JP2006212596A - 塗膜形成装置および塗膜形成方法 - Google Patents

塗膜形成装置および塗膜形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基材から剥がれ難い塗膜を形成する。
【解決手段】塗液を滴下する滴下部と、基材を回転させる回転機構と、塗液に放射線を照射して硬化させる硬化処理部と、制御部とを備えて、塗液を展延して硬化させた塗膜を基材の一面に形成可能に構成され、制御部は、滴下部を制御して基材の中央部に塗液を滴下させる滴下処理と(時間t0〜t1)、回転機構を制御して基材の回転速度を上昇させて中央部に滴下させた塗液を展延する第1の回転速度上昇制御処理と(時間t1〜t2)、回転機構を制御して所定の回転速度まで基材の回転速度を低下させる回転速度低下制御処理とを実行した後に(時間t2〜t3)、回転機構を制御して基材の回転速度を上昇させて塗液をさらに展延する第2の回転速度上昇制御処理と(時間t4〜t5)、硬化処理部を制御して塗液に放射線を照射させて硬化させる硬化処理とを実行する。
【選択図】図6

Description

本発明は、塗液を展延させて硬化させた塗膜を基材の一面に形成する塗膜形成装置および塗膜形成方法に関するものである。
この種の塗膜形成方法として、紫外線硬化性樹脂を基板に塗布して硬化させることで基板の上に光透過層(塗膜)を形成する光ディスクの製造方法が特開平11−86355号公報に開示されている。この製造方法では、まず、基板の信号面に紫外線硬化性樹脂をスピンコートし、次いで、基板の回転を停止させた状態で基板上の紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射して硬化させることで基板の上に光透過層を形成する。この場合、この種の形成方法によって光透過層を形成したときには、回転停止に伴って遠心力が低下した際に、スピンコート時に遠心力によって基板の外周部から外側にはみ出していた紫外線硬化性樹脂が表面張力によって基板の外縁部上に引き戻される結果、基板の外縁部に上向きの盛り上がり部分が形成される。したがって、この製造方法では、紫外線の照射工程が完了したディスクを回転装置に装着して回転させつつ、ダイヤモンド砥石等のトリミング用工具を用いて盛り上がり部分を切削して除去する。これにより、光ディスクが完成する。
特開平11−86355号公報(第4頁、第1図)
ところが、従来の製造方法には、以下の問題点がある。すなわち、この製造方法では、光ディスクの製造過程において基板の外縁部上に形成される盛り上がり部分を除去するために、トリミング用工具を用いて盛り上がり部分を切削している。この場合、盛り上がり部分が比較的小さいため、この盛り上がり部分のみを切削することが困難である。このため、実際には、光透過層における盛り上がり部分のみならず、基板までもが切削されることとなる。したがって、この製造方法によって製造された光ディスクでは、基板と光透過層との境界部分がその外周面において露出した状態となる。このため、基板と光透過層との間に空気が侵入し易いため、例えば光ディスクを落下させたときには、基板および光透過層に生じる部分的な変形に起因して境界部分に空気が侵入することに起因して、光透過層が基板から剥離するおそれがある。このように、従来の製造方法には、形成した光透過層(塗膜)が基板(基材)から剥がれ易いという問題点がある。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、基材から剥がれ難い塗膜を基材上に形成し得る塗膜形成装置および塗膜形成方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく本発明に係る塗膜形成装置は、放射線硬化型の塗液を基材上に滴下する滴下部と、前記基材を回転させる回転機構と、前記塗液に放射線を照射して硬化させる硬化処理部と、制御部とを備えて、前記塗液を展延して硬化させた塗膜を前記基材の一面に形成可能に構成され、前記制御部は、前記滴下部を制御して前記基材の前記一面における中央部に前記塗液を滴下させる滴下処理と、前記回転機構を制御して前記基材の回転速度を上昇させて前記中央部に滴下させた前記塗液を展延する第1の回転速度上昇制御処理と、前記回転機構を制御して所定の回転速度まで当該基材の回転速度を低下させる回転速度低下制御処理とを実行した後に、前記回転機構を制御して前記基材の回転速度を上昇させて前記塗液をさらに展延する第2の回転速度上昇制御処理と、前記硬化処理部を制御して前記一面上の塗液に向けて前記放射線を照射させて当該塗液を硬化させる硬化処理とを実行する。なお、本明細書における硬化には、塗液の流動性が低下する程度の硬化状態から塗液の全てが硬化反応をした硬化状態に至るまでの全ての硬化状態が含まれる。
また、本発明に係る塗膜形成装置は、前記制御部が、前記回転機構を制御して前記回転速度低下制御処理の後に前記所定の回転速度を所定時間に亘って維持させる。
また、本発明に係る塗膜形成方法は、放射線硬化型の塗液を展延して硬化させた塗膜を基材の一面に形成する際に、前記基材の前記一面における中央部に前記塗液を滴下する滴下処理と、前記基材の回転速度を上昇させて前記中央部に滴下した前記塗液を当該基材の前記外縁部まで展延する第1の回転速度上昇制御処理と、所定の回転速度まで当該基材の回転速度を低下させる回転速度低下制御処理とを実行した後に、前記基材の回転速度を上昇させて前記塗液をさらに展延する第2の回転速度上昇制御処理と、前記一面上の前記塗液に向けて前記放射線を照射して当該塗液を硬化させる硬化処理とを実行する。
本発明に係る塗膜形成装置および塗膜形成方法によれば、基材の回転速度を上昇させて中央部に滴下した塗液を展延する第1の回転速度上昇制御処理の後に、所定の回転速度(展延させた塗液が基材の外縁部から飛散しない程度の回転速度)まで基材の回転速度を低下させる回転速度低下制御処理を実行することにより、第1の回転速度上昇制御処理によって基材の外縁部まで移動させられた塗液が遠心力の低下に伴って基材の裏面に向かって外周面を伝わり落ちるため、基材の全周に亘ってこの塗液を外周面の全域に塗布することができる。したがって、完成した情報記録媒体の外周面において基材と塗膜との境界部分を露出させることなく、表面(一面)から外周面にかけて途切れることなく連続する塗膜を形成することができる。この結果、基材と塗膜との間に空気が侵入し難くなるため、落下等に起因する剥がれが生じ難い塗膜を有する情報記録媒体を製造することができる。
また、本発明に係る塗膜形成装置によれば、回転速度低下制御処理の後に、所定の回転速度を所定時間に亘って維持することにより、基材の外縁部まで移動させられた塗液が所定時間内に基材の裏面に向かって外周面を伝わって確実に外周面の下端部(裏面と外周面との角部)まで到達するため、基材の全周に亘って外周面の全域に塗液を確実に塗布することができる。
以下、本発明に係る塗膜形成装置および塗膜形成方法の最良の形態について、図面を参照して説明する。
最初に、光記録媒体製造装置100の構成について、図面を参照して説明する。
図1に示す光記録媒体製造装置100は、図2に示す光記録媒体(情報記録媒体)1を製造する装置であって、基材成形装置20、情報層形成装置30、樹脂層形成装置40および中心孔形成装置50を備えている。この場合、図2に示すように、光記録媒体1は、記録データが記録される情報層12と、情報層12を覆うようにして形成された樹脂層13(本発明における塗膜の一例)とが基材11の表面(本発明における一面)にこの順で形成されて、樹脂層13側からレーザービームが照射されることによって情報層12に対する記録データの記録および再生が可能に構成されている。また、光記録媒体1は、直径が15mm程度の装着用中心孔1aがその中心部に形成されている。
基材11は、図3に示すように、基材成形装置20によってポリカーボネート等を成形材料として射出成形され、直径が120mm程度で厚みが1.2mm程度の円板状(平板形状)となるように形成されている。この基材11の表面11a(本発明における一面:同図における上面)には、基材成形装置20のスタンパー(図示せず)の凹凸形状が転写され、形成ピッチが例えば0.32μm程度のグルーブおよびランドが形成されている。また、基材11の表面11aにおける中央部には、円筒状の突起11eが形成されている。さらに、基材11の裏面11b(同図において下面)における中央部には、中心孔形成装置50によって底面が打ち抜かれることで装着用中心孔1aの一部を構成する平面視円形の凹部11dが形成されている。
情報層12は、一例として、反射層、誘電体層および相変化型記録層等が積層されて構成されている。この情報層12は、図5に示すように、情報層形成装置30によって基材11の表面11aに各種材料がスパッタリングされ、全体として数十μm程度の厚みに形成されている。樹脂層13は、本発明における塗膜の一例であって、図2に示すように、この光記録媒体1ではレーザービームを透過させる光透過層として機能する。この樹脂層13は、樹脂層形成装置40によって本発明に係る塗膜形成方法に従って形成され、一例として、その厚みが100μm程度となるように形成される。
一方、基材成形装置20は、前述したようにポリカーボネート等を成形材料として用いて基材11を射出成形する。情報層形成装置30は、基材11の表面11aに各種材料をスパッタリングして情報層12を形成する。樹脂層形成装置40は、本発明に係る塗膜形成装置に相当し、図4に示すように、滴下部41、回転機構42、紫外線照射部43、照射規制部44、制御部45および記憶部46を備え、本発明に係る塗膜形成方法に従って基材11の表面11aに樹脂層13(塗膜)を形成して中間体2(図13参照)を製造する。この場合、制御部45は、滴下部41、回転機構42、紫外線照射部43および照射規制部44を制御し、記憶部46は、制御部45の動作プログラムを記憶する。
また、滴下部41は、吐出口(塗液吐出口)61、樹脂材料供給機構62および移動機構63を備えて制御部45の制御に従って回転機構42上に載置された基材11の上に樹脂材料Rを滴下する。この場合、樹脂材料Rは、本発明における放射線硬化型の塗液に相当し、一例として、ウレタンアクリレート(紫外線硬化型樹脂)が用いられている。樹脂材料供給機構62は、制御部45の制御に従って吐出口61に樹脂材料Rを供給することにより、吐出口61から基材11の上に樹脂材料Rを滴下させる。移動機構63は、制御部45の制御に従って基材11上に吐出口61を移動させる。回転機構42は、円板状に形成されたターンテーブル71と、制御部45の制御に従ってターンテーブル71を回転させるモータ72とを備えている。紫外線照射部43は、本発明における硬化処理部に相当し、ターンテーブル71の上方に配設されて制御部45の制御に従ってターンテーブル71上の基材11に向けて紫外線(本発明における放射線の一例)を照射することにより、基材11の表面11aに塗布された樹脂材料Rを硬化させる。
照射規制部44は、遮蔽用部材81および移動機構82を備えている。この照射規制部44は、紫外線照射部43による樹脂材料Rの硬化処理時に、制御部45の制御に従って基材11の表面11aにおける外縁部上の樹脂材料Rに対する紫外線の照射を規制する。遮蔽用部材81は、紫外線の遮蔽が可能な例えば金属によって平面視円弧状に形成された3つの遮蔽板81a(図11参照)で構成されている。この遮蔽用部材81は、各遮蔽板81a,81a,81aが移動機構82によって移動させられて連結されることで、基材11の外縁部を覆って紫外線の照射を規制するリング状の外周マスクとして機能する。この場合、遮蔽用部材81は、各遮蔽板81a,81a,81aが連結された状態(リング状となった状態)において、その外径が基材11の直径よりもやや大径(一例として126mm程度)で、その内径が基材11の直径よりも小径(一例として118mm程度)となるように構成されている。
移動機構82は、制御部45の制御に従って所定の退避位置から基材11の外縁部上に各遮蔽板81a,81a,81aを移動させる。この場合、各遮蔽板81aが基材11上に移動させられた状態において各遮蔽板81aと基材11の表面11aとの間の隙間が10mmを超える状態では、表面11aの外縁部上に展延されている樹脂材料Rに対する紫外線の照射を確実に規制するのが困難となる。一方、上記の隙間が2mm未満の状態では、回転機構42によって回転させられている基材11の振動等によって基材11(樹脂材料R)が遮蔽用部材81に接触するおそれがある。したがって、移動機構82は、上記の隙間が5mm程度となるように各遮蔽板81a,81a,81aを基材11の外縁部上に移動させる。
中心孔形成装置50は、樹脂層形成装置40によって作製された中間体2(基材11)における凹部11dの底面を打ち抜いて装着用中心孔1aを形成する。具体的には、中心孔形成装置50は、円筒状の打ち抜き刃と、打ち抜き刃を上下動させる移動機構と、打ち抜き刃を超音波振動させる超音波発生源(いずれも図示せず)とを備え、超音波発生源によって打ち抜き刃を超音波振動させつつ移動機構によって打ち抜き刃を基材11に押し込むことで装着用中心孔1aを形成する。
次に、光記録媒体製造装置100による光記録媒体1の製造方法について、樹脂層形成装置40による樹脂層13の形成方法(本発明に係る塗膜形成方法)を中心にして図面を参照して説明する。
まず、基材成形装置20によって例えばポリカーボネートを成形材料として用いて図3に示す基材11を射出成形する。次いで、情報層形成装置30によって反射層、誘電体層、相変化型記録層および誘電体層を基材11の表面11aにこの順序で形成することにより、図5に示すように、基材11の表面11aに情報層12を形成する。
続いて、樹脂層形成装置40によって情報層12を覆うようにして基材11の上に樹脂層13を形成する。具体的には、まず、情報層12の形成面(表面11a)を上向きにして回転機構42におけるターンテーブル71の上に基材11を載置する。次いで、図示しない操作ボタンを操作して、樹脂層形成装置40に樹脂材料Rのスピンコートを開始させる。この際には、図6に示すように、制御部45は、操作ボタンが操作された時間t0の時点においてモータ72の制御を開始して、一例として50rpmの回転速度でターンテーブル71を回転させる。また、図7に示すように、制御部45は、移動機構63を制御して基材11の表面11aにおける中央部(突起11eの周囲)に吐出口61を移動させる。次いで、制御部45は、モータ72を制御して50rpmの回転速度を維持させつつ、樹脂材料供給機構62を制御して吐出口61に樹脂材料Rを供給させる。これにより、同図に示すように、基材11の表面11aにおける中央部(突起11eの周囲)に吐出口61から樹脂材料Rが滴下される。以上により、本発明における滴下処理が完了する。
次いで、制御部45は、回転機構42を制御して樹脂材料Rの展延処理を開始させる。具体的には、図6に示すように、制御部45は、樹脂材料Rの滴下が完了した時間t1の時点において、モータ72を制御して一例として+182rpm/秒の上昇率で基材11の回転速度を上昇させる(本発明における第1の回転速度上昇制御処理)。この際には、図8に示すように、基材11の回転に伴って生じる遠心力によって表面11aの中央部に滴下された樹脂材料Rが外縁部に向けて表面11aを移動する。
続いて、図6に示すように、制御部45は、表面11aを移動する樹脂材料Rが基材11の外縁部に達する時間t2の時点(一例として、基材11の回転速度が1000rpm程度(一例として960rpm)に達する時点であって、時間t1から5秒が経過した時点)において、モータ72を制御して一例として−1820rpm/秒の低下率で、本発明における所定の回転速度に相当する50rpmまで基材11の回転速度を急速に低下させる減速処理(本発明における回転速度低下制御処理)を実行する。この際には、基材11の回転速度の低下に伴い、基材11の表面11aを外縁部に向かって移動していた樹脂材料Rに作用する遠心力が低下する。また、制御部45は、基材11の回転速度を50rpmまで低下させた時間t3から一例として2.0秒(本発明における所定時間の一例)に亘って基材11の回転速度を50rpmに維持させる。したがって、遠心力が低下した状態が維持されることにより、図9に示すように、外縁部まで移動させられた樹脂材料Rは、外縁部から周囲に飛散することなく、外周面11cに沿って基材11における表面11a側の端部から裏面11b側の端部まで伝わり落ちる。この結果、基材11の全周に亘って外周面11cの全域が樹脂材料Rによって覆われた状態となる。
次いで、制御部45は、表面11a上の樹脂材料Rの厚みを所望の膜厚に調整する膜厚調整処理を開始する。具体的には、図6に示すように、制御部45は、時間t3から2.0秒が経過した時間t4の時点から時間t5の時点までの間において、モータ72を制御して一例として+700rpm/秒の上昇率で基材11の回転速度を1800rpmまで上昇させる(本発明における第2の回転速度上昇制御処理)。また。制御部45は、時間t5の時点から時間t6の時点までの間において、モータ72を制御して1800rpmの回転速度を所定時間(例えば2.0秒)に亘って維持させる(定速制御処理)。この際には、図10に示すように、表面11a上に展延させられている樹脂材料Rが基材11の回転に伴って生じる遠心力によって外縁部に向かってさらに移動して、この樹脂材料Rが外周面11cに付着している樹脂材料Rの一部と共に基材11からその周囲に飛散する。また、基材11の回転速度が1800rpmの高速な回転速度に維持されることにより、基材11の中央部から外縁部までほぼ均一な厚みで樹脂材料Rが展延させられて、一例として105μm程度の樹脂材料Rの膜が基材11上に形成される。
一方、制御部45は、基材11の回転速度が1800rpmに達した時間t5から一例として1.0秒が経過した時点において、図11に示すように、照射規制部44を制御して遮蔽用部材81を基材11の外縁部上に移動させる。具体的には、制御部45は、移動機構82を制御して各遮蔽板81a,81a,81aを基材11の外縁部上に移動させてリング状の遮蔽用部材81を形成させる。この場合、前述したように、遮蔽用部材81と基材11の表面11aとの間の隙間が5mm程度と比較的狭いため、樹脂材料Rと共に基材11の中央部から外縁部に向かって移動した空気がこの隙間を通過することで樹脂材料Rの遮蔽用部材81への付着が回避される。
次いで、制御部45は、紫外線照射部43を制御して硬化処理を実行させる。具体的には、制御部45は、モータ72を制御してターンテーブル71の回転速度を1800rpmに維持させた状態で、紫外線照射部43を制御して、例えば、時間t5から1.5秒を経過した時点から0.5秒の間、基材11上の樹脂材料Rに向けて紫外線を照射させる。なお、時間t5から1.7秒を経過した時点から0.3秒の間、基材11上の樹脂材料Rに向けて紫外線を照射させてもよい。この際に、基材11における表面11aに展延させた樹脂材料Rのうち、遮蔽用部材81によって覆われている外縁部を除く部分に塗布されている樹脂材料R(同図における樹脂材料Ra)は、紫外線照射部43から射出された紫外線が照射されて徐々に硬化する。一方、表面11aに展延させた樹脂材料Rのうち、遮蔽用部材81によって覆われている外縁部上および外周面11cに付着している樹脂材料R(同図における樹脂材料Rb)は、紫外線照射部43から射出された紫外線が照射規制部44(遮蔽用部材81)によって遮蔽されているため、硬化することなく、流動性を有した状態を維持する。この場合、上記したように、基材11の表面11aの外縁部と各遮蔽用部材81との間の隙間が5mm程度となるように規定されているため、表面11aの外縁部上の樹脂材料Rに対する紫外線の照射が確実に規制されると共に、例えば回転によって基材11が振動したとしても、表面11aの外縁部と遮蔽用部材81とが接触する事態が確実に回避される。
続いて、制御部45は、時間t5から2.0秒が経過した時点において、紫外線照射部43を制御して紫外線の照射を停止させる。この際に、遮蔽用部材81によって紫外線の照射が規制されて未硬化状態である(流動性を有している)外縁部上の樹脂材料Rbは、図11に示すように、基材11の回転に伴う遠心力によって基材11よりも外周側に押し出されて、その厚みが基材11における他の部分の樹脂材料Raよりも薄くなる。次いで、図6に示すように、制御部45は、時間t5から2.0秒が経過した時間t6の時点において、回転機構42を制御して一例として−1200rpm/秒の低下率で、基材11の回転速度を急速に低下させて停止させる。この際には、図12に示すように、基材11よりも外周側に押し出されていた樹脂材料Rbが基材11(ターンテーブル71)の停止に伴って表面張力で表面11aの外縁部側に引き戻される。この場合、その引き戻される量が僅かで、しかも表面11aの外縁部上の樹脂材料Rbの厚みが、基材11の回転停止前における他の部分(遮蔽用部材81によって覆われていなかった部位)よりも薄かったため、表面11aの外縁部上の樹脂材料Rbは上方向へ大きく突出する凸部が存在しない状態に維持される。
次いで、制御部45は、照射規制部44を制御して基材11上から各遮蔽板81a,81a,81aを退避位置に移動させる。続いて、制御部45は、紫外線照射部43を制御して樹脂材料R(Ra,Rb)に向けて紫外線を所定時間照射させる。この際に、遮蔽用部材81が退避位置に移動させられているため、表面11aの外縁部上の樹脂材料Rbおよび外周面11cに付着している樹脂材料Rbに対しても紫外線照射部43から射出された紫外線が照射される。これにより、図13に示すように、基材11上に滴下されたすべての樹脂材料Rが完全(または、ほぼ完全)に硬化して表面11aおよび外周面11cの全域を覆うようにして樹脂層13が形成される(本発明における硬化処理の完了)。この結果、中間体2が完成する。この後、中心孔形成装置50によって中間体2おける凹部11dの底面を打ち抜いて装着用中心孔1aを形成する。以上により、図2に示すように、光記録媒体1が完成する。
このように、この光記録媒体製造装置100における樹脂層形成装置40および塗膜形成方法によれば、基材11の回転速度を上昇させて中央部に滴下した樹脂材料Rを展延する第1の回転速度上昇制御処理を実行した後に、所定の回転速度(樹脂材料Rが基材11の外縁部から飛散しない程度の回転速度:この例では、50rpm)まで基材11の回転速度を低下させる回転速度低下制御処理を実行することにより、第1の回転速度上昇制御処理によって基材11の外縁部まで移動させられた樹脂材料Rが遠心力の低下に伴って裏面11bに向かって外周面11cを伝わり落ちるため、基材11の全周に亘ってこの樹脂材料Rを外周面11cの全域に塗布することができる。したがって、完成した光記録媒体1の外周面11cにおいて基材11と樹脂層13との境界部分を露出させることなく、表面11aから外周面11cにかけて途切れることなく連続する樹脂層13を形成することができる。この結果、基材11と樹脂層13との間に空気が侵入し難くなるため、落下等に起因する剥がれが生じ難い樹脂層13を有する光記録媒体1を製造することができる。
また、この樹脂層形成装置40によれば、回転速度低下制御処理の後に、所定の回転速度(この例では、50rpm)を所定時間(この例では、2秒)に亘って維持することにより、基材11の外縁部まで移動させられた樹脂材料Rが所定時間内に裏面11bに向かって外周面11cを伝わって確実に外周面11cの下端部(裏面11bと外周面11cとの角部)まで到達するため、基材11の全周に亘って外周面11cの全域に樹脂材料Rを確実に塗布することができる。
なお、本発明は上記の構成や方法に限定されない。例えば、本発明における塗液には、上記した紫外線硬化型の樹脂材料Rに限定されず、電子線硬化型の塗液や熱線硬化型の塗液などの各種放射線硬化型の塗液がこれに含まれる。この場合、樹脂硬化用の放射線としての電子線や熱線を照射可能な放射線照射部を紫外線照射部43に代えて採用すると共に、これらの放射線を遮蔽可能な遮蔽用部材を遮蔽用部材81に代えて用いることにより、上記の各種の塗液で樹脂層13を形成することができる。また、本発明における塗液は、樹脂に限定されず、各種の有機材料がこれに含まれる。さらに、レーザービームの照射側に位置する光透過層としての樹脂層13を形成する例について説明したが、本発明における塗膜形成方法によって形成する塗膜には、カバー層やトップコート層として機能する各種の塗膜が含まれる。
また、反射層、誘電体層および相変化型記録層等で構成された情報層12を有する光記録媒体1を製造する際に本発明を適用する例について上記したが、追記型の記録層を有する情報記録媒体や、基材およびスペーサ層の表面に情報用の凹凸パターンを形成した再生専用の情報記録媒体などを製造する際に本発明を適用することもできる。さらに、上記の樹脂層形成装置40では、本発明における回転速度低下制御処理の後に2秒に亘って50rpmの回転速度を維持しているが、本発明はこれに限定されず、上記の例における時間t3〜t4の間において基材11の回転速度が50rpm(樹脂材料Rが基材11から周囲に飛散しない程度の回転速度)を下回っていればよい。具体的には、基材11の回転を停止させる構成を採用することもできるし、停止状態と50rpmとの間で回転速度を変化させる構成を採用することもできる。また、この50rpmの回転速度については、樹脂材料Rが基材11から周囲に飛散しない程度の回転速度の範囲内で適宜規定することができる。
光記録媒体製造装置100の構成を示す構成図である。 光記録媒体1の断面図である。 基材11の断面図である。 樹脂層形成装置40の構成を示す構成図である。 表面11aに情報層12を形成した状態の基材11の断面図である。 樹脂層13の形成工程における処理開始からの経過時間と基材11の回転速度との関係を示す関係図である。 中央部に樹脂材料Rを滴下している状態の基材11の断面図である。 外縁部まで樹脂材料Rが展延された状態の基材11の断面図である 外周面11cに沿って樹脂材料Rが伝わり落ちている状態の基材11の断面図である。 外縁部から樹脂材料Rが飛散している状態の基材11の断面図である。 展延させた樹脂材料Rに紫外線が照射されている状態の基材11の断面図である。 回転が停止した状態の基材11の断面図である。 中間体2の断面図である。
符号の説明
1 光記録媒体
2 中間体
11 基材
11a 表面
11c 外周面
12 情報層
13 樹脂層
100 光記録媒体製造装置
40 樹脂層形成装置
41 滴下部
42 回転機構
43 紫外線照射部
44 照射規制部
45 制御部
61 吐出口
62 樹脂材料供給機構
63 移動機構
71 ターンテーブル
72 モータ
R,Ra,Rb 樹脂材料

Claims (3)

  1. 放射線硬化型の塗液を基材上に滴下する滴下部と、前記基材を回転させる回転機構と、前記塗液に放射線を照射して硬化させる硬化処理部と、制御部とを備えて、前記塗液を展延して硬化させた塗膜を前記基材の一面に形成可能に構成され、
    前記制御部は、前記滴下部を制御して前記基材の前記一面における中央部に前記塗液を滴下させる滴下処理と、前記回転機構を制御して前記基材の回転速度を上昇させて前記中央部に滴下させた前記塗液を展延する第1の回転速度上昇制御処理と、前記回転機構を制御して所定の回転速度まで当該基材の回転速度を低下させる回転速度低下制御処理とを実行した後に、前記回転機構を制御して前記基材の回転速度を上昇させて前記塗液をさらに展延する第2の回転速度上昇制御処理と、前記硬化処理部を制御して前記一面上の塗液に向けて前記放射線を照射させて当該塗液を硬化させる硬化処理とを実行する塗膜形成装置。
  2. 前記制御部は、前記回転機構を制御して前記回転速度低下制御処理の後に前記所定の回転速度を所定時間に亘って維持させる請求項1記載の塗膜形成装置。
  3. 放射線硬化型の塗液を展延して硬化させた塗膜を基材の一面に形成する際に、
    前記基材の前記一面における中央部に前記塗液を滴下する滴下処理と、前記基材の回転速度を上昇させて前記中央部に滴下した前記塗液を当該基材の前記外縁部まで展延する第1の回転速度上昇制御処理と、所定の回転速度まで当該基材の回転速度を低下させる回転速度低下制御処理とを実行した後に、前記基材の回転速度を上昇させて前記塗液をさらに展延する第2の回転速度上昇制御処理と、前記一面上の前記塗液に向けて前記放射線を照射して当該塗液を硬化させる硬化処理とを実行する塗膜形成方法。
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JP2011112991A (ja) * 2009-11-30 2011-06-09 Mitsubishi Rayon Co Ltd 成形体製造方法

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