表1に示される単量体の種類、量で共重合し、同様の方法で塩析して表2に示すとおりの組成を有するポリマー9を得た。
【0038】
【表1】
Figure 0003773649
【0039】
【表2】
Figure 0003773649
【0040】
(実施例1、3、6、7、比較例1〜3)
上記のようにして得られた共重合体(ポリマー1、3、6〜10)のポリウレタン樹脂との相溶性を調べ、さらにこれらの共重合体を用いて磁気テープを作製し、その塗膜特性及び磁気特性を調べた。結果は表3に示すとおりであった。なお、各特性の測定は下記のようにして行った。
【0041】
a.ポリウレタン樹脂との相溶性
メチルエチルケトン/メチルイソブチルケトン/トルエン=1/1/1(部)の混合溶剤を用いた各共重合体の20%溶液 100部と各種のポリウレタン樹脂50部を混合し、スターラーで1時間攪拌後ガラス板上に塗布、乾燥させ、塗膜のツブの有無、くもり度から相溶性を目視により4段階評価した。
◎:優、○:良、△:可、×:不可
b.塗料粘度
混練調製した磁性塗料液の温度20℃の粘度をE型粘度計で測定した。
c.光沢
グロスメーター(村上色彩技研社製)によりカレンダー処理前の磁気テープの磁性塗料塗布面の60度反射率を標準ガラス板と比較した。
d.角型比、配向度
振動試料型磁力計(東栄工業社製)を用いて測定した。
e.耐久性
作製した磁気テープを65℃、相対湿度90%の恒温恒湿室で168 時間放置後、荷重100 gをかけ、研磨紙を貼り付けた回転ドラムに接触させて、150rpmで1000回回転させ、磁性塗料が研磨紙に付着した程度を目視により4段階評価した。
◎:研磨紙の汚れなし、○:ごく僅かに汚れあり
△:汚れ少しあり、 ×:汚れ多い
【0042】
なお、磁気テープは下記のようにして作製した。
(磁性塗料の調製)
結合剤樹脂(ポリマー1〜10) 12部
磁性粉(比表面積50m2/gのメタル粉) 100部
ポリウレタン樹脂(U-8300:東洋紡社製、商品名) 8部
メチルエチルケトン 90部
シクロヘキサノン 90部
トルエン 90部
上記成分をラボミキサーで90分間混合し、さらにガラスビーズの入ったサンドミルで3時間混練後ろ過して塗料液を得た。
(磁気テープの作製)
厚さ15μmのポリエステルフィルム上に上記塗料液を6μm厚に塗布し、磁場配向処理を行って乾燥し、ついでスーパーカレンダーにより表面処理して磁気テープを作った。
【0043】
【表3】
Figure 0003773649
【0044】
(合成例11)[ポリマー11の合成]
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に、窒素置換後脱イオン水 200部、メチルメタクリレート25部、ブチルメタクリレート15部、塩化ビニル50部、2−ビニルピリジン4部、アリル−2−ヒドロキシエチルエーテル4部、ビニルスルホン酸ソーダ2部、過硫酸カリウム1部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル2部、ラウリル硫酸ソーダ 2.5部を仕込み、攪拌しながら58℃に加温して反応を開始し、内圧がゲージ圧で1kg/cm2 に低下したところで、未反応ガスを排気して冷却し重合反応を完結させた。
重合終了後、塩化ナトリウム10部、 5%塩酸5部、熱脱イオン水300 部を添加して共重合体を析出させた。析出した共重合体を脱イオン水500 部/回で5回洗浄−ろ過操作を繰り返した後、乾燥して共重合体(ポリマー11)75部を得た。このポリマーはメチルメタクリレート単位27.2%、ブチルメタクリレート単位16.3 %、塩化ビニル単位48.8%、2−ビニルピリジン単位4.0 %、アリル−2−ヒドロキシエチルエーテル単位 3.2%、ビニルスルホン酸ソーダ単位0.5 %であった。
【0045】
(合成例12〜13、16〜18)[ポリマー12〜13、16〜18の合成]
合成例11と同様にして表4に示される単量体の種類、量で共重合し、同様の方法で塩析して表5に示すとおりの各組成のポリマー12〜13、16〜18を得た。
【0046】
(合成例14)[ポリマー14の合成]
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に、窒素置換後脱イオン水 200部、メチルメタクリレート30部、塩化ビニル25部、N−ビニルピロリドン10部、ジエチルアミノエチルメタクリレート10部、 ヒドロキシプロピルアクリレート20部、アリルドデシルスルホサクシネートナトリウム5部、部分ケン化ポバール1部、ベンゾイルパーオキサイド0.2 部を仕込み、攪拌しながら70℃に加温して反応を開始し、7時間反応させ内圧がゲージ圧で1kg/cm2 に低下したところで未反応ガスを排気して冷却し重合反応を完結させた。
重合終了後、共重合体を脱イオン水200 部/回で5回洗浄−ろ過操作を繰り返した後、乾燥して共重合体(ポリマー14)91部を得た。このポリマーはメチルメタクリレート単位35.5%、塩化ビニル単位25.5%、N−ビニルピロリドン単位5.9 %、ジエチルアミノエチルメタクリレート単位6.0 %、ヒドロキシプロピルアクリレート単位25.0%、アリルドデシルスルホサクシネートナトリウム単位2.1 %であった。
【0047】
(合成例15)[ポリマー15の合成]
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に、窒素置換後脱イオン水 200部、メチルメタクリレート40部、塩化ビニル35部、ベンジルアクリレート10部、酢酸ビニル15部、 部分ケン化ポバール1部、ベンゾイルパーオキサイド0.2 部を仕込み、攪拌しながら70℃に加温して反応を開始し、7時間反応させ内圧がゲージ圧で1kg/cm2 に低下したところで、未反応ガスを排気して冷却し重合反応を完結させた。
重合終了後、共重合体を脱イオン水200 部/回で5回洗浄−ろ過操作を繰り返した後、乾燥して共重合体91部を得た。
さらに、この共重合体50部をメタノール100 部、アセトン25部、苛性ソーダ1.5 部、トリエチルアミン0.6 部と共に攪拌装置、ジャケット付き反応器に仕込み、40℃で6時間反応させた後200 部のメタノールで3回洗浄し、さらに200 部の脱イオン水で2回洗浄して共重合体(ポリマー15)40部を得た。このポリマーはメチルメタクリレート単位43.0%、塩化ビニル単位37.4%、アミン変性ビニル単位0.6 %、ビニルアルコール単位6.0 %、ベンジルアクリレート単位10.0%、酢酸ビニル単位3.0 %であった。
【0048】
(合成例19)[ポリマー19の合成]
合成例14と同様にして表4に示される単量体の種類、量で共重合し、同様の方法で塩析して表5に示すとおりの組成を有するポリマー19を得た。
【0049】
【表4】
Figure 0003773649
【0050】
【表5】
Figure 0003773649
【0051】
参考例8〜12、比較例4〜7)
上記のようにして得られた共重合体(ポリマー11〜19)のポリウレタン樹脂との相溶性を調べ、さらにこれらの共重合体を用いて磁気テープを作製し、その塗膜特性及び磁気特性を調べた。結果は表6に示すとおりであった。なお、磁性塗料の調製方法を下記のとおりにした以外は、磁気テープの作製方法及び各特性の測定とも、実施例1と同様にして行った。
【0052】
(磁性塗料の調製)
結合剤樹脂(ポリマー11〜19) 18部
磁性粉(比表面積35m2/gのCo- γ-Fe2O3) 100部
ポリウレタン樹脂(N-2304:日本ポリウレタン工業社製、商品名) 7部
メチルエチルケトン 75部
シクロヘキサノン 75部
トルエン 75部
上記成分をラボミキサーで90分間混合し、さらにガラスビーズの入ったサンドミルで3時間混練後ろ過して塗料液を得た。
【0053】
【表6】
Figure 0003773649
【0054】
【発明の効果】
本発明により、結合剤用樹脂の強磁性微粉末に対する分散性及びポリウレタン樹脂との相溶性が改良され、得られた磁性塗料の粘度は高速塗布作業に適したものであり、これらの特性によって塗膜表面の平滑性が良くなり耐摩擦性が向上し、さらに塗膜の物理特性が向上することにより耐久性、磁気特性が改良された磁気記録媒体が提供された。

Claims (2)

  1. 非磁性支持体上に強磁性微粉末を結合剤中に分散せしめた磁性層を設けてなる磁気記録媒体において、該結合剤が
    (1)アルキル(メタ)アクリレート単位 20〜50重量%
    (2)塩化ビニル単位 20〜55重量%
    (3)窒素を含まない親水性極性基を有するエチレン性不飽和二重結合を有する単量体単位 1〜30重量%
    (4)グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルから選ばれた単位
    1〜40重量%を構成単位として含む共重合体を主剤とすることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 非磁性支持体上に強磁性微粉末を結合剤中に分散せしめた磁性層を設けてなる磁気記録媒体において、該結合剤が
    (1)アルキル(メタ)アクリレート単位 20〜50重量%
    (2)塩化ビニル単位 20〜55重量%
    (3)窒素を含まない親水性極性基を有するエチレン性不飽和二重結合を有する単量体単位 1〜30重量%
    (4)酢酸ビニル及びアリルグリシジルエーテル単位 1〜40重量%を構成単位として含む共重合体を主剤とすることを特徴とする磁気記録媒体。
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