JPH0991676A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0991676A
JPH0991676A JP24401495A JP24401495A JPH0991676A JP H0991676 A JPH0991676 A JP H0991676A JP 24401495 A JP24401495 A JP 24401495A JP 24401495 A JP24401495 A JP 24401495A JP H0991676 A JPH0991676 A JP H0991676A
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JP
Japan
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vinyl
vinyl chloride
magnetic
unit
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JP24401495A
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English (en)
Inventor
Yasuki Uchida
耕己 内田
Yoshiyuki Yasuhara
喜之 安原
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Nissin Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nissin Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 磁性粉末に対する分散性が良い結合剤用の共
重合体による、磁性塗膜の表面平滑性、耐久性(非汚染
性)、磁気特性に優れた磁気記録媒体の提供。 【解決手段】 非磁性支持体上に強磁性微粉末を結合剤
中に分散せしめた磁性層を設けてなる磁気記録媒体にお
いて、該結合剤が(イ)塩化ビニル単位及び(ロ)側鎖
として水酸基含有有機基を有するビニル系単量体単位又
は/及びビニルアルコール単位を必須構成成分としてな
る、SH基を有する連鎖移動剤の存在下に共重合させて
得られた塩化ビニル系共重合体を主剤とすることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体に関す
るものであり、特には強磁性粉末の結合剤として優れた
性能を示す塩化ビニルを主体とする特殊な共重合体を用
いてなる改良された磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気テープ、磁気カード、フロッピーデ
ィスク等の磁気記録媒体は、一般にポリエステルフィル
ムなどの支持体表面に磁性粉末と結合剤(合成樹脂)と
からなる塗膜(磁性層)を設けることによりつくられて
いる。近年、保磁力及び最大飽和磁化量を高め、SN比
や記録密度の向上を図るために、磁性粉末はこれまでよ
り一層微細化された比表面積の大きい、また非常に大き
な磁気モーメントを有する金属磁性粉が用いられるよう
になってきた。この結果、磁性粉を均一に塗料中に分散
させ、平滑で充填度の高い磁性層を形成させて磁気記録
媒体としての性能の向上を達成するためには、結合剤の
分散性能が決定的に重要な要因となる。しかし、通常合
成樹脂結合剤として用いられる塩化ビニル−酢酸ビニル
−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
−マレイン酸共重合体やニトロセルロースでは磁性粉の
分散性が不足し、期待される性能を発揮することができ
ない。また、分散性を良くするために界面活性剤が使用
されることもあるが、十分な量を使用すると磁性層から
ブリードを起こしやすく、耐久性が低下したり、磁気ヘ
ッドを汚染したりするなどの欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明は、
高性能の微細化された磁性粉末に対する分散性が高く、
磁気ヘッドを汚染するような界面活性剤等の添加を必要
とせず、高充填が可能な結合剤用の共重合体を開発し、
これによって優れた表面平滑性と耐久性を示し、かつ磁
気特性の良好な磁気記録媒体を提供しようとしてなされ
たものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は前記の課題を解
決したものであり、この本発明の磁気記録媒体は、非磁
性支持体上に強磁性微粉末を結合剤中に分散せしめた磁
性層を設けてなる磁気記録媒体において、該結合剤が
(イ)塩化ビニル単位及び(ロ)側鎖として水酸基含有
有機基を有するビニル系単量体単位又は/及びビニルア
ルコール単位を必須構成成分としてなる、SH基を有す
る連鎖移動剤の存在下に共重合させて得られた塩化ビニ
ル系共重合体を主剤とすることを特徴とするものであ
る。すなわち、本発明者らは前記の課題を解決するため
鋭意検討の結果、塩化ビニルと水酸基含有有機基を持つ
ビニル系単量体をSH基を有する連鎖移動剤の存在下に
共重合させて得られる共重合体か、あるいは、塩化ビニ
ルと酢酸ビニルをSH基を有する連鎖移動剤の存在下に
共重合させて得られる共重合体をケン化反応させてビニ
ルアルコールの形として導入したものを結合剤の主剤に
用いると、強磁性微粉末に対する分散性能と磁性層の耐
久性能とが同時に向上することを見出して本発明に至っ
た。
【0005】以下に本発明について詳しく説明する。本
発明で結合剤の主剤として使用する共重合体は、前記の
とおり塩化ビニル単位及び側鎖として水酸基含有有機基
を有するビニル系単量体単位又は/及びビニルアルコー
ル単位を必須とする。これらの単位のうち、(イ)単位
の塩化ビニル単位は塗膜に強靭性と高い表面硬度を付与
するが、その量が少なくなってくると磁性塗膜の強度が
低下し、後記のポリウレタン樹脂との相溶性が悪くなる
し、多くなると溶剤に対する溶解性が低下し、磁性塗料
の粘度が高くなって分散性が低下するようになるので、
共重合体中の80〜97重量%であることが好ましい。
(ロ)単位の側鎖として水酸基含有有機基を有するビニ
ル系単量体単位あるいはビニルアルコール単位は、磁性
粉の分散性及び適宜併用されるポリウレタン樹脂等との
相溶性に寄与し、さらにポリイソシアネート系硬化剤と
反応することにより強靭で耐久性、密着性の良好な塗膜
を与えるが、その量が少なくなると分散性、相溶性及び
ポリイソシアネート系硬化剤との反応性が低下して耐久
性が悪くなるし、多くなると共重合体のガラス転移温度
が低下してかえって耐久性が悪くなったり、ポリウレタ
ン樹脂を併用するときこれとの相溶性もかえって低下す
るようになるので、共重合体中の 3〜20重量%であるこ
とが好ましい。
【0006】この(ロ)単位を導入するための単量体と
しては、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロ
ピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)
アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレー
ト、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アク
リレート、グリセリンモノアリルエーテル、ヒドロキシ
エチルビニルエーテル、エチレングリコールモノアリル
エーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、(メタ)
アリルアルコール、N−メチロール(メタ)アクリルア
ミドなどがあげられる。また、ビニルアルコール単位の
導入については、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の
低級脂肪酸ビニルを1成分として共重合させ、その後、
KOH、NaOH、ナトリウムアルコラート等のアルカ
リあるいは塩酸等の酸を触媒としてケン化させ、常法に
より精製する方法で行われる。なお、この際低級脂肪酸
ビニル単位は必ずしも全量がケン化されるとは限らない
が、僅かの低級脂肪酸ビニル単位が残存するのは差し支
えない。
【0007】このほかに必要に応じて共重合性の単量体
を使用することができ、これらには例えばスチレン、α
−メチルスチレン、アクリロニトリル、メチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等のアルキ
ル(メタ)アクリレート類、グリシジル(メタ)アクリ
レート、(メタ)アリルグリシジルエーテル、アクリル
酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、クロトン酸、イタ
コン酸、塩化ビニリデンなどのビニル系単量体があげら
れる。なお、この必要に応じて使用される共重合性単量
体には脂肪酸ビニルは含まれない。これらの単量体によ
り導入される単量体単位の量は、本発明の効果を損わな
い限り、共重合体中の10重量%以下の範囲とすることが
できる。
【0008】本発明においては、塩化ビニル、及び水酸
基含有有機基を持つビニル系単量体又は/及び低級脂肪
酸ビニルの各単位からなる共重合体の製造に際しては、
SH基を有する連鎖移動剤を使用するが、この連鎖移動
剤としては、t−ブチルメルカプタン、n−オクチルメ
ルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−テトラデ
シルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタン、3
−エトキシプロパンチオールエチルチオグリコレート等
が例示されるが、n−ドデシルメルカプタン、n−オク
チルメルカプタンが好ましいものである。これらの連鎖
移動剤の使用量は単量体の合計量に対し硫黄分換算で0.
02〜1重量%とすればよいが、好ましくは0.05〜 0.5重
量%である。
【0009】本発明で用いる共重合体は、平均重合度が
低すぎると磁性塗膜がもろくなるなど物理的強度が低下
し、また磁気テープ等の耐久性も低下するし、逆に平均
重合度が高すぎると所定濃度における塗料粘度が高くな
って作業性が著しく悪くなり取扱いが困難となる。平均
重合度は連鎖移動剤や有機溶剤の存在及び重合温度等に
よって変化するので、これらの要因を適切に選び 100〜
500の範囲にすることが好ましい。硫黄を含まない連鎖
移動剤(例えばトリクレン、ジイソブチレン等)でも平
均重合度を下げることができるが、強磁性微粉末の分散
には意外にもSH基を有する連鎖移動剤を用いると効果
的であることが見出された。
【0010】このような共重合体は、一般の懸濁重合
法、乳化重合法、溶液重合法、塊状重合法などにより製
造することができる。共重合体の製造に際して使用され
る重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモ
ニウム等の過硫酸塩、過酸化水素、t−ブチルハイドロ
パーオキサイド等の水溶性タイプ、あるいはベンゾイル
パーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、キュメンハ
イドロパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエ
ート、ジブチルパーオキサイド、t−ヘキシルパーオキ
シピバレート、ジイソプロピルパーオキシカーボネー
ト、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシカーボネート、
ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、t
−ブチルパーオキシマレイン酸、アゾビスイソブチロニ
トリル等の油溶性タイプが例示される。低温で共重合す
る場合は、還元剤と組み合わせたレドックス系触媒を使
用するのが好ましく、上記ラジカル発生源と酸性亜硫酸
ソーダ、L−アスコルビン酸、ナトリウムホルムアルデ
ヒドスルホキシレート、ブドウ糖、蔗糖等の還元剤、及
び微量の第1鉄塩の組み合せが好適である。
【0011】懸濁安定剤としては、ポリビニルアルコー
ル、ポリ酢酸ビニル部分ケン化物、メチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、
ポリアクリルアミド、マレイン酸−スチレン共重合体、
マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合体のごとき合
成高分子、及びデンプン、ゼラチン等の天然高分子など
が例示される。また、乳化剤としては、アルキル又はア
ルキルアリル硫酸塩、アルキル又はアルキルアリルスル
ホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等のアニオン性
乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンカルボン酸エステル等のノニオン性乳化剤など
が例示される。
【0012】重合に際しては、以上に記した単量体、連
鎖移動剤、重合開始剤、懸濁安定剤、乳化剤などを重合
開始時に一括して重合系に添加してもよいし、重合中に
分割して添加することもできる。乳化重合の場合には、
重合後公知の塩析法に従い、塩化ナトリウム、塩化カル
シウム、硫酸ナトリウムのような無機塩の水溶液を加え
るか、水溶性有機溶剤などを加えるかして粒子を凝集さ
せたのち、ろ過、水洗し、乾燥すればよい。
【0013】磁性塗料製造時に上記共重合体を結合剤用
樹脂として使用する際、必要に応じ他の樹脂が等量以下
の量で併用されてもよく、この併用し得る樹脂としては
ポリウレタン樹脂、ニトロセルロース、ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、
アルキッド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等の重合体
又は共重合体などの各種樹脂が例示される。これらのう
ちではポリウレタン樹脂が好適である。
【0014】この他にポリイソシアネート系硬化剤を併
用することは望ましいことであり、この硬化剤としては
コロネートL[日本ポリウレタン工業(株)製商品
名]、ディスモジュールL(バイエル社製商品名)等の
3官能性イソシアネート、両末端にイソシアネート基を
有するウレタンプレポリマーなどが例示される。これら
の硬化剤の使用量は前記の併用される樹脂を含めた結合
剤樹脂 100重量部当り5〜40重量部とすることが好まし
い。
【0015】本発明に使用される強磁性微粉末として
は、γ-Fe2O3、 Fe3O4及びこれらにコバルトイオンを吸
着又はドープしたもの、CrO2、さらにFe、Co、 Fe-Co、
Ni等を含有させた金属又は合金の針状微粒子などをはじ
め、その他の従来公知の各種磁性粉末が例示される。強
磁性微粉末と結合剤樹脂との混合割合は、強磁性微粉末
100重量部当り結合剤樹脂8〜50重量部とすることが望
ましい。なお、強磁性微粉末と結合剤樹脂とを均一に分
散させるに当たり、従来一般に使用されている潤滑剤、
研磨剤、帯電防止剤、分散助剤、防錆剤等を添加するこ
と、さらに塗布媒体としてメチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン等のほ
か各種の有機溶剤を使用することは従来と同様でよく、
これらの点に特別の制限はない。
【0016】支持体としてはポリエステル、ポリオレフ
ィン、セルロースアセテート、ポリカーボネート等の合
成樹脂類、非磁性金属類、セラミック類などが使用さ
れ、形態はフィルム、テープ、シート、板状体等で使用
される。支持体上に磁性層を形成するための塗布手段と
しては公知の方法を用いればよく、適宜カレンダリング
処理等の平滑化処理を施すことにより、本発明の目的と
する高性能磁気記録媒体が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を共
重合体の合成例及びこの共重合体を用いた具体的実施例
ならびに比較例をあげて説明するが、本発明はこの実施
例の範囲に限定されるものではない。なお、例中の部及
び%はそれぞれ重量部と重量%を示す。また、共重合体
中の各単量体単位は下記の方法により定量した。 塩化ビニル単位:試料を酸素中で白金触媒を用いて燃焼
させ、発生した塩酸を水に吸収させて硝酸銀溶液で滴定
する。 水酸基含有有機基を有するビニル系単量体単位及びビニ
ルアルコール単位:FT−IRによりC-OH/C-Cl 吸収比
から定量する。 硫黄分:蛍光X線分析装置(島津製作所製VF320A)によ
り定量する。
【0018】合成例1(ポリマー1の合成) 攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器
に、窒素置換後、脱イオン水 2,080部、塩化ビニル 417
部、ヒドロキシプロピルアクリレート36部、ベンゾイル
パーオキサイド 1.2部、部分ケン化ポリビニルアルコー
ル 5部及びn−ドデシルメルカプタン10部を仕込み、攪
拌しながら75℃に加温して反応を開始させ、さらに塩化
ビニル 687部及びヒドロキシプロピルアクリレート60部
を 5時間を要して連続添加し重合反応させた。重合容器
内圧が 8時間後に 1.0kg/cm2(ゲージ圧)になったので
残圧を抜き冷却し 1,500部の脱イオン水で 3回洗浄し、
ろ過し、50℃で乾燥して共重合体(ポリマー1) 1,090
部を得た。得られたポリマー1は、塩化ビニル単位89.1
%、ヒドロキシプロピルアクリレート単位10.1%、硫黄
分0.15%、平均重合度 200であった。
【0019】合成例2(ポリマー2の合成) 攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器
に、窒素置換後、脱イオン水 2,080部、塩化ビニル 510
部、酢酸ビニル 180部、ベンゾイルパーオキサイド 1.2
部、部分ケン化ポリビニルアルコール 5部及びオクチル
メルカプタン 5部を仕込み、攪拌しながら70℃に加温し
て反応を開始させ、さらに塩化ビニル 510部を 5時間を
要して連続添加し重合反応させた。重合容器内圧が 8時
間後に 1.0kg/cm2(ゲージ圧)になったので残圧を抜き
冷却し 1,500部の脱イオン水で 3回洗浄し、ろ過し、50
℃で乾燥して共重合体 1,090部を得た。このものは塩化
ビニル単位85.8%、酢酸ビニル単位13.3%、硫黄分0.15
%、平均重合度 320であった。攪拌装置、ジャケット付
反応器に、この共重合体 200部、メタノール 280部、ア
セトン 120部及び水酸化ナトリウム 7部を仕込み、35℃
で 4時間ケン化反応させた後、室温まで冷却し、1Nの塩
酸50部で未反応水酸化ナトリウムを中和した。これを
1,000部のメタノールで 4回、さらに 1,000部の脱イオ
ン水で 2回洗浄し、ろ過し、50℃で乾燥して共重合体
(ポリマー2) 172部を得た。このポリマー2は、塩化
ビニル単位91.5%、ビニルアルコール単位 5.3%、酢酸
ビニル単位 2.8%、硫黄分0.10%、平均重合度 310であ
った。
【0020】合成例3(ポリマー3の合成) 攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器
に、窒素置換後、脱イオン水 2,000部、ラウリル硫酸ナ
トリウム25部、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエ
ーテル20部、t−ブチルハイドロパーオキサイド 2.7
部、炭酸ナトリウム6部、ドデシルメルカプタン15部、
塩化ビニル 164部、ヒドロキシエチルアクリレート20部
及びアリルグリシジルエーテル80部を仕込み、攪拌しな
がら65℃に加温して反応を開始させ、さらに塩化ビニル
568部及びヒドロキシエチルアクリレート 168部を 8時
間を要して連続添加し重合反応させた。重合容器内圧が
12時間後に 0.5kg/cm2(ゲージ圧)になったので残圧を
抜き、50%塩化カルシウム水溶液 3,000部を加えて昇温
させ、80℃で1時間攪拌して共重合体を析出させた。析
出した共重合体を 3,000部の脱イオン水で3回洗浄し、
ろ過し、50℃で乾燥して共重合体(ポリマー3) 890部
を得た。このポリマー3は、塩化ビニル単位75.5%、ヒ
ドロキシエチルアクリレート単位18.3%、アリルグリシ
ジルエーテル単位4.3%、硫黄分 0.3%、平均重合度 35
0であった。
【0021】合成例4(ポリマー4の合成) 攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器
に、窒素置換後、脱イオン水 2,000部、ラウリル硫酸ナ
トリウム25部、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエ
ーテル20部、t−ブチルハイドロパーオキサイド 2.7
部、炭酸ナトリウム6部、オクチルメルカプタン10部、
塩化ビニル 164部、アリルヒドロキシエチルエーテル25
部及び無水マレイン酸10部を仕込み、攪拌しながら60℃
に加温して反応を開始させ、さらに塩化ビニル 680部、
アリルヒドロキシエチルエーテル 111部及び無水マレイ
ン酸10部を 8時間を要して連続添加し重合反応させた。
重合容器内圧が12時間後に 1.5kg/cm2(ゲージ圧)にな
ったので残圧を抜き、50%塩化カルシウム水溶液 3,000
部を加えて昇温させ、80℃で1時間攪拌して共重合体を
析出させた。析出した共重合体を 3,000部の脱イオン水
で3回洗浄し、ろ過し、50℃で乾燥して共重合体(ポリ
マー4) 820部を得た。このポリマー4は、塩化ビニル
単位80.5%、アリルヒドロキシエチルエーテル単位17.8
%、無水マレイン酸単位 0.9%、硫黄分0.17%、平均重
合度 320であった。
【0022】合成例5(ポリマー5の合成) 攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器
に、窒素置換後、メタノール 2,000部、ジイソプロピル
パーオキシジカーボネート10部、ドデシルメルカプタン
2部、塩化ビニル 180部及びヒドロキシプロピルアクリ
レート16部を仕込み、攪拌しながら55℃に加温して反応
を開始させ、さらに塩化ビニル 740部及びヒドロキシプ
ロピルアクリレート64部を 8時間を要して連続添加し重
合反応させた。反応開始12時間後に残圧を抜き、 2,000
部のメタノールで3回、 3,000部の脱イオン水で2回洗
浄し、ろ過し、50℃で乾燥して共重合体(ポリマー5)
620部を得た。このポリマー5は、塩化ビニル単位88.8
%、ヒドロキシプロピルアクリレート単位10.8%、硫黄
分0.07%、平均重合度 150であった。
【0023】合成例6(ポリマー6の合成) 連鎖移動剤n−ドデシルメルカプタン10部の代わりにト
リクレン30部を使用した以外は、合成例1と同様の方法
で重合し、洗浄、ろ過、乾燥して共重合体(ポリマー
6) 1,050部を得た。このポリマー6は、塩化ビニル単
位89.5%、ヒドロキシプロピルアクリレート単位10.5
%、平均重合度 210であった。
【0024】合成例7(ポリマー7の合成) 合成例2と同様の方法で重合し、洗浄、ろ過、乾燥して
得た、ケン化前の共重合体をポリマー7とした。このポ
リマー7は前出のとおり、塩化ビニル単位85.8%、酢酸
ビニル単位13.3%、硫黄分0.15%、平均重合度 320であ
った。
【0025】合成例8(ポリマー8の合成) 攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器
に、窒素置換後、脱イオン水 2,000部、ラウリル硫酸ナ
トリウム25部、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエ
ーテル20部、t−ブチルハイドロパーオキサイド 2.7
部、炭酸ナトリウム6部、塩化ビニル 425部及び酢酸ビ
ニル 150部を仕込み、攪拌しながら77℃に加温して反応
を開始させ、さらに塩化ビニル 425部を 5時間を要して
連続添加し重合反応させた。重合容器内圧が 7時間後に
1.0kg/cm2(ゲージ圧)になったので残圧を抜き、50%
塩化カルシウム水溶液 3,000部を加えて昇温させ、80℃
で1時間攪拌して共重合体を析出させた。析出した共重
合体を 3,000部の脱イオン水で3回洗浄し、ろ過し、50
℃で乾燥して共重合体 890部を得た。攪拌装置、ジャケ
ット付反応器に、この共重合体 200部、メタノール 280
部、アセトン 120部及び水酸化ナトリウム 7部を仕込
み、35℃で 4時間ケン化反応させた後、室温まで冷却
し、1Nの塩酸50部で未反応水酸化ナトリウムを中和し
た。これを 1,000部のメタノールで 4回、さらに 1,000
部の脱イオン水で 2回洗浄し、ろ過し、50℃で乾燥して
共重合体(ポリマー8) 165部を得た。このポリマー8
は、塩化ビニル単位91.5%、ビニルアルコール単位 5.7
%、酢酸ビニル単位 2.8%、平均重合度 330であった。
【0026】実施例1〜5、比較例1〜3 磁性塗料の調製 A液 ポリマー1〜8 30部 磁性粉末(Fe-Co-Ni)比表面積50m2/g 300部 ポリウレタン樹脂[N−2304:日本ポリウレタン工業(株)製商品名]20部 シリコーンオイル(ジメチルポリシロキサン) 3部 メチルエチルケトン 300部 メチルイソブチルケトン 300部 トルエン 300部 上記成分をミキサーで90分間混合し、さらにアイガーミ
ルで 3時間混練して塗料A液を得た。 B液 A液 1,250部 ポリイソシアネート[コロネートL:日本ポリウレタン工業(株)製商品名] 6部 上記成分をミキサーで90分間混合分散させ塗料B液を得
た。
【0027】磁気テープの作製 ポリエステルフィルム上に上記塗料B液を 5μm厚に塗
布し、磁場配向処理を行って乾燥し、ついでスーパーカ
レンダーを用い表面処理して磁気テープを作った。
【0028】物性の測定 上記のようにして得た塗料A液の粘度、磁気テープの塗
膜特性及び磁気特性を調べた。結果は表1に示すとおり
であった。なお、各特性の測定は下記のようにして行な
った。 a.塗料A液の粘度 混練調製したA液の粘度をE型粘度計で測定(初期粘
度)した。 b.光沢 グロスメーター(村上色彩技研製)によりカレンダー処
理前の塗布面の60度反射率を標準ガラス板と比較した。 c.配向度及び角型比 いずれも振動試料型磁力計(東栄工業製)を用いて測定
した。 d.耐久性 作製した磁気テープを65℃、相対湿度90%の恒温恒湿室
で 168時間放置後、荷重100gをかけ、研磨紙を貼りつけ
た回転ドラムに接触させて、150rpmで 1,000回回転さ
せ、磁性塗膜が研磨紙に付着した程度を目視により4段
階評価した。 ◎:研磨紙の汚れなし、○:ごく僅かに汚れあり、△:
汚れ少しあり、×:汚れ多い
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明により、微粒子の強磁性粉末が高
分散された、塗布作業に適した粘度を持つ磁性塗料が得
られ、その塗料を用いることにより、塗膜表面の平滑性
及び耐久性が良好で、かつ磁気特性が優れた新規な磁気
記録媒体が提供された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 127/06 PFE C09D 127/06 PFE 175/04 PHR 175/04 PHR

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に強磁性微粉末を結合剤
    中に分散せしめた磁性層を設けてなる磁気記録媒体にお
    いて、該結合剤が(イ)塩化ビニル単位及び(ロ)側鎖
    として水酸基含有有機基を有するビニル系単量体単位又
    は/及びビニルアルコール単位を必須構成成分としてな
    る、SH基を有する連鎖移動剤の存在下に共重合させて
    得られた塩化ビニル系共重合体を主剤とすることを特徴
    とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記共重合体が(イ)単位80〜97重量
    %、(ロ)単位 3〜20重量%からなる(ただし、他のビ
    ニル系単量体単位を10重量%以下含み得る。)、平均重
    合度 100〜500 の塩化ビニル系共重合体である請求項1
    に記載の磁気記録媒体。
JP24401495A 1995-09-22 1995-09-22 磁気記録媒体 Pending JPH0991676A (ja)

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