JP3770287B2 - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チョクラルスキー法(Czochralski Method=CZ法)によるシリコン単結晶の製造方法において、いわゆる種絞り(ネッキング)を行うことなく、シリコン単結晶を製造する方法に関し、途中で種結晶あるいは単結晶が有転位化した場合に種結晶を交換し、改めて単結晶の製造を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、チョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造においては、単結晶シリコンを種結晶として用い、これをシリコン融液に接触させた後、回転させながらゆっくりと引き上げることで単結晶棒を成長させる。この際、種結晶をシリコン融液に接触させる時に、熱衝撃により種結晶に高密度で発生する転位を消滅させるために種絞り(ネッキング)を行い、次いで、所望の口径になるまで結晶を太らせて、シリコン単結晶を引き上げている。このような、種絞りはDash Necking法として広く知られており、チョクラルスキー法でシリコン単結晶棒を引き上げる場合の常識とされている。
【0003】
すなわち、従来用いられてきた種結晶の形状は、例えば図4(A)、(B)に示すように、直径あるいは一辺約8〜20mmの円柱状や角柱状のものに種ホルダにセットするための切り欠き部を入れたものとされ、最初にシリコン融液に接触することになる下方の先端形状は、平坦面となっている。そして、高重量の単結晶棒の重量に耐え安全に引き上げるためには、種結晶の太さは上記以下に細くすることは難しい。
【0004】
このような形状の種結晶では、融液と接触する先端の熱容量が大きいために、種結晶が融液に接触した瞬間に結晶内に急激な温度差を生じ、スリップ転位を高密度に発生させる。したがって、この転位を消去して単結晶を育成するために、前記ネッキングが必要になるのである。
【0005】
このDash Necking法は、種結晶をシリコン融液に接触させた後に、直径を3mm程度に一旦細くし絞り部を形成し、種結晶に導入されたスリップ転位から伝播する転位を消滅させ、無転位の単結晶を得るものである。
【0006】
しかし、このような方法では、ネッキング条件を種々選択しても、無転位化するためには最低直径5〜6mmまでは絞り込む必要があり、近年のシリコン単結晶径の増大にともない高重量化した単結晶棒を吊り下げ支持するには強度が充分でなく、結晶棒引き上げ中に、この細い絞り部が破断して単結晶棒が落下する等の重大な事故を生じる恐れがあった。
【0007】
そこで、近年の大直径、高重量単結晶棒の引き上げにおいては、結晶保持機構を用いる方法の開発が進められている(例えば、特公平5−65477号参照)。
この方法は、前述のように無転位化のためにネッキングは必要不可欠であることから、種絞り部の強度を強化することができないので、かわりに成長結晶棒を直接機械的に保持するものである。
【0008】
しかし、このような方法は、高温で回転しながらゆっくりと成長する単結晶棒を直接保持するものであるために、装置が複雑かつ高価なものとなるし、耐熱性の問題も生じる。その上、実際に成長結晶に振動等を与えずにつかむのが非常に難しく、成長結晶を多結晶化させてしまったり、さらには高温のシリコン融液直上に複雑で回転、摺動等の機構を有する装置を配置することになるので、結晶を重金属不純物で汚染するといった種々の問題がある。
【0009】
このような問題を解決するために、本出願人は先に特開平5−139880号、特願平8−87187号のような発明を提案した。この発明は、種結晶の先端部の形状を楔状あるいは中空部を有する形状とし、種結晶がシリコン融液に接触する時に入るスリップ転位をできるたけ低減することによって、絞り部の直径を比較的太くしても無転位化を可能とし、もって絞り部の強度を向上させるものである。
【0010】
この方法では絞り部の太さを太くすることができるので、ある程度絞り部の強度の向上ができるけれども、ネッキングを行い、スリップ転位のある絞り部を形成することに変わりがなく、近年ますます大直径、長尺化し、例えば150Kg以上にもおよぶ単結晶棒の引き上げには、強度が不十分となる場合があり、根本的な解決にまでは至っていない。
【0011】
そこで、このような問題を解決するものとして、本出願人は強度上一番の問題となるネッキングによる絞り部を形成することなく、結晶を単結晶化させることができ、大直径かつ長尺な高重量のシリコン単結晶を、結晶保持機構のような複雑な装置を使用することなく、極めて簡単に引上げることができる、シリコン単結晶の製造方法およびこれに用いられるシリコン種結晶を開発することに成功し、先に提案した(特願平9−17687号)。
【0012】
この方法は、種結晶としてシリコン融液に接触させる先端部の形状が、図3(A)〜(D)に示したように、尖った形状または尖った先端を切り取った形状であるものとし、まず該種結晶の先端をシリコン融液にしずかに接触させた後、種結晶を低速度で下降させることによって種結晶の先端部が所望の太さとなるまで溶融し、その後、種結晶をゆっくりと上昇させ、ネッキングを行うことなく、所望径のシリコン単結晶棒を育成させる、というようなシリコン単結晶の製造方法である。
【0013】
この方法では、ネッキングを行わないので、絞り部を形成することに伴う上記種々の問題を根本的に解決することができる、きわめて優れた方法である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、チョクラルスキー法においては、様々な要因によって成長単結晶棒が有転位化するという問題が生じる。特に上記ネッキングを行わない方法においては、所望径のシリコン単結晶棒を育成させる工程のみならず、種結晶をシリコン融液に接触させた後、所望の太さとなるまで溶融する工程を有するので、種結晶自体が有転位化することもある。
【0015】
このような場合、通常のチョクラルスキー法においては、既に成長させた単結晶あるいは絞り部を再度溶融し、改めて絞り部を形成して結晶の引き上げ、育成を行えば良い。
【0016】
ところが、ネッキングを行わないチョクラルスキー法においては、種結晶を接触、溶融過程で種結晶が有転位化した場合に限らず、成長単結晶が有転位化した場合においても、その再溶融の過程で転位が種結晶にまで及ぶので、再度同じ種結晶から、同様にネッキングを行うことなく単結晶を成長させることは不可能となる。すなわち、ネッキングを行わないチョクラルスキー法は、一旦種結晶あるいは単結晶に転位を発生させると、同じ種結晶からはやり直しがきかない。
【0017】
この場合、種結晶あるいは単結晶が一度有転位化した場合には、既に成長させた結晶部を溶融の後、通常のチョクラルスキー法によって絞り部を形成して、単結晶棒を成長させることは可能であるが、それでは前述の絞り部を形成することに伴う、強度等の種々の問題を解決することが出来ない。
【0018】
そこで、本発明は上記のような問題に鑑みてなされたもので、ネッキングを行うことなくチョクラルスキー法によってシリコン単結晶を製造する方法において、たとえ種結晶あるいは単結晶が一旦有転位化した場合においても、再度ネッキングを行うことなく単結晶棒を育成することが出来る方法を提供し、これによってネッキングを行わないチョクラルスキー法の成功率を向上せしめることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載した発明は、先端部の形状が尖った形状または尖った先端を切り取った形状の種結晶を用い、該種結晶の先端をシリコン融液に接触させた後、種結晶を下降させることによって種結晶の先端部がその後の単結晶棒の重量に耐え得る所望の太さとなるまで溶融し、その後、種結晶をゆっくりと上昇させ、そのまま所望径まで単結晶を太らせ、ネッキングを行うことなく、所望径のシリコン単結晶棒を育成させる、チョクラルスキー法によってシリコン単結晶を製造する方法において、
種結晶をシリコン融液に接触させた後、所望の太さとなるまで溶融する工程、あるいは、その後、種結晶をゆっくりと上昇させ、ネッキングを行うことなく、所望径のシリコン単結晶棒を育成させる工程において、種結晶あるいは単結晶が有転位化した場合、種結晶を所望先端部形状を有する新たな種結晶に交換して、再度該新たな種結晶をシリコン融液に接触、溶融して、ネッキングを行うことなく、チョクラルスキー法によってシリコン単結晶を製造することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法である。
【0020】
このように、たとえ種結晶をシリコン融液に接触・溶融する工程、あるいは、その後、所望径のシリコン単結晶棒を育成させる工程において、種結晶あるいは単結晶が有転位化した場合であっても、所望の先端部形状、すなわち先端部形状が尖った形状または尖った先端を切り取った形状である、新たな種結晶に交換することによって、再度この新たな種結晶をシリコン融液に接触、溶融して、ネッキングを行うことなく、チョクラルスキー法によってシリコン単結晶を製造することが出来る。
【0021】
この場合、請求項2に記載したように、新たな種結晶への交換は、種結晶をプルチャンバ内まで移動し、ゲートバルブを閉じ、プルチャンバを開放した後に行うことが出来る。
【0022】
このように、新たな種結晶への交換を結晶取り出し用のプルチャンバを用いて行えば、特別な装置を設置する必要がなく、きわめて簡単かつ確実に種結晶の交換をすることが出来る。
【0023】
また、請求項3に記載したように、新たな種結晶への交換は、種結晶を種結晶交換用チャンバ内まで移動し、ゲートバルブを閉じ、種結晶交換用チャンバを開放した後に行うようにしても良い。
【0024】
このように、新たな種結晶への交換を種結晶交換用のチャンバを用いて行えば、迅速に種結晶の交換が出来るので、きわめて簡単かつ効率的に種結晶の交換をすることが出来る。
【0025】
また、請求項4に記載したように、新たな種結晶への交換は、予めチャンバ内にセットされた予備の種結晶を用いるようにしてもよい。
【0026】
このように、新たな種結晶への交換を、予めチャンバ内にセットされた予備の種結晶を用いるようにすれば、チャンバの開放・閉鎖等の作業が不要であるので、一層簡単かつ効率的に種結晶の交換をすることが出来る。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、ネッキングを行うことなくチョクラルスキー法によってシリコン単結晶を製造する方法につき簡単に説明すると、この方法は、
種結晶をシリコン融液に接触させた後、これを回転させながらゆっくりと引き上げることによって、シリコン単結晶棒を成長させるチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法において、
該種結晶のシリコン融液に接触させる先端部の形状が、尖った形状または尖った先端を切り取った形状である種結晶を使用し、
まず該種結晶の先端をシリコン融液にしずかに接触させた後、該種結晶を低速度で下降させることによって種結晶の先端部が所望の太さとなるまで溶融し、
その後、該種結晶をゆっくりと上昇させ、ネッキングを行うことなく、所望径のシリコン単結晶棒を育成させる、というようなシリコン単結晶の製造方法である。
【0028】
この方法では、種結晶がシリコン融液に接触していない状態からシリコン融液に接触・溶融する場合であるにもかかわらず、最初に接触する部分の面積が小さく、熱容量が小さいので、シリコン融液への接触による熱衝撃が種結晶に与えられず、またその後ゆっくりと種結晶を下降させることによって、徐々に接触面積が大きくなるため、溶融中にも種結晶内に急激な温度勾配が形成されない。したがって、種結晶をシリコンに無転位で接触・溶融することが出来る。
【0029】
すなわち、チョクラルスキー法によるシリコン単結晶棒の製造において、種結晶のシリコン融液に接触させる先端部の形状が、接触面積の小さい尖った形状または尖った先端を切り取った形状である種結晶を使用し、この種結晶の先端をシリコン融液にしずかに接触させ、その後この種結晶を低速度でゆっくりと下降させることによって、種結晶の先端部がその後の高重量単結晶棒の重量に耐え得る所望の太さとなるまで溶融し、次いで、種結晶をゆっくりと上昇させ、そのまま所望径まで単結晶を太らせれば、ネッキングを行うことなくシリコン単結晶棒を育成させることができる。
【0030】
このようなネッキングを行わないチョクラルスキー法においては、用いる種結晶の先端部の形状を、例えば図3に示したような、尖った形状または尖った先端を切り取った形状とする必要がある。このような形状であれば、最初に種結晶の先端がシリコン融液に接触した時、融液への接触面積が小さく、先端部の熱容量が小さいために、種結晶に熱衝撃あるいは急激な温度勾配が形成されないので、スリップ転位が導入されないからである。
【0031】
そして、その後種結晶をゆっくりと下降させて種結晶の先端部が、所望の太さとなるまで溶融すれば、融液中種結晶と融液の接触面積は徐々に増加していくため、種結晶内に急激な温度勾配を形成することなく種結晶を溶融することができ、溶融時にもスリップ転位が種結晶内に導入されない。
【0032】
このようなネッキングを行わないチョクラルスキー法においては、種結晶にスリップ転位が導入されないことが不可欠である。したがって、尖った先端部形状の種結晶をシリコン融液に接触、溶融時に種結晶にスリップ転位が導入されると、もはやその種結晶で再度ネッキングを行わないチョクラルスキー法を行うことは不可能である。
【0033】
さらに、たとえ種結晶の接触、溶融時にスリップ転位が発生しなかった場合でも、チョクラルスキー法においては、その後の単結晶棒の育成時に、種々の理由から結晶棒が有転位化する場合がある。その場合には、通常のチョクラルスキー法においては、有転位化した単結晶棒を溶融して、再度結晶棒の引き上げ育成をやり直すが、この再溶融時に一度結晶中に発生した転位は、温度勾配に沿って既に単結晶として成長した部分にまで伝播し、結局種結晶にまで到達する。したがって、このような単結晶棒を育成中における有転位化であっても、一度結晶が有転位化した場合には、再度その種結晶を用いてネッキングを行わないチョクラルスキー法を行うことは出来ない。
【0034】
そこで、本発明では、種結晶をシリコン融液に接触・溶融する工程、あるいは、その後、所望径のシリコン単結晶棒を育成させる工程において、種結晶あるいは単結晶が有転位化した場合、所望の先端部形状を有する新たな種結晶に交換することによって、再度この新たな種結晶をシリコン融液に接触、溶融して、ネッキングを行うことなく、チョクラルスキー法によってシリコン単結晶を製造することにした。
【0035】
このように種結晶を新たなものに交換すれば、新たな種結晶にはスリップ転位が存在しないし、所望形状をしているので、再度ネッキングを行わないチョクラルスキー法を行うことが出来る。
【0036】
したがって、交換される新たな種結晶は、ネッキングを行わないチョクラルスキー法を行うことが可能な形状、すなわち図3に示されるような先端部が尖った形状または尖った先端を切り取った形状の種結晶としなければならない。
【0037】
なお、当然ながら種結晶を交換する場合には、有転位化した結晶を溶融した後に行うのが望ましい。有転位化した結晶とともに種結晶を交換すると、シリコン融液量が減少してしまい、無駄であるからである。
【0038】
種結晶を新たな種結晶に交換するには、種結晶を結晶取り出し用のプルチャンバ内まで移動し、ゲートバルブを閉じ、プルチャンバを開放して行うことが出来る。
【0039】
図1(A)に一般に用いられているチョクラルスキー法によってシリコン単結晶を製造するための装置の該略図を示した。この図を用いて、本発明の上記種結晶の交換手順を説明すると、成長単結晶棒が有転位化した場合、種ホルダ1を上部のボックス2中に格納された不図示のワイヤ回転上下機構によって下降させ、成長単結晶をシリコン融液3に浸漬することによって結晶棒を種結晶先端部まで溶融する。溶融が完了したら、ワイヤ回転上下機構によって種ホルダ1を上昇させ、プルチャンバ4内まで種結晶5を移動させる。この場合、有転位化した位置が種結晶の接触・溶融時である場合は、上記結晶棒の溶融を行うことなく、直ちに種ホルダ1をプルチャンバ4まで移動させる。
【0040】
種ホルダ1とともに種結晶5がプルチャンバ4内に位置したなら、ゲートバルブ6を閉じて、プルチャンバ4とベースチャンバ7を遮断する。プルチャンバ4内を常圧にした後、プルチャンバの不図示の結晶取り出し用ドアを開放する。有転位化した種結晶を取りはずし、新たな種結晶(先端部形状が尖った形状または尖った先端を切り取った形状のもの)に交換する。
【0041】
種結晶を交換したら、プルチャンバ4の結晶取り出し用ドアを閉め、プルチャンバ内を真空排気の後、不活性ガス雰囲気に置換する。ガス雰囲気、圧力をベースチャンバ7と同じにし、ゲートバルブ6を開ける。そして、種ホルダ1をワイヤ回転上下機構によって下降させることによって種結晶5を下降させ、再度ネッキングを行わないチョクラルスキー法を行う。
【0042】
このように、新たな種結晶への交換を結晶取り出し用のプルチャンバ4を用いて行えば、種結晶交換用のチャンバ等の特別な装置を設置する必要がなく、きわめて簡単かつ確実に種結晶の交換をすることが出来る。
【0043】
また、新たな種結晶への交換方法として第2の実施形態としては、種結晶を種結晶交換用チャンバ内まで移動し、ゲートバルブを閉じ、種結晶交換用チャンバを開放した後に行うようにしても良い。
【0044】
この方法は、例えば図1(B)に示すような装置によって実施することが出来る。
すなわち、この装置は通常のチョクラルスキー法の装置の結晶を取り出すためのプルチャンバ4の上にさらに小型の種結晶交換用ベローズチャンバ8が設けられており、下方のチャンバとはゲートバルブ9で遮断出来る用になっている。
【0045】
このような装置により、種結晶の交換作業は上記とほぼ同様な手順で行えば良いが、種結晶を移動させ交換するチャンバを、種結晶交換用チャンバ8とし、このチャンバを下方のチャンバと遮断するためにゲートバルブ9を用いる。
種結晶交換用チャンバ8は、種結晶5および種ホルダ1を収容出来るスペースがあれば足り、小型のものと出来る。
【0046】
すなわち、このような種結晶交換用チャンバ8を有する装置を用いた場合の種結晶の交換手順を説明すると、成長単結晶棒が有転位化した場合、種ホルダ1を上部のボックス2中に格納された不図示のワイヤ回転上下機構によって下降させ、成長単結晶をシリコン融液3に浸漬することによって結晶棒を種結晶先端部まで溶融する。溶融が完了したら、ワイヤ回転上下機構によって種ホルダ1を上昇させ、種結晶交換用チャンバ8内まで種結晶5を移動させる。この場合、有転位化した位置が種結晶の接触・溶融時である場合は、上記結晶の溶融を行うことなく、直ちに種ホルダ1を種結晶交換用チャンバ8まで移動させる。
【0047】
種ホルダ1とともに種結晶5が種結晶交換用チャンバ8内に位置したなら、ゲートバルブ9を閉じて、種結晶交換用チャンバ8とプルチャンバ4を遮断する。種結晶交換用チャンバ8内を常圧にした後、ベローズチャンバを縮めることによって種結晶交換用チャンバ8を開放する。有転位化した種結晶を取りはずし、新たな種結晶(先端部形状が尖った形状または尖った先端を切り取った形状のもの)に交換する。
【0048】
種結晶を交換したら、ベローズを伸ばすことによって種結晶交換用チャンバ8を外気と遮断し、種結晶交換用チャンバ内を真空排気の後、不活性ガス雰囲気に置換する。ガス雰囲気、圧力をプルチャンバ4およびベースチャンバ7と同じにし、ゲートバルブ9を開ける。そして、種ホルダ1をワイヤ回転上下機構によって下降させることによって種結晶を下降させ、再度ネッキングを行わないチョクラルスキー法を行う。
【0049】
このように、新たな種結晶への交換を種結晶交換用のチャンバを用いて行えば、種結晶交換用チャンバの容量が小さいために、チャンバの開放、真空置換等に時間と不活性ガス等の節約をすることが出来、迅速に種結晶の交換作業が出来るので、きわめて簡単かつ効率的に種結晶の交換をすることが出来る。
【0050】
また、新たな種結晶への交換方法として第3の実施形態としては、予めチャンバ内にセットされた予備の種結晶を用いるようにしてもよい。これは一度にチャンバ内に複数本の種結晶をセットすることを意味している。
【0051】
この方法は、例えば図2に示すように種ホルダ1の形態を工夫することによって実施することが出来る。
すなわち、この種ホルダ1はワイヤ10の先端に設けられた二股形状のホルダ保持治具11に回転可能に支持されており、上下2本の種結晶5、5’を保持出来るようになっている。その他の装置部材については図1(A)の従来のものと同じで良い。
【0052】
このような予備の種結晶を用いる場合の種結晶の交換手順を図2、図1(A)に基づいて説明すると、成長単結晶棒が有転位化した場合、種ホルダ1を上部のボックス2中に格納された不図示のワイヤ回転上下機構によって下降させ、成長単結晶をシリコン融液に浸漬することによって結晶棒を種結晶先端部まで溶融する。溶融が完了したら、ワイヤ回転上下機構によって種ホルダ1を上昇させ、種結晶5の先端がシリコン融液3に接触しない位置まで移動させる。この場合、有転位化した位置が種結晶の接触・溶融時である場合は、上記結晶の溶融を行うことなく、直ちに種ホルダ1を上昇させ種ホルダを回転させても種結晶5、5’がシリコン融液3に接触しない位置まで移動させる。
【0053】
その位置で種ホルダ1を回転させ、上部に位置していた新たな種結晶5’を鉛直方向下部に配置せしめることによって、種結晶を新たな種結晶5’に交換する。
この場合、予めセットしておいた予備の種結晶5’も先端部形状が尖った形状または尖った先端を切り取った形状のものにしておくのは言うまでもない。
種結晶の交換が終了したなら、種ホルダ1をワイヤ回転上下機構によって下降させ、再度ネッキングを行わないチョクラルスキー法を行う。
【0054】
このように、新たな種結晶への交換を、予めチャンバ内にセットされた予備の種結晶を用いるようにすれば、チャンバの開放・閉鎖等の作業が不要であるので、きわめて短時間で交換をすることが出来、一層簡単かつ効率的に種結晶の交換を行うことが出来る。
【0055】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0056】
例えば、本発明は、通常のチョクラルスキー法のみならず、シリコン単結晶の引上げ時に磁場を印加するMCZ法(Magnetic field applied Czochralski crystal growth method)にも同様に適用できることは言うまでもなく、本明細書中で使用したチョクラルスキー法という用語には、通常のチョクラルスキー法だけでなく、MCZ法も含まれる。
【0057】
また、新たな種結晶への交換方法について、具体的な装置形態を挙げて説明したが、本発明の方法はこれらの形態を有する装置によってのみ実施されるのではなく、本発明と同様の方法を実施出来るものであれば、その形態機構は限定されるものではない。
【0058】
例えば、本発明の実施形態で説明した、プルチャンバ、ゲートバルブ、種結晶交換用チャンバ等の文言は、必ずしも図面に示した形態の物でなくとも、同じ機能を奏するものであれば良く、その名称に拘泥されるものではない。
【0059】
また、上記第3の新たな種結晶を交換する形態では、予め種結晶を2本セットする場合につき例を挙げて説明したが、3本あるいはそれ以上の本数を予めセットしておいても良いことは言うまでもない。
【0060】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明においては、ネッキングを行うことなくチョクラルスキー法によってシリコン単結晶を製造する方法において、たとえ種結晶あるいは単結晶が一旦有転位化した場合においても、種結晶を所望先端部形状を有する新たな種結晶に交換するようにしたので、この新たな種結晶を用いて再度ネッキングを行うことなく単結晶棒を育成することが出来る。したがって、本発明によってネッキングを行わないチョクラルスキー法の成功率を向上させることが出来る。
【0061】
その結果、従来のチョクラルスキー法によってシリコン単結晶棒を引き上げる際に、強度上一番の問題となるネッキングによる種絞り部を形成することなく、結晶を単結晶化させることができ、大直径かつ長尺な高重量のシリコン単結晶を、結晶保持機構のような複雑な装置を使用することなく、極めて簡単に引上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において種結晶を交換する手順を説明するための説明図である。
(A) 従来の装置で行う場合(第1の実施形態)、
(B) 種結晶交換用チャンバを有する装置を用いて行う場合(第2の実施形態)。
【図2】本発明において種結晶を交換する第3の実施形態の手順を説明するための説明図である。
【図3】本発明において用いられる種結晶の形状を示した斜視図である。
(A) 円柱状の種結晶の先端部を円錐形状としたもの、
(B) 四角柱状の種結晶の先端部を角錐形状としたもの、
(C) 先端部が円錐形状の先端を水平に切り取った形状としたもの、
(D) 先端部が円錐形状の先端を斜めに切り取った形状としたもの。
【図4】従来の種結晶の形状を示した斜視図である。
(A) 円柱状のもの、
(B) 四角柱状のもの。
【符号の説明】
1…種ホルダ、 2…ボックス、
3…シリコン融液、 4…プルチャンバ、
5、5’…種結晶、 6…ゲートバルブ、
7…ベースチャンバ、 8…種結晶交換用チャンバ、
9…ゲートバルブ、 10…ワイヤ、
11…ホルダ保持治具。

Claims (4)

  1. 先端部の形状が尖った形状または尖った先端を切り取った形状の種結晶を用い、該種結晶の先端をシリコン融液に接触させた後、種結晶を下降させることによって種結晶の先端部がその後の単結晶棒の重量に耐え得る所望の太さとなるまで溶融し、その後、種結晶をゆっくりと上昇させ、そのまま所望径まで単結晶を太らせ、ネッキングを行うことなく、所望径のシリコン単結晶棒を育成させる、チョクラルスキー法によってシリコン単結晶を製造する方法において、
    種結晶をシリコン融液に接触させた後、所望の太さとなるまで溶融する工程、あるいは、その後、種結晶をゆっくりと上昇させ、ネッキングを行うことなく、所望径のシリコン単結晶棒を育成させる工程において、種結晶あるいは単結晶が有転位化した場合、種結晶を所望先端部形状を有する新たな種結晶に交換して、再度該新たな種結晶をシリコン融液に接触、溶融して、ネッキングを行うことなく、チョクラルスキー法によってシリコン単結晶を製造することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 前記の新たな種結晶への交換は、種結晶をプルチャンバ内まで移動し、ゲートバルブを閉じ、プルチャンバを開放した後に行う、ことを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. 前記の新たな種結晶への交換は、種結晶を種結晶交換用チャンバ内まで移動し、ゲートバルブを閉じ、種結晶交換用チャンバを開放した後に行う、ことを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  4. 前記の新たな種結晶への交換は、予めチャンバ内にセットされた予備の種結晶を用いる、ことを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
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