JP3773352B2 - 緑色粉末の製造方法、その緑色粉末を含む食用色素及び食品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蕎麦の若株の葉や茎を原料とする緑色粉末の製造方法に関する。
また、食用色素となり、各種食品に添加した場合に鮮やかな緑色を付与することのできる緑色粉末に関する。本発明は更に、食用色素及び緑色粉末を含む食品に関する。
【0002】
【従来技術】
蕎麦の若株の茎、葉を用いて製造する緑色粉末に関して、例えば特公昭57−12587号公報や特公昭59−6631号公報に技術が開示されている。
特公昭59−6631号公報は、刈り取った蕎麦の葉又は茎を水洗、裁断して、刈り取り後24時間以内に水分が7%以下になるように乾燥し、その後粉砕する緑色粉末の製造方法を開示している。この技術による緑色粉末はそれなりに高品質のものであったが、刈り取り後24時間以内に水分7%以下に乾燥する必要があり、農家による刈り取りから製造工場への移送、工場での乾燥処理まで綿密な時間管理を必要とするという問題点があった。また同公報には、緑色粉末の粒度について蕎麦粉、小麦粉、米粉等通常の穀粉とほぼ同じ粒度であることが好ましい旨の記載があるが、このような粒度では食品への均一な混合、鮮やかな発色が十分に達成できない。さらに粗い粒子であると、食する際に歯触り、舌触りに違和感を与える結果となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、厳しい時間管理を必要とすることなく、色合い、栄養成分等の品質を保持した緑色粉末を製造する方法を提供することである。本発明の目的はまた、食品に混合した場合に、均一な混合、鮮やかな発色及び滑らかな食感を達成できる緑色粉末の製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、蕎麦の若株を刈り取り、その葉及び/又は茎を乾燥、粉砕する際に乾燥条件を比較的穏やかに低温長時間で行うことによって、及び/又はその粒度を特定することによって上記目的を達成することができることを見い出した。
従って、本発明は蕎麦の若株を刈り取り、その葉及び/又は茎を乾燥、粉砕して緑色粉末を製造する方法であって、粉砕後の平均粒径を35〜45ミクロンとすることを特徴とする方法に関する。
本発明はまた、蕎麦の若株を刈り取り、その葉及び/又は茎を乾燥、粉砕して緑色粉末を製造する方法であって、乾燥を常温下で2〜5時間、次いで35〜45℃で12〜28時間、次いで55〜65℃で5〜12時間行い、該乾燥時間が合計して20時間以上となることを特徴とする方法に関する。
本発明の好ましい実施態様としては、上記のような乾燥条件で乾燥し、且つ粉砕後の平均粒径を35〜45ミクロンとすることが挙げられる。
本発明の製造方法により得られた緑色粉末は食用色素として安全で有用であり、また、各種食品に含ませて好ましい着色を発揮できる。従って本発明は更に、上記の製造方法により得られた緑色粉末からなる食用色素、及び該緑色粉末を含む食品に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の方法において蕎麦の若株の刈り取りは、常法に従って行われ、刈り取り後の葉や茎は通常は水洗して、水切りを行う。
その葉、茎の乾燥は、第1段階として常温で、具体的には5℃〜25℃で2〜5時間乾燥する。
乾燥の第2段階として、35〜45℃で12〜28時間、好ましくは12〜15時間、第3段階として55〜65℃で5〜12時間、好ましくは5〜10時間乾燥を行う。これらの乾燥は常法に従って行えばよく、例えば乾燥庫において熱風乾燥で実施する。
上記第1段階から第3段階の乾燥は合わせて20時間以上行うようにする。
これらの乾燥後、水分値は通常6〜9%程度となる。
【0006】
上記のように乾燥した葉、茎を常温にまで冷ましてから、粉砕に施す。
本発明の緑色粉末の製造方法では、そば製造に通常使用される蕎麦粉や中力小麦粉より細かく粉砕することが適当である。具体的には、粉砕後の平均粒径を35〜45ミクロンとする。
粉砕する前に予め、裁断機で乾燥原料を5〜15cm程度に裁断しておくことが好ましい。粉砕は、衝撃式粉砕機で行うことが望ましく、場合により温度管理された衝撃式粉砕機を用いることもできる。ロール式粉砕機は粒度をコントロールするのが困難で、原料が圧偏されフレークとなりやすく、粉砕効率が比較的良くない。
本発明の方法では、緑色粉末は通常、衝撃式粉砕機に原料を複数回かけて粉砕し、篩分けをすることで得られる。衝撃式粉砕機の温度は65℃以下で、好ましくは55℃以下で行う。粉砕処理が高温環境下で行われると品質劣化を起こす可能性があるので避けるべきである。篩分けはスクエアーシフター、バイブロシフター等の通常の篩機を用いて行われる。
こうして篩抜けした粉末を集めて緑色粉末とする。
【0007】
本発明の方法においては、緑色粉末の平均粒径が35〜45ミクロンとなるようにする。より具体的には、粒径が74.00ミクロンより大きい粒子は粒子数全体を100個としてそのうち28個以下(以下、28%以下という)、88.00ミクロンより大きい粒子は20%以下、粒径が148.00ミクロンより大きい粒子は4%以下、粒径が176.00ミクロンより大きい粒子は2%以下となることが望ましい。本明細書中に記載した平均粒径及び粒度分布の測定は、レーザー粒度分析計「マイクロトラック」(LEEDS & NORTHRUP社製)により実施した。
【0008】
本発明の方法により得られた緑色粉末は、上記のとおり、その原料は植物の葉や茎といった繊維質であり、安全で栄養価のある食用色素として使用できる。
この緑色粉末を含有させる食品は特に限定されるわけではないが、そば及びうどんといった麺類、スパゲッティ、マカロニといったパスタ類、饅頭、パン類、ケーキ類、ヨーグルト、もち、キャンディなどが好ましく挙げられる。食品への緑色粉末の添加量は、食品全体の重量に対して0.1〜1重量%が適当である。食品への緑色粉末の添加は、各種食品の製造過程で適宜行えばよい。
【0009】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、厳しい時間管理をすることなく、色合い、栄養価等の品質を保持した緑色粉末を製造することができる。また、本発明の製造方法により得られた緑色粉末は、食品に含有させた場合、食品材料に均一に混合することができ、食品において鮮やかな発色及び滑らかな食感をもたらすことができる。
【0010】
以下、本発明を実施例により詳しく説明する。
【実施例1】
緑色粉末の製造
▲1▼ 午後、農家が蕎麦の若株の葉、茎の刈り取りを行い、翌朝9時に工場に刈り取った原料を納入した。
▲2▼ 原料水洗の後、20℃の常温下で3時間乾燥(水切り操作も含めて)した。
▲3▼ 40℃の乾燥庫中にて24時間乾燥した。
▲4▼ 次いで65℃の乾燥庫中にて9時間乾燥した(水分値8%)。
▲5▼ こうして得た乾燥原料を裁断機で10cm程度に裁断して、次いで衝撃式粉砕機「自由粉砕機(奈良機械製作所製)」で粉砕した。
▲6▼ バイブロシフターにかけ、篩オーバーを再度粉砕機にかけた。
▲7▼ ▲5▼及び▲6▼の工程を繰り返し、篩抜けを製品とした(最終水分値7%)。
▲8▼ 本製品の平均粒径は、レーザー粒度分析計「マイクロトラック」(LEEDS & NORTHRUP社製)で測定して40ミクロンであった。
【0011】
【実施例2】
実施例1で製造した緑色粉末を用いてそばを製造した。
以下の配合の原料を混練し、圧延し、20番手の切り刃で裁断してそばめんを得た。
そば粉 500g
中力小麦粉 500g
緑色粉末 1g
水 300g
このそばめんを3分間茹でて、評価したところ、色合い良く、発色が鮮やかで、食感も滑らかであった。
【0012】
【実施例3】
実施例1で製造した緑色粉末を用いて以下の配合にて、蒸しパンを製造した。薄力粉 100 重量部
砂糖 50 重量部
水飴 10 重量部
全卵 15 重量部
ベーキングパウダー 4 重量部
食塩 0.5重量部
緑色粉末 2.0重量部
水 34重量部
【0013】
工程:
粉末原料を予め均一に混合した。卵水を加え混練して生地とした。型に生地を15g絞りその中央に餡を絞り、更にその上に生地を15g絞った。蒸し器中で10分間蒸し、蒸しパンを得た。
できあがった蒸しパンは内相が薄い緑色を呈し、上品な色合い、食感であった。
【0014】
【実施例4】
市販のヨーグルトに実施例1で製造した緑色粉末を少々添加した。
蕎麦の葉や茎にはルチンが含まれているため、ルチンが添加された栄養成分の高い健康ヨーグルトとなった。
【0015】
【実施例5】
実施例1で製造した緑色粉末を用いて以下の配合にて、スポンジケーキを製造した。
薄力粉 100重量部
砂糖 100重量部
全卵 100重量部
緑色粉末 1.0重量部
水 35重量部
【0016】
工程:
A.薄力粉と緑色粉末を予め均一に混合しておいた。B.水、砂糖、全卵をミキサー中で泡立て、次いで上記Aを添加し、均一なバッターとした。C.ケーキ型にバッターを流し込みオーブンで約25分間焼成した。
できあがったスポンジケーキは内相が薄い緑色を呈し、上品な色合い、食感であった。
Claims (7)
- 蕎麦の若株を刈り取り、その葉及び/又は茎を乾燥、粉砕して緑色粉末を製造する方法であって、乾燥を常温下で2〜5時間、次いで35〜45℃で12〜28時間、次いで55〜65℃で5〜12時間行い、該乾燥時間が合計して20時間以上となることを特徴とする方法。
- 乾燥後の水分値を6〜9%とする、請求項1記載の方法。
- 更に粉砕後の平均粒径を35〜45ミクロンとすることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
- 衝撃式粉砕機で粉砕することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の方法によって製造された緑色粉末。
- 請求項5記載の緑色粉末からなる食用色素。
- 請求項5記載の緑色粉末を含む食品。
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JP06986198A JP3773352B2 (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 緑色粉末の製造方法、その緑色粉末を含む食用色素及び食品 |
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Publications (2)
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JPH11266823A JPH11266823A (ja) | 1999-10-05 |
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JP3778891B2 (ja) * | 2002-11-12 | 2006-05-24 | 株式会社東洋新薬 | 緑葉末の製造方法 |
JP2007217583A (ja) * | 2006-02-17 | 2007-08-30 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | チョウマメ花エキスの製造方法及びチョウマメ花エキス |
-
1998
- 1998-03-19 JP JP06986198A patent/JP3773352B2/ja not_active Expired - Lifetime
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