JP3770179B2 - 光造形方法および光造形装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
この発明は、未硬化状態の光硬化性樹脂の自由液面に電磁波を照射して、これを層状に順次硬化させ、それによって、所望の3次元構造物を造形する、光造形方法および光造形装置に関するもので、特に、未硬化状態の光硬化性樹脂の自由液面の迅速な整定化を図るための改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光造形技術は、電磁波を照射することによって光硬化性樹脂が硬化する現象を利用しながら、得ようとする3次元構造物を薄く輪切りにした形状を有するものを、光硬化性樹脂の硬化によって得られた硬化層によって造形し、この造形を3次元構造物の端から順に実施して、目的とする3次元構造物を造形しようとするものである。
【0003】
このような光造形方法として、典型的には、自由液面法と規制液面法とがある。
【0004】
自由液面法は、たとえば特開昭62−35966号公報等に記載されているように、未硬化状態の光硬化性樹脂が収容された容器内であって、未硬化状態の光硬化性樹脂の自由液面よりわずかに下方の位置にステージを配置し、容器の上方から電磁波を光硬化性樹脂に照射することによって、ステージの上面に硬化層を作製し、次いで、ステージを下方へわずかに移動させて、既に作製された硬化層を未硬化状態の光硬化性樹脂の自由液面の下方に沈め、再び、電磁波を未硬化樹脂に照射して、次の硬化層を形成し、以下、同様の工程を繰り返して、目的とする3次元構造物を製造しようとするものである。
【0005】
他方、規制液面法は、底面を透明とした容器内に未硬化状態の光硬化性樹脂を収容し、容器の下方から電磁波を照射することによって、容器内に配置したステージと容器の底面との間に硬化層を造形し、次いで、ステージを上方へ引き上げて、既に作製された硬化層と容器との間に再び硬化層を造形し、以下、同様な工程を繰り返して、目的とする3次元構造物を造形しようとするものである。
【0006】
このような光造形方法では、常に、新しい光硬化性樹脂が電磁波の照射部分に供給される必要があるが、上述した規制液面法では、硬化層と容器の底面との間に新しい光硬化性樹脂を供給することが比較的困難であり、そのため、高速で造形を実施することが困難であるという問題がある。また、硬化層がステージ上で造形された後、ステージを上方へ引き上げる際、硬化層が容器の底面から円滑に剥離されず、硬化層が無理に引き剥がされることによって、造形物が破壊されることがあるという問題も有している。
【0007】
これに対して、前述した自由液面法によれば、規制液面法において遭遇する、硬化層の容器底面からの円滑な剥離が阻害されることがあるという問題を招くことはない。
【0008】
また、電磁波の照射部分に常に新しい光硬化性樹脂を供給するという課題に対しても、自由液面法によれば、比較的容易に対処することができる。たとえば、ステージ上に硬化層を造形した後、一旦、ステージを大きく下降させて、硬化層を光硬化性樹脂中に十分に沈下させ、それによって、新しい光硬化性樹脂を硬化層の上に供給した状態とし、次いで、光硬化性樹脂の自由液面から硬化層の上面までの深さが所定の値になるまでステージを上昇させることを行なったり(オーバーディップ法)、あるいは、既に造形された硬化層の表面をスキージで操作し、新しい光硬化性樹脂が行きわたるようにしたりすることによって、上述した課題を解決することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この発明にとって興味ある光造形方法は、特に、上述の自由液面法による光造形方法である。
【0010】
しかしながら、自由液面法では、規制液面法においては遭遇しない問題に遭遇する。すなわち、自由液面法によれば、ステージの下降に伴って、既に造形された硬化層が下降されたとき、硬化層の上方に未硬化状態の光硬化性樹脂が自然に流れ込むが、この流れ込んだ光硬化性樹脂の自由液面が動揺したままの状態で電磁波を照射すると、得られた3次元構造物の形状および寸法に関して高い精度を得ることができない。したがって、少なくとも電磁波の照射時には、光硬化性樹脂の自由液面が平滑化すなわち整定化されていなければならない。
【0011】
しかしながら、このように光硬化性樹脂の自由液面を平滑にするための整定化工程には、たとえば1ないし数分間といった比較的長い時間を要し、また、整定化工程は、数100回程度実施されることが多い。その結果、この自由液面の動揺が収まるのを待つ時間のために、造形に要する時間の短縮化を図ることが困難である。
【0012】
そこで、この発明の目的は、上述した問題を解決し得る、すなわち、得られた3次元構造物の精度を高めることができるとともに、造形速度を向上させることができる、自由液面法による光造形方法および光造形装置を提供しようとすることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明は、未硬化状態の光硬化性樹脂の自由液面を整定化する工程と、未硬化状態の光硬化性樹脂の整定化された自由液面の所定の領域に電磁波を照射することによって、この所定の領域において、未硬化状態の光硬化性樹脂の自由液面近傍における液層部分を硬化させ、それによって、硬化された光硬化性樹脂からなる硬化層を造形する工程と、この硬化層を未硬化状態の光硬化性樹脂の自由液面の下方に沈めるように硬化層を移動させる工程とが繰り返されることによって、3次元構造物を造形する、光造形方法にまず向けられる。
【0014】
この発明に係る光造形方法では、前述した技術的課題を解決するため、上述の未硬化状態の光硬化性樹脂の自由液面を整定化する工程において、未硬化状態の光硬化性樹脂に対して、遠心力が付与されることを特徴としている。
【0015】
この発明は、また、上述したような光造形方法を実施するために用いられる光造形装置にも向けられる。
【0016】
この発明に係る光造形装置は、所定の軸線まわりに回転可能であり、かつ未硬化状態の光硬化性樹脂を収容している、容器と、この容器の回転に従って生じる遠心力が付与された未硬化状態の光硬化性樹脂の自由液面の所定の領域に電磁波を照射するための電磁波源と、電磁波の照射によって硬化された光硬化性樹脂からなる硬化層を保持するためのものであって、容器内の遠心力が付与された未硬化状態の光硬化性樹脂内に位置しながら容器とともに回転し、かつ自由液面から離隔し得るように移動可能に設けられた、ステージとを備えることを特徴としている。
【0017】
上述した容器は、たとえば、円筒状の内周面を規定する形状を有し、この円筒状の内周面上に未硬化状態の光硬化性樹脂が収容されても、あるいは、球面、回転放物面、回転楕円面のような回転曲面状の内周面を規定する形状を有し、この回転曲面状の内周面上に未硬化状態の光硬化性樹脂が収容されてもよい。
【0018】
上述のように、容器が回転曲面状の内周面を規定する形状を有している場合、ステージは、容器の回転中心軸線を通る位置に配置されてもよいが、好ましくは、容器の回転中心軸線が通る位置からずれた位置に配置される。
【0019】
また、ステージは、硬化層の底面より小さい面積をもって硬化層の底面に接触するサポート部を有していることが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の第1の実施形態による光造形装置1を図解的に示す断面図である。
【0021】
光造形装置1は、矢印2で示すように、所定の軸線3まわりに回転可能な容器4を備えている。容器4は、この実施形態では、円筒状の内周面5を規定する形状を有していて、より具体的には、ドラム状をなしている。容器4内であって、円筒状の内周面5上には、未硬化状態の光硬化性樹脂6が収容されている。
【0022】
また、光造形装置1は、容器4の回転に従って生じる遠心力7(その方向を矢印で示す。)が付与された未硬化状態の光硬化性樹脂6の自由液面8の所定の領域に、矢印で示すような電磁波9を照射するための電磁波源10を備えている。電磁波9としては、たとえば、光線、電子線、イオンビーム、X線等の活性化電磁波が有利に用いられる。また、電磁波源10としては、好ましくは、レーザ光源が用いられる。
【0023】
光造形装置1は、また、電磁波9の照射によって硬化された光硬化性樹脂6からなる硬化層11を保持するためのステージ12を備えている。ステージ12は、容器4内の遠心力7が付与された未硬化状態の光硬化性樹脂6内に位置しながら容器4とともに回転する。また、ステージ12は、矢印13で示すように、自由液面8から離隔し得るように移動可能に設けられている。
【0024】
なお、図1において、硬化層11は、ある程度工程が進んだ状態のものが図示されている。
【0025】
ステージ12において採用される好ましい構成が図2に示されている。図2を参照して、ステージ12は、硬化層11の底面14より小さい面積をもって硬化層11の底面14に接触するサポート部15を有している。図2に示したサポート部15は、硬化層11の底面14に対して、実質的に点接触または線接触の状態を実現するようにされている。また、この実施形態では、サポート部15とステージ12との接触状態についても、実質的に点接触または線接触の状態を実現するようにされている。
【0026】
サポート部15は、目的とする3次元構造物を得た後、硬化層11をステージ12から取り外すことを容易にするとともに、硬化層11を含む造形物が造形中に転がるなどの問題が生じないようにするためのものである。
【0027】
サポート部15は、硬化層11を構成する光硬化性樹脂6と同じ材質で構成される。そのため、目的とする3次元構造物を造形する前段階において、同様の工程に従って、サポート部15を造形するようにしてもよい。
【0028】
図2に示すように、硬化層11の底面14が曲面をなしている場合には、ステージ12についても、図1および図2に示すように、同様の曲面をなしていることが好ましい。なぜなら、これによって、サポート部15の体積をより小さくすることができるからである。
【0029】
たとえば図1に示すような光造形装置1を用いて実施される光造形方法において、光硬化性樹脂6に対しては、(1)粘性が低いこと(自由液面を整定化しやすいため)、(2)硬化速度が高いこと(造形速度を高めるため)、(3)積層3次元重合が可能であること(隣り合う硬化層11間で十分な結合強度を得るため)、(4)硬化精度が高いこと、(5)硬化時の体積収縮率が低いこと(得られた3次元構造物の不所望な反りを防ぐため)という条件が要求される。
【0030】
このような条件を満たすため、光硬化性樹脂6としては、逐次重合性を持ちかつ重合物の収縮歪みの少ない、たとえば、カチオン重合硬化エポキシ樹脂、オキセタン系樹脂、ラジカル重合硬化ウレタンアクリレート系樹脂、イミド系樹脂等を有利に用いることができる。また、光硬化性樹脂6において、必要に応じて、たとえばセラミック粉末等の固体粉末を分散させることも可能である。
【0031】
容器4に回転が与えられ、等速円運動に達した後、所定の時間の経過後に、未硬化状態の光硬化性樹脂6の自由液面8は整定化される。この整定化に際して、遠心力7が光硬化性樹脂6に及ぼされているので、光硬化性樹脂6に単に重力加速度のみが及ぼされている場合に比べて、光硬化性樹脂6の自由液面8がより強く拘束されることになり、したがって、より短時間で自由液面8を整定化することができる。
【0032】
等速円運動する容器4に与えられる回転速度は、未硬化状態の光硬化性樹脂6の粘度および容器4の内周面5の径方向寸法等によっても異なるが、たとえば、10〜1000rpm程度とされる。
【0033】
図1に示したようなドラム状の容器4の場合には、等速円運動に達する前および等速円運動を終えた後において、光硬化性樹脂6が容器4からこぼれやすいため、図示しないが、容器4の回転中に光硬化性樹脂6を供給しかつ排出するための機構が設けられていることが好ましい。
【0034】
図1に示した光造形装置1を用いながら、次のようにして、光造形方法が実施される。
【0035】
まず、前述したように、容器4が等速円運動する状態にされる。この状態において、容器4の中心軸線3から光硬化性樹脂6の自由液面8までの距離が決まり、この距離にある自由液面8を基準として光造形が進められる。
【0036】
基準となる自由液面8は曲面である。この曲面に沿って、得ようとする3次元構造物の積層曲面データが、たとえばCADのスライシングデータから換算して求められ、この積層曲面データに基づいて、目的とする3次元構造物を造形するために必要な電磁波9の照射パターンがたとえばコンピュータにより求められる。そして、この求められた照射パターンに応じて、電磁波源10が制御される。電磁波源10として、たとえばレーザ光源が用いられる場合には、レーザのスイッチを制御したり、照射すべき位置に電磁波9としてのレーザ光を導くようにガルバノミラーを制御したりすることが行なわれる。
【0037】
このような電磁波源10の制御の下、未硬化状態の光硬化性樹脂6の自由液面8が整定化された後、自由液面8の所定の領域に電磁波9が照射される。これによって、所定の領域において、未硬化状態の光硬化性樹脂6の自由液面8近傍における液層部分が硬化される。その結果、硬化された未硬化樹脂6からなる硬化層11がステージ12上に造形される。
【0038】
次に、上述のようにして造形された硬化層11を未硬化状態の光硬化性樹脂6の自由液面8の下方に沈めるため、ステージ12が、自由液面8から離隔するように矢印13で示す方向に移動される。その結果、硬化層11の上方に、新しい未硬化の光硬化性樹脂6が流れ込む。
【0039】
なお、硬化層11の上面が光硬化性樹脂6によって濡れにくい場合には、硬化層11を造形した後、一旦、ステージ12をたとえば10〜50mm程度と比較的大きく下降させ、硬化層11を光硬化性樹脂6内に十分に沈下させた後、自由液面8から硬化層11の上面までの深さがたとえば0.1〜0.5mm程度となるまで、ステージ12を上昇させてもよい。
【0040】
また、上述した方法に代えて、あるいは上述した方法に加えて、自由液面8に適合した形状のブレードを有するスキージを操作して、硬化層11の上面に新しい光硬化性樹脂6を付与するようにしてもよい。
【0041】
以上のような未硬化状態の光硬化性樹脂6の自由液面8を整定化する工程と、未硬化状態の光硬化性樹脂6の自由液面8に電磁波9を照射することによって、硬化層11を造形する工程と、硬化層11を自由液面8の下方に沈めるように硬化層11を移動させる工程とが繰り返されることによって、目的とする3次元構造物が造形される。
【0042】
上述したような未硬化状態の光硬化性樹脂6の自由液面8を整定化する工程では、遠心力7が光硬化性樹脂6に対して及ぼされているため、短時間で自由液面8の整定化を達成することができる。たとえば、目的とする3次元構造物が30mm程度の高さを有している場合、上述した工程の繰り返しは300〜600回程度となるため、300〜600回程度の整定化工程が必要である、したがって、このように多数回必要とする整定化工程の各々において、それに要する時間の短縮を図ることができるので、3次元構造物を得るための全体としての造形速度も高めることができる。
【0043】
図1に示した光造形装置1において、電磁波源10は、容器4とともに回転するようにしても、固定的に設けられてもよい。電磁波源10が容器4とともに回転するように構成されると、光硬化性樹脂6の自由液面8の所定の領域に対する電磁波9の単位時間当たりの照射量を多くすることができ、そのため、より短時間で硬化層11を作製することができる。他方、電磁波源10を固定的に設けた場合には、電磁波9の回転方向のスキャンが不要となり、たとえば、得ようとする3次元構造物が円筒形状のような回転対称体である場合、これを容易に作製することができる。
【0044】
図3は、この発明の第2の実施形態による光造形装置21を図解的に示す断面図である。図3において、図1に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0045】
図3に示した光造形装置21は、矢印22で示すように、所定の軸線23まわりに回転可能である、容器24を備えている。この実施形態では、容器24は、回転曲面状の内周面25を規定する形状を有していて、より具体的には、実質的に半球状をなしている。未硬化状態の光硬化性樹脂6は、容器24の回転曲面状の内周面25上に収容される。
【0046】
また、光造形装置21は、容器24の回転に従って生じる遠心力7が付与された未硬化状態の光硬化性樹脂6の自由液面8の所定の領域に電磁波9を照射するための電磁波源10を備えている。
【0047】
光造形装置21は、また、電磁波9の照射によって硬化された光硬化性樹脂6からなる硬化層11を保持するためのものであって、容器24内の遠心力7が付与された未硬化状態の光硬化性樹脂6内に位置しながら容器24とともに回転し、かつ矢印13で示すように自由液面8から離隔し得るように移動可能に設けられた、ステージ12を備えている。ステージ12は、この実施形態では、容器24の回転中心軸線23が通る位置に配置されている。
【0048】
この光造形装置21を用いての光造形方法は、前述した図1を参照して説明した光造形方法と実質的に同様である。この実施形態では、容器24の回転に従って付与された遠心力7により整定化された光硬化性樹脂6の自由液面8は、回転曲面状となる。
【0049】
また、この第2の実施形態の場合にも、特に断わらない限り、前述した第1の実施形態と同様の説明を援用することができる。
【0050】
図4は、この発明の第3の実施形態による光造形装置31を図解的に示す断面図である。図4に示した光造形装置31は、図3に示した光造形装置21と多くの点で共通しており、したがって、図4において、図3に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、以下に、異なる構成についてのみ説明する。
【0051】
図4に示した光造形装置31では、ステージ12が、容器24の回転中心軸線23が通る位置からずれた位置に配置されることを特徴としている。この実施形態によれば、図3に示した実施形態の場合に比べて、光硬化性樹脂6における硬化層11を造形する部分での自由液面8の整定化にあたって、遠心力7の作用をより効果的に用いることができる。
【0052】
この光造形装置31を用いての光造形方法についても、第1および第2の実施形態による光造形装置1および21を用いての光造形方法と実質的に同様に実施することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る光造形方法によれば、未硬化状態の光硬化性樹脂の自由液面を整定化するにあたって、未硬化状態の光硬化性樹脂に対して遠心力が付与されるので、単なる重力加速度の付与だけの場合に比べると、自由液面をより迅速に整定化することができる。したがって、造形された3次元構造物の形状および寸法に関する精度を高めながら、造形速度を高めることができる。
【0054】
この発明に係る光造形装置によれば、所定の軸線まわりに回転可能であり、かつ未硬化状態の光硬化性樹脂を収容している、容器を備えているので、上述したように、未硬化状態の光硬化性樹脂に対して遠心力を容易に付与することができる。
【0055】
上述の容器が、円筒状の内周面を規定する形状を有し、この円筒状の内周面上に未硬化状態の光硬化性樹脂が収容されるように構成されると、整定化された自由液面を円筒状に形成することができるので、このような自由液面がたとえば回転曲面状となる場合に比べて、より平面に近く、そのため、得ようとする3次元構造物の積層曲面データが複雑化することを防止することができる。
【0056】
容器が、回転曲面状の内周面を規定する形状を有し、この回転曲面状の内周面上に未硬化状態の光硬化性樹脂が収容されるように構成されると、容器の等速円運動に至るまでの間および等速円運動を終えた後において、未硬化状態の光硬化性樹脂が容器からこぼれるといった問題を回避することができる。
【0057】
上述したように、容器が回転曲面状の内周面を規定する形状を有している場合、硬化層を保持するステージが、容器の回転中心軸線が通る位置に配置される場合に比べて、容器の回転中心軸線が通る位置からずれた位置に配置される場合には、電磁波が照射されるべき領域での光硬化性樹脂に対する遠心力をより効果的に及ぼすことができる。
【0058】
ステージが、硬化層の底面より小さい面積をもって硬化層の底面に接触するサポート部を有していると、造形を終えた3次元構造物をステージから取り外すことが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態による光造形装置1を図解的に示す断面図である。
【図2】図1に示したステージ12の詳細を示す断面図である。
【図3】この発明の第2の実施形態による光造形装置21を図解的に示す断面図である。
【図4】この発明の第3の実施形態による光造形装置31を図解的に示す断面図である。
【符号の説明】
1,21,31 光造形装置
3,23 軸線
4,24 容器
5,25 内周面
6 光硬化性樹脂
7 遠心力
8 自由液面
9 電磁波
10 電磁波源
11 硬化層
12 ステージ
14 底面
15 サポート部
Claims (7)
- 未硬化状態の光硬化性樹脂の自由液面を整定化する工程と、前記未硬化状態の光硬化性樹脂の整定化された前記自由液面の所定の領域に電磁波を照射することによって、前記所定の領域において、前記未硬化状態の光硬化性樹脂の前記自由液面近傍における液層部分を硬化させ、それによって、硬化された前記光硬化性樹脂からなる硬化層を造形する工程と、前記硬化層を未硬化状態の前記光硬化性樹脂の前記自由液面の下方に沈めるように前記硬化層を移動させる工程とが繰り返されることによって、3次元構造物を造形する、光造形方法であって、
前記未硬化状態の光硬化性樹脂の自由液面を整定化する工程において、前記未硬化状態の光硬化性樹脂に対して、遠心力が付与されることを特徴とする、光造形方法。 - 所定の軸線まわりに回転可能であり、かつ未硬化状態の光硬化性樹脂を収容している、容器と、
前記容器の回転に従って生じる遠心力が付与された前記未硬化状態の光硬化性樹脂の自由液面の所定の領域に電磁波を照射するための電磁波源と、
前記電磁波の照射によって硬化された前記光硬化性樹脂からなる硬化層を保持するためのものであって、前記容器内の遠心力が付与された前記未硬化状態の光硬化性樹脂内に位置しながら前記容器とともに回転し、かつ前記自由液面から離隔し得るように移動可能に設けられた、ステージと
を備える、光造形装置。 - 前記容器は、円筒状の内周面を規定する形状を有し、前記円筒状の内周面上に前記未硬化状態の光硬化性樹脂が収容されている、請求項2に記載の光造形装置。
- 前記容器は、回転曲面状の内周面を規定する形状を有し、前記回転曲面状の内周面上に前記未硬化状態の光硬化性樹脂が収容されている、請求項2に記載の光造形装置。
- 前記ステージは、前記容器の回転中心軸線が通る位置に配置される、請求項4に記載の光造形装置。
- 前記ステージは、前記容器の回転中心軸線が通る位置からずれた位置に配置される、請求項4に記載の光造形装置。
- 前記ステージは、前記硬化層の底面より小さい面積をもって前記硬化層の底面に接触するサポート部を有する、請求項2ないし6のいずれかに記載の光造形装置。
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