JP3771730B2 - シリンダヘッドの加工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリンダヘッドにバルブガイド及びバルブシートを圧入するシリンダヘッドの加工技術に関し、特に、設備台数の半減、作業能率の向上及びラインスペースの半減を行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリンダヘッドにバルブガイド及びバルブシートを圧入する場合には、シリンダヘッドに対してバルブガイドとバルブシートとがいわゆる表裏関係にあり、かつ、圧入部品形状も異なるため、少なくとも、バルブガイドを圧入する圧入装置及びバルブシートを圧入する圧入装置の2台が必要であった。また、かかる圧入装置間には、シリンダヘッドを反転させる反転装置が必要であった。このため、シリンダヘッドの加工ラインには、少なくとも、バルブガイドの圧入装置、シリンダヘッドの反転装置及びバルブシートの圧入装置の3台の装置を設置しなければならなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シリンダヘッドを加工するために、かかる3台の装置を設置することは、加工設備の設置のためのコスト上昇及び設置スペースの増加を招き、多品種少量生産が要望される今日においては、生産される製品のコスト上昇を来たしてしまうという問題があった。
【0004】
一方、バルブガイドとバルブシートとを1台の圧入装置で圧入する技術として、特開平7−136865号公報に開示されるように、シリンダヘッドの表裏からバルブガイドとバルブシートとを同時に圧入する技術が提案されている。しかし、かかる技術で使用される圧入装置は、その特徴から専用機として新たに製作しなければならず、装置の大型化及びコスト上昇を伴うものであった。
【0005】
そこで、本発明は以上のような従来の問題点に鑑み、プレス本体に圧入具切替機能を付加すると共に、圧入装置と反転装置との効率的配設を図り、必要最小限の設備でシリンダヘッドの加工を行えるようにした技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の発明は、シリンダヘッドにバルブガイドを圧入するガイド圧入具及びバルブシートを圧入するシート圧入具を切り替えながら、シリンダヘッドにバルブガイド及びバルブシートを圧入する圧入装置と、該圧入装置によりバルブガイド又はバルブシートが圧入されたシリンダヘッドを反転させる反転装置と、治具装置と反転装置との間で、シリンダヘッドを搬送するトランスファ装置と、を用いて、シリンダヘッドのバルブシート圧入側を上方に位置させたときに、搬送面たる下端面と圧入装置の治具装置に着座する着座面とが平行でないシリンダヘッドに、その上方からバルブシートを圧入するシリンダヘッドの加工方法であって、
シリンダヘッドのバルブガイド圧入孔にバルブガイドを仮嵌合するガイドセット工程と、該ガイドセット工程により仮嵌合されたバルブガイドを検出するガイド検出工程と、該ガイド検出工程によりバルブガイドが検出されたときに、バルブガイドを圧入するガイド圧入工程と、該ガイド圧入工程によりバルブガイドが圧入されたシリンダヘッドを反転装置に搬送する第1の搬送工程と、該第1の搬送工程により反転装置に搬送されたシリンダヘッドを反転させる反転工程と、該反転工程により反転されたシリンダヘッドを治具装置に搬送する第2の搬送工程と、該第2の搬送工程により搬送されたシリンダヘッドを治具装置に着座させるべく、シリンダヘッドの着座面が治具の着座面と略平行になるように、シリンダヘッドの姿勢を変換する姿勢変換工程と、該姿勢変換工程により姿勢変換されたシリンダヘッドのバルブシート圧入孔にバルブシートを仮嵌合するシートセット工程と、該シートセット工程により仮嵌合されたバルブシートを検出するシート検出工程と、該シート検出工程によりバルブシートが検出されたときに、バルブシートを圧入するシート圧入工程と、を含んで構成されたことを特徴とする。
【0007】
かかる構成によれば、圧入装置,反転装置及び治具装置を用いて、シリンダヘッドにバルブガイド及びバルブシートを圧入する場合には、先ず、ガイドセット工程によりシリンダヘッドのバルブガイド圧入孔にバルブガイドが仮嵌合される。バルブガイドが仮嵌合されたシリンダヘッドは、ガイド検出工程によりバルブガイドが検出されると、ガイド圧入工程によりバルブガイドが圧入される。バルブガイドが圧入されたシリンダヘッドは、その反対側の面からバルブシートを圧入するために、第1の搬送工程により反転装置まで搬送される。反転装置に搬送されたシリンダヘッドは、反転工程により反転され、バルブシート圧入孔が上方に位置するいわゆる「倒立状態」となる。そして、倒立状態となったシリンダヘッドは、第2の搬送工程により治具装置まで引き戻される。治具装置に搬送されたシリンダヘッドは、シリンダヘッドの搬送面と着座面とが略平行でないため、姿勢変換工程によりシリンダヘッドの着座面が治具装置の着座面と略平行になるように、その姿勢変換が行われる。その後、バルブガイドの圧入と同様に、シートセット工程によりシリンダヘッドのバルブシート圧入孔にバルブシートが仮嵌合される。バルブシートが仮嵌合されたシリンダヘッドは、シート検出工程によりバルブシートが検出されると、シート圧入工程によりバルブシートが圧入され、シリンダヘッドの加工が完了する。
【0008】
即ち、シリンダヘッドの加工は、圧入装置,反転装置及び治具装置を用いて、ガイドセット工程〜シート圧入工程を順次実施することで完了する。このため、従来よりも少ない台数の設備でシリンダヘッドの加工が可能となり、作業効率の向上及びラインスペースの半減が行われる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付された図面を参照して本発明を詳述する。
図1及び図2は、本発明に係るシリンダヘッドの加工装置(以下「加工装置」という)の一実施形態を示す。
【0013】
加工装置の説明に先立って、被加工物たるシリンダヘッドについて、図3及び図4を参照しつつ説明する。
シリンダヘッド10は、直列6気筒のエンジンに使用されるもので、各気筒当たり2つの吸気弁及び2つの排気弁が配設される。シリンダヘッド10には、図3に示すように、図示しない給・排気弁の軸部を案内するバルブガイド12が圧入されるガイド圧入孔14と、給・排気弁の傘部と当接するバルブシート16が圧入されるシート圧入孔18と、が形成される。また、給・排気弁は、スワールの生成等を考慮して、シリンダ列方向に対して所定角度θ傾斜した直線に沿って配設される。さらに、シリンダヘッド10の上面(ガイド圧入孔14が形成された面)の周囲には、図示しないカムシャフトを支持する軸受部20が端面から突出しないように側壁22が延長形成され、図3に示すように、シリンダヘッド10のカバー面と下面とが平行でない形状に形成される。
【0014】
なお、図4はシリンダヘッド10の下面、即ち、シート圧入孔18が形成された面を示すが、シリンダヘッド10の上面も同様である。また、図中のハッチングを施した部分は、排気側を示す。
【0015】
加工装置30は、圧入装置40と、反転装置80と、トランスファ装置100と、部品在籍検出装置120と、治具装置140と、操作盤160と、制御盤170と、を含んで構成される。
【0016】
先ず、各装置の概要について説明すると、圧入装置40は、シリンダヘッド10にバルブガイド12及びバルブシート16を圧入する。反転装置80は、シリンダヘッド10の反対側からバルブシート16を圧入するために、シリンダヘッド10を反転する。トランスファ装置100は、治具装置140と反転装置80との間でシリンダヘッド10を搬送する。部品在籍検出装置120は、バルブガイド12又はバルブシート16を圧入する前に、シリンダヘッド10にバルブガイド12又はバルブシート16が正しくセットされているか否かを検出する。バルブガイド12又はバルブシート16が正しくセットされていないことが検出されたときには、圧入装置40を稼動させないようにして、不良品が生産されることを未然に防止する。治具装置140は、シリンダヘッド10の姿勢変換(詳細は後述する)及びシリンダヘッド10の位置決めを行う。操作盤160には、加工装置30を操作するための各種スイッチ、及び、操作状況等を表示するディスプレイ等が備えられる。制御盤170は、マイクロコンピュータを内蔵し、メモリに記憶されたプログラムに従って、加工装置30の各種制御を行う。
【0017】
次に、各装置の詳細について説明する。
圧入装置40は、図5〜図7に示すように、プレス42と、アッパプレート44と、スライドブシュ46と、スライドシャフト48と、スライドベース50と、上下動用油圧シリンダ52と、スライドプレート54と、摺動部材としてのスライドテーブル56と、左右動用油圧シリンダ58と、ガイド圧入具60と、シート圧入具70と、を含んで構成される。
【0018】
プレス42は、一般的な汎用プレス機であり、プレス本体から突出するプレスラム42aを介して圧入力が伝達される。プレス本体の下面には、略矩形形状の板状部材からなるアッパプレート44が、図示しないボルト等により固定される。アッパプレート44の四隅には、鉛直方向に沿って、円柱形状のスライドシャフト48が、略円筒形状のスライドブシュ46により摺動自由に固定される。そして、スライドシャフト48の下端には、中央部に開口部が形成された略矩形形状のスライドベース50が、図示しないボルト等により固定される。また、アッパプレート44とスライドベース50との間には、プレス本体に対してスライドベース50が鉛直方向に沿って上・下動するように、上下動用油圧シリンダ52が介装連結される。
【0019】
スライドベース50の上面には、水平面の一方向(図5の左右方向)に沿って、断面形状が逆L字形の2本のスライドプレート54が略平行に固定される。2本のスライドプレート54の間には、略矩形形状の板状部材からなるスライドテーブル56が、スライドプレート54の設置方向に摺動自由に固定される。また、スライドベース50とスライドテーブル56との間には、スライドベース50に対してスライドテーブル56が図5で左・右動するように、左右動用油圧シリンダ58が介装連結される。なお、スライドプレート54及び左右動用油圧シリンダ58により、摺動機構が構成される。
【0020】
スライドテーブル56の下面には、スライドベース50の中央に形成された開口部を貫通して、各種圧入具として、バルブガイド圧入用のガイド圧入具60と、バルブシート圧入及びかしめ用のシート圧入具70と、が固定される。従って、左右動用油圧シリンダ58を稼動させることにより、スライドベース50に対してスライドテーブル56が左・右動し、その下面に固定されたガイド圧入具60及びシート圧入具70も左・右動する。
【0021】
ガイド圧入具60は、スライド式ホルダ61と、前後動用油圧シリンダ62と、ガイドパッド63と、ロードセル64と、圧入用プッシャ65と、を含んで構成される。
【0022】
スライド式ホルダ61は、スライドテーブル56の下面に図示しないスライドレールを介して、一方向に摺動自由に固定される。そして、スライドテーブル56とスライド式ホルダ61との間には、スライドテーブル56に対してスライド式ホルダ61が図5で前・後動するように、前後動用油圧シリンダ62が介装連結される。
【0023】
スライド式ホルダ61の下面には、略矩形形状の板状部材からなるガイドパッド63が固着される。ガイドパッド63には、バルブガイド12の圧入位置に対応する位置に、バルブガイド12が挿通される挿通孔63aが2つ開設される。挿通孔63aは、図に示すように、下部が大径に形成されたテーパ形状に形成され、バルブガイド12の倒れを矯正しつつ、バルブガイド12を所定の圧入位置に案内する機能を有する。また、ガイドパッド63は、バルブガイド12の圧入寸法を決定するように、その厚さが設定される。
【0024】
スライド式ホルダ61には、ガイドパッド63の挿通孔63aと同心上に、略円柱形状をなしたロードセル64が2つ収納される。ロードセル64は、その軸方向に印可された圧入力を検出する機能を有し、具体的には、内蔵された弾性体に生じたひずみをひずみセンサを介して電気信号に変換し、圧入力を検出する。ロードセル64の上面には、スライドプレート56及びスライド式ホルダ61を貫通する圧入用プッシャ65を介して、プレスラム42aより圧入力が伝達される。そして、ロードセル64の下面により、バルブガイド12の一端面に圧入力が印加され、バルブガイド12を所定の圧入寸法まで圧入する。このとき、プレス42の圧入力は、プレスラム42a,圧入用プッシャ65及びロードセル64を介してバルブガイド12に伝達されるので、スライド式ホルダ61及びガイドパッド63には、圧入力が作用しない。
【0025】
なお、バルブガイド12の圧入位置のばらつきの微調整を行うために、スライドテーブル56にスライド式ホルダ61を固定する際に、フローティングジョイントを用いるようにしてもよい。
【0026】
シート圧入具70は、シート圧入工具71と、シート圧入・かしめ工具72と、工具ホルダ73と、圧入・かしめ用プッシャ74と、を含んで構成される。
シート圧入工具70は、吸気側のバルブシート16を圧入するもので、図8に示すように、その一端にバルブシート16の内径に嵌合しつつバルブシート16を圧入する圧入部71aと、他端にプレス42からの圧入力を受ける受圧部71bと、が形成される。
【0027】
シート圧入・かしめ工具72は、排気側のバルブシート16を圧入及びかしめるもので、図8に示すように、その一端にバルブシート16の内径に嵌合しつつバルブシート16を圧入及びかしめる圧入・かしめ部72aと、他端にプレス42からの圧入力を受ける受圧部72bと、が形成される。
【0028】
工具ホルダ73は、スライドテーブル56の下面にボルト等により固定され、図7に示すように、シート圧入工具71及びシート圧入・かしめ工具72を保持する。そして、シート圧入工具71及びシート圧入・かしめ工具72の受圧部71b及び72bには、スライドプレート56及び工具ホルダ73を貫通する圧入・かしめ用プッシャ74を介して、プレスラム42aより圧入力が伝達される。このとき、プレス42の圧入力は、プレスラム42a及び圧入・かしめ用プッシャ74を介して、シート圧入工具71及びシート圧入・かしめ工具72に伝達される。
【0029】
反転装置80は、図1及び図2に示すように、一対の回転体82と、回転体支持機構84と、電動モータ86と、クランパー88と、クランプ機構90と、を含んで構成される。
【0030】
回転体82は、外形が略円形に形成された板状部材からなり、回転体支持機構84により鉛直に回転自由に支持される。また、一方の回転体82には、円環形状の被駆動部材82aが同心上に固定され、電動モータ86の駆動スプロケットと被駆動部材82aとの間にチェーン92が掛け回される。従って、電動モータ86を駆動することにより、その回転力がチェーン92を介して回転体82に伝達され、回転体82が鉛直面に沿って回転する。
【0031】
回転体82の中央部には、図2に示すように、シリンダヘッド10を包含する開口部が形成される。一対の回転体82の間であって開口部の対向する2面には、矩形形状のレール固定部材94が固定される。そして、レール固定部材94には、シリンダヘッド10のガイド圧入孔14が上方に位置する状態(以下「正立状態」という)、及び、シリンダヘッド10のシート圧入孔18が上方に位置する状態(以下「倒立状態」という)でシリンダヘッド10が締付け保持されるように、クランパー88で固定される。クランプ機構90は、クランパー88上によりシリンダヘッド10が締付けられた状態でシリンダヘッド10を反転させたときに、シリンダヘッド10が開口部内で動かないようにクランプする。
【0032】
トランスファ装置100は、図9及び図10に示すように、いわゆるトランスファバー式の搬送装置であって、固定ガイドシャフト102と、バーホルダ104と、2段式油圧シリンダ106と、トランスファバー108と、油圧モータ110と、搬送用爪112と、トラックレール114と、ローラスライダ116と、を含んで構成される。
【0033】
固定ガイドシャフト102は、丸棒形状をなし、加工装置30の鉛直面に沿って水平方向に2本固定される。固定ガイドシャフト102には、バーホルダ104が摺動自由に固定され、ここに、2段式油圧シリンダ106のロッド先端部106aが固定されると共に、丸棒形状のトランスファバー108の一端部が回転自由にいわゆる片持ちで固定される。また、トランスファバー108の一端部には、被駆動ギヤ118aが固定され、被駆動ギヤ118aと油圧モータ110の駆動ギヤ118bとが噛み合うように、油圧モータ110がバーホルダ104に固定される。一方、トランスファバー108の他端部には、図10に示すように、油圧モータ110の稼動に応じてトランスファバー108の軸回りに所定角度回動するように、矩形形状の板状部材からなる搬送用爪112が固定される。
【0034】
この他には、トランスファバー108がいわゆる片持ちで固定されているため、その先端部の垂れ(撓み)等を防止する機構が備えられる。即ち、トランスファバー108の上方に、チャンネル形状のトラックレール114が固定され、ここに、トランスファバー108の中間部に固定されたローラスライダ116が転動自由に固定される。従って、トランスファバー108は、ローラスライダ116及びトラックレール114によりその中間部が支持されることとなるので、その先端部の垂れ等を大幅に低減することができる。また、トランスファバー108の軸方向に被搬送物たるシリンダヘッド10の荷重が作用した場合に、座屈の発生を防止することもできる。
【0035】
なお、トラックレール114は、トランスファバー108の全行程において設けることが望ましいので、反転装置80にも、図1に示すように、その正立状態及び倒立状態でローラスライダ116が乗り移れるように、別体のトラックレール114が上下に2本取り付けられる。なお、図1では、反転装置80には、上方に位置するトラックレール114のみが表れている。
【0036】
部品在籍検出装置120は、図11に示すように、取付ベース122と、ガイドシャフト124と、プレート126と、エアシリンダ128と、ファイバセンサ130と、を含んで構成される。
【0037】
取付ベース122は、プレス42の一側面であって反転装置80と反対側の面(図1参照)に固定される。取付ベース122には、鉛直方向に、2本のガイドシャフト124が摺動自由固定される。ガイドシャフト124の先端には、プレート126が固定され、ここに、取付ベース122に固定されたエアシリンダ128のロッド先端部128aが固定される。なお、エアシリンダ128は、落下防止機構を備えたものを使用するのが望ましい。また、プレート126の下面には、4つのファイバセンサ130が固定される。
【0038】
ファイバセンサ130は、図12に示すように、シリンダヘッド10の正立状態でバルブガイド12を検出すると共に、図13に示すように、シリンダヘッド10の倒立状態でバルブシート16を検出する。ファイバセンサ130の設置位置は、図14に示すように、部品検出位置における、正立状態におけるバルブガイド12と、倒立状態におけるバルブシート16と、の重複部分Aとする。このようにすることで、1つのセンサで異種部品を検出することが可能となる。なお、部品を検出するセンサとしては、ファイバセンサに限らず、例えば、近接スイッチ等の各種センサを使用してもよい。
【0039】
治具装置140は、図15及び図16に示すように、スライドベース142と、インテリジェントアクチュエータ(図示せず)と、ガイドシャフト144と、リフタベース146と、リフトシリンダ148と、ヒンジ150と、フレーム152と、チルト用シリンダ154と、治具としてのシートパッド156と、ロケートピン158と、搬送ローラ(図示せず)と、を含んで構成される。
【0040】
加工装置30のベース32上面に、略矩形形状の板状部材からなるスライドベース142が摺動自由に固定され、スライドベース142が摺動するように、図示しないインテリジェントアクチュエータが介装連結される。スライドベース142の四隅には、図16に示すように、丸棒形状の棒状部材からなるガイドシャフト144が鉛直方向に摺動自由に4本立設され、その先端に、略矩形形状の板状部材からなるリフタベース146が固定される。スライドベース142とリフタベース146との間には、スライドベース142に対してリフタベース146が上・下動するように、2つのリフトシリンダ148が対角上に介装連結される。また、リフタベース146の上面には、ヒンジ150が固定され、ここに、梯子形状のフレーム152の一端部が揺動自由に固定される。フレーム152とリフタベース146との間には、図15に示すように、ヒンジ150を中心としてフレーム152が揺動するように、チルト用シリンダ154が介装連結される。
【0041】
スライドベース142には、被工作物たるシリンダヘッド10の端面と当接してシリンダヘッド10を支持するシートパッド156がシリンダ列方向に3つ固定される。これらのシートパッド156の2つには、シリンダヘッド10の位置決めを行うロケートピン158が立設され、シリンダヘッド10に形成されたノックピンの嵌合孔と嵌合して位置決めが行われる。また、フレーム152の上部には、この上をシリンダヘッド10が移動し易いように、シリンダヘッド10の正立状態及び倒立状態における搬送面位置に、図示しない搬送ローラが取り付けられる。
【0042】
次に、かかる圧入装置40を用いて、シリンダヘッド10にバルブガイド12及びバルブシート16を圧入する方法(以下「圧入方法」という)について説明する。
【0043】
圧入方法は、搬入工程と、ガイドセット工程と、ガイド検出工程と、ガイド圧入工程と、第1搬送工程と、反転工程としての第1反転工程と、第2搬送工程と、姿勢変換工程としての第1姿勢変換工程と、シートセット工程と、シート検出工程と、シート圧入工程と、第2姿勢変換工程と、第3搬送工程と、第2反転工程と、搬出工程と、を含んで構成される。
【0044】
搬入工程では、例えば、オーバヘッド電車等の搬送装置を使用して、前工程から加工装置までシリンダヘッド10が搬送される。そして、正立状態で、治具装置140上の所定位置にシリンダヘッド10が載置される。
【0045】
ガイドセット工程では、作業者によって、シリンダヘッド10に形成された24箇所のガイド圧入孔14にバルブガイド12がセットされる。このとき、バルブガイド12は、その全体がガイド圧入孔14に嵌合された状態でなく、その一部がガイド圧入孔14に嵌合した仮嵌合状態となっている。
【0046】
ガイド検出工程では、圧入装置40によってバルブガイド12を圧入する前に、シリンダヘッド10のガイド圧入孔14にバルブガイド12が正しくセットされているか否かを検出する。即ち、作業者によるバルブガイド12のセット忘れや、シリンダヘッド10の搬送中にバルブガイド12が倒れた場合に、かかる状態でバルブガイド12の圧入を行わないようにすべく、バルブガイド12が正しくセットされているか否かを検出する。そして、バルブガイド12が正しくセットされていない場合には、圧入装置40を起動しないようにして不良品の発生を防止する。なお、ガイド検出工程の詳細については、ガイド圧入工程の説明中で併せて説明することとする。
【0047】
ガイド圧入工程は、ガイドセット工程においてバルブガイド12がセットされた後、作業者により起動ボタンが押されることで開始される。その詳細を図4を参照しつつ説明すると、次のようになる。なお、ガイド圧入工程の開始時には、治具装置140が原位置(搬入位置)、ガイド圧入具60が上昇端、かつ、ガイド圧入具60が排気側のバルブガイド12を圧入する位置(以下「排気側位置」という)にあるものとする。
【0048】
(1)圧入装置40における圧入具を、バルブガイド12を圧入するためのガイド圧入具60に切り換える。即ち、左右動用油圧シリンダ58によりスライドテーブル56を図1で右動させ、プレスラム42aの直下にガイド圧入具60を位置させる。
【0049】
(2)#1シリンダのバルブガイド12を検出する準備をする。即ち、治具装置140のインテリジェントアクチュエータによりスライドベース142を摺動させ、部品在籍検出装置120の直下に#1シリンダのバルブガイド12を位置させる。
【0050】
(3)#1シリンダのバルブガイド12を検出する。即ち、部品在籍検出装置120のエアシリンダ128によりプレート126をバルブガイド12近傍まで下降させ、ここに設けられたファイバセンサ130により給・排気弁のバルブガイド12を4つ同時に検出する。ここで、4つのバルブガイド12が検出されなかった場合には、例えば、警告灯により作業者に報知すると共に、圧入装置40を停止するようにする。そして、バルブガイド12の検出が完了したら、治具装置140のスライドベース142を摺動させる準備に入る。エアシリンダ128は、下降した状態で停止している。
【0051】
(4)(2)及び(3)の手順を繰り返し、#2シリンダのバルブガイド12を検出する。
(5)#1シリンダの排気側のバルブガイド12を圧入する準備をする。即ち、治具装置140のインテリジェントアクチュエータによりスライドベース142を摺動させ、ガイド圧入具60の直下に#1シリンダの排気側のバルブガイド12を位置させる。
【0052】
(6)上下動用油圧シリンダ52によりスライドベース50を下動させ、ガイド圧入具60をシリンダヘッド10の上面直近まで下降させる。
(7)#1シリンダの排気側のバルブガイド12を圧入する。即ち、プレス42を起動し、プレスラム42a,圧入用プッシャ65及びロードセル64を介して圧入力をバルブガイド12に伝達し、バルブガイド12を所定の圧入寸法まで圧入する。このとき、プレスラム42aの下降に伴って、圧入用プッシャ65及びロードセル64が下降し、2つの排気側のバルブガイド12を同時に圧入する。また、ロードセル64により圧入力を検出することで、バルブガイド12に印加された圧入力を介して圧入状態が間接的に把握される。要するに、圧入力が所定値以上になったときには、バルブガイド12に過度な圧入力が印加され、座屈やひび割れが発生したおそれがあると判断できるのである。
【0053】
(8)ガイド圧入具60を、吸気側のバルブガイド12を圧入する位置(以下「吸気側位置」という)にシフトする。即ち、ガイド圧入具60の前後動用油圧シリンダ62によりスライド式ホルダ61を摺動させ、ガイド圧入具60をシフトさせる。
【0054】
(9)(2)及び(3)の手順を繰り返し、#3シリンダのバルブガイド12を検出する。
(10)#1シリンダの吸気側のバルブガイド12を圧入する準備をする。なお、かかる準備の内容は、先の(5)の手順と同様であるので、その説明は省略する(以下同様)。
【0055】
(11)#1シリンダの吸気側のバルブガイド12を圧入する。
(12)#2シリンダの排気側のバルブガイド12を圧入する準備をする。
(13)ガイド圧入具60を、排気側位置にシフトする。
【0056】
(14)#2シリンダの排気側のバルブガイド12を圧入する。
(15)ガイド圧入具60を、吸気側位置にシフトする。
(16)(9)〜(15)の手順を繰り返し、#4〜#6シリンダのバルブガイド12の検出が完了すると、エアシリンダ128によりファイバセンサ130を上昇させる。
【0057】
(17)(10)〜(15)の手順を繰り返し、#5シリンダの吸気側及び#6シリンダの排気側のバルブガイド12を圧入する。
(18)(10)及び(11)の手順を繰り返し、#6シリンダの吸気側のバルブガイド12を圧入する。
【0058】
(19)ガイド圧入具60を、排気側位置にシフトする。
(20)上下動用油圧シリンダ52によりスライドベース50を上動させ、ガイド圧入具60を上昇端まで上昇させる。
【0059】
かかるガイド圧入工程によれば、先ず、バルブガイド12を圧入するために、圧入具がガイド圧入具60に切り換えられる。そして、治具装置140上でシリンダヘッド10を移動しつつ、バルブガイド12の検出及び圧入が行われる。
【0060】
第1搬送工程では、バルブガイド12が圧入されたシリンダヘッド10を、治具装置140から反転装置80まで搬送する。シリンダヘッド10を搬送する手順を説明すると、次のようになる。
【0061】
(1)治具装置140のリフトシリンダ148によりリフタベース146を上昇させる。すると、リフタベース146に固定されたフレーム152が上昇し、シートパッド156からシリンダヘッド10を持ち上げる。このとき、シリンダヘッド10の下面は、フレーム152上面に設けられた搬送ローラにより支持され、小さな力でシリンダヘッド10が移動可能となる。
【0062】
(2)搬送装置100の油圧モータ110を稼動させて、搬送用爪112を搬送位置にする。即ち、油圧モータ110の回転力は、駆動ギヤ118b及び被駆動ギヤ118aを介してトランスファバー108に伝達され、バーホルダ104に対してトランスファバー108を回動させる。
【0063】
(3)2段式油圧シリンダ106を伸長させ、搬送用爪112の一端面によりシリンダヘッド10の一端面を押し出し、シリンダヘッド10を反転装置80内に搬送する。このとき、2段式油圧シリンダ106の伸長に伴い、ローラスライダ116がトラックレール114と嵌合し、トランスファバー108に作用する軸力に起因する垂れ及び座屈等の発生が防止される。
【0064】
(4)シリンダヘッド10が反転装置80の所定位置まで搬送されたら、油圧モータ110を稼動させて、搬送用爪112を非搬送位置にする。非搬送位置は、トランスファバー108を伸縮させても、搬送用爪112がシリンダヘッド10及び他の装置と干渉しない位置に設定する。
【0065】
(5)2段式油圧シリンダ106を縮め、トランスファバー108を反転装置80から引き出す。
第1反転工程では、シリンダヘッド10を、正立状態から倒立状態に反転させる。即ち、クランプ機構90により、シリンダヘッド10を搬送ローラ200に押圧して固定した後、電動モータ86を稼動させて回転体82を回転させることで、シリンダヘッド10を反転させる。そして、反転が完了したら、クランプ機構90を解放し、シリンダヘッド10を倒立状態用の搬送ローラ200上に載置させる。
【0066】
第2搬送工程では、倒立状態となったシリンダヘッド10を、反転装置80から治具装置140上に引き戻す。シリンダヘッド10を治具装置140上に搬送する手順を説明すると、次のようになる。
【0067】
(1)2段式油圧シリンダ106を伸長させ、トランスファバー108を反転装置80内に侵入させる。
(2)油圧モータ110を稼動させ、搬送用爪112を搬送位置にする。
【0068】
(3)2段式油圧シリンダ106を縮め、搬送用爪112によりシリンダヘッド10を反転装置80から引き出す。このとき、シリンダヘッド10は、搬送用爪112の他端面(第1搬送工程とは反対側の面)と当接し、反転装置80から引き出される。
【0069】
(4)油圧モータ110を稼動させ、搬送用爪112を非搬送位置にする。
(5)治具装置140のインテリジェントアクチュエータにより、治具装置140を原位置に戻す。
【0070】
第1姿勢変換工程では、反転装置80から引き出されたシリンダヘッド10を、治具装置140上の所定位置に載置させる処理を行う。即ち、倒立状態のシリンダヘッド10は、図3に示すように、搬送面と加工基準面とが平行でないため、治具装置140のシートパッド156上にシリンダヘッド10の加工基準面を合わせる姿勢変換が必要となる。姿勢変換の手順を説明すると、次のようになる。
【0071】
(1)チルト用シリンダ154によりフレーム152を揺動させ、図15の2点鎖線が示すように、倒立状態におけるシリンダヘッド10の加工基準面が、シートパッド156と略平行になるようにする。
【0072】
(2)リフトシリンダ148によりリフタベース146を下動させる。すると、リフタベース146に揺動自由に取り付けられたフレーム152がリフタベース146と共に下降しつつ、シリンダヘッド10のノックピンの嵌合孔がロケートピン158と嵌合しつつ位置決めされ、シリンダヘッド10の加工基準面がシートパッド156上に載置される。
【0073】
(3)チルト用シリンダ154により、図15の実線が示すように、フレーム152の揺動を元に戻す。
シートセット工程では、作業者によって、シリンダヘッド10に形成された24箇所のシート圧入孔18に給・排気弁のバルブシート16がセットされる。
【0074】
シート検出工程では、圧入装置40によってバルブシート16を圧入する前に、シリンダヘッド10のシート圧入孔18にバルブシート16が正しくセットされているか否かを検出する。即ち、作業者によるバルブシート16のセット忘れを事前に検出し、かかる場合には、圧入装置40を起動しないようにして不良品の発生を防止する。なお、シート検出工程の詳細については、シート圧入工程の説明中で併せて説明することとする。
【0075】
シート圧入工程は、シートセット工程においてバルブシート16がセットされた後、作業者により再起動ボタンが押されることで開始される。その詳細を図4を参照しつつ説明すると、次のようになる。なお、シート圧入工程の開始時には、治具装置140が原位置、かつ、シート圧入具70が上昇端にあるものとする。
【0076】
(1)圧入装置40における圧入具を、バルブシート16を圧入するためのシート圧入具70に切り換える。即ち、左右動用油圧シリンダ58によりスライドテーブル56を図1で左動させ、プレスラム42aの直下にシート圧入具70を位置させる。
【0077】
(2)#1シリンダのバルブシート16を検出する準備をする。即ち、治具装置140のインテリジェントアクチュエータによりスライドベース142を摺動させ、部品在籍検出装置120の直下に#1シリンダのバルブシート16を位置させる。
【0078】
(3)#1シリンダのバルブシート16を検出する。なお、バルブシート16の検出方法については、先のバルブガイド12の検出方法と同様であるので、その説明は省略する。
【0079】
(4)(2)及び(3)の手順を繰り返し、#2シリンダのバルブシート16を検出する。
(5)#1シリンダのバルブシート16を圧入する準備をする。即ち、治具装置140のインテリジェントアクチュエータによりスライドベース142を摺動させ、シート圧入具70の直下に#1シリンダのバルブシート16を位置させる。
【0080】
(6)上下動用油圧シリンダ52によりスライドベース50を下動させ、シート圧入具70をシリンダヘッド10の上面直近まで下降させる。
(7)#1シリンダのバルブシート16を圧入する。即ち、プレス42を起動し、プレスラム42a,圧入・かしめ用プッシャ74,シート圧入工具71及びシート圧入・かしめ工具72を介して圧入力をバルブシート16に伝達し、バルブシート16を圧入及びかしめる。このとき、プレスラム42aの下降に伴って、圧入・かしめ用プッシャ74,シート圧入工具71及びシート圧入・かしめ工具72が下降し、4つのバルブシート16を同時に圧入及びかしめる。
【0081】
(8)(2)及び(3)の手順を繰り返し、#3シリンダのバルブシート16を検出する。
(9)#2シリンダのバルブシート16を圧入する準備をする。なお、かかる準備の内容は、先の(5)の手順と同様であるので、その説明は省略する(以下同様)。
【0082】
(10)#2シリンダのバルブシート16を圧入する。
(11)(8)〜(10)の手順を繰り返し、#4〜#6シリンダのバルブシート16の検出、及び、#3〜#5シリンダのバルブシート16を圧入及びかしめる。
【0083】
(12)(9)及び(10)の手順を繰り返し、#6シリンダのバルブシート16を圧入及びかしめる。
(13)上下動用油圧シリンダ52によりスライドベース50を上動させ、シート圧入具70を上昇端まで上昇させる。
【0084】
かかるシート圧入工程によれば、先ず、バルブシート16を圧入するために、圧入具がシート圧入具70に切り換えられる。そして、治具装置140上でシリンダヘッド10を移動しつつ、バルブシート16の検出、及び、バルブシート16の圧入及びかしめが行われる。
【0085】
第2姿勢変換工程では、バルブシート16が圧入されたシリンダヘッド10を、反転装置80に搬送するための姿勢変換処理を行う。即ち、倒立状態のシリンダヘッド10は、図3に示すように、搬送面と加工基準面とが平行でないため、搬送面を水平面に合わせる姿勢変換が必要になる。姿勢変換の手順を説明すると、次のようになる。
【0086】
(1)チルト用シリンダ154によりフレーム152を揺動させ、フレーム152の上面が、倒立状態におけるシリンダヘッド10の搬送面と略平行になるようにする。
【0087】
(2)リフトシリンダ148によりリフタベース146を上動させる。すると、リフタベース146と共にフレーム152が上昇し、フレーム152の搬送ローラとシリンダヘッド10の搬送面とが当接し、シートパッド156からシリンダヘッド10が持ち上げられる。
【0088】
(3)チルト用シリンダ154によりフレーム152の揺動を元に戻す。
第3搬送工程では、姿勢変換された倒立状態のシリンダヘッド10を、圧入装置40から反転装置80まで搬送する。シリンダヘッド10を搬送する手順を説明すると、次のようになる。
【0089】
(1)搬送装置100の油圧モータ110を稼動させて、搬送用爪112を搬送位置にする。
(2)2段式油圧シリンダ106を伸長させ、搬送用爪112の一端面によりシリンダヘッド10の一端面を押し出し、シリンダヘッド10を反転装置80内に搬送する。
【0090】
(3)シリンダヘッド10が反転装置80の所定位置まで搬送されたら、油圧モータ110を稼動させて、搬送用爪112を非搬送位置にする。
(4)2段式油圧シリンダ106を縮め、トランスファバー108を反転装置80から引き抜く。
【0091】
第2反転工程では、シリンダヘッド10を、倒立状態から正立状態に反転させる。即ち、先の第1反転工程と同様に、クランプ機構90により、シリンダヘッド10を着座パッド88に押圧して固定した後、電動モータ86を稼動させて回転体82を回転させることで、シリンダヘッド10を反転させる。そして、反転が完了したら、クランプ機構90を解放し、シリンダヘッド10を正立状態用の着座パッド88に載置させる。
【0092】
搬出工程では、例えば、オーバヘッド電車等の搬送装置を使用して、反転装置80から後工程までシリンダヘッド10を搬送する。なお、後工程において、倒立状態のシリンダヘッド10を加工等する場合には、第2反転工程は不要であることは言うまでもない。
【0093】
以上説明した、搬入工程〜搬出工程からなる圧入方法によれば、圧入具が交換可能な圧入装置40と、シリンダヘッド10を反転させる反転装置80と、の間をトランスファバー式の搬送装置100によってシリンダヘッド10を搬送することで、同一経路を1.5往復して作業を完了することができる。このため、本発明に係る加工装置30では、圧入装置40及び反転装置80を設置するスペースのみが必要となり、従来のものより、設備台数の削減及びラインスペースの半減を行うことができる。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、従来よりも少ない台数の設備でシリンダヘッドの加工が可能となり、作業効率の向上及びラインスペースの半減を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る加工装置の全体構成図
【図2】 同上の右側面図
【図3】 加工対象たるシリンダヘッドの正立状態における断面図
【図4】 加工対象たるシリンダヘッドを示し、(A)は倒立状態における上面図、(B)は正立状態における上面図
【図5】 加工装置を構成する圧入装置の正面図
【図6】 同上の左側面図
【図7】 同上の右側面図
【図8】 同上のシート圧入具の要部断面図
【図9】 加工装置を構成する搬送装置の上面図
【図10】 同上の要部を示す右側面図
【図11】 加工装置を構成する部品在籍検出装置の正面図
【図12】 同上のバルブガイド検出状態の説明図
【図13】 同上のバルブシート検出状態の説明図
【図14】 同上の検出箇所の説明図
【図15】 加工装置を構成する治具装置の構成及びフレーム揺動状態の説明図
【図16】 同上の姿勢変換機構の説明図
【符号の説明】
10 シリンダヘッド
12 バルブガイド
14 ガイド圧入孔
16 バルブシート
18 シート圧入孔
30 加工装置
40 圧入装置
42 プレス
42a プレスラム
54 スライドプレート
56 スライドテーブル
58 左右動用油圧シリンダ
60 ガイド圧入具
70 シート圧入具
80 反転装置
100 トランスファ装置
108 トランスファバー
140 治具装置
156 シートパッド

Claims (1)

  1. シリンダヘッドにバルブガイドを圧入するガイド圧入具及びバルブシートを圧入するシート圧入具を切り替えながら、シリンダヘッドにバルブガイド及びバルブシートを圧入する圧入装置と、
    該圧入装置によりバルブガイド又はバルブシートが圧入されたシリンダヘッドを反転させる反転装置と、
    搬送面と着座面とが平行でないシリンダヘッドの姿勢変換及び位置決めを行う冶具装置と反転装置との間で、シリンダヘッドを搬送するトランスファ装置と、
    を用いて、シリンダヘッドのバルブシート圧入側を上方に位置させたときに、搬送面たる下端面と冶具装置に着座する着座面とが平行でないシリンダヘッドに、その上方からバルブガイド及びバルブシートを夫々圧入するシリンダヘッドの加工方法であって、
    シリンダヘッドのバルブガイド圧入孔にバルブガイドを仮嵌合するガイドセット工程と、
    該ガイドセット工程により仮嵌合されたバルブガイドを検出するガイド検出工程と、
    該ガイド検出工程によりバルブガイドが検出されたときに、バルブガイドを圧入するガイド圧入工程と、
    該ガイド圧入工程によりバルブガイドが圧入されたシリンダヘッドを反転装置に搬送する第1の搬送工程と、
    該第1の搬送工程により反転装置に搬送されたシリンダヘッドを反転させる反転工程と、
    該反転工程により反転されたシリンダヘッドを冶具装置に搬送する第2の搬送工程と、
    該第2の搬送工程により搬送されたシリンダヘッドを冶具装置に着座させるべく、シリンダヘッドの着座面が冶具の着座面と略平行になるように、シリンダヘッドの姿勢を変換する姿勢変換工程と、
    該姿勢変換工程により姿勢変換されたシリンダヘッドのバルブシート圧入孔にバルブシートを仮嵌合するシートセット工程と、
    該シートセット工程により仮嵌合されたバルブシートを検出するシート検出工程と、
    該シート検出工程によりバルブシートが検出されたときに、バルブシートを圧入するシート圧入工程と、
    を含んで構成されたことを特徴とするシリンダヘッドの加工方法。
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