JPH07282433A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH07282433A
JPH07282433A JP7050794A JP7050794A JPH07282433A JP H07282433 A JPH07282433 A JP H07282433A JP 7050794 A JP7050794 A JP 7050794A JP 7050794 A JP7050794 A JP 7050794A JP H07282433 A JPH07282433 A JP H07282433A
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JP
Japan
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parts
magnetic
meth
polymer
copolymer
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JP7050794A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Yasuhara
喜之 安原
Masahiko Ichihana
征彦 一花
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Nissin Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nissin Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nissin Chemical Industry Co Ltd filed Critical Nissin Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP7050794A priority Critical patent/JPH07282433A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 磁性粉末の分散と粘度安定性の良い結合剤用
樹脂による磁気特性に優れ、耐久性、走行性にも優れた
磁性層をもつ磁気記録媒体を提供する。 【構成】 磁性層を形成するための結合剤が、0.5 〜6.
0 重量%のエポキシ基を有する塩化ビニル系またはアク
リル系共重合体と、0.5 〜6.0 重量%のカルボキシル基
を有する塩化ビニル系またはアクリル系共重合体とを組
合せたもの(ただし、エポキシ基を有する共重合体とカ
ルボキシル基を有する共重合体の少なくともどちらか一
方は塩化ビニル系共重合体である。)を主剤とすること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気テープ、磁気カー
ド、フロッピーディスク等の磁気記録媒体に関するもの
であり、特には微細な強磁性微粉末に対して分散性が良
好で、結合剤の架橋剤としてウレタンプレポリマーを用
いないので磁性塗料の安定性に優れ、加熱により架橋さ
せることができ、なおかつ得られた塗膜が耐久性、耐摩
耗性に優れた性能を示す改良された磁気記録媒体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】磁気テープ、磁気カード、フロッピーデ
ィスク等の磁気記録媒体は、合成樹脂を主剤とする結合
剤を磁性粉末とともに混合分散しさらにウレタンプレポ
リマーを添加して磁性塗料を調製し、支持体表面に塗
布、乾燥させた後、加熱硬化(架橋)させて磁性層を設
けることによりつくられている。この磁性塗膜の耐久性
を向上させる目的で磁性塗料の調製時に通常配合されて
いるウレタンプレポリマーは、空気中の水分等とも反応
するため注意深く取り扱わないと塗料調製中や貯蔵中に
塗料粘度が上昇し、このような塗料を用いた場合には平
滑な塗膜が得られないことがある。従ってウレタンプレ
ポリマーを使用した塗料はポットライフが限られている
という欠点をもっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来技術が有するような問題点がなく、微細な磁性粉末に
対して分散性が良好で粘度安定性の良い磁性塗料を与え
る結合剤用の樹脂を開発し、特性の優れた磁性層をもつ
磁気記録媒体を提供するためになされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は前記の課題を解
決したものであり、本発明は、非磁性支持体上に強磁性
微粉末を結合剤中に分散せしめた磁性層を設けてなる磁
気記録媒体において、該結合剤が 0.5〜 6.0重量%のエ
ポキシ基を有する塩化ビニル系またはアクリル系共重合
体と、 0.5〜 6.0重量%のカルボキシル基を有する塩化
ビニル系またはアクリル系共重合体とを組合せたもの
(ただし、エポキシ基を有する共重合体とカルボキシル
基を有する共重合体の少なくともどちらか一方は塩化ビ
ニル系共重合体である。)を主剤とすることを特徴とす
る磁気記録媒体、を要旨とするものである。すなわち、
本発明者らは前記の課題を解決するため鋭意検討の結
果、塩化ビニル系共重合体同士または塩化ビニル系共重
合体とアクリル系共重合体の組合せであって、かつエポ
キシ基を有する共重合体とカルボキシル基を有する共重
合体の組合せであるものを結合剤の主剤に用い、磁性塗
料を塗布したあと磁性層を加熱して共重合体を架橋させ
ることにより、磁性塗料の安定性が優れ、磁性塗膜の耐
久性、耐摩耗性が向上することを見出し、さらに各種単
量体の割合、加熱架橋の温度条件等について検討を加え
て本発明を完成させた。
【0005】分子中にエポキシ基とカルボキシル基を共
に含む塩化ビニル系共重合体の場合には、この共重合体
の貯蔵中に架橋が進行して溶剤に溶けにくくなるので、
エポキシ基を有する塩化ビニル系共重合体とカルボキシ
ル基を有する塩化ビニル系共重合体を別々に製造してお
き、塗料製造時に組合せ混合することが必要である。ま
た、エポキシ基を有する塩化ビニル系共重合体とカルボ
キシル基を有するアクリル系共重合体の組合せ、あるい
はエポキシ基を有するアクリル系共重合体とカルボキシ
ル基を有する塩化ビニル系共重合体の組合せにおいても
本発明の目的を達成することができる。なお、本願にお
いてアクリル系とはメタクリル系を含む総称である。以
下に本発明について詳しく説明する。
【0006】本発明で用いる共重合体にエポキシ基を導
入するためにエポキシ基を有する単量体を使用する。こ
のような単量体の例としては、アリルグリシジルエーテ
ル、メタリルグリシジルエーテル等の不飽和アルコール
のグリシジルエーテル類;グリシジルアクリレート、グ
リシジルメタクリレート等の不飽和酸のグリシジルエス
テル類;ブタジエンモノオキサイド、ビニルシクロヘキ
センモノオキサイド、2−メチル−5,6−エポキシ−
1−ヘキセン等のエポキシドオレフィン類などがあげら
れる。このエポキシ基を有する単量体は1種類のみ用い
ても2種類以上を併用してもよいが、共重合体中のエポ
キシ基の量が少なすぎると耐久性が低下し、多すぎても
塗膜の柔軟性がなくなって脆くなり耐久性が低下するの
で、共重合体中のエポキシ基の量は 0.5〜 6.0重量%と
するが、好ましくは 1.0〜 4.5重量%である。このよう
なエポキシ基量を与える量の単量体を使用する。
【0007】また、共重合体にカルボキシル基を導入す
るためにカルボキシル基を有する単量体を使用する。こ
のような単量体の例としては、
【化1】 (式中、XおよびYは水素原子または1価炭化水素基を
示すが、少なくとも一方は水素原子である。)
【化2】 などがあげられる。
【0008】このカルボキシル基を有する単量体も1種
類のみ用いても2種類以上を併用してもよいが、共重合
体中のカルボキシル基の量が少なすぎると強磁性粉末の
分散性が低下するほか耐久性も低下するし、多すぎると
磁性塗料の粘度が高くなるので、共重合体中のカルボキ
シル基の量は 0.5〜 6.0重量%とするが、好ましくは1.
0〜 4.5重量%である。このようなカルボキシル基量を
与える量の単量体を使用する。
【0009】本発明で用いる塩化ビニル系共重合体を作
るためには塩化ビニル(全単量体中50〜95重量%の範囲
が好ましい。)と前記のエポキシ基またはカルボキシル
基を導入するための単量体が用いられるが、これら以外
の重合性単量体を共重合させることができる。このよう
な単量体の例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、モノクロル酢酸ビニル、バーサチック酸ビニル等の
カルボン酸ビニルエステル;マレイン酸ジヒドロキシエ
チル、イタコン酸ジエチル等の不飽和カルボン酸ジエス
テル;ビニルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、
(メタ)アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸ソーダ、
(メタ)アリルスルホン酸ソーダ等の不飽和スルホン酸
及びその金属塩;モノ(メタクリロイルオキシエチル)
アシッドホスフェート、モノ(アクリロイルオキシポリ
オキシプロピレングリコール)アシッドホスフェート等
の不飽和リン酸エステル;メチルビニルエーテル、イソ
ブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、ヒドロ
キシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエ
ーテル等のビニルエーテル;アリルヒドロキシエチルエ
ーテル、アリルヒドロキシプロピルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノアリルエーテル、グリセリンモノアリ
ルエーテル等のアリルエーテル;塩化ビニリデン、弗化
ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン;エチレン、プロ
ピレン等のオレフィン;スチレン、α−メチルスチレン
等の芳香族ビニル;N−ビニルピロリドン、N−ビニル
カルバゾール、ビニルピリジン;メチル(メタ)アクリ
レート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メ
タ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等の
アリール(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等のヒド
ロキシ(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)
アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、
メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート
等のアルコキシ(メタ)アクリレート;(メタ)アクリ
ルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N−
メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチ
ル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド;(メ
タ)アクリロニトリルなどがあげられる。これらの単量
体は本発明の効果を損なわないかぎり、全単量体中50重
量%以下の範囲で使用することができる。
【0010】本発明で用いるアクリル系共重合体を作る
ためには、前記のエポキシ基またはカルボキシル基を導
入するための単量体及びアクリル系単量体(アクリルと
メタクリルの両者が包含され、全単量体中50〜99重量%
の範囲が好ましい。)が使用される。アクリル系単量体
の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル
(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレー
ト;ベンジル(メタ)アクリレート等のアリール(メ
タ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリ
エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセ
ロールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ(メ
タ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポ
リエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコ
キシ(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、
ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)
アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリル
アミド等の(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリロ
ニトリルなどがあげられ、このアクリル系単量体は1種
のみ用いても2種類以上を併用してもよい。
【0011】また、アクリル系共重合体の製造に際して
は、前記のエポキシ基またはカルボキシル基を導入する
ための単量体及びアクリル系単量体以外の重合性単量体
を共重合させることができる。このような単量体の例と
しては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、モノクロル
酢酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のカルボン酸ビニ
ルエステル;マレイン酸ジヒドロキシエチル、イタコン
酸ジエチル等の不飽和カルボン酸ジエステル;ビニルス
ルホン酸、メチルビニルスルホン酸、(メタ)アリルス
ルホン酸、ビニルスルホン酸ソーダ、(メタ)アリルス
ルホン酸ソーダ等の不飽和スルホン酸及びその金属塩;
モノ(メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェ
ート、モノ(アクリロイルオキシポリオキシプロピレン
グリコール)アシッドホスフェート等の不飽和リン酸エ
ステル;メチルビニルエーテル、イソブチルビニルエー
テル、セチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニル
エーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等のビニル
エーテル;アリルヒドロキシエチルエーテル、アリルヒ
ドロキシプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ
アリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル等のア
リルエーテル;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香
族ビニルなどがあげられる。これらの単量体は本発明の
効果を損わないかぎり、全単量体中50重量%以下の範囲
で使用することができる。
【0012】さらに、本発明で使用する単量体の種類と
量は、磁気記録媒体の結合剤に併用される後述の他の樹
脂、一般にはポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リアミド樹脂、ポリスルフィド樹脂、アクリロニトリル
−ブタジエン共重合体などとの相溶性をも考慮し、塗膜
の物性に応じて選定される。
【0013】以上に説明した各単量体の組み合せから構
成される共重合体は、分子量が低すぎると磁性塗膜がも
ろくなるなど物理的強度が低下し、また磁気テープ等の
耐久性も低下するし、逆に分子量が高すぎると所定濃度
における磁性塗料の粘度が高くなって作業性が悪くなり
取扱が困難となってくるので、その平均分子量はGPC
法により測定して10,000〜100,000 であることが好まし
く、より好ましくは15,000〜60,000の範囲である。分子
量の調整にはn−ドデシルメルカプタン、チオグリコー
ル、トリクロルエチレンなどの分子量調整剤を用いるこ
ともできる。
【0014】磁気記録媒体の磁性層の耐久性を向上させ
る目的で、ウレタンプレポリマーを結合剤中の合成樹脂
の架橋剤として用い60〜70℃で24時間処理することが通
常行われているが、本発明においては、この種の架橋剤
を用いる必要のないことが大きな特徴である。本発明に
おいては、十分な特性を得るためには組合わされた共重
合体中に少なくともエポキシ基が0.45重量%、カルボキ
シル基が0.45重量%含まれるように共重合体の各基の含
有量と配合比率を調整することが望ましい。このように
すると、結合剤の主剤として組合わせられる塩化ビニル
系共重合体またはアクリル系共重合体の一方にエポキシ
基がもう一方にカルボキシル基が含まれているため、一
定温度以上に加熱すると架橋して耐久性、耐摩耗性が向
上する。加熱架橋は架橋促進剤の使用または無使用で行
なわれる。
【0015】架橋促進剤としてはトリアルキルアミン、
ジメチルアミノプロピルアミン、テトラメチルグアニジ
ン、ジメチルアミノエタノール、トリエタノールアミ
ン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチルモルホ
リン、ヘキサメチレンテトラミン、ベンジルジメチルア
ミン、ピリジン、ピラジン等の塩基及びこれらの塩基の
塩等の含窒素塩基類;三フッ化ほう素モノエチルアミ
ン、三フッ化ほう素ピペリジン、三フッ化ほう素アニリ
ン等の三フッ化ほう素のアミンコンプレックス;無水フ
タル酸、無水マレイン酸等の酸無水物;p−トルエンス
ルホン酸、安息香酸等の有機酸;フェノール、ビスフェ
ノールA、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール
等のフェノール化合物;ケトン封鎖ポリアミン類;トリ
メチルベンジルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム
塩;苛性カリ等の金属水酸化物などが例示され、これら
は配合塗料の可使時間、加熱温度、架橋速度を考慮して
単独または組み合わせて使用される。
【0016】本発明で使用する塩化ビニル系共重合体及
びアクリル系共重合体は、ラジカル重合方式で一般の溶
液重合法、沈殿重合法、懸濁重合法、乳化重合法などに
より製造することができる。共重合体の製造に際して使
用される重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過
硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩や過酸化
水素;ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−
ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサ
イド、キュメンハイドロパーオキサイド、ジブチルパー
オキサイド等の有機過酸化物系開始剤;アゾビスイソブ
チロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等の窒素含
有開始剤が例示され、これらを単独で使用するか、ある
いは必要に応じこれらと酸性亜硫酸ソーダ、ロンガリッ
ト、L−アスコルビン酸、糖類、アミン類などの還元剤
を併用して常法により重合を行うことができる。
【0017】溶液重合の場合、溶剤としては、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエ
ステル類が例示され、沈殿重合の場合の溶剤としては、
メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコ
ール類;ヘキサン、ペンタン等の炭化水素類が例示され
る。懸濁重合の場合の懸濁安定剤としては、ポリビニル
アルコール、ポリ酢酸ビニル部分ケン化物等のポリビニ
ルアルコール系重合体;メチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の
セルロース誘導体;ポリビニルピロリドン、ポリアクリ
ルアミド、マレイン酸−スチレン共重合体、マレイン酸
−メチルビニルエーテル共重合体等の合成高分子;でん
ぷん、ゼラチン等の天然高分子などが例示される。乳化
重合の場合の乳化剤としては、アルキルまたはアルキル
アリル硫酸塩、アルキルまたはアルキルアリルスルホン
酸塩、アルキルアリルスルホコハク酸塩等のアニオン性
乳化剤;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンカルボン酸エステル等のノニオン性乳化剤など
が例示される。
【0018】重合に際しては、以上に記した単量体、重
合開始剤、懸濁安定剤、乳化剤などを重合開始時に一括
して重合系に添加してもよいし、重合中に分割して添加
することもできる。乳化重合の場合には、重合後に公知
の塩析法に従い、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硫
酸ナトリウムのような無機塩の水溶液を加えるか、水溶
性有機溶剤などを加えるなどして粒子を凝集させたの
ち、ろ過、洗浄し乾燥すればよい。
【0019】磁性塗料液製造時、上記共重合体を結合剤
の主剤として使用する際、必要に応じ他の樹脂が等量以
下の量で併用されてもよく、この併用し得る樹脂として
はポリウレタン樹脂、ニトロセルローズ、ポリエステル
樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹
脂、アルキッド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ
スルフィド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体等の重合体または共重合体などの各種重合体が例示さ
れる。これらのうちではポリウレタン樹脂が好適であ
る。
【0020】本発明に使用される強磁性微粉末として
は、γ−Fe2O3 、Fe3O4 及びこれらにコバルトイオンを
吸着もしくはドープしたもの、CrO2、さらにFe、Co、Fe
-Co 、Ni等を含有させた金属または合金の針状微粒子な
どをはじめ、その他の従来公知の各種磁性粉末が例示さ
れる。強磁性微粉末と結合剤樹脂(主剤と併用する樹脂
との合計)との混合割合は、強磁性微粉末 100重量部当
り結合剤樹脂8〜50重量部とすることが望ましい。な
お、強磁性粉末と結合剤樹脂とを均一に分散させるに当
り、従来一般に使用されている潤滑剤、研磨剤、帯電防
止剤、分散助剤、防錆剤等を添加すること、さらに塗布
媒体としてメチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン、トルエン等のほか各種の有機溶
剤を使用することは従来と同様でよく、これらの点に特
別の制限はない。
【0021】支持体としてはポリエステル、ポリオレフ
ィン、セルロースアセテート、ポリカーボネート等の合
成樹脂類、非磁性金属類、セラミック類などが使用さ
れ、形態はフィルム、テープ、シート、板状体等で使用
される。支持体上に磁性層を形成するための塗布手段と
しては従来公知の方法を用いればよく、適宜カレンダリ
ング処理等の平滑化処理を施した後、加熱して共重合体
を架橋させれば本発明の目的とする高性能磁気記録媒体
が得られる。架橋条件としては60〜 130℃、3分間〜5
時間、より好ましくは80〜 100℃、5〜30分間でよいこ
とが分った。
【0022】
【実施例】つぎに、主剤となる共重合体の合成例及びこ
の共重合体を用いた具体的実施例ならびに比較例をあげ
るが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
なお例中の部及び%はそれぞれ重量部と重量%を示す。
【0023】合成例1(ポリマー1の合成) 攪拌機、コンデンサー、温度計及び窒素ガス導入口を備
えた重合容器に、窒素置換後、脱イオン水 200部、ジイ
ソプロピルパーオキシジカーボネート 0.5部、部分ケン
化ポリビニルアルコール1部、n−ドデシルメルカプタ
ン 0.3部、塩化ビニル40部、酢酸ビニル10部を仕込み、
窒素ガス雰囲気下に攪拌しながら57℃に昇温した。一
方、あらかじめ塩化ビニル40部、グリシジルメタクリレ
ート10部を混合したものを上記重合容器中へ5時間を要
して均一に追加し、さらに57℃で2時間反応させた。そ
の後、残圧を抜き、冷却し、 1,000部の脱イオン水で2
回洗浄し、ろ過、乾燥してポリマー1を得た。このポリ
マー中のエポキシ基の量は 3.1%であり、その平均分子
量は27,000であった。なお、エポキシ基の量は塩酸−ジ
オキサン法により求めた。以下同様である。
【0024】合成例2(ポリマー2の合成) 攪拌機、コンデンサー、温度計及び窒素ガス導入口を備
えた重合容器に、窒素置換後、メタノール80部、脱イオ
ン水20部、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート1
部を仕込み、窒素ガス雰囲気下に攪拌しながら53℃に昇
温した。一方、あらかじめ塩化ビニル75部、グリシジル
アクリレート13部、酢酸ビニル5部、ヒドロキシプロピ
ルアクリレート7部を混合したものを上記重合容器中へ
7時間を要して均一に追加し、さらに53℃で3時間反応
させた。その後、残圧を抜き、冷却し、脱イオン水 100
部を加えて未反応塩化ビニルモノマーを追い出し、ろ過
後さらにメタノール 1,000部/回で2回、脱イオン水
1,000部/回で2回洗浄し、ろ過、乾燥してポリマー2
を得た。このポリマー中のエポキシ基の量は 4.5%であ
り、その平均分子量は30,000であった。
【0025】合成例3(ポリマー3の合成) 攪拌機、コンデンサー、温度計及び窒素ガス導入口を備
えた重合容器に、窒素置換後、脱イオン水75部、過硫酸
カリウム 0.1部を仕込み、窒素ガス雰囲気下に攪拌しな
がら60℃に昇温した。一方あらかじめ脱イオン水55部、
塩化ビニル52部、アリルグリシジルエーテル3部、ブチ
ルアクリレート45部、ラウリル硫酸ナトリウム1部、n
−ドデシルメルカプタン 0.1部をホモミキサーで混合乳
化したものを上記重合容器中へ5時間を要して均一に追
加し、さらに60℃で2時間反応させた。その後、残圧を
抜き、冷却し、メタノール 100部、20%硫酸ナトリウム
水溶液50部を添加しポリマーを析出させた。析出したポ
リマーをろ過後メタノール1,000部/回で2回洗浄し、
次いで脱イオン水 1,000部/回で4回洗浄し、ろ過、乾
燥してポリマー3を得た。このポリマー中のエポキシ基
の量は 1.1%であり、その平均分子量は36,000であっ
た。
【0026】合成例4(ポリマー4の合成) 攪拌機、コンデンサー、温度計及び窒素ガス導入口を備
えた重合容器に、窒素置換後、脱イオン水75部、28%過
酸化水素水0.11部、1%硫酸第1鉄水溶液0.05部を仕込
み、窒素ガス雰囲気下に攪拌しながら50℃に昇温した。
一方、あらかじめ脱イオン水55部、グリシジルメタクリ
レート8部、メチルメタクリレート50部、ブチルアクリ
レート12部、ヒドロキシプロピルアクリレート10部、ス
チレン20部、ラウリル硫酸ナトリウム1部、n−ドデシ
ルメルカプタン 0.1部をホモミキサーで混合乳化したも
のを上記重合容器中へ5時間を要して均一に滴下させ、
さらに50℃で2時間反応させた後、メタノール 100部、
20%硫酸ナトリウム水溶液50部を添加しポリマーを析出
させた。析出したポリマーをろ過後、メタノール 1,000
部/回で2回洗浄し、次いで脱イオン水 1,000部/回で
4回洗浄し、ろ過、乾燥してポリマー4を得た。このポ
リマー中のエポキシ基の量は 2.5%であり、その平均分
子量は50,000であった。
【0027】合成例5(ポリマー5の合成) 合成例1において共重合単量体として、初期仕込みに塩
化ビニル32部、酢酸ビニル23部を、追加に塩化ビニル32
部、無水マレイン酸6部、ヒドロキシプロピルアクリレ
ート7部を混合して用いた以外は、合成例1と同様な操
作を行いポリマー5を得た。このポリマー中のカルボキ
シル基の量は 2.8%であり、その平均分子量は29,000で
あった。なお、カルボキシル基の量は苛性ソーダ−メタ
ノール標準液による中和滴定法により求めた。以下同様
である。
【0028】合成例6(ポリマー6の合成) 合成例2において共重合単量体として、塩化ビニル75
部、アクリル酸7部、酢酸ビニル18部を用いた以外は、
合成例2と同様な操作を行いポリマー6を得た。このポ
リマー中のカルボキシル基の量は 4.5%であり、その平
均分子量は25,000であった。
【0029】合成例7(ポリマー7の合成) 合成例3において共重合単量体として、塩化ビニル65
部、メタクリル酸2部、ブチルアクリレート24部、30%
ビニルスルホン酸ソーダ水溶液30部を用いた以外は、合
成例3と同様な操作を行いポリマー7を得た。このポリ
マー中のカルボキシル基の量は 1.0%であり、その平均
分子量は38,000であった。
【0030】合成例8(ポリマー8の合成) 合成例4において共重合単量体として、メタクリル酸6
部、メチルメタクリレート75部、ブチルアクリレート7
部、アリルヒドロキシエチルエーテル12部を用いた以外
は、合成例4と同様な操作を行いポリマー8を得た。こ
のポリマー中のカルボキシル基の量は 3.2%であり、そ
の平均分子量は40,000であった。
【0031】実施例1 下記の成分を用いて磁性塗料を調製した。 主剤 ポリマー1 9部 主剤 ポリマー5 9部 比表面積35m2/gの Co-γ-Fe2O3 100部 ポリウレタン樹脂[N−2304:日本ポリウレタン工業(株)製商品名] 7部 カーボンブラック 5部 レシチン 2部 メチルエチルケトン 75部 シクロヘキサノン 75部 トルエン 75部 上記成分をラボミキサーで90分間混合し、さらにガラス
ビーズの入ったアイガーミルで3時間混練後ろ過して得
た液から 355部をとり、さらにシクロヘキサノン30部、
ジメチルアミノエタノール1部を加えてラボミキサーで
90分間混合分散させ塗料液を得た。
【0032】ポリエステルフィルム上に上記塗料液を6
μm厚に塗布し、磁場配向処理を行なって乾燥し、つい
でスーパーカレンダーにて表面処理した後、90℃で10分
間加熱架橋して磁気テープを作った。上記のようにして
得た塗料液の粘度安定性、磁気テープの塗膜特性及び磁
性特性を調べた。結果は表1に示すとおりであった。
【0033】実施例2〜5、比較例1〜2 実施例1において結合剤の主剤としてのポリマーを下記
の如く用いた以外は実施例1と同様な操作を行い磁気テ
ープを作った。塗料液の粘度安定性、磁気テープの塗膜
特性及び磁性特性を調べた結果は表1に示すとおりであ
った。 実施例2:ポリマー2 11部、 ポリマー6 7部 実施例3:ポリマー3 9部、 ポリマー7 9部 実施例4:ポリマー1 8部、 ポリマー8 10部 実施例5:ポリマー4 9部、 ポリマー5 9部 比較例1:ポリマー1 18部 比較例2:ポリマー6 18部
【0034】比較例3 下記の成分を用いて磁性塗料を調製した。 主剤 ポリマー1 9部 主剤 ポリマー5 9部 比表面積35m2/gの Co-γ-Fe2O3 100部 ポリウレタン樹脂(N−2304:前出) 7部 カーボンブラック 5部 レシチン 2部 メチルエチルケトン 75部 シクロヘキサノン 75部 トルエン 75部 上記成分をラボミキサーで90分間混合し、さらにガラス
ビーズの入ったアイガーミルで3時間混練後ろ過して得
た液から 355部をとり、 ポリイソシアネート [コロネートL:日本ポリウレタン工業(株)製商品名] 5部 シクロヘキサノン 30部 を加えてラボミキサーで90分間混合分散させ塗料液を得
た。
【0035】ポリエステルフィルム上に上記塗料液を6
μm厚に塗布し、磁場配向処理を行なって乾燥し、つい
でスーパーカレンダーにて表面処理した後、60℃で24時
間加熱架橋して磁気テープを作った。上記のようにして
得た塗料液の粘度安定性、磁気テープの塗膜特性及び磁
性特性を調べた結果は表1に示すとおりであった。
【0036】
【表1】
【0037】なお、各特性の測定は下記のようにして行
なった。 a.塗料液の粘度安定性 混練調整した塗料液の粘度をE型粘度計で測定(初期粘
度)し、残液を25℃で48時間放置後再度粘度を測定し
た。初期粘度を 100としたときの48時間後の粘度の比率
をもとに4段階で評価した。 ◎:粘度変化のほとんどないもの(110 %未満) ○:少し増粘(110 〜 200%) △:増粘大(200 %超) ×:ゲル化 b.光沢 グロスメーター(村上色彩技研製)によりカレンダー処
理前の60度反射率を標準ガラス板と比較した。 c.角型比 振動試料型磁力計(東栄工業製)を用いて測定した。 d.耐久性 作製した磁気テープを65℃、相対湿度90%の恒温恒湿室
で 168時間放置後、荷重100gをかけ、研摩紙を貼りつけ
た回転ドラムに接触させて、150rpmで 1,000回回転さ
せ、磁性塗料が研摩紙に付着することによる研磨紙の汚
れを目視により4段階評価した。 ◎:研磨紙の汚れなし、 ○:ごく僅かに汚れあり、 △:汚れ少しあり、 ×:汚れ多い e.走行性 耐久性評価と同じ方法で塗膜と回転ドラム間に発生する
力を、65℃、相対湿度80%の雰囲気でUゲージにより測
定し、走行抵抗が低い方から順に3段階評価した。 ○:低、△:中、×:高
【0038】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体は、磁性粉末の分
散が良く磁気特性の優れた磁性層をもち、この磁性層は
耐久性、耐摩耗性にも優れているので本発明は極めて有
利である。また、本発明で使用する結合剤樹脂は貯蔵安
定性に優れ、組合せて得られた磁性塗料の粘度安定性に
も優れたものであり、磁気記録媒体の製造を容易にして
いる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に強磁性微粉末を結合剤
    中に分散せしめた磁性層を設けてなる磁気記録媒体にお
    いて、該結合剤が 0.5〜 6.0重量%のエポキシ基を有す
    る塩化ビニル系またはアクリル系共重合体と、 0.5〜
    6.0重量%のカルボキシル基を有する塩化ビニル系また
    はアクリル系共重合体とを組合せたもの(ただし、エポ
    キシ基を有する共重合体とカルボキシル基を有する共重
    合体の少なくともどちらか一方は塩化ビニル系共重合体
    である。)を主剤とすることを特徴とする磁気記録媒
    体。
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