JP3768435B2 - 血糖値測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、非侵襲で生体内の血糖値を測定する血糖値測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、血糖値測定装置は、生体から血液を採取し、この採取した血液から血糖値を求めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の血糖値測定装置にあっては、生体から血液を採取しなければならず、このため被検者に不快感を与えてしまう問題があった。また、定期的に測定する場合には、被検者は日にちや時間を意識しなければならず、非常に面倒である。特に1日のうち何回も行う一定時間毎の測定の場合には被検者に無理な負担が掛かり、実質的に不可能であった。
【0004】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので有り、その目的は、被検者が意識せずにしかも不快感を与えずに一定時間毎に血糖値の測定が行える血糖値測定装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、本体と、この本体を人体に装着させるバンドと、電流が流される複数の電極とを備え、前記本体にタイマと、このタイマの計時時間に基づいて一定時間毎に前記複数の電極間に電流を流して血糖値を測定する測定手段と、この測定手段によって測定された測定データを記憶するメモリと、このメモリに記憶された測定データを出力する出力手段とが設けられた血糖値測定装置であって、前記複数の電極は、前記本体の裏面に設けられていることを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、前記出力手段は、前記本体に設けられ前記メモリに記憶された測定データを表示する表示手段であることを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、前記出力手段は、メモリに記憶された測定データを送信する通信手段であることを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、前記タイマは時計であることを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、前記測定データと境界型の基準データとを比較して、この測定データが前記基準データを下回っているときに、その差が所定以下のとき警告を行うことを特徴とする。
【0010】
請求項6の発明は、前記測定データと前記基準データとのピーク値を比較し、その差が所定値以下のとき警告を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項7の発明は、前記基準データのピーク値から所定時間経過した際のその基準データの基準値と、前記測定データのピーク値から所定時間経過した際のその測定データの測定値とを比較し、その差が所定値以下のとき警告を行うことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る血糖値測定装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1および図2において、10は腕時計式の血糖値測定装置であり、この血糖値測定装置10は、本体11と、この本体11を腕に装着させるリストバンド12とを備えている。本体11の裏面には互いに所定距離離間した2つの電極13、14が設けられており、本体11の表面(上面)11Aの一端には開閉可能な蓋15が装着されている。
【0014】
本体11の表面11Aには、本体11に内蔵された時計22(図3参照)の時間を表示する表示器16と、測定した血糖値を表示する表示器(表示手段:出力手段)17と、点滅して警告表示する警告表示器18と、操作部19とが設けられている。操作部19には、各種の操作を行う操作スイッチS1〜Snが設けられている。表示器16には、内蔵された時計22の時間が表示されるので、通常腕時計として使用することができる。
【0015】
蓋15の裏面には液晶からなる表示器(表示手段:出力手段)20が設けられており、この表示器20は後述するメモリに記憶された測定データ(血糖値)を図4に示すように測定グラフG1にして表示するとともに、基準データである境界型の基準グラフG2を表示するようになっている。正常の人であれば血糖値の変化はグラフG1に示すようになるが、糖尿病に近づくと基準グラフG2のようになっていく。
【0016】
図3は、血糖値測定装置10の制御系の構成を示したブロック図である。図3において、21は電極13、14間に電流を流してその電極13、14間に流れる電流値から血糖値を測定する血糖値測定手段であり、この血糖値測定手段21は特開平11−342123号公報や特表平11−505452号公報に記載されているものと同一であるので、その説明は省略する。22は内蔵された時計(タイマ)、23は血糖値測定手段21によって測定された測定データを記憶するメモリ、24はメモリ23に記憶された測定データを転送する通信手段(出力手段)である。
【0017】
30はCPU等から構成されている制御装置であり、この制御装置30は、操作部19の操作スイッチS1〜Snの操作などに基づいて血糖値測定手段21、表示器16〜18、通信手段24などを制御するようになっている。そして、血糖値測定手段21、メモリ22、通信手段24などは本体11内に設けられている。
【0018】
次に、上記のように構成される血糖値測定装置10の動作を説明する。
【0019】
先ず、リストバンド12によって本体11を腕に装着する。この装着により本体11の裏面に設けられた電極13、14は腕の皮膚に接触することになる。
【0020】
そして、蓋を開けて、操作部19のスイッチSを操作して測定開始時間や何分ごとに測定を行うか等を設定する。そしてスタートスイッチSを操作して蓋15を閉じる。
【0021】
測定開始時間になると、制御装置30は血糖値測定手段21を動作させる。血糖値測定手段21は電極13、14間に電流を流して血糖値の測定を行う。この測定によって得られた血糖値(測定値)はメモリ23に記憶されるとともに、その測定値は表示器17に表示される。
【0022】
そして、設定した所定時間経過毎に制御装置30は血糖値測定手段21を動作させて血糖値の測定を行っていき、その測定した血糖値がメモリ23に記憶されていく。このメモリ23に記憶された最新の血糖値が表示器17に表示される。また、制御装置30はメモリ23に記憶された血糖値に基づいて、図4に示すようにグラフG1を作成して表示器20に表示していく。
【0023】
被検者は、蓋15を開ければ、表示器17に表示されている最新の血糖値と、表示器20に表示されているグラフG1、G2等を見ることができ、基準グラフG2に近づいているか否かが一目で分かる。また、グラフG1から血糖値の計時変化が一目で分かることになる。
【0024】
測定グラフG1と基準グラフG2との差が所定以下になると、制御装置30は表示器18を点滅させて警告を発し、食事の取り過ぎや運動不足であることを知らせることになる。
【0025】
具体的には、例えば、図5に示すように、測定グラフG1として示す測定データと基準グラフG2として示す基準データとのピーク値PP1とPR1(PP2とPR2、PP3とPR3)を比較し、その差が所定値以下のとき、制御装置30が表示器18を点滅させて警告を行うこととなる。被検者はこの異常通知によって血糖値の異常を知り、表示器20を見ることで、糖尿病型への接近を知ることができる。
【0026】
また、図6に示すように、基準グラフG2のデータのピーク時から所定時間T1経過した際のその基準データの基準値PC1、PC2、PC3と、測定グラフG1のデータのピーク値から所定時間T1経過した差異の測定値PM1、PM2、PM3を比較し、その測定値PM1(PM2、PM3)と基準値PC1(PC2、PC3)との差が所定値以下のとき制御装置30が表示器18を点滅させて警告を行うようにしてもよい。被検者はこの警告を見て、異常を知り、表示器20を見ることにより、糖尿病の一症状である食後の血糖値の下降時間が長くかかるというものを発見することができる。
【0027】
メモリ23に記憶されたデータを例えば携帯電話に転送するには、図示しないコードで本体11と携帯電話とを接続する。そして、操作スイッチSを操作するとメモリ23に記憶されたデータが読み出され、このデータが通信手段24によって携帯電話に転送される。携帯電話に転送されたデータはその携帯電話により例えば病院等に送信することができることになる。この送信により、通院しなくても医師が血糖値の計時変化を把握することができ、医師から適切なアドバイスを受けることができる。
【0028】
以上のように、リストバンド2によって本体11を腕に装着しているだけで、設定した時間毎に電極13、14間に電流が流れて血糖値が自動的に測定されていくので、生体から血液を採血する必要が無く、このため被検者に不快感を与えてしまうことがない。しかも、設定した時間毎に自動的に血糖値が測定されていくことにより、被検者は血糖値を測定する時間を意識する必要が無く、自宅で測定することができ、被検者に無理な負担を掛けてしまうことがない。さらに、1日のうち何回も自動的に測定することができるので、被検者に負担を掛けずに血糖値の経時変化を見ることができる。
【0029】
上記実施形態では、本体11の裏面に2つの電極13、14を設けているが、リストバンド12の裏面に設けても良い。また、表示器20を蓋15の裏面に設けているが、本体11の表面11Aを設け、操作部19を蓋15の裏面に設けてもよい。
【0030】
上記実施形態では、腕に装着する血糖値測定装置10について説明したが、他の人体の部分に装着するようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、本体と、この本体を人体に装着させるバンドと、電流が流される複数の電極とを備え、本体にタイマと、このタイマの計時時間に基づいて一定時間毎に複数の電極間に電流を流して血糖値を測定する測定手段と、この測定手段によって測定された測定データを記憶するメモリと、このメモリに記憶された測定データを出力する出力手段とが設けられた血糖値測定装置であって、複数の電極が、本体の裏面に設けられているものであるから、生体から血液を採取する必要がなく、このため被検者に不快感を与えてしまうことがない。しかも、設定した一定時間毎に自動的に血糖値が測定されていくことにより、被検者は血糖値を測定する時間を意識する必要がなく、自宅で測定することができ、被検者に無理な負担を掛けてしまうことがない。
【0032】
請求項2の発明によれば、出力手段は、本体に設けられたメモリに記憶された測定データを表示する表示手段であるから、被検者は血糖値の経時変化を見ることができる。
【0033】
請求項3の発明によれば、出力手段は、メモリに記憶された測定データを送信する通信手段であるから、他の装置へ測定データを転送することができる。
【0034】
請求項4の発明によれば、タイマは時計であるから、専用のタイマを設ける必要がない。
【0035】
請求項5の発明によれば、測定データと境界型の基準データとを比較して、この測定データが基準データを下回っているときに、その差が所定以下のとき警告を行うものであるから、被検者に食事の取り過ぎや運動不足であることを知らせることができる。
【0036】
請求項6の発明によれば、測定データと基準データとのピーク値を比較し、その差が所定値以下のとき、警告を行うこととしたため、被検者はこの異常通知によって血糖値の異常を知り、血糖病型への接近を知ることができる。
【0037】
請求項7の発明によれば、基準データのピーク値から所定時間経過した際のその基準データの基準値と、測定データのピーク値から上記所定時間経過した際の測定値とを比較し、その差が所定値以下のとき警告を行うことになる。被検者はこの警告を見て、異常を知り、糖尿病の一症状である食後の血糖値の下降時間が長くかかるというものを発見することができることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る血糖値測定装置を示した斜視図である。
【図2】 図1に示す血糖値測定装置の本体の裏面を示す説明図である。
【図3】 血糖値測定装置の制御系の構成を示したブロック図である。
【図4】 表示器に表示される血糖値のグラフを示した説明図である。
【図5】 血糖値判定法の一例を示す説明図である。
【図6】 血糖値判定法の他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
11 本体
12 リストバンド(バンド)
13 電極
14 電極
17 表示器(表示手段:出力手段)
20 表示器(表示手段:出力手段)
22 時計(タイマ)
23 メモリ
24 通信手段(出力手段)

Claims (7)

  1. 本体と、この本体を人体に装着させるバンドと、電流が流される複数の電極とを備え、前記本体にタイマと、このタイマの計時時間に基づいて一定時間毎に前記複数の電極間に電流を流して血糖値を測定する測定手段と、この測定手段によって測定された測定データを記憶するメモリと、このメモリに記憶された測定データを出力する出力手段とが設けられた血糖値測定装置であって、
    前記複数の電極は、前記本体の裏面に設けられていることを特徴とする血糖値測定装置。
  2. 前記出力手段は、前記本体に設けられ前記メモリに記憶された測定データを表示する表示手段であることを特徴とする請求項1に記載の血糖値測定装置。
  3. 前記出力手段は、メモリに記憶された測定データを送信する通信手段であることを特徴とする請求項1に記載の血糖値測定手段。
  4. 前記タイマは時計であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の血糖値測定手段。
  5. 前記測定データと境界型の基準データとを比較して、この測定データが前記基準データを下回っているときに、その差が所定以下のとき警告を行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の血糖値測定装置。
  6. 前記測定データと前記基準データとのピーク値を比較し、その差が所定値以下のとき警告を行うことを特徴とする請求項5に記載の血糖値測定装置。
  7. 前記基準データのピーク値から所定時間経過した際のその基準データの基準値と、前記測定データのピーク値から所定時間経過した際のその測定データの測定値とを比較し、その差が所定値以下のとき警告を行うことを特徴とする請求項5に記載の血糖値測定装置。
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