JP3773443B2 - パッケージ形油冷式圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、装置を構成する機器がパッケージ内に収容されたパッケージ形油冷式圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図3および4に示すパッケージ形油冷式圧縮機40が公知である(特開平10-176668号公報)。このパッケージ形油冷式圧縮機40では、パッケージ41の内部が仕切板42により第1室43と第2室44とに分割され、パッケージ41には、第1室43の内外を連通させる第1空気流入口45、第1空気流出口46と、第2室44の内外を連通させる第2空気流入口47、第2空気流出口48とが設けられている。また、第1室43には、圧縮機本体49と、圧縮機本体49を駆動する冷却ファン付きモータ51と、圧縮機本体49から油を随伴して吐出された圧縮空気から上記油を分離回収する油分離回収器52とが収容され、第2室44には、モータ51の出力軸53が仕切板42を貫いて突出しており、その先端に両吸込み形シロッコファン54が設けられている。さらに、第2室44の上部における第2空気流出口48の下方には、油分離回収器52からの油を冷却するための空冷式油クーラ55と、油分離回収器52で油分離され、送り出された圧縮空気を冷却する空冷式アフタークーラ56とが設けられ、シロッコファン54、油クーラ55およびアフタークーラ56はダクト57内に収容されている。
【0003】
そして、第1空気流入口45から流入した空気が圧縮機本体49に吸込まれ、油分離回収器52から延びる図示しない油供給流路から油注入を受けつつ圧縮され、上述したように、油を随伴して油分離回収器52へと吐出される。この油と圧縮空気とは油分離回収器52で分離され、油は一旦溜められた後、上記油供給流路を経て圧縮機本体49内の空気圧縮空間、軸受・軸封部等の給油箇所に導かれ、圧縮空気はアフタークーラ56へ向けて送り出される。
【0004】
一方、第1空気流入口45から流入した空気は、圧縮機本体49用の冷却ファンを経て流れ、第1室43内の各機器の各部を冷却して、第1空気流出口46から出てゆく。また、第2空気流入口47から流入した空気は、シロッコファン54を経て、上方に向かい、油クーラ55およびアフタークーラ56を通過し、これらを冷却した後、第2空気流出口48から出てゆく。このように、このパッケージ形油冷式圧縮機40では、シロッコファン54から出たところで、ここから送り出された空気の流れをダクト57により上向きにするように形成されている。
【0005】
これに対して、図5に示すように、並列配置された空冷式アフタークーラ61と空冷式油クーラ62の下方に軸流ファン63を配置し、これによりアフタークーラ61と油クーラ62の冷却をするようにした装置が公知である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したパッケージ形油冷式圧縮機40の場合、シロッコファン54と油クーラ55およびアフタークーラ56との間の距離が小さいと油クーラ55およびアフタークーラ56に冷却空気を一様に分散させて均一に導くのが難しく、この冷却空気を均一に導こうとすれば大きなスペースを要するという問題がある。これを図6および7を参照しつつ具体的に説明する。なお、図6および7において、71はシロッコファン、72はダクト、73はクーラ、74は整流板を示している。図6に示すように、シロッコファン71とクーラ73との間の距離を小さくするとシロッコファン71からの冷却空気の流出部の両側の、この流出部から離れた部分に冷却が十分になされないデッドスペースIが発生し、全体として、クーラ73の空気熱交換効率が悪くなる。これに対して、冷却空気を均一に送るようにすると、図7に示すように、ダクト72の長さLを大きくする必要があり、ダクト72自体が大きくなる。
【0007】
また、軸流ファン63を用いた装置の場合、軸流ファン63により発生する静圧が低く、空冷部での圧力損失を小さくする必要があるため、空冷部の軸流ファン63に対向する面を広くしなければならず、かつ軸流ファン63の空気流入側および流出側に騒音低減のための消音装置も静圧発生を阻害する故取付けることができないという問題がある。
本発明は、斯る従来の問題点をなくすことを課題としてなされたもので、大きなスペースを要することなく、空冷式油クーラの空気熱交換効率を良くし、騒音低減も可能としたパッケージ形油冷式圧縮機を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、発明は、空冷式油クーラを有するパッケージ形油冷式圧縮機において、空気流出可能に配置されたシロッコファンと、上記シロッコファンより流出した空気を、上記シロッコファンの直後に設けた該シロッコファンの送風口に対向する壁面に直接当てて、上記壁面に沿った方向に方向転換させ、流路を拡大し、上記壁面と直交するように配置した上記空冷式油クーラに導く冷却空気流路とを備え、上記冷却空気流路の内壁面に吸音材を張設した構成とした。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1および2は、本発明に係るパッケージ形油冷式圧縮機1を示し、パッケージ11内は、仕切り壁12により二つの第1空間部13と第2空間部14とに分割されている。第1空間部13には、モータ15により駆動される圧縮機本体16、例えばスクリュ式圧縮機本体、この圧縮機本体16の吸込み部に設けられた吸込みフィルタ17、圧縮機本体16の吐出側に設けられた油分離回収器18、この油分離回収器18にて油分離された圧縮空気が送り出される圧縮空気流路19、および油分離回収器18にて圧縮空気から分離された油を圧縮機本体16に送り出す油供給流路21が配置されている。また、圧縮空気流路19には保圧弁22が介設され、圧縮空気流路19はこの保圧弁22を介して、外部の圧縮空気使用箇所に延び、油供給流路21は三方弁23にて二つの流路に分岐している。
【0011】
一方、第2空間部14はパッケージ11の上面に形成された空気流出口24により外部に連通し、第2空間部14における空気流出口24の下方に空冷式油クーラ25が配置されるとともに、その下方にモータ26により駆動されるシロッコファン27が配置されている。そして、三方弁23にて分岐した二つの流路の内の一方がこの油クーラ25の入口部に接続し、油クーラ25の出口部から延びる油供給流路21の下流側部分が第1空間部13内の油フィルタ28を経て、圧縮機本体16内の空気圧縮空間、軸受・軸封部等の油供給部に至っている。また、三方弁23にて分岐した二つの流路の内の他方は、油クーラ25を経ないで、直接油供給流路21の下流側部分に合流している。
なお、図1において※印同士は直結し、*印同士も直結することを示している。
【0012】
そして、油分離回収器18からの油の温度が高い場合は、油クーラ25側に流れる油の比率が大きくなり、逆に油の温度が低い場合は上記比率が小さくなるように三方弁23の流路切換えが行われる。
油クーラ25は、シロッコファン27から送風されており、これにより油クーラ25を通過する油が冷却される。また、このパッケージ形油冷式圧縮機1の場合、図2に示すように、シロッコファン27から空気が横方向に流出し、シロッコファン27の送風口29に対向して設けられた縦壁面31に当って、縦壁面31に沿った方向に、即ちここでは上向きに方向転換して油クーラ25に導かれるように冷却空気流路32が形成されている。ここでは、その方向転換は略直角であるので、冷却空気流路32はいわば直角曲がりを有する構造ともいえる。
【0013】
このように、冷却空気が送風口29に対向して設けられた壁面に当ってその壁面に沿った方向に方向転換させられることにより、この冷却空気が広く一様に分散し、油クーラ25の広い範囲にわたって均一な流速で送られるようになる。
また、冷却空気流路32の内面には、吸音材33が張設されている。つまり、上記のとおり、冷却空気通路32がいわば直角曲がりを有する構造であり、尚且つ、その内面に吸音材33が張設されていることから、広い周波数帯において効率的な消音ダクトとして作用し、外部に漏れる騒音が抑制されている。
【0014】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、発明によれば、空冷式油クーラを有するパッケージ形油冷式圧縮機において、空気流出可能に配置されたシロッコファンと、上記シロッコファンより流出した空気を、上記シロッコファンの直後に設けた該シロッコファンの送風口に対向する壁面に直接当てて、上記壁面に沿った方向に方向転換させ、流路を拡大し、上記壁面と直交するように配置した上記空冷式油クーラに導く冷却空気流路とを備えた構成としてある。
【0015】
このため、大きなスペースを要することなく、冷却空気が冷却空気流路に広く一様に分散し、油クーラの広い範囲にわたって均一な流速で送られるようになり、この結果、油クーラの全面を効率良く使えて、良好な効率で空気熱交換が行われ、油クーラの小形化が可能になり、装置全体の小形化が可能になる等の効果を奏する。
【0016】
また、本発明によれば、上記冷却空気流路の内壁面に吸音材を張設した構成としてある。
このため、上記の効果に加えて、冷却空気流路がシロッコファンより流出した空気を例えば直角に方向転換させて空冷式油クーラに導く構造であることと、その内面に吸音材が張設されていることから、広い周波数帯において効率的な消音ダクトとして作用するので、シロッコファンおよびここからの空気による騒音がその冷却空気流路にて吸音され、外部に漏れる騒音を低減させることが可能になる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るパッケージ形油冷式圧縮機の全体構成の概略を示す図である。
【図2】 図1のII−II線断面図である。
【図3】 従来のパッケージ形油冷式圧縮機の断面図である。
【図4】 図3に示すパッケージ形油冷式圧縮機におけるシロッコファンおよびダクトの部分を示す図である。
【図5】 従来の軸流ファンを用いた空冷部を示す図である。
【図6】 図4に関連して、ダクトが短い場合の例を示す図である。
【図7】 図4に関連して、ダクトが長い場合の例を示す図である。
【符号の説明】
1 パッケージ形油冷式圧縮機 11 パッケージ
12 仕切り壁 13 第1空間部
14 第2空間部 15 モータ
16 圧縮機本体 17 吸込みフィルタ
18 油分離回収器 19 圧縮空気流路
21 油供給流路 22 保圧弁
23 三方弁 24 空気流出口
25 空冷式油クーラ 26 モータ
27 シロッコファン 28 油フィルタ
29 送風口 31 縦壁面
32 冷却空気流路 33 吸音材

Claims (1)

  1. 空冷式油クーラを有するパッケージ形油冷式圧縮機において、空気流出可能に配置されたシロッコファンと、上記シロッコファンより流出した空気を、上記シロッコファンの直後に設けた該シロッコファンの送風口に対向する壁面に直接当てて、上記壁面に沿った方向に方向転換させ、流路を拡大し、上記壁面と直交するように配置した上記空冷式油クーラに導く冷却空気流路とを備え、上記冷却空気流路の内壁面に吸音材を張設したことを特徴とするパッケージ形油冷式圧縮機。
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