JP3771239B2 - 誘導電動機制御装置 - Google Patents

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この発明は、多相インバータにより試験電源を供給して多相誘導電動機の1次、2次抵抗及び漏れインダクタンスといった電気的定数を測定し、この測定結果を駆動制御のパラメータに設定して多相誘導電動機を駆動制御する誘導電動機制御装置に関する。
誘導電動機を高精度に制御するには、誘導電動機の電気的定数である1次、2次の巻線抵抗、1次、2次漏れインダクタンス、相互インダクタンスの値が必要になる場合がある。これらの電気的定数を測定し誘導電動機制御装置に設定する機能を有する従来技術の1つとして、図12に示すものがある。
図12は特開平7−325132号公報(特許文献1)に記載された従来の誘導電動機制御装置の要部システム構成を示すものであり、1はインバータ、2は誘導電動機、3は電流検出器、4は電圧検出器、5は磁束トルク制御手段、6は無負荷試験手段、7は直流試験手段、8(1)〜8(n)は単相試験手段、9は定数計算手段、10は選択器、11は設定記憶手段である。インバータ1は選択器10出力のスイッチング信号を入力しそのスイッチング信号に応じて動作させられ、インバータ1により誘導電動機2に電圧を印加する。
次に、この誘導電動機制御装置の2次抵抗及び漏れインダクタンスを測定する動作を説明する。選択器10は複数の単相試験手段8(1)〜8(n)の出力スイッチング信号を順次選択し、インバータ1に出力する。誘導電動機2は停止した状態で3相入力端子のうちの2つの端子間に単相交流電圧が印加される。ここで、n個の単相試験手段8(1)〜8(n)では誘導電動機2に印加される電圧の周波数がそれぞれ異なっているものとする。各々の単相試験手段8(1)〜8(n)は、電流検出器3と電圧検出器4により検出した電流と電圧を入力してそれらの基本波の大きさと位相を求め、それらの関係から1次と2次の漏れインダクタンスの和(L011+L021)〜(L01n+L02n)と、1次と2次の巻線抵抗の和(R11+R21)〜(R1n+R2n)とを求め、その電圧の周波数(F1〜Fn)とともに定数計算手段9に出力する。ここで、1次漏れインダクタンスと2次漏れインダクタンスは等しいと仮定し、それぞれの単相試験手段8(1)〜8(n)が出力する漏れインダクタンスの和の半分をそれぞれの単相試験手段8(1)〜8(n)の漏れインダクタンス(L1〜Ln)とする。
さらに、印加電圧の周波数を変数として漏れインダクタンスの周波数変化特性を、(m≦n−1)を満足するm次多項式を次式とする。
L=A・F(べきm)+B・F(べきm−1)+・・・+Z ・・(1)
ここで、(1)式に周波数(F1〜Fn)において測定された漏れインダクタンス(L1〜Ln)を代入し、未定係数法により、係数A、B、Zを求めることができる。そして、周波数0Hzの値を採用するため、零次分Zのみを算出すればよく計算が非常に簡単である。このm次多項式の零次分を漏れインダクタンスの推定真値Lとする。同様に、周波数(F1〜Fn)にて測定された2次巻線抵抗(R21〜R2n)を用いて、m次多項式の零次分を2次巻線抵抗の真値R2とする。このように、測定を行うのは誘導電動機2次導体の表皮効果による2次抵抗、漏れインダクタンスの測定誤差を減らすためである。
ここで、表皮効果の影響についてもう少し詳細に説明する。図13は表皮効果により2次抵抗が2次周波数によりどのように変化するかを示す説明図であり、深溝型の2次導体形状を持つ3.7KW誘導電動機を例として示した。ここで、図13(a)は二次周波数(Hz)と2次抵抗(Ω)との関係を示す説明図であり、図13(b)は図13(a)の低周波部分の2次抵抗側レンジを拡大した説明図であり、太実線で示される真値が示すように2次抵抗は2次周波数の増加に伴い表皮効果の影響で大きくなる。図中2次近似、3次近似、4次近似と示してあるのは、多項式近似により求めた曲線であることを示している。図13(c)は多項式近似により求めた曲線の問題点の説明図である。図13(b)で判るように多項式近似の次数を上げるほど真値に近く推定できる。しかし、その分多くの周波数での測定が必要となる。この例では4次近似程度でかなり真値からの誤差は少なくなっている。
また、図13(c)に示す4次近似#1は4次近似で各周波数で誤差なく測定できた場合を示しており、4次近似#2は1ポイントの周波数(図中22Hz)での測定に0.005Ω誤差を持った場合の推定結果を示している。図から判るように0Hzの2次抵抗値は1ポイントの周波数の測定誤差により大きく誤差が増す。このように、多項式近似によると測定された値のわずかな誤差が測定されていない領域の抵抗推定値に非常に大きな誤差となって影響することが判る。
また、通常運転状態では滑りが小さいので2次周波数はわずか数Hz程度である。この例で使用した誘導電動機では定格負荷時に4Hzとなる。
従って通常運転状態で必要とされる2次抵抗は数Hz程度の値である。
しかし、誘導電動機の等価回路はよく知られている図14に示され、数Hz程度の電圧印加ではほとんど2次側に電流が流れることはなく、相互インダクタンスMを通って流れてしまい、2次抵抗を精度良く測定することができなくなるために、通常運転状態より高い周波数から必要とされる周波数を推定することが必要となる。
以上をまとめると、
通常運転時に必要とされる低周波数での2次抵抗はその周波数で直接測定することはできず通常運転時より高い周波数で求めた2次抵抗測定値を用いて通常運転時の2次抵抗を推定しなければならない。
多項式近似により通常運転時に必要とされる周波数での2次抵抗値の推定は可能であるが、精度を上げるために近似する次数は4次以上、すなわち周波数5点以上の測定が必要となる。
またそれぞれの周波数における測定精度は極めて高くなければならず、もし誤差を含むと通常運転周波数での2次抵抗値を推定する際、大きな誤差を生じる。
以上、2次抵抗について述べたが、漏れインダクタンスに関してもまったく同じことがいえる。
次に、図15は、特開平6−98595号公報に記載された従来の誘導電動機制御装置のブロック図であり、この公報には、特に単相印加による1次+2次の合成抵抗(R1+R2)及び合成漏れインダクタンス(L1+L2)の測定方法が開示されている。
図15において、21は交流電源、22は整流回路、23は平滑コンデンサ、24はインバータ、25は誘導電動機、26は電流検出器である。
27はPWM信号を発生するゲート回路、28は通常運転時は速度指令ωrに追従するよう制御を行う速度センサレスベクトル制御、29は正弦波変調信号を作り、これによりゲート回路27を介してインバータ24を動作させ、交流励磁電圧により誘導電動機25に交流電流を流す単相交流励磁処理、30は有効パワー分電流Iq、及び無効パワー分電流Id演算処理、31は1次、2次合成抵抗及び合成漏れインダクタンス演算処理である。32は制御回路であり符号28乃至符号31を付した構成を含む。ここで、有効パワー分電流Iq、及び無効パワー分電流Id演算処理30は、U相の電動機電流iuと励磁電圧ベクトルの固定座標からの回転位相指令をθとすると、有効パワー分電流Iqである1.414・sinθ・iuを1次周波数の1周期区間で、任意のサンプル周期毎に積算し、積算回数で除算して求め、無効パワー分電流Idである−1.414・cosθ・iuを1次周波数の1周期区間で、任意のサンプル周期毎に積算し、積算回数で除算して求める。
そして、1次、2次合成抵抗及び合成漏れインダクタンス演算処理は、1次、2次合成抵抗(R1+R2)と1次、2次合成漏れインダクタンス(L1+L2)をインバータの1次周波数指令ω1及び1次電圧指令値Vc1より次式で求める。
(R1+R2)=Vc1・Iq/1.5(Id2+Iq2)・・(2)
(L1+L2)=Vc1・Id/1.5ω1(Id2+Iq2)・・(3)
このようにして、図15に示す従来の誘導電動機制御装置は単相印加により1次、2次合成抵抗及び漏れインダクタンスを求める。
しかし、この演算は相互インダクタンスMを開放として近似していることによる誤差を生じる。ここでその誤差について説明する。図14に示された1相分等価回路にて1次側から流入する電流は相互インダクタンスMと2次の漏れインダクタンス、2次抵抗の直列回路とに分流する。ここで、相互インダクタンスMを開放として近似するとMに流れている電流はすべて2次漏れインダクタンスと、2次抵抗の直列回路に流れるとして計算することになる。この相互インダクタンスを開放として近似することによる誤差はR1=0.4Ω、R2=0.3Ω、M=62mH、L1=L2=1.6mHとすると、2次抵抗値が約5%ほど低く演算されることになる。
図16は特開平4−364384号公報(特許文献2)に記載された従来の誘導電動機制御装置を示すブロック図であり、特に、起動時に電動機の1次抵抗R1と2次抵抗R2を推定する技術が開示されている。
図16において、直流電圧信号発生器51は起動信号STが零から立ち上がった直後から磁束指令Ψ* が50%まで立ち上がるまでの一定時間、直流電圧を一時的にスイッチ52を介してPWMインバータ41に印加し、PWMインバータ41がパルス幅制御で平均的に電動機42に直流電圧を印加する。次に、起動電流検出手段57は、PWMインバータ41より直流電圧を電動機42に印加し始めてから磁束指令Ψ* が50%まで立ち上がるまでの一定時間後電動機42の1相の電流(以降、起動電流と称す。)を電流検出器44により検出し、ローパスフィルタ53及びスイッチ54を介して抵抗推定演算器55に出力する。次に、抵抗推定手段55は、電動機42の温度が基準温度状態における電動機42の1次抵抗R1nと2次抵抗R2n及び電動機42の温度が基準温度状態における起動電流検出手段57の出力起動電流Inを記憶している基準値記憶器56と、電動機42の温度が規定されていない状態における起動電流検出手段57の出力の起動電流Iおよび基準値記憶器56の出力である基準温度における1次抵抗R1n、2次抵抗R2nおよびInを入力し、
R1={Kr1(In−1)/I+1}R1n ・・・(4)
R2={Kr2(In−1)/I+1}R2n ・・・(5)
(4)、(5)式の演算(Kr1、Kr2は補正係数)により電動機42の1次抵抗R1と2次抵抗R2とを推定する。
しかし、この図16に示す誘導電動機制御装置では、PWMインバータ41より直流電圧を電動機42に印加し始めてから磁束指令Ψ* が50%まで立ち上がるまでの一定時間後の電動機42の1相の起動電流を電流検出器44により検出して抵抗を推定するものである。また、1次抵抗R1及び2次抵抗R2は同一であることが前提となっているので、推定された1次抵抗R1及び2次抵抗R2は標準温度における1次抵抗R1n及び2次抵抗R2nよりは実際に近いといった程度であり、また1次抵抗と2次抵抗との温度がいつも一定でなければ誤差を持つといった問題がある。
特開平7−325132号公報 特開平4−364384号公報
上述のような従来の誘導電動機制御装置では、次のような問題がある。
(1)2次抵抗、漏れインダクタンスの測定精度を上げるには表皮効果を十分に考慮する必要があるが、従来の考慮方法では誤差が大きく変化する。
従来の表皮効果考慮方法は多項式で近似するというものであったが、多項式ではその次数を高くしなければ精度よく推定できなかった。次数を高くすることは、測定する周波数を増やすことにつながるので、測定に時間がかかり多項式近似の演算も複雑になる。
また、多項式近似はもともとその測定ポイントを正しく通る曲線を求めるもので、2次抵抗推定のように例えば10Hzからの60Hzまでの測定をして4Hzでの2次抵抗を求めたい場合などのように、測定範囲外の曲線を求めるには不向きである。そのため少しでも各測定ポイントでの測定値に誤差をもつとその誤差を持つ測定値を近似する曲線にのせるために測定範囲外の曲線は大きく変化する。つまり多項式近似を使うためには各測定周波数での測定値は誤差があってはならず、実測定では非常に困難である。
(2)1次、2次の合成抵抗及び合成漏れインダクタンスを求める際に、相互インダクタンスMを開放と近似しているために、推定誤差を生じる。
従来、1次、2次の合成抵抗及び合成漏れインダクタンスを求める際に相互インダクタンスMを開放として近似していた。実際に測定を行う場合は測定電流は相互インダクタンスMへも流れており、その電流は2次側の2次抵抗、2次漏れインダクタンスに流れるとして計算することになる。
この電流値はわずかではあるが、2次抵抗推定値として5%程度の誤差を生じることがあった。しかし、相互インダクタンスMを考慮して求めるためには収束計算が必要となり構成が困難であった。
(3)起動トルク不足を解消するための、従来の起動時抵抗値推定方式では、1次抵抗と2次抵抗との温度が一定でない場合に誤差が大きくなる。
従来の起動時抵抗推定方法は起動時に直流電圧を印加しある特定間隔後の電流値をみて抵抗を推定している。通常1次抵抗を測定するために直流を流し、十分定常に達した後の電圧/電流より抵抗を求める方法を過渡状態でもその抵抗値の影響によりその電流値が変化することを利用して比例計算で求めているに過ぎず、その変化は実際には比例的にならない場合も有り誤差を多く含む。また、2次抵抗は同様に比例計算で求めているため、1次、2次の温度が異なっていった場合などはその温度差による抵抗変化分だけ誤差を持つことになる。
従って、この発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、この発明の第1の目的は、測定に時間がかかることなく、少ない測定周波数で精度よく表皮効果の影響を考慮し、2次抵抗、漏れインダクタンスの測定精度向上することにより制御性能を向上した誘導電動機制御装置を提供すること、この発明の第2の目的は、抵抗及び漏れインダクタンス測定時に相互インダクタンスを考慮することにより、相互インダクタンスを開放と近似することによる誤差を減らすもので、しかも収束計算など使用せずに簡単に計算するようにすることにより制御性能を向上した誘導電動機制御装置を提供すること、この発明の第3の目的は、1次抵抗及び2次抵抗を、比例計算ではなく、直接抵抗値を推定できるようにようにし、1次、2次の温度が異なっている場合にも誤差が少ないようにすることにより制御性能を向上した誘導電動機制御装置を提供することである。
この発明の誘導電動機制御装置は、第1の演算手段が、少なくとも3つの異なる周波数fの試験電源による試験条件のそれぞれに対応する2次巻線抵抗R2と漏れインダクタンスLとを演算し、第2の演算手段が、2次巻線抵抗R2と漏れインダクタンスLのそれぞれを分母と分子に周波数fの2次式を含む有理関数を有し、試験条件のそれぞれに対応する2次巻線抵抗R2と漏れインダクタンスLとを有理関数に代入してこの有理関数を求め、この求めた有理関数に所要の滑り周波数を代入して2次巻線抵抗R2と漏れインダクタンスLとを演算するようにしたので、誘導電動機の滑り周波数に対する表皮効果を考慮した2次抵抗、漏れインダクタンスを少なくとも3つの周波数での測定により、簡単に求めることができるとともに、実運転時に必要とされる誘導電動機の滑り周波数での2次抵抗、漏れインダクタンスを精度よく演算測定することができ、そしてその値を実運転時の制御に使用することができるので、速度やトルクの演算を行う場合においてその演算精度が高くなる効果を奏する。
また、この発明の誘導電動機制御装置は、3つの異なる周波数fの試験電源による試験条件のそれぞれに対応する2次巻線抵抗R2と漏れインダクタンスLとを演算し、次に示す簡単な有理関数、
R2(f)=(a1+a2・f2)/(1+a3・f2
L (f)=(b1+b2・f2)/(1+b3・f2
により実運転時に必要とされる誘導電動機の滑り周波数での2次抵抗、漏れインダクタンスを精度よく演算測定することができる効果を奏する。
また、この発明の誘導電動機制御装置は、第2の演算手段が、係数a1及びb1のみを求め、低滑り周波数に対応する2次巻線抵抗R2と漏れインダクタンスLを演算するので、短時間に実運転時に必要とされる誘導電動機の滑り周波数での2次抵抗、漏れインダクタンスを精度よく演算測定することができる効果を奏する。
また、この発明の誘導電動機制御装置は、第1の演算手段が、所定の周波数fにおける第1の2次巻線抵抗R2を演算し、第2の演算手段が、この第2の演算手段が予め求めた有理関数に所定の周波数fを代入して第2の2次巻線抵抗R2を求めるとともに、所要の滑り周波数fを代入して第3の2次巻線抵抗R2を求め、この第3の2次巻線抵抗R2に第2の2次巻線抵抗R2と第1の2次巻線抵抗R2の比を乗じて所要の2次巻線抵抗R2を求めるので、更に、短時間に実運転時に必要とされる誘導電動機の滑り周波数での2次抵抗、漏れインダクタンスを精度よく演算測定することができる効果を奏する。
また、この発明の誘導電動機制御装置は、電力演算手段が、周波数fの試験電源に対応する有効電力Pと無効電力Qとを演算し、第1の演算手段が、周波数fに対応する相電圧ピーク値Vp及び1次角周波数ω、有効電力Pと無効電力Q、予め予測された一次巻線抵抗R1とからL型等価回路より求められる演算式により2次抵抗R2dと2次漏れインダクタンスL2dを求め、第2の演算手段が、T型等価回路より求められる2次巻線抵抗R2と2次漏れインダクタンスLの演算式のおのおのに、第1の演算手段が求めた2次巻線抵抗R2dと2次漏れインダクタンスL2dと予め測定されている2次自己インダクタンスLL2とを代入して2次巻線抵抗R2と2次漏れインダクタンスLを求めるので、有効電力、無効電力を用いて2次巻線抵抗、漏れインダクタンスを計算する際に相互インダクタンスを考慮した演算が収束計算など用いずに求めることができるため、収束計算などの複雑なプログラミングをする手間が省け、更に、相互インダクタンスを考慮しているために2次巻線抵抗、漏れインダクタンスの演算測定誤差が減少できる効果を奏する。
また、この発明の誘導電動機制御装置は、L型等価回路より求められる演算式は、
L2d=Q・Vp2/(4・ω・(P2+Q2))
R2d=P・Vp2/(2・(P2+Q2))−R1
T型等価回路より求められる演算式は、
L=L2d+(2・L2d−LL2)・R2d2/(2・ω2・LL22
R2=R2d・LL22 /(LL2−L2d)2
であるので、簡単な計算により相互インダクタンスを考慮した演算が収束計算など用いずに求めることができる効果を奏する。
また、この発明の誘導電動機制御装置は、電力演算手段が、多相インバータが多相誘導電動機に供給する単相交流の印加電圧より瞬時有効電力と瞬時無効電力を求め、瞬時有効電力と瞬時無効電力から高周波成分をフィルタリングするので、有効電力と無効電力を電動機を拘束せずに精度良く測定できる効果を奏する。
また、この発明の誘導電動機制御装置は、電力演算手段が、瞬時有効電力と瞬時無効電力から印加電圧の2倍の周波数成分をノッチフィルタにより、2倍の周波数成分を超える高周波成分をローパスフィルタによりフィルタリングするので、より精度良く有効電力と無効電力を測定できる効果を奏する。
また、この発明の誘導電動機制御装置は、試験電源指令手段が、多相インバータに対して多相誘導電動機に指定した実効値電流を供給するように指令電圧を出力するので、実効値電流値により変化する2次巻線抵抗及び漏れインダクタンスに対して、実運転時の実効値電流値に対応する2次巻線抵抗及び漏れインダクタンスを精度良く測定できる効果を奏する。
また、この発明の誘導電動機制御装置は、試験電源指令手段が、多相インバータに対する指令電圧を所定の上昇率で上昇し、この指令電圧の上昇に伴って多相インバータが多相誘導電動機へ供給する実効値電流の二乗の時間平均値が指定した実効値電流の1/3と等しいかあるいは大きくなったときに指令電圧の上昇を止めるので、有効電力と無効電力の測定に必要な実効値電流の設定が容易に行える効果を奏する。
また、この発明の誘導電動機制御装置は、試験電源指令手段が、多相インバータに指令電圧を出力し、電力演算手段が、測定及び演算による遅れに対応した補正位相により指令電圧の位相を補正して有効電力Pと無効電力Qとを演算するので、有効電力、無効電力の測定結果に影響を及ぼす指令電圧の位相差を補正できるので、サンプリング周期や演算遅れ時間により有効電力、無効電力の測定結果が変わることなく正確に測定できる効果を奏する。
また、この発明の誘導電動機制御装置は、電流制御手段が、多相インバータを制御して停止中の多相誘導電動機に所定の直流指令電圧を印加して直流電流を供給し、抵抗推定手段が、直流電圧と直流電流とを入力して、電流制御手段の電流供給直後の第1の期間に1次巻線抵抗と2次巻線抵抗との合成抵抗を演算し、第1の期間の次の第2の期間に1次巻線抵抗を演算し、第1の期間に演算した合成抵抗から第2の期間に演算した1次巻線抵抗を減じて2次巻線抵抗を推定するので、起動時に短時間に1次巻線抵抗、2次巻線抵抗を推定可能であり、起動の度に推定することにより、温度変化により1次巻線抵抗、2次巻線抵抗が変化しても起動時にトルク不足になることはない。また1次巻線抵抗、2次巻線抵抗の温度が異なっていてもそれぞれの温度における1次巻線抵抗、2次巻線抵抗を求めることができる効果を奏する。
また、この発明の誘導電動機制御装置は、抵抗推定手段に、多相誘導電動機に供給した直流電流と多相誘導電動機の既知の回路定数と帰還された1次巻線抵抗と2次巻線抵抗とから多相誘導電動機に印加した直流電圧値を推定する電圧推定器と、直流電圧値と直流電圧指令値との偏差を積分演算する積分器と、積分器の出力を基に第1の期間に1次巻線と2次巻線との合成抵抗を演算し、合成抵抗を1次巻線抵抗と2次巻線抵抗に分離して電圧推定器に帰還し、第2の期間に積分器出力より1次巻線抵抗を演算し、第1の期間に演算した合成抵抗から第2の期間に測定した1次巻線抵抗を減じて2次巻線抵抗を推定し、演算した1次巻線抵抗と推定した2次巻線抵抗を電圧推定器に帰還する抵抗演算手段とを備え、偏差が所定値以下となった場合に第2の期間に測定及び推定した1次巻線抵抗と2次巻線抵抗を使用して多相誘導電動機を制御するので、抵抗値を精度よく推定できる効果を奏する。
また、この発明の誘導電動機制御装置は、抵抗推定手段に、多相誘導電動機に指令した直流指令電圧と多相誘導電動機の既知の回路定数と帰還された1次巻線抵抗と2次巻線抵抗とから多相誘導電動機に供給した直流電流値を推定する電流推定器と、直流電流値と多相誘導電動機に供給した直流電流の検出値との偏差を積分演算する演算器と、この積分器の出力を基に第1の期間に1次巻線と2次巻線との合成抵抗を演算し、合成抵抗を1次巻線抵抗と2次巻線抵抗に分離して前記電圧推定器に帰還し、第2の期間に積分器出力より1次巻線抵抗を演算し、第1の期間に演算した合成抵抗から第2の期間に測定した1次巻線抵抗を減じて2次巻線抵抗を推定し、演算した1次巻線抵抗と推定した2次巻線抵抗を電流推定器に帰還する抵抗演算手段とを備え、偏差が所定値以下となった場合に第2の期間に測定及び推定した1次巻線抵抗と2次巻線抵抗を使用して多相誘導電動機を制御するので、抵抗値を精度よく推定できる効果を奏する。
また、この発明の誘導電動機制御装置は、抵抗演算手段が、第1の期間に演算した合成抵抗を1次巻線抵抗と2次巻線抵抗とに所定の比で分離するので、あらかじめ求めた1次巻線抵抗と2次巻線抵抗の比を使うようにすることにより、その比が判らないときに抵抗の推定時間が長くなることを防止できる効果を奏する。
また、この発明の誘導電動機制御装置は、予め交流電圧を多相誘導電動機に印加して求めた交流印加による1次巻線抵抗R1及び2次巻線抵抗R2と、抵抗推定手段によりほぼ同時に推定した直流電圧印加による1次巻線抵抗R1及び2次巻線抵抗R2との比を記憶する記憶手段を備え、抵抗推定手段により推定した1次巻線抵抗R1及び2次巻線抵抗R2を記憶手段に記憶した比により補正するので、起動時の抵抗をより精度良く推定することができる効果を奏する。
また、この発明の誘導電動機制御装置は、運転期間と停止期間を繰り返す多相誘導電動機の停止期間に1次巻線抵抗と2次巻線抵抗を推定して多相誘導電動機を制御するので、運転と停止による巻線の温度変化による抵抗変化を推定できるので起動時の抵抗をより精度良く推定することができる効果を奏する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による誘導電動機制御装置を示すブロック図である。図1において、101はインバータ、102は誘導電動機、103はインバータ101から誘導電動機102へ供給される電流を検出する電流検出器、104はインバータ101より誘導電動機102へ印加する試験電源を指令する試験電源指令手段であり、3つの異なる周波数の指令電圧を順次出力する。105は電流検出器103で検出した電流と試験電源指令手段104からの指令電圧とを用い有効電力P及び無効電力Qを演算測定する有効電力・無効電力演算測定手段(以降、電力演算手段と称す。)、106は電力演算手段105より測定された結果を用い2次抵抗R2と漏れインダクタンスLを演算測定する2次抵抗・漏れインダクタンス演算測定手段、107は2次抵抗・漏れインダクタンス演算測定手段106から出力される異なる3つの周波数の指令電圧に対応する2次抵抗・漏れインダクタンスの値を用い表皮効果を考慮した値を演算する表皮効果考慮演算手段である。また、108は表皮効果考慮演算手段107が出力した値を実際の運転時に使用するため記憶する、2次抵抗・漏れインダクタンス記憶手段である。
次に、この誘導電動機制御装置の表皮効果考慮演算手段107の動作を説明する。
背景技術で説明したように表皮効果により2次抵抗は滑り周波数によって変化する。この変化の様子は籠形回転子の溝形状によって多少違うものの、いろいろな2次導体形状の表皮効果の影響は、その周波数対2次抵抗の実験により、いずれも分母と分子に周波数fの2次式を含む有理関数で表せることが判った。この有理関数は次のように示される。
R2(f)=(k1+k2・f2)/(k3+k4・f2) ・・・(6)
ここで、fは周波数、k1〜k4は定数である。
(6)式においてa1=k1/k3、a2=k2/k3、a3=k4/k3とおくと
R2(f)=(a1+a2・f2)/(1+a3・f2) ・・・(7)
となる。ここで例えば籠形回転子の溝形状が2重籠形となっている誘導電動機の等価回路は図2のように示される。ここで、L20は2次側共通漏れインダクタンス、R2pは2重籠の上部導体の抵抗値、R2sは2重籠の下部導体の抵抗値、L2pは2重籠の上部導体の漏れインダクタンス、L2sは2重籠の下部導体の漏れインダクタンス、Zrは2次側合成インピーダンスである。この2次側合成インピーダンスZrは次式のように示される。
Figure 0003771239
(8)式より、その実部と虚部はそれぞれ周波数fの2次式を含む有理関数の特性となることが判る。誘導電動機102の制御においては2次導体を抵抗と漏れインダクタンスの直列回路として扱うので、2次合成インピーダンスZrの実部が2次抵抗、虚部が2次漏れインダクタンスとして扱われることとなる。よって、2重籠では2次側周波数による2次抵抗、漏れインダクタンスは周波数fの2次式を含む有理関数で表せることが理論的にも判る。
このように、周波数fの2次式を含む有理関数で表せると3つの周波数f1、f2、f3に対応するR抵抗R2(f1)、R2(f2)、R2(f3)が判ると係数a1、a2、a3は代数計算により求めることができる。このように係数が求まれば測定できないような数Hzといった低周波での2次抵抗も容易に演算することができる。
上記は2次抵抗について述べたが同様なことが漏れインダクタンスについても言える。
また、理論的な説明として2次導体の溝形状が2重籠形の場合について説明したが、深溝形の場合においても上述の有理関数で表せることが判った。
また、周波数fの2次式と4次式を含む有理関数により2次抵抗及び漏れインダクタンスを表しても良いが、係数の数が5個となり、5つの周波数f1、f2、f3、f4、f5での2次抵抗R2(f1)、R2(f2)、R2(f3)、R2(f4)、R2(f5)から5つの係数を求めることが必要となり、演算が複雑となり抵抗の推定に時間がかかることになる。上述の実験では、周波数fの2次式の有理関数により十分な精度で2次抵抗及び漏れインダクタンスが推定できることが判った。
次に、実施の形態1による誘導電動機制御装置の動作を説明する。
図1において、試験電源指令手段104から60Hz、35Hz、10Hzの3つの周波数の指令電圧が順次出力される。それぞれの周波数における試験電源指令手段104からの指令電圧と電流検出器103の出力により電力演算手段105にて有効電力・無効電力が求められる。
この場合試験電源は3相正弦波、あるいは単相正弦波いずれでもよい。
但し、3相正弦波の場合、10Hzの周波数指令を出力すると誘導電動機102はすぐに回転を始めてしまい2次抵抗の測定はできない。したがって、3相正弦波の場合にはその周波数での2抵抗及び漏れインダクタンスを測定する間に回転し始めないように、10Hzより高い周波数を選択する必要がある。この周波数は、負荷の種類、負荷の大きさにより適宜選択することができる。また、使用条件によっては、誘導電動機102の回転軸を拘束して測定することができる。単相の場合は10Hzでも回転することはないので単相を印加する方がよい。また、有効電力・無効電力の演算測定にここでは試験電源指令手段104が出力する指令電圧を用いたが、電圧検出器を設け誘導電動機の端子側で検出した電圧を用いてもよい。
このようにして有効電力、無効電力が求まれば2次抵抗・漏れインダクタンスは演算できる。ここで、60Hz、35Hz、10Hzでの2次抵抗の値をR2(60)、R2(35)、R2(10)、漏れインダクタンスの値をL(60)、L(35)、L(10)とすると、有理関数の係数は次のように求まる。
a1={−19・R2(60)・R2(35)+343・R2(60)・R2(10)−324・R2(35)・R2(10)}/
{324・R2(60)−343・R2(35)+19・R2(10)}
a2={19・R2(60)・R2(35)−28・R2(60)・R2(10)+9・R2(35)・R2(10)}/
{100・〔324・R2(60)−343・R2(35)+19・R2(10)〕}
a3={−9・R2(60)+28・R2(35)−19・R2(10)}/
{100・〔324・R2(60)−343・R2(35)+19・R2(10)〕}
使用する誘導電動機の定格トルク時の滑り周波数が4Hzとし、その時のR2を精度よく設定したい場合は上記の係数を用いて(7)式より4Hzでの2次抵抗R2求めることができる。
また、図13で示した例のように5Hz以下での2次抵抗はあまり変化しない。このような場合にはf=0の値を使えばよい。その際は(7)式よりわかるようにR2(0)=a1となり、a2やa3を求める必要がなく演算の手間を省くことができる。
同様なことが漏れインダクタンスに関しても言える。
このようにして求めた2次抵抗、漏れインダクタンスは図1の2次抵抗・漏れインダクタンス記憶手段108に記憶され実運転時に使用される。
<相互インダクタンスを考慮したR2、Lの測定>
図1に示す2次抵抗・漏れインダクタンス演算測定手段106により相互インダクタンスMを考慮し、2次抵抗、漏れインダクタンスを精度よく演算する誘導電動機制御装置について述べる。図3は相互インダクタンスMを考慮して2次抵抗、漏れインダクタンスを測定する誘導電動機制御装置を示すブロック図である。図4は誘導電動機102の1相分等価回路の説明図であり、図4(a)は相互インダクタンスMを開放としたL型等価回路、図4(b)は相互インダクタンスMを考慮したT型等価回路を示す。
図3において106aはL型等価回路により、所要の周波数における2次抵抗及び漏れインダクタンスを測定する2次抵抗・漏れインダクタンス演算測定手段、109は相互インダクタンスMを考慮して2次抵抗、漏れインダクタンスを演算するM考慮2次抵抗・漏れインダクタンス演算測定手段である。
次に、この誘導電動機制御装置の動作を説明する。図4(a)に示すL型等価回路において、相互インダクタンスMを開放と近似した場合のインピーダンスZdは
Zd=(R1+R2d)+jω(L1d+L2d) ・・・(9)
となる。ここで1次抵抗R1は予め正確に求めることができるが、2次抵抗と1次、2次漏れインダクタンスは相互インダクタンスMを考慮しておらず実際の値とは異なるため添字のdを付しそれぞれR2d、L1d、L2dと記した。ここで、ωは周波数fに対する周波数角速度である。
これに対し相互インダクタンスMを考慮した場合のT型等価回路は図4(b)となり、インピーダンスZ0は
Z0=(R1+M2ω2R2/(R22+ω2LL22))
+jω{L1+M(R22+ω2L2LL2)/(R22
ω2 LL22)} ・・・(10)
となる。ここでLL2は2次自己インダクタンスでLL2=M+L2であり、周知の方法により予め求められる。
まず、2次抵抗・漏れインダクタンス演算測定手段106aは、相互インダクタンスMを開放として近似した場合によく用いられる計算方法により、R2dおよびL1d+L2dを次のように求める。
R2d =P/I2−R1 ・・・(11)
L1d+L2d=Q/ωI2 ・・・(12)
ここでPは有効電力、Qは無効電力、Iは相電流実効値である。
相電流実効値は瞬時電流から演算して求めることができるが、次のようにして簡単に求めることもできる。
2=(P2+Q2)/(Vp2/2) ・・・(13)
ここでVpは相電圧ピーク値であり、指令電圧が実電圧に等しければ容易に分かる定数である。1次、2次の漏れインダクタンスは等しいとし上記電流の式を使うと
R2d=P・Vp2/(2・(P2+Q2)) ・・・(14)
L2d=Q・Vp2/(4・ω・(P2+Q2)) ・・・(15)
となる。
相互インダクタンスMを考慮する場合も1次、2次漏れインダクタンスの値は等しいとおく、すなわちL1=L2=L。M考慮2次抵抗・漏れインダクタンス演算測定手段109は、2次抵抗・漏れインダクタンス演算測定手段106aが相互インダクタンスMを開放として近似して求めたR2d、L2dから相互インダクタンスMを考慮した2次抵抗R2、漏れインダクタンスLを次のようにして求める。上記ZdとZ0の比較より、
R2d=M2ω2R2/(R22+ω2LL22 ) ・・・(16)
L2d・2=L+M(R22+ω2・L・LL2)/(R22+ω2LL22)
・・(17)
この2つの式より相互インダクタンスMを考慮したR2、Lを求めるためには収束計算が必要となり、実使用においてはプログラミングが大変であるので、誘導電動機102の2次時定数R2/LL2が角周波数ωより十分小さいとして、(R2/LL2)/ω≒0等の近似を行い、相互インダクタンスMを開放と近似したR2d、L2dから相互インダクタンスMを考慮した2次抵抗R2、漏れインダクタンスLを次式により求める。
R2=R2d・LL22/(LL2−L2d)2 ・・・(18)
L=L2d+(2・L2d−LL2)・R2d2/(2・ω2・LL22
・・・(19)
(18)(19)式を使うことにより、所要の周波数fにおける、相互インダクタンスMを考慮した2次抵抗R2及び漏れインダクタンスLを求めることができ、従来のように相互インダクタンスMを開放と近似していたことによる誤差を無くすことができる。
<単相電圧印加によるR2、Lの測定>
2次抵抗R2と漏れインダクタンスLを求める際に必要となる有効電力P及び無効電力Qを単相電圧を印加して演算する誘導電動機制御装置について説明する。図5は単相電圧を印加して有効電力P及び無効電力Qを演算する試験電源指令手段104と電力演算手段105を示すブロック図である。図5において、104は試験用の単相電圧を印加する試験電源指令手段であり、印加する電圧の角周波数ωを積分し位相θを求める積分器201、VpSIN(θ)を出力するSIN関数発生器202、ゲイン203を有している。105は電力演算手段であり、位相θにπ/2を減算する加算器302、SIN関数発生器303、304、乗算器305、306、フィルタ307、308を有している。
次に、この誘導電動機制御装置の動作を説明する。U相、V相、W相の3相を持つ誘導電動機102に対して、U相にvs=Vp・SIN(θ)、V相に−vs、W相に0を印加する方法と、U相にvs=Vp・SIN(θ)、V相、W相に−vs/2を印加する方法などがある。ここでVpは電圧ピーク値で一定の値とする。いずれの方法でも誘導電動機は回転することはない。上述のように試験電源指令手段104が単相印加した場合、検出した電流isはis=Ip・SIN(θ−φ)と表される。(φは電流と電圧の位相差。)この時、瞬時有効電力vs・isは
vs・is=Vp・SIN(θ)・Ip・SIN(θ−φ)
=Vp・Ip・COS(φ)/2−Vp・Ip・COS(2θ−φ)
・・・(20)
となり、(20)式の第1項目は有効電力Pで直流量である。2項目は印加された周波数の2倍の周波数で振動する成分である。このように、乗算器305より出力される瞬時有効電力vs・isには有効電力Pと印加された周波数の2倍の周波数成分が含まれる。
また、SIN関数発生器304からはvsより90度(π/2)だけ位相の遅れた電圧vcが出力され、
vc=Vp・SIN(θ−π/2)=−Vp・COS(θ)となる。
この時、乗算器306より出力される瞬時無効電力vc・isは
vc・is=−Vp・COS(θ)・Ip・SIN(θ−φ)
=Vp・Ip・SIN(φ)/2−Vp・Ip・SIN(2θ−φ)
・・・(21)
となり、(21)式の第1項目は無効電力Qで直流量である。2項目は印加された周波数の2倍の周波数で振動する成分である。このように、瞬時無効電力vc・isには無効電力Qと印加された周波数の2倍の周波数成分が含まれる。
実際にはこの2倍の周波数成分の他にも単相印加により電流が歪むことによる高調波成分やキャリヤ周波数によるリップルが含まれる。よって有効電力P、無効電力Qは瞬時有効電力vs・isと瞬時無効電力vc・isで印加された周波数の2倍の周波数成分とそれ以上の周波数成分をフィルタ307、308によりフィルタリングすることにより求める。
このフィルタ307、308としては印加された周波数の2倍の周波数成分を十分減衰できるようなローパスフィルタとすればよい。しかしその場合は2倍の周波数成分を十分減衰できるようなローパスフィルタとする必要がある。そうした場合、瞬時有効電力vs・isおよび瞬時無効電力vc・isから有効電力P、無効電力Qを求めるために時間がかからないようにフィルタの次数を大きくする必要がある。
より効果的なフィルタリングの方法としては、2倍の周波数成分をノッチフィルタにより減衰させ、それより高い周波数成分は低次のローパスフィルタにより減衰するようにフィルタ307、308を構成する。このようにすると、それほど時間をかけずに、有効電力P、無効電力Qを求めることができる。
上述のように10Hz、35Hz、60Hzと周波数を変えて2次抵抗及びインダクタンスの測定を行う場合はノッチフィルタのゲインとして、10Hz印加の時は20Hzを減衰するようなゲイン、35Hz印加の時は70Hzを減衰するようなゲイン、60Hz印加の時は120Hzを減衰するようなゲインを使い、低次ローパスフィルタはどの周波数でも同じゲインを使用する。このようにすれば、図12の例で述べたように平均して2次抵抗インダクタンスを求める場合のように、印加する周波数により平均を取る時間を変える必要はない。このように構成した場合、実験では約1秒程度でその有効電力P、無効電力Qを求めることができた。
<指定電流でのR2、Lの測定>
上述のように有効電力P、無効電力Qを求め、2次抵抗、漏れインダクタンスを計算する際、その電流値によって2次抵抗、漏れインダクタンスは変化する。そこで、定格電流を流してその電流値での2次抵抗、漏れインダクタンスの値を求めるため、指定した電流で測定することが必要となる。図6は、この発明の誘導電動機制御装置における、指定電流で有効電力P、無効電力Qを演算する試験電源指令手段と電力演算手段を示すブロック図であり、図中、図5と同一符号は同一又は相当部分を示す。図6において、204はSIN関数発生器202が印加する電圧を一定傾きのスロープをかけて上昇させてその際の検出電流を2乗して時間平均した値が指定した電流実効値irmsの2乗の1/3となったときに電圧の上昇を止める電圧判定手段であり、試験電源指令手段104aに設けられている。電圧判定手段204が電圧の上昇を止めた時、電流は指定した電流実効値irmsとなる。
次に、この誘導電動機制御装置の動作原理を説明する。SIN関数発生器202は電圧をv=Vp・SIN(θ)として、このVpをVp=kv・tで表されるように時間tにより一定の傾きkvで上昇するようにする。そうすると流れる電流iもi=ki・t・SIN(θ)となり一定の傾きkiで上昇する。このki・tが√2・irmsと等しくなった時刻tで電圧判定手段204が電圧の上昇を止めれば良いことが判る。ここで電流iを2乗して時間平均した値をXとすると、
X=1/t・∫i2dt
=1/t・∫(ki・t・SIN(θ))2dt ・・・(22)
このXは振動成分を無視すると
X=(ki・t)2/6 ・・・(23)
となる。ki・t=√2・irmsとなる瞬間に電流iは指定の実効値irmsになるのでX=irms2 /3となった時に電圧の上昇を止めてやればよいことが判る。このようにすれば、指定した電流実効値で有効電力P、無効電力Qの測定をすることができ、測定する電流値による2次抵抗、漏れインダクタンスの推定ばらつきを無くすことができる。このように、検出電流の2乗の時間平均を用いる他に検出電流のピーク値が指定した電流実効値irmsの√2倍になったとき電圧上昇を止めてもよいが、この方法ではまだ電流が設定値になっていないにもかかわらず電流の誤検出によりスロープを止めてしまう可能性が高く、電流検出時のノイズ等に十分注意をはらわなければならない。
<電流サンプリング周期、演算遅れの補正>
有効電力P、無効電力Qを求める際、式(20)、式(21)で述べたように検出電流と指令電圧を使用して求める方法では、検出電流と指令電圧の電流サンプリング周期や演算遅れ時間の影響が有効電力P、無効電力Qの演算測定値に影響する。そこでその電流サンプリング周期や演算遅れ時間を補正する誘導電動機制御装置を説明する。
図7はこの発明の誘導電動機制御装置における試験電源指令手段及び電力演算手段を示すブロック図であり、図中、図5と同一符号は同一又は相当部分を示す。図7において、104は試験電源指令手段あり、印加する電圧の角周波数ωを積分器201により積分し位相θを求め、SIN関数発生器202によりVp・SIN(θ)の指令を作成する。その指令は上述の<単相電圧印加によるR2、Lの測定>の項で述べたようにU相に直接印加され、V相、W相にはゲイン203により−1/2倍されて印加される。105aは電力演算手段であり、積分器201から出力された位相θは加算器301によって補正位相θxと加算される。この補正位相θxは電流サンプリング周期Tsと演算遅れ時間Tcalによって次のように計算される。
θx=−θ・(Ts/2+Tcal) ・・・(24)
電流検出器103に遅れ時間Tidがある場合はその分も加算して
θx=−θ・(Ts/2+Tcal+Tid) ・・・(25)
となる。加算器301は位相θと補正位相θxを加算して位相θ1を出力する。そしてその位相θ1は加算器302でπ/2が減算されて位相θ2となる。位相θ1はSIN関数発生器303に入力されVp・SIN(θ1)となる。また位相θ2はSIN関数発生器304に入力されてVp・ SIN(θ2)となる。それぞれは乗算器305と306により電流isと乗算されフィルタ307と308を介して有効電力P、無効電力Qとなる。
このように補正位相θxを考慮して有効電力P、無効電力Qを演算測定することにより、電流サンプリング周期や演算遅れ時間の影響を補正することができ、サンプリング周期、演算遅れ時間によらず精度よく有効電力P、無効電力Qを求めることができ、結果的に高精度に2次抵抗、漏れインダクタンスを求めることができる。
実施の形態2.
図8は実施の形態2による誘導電動機制御装置を示すブロック図であり、この誘導電動機制御装置は誘導電動機102の起動直前(以下、起動時と称す。)の短時間に直流電流を流しその間に1次抵抗、2次抵抗を求めるものである。
図8おいて、インバータ101から誘導電動機102へ流れる電流を電流検出器103で検出する。401は電流を制御する電流制御手段であり、ここでは誘導電動機102への電流が直流電流となるように制御する。
この電流制御手段401は次のように構成される。402は検出した3相分の電流を励磁分電流idに変換する電流座標変換器、403はその励磁分電流idと指令電流Idcの差を取る減算器、404はその差を比例積分演算するPI制御器であり、PI制御器404は励磁電圧指令vdを出力する。405は励磁電圧指令vdを3相電圧指令vu,vv,vwに変換する電圧座標変換器である。このように電流制御手段401は起動直後からわずかな時間だけ励磁分電流のみを位相を固定した直流にて制御するよう構成する。
次にこの直流電流を流している期間に1次抵抗、2次抵抗を推定する抵抗推定器について説明する。
501は抵抗推定器であり、次のように構成される。502は検出した励磁分電流idから誘導電動機の電気的定数を使って励磁電圧推定器vd^を求める電圧推定器、503は励磁電圧指令vdと電圧推定器502の出力である励磁電圧推定値vd^の偏差を取る減算器、504はその偏差を積分する積分器、505は切替スイッチで、この切替スイッチ505は起動直後からある一定期間はa側に接続され(以下、期間aと称す。)、その後の一定期間はb側に接続される(以下、期間bと称す。)。506は期間aでの推定ゲインである。このとき推定ゲイン506の出力は1次抵抗と2次抵抗の和(R1a+R2a)となる。507は(R1a+R2a)を適当な比k1で分離して1次抵抗R1aを求めるゲインである。このゲインklは0以上1以下とする。また、508は(R1a+R2a)から2次抵抗R2aを求めるゲインであり、1−k1とする。509は期間aが終了した時点でこの(R1a+R2a)を記憶する記憶器である。
つづいて、切替スイッチ505がb側へ切り替わると推定ゲイン510により1次抵抗R1bが推定される。このとき2次抵抗は記憶器509で記憶された(R1a+R2a)から1次抵抗R1bを減算器511により減算して求める。このようにして求めた2次抵抗をR2bとする。前述のように電圧推定器502は誘導電動機102の電気的定数の内1次、2次漏れインダクタンスL1、L2、相互インダクタンスMを一定として計算しており、切替スイッチ512、513から期間aではR1a、R2aを、期間bではR1b,R2bをR1、R2としてフィードバックして電圧推定器502で励磁電圧推定値vd^を出力し、励磁電圧推定値vd^と励磁電圧指令vdの偏差が零又は所定の値以下となったときに、抵抗R1、R2が真値に近づいたとしている。
そして最終的に記憶装置515に期間aと期間bが終了した時点での1次抵抗、2次抵抗R1、R2を記憶させて、実際に運転する際の定数として使用する。上述の例では電圧推定器502の出力である励磁電圧推定値vd^と励磁電圧指令vdの偏差を積分器504により積分していたが、積分の代わりに比例積分を行うようにしてもよい。
<抵抗の推定原理>
次に、この抵抗の推定原理を説明する。上述のように電流制御系が構成されているので、起動時にステップ状の電流が流れる。期間aではそのステップ状の電流が加わる過渡的な高周波領域であるため相互インダクタンスMには電流はほとんど流れず図9(a)に示すように2次側に電流が流れる。そのため電流が流れるルートにある抵抗分である1次抵抗と2次抵抗の和が求まる。続いて期間bでは電流がほぼ定常となっている直流領域のため相互インダクタンスMは短絡と等価となり、その電流は図9(b)に示すように1次側のみ流れる。そのため電流が流れるルートにある抵抗分である1次抵抗のみが求まる。期間bでも2次側に電流が流れるが、その電流値はわずかであること、ある程度の精度での抵抗値は期間aで求まっているのでその分がうまく補正できることにより完全に2次側に回り込まなくなるまで推定し続ける必要はなく短時間で本推定は完了できる。
このように1次抵抗と2次抵抗の和が求まり、さらに1次抵抗が求まるので結果的に1次抵抗と2次抵抗両方が求まる。
次に、抵抗推定器501は、検出した電流から誘導電動機の電気的定数を用いて電圧を演算し励磁電圧推定値vd^を求め、その励磁電圧推定値vd^と励磁電圧指令vdとの偏差を積分して抵抗を推定しているので、この推定原理を簡単に説明する。
実際の誘導電動機102の電流と電圧は励磁分電流id,励磁電圧指令vdとして判っており、その関係は誘導電動機102の電気的定数によって表される。
ここで、その励磁分電流idからその時点でわかっている誘導電動機102の電気的定数を用いて励磁電圧推定値vd^を推定計算すると、判っている電気的定数が誤差を持つぶんだけその励磁電圧推定値vd^は励磁電圧指令vdから誤差を持つ。そこで、電気的定数の内1次、2次漏れインダクタンスL1、L2、相互インダクタンスMは温度上昇にかかわらず一定としているので、励磁電圧推定値vd^と励磁電圧指令vdの偏差を取って積分した値により電圧推定器502で使用している抵抗値R1,R2を操作してやることにより次第に励磁電圧推定値vd^と励磁電圧指令vdは一致するようになる。
このようにして励磁電圧推定値vd^と励磁電圧指令vdが一致した時点では電圧推定器502で使用しているフィードバック抵抗値R1、R2が真値に一致していることになる。
図8では電圧推定器502を用いていたが同様なことが電流推定器を用いても構成できる。
図10は電流推定器を用いて構成した誘導電動機制御装置を示すブロック図であり、図中、図8と同一符号は同一又は相当部分を示す。図10において、501iは抵抗推定器、502iは電流推定器である。電流推定器502iには励磁電圧指令vdが入力されその電圧値より誘導電動機102の電気的定数を用い電流推定値Id^を推定計算する。その電流推定値Id^と実電流である励磁分電流idの偏差を取って積分して抵抗推定値を求めるのは電圧推定器502を用いた場合と同様である。
上述の構成において実際に抵抗を推定した結果を図11に示す。図11は、誘導電動機として、3.7KWのものを用い、期間aの時間を0.01sec,期間bの時間を0.04secとし合計0.05secで推定したものを示し、期間aで用いる1次抵抗と2次抵抗の和から1次抵抗を求める適当な比k1を0.5としている。したがって1次抵抗と2次抵抗の和から2次抵抗を求める比1−k1も0.5となり期間aでは1次抵抗=2次抵抗となっている。実際の1次抵抗の真値は0.532Ωで2次抵抗の真値は0.400Ωであるが、期間aでは適当な比を入れておけばよい。期間bでは1次抵抗を推定し、期間aで求めた和から推定した1次抵抗を減じて2次抵抗を求めている。期間aと期間bをあわせて0.05secという短時間でほぼ収束している。図11では2次抵抗推定値はわずかに大きめに推定されているが起動時のトルク不足を解消するためにはまったく問題のないレベルである。
<測定時間の短縮及び誤差の補正>
上述のように起動時の抵抗の推定は短時間に完了できるが、実際にいろいろな条件で実験すると次のような問題があった。
(1) 推定器間aで用いる適当な比k1が大きく異なっていると推定時間が長くなる。
(2) 起動トルク不足の問題はないものの、前述のようにわずかに誤差を含むため起動後の実運転時に速度やトルクの演算に多少誤差を含む。
次にこの問題をもう少し詳しく説明し、その問題に対する補正について説明する。
まず、期間aでの適当な比k1が大きく異なる場合について説明する。
例えば3.7KW誘導電動機ではその1次抵抗と2次抵抗の比は各社多少の違いはあるがほぼ1:1になっており、期間aで使う比k1はk1=1/(1+1)=0.5となる。この比は前述のように多少異なっていても期間b終了後には正しい1次抵抗、2次抵抗が推定できる。しかし約50mの接続ケーブルを付けるとその接続ケーブルと誘導電動機102内の1次抵抗の合成抵抗は誘導電動機102内の1次抵抗の2倍程度になる。その場合k1=0.5のまま推定を行うと期間bで抵抗の推定値収束に必要な時間が長くなるという問題があった。
そこで、起動前に1回だけ実施の形態1において述べたように、単相電圧などの試験電源を印加して求めたケーブル抵抗を含む1次抵抗と2次抵抗の比を求めて記憶しておき、その比を起動時の期間aでの比k1として使用することにより、期間bでの抵抗の推定値収束に必要な時間が長くなることを防ぎ、いつでも短時間で推定できるようになる。
次に上述のように抵抗推定値にわずかに誤差を含むため起動後の実運転時に速度やトルクの演算に多少誤差を含むという問題に対する対策について説明する。
図8、図10に示す誘導電動機制御装置による起動時の抵抗の推定では、2次抵抗の推定結果に誤差を持つ。この原因は表皮効果によるものかと推測されるが、この誤差は誘導電動機102の温度が変化し抵抗値が変わっても真値のとの誤差には常に一定の比となることが実験により判った。
そこで誘導電動機102の運転前に1回だけ実施の形態1に示す単相電圧などの試験電源を印加して1次抵抗R10と2次抵抗R20を求め、巻線の温度が変化しない程度の時間内に、すなわちほぼ同時にこの実施の形態2による起動時の抵抗の推定も行って1次抵抗R11、2次抵抗R21を求める。1次抵抗R10と1次抵抗R11の比C1と、2次抵抗R20と2次抵抗R21の比C2とを記憶しておき、実際の起動時に実施の形態2に示す推定が終了した時点で推定した1次抵抗R12にC1を、2次抵抗R22にC2を乗じて補正する。このように補正した抵抗値を求め、実運転時のためにこの補正した抵抗値を使うようにすると、速度やトルクの演算の誤差も極めて小さくできる。
<繰り返し運転の停止期間中の抵抗測定>
上記実施の形態2で述べた誘導電動機制御装置は起動時に抵抗値を推定したが、例えば昇降機の運転パターンのように繰り返し運転中の停止期間が2秒程度以上あることが多い。そのような場合は起動時に抵抗を推定する必要はなく、停止期間に直流電圧や単相電圧を印加して抵抗推定を行うようにする。その推定は実施の形態1で述べた。実施の形態1で述べた誘導電動機制御装置では、3つの周波数の指令電圧を印加して行うため推定に3秒程度かかるが、実験によるとばらつきが1%以下と少なく良好な推定結果が得られる。実施の形態2で述べた誘導電動機制御装置では0.05秒程度の短時間で終了するがばらつきが数%程度有る。この場合、繰り返し運転の停止期間中に何度も繰り返し、平均を取って誤差を減らすといった方法を使用しても良い。こうすることにより起動時だけで行う場合に対してさらに抵抗推定誤差を低減することができる。
また、実施の形態1の誘導電動機制御装置による抵抗推定では約3秒程度時間がかかる。そこで停止期間がそれほど多く取れないような場合は、停止期間中に、ある周波数f1 において2次抵抗・漏れインダクタンス演算測定手段106が2次抵抗R23を測定し、あらかじめ実施の形態1に記載したように3つの異なる周波数を印加して表皮効果考慮演算手段107が求めた有理関数から周波数f1 における2次抵抗R21の値を求め、この2次抵抗R21と2次抵抗R23との比C3を記憶しておき、実運転時の滑り周波数f2 における2次抵抗R24を求め、この2次抵抗R24に比C3を乗じて実運転時の2次抵抗を求めるようにする。このようにすることにより約1秒程度でばらつきが少なく高精度に所要の滑り周波数における2次抵抗を推定することができるようになる。
以上のように、この発明にかかる誘導電動機制御装置は、例えば、多相インバータにより試験電源を供給して多相誘導電動機の1次、2次抵抗及び漏れインダクタンスといった電気的定数を測定し、その測定結果を駆動制御のパラメータに用いて多相誘導電動機を速度センサ無しでベクトル制御する誘導電動機制御装置に適している。
この発明の実施の形態1による誘導電動機制御装置を示すブロック図である。 2次導体形状が二重籠となっている誘導電動機の等価回路図である。 図3は相互インダクタンスを考慮して2次抵抗・漏れインダクタンスを求めるこの発明の誘導電動機制御装置を示すブロック図である。 この発明の誘導電動機制御装置が制御する誘導電動機の等価回路図であり、図4(a)は相互インダクタンスMを開放と近似したL型等価回路図、図4(b)は相互インダクタンスMを考慮したT型等価回路図である。 図5はこの発明の誘導電動機制御装置における単相電圧印加により2次抵抗・漏れインダクタンスを演算する試験電源指令手段と電力演算手段を示すブロック図である。 この発明の誘導電動機制御装置における指定電流で有効電力・無効電力を演算する試験電源指令手段と電力演算手段を示すブロック図である。 この発明の誘導電動機制御装置における試験電源指令手段及び電力演算手段を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2による誘導電動機制御装置を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2による誘導電動機制御装置の動作を説明するための誘導電動機の等価回路図である。 この発明の実施の形態2による他の形態の誘導電動機制御装置を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2による誘導電動機制御装置の抵抗値推定時の結果の説明図である。 表皮効果を考慮した従来の誘導電動機制御装置を示すブロック図である。 従来の表皮効果の考慮方法を示す説明図である。 誘導電動機の等価回路図である。 単相による定数測定機能を有する従来の誘導電動機制御装置のブロック図である。 起動時に抵抗を測定する機能を有する従来の誘導電動機制御装置のブロック図である。
符号の説明
105 有効電力・無効電力演算測定手段(電力演算手段)、106 2次抵抗・漏れインダクタンス演算測定手段、107 表皮効果考慮演算手段、108 2次抵抗・漏れインダクタンス記憶手段。

Claims (23)

  1. 多相インバータにより試験電源を供給して多相誘導電動機の電気的定数を測定し、この測定結果を駆動制御のパラメータに用いて前記多相インバータにより前記多相誘導電動機を駆動制御する誘導電動機制御装置において、
    周波数fの前記試験電源に対応する有効電力Pと無効電力Qとを演算する電力演算手段と、
    前記周波数fに対応する相電圧ピーク値Vp及び1次角周波数ω、前記有効電力Pと前記無効電力Q、予め測定された一次抵抗R1とからL型等価回路より求められる演算式から2次抵抗R2dと2次漏れインダクタンスL2dを求める第1の演算手段と、
    T型等価回路より求められる2次抵抗R2と2次漏れインダクタンスLの演算式のおのおのに、第1の演算手段が求めた前記2次抵抗R2dと前記2次漏れインダクタンスL2dと予め測定されている2次自己インダクタンスLL2とを代入して2次抵抗R2と2次漏れインダクタンスLを求める第2の演算手段と、
    を備えたことを特徴とする誘導電動機制御装置。
  2. 前記L型等価回路より求められる演算式は、
    L2d=Q・Vp2/(4・ω・(P2+Q2))
    R2d=P・Vp2/(2・(P2+Q2))−R1
    前記T型等価回路より求められる演算式は、
    L=L2d+(2・L2d−LL2)・R2d2/(2・ω2・LL22
    R2=R2d・LL22/(LL2−L2d)2
    であることを特徴とする請求項1に記載の誘導電動機制御装置。
  3. 前記電力演算手段は、多相インバータが多相誘導電動機に供給する単相交流の印加電圧より瞬時有効電力と瞬時無効電力を求め、前記瞬時有効電力と前記瞬時無効電力から高周波成分をフィルタリングすることを特徴とする請求項1に記載の誘導電動機制御装置。
  4. 前記電力演算手段は、前記瞬時有効電力と前記瞬時無効電力から印加電圧の2倍の周波数成分をノッチフィルタにより、前記2倍の周波数成分を超える高周波成分をローパスフィルタによりフィルタリングすることを特徴とする請求項3に記載の誘導電動機制御装置。
  5. 多相インバータが多相誘導電動機に対し指定した実効値電流を供給するように、前記多相インバータに指令電圧を出力する試験電源指令手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の誘導電動機制御装置。
  6. 前記試験電源指令手段は、多相インバータに対する指令電圧を所定の上昇率で上昇し、この指令電圧の上昇に伴って多相インバータが多相誘導電動機へ供給する実効値電流の二乗の時間平均値が指定した実効値電流の1/3と等しいかあるいは大きくなったときに前記指令電圧の上昇を止めることを特徴とする請求項5に記載の誘導電動機制御装置。
  7. 多相インバータに指令電圧を出力する試験電源指令手段を備え、
    前記電力演算手段は、測定及び演算による遅れ時間に対応する補正位相により前記指令電圧の位相を補正して有効電力Pと無効電力Qとを演算することを特徴とする請求項1に記載の誘導電動機制御装置。
  8. 多相インバータにより試験電源を供給して多相誘導電動機の電気的定数を測定し、この測定結果を駆動制御のパラメータに用いて前記多相インバータにより前記多相誘導電動機を駆動制御する誘導電動機制御装置において、
    前記多相インバータを制御して停止中の前記多相誘導電動機に所定の直流指令電圧を印加して直流電流を供給する電流制御手段と、
    前記直流電圧と前記直流電流とを入力して、前記電流制御手段の電流供給直後の第1の期間に1次抵抗と2次抵抗との合成抵抗を演算し、前記第1の期間の次の第2の期間に1次抵抗を演算し、前記第1の期間に演算した前記合成抵抗から前記第2の期間に演算した前記1次抵抗を減じて2次抵抗を推定する抵抗推定手段と、
    を備えたことを特徴とする誘導電動機制御装置。
  9. 前記抵抗推定手段は、
    多相誘導電動機に供給した直流電流と前記多相誘導電動機の既知の回路定数と帰還された1次巻線抵抗と2次巻線抵抗とから前記多相誘導電動機に印加した直流電圧値を推定する電圧推定器と、
    前記直流電圧値と直流電圧指令値との偏差を積分演算する積分器と、
    この積分器の出力を基に第1の期間に1次巻線と2次巻線との合成抵抗を演算し、この合成抵抗を1次巻線抵抗と2次巻線抵抗に分離して前記電圧推定器に帰還し、第2の期間に積分器の出力より1次巻線抵抗を演算し、前記第1の期間に演算した前記合成抵抗から前記第2の期間に測定した前記1次巻線抵抗を減じて2次巻線抵抗を推定し、演算した前記1次巻線抵抗と推定した前記2次巻線抵抗を前記電圧推定器に帰還する抵抗演算手段と、
    を備え、
    前記偏差が所定値以下となった場合に前記第2の期間に測定及び推定した前記1次巻線抵抗と前記2次巻線抵抗を使用して前記多相誘導電動機を制御することを特徴とする請求項8に記載の誘導電動機制御装置。
  10. 前記抵抗推定手段は、
    多相誘導電動機に指令した直流指令電圧と前記多相誘導電動機の既知の回路定数と帰還された1次巻線抵抗と2次巻線抵抗とから前記多相誘導電動機に供給した直流電流値を推定する電流推定器と、
    前記直流電流値と前記多相誘導電動機に供給した直流電流の検出値との偏差を積分演算する演算器と、
    この積分器の出力を基に第1の期間に1次巻線と2次巻線との合成抵抗を演算し、この合成抵抗を1次巻線抵抗と2次巻線抵抗に分離して前記電圧推定器に帰還し、第2の期間に積分器の出力より1次巻線抵抗を演算し、前記第1の期間に演算した前記合成抵抗から前記第2の期間に測定した前記1次巻線抵抗を減じて2次巻線抵抗を推定し、演算した前記1次巻線抵抗と推定した前記2次巻線抵抗を前記電流推定器に帰還する抵抗演算手段と、
    を備え、
    前記偏差が所定値以下となった場合に前記第2の期間に測定及び推定した前記1次巻線抵抗と前記2次巻線抵抗を使用して前記多相誘導電動機を制御することを特徴とする請求項8に記載の誘導電動機制御装置。
  11. 前記抵抗演算手段は、第1の期間に演算した合成抵抗を1次巻線抵抗と2次巻線抵抗とに所定の比で分離することを特徴とする請求項9に記載の誘導電動機制御装置。
  12. 予め交流電圧を多相誘導電動機に印加して求めた交流印加による1次抵抗R1及び2次抵抗R2と、
    前記抵抗推定手段によりほぼ同時に推定した直流電圧印加による1次抵抗R1及び2次抵抗R2との比を記憶する記憶手段と、
    を備え、
    前記抵抗推定手段により推定した1次抵抗R1及び2次抵抗R2を前記記憶手段に記憶した比により補正することを特徴とする請求項8に記載の誘導電動機制御装置。
  13. 運転期間と停止期間を繰り返す多相誘導電動機の停止期間に1次抵抗と2次抵抗を推定して前記多相誘導電動機を制御することを特徴とする請求項8に記載の誘導電動機制御装置。
  14. 多相インバータにより試験電源を供給して多相誘導電動機の電気的定数を測定し、この測定結果を駆動制御のパラメータに用いて前記多相インバータにより前記多相誘導電動機を駆動制御する誘導電動機制御装置において、
    少なくとも3つの異なる周波数fの前記試験電源による試験条件のそれぞれに対応する2次巻線抵抗R2を演算する第1の演算手段と、
    周波数fの2次式を含む有理関数を有し、前記試験条件のそれぞれに対応する2次巻線抵抗を前記有理関数に代入してこの有理関数を求め、この求めた有理関数に所要の滑り周波数を代入して2次巻線抵抗R2を演算する第2の演算手段と、
    を備えたことを特徴とする誘導電動機制御装置。
  15. 前記第2の演算手段が有する有理関数は、
    R2(f)=(a1+a2・f2)/(1+a3・f2
    であることを特徴とする請求項14に記載の誘導電動機制御装置。
  16. 多相インバータにより試験電源を供給して多相誘導電動機の電気的定数を測定し、この測定結果を駆動制御のパラメータに用いて前記多相インバータにより前記多相誘導電動機を駆動制御する誘導電動機制御装置において、
    少なくとも3つの異なる周波数fの前記試験電源による試験条件のそれぞれに対応する漏れインダクタンスLを演算する第1の演算手段と、
    周波数fの2次式を含む有理関数を有し、前記試験条件のそれぞれに対応する漏れインダクタンスLを前記有理関数に代入してこの有理関数を求め、この求めた有理関数に所要の滑り周波数を代入して漏れインダクタンスL2を演算する第2の演算手段と、
    を備えたことを特徴とする誘導電動機制御装置。
  17. 前記第2の演算手段が有する有理関数は、
    L (f)=(b1+b2・f2)/(1+b3・f2
    であることを特徴とする請求項16に記載の誘導電動機制御装置。
  18. 多相誘導電動機と、
    多相インバータと、
    前記多相インバータにより試験電源を供給して前記多相誘導電動機の少なくとも一つの電気的定数を測定し、この測定結果を駆動制御のパラメータに用いて前記多相インバータにより前記多相誘導電動機を駆動制御する誘導電動機制御装置を有する電動機装置において、
    前記誘導電動機制御装置が、
    少なくとも3つの異なる周波数fの前記試験電源による試験条件のそれぞれに対応する2次巻線抵抗R2を演算する第1の演算手段と、
    周波数fの2次式を含む有理関数を有し、前記試験条件のそれぞれに対応する2次巻線抵抗を前記有理関数に代入してこの有理関数を求め、この求めた有理関数に所要の滑り周波数を代入して2次巻線抵抗R2を演算する第2の演算手段と、
    を備えたことを特徴とする電動機装置。
  19. 前記第2の演算手段が有する有理関数は、
    R2(f)=(a1+a2・f2)/(1+a3・f2
    であることを特徴とする請求項18に記載の電動機装置。
  20. 多相誘導電動機と、
    多相インバータと、
    前記多相インバータにより試験電源を供給して前記多相誘導電動機の少なくとも一つの電気的定数を測定し、この測定結果を駆動制御のパラメータに用いて前記多相インバータにより前記多相誘導電動機を駆動制御する誘導電動機制御装置を有する電動機装置において、
    前記誘導電動機制御装置が、
    少なくとも3つの異なる周波数fの前記試験電源による試験条件のそれぞれに対応する漏れインダクタンスLを演算する第1の演算手段と、
    周波数fの2次式を含む有理関数を有し、前記試験条件のそれぞれに対応する漏れインダクタンスLを前記有理関数に代入してこの有理関数を求め、この求めた有理関数に所要の滑り周波数を代入して漏れインダクタンスL2を演算する第2の演算手段と、
    を備えたことを特徴とする電動機装置。
  21. 前記第2の演算手段が有する有理関数は、
    L (f)=(b1+b2・f2)/(1+b3・f2
    であることを特徴とする請求項20に記載の電動機装置。
  22. 多相誘導電動機と、
    多相インバータと、
    前記多相インバータにより試験電源を供給して前記多相誘導電動機の少なくとも一つの電気的定数を測定し、この測定結果を駆動制御のパラメータに用いて前記多相インバータにより前記多相誘導電動機を駆動制御する誘導電動機制御装置を有する電動機装置において、
    前記誘導電動機制御装置が、
    周波数fの前記試験電源に対応する有効電力Pと無効電力Qとを演算する電力演算手段と、
    前記周波数fに対応する相電圧ピーク値Vp及び1次角周波数ω、前記有効電力Pと前記無効電力Q、予め測定された一次抵抗R1とからL型等価回路より求められる演算式から2次抵抗R2dと2次漏れインダクタンスL2dを求める第1の演算手段と、
    T型等価回路より求められる2次抵抗R2と2次漏れインダクタンスLの演算式のおのおのに、第1の演算手段が求めた前記2次抵抗R2dと前記2次漏れインダクタンスL2dと予め測定されている2次自己インダクタンスLL2とを代入して2次抵抗R2と2次漏れインダクタンスLを求める第2の演算手段と、
    を備えたことを特徴とする電動機装置。
  23. 多相誘導電動機と、
    多相インバータと、
    前記多相インバータにより試験電源を供給して前記多相誘導電動機の少なくとも一つの電気的定数を測定し、この測定結果を駆動制御のパラメータに用いて前記多相インバータにより前記多相誘導電動機を駆動制御する誘導電動機制御装置を有する電動機装置において、
    前記誘導電動機制御装置が、
    前記多相インバータを制御して停止中の前記多相誘導電動機に所定の直流指令電圧を印加して直流電流を供給する電流制御手段と、
    前記直流電圧と前記直流電流とを入力して、前記電流制御手段の電流供給直後の第1の期間に1次抵抗と2次抵抗との合成抵抗を演算し、前記第1の期間の次の第2の期間に1次抵抗を演算し、前記第1の期間に演算した前記合成抵抗から前記第2の期間に演算した前記1次抵抗を減じて2次抵抗を推定する抵抗推定手段と、
    を備えたことを特徴とする電動機装置。
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