JP3771875B2 - 回転電機の固定子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の内燃機関によって駆動される回転電機の固定子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は従来の車両用回転電機の固定子を示す斜視図である。
図において、固定子1は、固定子鉄心2と、固定子巻線3と、インシュレータ4とを備えている。上記固定子鉄心2は円筒状をなし、その周方向に沿って所定ピッチで軸線方向に複数の長いスロット2aが配設されており、また上記固定子鉄心2には固定子巻線3が巻装され、また上記インシュレータ4はU字状に成形されており、上記固定子鉄心2と固定子巻線3とを電気的に絶縁している。
なお、固定子巻線3は1組の3相交流巻線に構成され、これを収容するためのスロット2aは、例えば36箇所と多数形成される。
【0003】
以下、図11〜図17に基づいて上記従来の固定子1の製作工程を説明する。
まず、磁性材料であるSPCC材を用いた帯状薄板を製作し、これを所定枚数積層し、外周部をレーザ溶接して図11に示す直方体の積層鉄心5を製作する。
なお、この積層鉄心5の長手方向の一側には多数のスロット2aが配設されている。図中、5aはティース、5bは鍔部である。
【0004】
また、絶縁被覆された断面円形の銅線材から1本の素線6を3スロットピッチで波巻きに所定回数巻回して全体が平坦な形状の巻線アッセンブリ7Aを製作する。この巻線アッセンブリ7Aを構成する素線6の巻き始端および巻き終端が、それぞれ口出し線6aおよび中性点リード線6bとなる。さらに、1本の素線6を巻回して巻線アッセンブリ7B,7Cを製作する。
次に、図12に示すように、略U字状に成形したインシュレータ4を積層鉄心5の各スロット2aにその開口側から嵌装し、完全に収納する。そして、3本の巻線アッセンブリ7A,7B,7Cは、図13に示すように、1スロットピッチずつずらして重合される。
このように重合された巻線アッセンブリ7A,7B,7Cを、図14に示すように、スロット2aの開口側からそれぞれ3スロット毎のスロット2aに挿入する。これにより、巻線アッセンブリ7A,7B,7Cが図15および図16に示すように積層鉄心5に装着される。
ついで、図17に示すように、巻線アッセンブリ7A,7B,7Cが装着された上記積層鉄心5を成形装置で円筒状に曲げ加工した後、積層鉄心5の両端面を突き合わせ溶接し、図1に示すような固定子1が完成する。
【0005】
従来の固定子1は以上のような構成であり、巻線アッセンブリ7A,7B,7Cを構成する各素線6の中性点リード線6bを結線して3相交流巻線である固定子巻線3が得られる。これら巻線アッセンブリ7A,7B,7Cは、それぞれ120度の位相差を有し、3相交流巻線のa相,b相,c相の巻線に相当する。
そして、この固定子1を車両用交流発電機に搭載するに際しては、巻線アッセンブリ7A,7B,7Cを構成する各素線6の口出し線6aが整流器に接続される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の固定子は以上のような構成であり、その製作過程では、積層鉄心5のスロット2a内に略U字状に成形されたインシュレータ4を完全に挿入したところで、巻線アッセンブリ7A,7B,7Cをスロット開口側からインシュレータ4内へ挿入される。
また、車両用交流発電機では、固定子1と回転子(図示せず)との隙間は僅かであり、インシュレータ4がスロット2aから延出していると回転子との干渉が生じることから、インシュレータ4はその先端がスロットの開口から内径側に突出しないように形成されている。
つまり、インシュレータ4の先端がティース5bの端面と同一となっているので、巻線アッセンブリ7A,7B,7Cを挿入する際に、インシュレータ4の開口先端部が案内部分として機能せず、したがって、巻線アッセンブリの挿入作業が困難であり、円滑性に欠けるという問題があった。
【0007】
また、インシュレータ4は両側辺が略平行に形成されているので、巻線アッセンブリ7A,7B,7Cがスロット2a内に挿入された状態では、スロット4の開口側が完全に開放されている。したがって、積層鉄心5を曲げ加工する際に、素線6がスロット2aから飛び出すおそれがあり、鉄心の曲げ作業に悪影響を及ぼすという問題もあった。
【0008】
また、巻線アッセンブリ7A,7B,7Cとインシュレータ4との間の摩擦力によって、インシュレータ4の先端側が巻線アッセンブリ7A,7B,7Cの挿入動作とともにスロット2aの底部側に押し込まれるので、その結果、ティース5bの周方向の端面が露出することになる。
これによって、巻線アッセンブリ7A,7B,7Cの素線が鍔部5bの上記端面に擦られ、絶縁被膜に損傷が発生すること、また、アッセンブリ挿入後、スロット2aの開口側の内壁面と素線との間にインシュレータ4が介在しない部位が生ずることによる絶縁性の悪化を招くという問題があった。
【0009】
上記のようなスロット開口部における絶縁性を向上することを目的として提案されたものに特開2000−308314号公報があるが、この公報に開示されたものでは、シート状の絶縁部材を筒状にしてスロットに挿入し、その一端部に拡開加工を施した後、巻線アッセンブリを挿入するという技術であるが、シート状絶縁部材の挿入、拡開加工が煩雑であり、作業能率が悪く、円滑性を欠くという問題点がある。
【0010】
この発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、インシュレータの構成を紙と樹脂からなる2層構造とすることによって、人為的動作を加えることなく、自然な反り動作つまり自己形成作用によって所要の形状を維持するインシュレータを作製し、その下半部をスロットに嵌装した後、このインシュレータの上半部を案内として、巻線アッセンブリを挿入するようにして巻線アッセンブリを保護するとともに、挿入作業性を向上させ、しかもインシュレータがスロットに完全に挿入された状態では、インシュレータの一方の端縁部の先端が他方の端縁部の内面に密接して開口を閉塞するように変形して素線の飛び出しを防止し、かつ、絶縁性能を保持する回転電機の固定子を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る回転電機の固定子では、縦軸方向に延設したスロットが周方向に複数設けられた固定子鉄心と、上記スロットに挿入されて上記固定子鉄心に巻装された固定子巻線と、上記スロット内に嵌装されて上記固定子鉄心と固定子巻線とを絶縁するインシュレータを備えた回転電機の固定子において、
上記インシュレータは固定子巻線側に紙を用い、固定子鉄心側に樹脂を用いて2層構造 とし、このインシュレータを介して固定子巻線を深さ方向に一列に巻装したものである。
【0012】
この発明の請求項2に係る回転電機の固定子では、上記インシュレータの固定子巻線側に紙を用い、固定子鉄心側に樹脂を用いて2層構造とし、
上記インシュレータを介して固定子鉄心のスロットに挿入される固定子巻線を導体セグメントとしたものである。
【0013】
この発明の請求項3に係る回転電機の固定子では、上記インシュレータの固定子鉄心側に紙を用い、固定子巻線側に樹脂を用いて2層構造とし、
上記インシュレータを介して固定子鉄心のスロットに挿入される固定子巻線を整列連続線としたものである。
【0014】
この発明の請求項4に係る回転電機の固定子では、上記インシュレータは成形後の吸水膨張率差による反り動作によって、先端に向かって緩やかに拡大した曲面を形成したものである。
【0015】
この発明の請求項5に係る回転電機の固定子では、上記インシュレータの開口部の両端縁に、内方向への曲り角度を異にした湾曲部から斜上方向に延びる傾斜平縁部を設けたものである。
【0016】
この発明の請求項6に係る回転電機の固定子では、巻線アッセンブリが上記インシュレータを介してスロットに挿入された状態で、インシュレータの一方の平縁部の先端が、他方の平縁部の内面に密接して閉塞しものである。
【0017】
この発明の請求項7に係る回転電機の固定子では、インシュレータの固定子鉄心側に紙を用い、固定子巻線側に樹脂を用いて2層構造とし、上記インシュレータを介して固定子鉄心のスロットに挿入される固定子巻線は深さ方向に一列に巻装したものである。
【0018】
この発明の請求項8に係る回転電機の固定子では、上記インシュレータを介して固定子鉄心のスロットに挿入される固定子巻線導体セグメントとしたものである。
【0019】
この発明の請求項9に係る回転電機の固定子では、上記インシュレータを介して固定子鉄心のスロットに挿入される固定子巻線整列連続線としたものである。
【0020】
この発明の請求項10に係る回転電機の固定子では、上記インシュレータは、成形後の吸水膨張率差により反り動作によって、先端に向かって緩やかに拡大した曲面を形成したものである。
【0021】
この発明の請求項11に係る回転電機の固定子では、上記インシュレータの開口部の両端縁に内方向への曲り角度を異にした湾曲部から斜上方向に延びる傾斜平縁部を設けたものである。
【0022】
この発明の請求項12に係る回転電機の固定子では、巻線アッセンブリが上記インシュレータを介してスロットに挿入された状態で、上記インシュレータの一方の平縁部の先端が、他方の平縁部の内面に密接して閉塞しているものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子を示す斜視図、図2はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子におけるインシュレータの断面図であり、(a)は成形時の形状を、(b)は反り動作による変形後の形状を示す。
図3はインシュレータの変形例を示す断面図であり、(a)は成形時の形状を、(b)は反り動作による変形後の形状を示す。
図4はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子におけるインシュレータとスロットとの嵌装関係を示す部分断面図、図5(a)(b)はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子における巻線アッセンブリの挿入を完了した状態を示す部分断面図である。
なお、各図において、上記図10〜図17に示す従来装置と同一または相当部分には同一符号を付して説明する。
【0024】
図1において、電機子としての固定子8は、軸線方向に延設したスロット2aが周方向に所定のピッチで複数配設された電機子鉄心としての円筒状の固定子鉄心2と、この固定子鉄心2に巻装された電機子巻線としての固定子巻線3と、上記各スロット2a内に嵌装されて、固定子鉄心2と固定子巻線3とを電気的に絶縁するインシュレータ4とを具備している。
なお、この固定子8の製作工程は、先に説明した従来の技術と同様である。
【0025】
上記インシュレータ4は、図2及び図3に示すような構造である。
まず、図2(a)に示すものにあっては、内側つまり固定子巻線側に紙9を用い、外側つまり固定子鉄心側に樹脂10を用いた2層構造として略U字状に成形しており、開口部11における両端縁に、内方向への曲り角度θを異にした湾曲部12と、この湾曲部に続く相対向する傾斜角の異なる平縁部13を設けている。そして、上記平縁部13を構成するための曲り角度θは一方の角度に対して他方の角度を少なくともインシュレータ4の2層構造の厚さに相当した分だけの角度差を与えている。
なお、上記インシュレータ4を構成する紙9として、例えばノーメックスシートが用いられ、これが成形後、吸水することにより膨張してインシュレータ4の形を変えるのである。
つまり、紙9と樹脂10との膨張率差による反り動作によって、インシュレータ4は図2(b)に示すように、先端に向かって内方向に膨出する緩やかに拡大した曲面が自動的に形成され、巻線アッセンブリの挿入を安定する開口部11が広く開口した形で保持される。
【0026】
図3(a)に示すインシュレータ4は、外側つまり固定子鉄心側に紙9を、内側つまり固定子巻線側に樹脂10を用いた2層構造として、図2(a)と同様の形状に成形したものである。
ところで、このインシュレータ4にあっては、紙9が外側に存在することから、これが吸水して膨張すると、図3(b)に示すような、中央部分が外方向に膨張する緩やかに拡大した曲面が形成され、所要の開口部11が保持される。
また、本実施形態では、鉄心側は紙、巻線側に樹脂となるようインシュレータを構成したので、鉄心のコア材によるインシュレータの破損を防止できるとともに、巻線の形状に沿って樹脂部が或る弾性をもって変形するので、挿入性が高い。
【0027】
この実施の形態1によれば、緩やかに拡大した曲面によって広い開口部11が確保された上記インシュレータ4を用い、まずこれを図4に示すように、その先端開口部11をスロット2a外に突出した状態に嵌装する。次に、巻線アッセンブリ7A,7B,7Cを上記インシュレータ4の開口部11から挿入するが、この時、巻線アッセンブリ7A,7B,7Cはインシュレータ4を介し、これを案内として、図5(a)(b)に示すように、スロット2a内に挿入される。
以上の挿入動作において、インシュレータ4は固定子鉄心2のティース5aの鍔部5bの内側間で拡大した形状が徐々に狭められながら挿入が進行し、完全に挿入された状態では、インシュレータ4の一方の平縁部13の先端が他方の平縁部13の内面に密接して閉塞し、アッセンブリ7A,7B,7Cを完全に包囲するのであって、これにより、優れた絶縁性が確保される。また、積層鉄心を曲げ加工する際に、素線6がスロット2aから飛び出すおそれがなく、作業性が向上する。
【0028】
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2に係る回転電機の固定子を示す斜視図である。
この実施の形態2に係る固定子8は、予め円筒状に製作された固定子鉄心2に全体が円筒状に形成された固定子巻線3を装着して製作されるものである。
まず、円筒状で多くのスロット2aを配設した固定子鉄心2と、先に説明したインシュレータ4を製作し、次に1本の素線6を3スロットピッチで波巻きに所定回数巻回して全体が円筒状の巻線アッセンブリ7Aを作製し、同様にして巻線アッセンブリ7B,7Cを作製し、これらを1スロットピッチずらして3層に重ねて電機子巻線としての固定子巻線3を作製する。
ついで、インシュレータ4を固定子鉄心2の各スロット2aに軸方向から嵌装し、先端の開口部11を径方向に突出させた状態にセットする。そして、先に作製した固定子巻線3の径を狭めて固定子鉄心2内に挿入する。その後、固定子巻線3をインシュレータ4を介してスロット2a内に挿入して固定子が作製される。
【0029】
この実施の形態2においても、図2,図3に示すような形状をもつ2層構造のインシュレータ4を用い、固定子巻線3を挿入するに先立って、インシュレータ4の開口部11をスロット2aの径方向内側へ突出した状態で嵌装し、これを案内として固定子巻線3をスロット2aへ挿入するものであって、上記実施の形態1と同様の作用・効果が得られる。
【0030】
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3に係る回転電機の固定子を示す回転電機の固定子を示す部分断面図である。
この実施の形態3では、インシュレータ4の適用による作用と効果及び他の構造は上記実施の形態1と同様であるが、この場合、固定子巻線3を深さ方向に一列に巻装したものである。本実施形態においては、巻線が一列に整列し、インシュレータとスロットが全てのコイルに覆うように形成されており、高い絶縁性を有するので、インシュレータを2層構造としても、発電機に充分な絶縁性を確保でき、高い熱電導性(巻線から鉄心)を有する。
【0031】
実施の形態4.
図8はこの発明の実施の形態4に係る回転電機の固定子を示す斜視図である。
この実施の形態4に示す固定子8は、固定子鉄心2と、この固定子鉄心2に複数の断面が平角形状の導体セグメント14が接続されて組み込まれ、出力電流が流れる固定子巻線群とから構成される。固定子8の各導体セグメント14と固定子鉄心2のスロット2aの内壁面との間の電気的絶縁はインシュレータ4によってなされるものである。
本実施形態では、鉄心側に樹脂、巻線側に紙となるよう、インシュレータを嵌装した。本実施形態の導体セグメントは、スロットに軸方向より挿入されるので、インシュレータに大きな摩擦力がかかるが、本実施形態は、巻線側を滑り易い紙としたので、インシュレータがズレることなく、高い挿入性が得られる。
【0032】
実施の形態5.
図9はこの発明の実施の形態5に係る回転電機の固定子を示す斜視図である。
この実施の形態5に示す固定子8は、軸線方向に延設されたスロット2aが周方向に所定ピッチで複数配設された電機子鉄心としての円筒状の固定子鉄心2と、これに整列連続線として巻装された電機子巻線としての固定子巻線3と、各スロット2a内に装着されて固定子巻線3と固定子鉄心2とを電気的に絶縁するインシュレータ4とを備えている。
【0033】
この実施の形態5においても、図2,図3に示すような形状をもつ2層構造のインシュレータ4を用い、固定子巻線3を挿入するに先立って、インシュレータ4の開口部11をスロット2aから突出した状態で嵌装し、これを案内として固定子巻線3をスロット2aへ挿入するものであって、上記実施の形態1と同様の作用、効果が得られる。
【0034】
【発明の効果】
この発明の請求項1に係る回転電機の固定子によれば、スロットを配設した固定子鉄心と、これに巻装された固定子巻線と、上記固定子鉄心と固定子巻線とを電気的に絶縁するインシュレータを備えた回転電機の固定子において、上記インシュレータは固定子巻線側に紙を用い、固定子鉄心側に樹脂を用いて2層構造とし、このインシュレータを介して固定子巻線を深さ方向に一列に巻装したので、安価に提供でき、インシュレータ自体の厚みが薄くなるので、巻線の占積率が向上し、加えて出力性能、冷却性能も向上する。また、インシュレータを介して固定子鉄心のスロットに挿入される固定子巻線を深さ方向に一列に巻装しているので、インシュレータとスロットが全てのコイルに覆うように形成されており、高い絶縁性を有するので、インシュレータを2層構造としても、発電機に充分な絶縁性を確保でき、高い熱電導性(巻線から鉄心)を有する。
【0035】
この発明の請求項2に係る回転電機の固定子によれば、上記インシュレータを介して固定子鉄心のスロットに挿入される固定子巻線を導体セグメントとしており、請求項1と同様の効果が期待できる。
【0036】
この発明の請求項3に係る回転電機の固定子によれば、インシュレータを介して固定子鉄心のスロットに挿入される固定子巻線を整列連続線としており、電機子巻線のターン数を容易に増やすことができる。
【0037】
この発明の請求項4に係る回転電機の固定子によれば、インシュレータは先端に向かって緩やかに拡大した曲面を形成するので、巻線の案内が円滑であり、しかも巻線挿入に伴う縮合動作が確実で閉塞が完全に達成される。
【0038】
この発明の請求項5に係る回転電機の固定子によれば、インシュレータの開口部の両端縁に内方向への曲り角度を異にした湾曲部と、これに続く平縁部を設けたので、巻線挿入完了時において、一方の平縁部と他方の平縁部とが突き合うことなく確実に重合するので、優れた閉塞性が保たれる。
【0039】
この発明の請求項6に係る回転電機の固定子によれば、巻線がインシュレータを介してスロットに挿入された状態で、インシュレータの一方の平縁部の先端が、他方の平縁部の内面に密接しているので、相互に接合力が大きく作用し、厳密な閉塞が可能となり、優れた絶縁性能を発揮する。
【0040】
この発明の請求項7に係る回転電機の固定子によれば、インシュレータの固定子鉄心側に紙を用い、固定子巻線側に樹脂を用いて2層構造とし、このインシュレータを介して固定子鉄心のスロットに挿入される固定子巻線を深さ方向に一列に巻装しているので、インシュレータとスロットが全てのコイルに覆うように形成されており、高い絶縁性を有するので、インシュレータを2層構造としても、発電機に充分な絶縁性を確保でき、高い熱電導性(巻線から鉄心)を有する。
【0041】
この発明の請求項8に係る回転電機の固定子によれば、上記インシュレータを介して固定子鉄心のスロットに挿入される固定子巻線を鉄心軸方向からの挿入に対しても導体セグメントとしており、上記請求項1及び請求項6と同様の効果が期待できる。
【0042】
この発明の請求項9に係る回転電機の固定子によれば、上記インシュレータを介して固定子鉄心のスロットに挿入される固定子巻線を整列連続線としているので、請求項3と同様の効果が期待できる。
【0043】
この発明の請求項10に係る回転電機の固定子によれば、上記インシュレータは、成形後の吸水膨張率差により反り動作によって先端に向かって緩やかに拡大した曲面を形成しているので、請求項4と同様の効果が得られる。
【0044】
この発明の請求項11に係る回転電機の固定子によれば、上記インシュレータの開口部の両端縁に、内方向への曲り角度を異にした湾曲部から斜上方向に延びる傾斜平縁部を設けているので、請求項5と同様の効果が得られる。
【0045】
この発明の請求項12に係る回転電機の固定子によれば、巻線アッセンブリが上記インシュレータを介してスロットに挿入された状態で、上記インシュレータの一方の平縁部の先端が、他方の平縁部の内面に密接して閉塞しているので、請求項6と同様の優れた絶縁性能を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子を示す斜視図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子におけるインシュレータの断面図であり、(a)は成形時の形状を、(b)は反り動作による変形後の形状を示す。
【図3】 インシュレータの変形例を示す断面図であり、(a)は成形時の形状を、(b)は反り動作による変形後の形状を示す。
【図4】 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子におけるインシュレータとスロットとの嵌装関係を示す部分断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子における巻線アッセンブリの挿入を完了した状態を示す部分断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態2に係る回転電機の固定子を示す斜視図である。
【図7】 この発明の実施の形態3に係る回転電機の固定子を示す部分断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態4に係る回転電機の固定子を示す斜視図である。
【図9】 この発明の実施の形態5に係る回転電機の固定子を示す斜視図である。
【図10】 従来の車両用回転電機の固定子を示す斜視図である。
【図11】 固定子を構成する直方体の積層鉄心を示す斜視図である。
【図12】 従来の車両用回転電機の固定子に対するインシュレータの挿入を説明する部分断面図である。
【図13】 固定子の固定子巻線の巻装前の状態を示す斜視図である。
【図14】 従来の車両用回転電機の固定子に対する巻線挿入を説明する部分断面図である。
【図15】 従来の車両用回転電機の固定子に対する巻線挿入完了時の構造を示す部分断面図である。
【図16】 従来の車両用回転電機の固定子に対する巻線挿入状態を示す斜視図である。
【図17】 従来の車両用回転電機の固定子の積層鉄心の曲げ作用を説明する部分図である。
【符号の説明】
2 固定子鉄心、2a スロット、3 固定子巻線、4 インシュレータ、6 素線、
7A,7B,7C 巻線アッセンブリ、8 固定子、9 紙、10 樹脂、
11 開口部、12 湾曲部、13 平縁部、14 導体セグメント。

Claims (12)

  1. 縦軸方向に延設したスロットが周方向に複数設けられた固定子鉄心と、上記スロットに挿入されて上記固定子鉄心に巻装された固定子巻線と、上記スロット内に嵌装されて上記固定子鉄心と固定子巻線とを絶縁するインシュレータを備えた回転電機の固定子において、
    上記インシュレータは固定子巻線側に紙を用い、固定子鉄心側に樹脂を用いて2層構造とし、このインシュレータを介して固定子巻線を深さ方向に一列に巻装したことを特徴とする回転電機の固定子。
  2. 上記インシュレータの固定子巻線側に紙を用い、固定子鉄心側に樹脂を用いて2層構造とし、
    上記インシュレータを介して固定子鉄心のスロットに挿入される固定子巻線を導体セグメントとしたことを特徴とする請求項1記載の回転電機の固定子。
  3. 上記インシュレータの固定子巻線側に紙を用い、固定子鉄心側に樹脂を用いて2層構造とし、
    上記インシュレータを介して固定子鉄心のスロットに挿入される固定子巻線を整列連続線としたことを特徴とする請求項1記載の回転電機の固定子。
  4. 上記インシュレータは、固定子巻線側に紙を用い、固定子鉄心側に樹脂を用いて2層構造とし、上記インシュレータは成形後の吸水膨張率差による反り動作によって、先端に向かって緩やかに拡大した曲面を形成していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  5. 上記インシュレータは、固定子巻線側に紙を用い、固定子鉄心側に樹脂を用いて2層構造とし、上記インシュレータの開口部の両端縁に、内方向への曲り角度を異にした湾曲部から斜上方向に延びる傾斜平縁部を設けていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  6. 上記インシュレータは、固定子巻線側に紙を用い、固定子鉄心側に樹脂を用いて2層構造とし、巻線アッセンブリが上記インシュレータを介してスロットに挿入された状態で、上記インシュレータの一方の平縁部の先端が、他方の平縁部の内面に密接して閉塞していることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  7. 上記インシュレータの固定子鉄心側に紙を用い、固定子巻線側に樹脂を用いて2層構造とし、上記インシュレータを介して固定子鉄心のスロットに挿入される固定子巻線を深さ方向に一列に巻装したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  8. 上記インシュレータの固定子鉄心側に紙を用い、固定子巻線側に樹脂を用いて2層構造とし、上記インシュレータを介して固定子鉄心のスロットに挿入される固定子巻線を導体セグメントとしたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  9. 上記インシュレータの固定子鉄心側に紙を用い、固定子巻線側に樹脂を用いて2層構造とし、上記インシュレータを介して固定子鉄心のスロットに挿入される固定子巻線を整列連続線としたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  10. 上記インシュレータの固定子鉄心側に紙を用い、固定子巻線側に樹脂を用いて2層構造とし、上記インシュレータは、成形後の吸水膨張率差により反り動作によって、先端に向かって緩やかに拡大した曲面を形成していることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  11. 上記インシュレータの固定子鉄心側に紙を用い、固定子巻線側に樹脂を用いて2層構造とし、上記インシュレータの開口部の両端縁に、内方向への曲り角度を異にした湾曲部から斜上方向に延びる傾斜平縁部を設けていることを特徴とする請求項 7から10のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  12. 上記インシュレータの固定子鉄心側に紙を用い、固定子巻線側に樹脂を用いて2層構造とし、巻線アッセンブリが上記インシュレータを介してスロットに挿入された状態で、上記インシュレータの一方の平縁部の先端が、他方の平縁部の内面に密接して閉塞していることを特徴とする請求項7から11のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
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