JP3770969B2 - ポケット付車両用シートバック - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、開閉操作が容易で且つ耐久性、防水性にも優れたポケットを背面に有するポケット付車両用シートバックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、フォークリフトのような作業現場等で使用される産業用車両のシートバックには、設計図や作業手順書類等を収納するためのポケットが背面に設けられているのを普通とする。そして、このような産業用車両は雨ざらしの作業現場においても使用されるため、前記ポケットは開閉操作性や耐久性や防水性などに優れていることが要求されている。
【0003】
ところが、従来のこの種の車両用シートバックにおけるポケット構造は、シートバックの背面に形成したポケット開口を下端のヒンジ連結部を枢支点として回動される蓋体により閉塞して蓋体に突設した係合爪をポケット開口側に設けた係合爪に係合させるだけのものであるため、繰り返しの使用によって係合爪が削れてガタが発生したり、蓋体のロック不良を発生するという問題点があった。また、特別な防水対策も考慮されていないためにポケット内部に水が侵入して書類等を濡らしてしまうという問題点もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような従来の問題点を解決して、蓋の開閉操作が容易なうえ繰り返し使用してもガタやロック不良を発生することがなく耐久性に優れており、しかも、雨ざらしの条件下で使用してもポケット内部へ雨水が侵入することを防止し優れた耐水性を発揮することができるポケット付車両用シートバックを提供することを目的として完成されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明のポケット付車両用シートバックは、シートバックの背面に形成したポケット用凹部を下端がヒンジ部とされた蓋体により開閉自在としたポケット付車両用シートバックにおいて、蓋体にはその縁リブと並行する内側リブと前記縁リブの両側上方部にあって内向きに折曲可能な係合爪を設ける一方、前記シートバックには前記内側リブの脚先が嵌合可能な凹溝と前記係合爪が係脱自在な係合孔とを設けて、蓋体が前記凹溝に内側リブの脚先を嵌合させるとともに前記係合孔に係合爪を係合させて施蓋状態を保持するようにしたことを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を、背面にポケットを有するフォークリフトのシートバックに適用した場合について詳細に説明する。図中1はシートバック、2は該シートバック1の背面に形成したポケット用凹部に施蓋される合成樹脂よりなる浅い逆箱状の蓋体であって、この蓋体2は下端のヒンジ部3を枢支点として回動されてポケット用凹部を開閉自在とし、この蓋体2を開閉して蓋体内部を設計図や各種書類等を収納する部分として用いるものである点は従来のこの種のポケット付車両用シートと基本的に同じである。
【0007】
本発明においては、前記蓋体2は図2に示すように、逆箱状としてその内面に蓋体2の縁リブ5と並行する内側リブ4が設けられるとともに、縁リブ5の両側上方部には素材の弾性により内向きに折曲され押圧を解くと旧状に復帰可能な係合爪8が先端に形成された係合脚部を一体に成形したものとしている。そして、内側リブ4はシートバック1の背面に設けた凹溝6内に嵌合可能なように縁リブ5より脚先が若干突出するものとされている。一方、前記シートバック1の背面に形成されているポケット用凹部には前記内側リブ4の脚先が嵌合可能な凹溝6が配置されるとともに、両側上方部に前記係合爪8が係脱自在な係合孔7が配置されている。なお前記内側リブ4は凹溝6に嵌合されて水の侵入を防止するよう構成されており、一方、係合爪8は蓋体2を閉じると自動的に係合孔7に介入されてロックされ、内側へ押圧すると係合孔7との係合が解除されて蓋体2は容易に開けられるよう構成されている。なお、この係合爪8は、図3に示されるように係合脚部の基部両サイドにスリット8a、8aを設けて弾発性を高めるとともに、表面にセレーション8bを形成してロックを解くため内側への押圧するときに手袋などをしたままでも指が滑らないようにしてある。
【0008】
また、図4に示されるように、前記した縁リブ5と内側リブ4との間は雨水などが侵入した場合の排水路9とされていて、この排水路9を通じて下端部よりスムーズに雨水などが排出されるよう構成されているが、特に、図示するものにおいては、内側リブ4に排水路9に向け斜め下向きのガイドリブ10が形成されていてよりスムーズな排水ができるものとしてある。さらに、図5〜図6に示されるように、内側リブ4の内外いずれか一方または双方には、弾力性のある合成ゴムやプラスチック等からなる防水用のシールパッド11が装着されていてより確実な防水性を確保することができるものとしてある。さらにまた、図7に示されるように、前記ヒンジ部3には蓋体2の開閉角度調整用のストッパ12を付設してあり、このようにしておけば、蓋体2の開き角度を任意のものとすることができ使い勝手が向上するものとなる。なお、蓋体2の内側下部にはポケット形成用の仕切板13が取付けられており、書類等のスムーズな出し入れと保持とを行えるように構成されている。
【0009】
このように構成されたものは、作業現場において蓋体2を開けば、ポケット内に設計図や作業手順書等の各種書類を収納するよう使用に供されるものである点は従来のこの種のポケット付車両用シートバックと基本的に同じであるが、蓋体2の開閉操作は縁リブ5の両側上方部に内向きに折曲可能な係合爪8を内側に軽く押圧してこれを若干内側に曲げて係合孔7とのロックを外すことにより開放し、閉塞時には蓋体2をシートバック1の背面に向け押し込むだけでよいから、開閉操作を容易に行えるうえに長期間使用してもガタ等の不良を発生させることもない。また、蓋体2には縁リブ5とは別に内側リブ4が縁リブ5と並行して形成されて二重リブ構造としてあり、特に、内側リブ4の脚先がポケット開口内に配置される凹溝6に嵌合されてポケット内部への水の侵入を防止しているので、書類が濡れることもない。更に、縁リブ5と内側リブ4の間に形成される排水路9内にガイドリブ10を形成したり、シールパッド11を装着した場合には、より防水機能を高めることができることとなり、また、ヒンジ連結部3にストッパ12を付設した場合には、蓋体2の開き角度を任意に設定でき使い勝手を向上させることができる。
【0010】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明は蓋の開閉操作が容易なうえ繰り返し使用してもガタやロック不良を発生することがなく耐久性に優れており、また雨ざらしの条件下で使用してもポケット内部へ雨水が侵入することがなく優れた耐水性を発揮するものとなる。
よって本発明は従来の問題点を一掃したポケット付車両用シートバックとして、産業の発展に寄与するところは極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】蓋体の斜視図である。
【図3】係合爪の斜視図である。
【図4】排水路を示す断面図である。
【図5】蓋体の要部を示す断面図である。
【図6】蓋体の要部を示す断面図である。
【図7】ヒンジ部を示す側面図である。
【符号の説明】
1 シートバック
2 蓋体
3 ヒンジ部
4 内側リブ
5 縁リブ
6 凹溝
7 係合孔
8 係合爪
9 排水路
10 ガイドリブ
11 シールパッド
12 ストッパ
Claims (4)
- シートバックの背面に形成したポケット用凹部を下端がヒンジ部とされた蓋体により開閉自在としたポケット付車両用シートバックにおいて、蓋体にはその縁リブと並行する内側リブと前記縁リブの両側上方部にあって内向きに折曲可能な係合爪を設ける一方、前記シートバックには前記内側リブの脚先が嵌合可能な凹溝と前記係合爪が係脱自在な係合孔とを設けて、蓋体が前記凹溝に内側リブの脚先を嵌合させるとともに前記係合孔に係合爪を係合させて施蓋状態を保持するようにしたことを特徴とするポケット付車両用シートバック。
- 縁リブと内側リブとの間が排水路とされ、内側リブには該排水路に向けられた斜め下向きのガイドリブが形成されている請求項1に記載のポケット付車両用シートバック。
- 内側リブの内外いずれか一方または双方に防水用のシールパッドが装着されている請求項1または2に記載のポケット付車両用シートバック。
- ヒンジ部に蓋体の開閉角度調整用のストッパが付設されている請求項1または2または3に記載のポケット付車両用シートバック。
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JP20350196A JP3770969B2 (ja) | 1996-08-01 | 1996-08-01 | ポケット付車両用シートバック |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Family Applications (1)
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1996
- 1996-08-01 JP JP20350196A patent/JP3770969B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
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