JPH07242489A - 酸化物単結晶の製造方法とその装置 - Google Patents

酸化物単結晶の製造方法とその装置

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JPH07242489A
JPH07242489A JP5480494A JP5480494A JPH07242489A JP H07242489 A JPH07242489 A JP H07242489A JP 5480494 A JP5480494 A JP 5480494A JP 5480494 A JP5480494 A JP 5480494A JP H07242489 A JPH07242489 A JP H07242489A
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秀夫 木村
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健則 沼澤
Michinori Sato
充典 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 固相で相転移を起こす酸化物単結晶の引き上
げ法による製造過程において、パイプ(4)中上部に種
結晶(5)を装着し、融点以下まで過冷却さた融液
(3)に浸してパイプ(4)中で融液を下部より上昇さ
せ、相転移温度以下あるい相転移温度以上融点以下の温
度において種結晶と接触・結晶化させることにより、低
温相の結晶核を安定あるいは準安定に生成させ、低温相
単結晶を製造する。 【効果】 任意の結晶方位に制御して単結晶を製造する
ことができる。また、溶液法のようにフラックスを用い
ずに融液から直接単結晶を製造することから、フラック
スからの不純物の混入をなくし、結晶の高品質化が可能
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】この発明は、固相で相転移を生じ
る酸化物単結晶の製造方法とそのための装置に関するも
のである。さらに詳しくは、この発明は、レーザー素
子、波長変換素子などの光学分野で用いられる非線形光
学材料として有用な、良質の酸化物単結晶を高効率で製
造することのできる方法とその装置に関するものであ
る。
【従来の技術とその課題】従来より、単結晶の製造方法
としては、シリコン単結晶のように直接るつぼから融点
以上に加熱溶融した材料を種結晶を用いて引き上げるチ
ョコラルスキー法や多結晶から製造するゾーンメルティ
ング法等がよく知られている。しかしながら、固相で相
転移を起こす酸化物の単結晶はこれらの方法では製造す
ることが困難なので、酸化物材料を溶剤(フラックス)
に溶かし、液温を相転移温度以下に保ちながら長時間か
けて種結晶を用いて成長させる方法が採用されてきてい
る。しかし、この方法の場合には、フラックスによる不
純物の汚染が避けられず、時間がかかり過ぎる等の問題
があった。また、これらの問題の解決方法として、融液
を相移転温度以下まで過冷却し、低温相を安定相として
生成する低温相単結晶製造方法、および過冷却度を小さ
くし、相転移温度以上で低温相を準安定相として生成す
る低温相単結晶製造方法が知られているが、種結晶を用
いようとした場合、融液と接する前に低温相が高温相に
相転移を起こすという問題があった。そこで、種結晶を
用いずに、先端を屈曲させたワイヤーを用いることによ
り低温相結晶を生成する方法や、昇温時の熱応力を小さ
くして相転移速度を遅くする細径低温相種結晶を用いる
方法が採用されている。しかしながら、白金ワイヤ法で
は結晶核生成を制御することができないため目的とする
結晶方位の結晶を得ることが困難であり、また、細径種
結晶法では種結晶法からの熱放散が小さいため結晶を安
定に再現性よく製造することが困難であった。この発明
は、以上の通りの従来技術の問題を解決するためになさ
れたものであって、酸化物単結晶を従来の製造装置をそ
のまま用い、しかも溶液法のようにフラックスを用いな
いで融液から直接に引き上げて高純度で、かつ効率よく
任意の結晶方向に自由に制御して酸化物単結晶を製造す
ることのできる方法とそのための装置を提供することを
目的としている。
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、固相で相転移を起こす酸化物単
結晶を引き上げ法により製造するに際し、引き上げ装置
のるつぼ内に単結晶材料を融点以下まで過冷却させて融
液として保持し、その表面に接するように配置した高融
点金属パイプ内に表面張力もしくは周囲液面の加圧によ
り液面を上昇させ、パイプ上部の内部に装着した種結晶
と相転移温度以下もしくは相転移温度以上融点以下の温
度で接触させて結晶化させ、低温相の結晶核を安定また
は準安定に生成させて低温相単結晶を製造することを特
徴とする酸化物単結晶の製造方法を提供する。そしてま
た、そのための装置をも提供する。
【作用】すなわち、この発明では、低温相種結晶を内部
に閉じ込めたパイプを用いて、パイプを融液に浸した
後、融液直上の温度勾配を大きくすることにより融液を
融点以下の過冷却状態とし、パイプ内を表面張力もしく
はパイプ内外の圧力差により上昇してきた融液と種結晶
とを相転移温度以下の温度あるいは相転移温度以上で融
点以下の温度で接触させることにより低温相の結晶核を
安定もしくは準安定に生成させて低温相単結晶を成長さ
せることを特徴としている。図1は固相転移を有する結
晶の相図の模式図を示したものであるが、通常の低温相
種結晶の引き上げ法では融液から高温相であるα相が得
られ、適当な冷却法をとることによりβ相に相転移させ
ているが、結晶構造の変化にともなう結晶の体積変化に
よりクラックの発生や、多結晶化が生じるため単結晶を
製造するには問題があった。また、引き上げ法において
は上方の温度勾配を大きくすることにより融液の過冷却
状態を発現させ、融液から直接にβ相が得られることが
知られている。しかし、種結晶をβ相の状態で用いよう
としても融液と接触する前にα相に相転移してしまうた
め種結晶としては使用できないという制約がある。この
発明で重要なことは、従来法のように種結晶を高温の融
液に近づけるのではなく、融液を低温の種結晶に近づけ
ることである。すなわち、パイプの中に種結晶を配設し
て融液を表面張力もしくはパイプ内外の圧力差により上
昇させて、融点以下の低温の状態で種結晶と接触させβ
相の核生成を生じさせることにある。これにより生じた
β相は種結晶と方位整合性があるためパイプの引き上げ
と共に結晶が成長し、やがてパイプ端から離れて所定の
直径をもった単結晶として製造することが可能となる。
なお、この時にパイプは安定して結晶を成長させるため
回転させるのが望ましい。図2は、この発明の方法を実
施するための装置の構成を例示したものである。るつぼ
(1)はヒーター(2)で加熱し、単結晶材料を融液
(3)として保持している。この融液(3)に接するよ
うに金属パイプ(4)が保持されている、パイプ(4)
内には種結晶(5)が配設されている。パイプ(4)は
回転しており、結晶の成長に合わせて上昇できるように
している。また、図3は、種結晶(5)を配設した金属
パイプ(4)の上部に冷却ジャケット(6)を設けた装
置の構成例を示している。これにより種結晶を強制的に
冷却し、単結晶に生じる熱応力を小さくしている。パイ
プ(4)内に融液(3)を上昇させる方法の一つとして
は表面張力の利用がある。また、パイプ内部と外部の圧
力差を外的に加えてもよい。この方法では、パイプ内径
を任意のものに広げられることから、種結晶の熱放散が
大きくなる結果、固体界面の安定性が増し単結晶中の結
晶欠陥が低下する。なお、この発明が対象とするもの
は、固相で相転移を起こす酸化物の任意の種類でよいこ
とは多言を要しない。以下、実施例を示し、さらに詳し
くこの発明について説明する。もちろん、この発明は、
以下の例によって限定されるものではない。
【実施例】実施例1 大気中、大気圧で、直径、高さともに50mmの白金ル
ツボ中でBaB2 4を融解し(融点:1095℃)、
c軸方向に切り出したβ相種結晶を図2に示すように内
径3mmの白金パイプ型ホルダーに装着して20rpm
で回転させながら、融液直上における上方の温度勾配を
175℃/cmと大きく保つことにより1000℃まで
過冷却させた融液に上方から浸した。白金はBaB2
4 と反応せず、また濡れ性も良い。融液は白金パイプ中
を約10mm上昇し、種結晶と相転移温度(925℃)
以下の830℃で接触し、接触と同時に種結晶により冷
却されるために結晶化が始まった。このものは種結晶と
方位整合性をもつものでパイプを上方に2mm/hの速
度で引き上げるにつれて、結晶と融液の界面はパイプ中
を下方へと移動し、最終的に結晶化した単結晶はパイプ
端面から離れて、通常の引き上げ法と同様に単結晶が進
行し、直径20mm、長さ50mmのC軸方位を有する
β相単結晶が得られた。この単結晶の方位をX線ラウエ
法により評価し、ステレオ三角形で示したものが図4で
ある。単結晶の方位は種結晶方位と一致し、方位の揃っ
たC軸単結晶であることが確認された。なお、パイプ内
径が4mm以上とすると、融液のパイプ内での上昇が小
さく、種結晶位置に到達しない。また、2mm以下であ
ると、融液の冷却が充分に行われず、種結晶と接触して
も結晶化が起こりにくく、単結晶の製造は困難である。 実施例2 白金パイプ型ホルダの内径が5mmである以外は実施例
1と同じ引き上げ装置、材料および条件をもちいてパイ
プの内圧が外部圧力より1kg/cm2 負圧となるよう
にした。融液は白金パイプ中を約10mm上昇し、種結
晶と相転移温度(925℃)以下の830℃で接触し、
接触と同時に種結晶により冷却されるために結晶化が始
まる。これは、種結晶と方位整合性を持つもので、パイ
プを上方へ2mm/hで引き上げるにつれて結晶と融液
との界面はパイプ中を下方へと移動し、最終的に結晶化
した単結晶はパイプ端から離れて、通常の引き上げ法と
同じように単結晶化が進行し、直径20mm、長さ50
mmのc軸方位を有するβ相単結晶が得られた。実施例
1の毛管現象を用いる場合に比べて、パイプ内径を任意
に拡げることができ、種結晶を通しての熱の放散が大き
くなる結果、固液界面の安定性が増し、単結晶中の結晶
欠陥が低下する。実施例3 図3のように、強制冷却した内径3mmの白金パイプ型
ホルダをもちいて温度勾配を100℃/cmと小さくし
た以外は実施例1と同様にして単結晶を製造した。すな
わち、周囲を強制冷却した内径3mmの白金パイプ型ホ
ルダーに装着して20rpmで回転させながら、融液直
上での上方の温度勾配を100℃/cmに保つことによ
り1000℃まで過冷却させた融液に上方から浸す。融
液は白金パイプ中を毛管現象により約7mm上昇し、種
結晶と950℃で接触し、接触と同時に種結晶により冷
却されるために結晶化が始まる。これは、種結晶と方位
整合性を持つもので、相転移温度(925℃)以上で準
安定に核生成したものである。パイプを上方へ2mm/
hで引き上げるにつれて結晶と融液との界面はパイプ中
を下方へ移動し、結晶化した単結晶はパイプ端から離れ
て、通常の引き上げ法と同じように単結晶化が進行し、
直径20mm、長さ50mmのc軸方位を有するβ相単
結晶が得られた。実施例1と比較して、強制的に冷却し
ているため、最初のβ相の核生成以降は小さな温度勾配
で単結晶の製造が可能であり、熱応力の軽減ができるこ
とから高品位の単結晶が製造できた。このものは実施例
1と比較して強制的に冷却しているために熱応力が小さ
くなり、高品位の単結晶が得られた。比較例 白金ワイヤ法を用いて、同じ材料で単結晶を6回製作し
た。このものの方位をX線ラウエ法で調べた。図5にス
テレオ三角形で示した。ランダムな方位の単結晶しか得
られなかった。
【発明の効果】本発明を用いることにより、従来安定に
生産することが困難であった酸化物単結晶が安定的に製
造可能となった。また、融液から直接単結晶を製造する
ため、溶液法のようにフラックスによる不純物の混入が
ないため高品質の単結晶を容易に得る事を可能とした。
さらには任意の結晶方位の種結晶を用いることを可能と
したため、任意の結晶方位に制御して酸化物単結晶を製
造可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】低温相を持つ結晶の相図の模式図である。
【図2】この発明の単結晶製造装置を例示した模式図で
ある。
【図3】冷却ジャケットを取り付けた、この発明の単結
晶製造装置を例示した模式図である。
【図4】この発明の酸化物単結晶のX線ラウエ法で調べ
たステレオ三角形図である。
【図5】従来法である白金ワイヤ法で引き上げた酸化物
単結晶をX線ラウエ法で調べたステレオ三角形図であ
る。
【符号の説明】
1 るつぼ 2 加熱ヒータ 3 融液 4 金属パイプ 5 種結晶 6 冷却ジャケット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固相で相転移を起こす酸化物単結晶を引
    き上げ法により製造するに際し、引き上げ装置のるつぼ
    内に単結晶材料を融点以下まで過冷却させて融液として
    保持し、その表面に接するように配置した高融点金属パ
    イプ内に表面張力もしくは周囲液面の加圧により液面を
    上昇させ、パイプ上部の内部に装着した種結晶と相転移
    温度以下もしくは相転移温度以上融点以下の温度で接触
    させて結晶化させ、低温相の結晶核を安定または準安定
    に生成させて低温相単結晶を製造することを特徴とする
    酸化物単結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の方法において、パイプに冷却
    ジャケットを設けて種結晶を強制的に冷却して融液直上
    の温度勾配を緩慢にし、単結晶内に発生する熱応力を最
    小限にしたことを特徴とする酸化物単結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】 るつぼと、種結晶を内部に保持した高融
    点金属パイプ、さらに必要に応じて種結晶を強制冷却す
    るため冷却ジャケットを有し、高融点金属パイプをるつ
    ぼ内融液に接して融液をパイプ内に上昇させる引き上げ
    機構を備えていることを特徴とする固相で相転移を起こ
    す酸化物単結晶の製造装置。
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