JP3768434B2 - 多重搬送波伝送システムにおけるフレーム同期 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、多重搬送波変調を用いる伝送システムに関し、特に、以下に多重搬送波システムとして簡潔に述べられているシステムにおけるフレーム同期に関する。
【0002】
【従来の技術】
多重搬送波変調の原理は、例えば、John A.C.Binghamにより、IEEE Communications Magazine,Vol.28,No.5, 5〜14ページ1990年5月、における「Multicarrier Modulation For Data Transmission: An Idea Whose Time Has Come」に記載されている。一般的に知られているように、多重搬送波変調を用いる伝送システムでは、伝送チャネルの使用可能な周波数帯域内で区分されるFDM(周波数分割多重)サブ搬送波は、サブ搬送波集合を形成し、システムのブロック又はシンボル伝送速度で変調される。各ブロック又はシンボル期間内に伝送するための入力データのビットは、サブ搬送波の信号−雑音比(SNRs)に依存する方法でサブ搬送波に割り当てられるので、一般的に、受信装置において監視されるサブ搬送波のビット誤り率は事実上等しくなる。その結果として、異なるサブ搬送波は、各シンボル期間内に異なる数のビット数を搬送する。適切なビットの割り当て、及びサブ搬送波に対する伝送電力を備えることによって、このようなシステムは、所期の性能を発揮する。
【0003】
離散フーリエ変換を用いて変調が実行される、特定の形式の多重搬送波変調は、離散多重音調変調、あるいはDMT変調と呼ばれている。関連出願において、上記したDMT変調を用いる多重搬送波システムの詳細が言及されている。
【0004】
どのような通信システムにおいても、DMT又は他の多重搬送波システムにおける送信装置と受信装置との間において同期を確立し、維持することが必要である。周波数同期は、J.S.Chow等による規格委員会寄稿T1E1.4/93−022、1993年3月8日における「DMT Initialization: Parameters Needed For Specification In A Standard」と題名された論文中に示されているように、受信装置における位相固定ループを制御するために、多重音調の1つをパイロット音調として用いることにより、従来からDMTシステムにおいて備えられている。この参照文献はまた、システムの音調、又はサブ搬送波に対するビットの割り当てを含む、DMTシステムの他の初期化過程を概説している。
【0005】
この周波数同期に加えて、伝送されたデータのブロック、又はシンボルの同期が要求される。このことは、単一搬送波伝送システムにおいて使用されている同一用語と一貫性を持たせるために、各フレームが多重搬送波システムの1つのブロック又はシンボルに対応するフレーム同期として、ここでは言及されている。各フレーム、ブロック、又はシンボルは、多くの情報量、例えば、約1700のビット数(約250μsのシンボル期間に約6.8Mb/sの伝送速度を備える場合)を含み得ることが認識されるべきである。
【0006】
単一搬送波伝送システム、例えば、QAM(矩象振幅変調方式)システムは、通常、時間ドメイン内に完全に機能する。このようなシステムでは、フレームの同期を維持するために、相対的に「無作為」フレーム同期数列を用いることが可能であり、数列は、送信装置にて時間ドメイン信号サンプル流れ内に直接挿入され、また、受信装置にて抽出されるとともに、記憶された数列のコピーと相関させられる。大きな相関結果は、フレームの同期が維持されていることを示し、小さな相関結果は、フレーム同期の損失、すなわち、不知の時間ドメインサンプル数だけズレが存在することを示す。後者の場合には、受信装置は、受信装置を再同期するための探索手続き、すなわち、受信装置におけるフレーム境界と送信装置におけるフレーム境界との再調整を起こさせる。
【0007】
この時間ドメインフレーム同期は、受信装置がフレーム同期されたか否かという問いに対する、yes又はnoという単純な回答を備えている。フレーム同期が失われた際における受信装置の同期化は、システムに対して多くの可能なフレーム整列を通じた相関及び探索を要求するであろう。これは、時間がかかる故、期待することができない処理である。
【0008】
本発明の目的は、多重搬送波変調を用いる伝送システムにおけるフレーム同期を備える改良方法、及びこの方法を使用する改良伝送システムを提供することにある。
【0009】
【発明の概要】
本発明の一態様は、同期パターンを含む同期フレームが定期的に伝送される多重搬送波変調伝送システムにおけるフレーム同期維持方法において、周波数ドメインにおける前記同期フレームの複合振幅を記憶するステップと、相関結果を生成するために、前記同期フレームの前記複合振幅と、前記同期パターンを表す記憶された情報との相関を実行するステップと、前記相関結果が敷居値よりも小さいか否かによって、フレーム同期損失の有無を決定するステップと、この事象において、時間ドメインにおけるフレーム境界の移動量として取り得る複数の時間偏移に対応する複数の相関結果を生成するために、前記記憶された複合振幅の周波数ドメインにおける各複合デローテーションを示す複合値であって前記同期フレームの各時間偏移に対応する複合デローテーションを示す複合値と、前記記憶された複合振幅と、を乗算し、前記乗算の結果と前記記憶された情報との間における複数の相関を実行するステップと、複数の相関結果から、フレーム同期を回復させるための時間偏移を決定するステップと、フレーム同期を回復させるために、前記決定された時間偏移に従い時間ドメインにおいてフレーム境界を調整するステップとを備える。
【0010】
また、離散多重音調変調伝送システムのための方法において、前記システムの送信装置及び受信装置間における周波数同期のための所定周波数を有する音調を使用するステップと、前記送信装置において、Nポイント逆高速フーリエ変換を用いて前記周波数ドメインに関する複合振幅を時間ドメイン値に変換するステップと、前記送信装置におけるドメイン値を前記所定周波数のj倍のサンプリング周波数にてサンプリングするステップと、ここでjは2の累乗整数であることと、前記受信装置において、Nポイント高速フーリエ変換を用いて時間ドメイン値を前記周波数ドメイン中の複合振幅に変換するステップと、前記各複合デローテーションは、前記1フレームの存続期間内にN/j時間偏移の一つずつに対応することとを備える。
【0011】
各相関結果は、各複合振幅に前記記憶された前記同期パターンを示す情報からの対応する複合振幅を掛け合わせ、前記相関積の実数部分を合計することにより得られることが好ましい。本方法は、乗算された前記複合振幅に重み付けするステップを含むことが好ましく、乗算された各複合振幅に対する重み付けは、前記それぞれの複合振幅に対応する多重搬送波チャネルの信号−雑音比に依存することが好ましい。
【0012】
本発明の他の態様は、多重搬送波変調伝送システムの受信装置において、時間ドメイン値を周波数ドメインに関する複合振幅に変換するための復調装置と、フレーム境界に従って被受信時間ドメイン値を前記復調装置に提供するためのバッファと、相関結果を生成するために、システムの周波数ドメインにおける同期フレームの複合振幅と前記受信装置にて記憶された同期パターンとの相関を実行するための相関装置と、前記相関結果が敷居値よりも小さいときに、時間ドメインにおけるフレーム境界の移動量として取り得る時間偏移に相当する前記同期フレームの各時間偏移に対応する前記複合振幅の周波数ドメインにおける各複合デローテーションを示す複合値と、前記複合振幅とをそれぞれ乗算し、前記乗算された前記複合振幅と、前記記憶された同期パターンと、の間における複数の相関を実行し、そのうちの最適な相関結果を選択することによって決定された時間偏移を用いて時間ドメインにおいて前記フレーム境界を調整する制御装置と、を備える。
【0013】
【発明の実施の形態】
図を参照すると、多重搬送波システムは、ここで下流方向とされている送信装置10から受信装置12へ向かう方向へ信号を伝達するために、それぞれ複合回路14,16を介して、伝送パス18、例えば2線電話加入者回線、に接続されているDMT(多重音調)送信装置10及びDMT受信装置12を備えている。パス18を介して反対方向である上流方向へ信号を伝達するために、上流方向送信装置(図示しないが送信装置10と同様)が複合回路16と接続されており、また上流方向受信装置(図示しないが受信装置12と同様)は、複合回路14と接続されている。例えば、システムには、上流方向への伝送ビット速度よりも下流方向への伝送ビット速度が高い、ADSL(非対称ディジタル加入者回線)システムを採用することができる。
【0014】
送信装置10には、パス20を介して伝送されるためのデータが供給され、送信装置10は、符号化装置22、フレーム同期数列ソース24、例えば、512ポイントIFFTを実行するIFFT(逆FFT、あるいは逆高速フーリエ変換)装置26、循環プレフィクス加算装置28、及びDAC(ディジタル−アナログ変換装置)及び出力側が複合回路14に連結されているフィルタを含む装置30を備えている。
【0015】
これに対して、受信装置12は、複合回路16からの被受信信号が供給される装置32、及びADC(アナログ−ディジタル変換装置)、時間ドメイン等化装置(TEQ)、バッファ36,512ポイントFFTを実行する装置38、周波数ドメイン等化装置(FEQ)及び出力パス上に原データを再成する複合化装置40を備えている。バッファ36は、FFT装置38に供給する信号を直並列変換するために機能し、循環プレフィクスはFFT装置38に供給されず、ここで除去される。図示されている受信装置12の他の部分は、周波数及びフレーム同期に関係しており、以下に説明する。
【0016】
パス20上の下流方向信号は、フレーム中に分割され、符号化装置22によって、IFFT装置に供給される周波数ドメイン多重搬送波シンボル中にエンコードされる。各データのフレームは、システムにおける多数のサブ搬送波、又は音調に関する複合振幅(すなわち、実及び仮想信号成分に関する2つの振幅)を含むそれぞれの多重搬送波によって表示される。例えば、システムは、n×4.3125kHzの周波数を伴う256個の離散音調又はサブ搬送波を使用するであろう。ここで、nは1〜256個までの音調あるいは搬送波数である。各音調振幅には、例えば、上記R.R.Hunt等による関連出願中に記述されたようなビット割り当て方式に従い、信号ビットの可変数が割り当てられる。各多重搬送波期間内、例えば、約250μsに各音調に対して割り当てられるビット数は、0(すなわち、音調は信号に対して使用されていない)であり得、あるいは、例えば2ビットの最小値から、例えば10〜16ビットの範囲の最大値まで変化し得る。
【0017】
フレーム同期に関して以下さらに説明する。ソース24によって発生させられる同期数列を含む同期フレームは、符号化装置22からIFFT装置26(同期数列の時間ドメイン翻訳が選択的に装置26及び28間に挿入され得る)へのデータ流れの中に定期的に挿入される。例えば、Q=第69フレーム、又は多重搬送波シンボル毎に同期フレームが備えられ、その結果、各同期フレームは、68個のデータフレームを後に従わせることとなる。同期数列は、例えば、以下に説明するような疑似無作為数列であり、各同期フレームのために提供される同一数列である。
【0018】
IFFT装置26に入力がなされると、フレーム毎に1つの特定音調が何らの情報も搬送しないパイロット音調として予約され、それにより、以下に説明するように周波数同期のために機能する被伝送パイロット音調が与えられる。
各周波数ドメイン多重搬送波シンボルは、IFFT装置26によって時間ドメイン多重搬送波シンボルに変換される。時間ドメイン多重搬送波シンボルは、循環プレフィクス加算装置28に供給される512個の実数値時間ドメインサンプルを含む。各多重搬送波シンボルに関して、循環プレフィクス加算装置28は、例えば、544個の実数値時間ドメインサンプルの直列流れを、これらのサンプルを複合回路14を介して伝送パス18に伝送される分離済アナログ信号に変換する、DAC及びフィルタ装置30に対して供給する。544個のサンプルは、IFFT装置26によって与えられた512個のサンプルによって構成され、循環プレフィクス加算装置28によって加算されたこれらサンプルの最後の32個の繰り返しによってプレフィクスされる。この方法において加えられる循環プレフィクスの使用方法、及び利点は、例えば、J.S.Chow等による「A Discrete Multitone Transceiver System For HDSL Applications」IEEE Journal on Selected Areas in Communications,Volume9,No.6,895〜908ページ、1991年8月によって知られている。
【0019】
受信装置12において、伝送パス18を介して受信された信号は、時間ドメイン等化装置(TEQ)34に供給された多重搬送波シンボル毎に、544個の直列サンプルを再生するために、複合回路16によってフィルタ及びADC装置32へ供給される。TEQ34は、インパルス応答の大部分を循環プレフィクス継続期間よりも少ない期間に限定するよう機能する、有限インパルス応答フィルタ(FIRフィルタ)なので、続いて起こる循環プレフィクスの除去に際して、一連の多重搬送波シンボル間の干渉を低減する。等化済直列時間ドメインサンプル流れは、その直列出力側にて512個の各多重搬送波シンボルの時間ドメインサンプルを生成し、循環プレフィクスの32ビットが除去されるバッファ36に供給される。これら512個の時間ドメインサンプルは、512ポイントFFT装置38に供給され、この装置によって、装置40の周波数ドメイン等化装置(FEQ)に供給される256個の複合音調振幅を備える周波数ドメイン多重搬送波シンボルに変換される。
【0020】
FEQは、各256の音調に対して複合信号ワンタップ(one−tap)適合等化装置を備えている。FEQ及び復号化装置40は、例えば、上記したR.R.Hunt等による関連出願の図3に図示された形を取ることができる。装置40は、出力データパス42上にデコード済被受信信号を生成する。
【0021】
ここでは詳細には述べていないが、例えば、上記したJ.M.Cioffi等による関連出願中に説明されているように、送信装置10及び受信装置12はまた、可変遅延バッファ及びトレリス被コード変調を実行することができる。複合回路14、16の機能は別として、各送信装置10及び受信装置12における、ほとんど、あるいは全ての機能は、1以上のディジタル信号処理装置によって改良され得る。
【0022】
送信装置30におけるDACには、DACが作動する要求サンプリング周波数にて、回線44を介してクロック信号が供給される。受信装置32におけるADCには、関連周波数で同期されることが要求される(2つの周波数は完全同一であっても良く、あるいは、一方が他方を整数倍したものであっても良く、若しくは、サンプルのスタッフィング(stuffing)、内挿、デシメィション(decimation)を介した速度変換を調整する方法で関連付けられたものであっても良い)。装置32におけるADCは、ここで、単純化のために装置30におけるDACのサンプリング周波数にて作動するものとする。周波数同期を提供するために、上記したように256個の音調の1つが占有的にパイロット音調として用いられる。したがって、この音調に割り当てられるパス20上における信号ビットは、各多重搬送波シンボルに関して0である。
【0023】
簡便のために、サンプリング周波数及びパイロット音調周波数が選択され、その結果、サンプリング周波数はパイロット音調周波数の2の累乗整数となる。例えば、64×4.3125=276kHzの周波数を有する第64音調(n=64)がパイロット音調として用いられ、サンプリング周波数は、このパイロット音調周波数の8倍、あるいは、2.208MHzである。この関係は、以下にさらに説明するように、フレーム同期に関して特有の利点を提供する。
【0024】
パイロット音調は、定常位相を有し、あるいは、連続多重搬送波シンボルを通じて、送信装置及び受信装置の双方に知られている特定位相パターン、あるいは長疑似無作為数列を搬送する。IFFT装置26には、パイロット音調の要求内容を示す、パイロット音調に関する複合振幅が供給される。簡便のために、ここで、パイロット音調は定常位相を有し、またIFFT装置26にはパイロット音調に関するこの定常位相を示す定常複合振幅が供給されるものとする。
【0025】
受信装置12は、位相比較回路50、及び装置52によって表示されているディジタル及びアナログ制御ループフィルタを有する制御ループによって送信装置10の2.208MHzのサンプリング周波数で同期されるとともに、装置32におけるADCに関するサンプリングクロック信号を回線48上に生成する電圧制御水晶発振装置(VCXO)46を備えている。FEQ及び復号化装置36は、回線54を介して被受信パイロット音調の位相情報を位相制御装置50に対して供給し、記憶されている基準位相もまた、記憶装置56から位相制御装置に提供される。位相制御装置50は、その出力側に、アナログ制御電圧を生成するために装置52のディジタル及びアナログフィルタによって分離されたディジタル位相誤り制御信号を生成する。この信号は、周波数同期を維持するためにVCXO46の制御に用いられる。
【0026】
発明の背景において説明したように、被伝送多重搬送波シンボルデータのフレーム同期もまた、送信装置及び受信装置間において維持されなければならない。言い換えれば、送信装置10のIFFT装置26に対する入力側において多重搬送波シンボルのために用いられる同一フレーム境界は、受信装置12のFFT装置38のために使用されなければならない。受信装置12におけるフレーム境界は、それぞれの周波数ドメイン多重搬送波シンボルに変換されるために512個の各時間ドメインサンプルのどの数列がFFT装置38に対して供給されたかを決定するために、バッファ36によって使用される。
【0027】
上記したように、送信装置10では、68個のデータフレーム毎に同期フレームが追加され、それによりQ=69個の連続フレーム、又は多重搬送波シンボルのスーパフレームが形成される。この数Qは、システムのデータ搬送容量(高い値のQが好ましい)及びフレーム再同期時間(低い値のQが好ましい)の間のバランスを提供するために選択される。同期フレームは、どのような異なる方法によっても、同期フレーム多重搬送波シンボルの音調に対して適用し得る疑似無作為データを含んでいる。これらの方法の内の一つを以下に例示する。
【0028】
送信装置10にて、次式に従いソース24によって長さ512のバイナリ疑似無作為数列が生成される。
x[p]=1 pは、1から9
x[p]=x[p−4]x[p−9] pは10から512
【0029】
ここで、x[p]は、数列ビットpの2進数値であり、Aはモジュロ2の加法を示している。この数列ビットは、256のビット対にグループ化され、第1ビット対は、d.c.及びナイキストサブ搬送波(このビット対を事実上無視するために、割り当てられるエネルギは0である)のために使用され、残りの255のビット対は、周波数を増加させるために、同期フレームの多重搬送波シンボルのそれぞれの音調に割り当てられ、各ビット対が採り得る4つの組み合わせ(0,0)、(0,1)、(1,0)、(1,1)は、同期フレームのそれぞれの音調の4−QAMポイントに対して直接マップされる。言い換えれば、各ビット対は、同期フレームのそれぞれの音調に関してIFFT装置26に供給される、複合振幅を備えている。パイロット音調は、上述したように、自身の適当な複合振幅で上書きされる。
【0030】
システムのために確立されたビット割り当てに従って、シンボル当たり2ビットより小さいビットが割り当てられ得る音調は、伝達されないように、受信装置にて捨てられ得、あるいは、送信装置にて抑制された自身の振幅を有し得る。この結果、送信装置における電力が一定に保たれ、不完全な等化又は分離に起因する音調間の干渉可能性を回避することができる。後者の場合、送信装置及び受信装置の双方に備えられているビット割り当てテーブルは、同期フレーム中の各音調に供給されるとともに、IFFT装置26に供給される前に多重化される複合振幅によって、エネルギスケーリングベクトルを各音調に対して供給するために用いられ得る。補足的なスケーリングが受信装置12内で実行される。
【0031】
他に採り得る手段では、ソース24からの記憶済疑似無作為数列は、十分なSNR(信号―雑音比)が存在することを示すビット割り当てテーブルに関するそれらの音調に単に割り当てられ得、数列は、同期フレームにて使用される全ての音調に対する疑似無作為データの割り当てが完了したときに切り捨てられる。繰り返すと、受信装置は、送信装置と同一のビット割り当てテーブルを記憶するので、要求される相互関係が適切に実行され得る。さらに他の手段として、フレーム同期のために、必ずしも全ての利用可能な音調が同期フレームにて使用される必要のないことが理解される。
【0032】
フレーム同期に関して、図1に示すように受信装置12は、送信装置におけるソース24に対応するとともに、同一の同期数列を生成する同期数列ソース58、各被受信同期フレームの内容(又は、受信装置が各被受信同期フレームに関して理解している内容、すなわち、全ての第Qフレーム、あるいは多重搬送波シンボル)が装置40におけるFEQの出力側から供給される相関器60、及び記憶装置62を備えている。同期フレームに関して用いられるFEQ関数は、データフレームに関して用いられる関数と異なるであろう。受信装置はさらに、相関器60に供給されるソース58からの同期数列が経由する重み付け乗算器64、以下に述べるようにして複合デローテーション値によって乗算された被受信同期フレーム内容を相関器60に供給するための複合デローテーション乗算器66、及びフレーム同期決定装置68を備えている。装置68は、フレーム同期の存在又は不存在を決定するため、また、以下に説明するように、必要なときにパス70を介してバッファ36によって使用されるフレーム境界に対して調整変更を施すために、相関器60により生成された相関結果に反応する。
【0033】
伝送システムが、初期化された送信装置10及び受信装置12を備えている場合、フレーム同期は、以下に説明するような方法で確立される。後の通常操作において、フレーム同期は、要求されているフレーム境界に如何なる変化をももたらすことなく維持される。以下に説明するように、この通常操作状況では、相関器60、及び決定装置68は、フレーム同期を監視している。フレーム同期を失った場合には(周波数同期が現れた場合には、受信装置12はパス18を介して信号を受信している旨を表示する)、フレーム同期は再記憶されなければならない。この手順は、システムを再初期化することにより実行可能であるが(従来技術として)、初期化過程は、相対的に遅く、例えば20秒程かかりシステムの動作に事実上中断をもたらすので、あまり期待することができない。
【0034】
現実のフレーム同期損失は、例えば、送信装置10を含むプリント基板が装置ラックから引き抜かれ(受信装置12における信号、及び周波数同期の損失をもたらす)、そして再装填される(信号及び周波数同期は、それにより受信装置12にて再記憶される)結果として発生するであろう。フレーム同期損失はまた、たとえ現実のフレーム同期損失がないとしても、不十分な相関結果をもたらす過度の雑音が存在する場合には、モニタリングすることにより示されるであろう。この場合、フレーム再同期は必要ないか、あるいは要求されない。本発明は、現実のフレーム同期損失によって一般的にフレーム同期の再記憶が必要となる場合であっても、例えば、約100ms以下の非常に短い期間内にこれらの状況を区別することができ、それにより、いかなるシステムの再初期化をも伴うことなくフレーム同期が維持される。
【0035】
構成要素58から68の機能について、図2に示すフローチャートを参照しつつ以下に説明する。
【0036】
フレーム同期状態においては、図2中のブロック80によって示されるように、受信された各同期フレームの内容、すなわち、各第69フレーム、又は多重搬送波シンボルは、装置40のFEQの出力側から供給され、記憶装置62に記憶される。これらの内容は、周波数ドメイン内の複合振幅であり、同期フレームの音調の複合振幅を表していることが理解される。図2中のブロック82によって示されるように、これら同期フレーム内容はまた、それらが重み付け乗算器64を介して記憶装置58から供給された同期数列と相関される相関器60に対して、直接又は記憶装置62から供給される。この相関は、以下に説明するような、それぞれの重み付け要素に従い乗算器64によって重み付けられた、記憶装置58からの同期数列の複合振幅と符合することによって、装置40のFEQの出力側から供給される各複合振幅の乗数、及び相関器60の出力側にて単一実数相関結果を生成するための複合振幅の実数部分の合計積から構成されている。
【0037】
最も簡単な場合には、重み付け乗算器64によって用いられる重み付け関数は、各音調又は複合振幅に関して、音調がそれぞれ相関に寄与するために用いられているか否かを表示する2進数1又は0のいずれかを備えている。このように、パイロット音調は、周波数同期に関する基準なので、例えば、常に0の重み付け係数を有し、周波数同期に関する制御ループは、パイロット音調に起因するあらゆる位相誤りを除去する。同様に、現在使用されていない他のどの音調も、0の重み付け係数を有することが可能であり、伝送に使用されている音調は、1の重み付け係数を有することができる。重み付け係数は、受信装置12に備えられているビット割り当てテーブルから容易に引き出され得ることが分かる。
【0038】
より好ましくは、重み付け乗算器64によって使用される各係数は、それぞれの音調のSNR(信号−雑音比)に依存する、それぞれの音調の複合振幅に関する重み付けを備える。この重み付けは、システムの初期化の間に決定されるような、各音調に関するSNR(これは音調に関するビット割り当ての決定に用いられる)に基づくことが可能であり、あるいは、現SNRの測定基準を各音調に対して提供する音調の適用平均平方誤り(多重搬送波シンボル毎に頻繁に更新され得る)に基づくことも可能であり、それにより重み付け係数はまた、適応するよう更新される。平均平方誤りの使用方法、平均平方誤りとビット割り当てとの対応、及びSNRは、先に参照したR.R.Hunt等及びP.S.Chow等による関連出願中に説明されている。
図2中のブロック84によって示されているように、決定装置68は、相関器60によって生成された相関結果が敷居値TLを超えているか否かを決定する。フレーム同期の通常状態では、これが実情であり、これ以降、さらなる動作は生じない。図2は、次期同期フレームに関するブロック80へのリターンパス86を示しており、その間データは、他のフレーム、あるいは多重搬送波から装置38、40を介して図1中の出力パスに供給される。敷居値TLは、比較的低い値に設定されるので、相関結果は、通常、多くの雑音が存在する場合にでさえこれを超えるであろうし、その結果として、フレーム同期損失の誤った決定が実質的に回避される。さらに、図2中には示されていないが、フレーム同期損失が決定される前に、相関結果の反復故障が連続同期フレームに関する敷居値TLを超えることを要求するためにカウンタが備えられ得る。
相関結果が敷居値TL(連続同期フレームの必要数、例えば2)を超えない場合には、図2中のブロック88に移行する。
【0039】
ブロック88によって表され、以下に説明するように、既に決定されたフレーム同期損失に関する同期フレームに従う、次期64個の各データフレームにおいては、乗算器60は、それぞれの複合デローテーション集合に基づき複合デローテーション乗算器66において乗算される、記憶装置62からの受信された同期フレーム内容を、上記のようにして重み付けされたソース58からの同期数列と相関させる。その結果として、乗算器60は、これら64個の各データフレームに関する64個の相関結果を生成する。図2中のブロック90によって示されるように、決定装置68は、これらの相関結果から最適な1つの相関結果を決定し、図2中のブロック92によって示されるように、これが再同期敷居値THを超えたか否かを決定する。敷居値THは、敷居値TLよりも高い値、例えばフレーム同期状態に対する最大可能相関結果の約半分に設定されているので、偽再同期結果が実質的に回避される。図2中に図示されていないが、この場合について繰り返すと、連続スーパフレームに関して、再同期が実行される前にブロック88から92の処理に基づく同様の結果が繰り返されることを要求するためにカウンタが備えられるであろう。
【0040】
ブロック92において決定された敷居値THを超える相関結果に対応して、以下説明するように、パス70を介したバッファ36内のポインタの制御により、装置68が単一ステップにて、フレーム境界を変更する図2中のブロック94に移行する。この変更は68−64=4個のデータフレームが残存している間に実行され得るので、再同期は、図2中に示すブロック94からブロック80までのパスによって次期同期フレームの前に実行され、また確認され得る。したがって、上述したカウンタが備えられている場合には、検出されたフレーム同期損失に対応する再同期は、単一スーパフレーム、又は2,3個のスーパフレームに関して実行されることが可能であり、それにより、フレーム同期は実質的に継続して維持される。例えば、上述したように2.208MHzのサンプリング周波数、各フレーム中に544個の時間ドメインサンプル、及び各スーパフレーム中に69個のフレームを備える場合には、スーパフレーム期間は17msである。要求されている2のカウントを得るために、上記したカウンタの双方が備えられている場合には、フレーム同期損失が検出され、また、上述した再同期が4個のスーパフレーム、又は68ms以内に完了される。
【0041】
ブロック92にて敷居値THを超える相関結果はない、と決定された場合には図2中のブロック98に移行する。このブロックでは、種々の可能な動作が採られる。例えば、ブロック92における肯定的な結果の見込みを増加させるために、敷居値THの値を減少させることが可能であり、あるいは、同期数列に関する異なるフレームを調査するために、バッファ36中のポインタを変更することによってフレームカウンタを変更させることが可能であり、あるいは、システムを再初期化させることができる。現実には、ブロック88及び90の処理が、ブロック92における肯定的な結果を不変的にもたらすことが既に理解されており、したがって、再同期処理は非常に効果的である。
【0042】
有限長離散数列の離散フーリエ変換が、
【数1】
と定義され、ここで、WN=ej2p/Nは、最も重要な第N単一根である、また、有限長数列が、N周期数列を形成するために定期的に繰り返される場合には、時間偏移特性が満たされることが示され得る。すなわち、
【数2】
である。WNは複合ローテーションであり、したがって周期数列f(k)の時間偏移は、F(x)の周波数ドメインサンプルの複合ローテーションをもたらし、ローテーション量は、周波数n、及び時間偏移mに依存する。
【0043】
上記した伝送システムでは、同期数列はN周期数列として定期的に繰り返されず、むしろ上述したようにパス20からのデータによって先行され、また後を追われる。しかしながら、データは同期数列に関して無作為性質を有しており、上記特性は、適度に正確な結果とともに同期フレームに適用され得る。
【0044】
周波数同期が上述したように現れている間、システムにおけるフレーム同期損失は、バッファポインタに関してバッファ36に供給されたデータサンプルの時間偏移に対応する。ここで説明したようなシステムでは、サンプリング周波数は周波数同期のために使用されるパイロット音調の8倍であり、この時間偏移は、±8サンプルの整数倍としてのみ存在し得る。N=512の大きさのサンプル(512ポイントIFFT装置26及びFFT装置36)を伴う場合には、フレーム、又は多重搬送波当たり512/8=64個の可能時間偏移が存在する。これら可能時間偏移の各々は、上記等式に従い乗算器66によって使用される64組の複合デローテーションのそれぞれによって補正される。時間偏移を双方向に適用する際には、各正及び負方向へのフレームの半分までにより時間偏移を表示するために、64個の可能時間偏移が用いられる。換言すれば、乗算器66による複合デローテーションの各集合は、バッファ36におけるデータサンプルの内、±8、±16、...±256のサンプルに関するそれぞれの時間偏移に対応する。ローテーションは循環的なので、受信装置12において複合デローテーションの一集合だけが記憶されるだけでよい。
【0045】
図2中のブロック88に関しては、上記した64個のデータフレームの各々は、64個の各可能時間シフトmに関する相関結果の演算のために使用される。乗算器66では、記憶装置62から供給された各音調に関する複合振幅は、複合ローテーションWN -mn のそれぞれによって乗算され、得られた積は、重み付け乗算器64を介して記憶装置58から提供される同期数列の重み付けされた複合振幅と相関器60にて相関され、それぞれの時間偏移mに関する相関結果を生成するために相関積の実数部分が合計される。フレーム同期損失が、評価された可能時間偏移mの一つに起因する場合には、他の全ての可能時間偏移に関する相関結果が敷居値THよりも遙かに小さいことを考慮すれば、時間偏移が敷居値THを超えるという相関処理は十分に正確である。決定装置68は、それによりフレーム同期損失を生成した時間偏移mを確実に決定し、また上述したようにパス70を介してこの時間偏移を訂正するために単一ステップでバッファ36のポインタを調整し、それによってフレーム同期が再記憶される。この同期は、同期に関する如何なる検索処理をも伴うことなく実行される。
【0046】
ブロック88にて生成された相関結果が敷居値THを超えない場合には、上述したように、この敷居値を低減することが可能であり、あるいは、大きな時間偏移がフレーム同期損失を発生させたと結論づけることができる。後者の場合には、同期数列に関する異なるフレームを調べるために、フレームのカウントを変更することにより1フレームよりも大きな時間偏移を適応させることができ、異なるフレームカウントに関する上記ステップが繰り返し行われ、この検索は、敷居値THを超えるまで、69個のフレームの異なるフレームに関して継続して行われる。他に採り得る手段として、システムが再初期化されるであろう。どちらの場合も、フレーム同期の再記憶に際しては、大きな時間遅れが発生するが、上記したように、この事象は現実には起こり得ないように思われる。
【0047】
上記したように、フレーム同期はシステムの初期化中に確立されなければならない。初期化処理は、1993年5月、1993通信に関する国際会議(International Conference on Communications)761ページから765ページにおけるJ.S.Chow等による題名「Equalizer Training Algorithms for Multicarrier Modulation Systems」にて説明されているように、受信装置12のTEQ34に関する調整方法を含んでいる。TEQ34の調整が終了すると、IFFTによる変換により、時間ドメイン内に被等化チャネル応答b及び等化応答(すなわち、等化係数)wが得られる。時間ドメイン内におけるb及びwの開始位置間の相対的な差は、初期フレーム同期を提供するために用いられる、受信装置における多重搬送波シンボル、又はフレーム境界を順次決定する被受信信号に関する好ましい遅延を決定する。
【0048】
あるいは、上記した相関処理はまた、フレーム同期の初期確立に関して適用することが可能であり、各フレームは同期数列を搬送するために使用され(初期化中)、時間偏移は、フレーム同期を確立するために上述したように実行される。この処理は、FEQ係数の使用を必要とするので(すなわち、相関は装置40のFEQの出力側から引き出された情報であり、FEQ係数の適切な設定を推定する)、かかる場合、先ずFEQ係数の適切な組み合わせを演算することが必要となる。これは、初期化処理中に識別されたチャネル応答によって実行され得、非復調信号組み合わせが概算され、またデコードを容易にする固定距離のグリッド中でローテーションさせられるようFEQ係数が決定される。
【0049】
さらに採りうる手段として、フレーム同期は、当初、同期数列、512個の全可能フレーム境界整列の各音調に関するSNRを測定することにより初期化中に決定されたチャネル応答、及び最適なSNR性能をもたらす配列のフレーム境界の選択によって確立される。
【0050】
上記にて与えられた特定の数字、相互関係、及び詳細は、特定のシステムに適するよう変更され得ることは自明なことである。例えば、サンプリング周波数はパイロット音調周波数の8倍であると上述されており、これが全ての場合に要求されるわけではないものの、この2の累乗整数の関係は、受信装置12にて実行されるディジタル信号処理を飛躍的に単純化するので好ましい。同様にして、スーパフレーム当たりQ=69個のフレームの大きさは、スーパフレーム内においてフレーム当たり1つの割合で、上述したように次期同期フレームの前に、フレーム境界偏移を実行するための付加時間を許容するので、±256までのサンプルを有する64個の可能時間偏移に関する相関を都合良く調整する。
【0051】
さらに、下流方向の伝送についてのみ本発明を説明したが、同一又は異なる変数(特に、2つの伝送方向に関して異なる伝送速度、異なるIFFT及びFFT大きさを有するADSLシステムに関する)を用いて上流方向の伝送についても同様に適用することが可能である。繰り返すと、特定のDMT変調状況において本発明を説明してきたが、他の形式の多重搬送波変調を使用する伝送システムにも適用することができる。
【0052】
したがって、本発明に係る特定の発明の実施の形態を説明してきたが、請求の範囲にて定められている本発明の範囲を逸脱しない範囲で、これら及び多くの他の改良、変更、応用が可能であること可能であることは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る発明の実施の形態に従ってフレーム同期が維持され、また再記憶される多重搬送波変調を用いる伝送システムの一部を示す図である。
【図2】図1の伝送システムにおけるフレーム同期の維持、及び再記憶のためのステップを示すフローチャートである。
Claims (32)
- 複数の周波数音調を利用してフレーム同期パターンを伝送する方法であって、
フレーム同期パターンを取得するステップと、
前記パターンを2進数の対にグループ化するステップと、
第1の2進数の対を少なくとも一つのサブ搬送波に割り当てるステップと、
第2の2進数の対をパイロット音調と関連付けると共に、前記第2の2進数の対を前記パイロット音調に対する定常複合振幅に関連する値で書き換えるステップと、
残りの複数の2進数の対の各々を複合振幅にマッピングするステップと、
前記マッピングされた対の各々を前記周波数音調の対応する一つに割り当てるステップと、
前記周波数音調の少なくとも一つの複合振幅を抑制するステップと、
少なくとも前記周波数音調のサブセットを対応するマッピングされた対に従い変調することにより、変調されたフレーム同期データを生成するステップと、
前記変調されたフレーム同期データを伝送するステップとを備える方法。 - 請求項1記載の方法であって、
少なくとも一つのサブ搬送波はd.c.及びナイキストサブ搬送波を含む方法。 - 請求項1記載の方法であって、
前記変調されたフレーム同期データは多重搬送波シンボルである方法。 - 請求項1、2、3記載の方法であって、
フレーム同期パターンは、以下の等式によって決定されるN個の値のシーケンスから選択されたj個の値を含む方法であり、
等式は
x[p]=1 pは、1から9
ここで、jは1より大きく且つN以下であり、Nは整数であり10より大きく、x[p]は、値のシーケンスの第p番目の2進数であり、
はモジュロ2の加法を示している、方法。 - 請求項4記載の方法であって、
前記変調されたフレーム同期データは時間ドメインサンプルのシーケンスを有し、
前記伝送するステップに先だって、時間ドメインサンプルのシーケンスの最後から選択されたサンプルの数に対応する循環プレフィクスを付加するステップを更に有する方法。 - 請求項1記載の方法であって、
前記複数の周波数音調に対応するビット数を割り当てるステップを更に有し、前記抑制するステップは選択されたレベル以下のビット数を有する複数の周波数音調の少なくとも一つの音調の振幅を抑制するステップ。 - 請求項6記載の方法であって、
前記選択されたレベルは2ビットである方法。 - 請求項6記載の方法であって、
複数の周波数音調に対応するビット数を割り当てるステップは周波数音調の信号−雑音比に基づくものである方法。 - 請求項6記載の方法であって、
前記ビット数から前記複数の周波数音調のエネルギスケーリングベクトルを生成するステップを更に含み、
前記抑制するステップは、前記複数の周波数音調の少なくとも一つに対して、この音調に対するエネルギスケーリングベクトルをマッピングされた2進数の対の複合振幅に掛け合わせるステップを有する方法。 - 請求項6記載の方法であって、
前記割り当てるステップに先立ち、受信装置との通信を初期化するステップを更に有し、前記初期化するステップは、
フレーム同期パターンを獲得するステップと、
前記パターンを2進数の対にグループ化するステップと、
前記2進数の対の各々を複合振幅にマッピングするステップと、
前記マッピングされた対の各々を多重搬送波変調伝送システムの前記周波数音調の対応する一つに割り付けるステップと、
前記周波数音調の少なくとも一つのサブセットを対応するマッピングされた対に従って変調することにより変調されたフレーム同期データを生成するステップと、
前記変調されたフレーム同期データを受信装置に伝送することにより、受信装置が送信装置とのフレーム同期を獲得することを可能とするステップとを有する方法。 - 請求項1記載の方法であって、
前記変調し抑制するステップの後で、選択されたサンプリング周波数により前記変調されたフレーム同期データをディジタルデータからアナログ信号に変換するステップを更に有し、
前記サンプリング周波数は前記パイロット信号の周波数の2の累乗整数である方法。 - 請求項1記載の方法であって、
前記伝送するステップは前記変調されたフレーム同期データを変調されたデータフレームの間で周期的に伝送する方法。 - 請求項1記載の方法であって、
前記伝送するステップは前記変調されたフレーム同期データを2線式電話加入者回線を介して伝送する方法。 - 請求項1記載の方法であって、
前記伝送するステップは前記変調されたフレーム同期データを非同期ディジタル加入者回線システムの伝送のアップストリーム方向に伝送する方法。 - 請求項1記載の方法であって、
前記伝送するステップは前記変調されたフレーム同期データを非同期ディジタル加入者回線システムの伝送のダウンストリーム方向に伝送する方法。 - 多重搬送波変調を用いてデータを通信する送信装置であって、
前記送信装置は、
2進数のシーケンスを生成するためのフレーム同期シーケンス源であって、第1の2進数の対はd.c.及びナイキストサブ搬送波に関連付けられており、第2の2進数の対はパイロット音調と関連付けられると共に前記パイロット音調に対する定常複合振幅で書き換えられ、複数の残り2進数の対の各々は周波数ドメイン同期フレーム多重搬送波シンボルにおける関連付けられた周波数音調に対応する複合振幅を規定するものであるフレーム同期シーケンス源と、
周波数ドメイン同期フレーム多重搬送波シンボル内の前記周波数音調の少なくとも一つの複合振幅をその音調に関連付けられた2進数の対によって規定される複合振幅から抑制する回路と、
前記周波数ドメイン同期フレーム多重搬送波シンボルから時間ドメイン多重搬送波シンボルを生成する変調器と、
時間ドメイン多重搬送波シンボルからアナログ出力信号へ変換するディジタル−アナログ変換器とからなる送信装置。 - 請求項16記載の送信装置であって、
前記抑制する回路が、前記周波数ドメイン同期フレーム多重搬送波シンボル内の前記周波数音調の少なくとも一つに対応する複合振幅に、変調器に与えられる前に、掛け合わされるエネルギスケーリングベクトルを提供するビット割り当てテーブルを有する送信装置。 - 請求項16記載の送信装置であって、
前記抑制する回路は、選択されたレベルより小さいビット数を有する前記周波数ドメイン同期フレーム多重搬送波シンボル内の前記複数の音調の少なくとも一つの複合振幅を抑制する送信装置。 - 請求項16記載の送信装置であって、
データストリームをフレーム内に整列された周波数ドメイン多重搬送波データシンボルに符号化する符号機を更に有し、
前記変調器は前記周波数ドメイン多重搬送波データシンボルから時間ドメイン多重搬送波データシンボルを生成し、
前記ディジタル−アナログ変換器は時間ドメイン多重搬送波データシンボルをアナログ信号に変換する送信装置。 - 請求項19記載の送信装置であって、
前記変調器は前記周波数ドメイン同期フレーム多重搬送波シンボルおよび前記周波数ドメイン多重搬送波データシンボルを周期的に変調する送信装置。 - 請求項16記載の送信装置であって、
前記フレーム同期シーケンス源はフレーム同期パターンを格納する回路を有する送信装置。 - 請求項19記載の送信装置であって、
前記変調器は逆FFT装置を有する送信装置。 - 請求項16記載の送信装置であって、
前記2進数のシーケンスは以下の等式によって決定されるN個の値のシーケンスから選択されるj個の値を含み、
等式は、
x[p]=1 pは、1から9
ここで、jは1より大きく且つN以下であり、Nは整数であり10より大きく、x[p]は、数列の第p番目の2進数値であり、
はモジュロ2の加法を示している、送信装置。 - 請求項16記載の送信装置であって、
前記時間ドメイン多重搬送波シンボルは時間ドメインサンプルのシーケンスを有し、
更に、時間ドメインサンプルのシーケンスの最後から選択されたサンプルの数に対応する循環プレフィックスを付加する循環プレフィックス付加器を有する送信装置。 - 請求項24記載の送信装置であって、
選択されたレベルは2ビットである送信装置。 - 請求項16記載の送信装置であって、
前記ディジタル−アナログ変換器は前記パイロット音調の周波数の2の累乗整数であるサンプリング周波数で動作する送信装置。 - 請求項16記載の送信装置であって、
受信したアナログ信号を直列時間ドメインサンプルストリームへ変換するアナログ−ディジタル変換器と、
前記時間ドメインサンプルストリームを周波数ドメイン多重波シンボルへ復調する復調器と、
前記周波数ドメイン多重波シンボルから復号された信号を受信する回路を更に有する送信装置。 - 請求項27記載の送信装置であって、
前記アナログ−ディジタル変換器の入力と前記ディジタル−アナログ変換器の出力を伝送路に結合する複合回路を更に有する送信装置。 - 請求項28記載の送信装置であって、
前記伝送路は2線式電話加入者回線で構成されている送信装置。 - 請求項28記載の送信装置であって、
前記ディジタル−アナログ変換器は第1のサンプリング周波数で動作することによりアナログ信号出力は第1伝送レートに従うものであり、
受信したアナログ信号は第2伝送レートに対応する送信装置。 - 請求項30記載の送信装置であって、
前記第1伝送レートは前記第2伝送レートより大である送信装置。 - 請求項30記載の送信装置であって、
前記第1伝送レートは前記第2伝送レートより小である送信装置。
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