JP4016126B2 - 多重搬送波伝送システムの改良 - Google Patents

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Description

本発明は、直交搬送波を高次QAM配列とともに使用して、1搬送波及び記号当たり複数のビットを伝送する多重搬送波伝送システム、及び多重搬送波伝送システムのビットローディングの決定方法に関する。
遠距離通信ネットワークを通したマルチメディア及びその他の帯域幅サービスの提供に対する要望が、銅ペアケーブルを通して高ビット速度のトラフィックを送信する必要性を生み出した。この要件がADSLやVDSL等の多数の異なる送信スキームの開発に導いている。これらの送信スキームに対する有望な変調システムの1つが、DMT(discrete multi-tone:離散マルチトーン)として知られるラインコードであり、それは直交周波数分割マルチプレクスに似たところがある広帯域伝送技術である。
離散マルチトーン送信においては、利用できる帯域幅は、各々が小さな帯域幅、おそらく、4kHzを有する複数のサブチャネルに分割される。トラフィックは各サブチャネルの雑音電力と伝送損失に依存して、異なるサブチャネルに割り当てられる。各々のチャネルは11データビットまで表わすことができる多重レベルのパルスを搬送する。品質の良くないチャネルは少ないビットしか搬送しないか、あるいは完全に止められるかもしれない。
データが両方向に送信される場合、つまり、対称二重通信システムの場合、銅ペアケーブルのペア間干渉が高くなるので、多数の送信スキームは、高いデータ速度での送信が一方向のみに行なわれる非対称スキームの使用を提案している。このようなスキームは要求に応じたビデオ(video-on-demand)等の高い帯域幅サービスに対する要望の多くを満たすが、長期的には、対称二重通信システムが要求されると思われる。
VDSL技術はADSLに大きく類似しているが、ADSLはより大きな動的範囲の要求を満たさなければならず、その結果かなり複雑である。VDSLは費用が安く、電力が低いため構内VDSLユニットは上流向データの多重化のために、物理的層メディアアクセス制御を実施する必要がある。
4つのラインコードがVDSLのために提案されている:
- CAP;キャリヤレスAM/PM、すなわち抑圧搬送波QAMバージョン、受動的NT構成の場合、CAPは多重化のために上流のQPSKとTDMAタイプを使用するであろう(但し、CAPは上流向多重化に対するFDMアプローチを妨げない);
- DMT;離散マルチトーン、受動的NT構成の場合、個々の搬送波を作り出し、復調するために、離散フーリエ変換を使用する多重搬送波システム;DMTは上流向多重化のためにFDMを使用するであろう(但し、DMTはTDMA多重化戦略を妨げない);
- DWMT;離散ウェーブレットマルチトーン、個々の搬送波を作り出し、復調するために、ウェーブレット変換を使用する多重搬送波システム、DWMTは更に上流多重化のためにFDMも使用するが、TDMAも許容する;及び
- SLC;シンプルラインコード、受動的NT構成の場合、ベースバンドをフィルタリングし、それを受信機で再生する4レベルのベースバンドシグナリングバージョン;FDMも可能であるが、SLCは上流多重化のためにTDMAを最も好ましく使用することになる。
VDSLの初期のバージョンは、上流向チャネルから下流向チャネルを分離し、またPOTS及びISDNからその両方のチャネルを分離するために、周波数分割多重化を使用する。対称的データ速度を特徴とする後世代のシステムに対しては、エコー取消しが必要であるかもしれない。周波数における実質的な隔たりは、最低のデータチャネルとPOTSとの間において維持され、これにより非常に簡単で費用効果的なPOTSスプリッタが可能になる。典型的な実践では、上流向チャネルの上に下流向チャネルが位置付けられるであろう。しかしながら、DAVIC仕様はこの順序を逆にして、同軸ケーブルシステムを通したVDSL信号の構内分配を可能にする。
直交搬送波を高次のQAM配列とともに使用して、1搬送波及び記号当たり複数のビットを伝送する最新の多重搬送波技術は、個々の搬送波に適した配列(ビットローディング)を決めるためある方法を使っている。これは、通常、各搬送波のSN比(SNR)及び最大許容記号エラー率の推定に基づいている。
本発明の目的は、多重搬送波伝送システムにおいて、全ての信号が記号検出器入出力で同スケールに正規化されるという事実を利用したビットローディングの簡単な算定方法を提供することである。
本発明の他の目的としては、各搬送波に適した配列(ビットローディング)が決まる多重搬送波伝送システムを提供し、全ての信号が記号検出器入出力で同スケールに正規化されるという事実を利用してビットローディングを決定することである。
本発明の第一の態様によれば、直交搬送波を高次のQAM配列とともに使用して、1搬送波及び記号当たり複数のビットを伝送する多重搬送波伝送システムを提供する。このシステムは、デジタル受信機及び送信機ユニットを持ち、受信器ユニットは、記号検出器を持っている。このシステムの特徴は、QAM配列の対応する配列ポイントからの受信信号の偏差を表す各搬送波のパラメータを決め、パラメータを上下限と比較し、パラメータが限度外である場合は、搬送波を変調するため用いる配列を隣の配列に変更するためにシステムが用いられることである。記号検出器は、搬送波に対するパラメータを決めるために使用できる。
上記のパラメータは、d22比とできる。ここで、dは隣り合った配列間の最短距離で、σは標準偏差、σ2は上記記号検出器の入出力信号値の偏差の分散である。
記号検出器は、QAM配列の特定の配列ポイントの周辺範囲内で、そこに与えられた入力信号をこのポイントの別個の値に対応付けるために使用できる。この別個の値は、この記号検出器の出力の値である。また、搬送波の入出力間の差を測定するために使用できる。この差を2乗し平均して、搬送波の変調に使用された配列に対する2乗距離d2と同じ単位で表されるσ2の推定値が得られる。
上記記号検出器の入出力信号値間の差は、その値が変動し、その分散は、搬送波に対する外乱の大きさで、SNRに正比例する。分散はSNRに比例する。
特定の配列に対するこの分散の上限は、最大許容記号エラー率により求められ、下限は、次に大きい配列の上限と等しくなる。
特定の最大記号エラー率から、d/σの最小比率が得られる。
本発明の第2の態様によれば、直交搬送波を高次のQAM配列とともに使用して、1搬送波及び記号当たり複数のビットを伝送する多重搬送波伝送システムにおいて、デジタル受信機及び送信機ユニットを含むシステム、記号検出器を含む受信器ユニット、各単一搬送波の配列(ビットローディング)を決める方法が提供される。この方法の特徴としては、各単一搬送波のパラメータを決定するステップがあり、そのパラメータが対応する配列ポイントからの受信信号の偏差を表すこと、パラメータを上下限と比較するステップがあり、パラメータが限度外の場合は、その搬送波について、配列を隣の配列に変更するステップがあることである。
好適な方法では、各搬送波のパラメータの決定は、この記号検出器により行われ、パラメータはd22比である。ここで、dは隣り合った配列間の最短距離で、σは標準偏差であり、σ2は上記記号検出器の入出力信号値の偏差の分散である。
好適な方法によると、搬送波のパラメータを決定するためのステップとして、上記の記号検出器への入力信号を、特定の配列ポイント周辺の範囲内で、この点の別の値に対応させる。この別の値は記号検出器の出力値である。次に、搬送波に対する記号検出器の入出力信号間の差を測定する。この差は2乗、平均し、搬送波を変調するのに使用される配列に関する2乗距離d2と同じ単位で表されるσ2の値の推定値が得られる。記号検出器の入出力信号値間の差は、変動し、その分散は、搬送波に対する外乱の大きさで、SNRに正比例する。分散はSNRに比例する。
好適な方法によると、特定の配列に対する上記分散の上限は、最大許容記号エラー率によって決められ、下限は、次に大きい配列の上限に等しい。特定の最大記号エラー率により、最低d/σ比が得られる。
本発明の第3の態様により、直交搬送波を高次のQAM配列とともに使用して、1搬送波及び記号当たり複数のビットを伝送する多重搬送波伝送システムを提供する。このシステムは、デジタル受信機及び送信機ユニットを持ち、受信器ユニットは、記号検出器を持っている。このシステムの特徴は、各単一搬送波の配列を求めるために前項で述べたような方法を使うことである。
多重搬送波伝送システムは、例えばDMTベースのVDSLシステムのような、DMTシステムとすることができる。
以下の記述と添付図を参照することにより、本発明の上述した特徴及びその他の特徴をよりよく理解できるであろう。
図1は非対称通信システムを概略的に示す。
図2はDMTシステムを概略的に示す。
図3は非対称DMT通信システムにおいて使用されるチャネル分離をグラフ的に示す。
図4は本発明が関係するマルチトーン搬送波システムモデムの基本的ブロックを概略的に示す。
図5は実装を容易にするために、図4に図示したマルチトーン搬送波システムモデムの分割を概略的に示す。
図6は銅ペアケーブルのスペクトル割り当てをグラフ的に示す。
図7はここで説明するマルチトーン搬送波システムにおいて使用されるフレーム構造を概略的に示す。
図8は図4に示したマルチトーン搬送波システムモデム用のアナログインターフェイスを概略的に示す。
図9はここで説明するマルチトーン搬送波システム用の、周波数に対するSN(signal-to-noise)比の依存状態をグラフ的に示す。
図10は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデムにおいて使用されるFFTアルゴリズムを概略的に示す。
図11は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデムにおいて使用される、フレーム相関原理を概略的に示す。
図12は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデムと共に使用するための相関器を概略的に示す。
図13は、図12の相関器において使用される平均器を概略的に示す。
図14は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデムと共に使用するための、相関位置検出器を概略的に示す。
図15は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデムにおいて使用される、同期化ユニットの概観を概略的に示す。
図16は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデムにおいて使用される、FFT/IFFTユニットの概観を概略的に示す。
図17は、サイクリックプレフィックスの使用を概略的に示す。
図18は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデムにおいて使用するための、決定指示チャネル推定と等化システムを概略的に示す。
図19はb=6である場合の、QAMエンコーディングを示す。
図20は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデムにおいて使用される、ビットローディング因数とエネルギーローディング因数の計算の実現を概略的に示す。
図21は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデムにおいて使用される、システムコントローラインターフェイスの概観を概略的に示す。
図22は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデムの2つが、マルチトーン搬送波伝送システムを作成するために相互接続される方法を概略的に示す。
図23は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデムにおいて使用されるベクトル管理システムを概略的に示す。
図24はBSIの長さを示す。
図25は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデムに対する、BSI割り込み用のNU SCロード分配を概略的に示す。
図26は図4に示したマルチトーン搬送波システムモデム用のSUSパターンを示す。
図27は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデム用のDASパターンを概略的に示す。
図28は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデム用のウェイクアップ信号を概略的に示す。
図29から31は、図4に示したマルチトーン搬送波システムモデム用のセットアップシーケンスを示す。
図32は、VDSLモデムアプリケーションネットワークインターフェイス用のネットワーク概観を概略的に示す。
本発明の理解を容易にするために、本特許明細書において使用した略語の語源又は意味を以下に記載する:
ADC:アナログ・ディジタル変換器
AIS:アラーム・イン・シグナル(信号内アラーム)
ASIC:アプリケーション特有の集積回路
BPSK:バイナリ位相シフトキーイング
BSI: ベース同期化間隔
BSI-D:ダウンリンク接続用のBSI
BSI-U:アップリンク接続用のBSI
CCH:制御チャネル
CM1:搬送波モード1、ビットロードされ使用された搬送波
CM2:搬送波モード2、マスクアウトまたは不許可にされた搬送波
CM3:搬送波モード3、ゼロビットローディングが許可された搬送波
CP:サイクリックプレフィックス
DAC:ディジタル・アナログ変換器
DAS:DF3フレームシーケンス
DF1:データフレーム、ランダムデータ並列CCH
DF2:データフレーム、ランダムデータ1CCH
DF3:データフレーム、完全にビットロードされた1CCH
DMT:離散マルチトーン
DWMT:離散ウェーブレットマルチトーン
EMC:電磁適合性
FEC:フォワードエラー修正
FEXT:遠端漏話
FFT:高速フーリエ変換
FITN:ノードへのファイバ(Fibre To The Node)
G1 MUSIC:第一世代、プロトタイプシステム(vmeベース)
G2 MUSIC:3+2ASIC実装
G3 MUSIC:2チップシリコン実装
IFFT:逆高速フーリエ変換
IIR:無限大インパルス応答
ISDN:ディジタルネットワークに対する国際基準
ISI:記号間干渉
JTAG:ジョイントテストアクショングループ
LEX:市内交換
LP:低域
NT:ネットワークターミナル
NU:ネットワークユニット
OFDM:直交周波数分割多重化
ONU:光ネットワークユニット
PGA:プログラム可能利得減衰器
POTS:古典的電話サービス
QAM:直角振幅変調
SC:システムコントローラ
SDH:同期ディジタル階層
SF:同期フレーム
SNR:SN比
STB:設定されたトップボックス
SUS:同期フレームシーケンス
SUS1:SF及びDF1フレームシーケンス
SUS2:SF及びDF2フレームシーケンス
TA:時間進行
TDMA:時分割多重アクセス
UTP:シールドされていない撚り線ペアケーブル
VCXO:電圧制御されたクリスタル発振器
VDSL:ビット速度のディジタル加入者ライン
本発明に関するシステムは、便利さのために、設置された銅ネットワーク用の多重搬送波システムMUSICと称する。MUSICは広帯域マルチメディアサービスを支えるための電話銅線ペアケーブルを通した高速通信を提供するためのものである。
本明細書及び同日付同一出願人による特許出願の明細書において説明されているMUSICシステムは、シリコンによる費用効率的かつ丈夫な加入者実装を提供し、既存の市内電話ネットワークで使用するために、銅ケーブル(<1300メートル)を通した26:2または13:2Mbpsの非対称送信を提供する。
MUSICシステムは、各々が多くのユーザに供給する光ファイバを使用して、ユーザの家庭付近のキャビネットまでFibre To The Node(FTTN)として知られるネットワークコンセプトを使用してアクセスできる。従って、MUSIC用のケーブル長の仕様を1300メートルまでに制限することができる。
MUSICシステムは基本的に、加入者への下流向高ビット速度信号(26Mbps)と、加入者からの上流向低ビット速度信号(2Mbps)の送信のためのものである。
図1はMUSICシステムを図示している。ネットワークユニットNUは光ファイバリンク(FITN)によって固定ネットワークに接続される。マルチメディアアプリケーション、例えば、ビデオ・オン・ディマンド(video on demand)に接続されるネットワークターミナルNTは、銅ケーブルを介してNUに連結される。MUSICシステムは高い下流向データ速度とかなり低い上流向データ速度を支える。
ここで説明するMUSICシステムにおいて、2つの固定ビット速度(13:2、26:2Mbps)が支持され、低い方のビット速度、13:2Mbpsは品質が良くないか、あるいは非常に長い銅ケーブルで使用するための特別のオプションとして実装することができる。
ネットワークターミナル(NT)に対して、接続はPOTS、ISDN、ATM25、及びエサーネット(Ethernet)等の一組の標準インターフェイスで構成される。全ての伝達プロトコルはモデムデータストリームによって搬送されるが、POTSサービスだけは受動的にフィルタリングされるのでモデム状態とは無関係になる。ネットワークユニット(NU)は固定ネットワークにおいて終了する。
MUSICはアナログ部分の受動的フィルタリングによって、アップリンクとダウンリンクのスペクトルを分離する。
ここで説明するMUSICバージョンは将来的な機能性のグレードアップを目的としている。この理由から、FFT/IFFTブロックは、完全な機能性を支援するように設計されてシステムの将来のグレードアップにおいて再使用できるようになっている。
MUSICシステムは、DMTベースの多重搬送波VDSLシステムであり、これは離散フーリエ変換を使用して、個々の搬送波を作り出したり、復調したりする。これは、図2に図示されており、2つのトランシーバのそれぞれが受信機Rxと送信機Txを備え、撚り線銅ペアケーブルで接続されている。複数の搬送波を使用して2つのトランシーバ間でデータが送信されるが、チャネル品質が非常に粗悪である場合には、これらの搬送波のうち一部は使用しなくてもよい。各搬送波によって伝達されるビット数も、チャネル品質に応じて変えてもよい。
DMT等の多重搬送波変調技術は、周波数に依存する損失及び撚り線ペアケーブルのノイズを効率的に処理する。MUSICシステムにおいて、利用できる10MHzの帯域幅は、1024の搬送波に分割されている各々が9.77kHz幅になっている。個々の搬送波に割り当てられる伝送電力は、各帯域のノイズ電力と伝送損失に依存する。各搬送波は12ビットまでのデータ(4096QAM)を表わすことができるマルチレベルパルスを搬送する。個々の搬送波のSN比(SNR)は受信機側で計算される。搬送波が高いSNRを有する場合、12ビットまでがその搬送波に割り当てられる。低いSNR値の搬送波に対しては、少ないビット数がその搬送波に割り当てられる。狭帯域干渉物によって影響される搬送波は止められる。フォワードエラー修正とデータインターリービングとが使用されて、インパルスノイズの偶然のバーストの影響を緩和している。
非対称VDSLがMUSICシステムのこのバージョンに実装されるが、これは下流向データ速度が上流向データ速度よりもずっと高いことを意味する。2つの固定された下流向データ速度(26/13Mbps)はシステムによって支持されるが、選ばれる速度は実際のケーブル長(<1300メートル)及び/もしくはチャネルの品質に依存する。上流向データ速度は2Mbpsに固定される。異なる周波数帯域がMUSICシステムにおいて使用されて、下流向チャネルを上流向チャネルから分離したり、両チャネルをPOTSから分離したりできる。図3を参照。
あるいは、他の二重通信システム、例えば、TDMA及び/もしくは一つおきの搬送波が下流向チャネルと上流向チャネルのための専用の方法を使用することもできる。
図4は本発明に関するMUSICモデムの概観を示している。主なハードウエアブロックは、ADCとDAC、同期化、フーリエ変換処理、チャネル推定値/等化器、記号割り振りと検出、インターリービングを伴うコーディングとデコーディング、ネットワークインターフェイス、及びシステムコントローラである。
モデムは以下の4つの基本的な機能ブロックの点から考慮することができる:
- ディジタル受信機ユニット;
- ディジタル送信機ユニット;
- アナログフロントエンド;及び
- システムコントローラ/PCI
アナログフロントエンドは、シールドされていない撚り線ペアケーブル及びPOTSに接続されるハイブリッド変圧器を含む。受信機側では、ハイブリッド変圧器が低域フィルターLPとプログラム可能利得減衰器PGAを介してアナログ・ディジタル変換器に接続される。アナログ・ディジタル変換器を駆動するために、電圧制御されたクリスタル発振器VCXOが使用される。送信機側では、ハイブリッド変圧器が低域フィルターを介してディジタル・アナログ変換器に接続される。
ディジタル受信機ユニットは、図4に示すように、同期化ユニット及びチャネル推定器に接続される高速フーリエ変換及びリスケーリングユニットFFTを含む。チャネル推定器は、記号検出ユニット、及びデインターリービング、デコーディングユニットを介して、ビット操作ユニットに接続され、そこからネットワークアプリケーションインターフェイスに接続される。
ディジタル送信機ユニットは、エンコーディング及びインターリービングユニット、及び記号割り振り(マッピング)ユニットを介して、逆高速フーリエ変換及びスケーリングユニットIFFTに接続されるビット操作ユニットを含む。
システムコントローラは、図4に示すように、ディジタル受信機及びディジタル送信機内の様々な機能ユニットに接続されたり、ネットワークアプリケーションインターフェイス及びコンピュータインターフェイスに接続される。
ネットワークインターフェイスは高いプロトコルレベルをモデムレイヤ1機能性(modem layer one functionality)に接続する。このブロックは、必要に応じてダミーフレームを付け加えながらシステムに所定のビット速度でデータを提供する。
次に、データはチャネルコード化されてインターリーブされる。ここで説明するMUSICシステムは、インターリービングと組み合わされた合成コードを使用する。多数のフレームの深さを使用して、組み合わされた周波数/時間インターリービングが得られる(本明細書の後半を参照)。
記号割り振り(mapping)ブロックは整数ベクトルとして入力データを受け取る。このベクトルは現行のビットローディング値に応じて企図された配列に割り振る(map)。割り振り器(mapper)は交番2進コーディングスキームを使用して、ビットエラーの確率を低下させる。
実際のベクトル掛け算はIFFTブロックにおける最初のステップである。これによってこのシステムは各搬送波の出力電力レベルを概算(スケーリング)できる。次に、IFFTブロックは入力データに実際の2048のポイント逆FFTを行い、各搬送波を変調する。最終ステップとして、アドレスラップアラウンドが出力データに関して実行されて、フレームの端において最初の128サンプルのコピーを加える。これはサイクリックプレフィックス(CP(循環接頭辞))と呼ばれる。
変調信号はDACへと進み、DACは84dBという真の最低動的範囲で信号を変換する。DACはシステムサンプルクロックによって20MHzで刻時される。ナイキストゴーストを除去するために、信号がLPフィルタリングされる。ハイブリッド変圧器は銅ケーブルに平衡の干渉を提供する。
MUSIC送信機・受信機信号路の概観が図4に示されている。送信機部分は受信機部分と同じハイブリッド構成を使用する。
受信機末端では、スプリッタ/ハイブリッドトランシーバが、POTSによって使用される0から4kHzまでの周波数を、システムによって使用される周波数から分離する。更に、スプリッタ/ハイブリッドトランシーバは、高レベル送信信号と低レベル受信信号との組み合わせから、低レベル受信信号を抽出する。
信号に対するナイキスト効果を減少させるために、アナログ受信信号がPGA(プログラム可能利得増幅器)に供給される前に、アナログ受信信号は低域フィルターにかけられる。
PGAは、ADCの動的範囲を最大限利用するために必要である。本システムでは、動的範囲は少なくとも66dBであるべきである。
信号がディジタルフォーマットに変換された後、同期化・FFTブロックがデータを受信する。
同期化ブロックでは、(FFTバッファの制御用の)フレームクロックとVCXO用の制御信号を発生する。始めに、同期化ブロックがサンプル信号からフレームクロックを検索する。次に、フレームクロックがフレームチミング推定値を計算するために使用されて、VCXOフィードバックコントローラに送られる。VCXOはサンプリングクロック(20MHz)を発生する。
フレーム時間推定値のみによって制御されるサンプリングクロックは、DMTシステムにおいては十分正確であるとはいえない。従って、ロッキングシーケンスの後、専用パイロット搬送波が使用されて、高いサンプリングクロックタイミング精度を達成する。
BSI信号もパイロット搬送波から抽出される。BSIは送信機・受信機CCH通信を同期化するために使用されるベース同期化間隔タイミング信号である。MUSICシステムの新規態様の1つは、同期化ブロックによって使用されるアルゴリズムであり、それについては、本明細書の後半において詳述する。
2048ポイントの実際のFFTは、FFTブロック内の入力フレームに対して実行される。この後、、エネルギーローディングパラメータに基づいて、リスケーリングが行われて、データが次のブロックに送られる。
チャネル推定及び等化はFFTブロックからの出力データに対して実行される。全てのデータフレームがチャネル特性を推定するために使用される。更に、これらのデータフレームはビットローディングベクトルを計算するために使用され、各搬送波で送信されるビット数を決定する。その後、この情報は上流向制御チャネル(CCH)を通して送信機に送られる。
記号検出ブロックでは、ビットローディングマスクに従って、各搬送波に対してデマッピング(demapping)が行われる。
デマッピングの後、検出されたビットストリームに対して、デインターリービング及びフォワードエラー修正(FEC)デコーディングが行われる。
データはビット操作の後、ネットワーク/アプリケーションインターフェイスブロックに対して準備される。ダミーフレームはこのブロックで取り除かれる。
図4に示したシステムの中心にあるのが、システムコントローラ(SC)である。SCは市内PCIバスを使用して、様々なサブブロックをインターフェイスして、制御する汎用プロセッサである。ここで説明するMUSICバージョンでは、コントローラCPUはプログラム可能である。オンボードJTAGインターフェイスを通して外部ポートが設けられ、プログラミングを容易化する。
SCの主要な仕事は、システム始動と実行時間の運転を制御し、ビットローディングとエネルギーローディングの計算を行うことである。SCは専用の制御チャネル(CCH)を通してモデムの遠隔側と通信する。このチャネルはビット/エネルギーローディング変化及び他のシステム信号に関係するデータを搬送する。
高ボリュームの使用のための費用効果的な製品を得るために、システムのディジタル部分は少なくとも2つのASIC回路に基づいていなければならない。図5はチップデザインのためにシステムがどのように分けられるかを示している。1つのチップはFFT/IFFT零空間を含む。第2のチップはフレーム同期化、チャネル推定及び等化、記号検出及び記号マッピングを含む。アナログブロックとネットワークインターフェイスブロックは第3及び第4のチップを各々使用して実装することができる。
ここで説明するMUSICシステムが使用するシステムパラメータは、本明細書に添付される表1〜3に記載されている。
VDSLシステムは0から40MHzのスペクトルで作動する。この帯域では、ここで説明するMUSICシステムは低い10MHzを占有する。図6を参照。POTSや幾つかの無線アマチュア帯域を含む多数の古典的な帯域がこのスペクトルに存在する。異なる周波数帯域がここで説明するMUSICシステムにおいて使用されて、上流向チャネルから下流向チャネルを分離する。ここで説明するMUSICシステムは10MHzで1024の搬送波を使用し、各搬送波は9.77kHzの帯域幅を有し、最初の2つの搬送波はDCレベルとPOTSサービスによって割り当てられる。最後の搬送波は、ナイキストポイントなので、許可されない。(無線帯域の)その他の搬送波は相殺する必要があるかもしれない。これは基本的に、平衡した銅ペアケーブルに対する免疫性と放射の問題である。
POTSスペクトルの受動的フィルタリングによって、このサービスはここで説明するMUSICシステム、実行時間状態または電力供給とは無関係にすることができる。
MUSICモデム接続のためにISDNサービスを提供するには2つの方法がある。1つの方法は、POTSとISDNシステムがMUSIC周波数帯域の下に存在できるようにすることである。これはPOTS用のものと同様のフィルタリングプロセスをISDN帯域スペクトル用にも使用することで達成できる。このフィルタリングによって、機器構成とは無関係にサービスを提供することができる。
ISDNを提供する他の方法は、MUSICシステムにおいてISDNを運搬人サービス(bearer service)にすることである。この解決法はスペクトル効率の点から利点がある。10MHzで1024の搬送波を使用することで、各搬送波に9.77kHzの帯域幅が与えられる。ISDNスペクトルはこれらの搬送波の(150-4)/9.77=5の割り当てを必要とする。チャネル特徴のために、これら5つの搬送波はシステム内で最良のSNRを有するように選択されなければならない。標準の接続に対して、これは5×100=500kbpsの帯域幅である。
従って、最適の解決法は、モデムを運搬人として使用して、64kbpsだけを割り当てて、64kbpsのISDNサービスに対する全帯域幅用の500kbpsと比較することである。
1つの遠距離通信オペレータネットワークに対して実施された減衰及びFEXT(遠端漏話)の測定結果は、ケーブルが200〜300メートルより短い場合には、100Mbps以上のビット速度を達成することが可能であることを示している。それより長いケーブルに対しては、高周波数に対する減衰が最大ビット速度を制限する。約500メートルのケーブルの場合は、40Mbpsを達成することができ、1kmのケーブルの場合は、15〜20Mbpsが実現する。
性能を低下させる別の因子はEMCであり、これは使用される電力を制限する。やはり周波数領域の一部を排除しなければならないかもしれない。
典型的なPSTNは以下のインパルスノイズ特性を有することが期待される:
- 最大持続時間250μs
- 中央間隔67ms
- 最大ピーク振幅20mV
- ほとんどのエネルギーが200kHz未満
- 背景ノイズ-107dBm/Hz
システム内の主なタイミング源はサンプルクロックである。サンプルクロック用のリファレンスはNU側に置かれており、二次ケーブル内の全ての撚り線銅ペアケーブルに共通になっている。サンプルクロック周波数は20MHz±10ppmであり、位相ジッタは0.5ns以下である。
NT側のサンプルクロックはNU側に位相ロックされる。ロッキング論理は第1段階でフレームタイミング推定を使用し、次にパイロット搬送波を使用して、ロッキングの細かい調節を行う。ロッキング論理は18ビットのディジタル・アナログ変換器を介してVCXOの周波数を制御する。VCXOに対する要件は20MHz±25ppmの範囲と、100ppm/Vの感度である。最終的なロッキングは、位相ジッタが0.5ns以下であり、サンプルの1/100の精度を有しているべきである。
フレームクロックはサンプルクロックの1/(2048+128)であり、受信フレームと送信フレームの開始を制御する。送信と受信の両方に使用されるフレームクロックは、NU側とNT側の両方で位相が異なる。
NT側の送信用のフレームクロックが親装置であり、信号間隔の開始を制御する。図7を参照。
NT側の受信フレームクロックはフレームタイミング推定ハードウエア機能から引き出され、フレームサンプリング期間の開始を制御する。図7を参照。
NT側の送信用のフレームクロックは、受信用のフレームクロックと同じであるが、位相が「早い」TAサンプルである。TAはNU側でのシステム始動中に測定され、銅線ケーブル上の伝播遅延の補償のために使用されるパラメーターである。これは、アップリンクとダウンリンクの両方に対して、サンプル抽出期間の中、銅線ケーブルの直交性を維持するために行われなければならない。NT側の送信用フレームクロックが信号間隔の開始を制御する。図7を参照。
NU側の受信フレームクロックは、TA計算が実施された後の送信用フレームクロックに対して、若干のサンプルクロックサイクル(TA)だけ遅らされる。開始シーケンスにおけるTAの計算前の遅延は、フレームタイミング推定用ハードウエア機能によって決定され、その値はシステムコントローラによってアクセスすることができる。NU側の受信フレームクロックはフレームサンプリング期間の開始を制御する。図7を参照。
送信側と受信側間のパラメータ変化を同期化するために、BSIクロックが使用される。パラメータは、例えば、ビットローディング、エネルギーローディング、あるいは制御チャネル周波数であってよい。パラメータは、両側のシステムコントローラによって更新され、そしてBSIクロックが新しい設定にスイッチを始動させる。
BSIクロックはフレームクロックの1/8192である。アップリンク内のBSIクロックは、ダウンリンク内のBSIクロックに対して、半分のBSIクロックサイクルだけ遅れる。
送信側と受信側間のBSI同期化のために、パイロットチャネル上の短い擬似ランダムシーケンスが使用される。
サイクリックプレフィックスはFFTチップによって加えられるフレームの延長部である。全信号期間中の直交性を維持するために、フレームの最後の128サンプルがコピーされ、実際のフレームの前に置かれる。この配置が時間分散によって引き起こされる記号間干渉に関連する問題を処理する。
受信側のみでサンプルされた信号期間部分は、銅ケーブル全体に沿って、1つの信号期間を他の方向に重ねることが重要である。TAはこのオーバーラップ期間を最適化するために使用される。最大ケーブル長は、TA=128サンプル=6.4μs伝播遅延によって制限される。(伝播遅延が5ns/mである場合)これは1280メートルに相当する。
アナログインターフェイスは、C1チップにおいて電話線で受信/送信したディジタルデータストリームを接続する。制御目的のために、T1チップとシステムコントローラに対する接続もある。
アナログインターフェイスは図8に図示されている。電話線はハイブリッド変圧器に接続され、それはPOTSにもつながれている。ハイブリッド変圧器の受信側では、入ってくる信号が低域フィルターとプログラム可能利得減衰器とを介して、アナログ・ディジタル変換器ADCに送られ、またそこからC1チップに送られる。ハイブリッド変圧器の送信機側では、出ていくディジタル信号がディジタル・アナログ変換器DACによってアナログに変換され、そこから低域フィルターLPを介してハイブリッド変圧器に送られる。ADCとDACの両方を駆動する電圧制御されたクリスタル発振器が、T1チップの同期化ブロックに接続される。
OFDM-フレームは、位相及び振幅が変調されしかも、搬送波間の最低距離だけ分離した周波数領域に隔置された正弦搬送波の合計である。フレーム内の記号が等しく分配され、互いに相関しないという仮定によって、ほぼ正規的に分配された瞬時振幅を備えた時間領域信号が生じる。このように、入力データが共同して相互作用して、非常に大きなピークレベルを備えたパルスを作り出し得る可能性がわずかに存在する。しかしながら、最大振幅は、これより低い振幅に制限して、十分な数の量子化レベルがDACに存在するようにして、平均信号を処理しなければならない。
DACが送信機において高いピークレベルを収容するのに充分な分解能を有するとしても、受信機側(ADC)には限界がある。しかしながら、受信機側の関係は外見ほど過酷ではないかもしれない。
短ケーブルは高い周波数範囲において長ケーブルよりも小さな減衰を有する。図9を参照。これは、臨時パルスがケーブル特徴によってほとんど修正されずに、受信機に現われ得ることを意味する。従って、受信機に比較的大きな動的範囲が必要である。しかしながら、ほとんど均一の減衰は大きな動的範囲を必要としないので、これは容易に達成できる。ADCは図9において太い実線矢印で示される領域を収容する必要がある。
しかしながら、長ケーブルのより大きな高い周波数減衰は大きな動的範囲を必要とする。更に、高い周波数減衰は、受信機において高い振幅を達成するために、送信機から幾つかの大きなピークを取るであろうことを意味し、この事例は1つのピークだけの場合よりADC入力において発生しにくい。従って、ヘッドルームを減少させることができ、ADCは図9において太い点線矢印で示される領域を収容するべきである。
要約すれば、ケーブル長に応じて、受信機ADCにおいて信号レベルを注意深く設定することによって、性能を最適化することができる。
スプリッタ/ハイブリッドは2つの主要なタスクを有する。それは:
- 電話信号(POTS)とVDSL信号周波数帯域を分離させ、組み合わせること;及び
- ケーブルのバランスを取ることによって、送信された信号が同じ装置の受信機に現われるのを防止することである。
各々の送信方向はそれ自体の周波数帯域を持っているので、その各々の周波数帯域のために両側を最適化して全体の性能を向上させることができる。
入力信号に対する低域フィルターの目的は、使用された周波数範囲の上の干渉に対するエイリアシング効果(aliasing effects)を減少させることである。出力低域フィルターは阻止帯における放射電力を減少させる。これらのフィルターはスプリッタ/ハイブリッドモジュールの一部であってよい。
市販されているうちで現在のところ最も優れているADCは、アナログデバイス(Analog Devices)AD9042であり、これは約66dBのSN比を有している。このADC、あるいは、これに等しい性能を有するものを使用することが推奨される。
この説明目的のために、14ビット分解能のDACを使用すると仮定する。
FFT及びIFFTのアルゴリズムはデータ再編成を備えた1024ポイントの複素数FFTから構築され、同時に2つの実シーケンスの計算を可能にする。従って、FFT及びIFFTは各々効果的に2048ポイントである。ハードウエア実現は基数-32零空間に基づいており、それは3パスの結果を計算する。図10を参照。
SN比とアルゴリズムの分解能との間の関係は以下の式で表わすことができる:
SNR=22b-v-1
式中、b=ビット数であり、v=11(効果的な基数-2パスの数)である。bを解くことで、(ADCのSNRに基づいて)17ビットの分解能が得られるが、ADCはアナログ信号退化の唯一の源はないので、システムを通じて分解能を維持するためには、アルゴリズムの16ビットの分解能が適当であるべきである。
VCXOはシステムのNT部分において使用されるサンプリング周波数を発生させる。制御電圧は同期化ユニットからのデータに基づく。、クロック周波数は、非常に安定しており、NUリファレンスクロックに位相ロックされて記号間の直交性が保存されなければならない。
ADC動的範囲を完全に使用するために、プログラム可能減衰器をADCの前に挿入しなければならない。減衰レベルは主にケーブル長の関数であり、システムコントローラによってタイミングアドバンス値から決定され得る。
減衰器の分解能及び範囲、並びにタイミングアドバンス値と減衰レベル間との関係を決定しなければならない。更に、計算において等化値及び分散値を使用して、結果を向上させることもできる。
DMTシステムでは、特に搬送波が大きな配列で変調される場合、送信機と受信機との間に非常に正確な同期化が必要である。ここで説明する態様では、受信した信号構造に固有の相関特性に依存する新しいフレーム同期化方法が使用される。
NU側では、固定周波数クリスタル発振器がサンプリングクロックを発生させるリファレンスとして使用される。NT側では、NU側の発振器に位相ロックされるVCXO(電圧制御されたクリスタル発振器)によってサンプリングクロックが発生する。VCXOは初期にフレームタイミング推定値によって制御される。しかしながら、本出願ではフレームタイミング推定値の分解能は充分ではない。従って、ロックインシーケンスの後、専用のパイロット搬送波が使用されて、非常に高いサンプリングクロックタイミング精度が達成される。
DMTシステムにおける長い記号持続時間のために、チャネル時間分散によって引き起こされる記号間干渉は、時間領域内の全てのフレームに対するプレフィックスとして保護間隔を使用することによって、除去することができる。フレームの直交性を維持するために、各プレフィックスの内容は、次のフレームの最後の部分のコピーであり、フレームが部分的に周期的(サイクリック)であるように見せる。
フレームタイミングを推定するために使用される同期化方法は、プレフィックスとこれに対応するフレーム部分との間に存在する高い相関関係を使用する。
(公知の)フレーム長によって時間的に分離された受信信号のサンプルを連続的に相関することによって、保護間隔の通過により相関関係推定値にピークが生じるであろう。従って、これらのピークはフレームに対する公知のタイミング関係を有し、フレーム開始信号を作り出すために使用することができる。その原則が図11に示されている。
相関器とピーク時間推定器はVCXOによって発生されるシステムクロックを使用する。このクロックは信号間隔(サイクリックプレフィックスとフレーム)内の全サンプル数で割られて、相関ピークと同じ期間を有する信号を作り出す。これら2つの信号間の位相差(フレーム時間の偏差)は、VCXO周波数を正しいサンプリング周波数に調節するフィードバックコントローラへの入力として使用される。しかしながら、このサンプリングクロックの位相はDMTシステムにおいて使用するには充分正確ではない。従って、フレームタイミング推定は基本的にはロックイン操作のために使用される。更に、これは再同期化が必要になる主な偏差を検出するためのフレームタイミングをモニタリングするためにも使用される。
受信データの相関関係は連続的に計算される。2つの信号間の時間差は、1つのフレーム長のディジタル遅延ラインを使用して達成される。遅延ラインの出力には非遅延信号が掛けられ、サイクリックプレフィックスの長さに等しい間隔に積分(蓄積)される。積分器の出力は相関関数の推定値である。
相関推定のタイミング情報のみが使用されるので、簡略化された推定器が実装され、入力データの符号のみを使用する。このハードウエア実装は完全なサンプルワード長を使用するのに比べて、複雑さを非常に減少させる。
コンピュータシミュレーションは、幾つかの信号間隔の同期的な平均値算出を使用することが、フレームタイミング推定値の分散を減少させることを示している。相関器の掛け算器部分において使用される減少したデータワード長のために、このような平均値算出機能を掛け算器のすぐ後に実装することが可能である。
相関器の実装を示すブロック線図が図12に示されている。入ってくる信号X(k)はN=1024の遅延を、つまり1フレームを通過し、結合器に至る。遅延及び結合器からの出力は掛け合わされて、平均器に送られる信号Y(k)を作り出す。平均器の出力Z(k)は引き算器に送られ、そこからL=128だけ遅らされたZ(k)が引き算される。この引き算によって、信号W(k)を生じ、この信号は出力信号C(k)を作るアキュムレータに送られる。
相関器の平均値算出部分の詳細が図13に図示されている。図示するように、平均器は加算器と組み合わされる一連の遅延成分から成る。出力信号は次のように表わすことができ:
Figure 0004016126
式中、Y(k)は入力信号であり、Z(k)は出力信号である。
平均値算出を信号のフレーム構造に同期させるために、遅延は信号間隔に等しい。
相関関数推定値の最大の大きさの位置を見つけるための検出器が図14に図示されている。これは最も最近の最大値用のレジスタ(#1)とコンパレータを使用して実装される。レジスタの内容と相関の大きさが比較され、レジスタの内容よりも大きな値に出くわすたびに、新しい値がレジスタに記憶される。(信号間隔を法として)サンプリング間隔をカウントするカウンタの現在の値も第2のレジスタ(#2)に加えられる。全体の信号間隔を通過した時、この第2のレジスタはその間隔の間に見い出された最大値に対するインデックスを含むであろう。このインデックスは信号間隔ごとに1回ずつ、第3のレジスタ(#3)に記憶され、(シフトを使用して)第1のレジスタ(#1)の内容が2で割られる。
レジスタ#3に記憶されたインデックスは入力信号フレームのカウンタ値と実際のタイミングとの間の偏差として解釈される。フィードバックコントローラはこの偏差の平均をゼロに向かって収束させるであろう。そしてカウンタ値が信号間隔へのポインタとして使用される。フレームタイミングクロックがこのカウンタ値を用いて発生して、フレーム開始を示す。
パイロット搬送波周波数領域複素数表現の推定は、システム内で利用できるFFTユニットを使用して行われる。この方法を使用することの利点は、推定値が他の搬送波の変動する変調とは無関係であることである。これは搬送波間の固有の直交性のためである。許容できる程度に低い分散の推定値を得るために、ある種の平均値算出が必要である。これは一次ディジタルIIRフィルタを使用して行われる。
残念なことに、推定値は直交座標の複素数で表わされるので、偏角を直接利用できない。フィードバックループでは、非常に小さな偏角の偏差を検出することが必要である。従って、偏角の分解能は高くなければならない。
フィードバックコントローラは、パイロット搬送波偏角をゼロに収束させる。ゼロ周辺の小さな範囲でのみ線形となる上記偏角の近似は、許容できる性能を達成するのに十分である。ほとんどすべての四分円で単調で、しかし、ディジタル論理で実行が容易な有用な近似は、次の式で表すことができる:
Figure 0004016126
式中、Cは複素数パイロット搬送波推定値であり、Mは正のスケーリング定数であり、Kは関数の形状に影響を及ぼす正の定数(ここではK=2が使用される)である。
チャネルは入力信号フレームタイミングとパイロット偏角ゼロとの間に調整不良を生じさせるかもしれないパイロット搬送波に対して位相シフトを導入する。この問題を除去するために、パイロット搬送波推定値も周波数領域等化器を通して送られる。この搬送波に対する等化器パラメータは、フレームタイミング推定値がその最終値に収束された時の、始動シーケンスの間に設定される。
パイロット搬送波のセレクションは固定されるが、他の搬送波をパイロットとして選択するための論理も提供され得る。
フィードバックループは実際には2つのコントローラを有しており、その各々がそれ自体の入力信号を有する。2つのコントローラの出力が、加算され、サンプリングクロックを発生するVCXOにディジタル・アナログ(D/A)変換器を介して供給される。両コントローラともPI(比例/積分)タイプのものである。
図15は信号パスの概観を示している。受信した時間領域データは相関器とピーク位置推定器とを通過して、フレームクロックを生じる。等化器から引き出された複素数周波数領域パイロット搬送波はパイロット偏角推定器に送られ、その出力は、やはりピーク推定器からの出力を受信するフィードバックコントローラに送られる。フィードバックコントローラからの出力は次にディジタル・アナログ変換器に送られて、VCXOを制御するために使用される信号を作り出す。
始動シーケンスの間に、フレームタイミングコントローラだけがアクティブである。フレームタイミングが安定化した時、パイロット搬送波用の等化パラメータが計算され、(SCによって)設定される。これは一度だけ行われ、更にこのパラメータの更新が禁じられる。等化パラメータのこの変更の後、偏角評価用の平均器に充分な処理時間が与えられる。最後に、フレームタイミングコントローラが停止され、パイロット偏角コントローラがアリティブになる。フレームタイミングコントローラが停止された時、その最後の出力値がロックされるので、VCXO周波数はその最終値近傍にとどまる。
ベース同期化間隔(BSI)タイミング情報の送信のためにパイロット搬送波も使用される。搬送波偏角は通常一定であると仮定される。短いパターンは、位相Oとπとを使用し、BSI間隔の残りの期間中、位相0に搬送波を残して、搬送波上でBPSK変調される。このパターンがBSI間隔のほんの少し部分(<1%)にすぎない場合、パイロット搬送波偏角推定の妨害は無視してよい。相関器はパターンを検出するために使用され、BSIのためにタイミング信号を提供する。
同期化ロック検出及びモニタリングの理由から、システムコントローラ(SC)はフレーム時間偏向推定値とパイロット偏角近似を保持するレジスタに対するアクセスを読み取っていなければならない。
パイロット搬送波の初期の等化を処理するために、SCが平均パイロット搬送波複素数表示を読み取り、等化パラメータメモリに書き込むことが必要である。
入力データフレームとフレーム開始信号との間の相対的タイミングを決定するオフセットレジスタが必要であり、SCによって書込み可能でなければならない。これはNT側で使用される。
検出されたBSIイベント信号は、受信及び送信の両方のために、割り込み入力としてSCに接続されなければならない。
あるいは、パイロット搬送波は帯域フィルタを使用して、時間領域信号から再生し、サンプリングクロック発振器の位相ロッキングに直接使用され得る。ここで説明する周波数領域法は、パイロット搬送波推定値が直交性のために他の搬送波の変調とは無関係であるという利点を有する。異なるフレーム同期化方法は、一部のフレーム内の公知のパターンを含むことに依存するであろう。これはシステムの能力を低下させる。
ここで説明する態様では、フレームとサイクリックプレフィックスの長さが固定される。上述のように、この方法はVCXOを備えたフィードバックループにおいて作動するように設計される。固定されたサンプリングクロック発振器を使用するユニットでは、フレームタイミング推定器のデザインをわずかに修正する必要がある。フィードバックループはあまりに低すぎてこのような妨害を補償することができないので、VCXOが非常に低い位相ノイズを有していることが重要である。
離散マルチトーン(DMT)システムはN個の搬送波(ここでは、N=1024の搬送波を使用する)上でN個の複素数データ記号を変調する。このマッピングは逆高速フーリエ変換(IFFT)を使用することによって、逆離散フーリエ変換として計算される。受信機では、N個の搬送波がFFTによって復調される。
ここで説明するモデムでは、FFT及びIFFTは異なる位相で同じ基数16または32コアを使用して、同じユニットによって実行される。このプロセスが図16に概略的に示されている。
主な演算は2048の実数値または1024の複素数値の長さのフレームに分割される。各フレームのために、このユニットはFFT、IFFT、スケーリング、デスケーリング、及びサイクリックプレフィックスの追加を行う。
FFTとIFFTは2048ポイントの実際のFFTを計算し、最低16ビットの算術で演算する。
ネットワークターミナル側(NT)に対しては、入力フレーム開始とIFFT出力開始との間の同期化に対する要件がある。(上流向搬送波と下流向搬送波との間の同期化)。送信機は、フレームを送り始めて、その後フレームを受信し始める、いわゆるタイミングアドバンスになっているべきである。
スケーリングはIFFTの前に設けられるべきである。このスケーリングはこのユニットに記憶されている実際の係数と、記号マッパー(SM)からの入力値との間の掛け算である。係数は各々16ビットである。
係数メモリは等しいサイズ(16×1024ビット)の2つのバンクから構成される。1方のバンクを使用中に、他方のバンクが更新される。PCIコマンドを通してスイッチングが許可(イネーブル)され、次のBSIにおいて実行される。
FFTの後で、リスケーリングが実施されて、その後等化及び記号検出のためにデータを送信すべきである。このデスケーリングはスケーリング値の逆数による掛け算である。係数は16ビットで表示される。
(ポストシフトを生じる)4ビットのベキ指数も精度を維持する必要があるであろう。
係数メモリは等しいサイズ((16+4)×1024ビット)の2つのバンクから構成される。1つのバンクを使用中に、他方のバンクが更新される。PCIコマンドを通してスイッチングが許可(イネーブル)され、次のBSIにおいて実行される。
各フレームの開始時に、サイクリックプレフィックスが加えられる。このプロセスが図17に概略的に図示されている。サイクリックプレフィックスの挿入により、記号間干渉(ISI)が避けられ、トーン間の直交性が保存され、各々の搬送波を別々のチャネルとして見ることができるようにする簡単な入力-出力関係を生じさせる。このサイクリックプレフィックスはフレームの最後の部分の繰り返しから構成される。
タイミングアドバンスが使用され、最大ケーブル長が1300mであると仮定すると、128個のサンプルのサイクリックプレフィックスが必要となろう。このように、各々のフレームに対する出力は以下のサンプル:1920、1921、...、2046、2047、0、1、2、...、2046、2047であるべきである。
上述の成分の各々に対して、外部世界をFFT/IFFTの入力メモリ及び出力メモリとつなぎあわせるためにFIFOがある。このように、全体で4個のFIFOがある。
アナログ側をつなぎあわせるFIFOは384ワード(16ビット)のサイズを有し、T1チップをつなぎあわせるFIFOは448ワード(32ビット)のサイズを有することが推奨される。
フーリエ変換を使用しない別のDMT技術は、離散ウェーブレットマルチトーン変換(DWMT)である。この方法はADSL基準委員会に提案されたが、拒絶された。
本技術において必要とされる精度は必要な動的範囲に依存し、それは次にアナログ成分(特にDAC)によって決定される。FIFOサイズはクロックのスピード差及び使用されるタイミングアドバンスの量に依存するであろう。クリッピングの使用は動的範囲(量子化ノイズ)とクリッピングノイズとの間のトレードオフである。
全てのデータフレームはチャネルモデルを更新するために使用されるので、チャネル推定は決定指示方法(decision directed method)を使用して行われる。公知のデータフレームは始動時にのみ必要である。特定の条件下では、チャネル上の干渉は全てのデータフレームを使用して推定することができる。これはチャネル送信品質の変動の初期検出にとって重要である。
決定指示推定(decision directed estimation)に対する基本的原則は、受信したデータと公知の送信データとの間の差をチャネルモデルの更新に使用することである。このプロセスのある段階では、チャネルモデルは受信データの等化のために使用するのに充分な程度に正確であり、検出器は正確なデータを作り出すであろう。この出力データはチャネルモデルの更なる更新用の公知のデータとして同じ方法で使用することができる。従って、予め定義されたデータフレームはもはや必要ではなく、チャネルを通して送信されるランダムデータが代わりに使用される。
等化器の後のデータを1つの入力として、また検出器の後のデータを別の入力として使用することによって、適応更新アルゴリズムを設計することができる。それは等化器がチャネル逆数のモデルに向かって収束するような方向に、等化パラメータを小さなステップで修正する。図18はこのようなシステムのブロック線図を示す。周波数領域入力データは等化器に入り、等化パラメータ更新ユニットEQの出力が掛けられる。結果的に生じる信号Uは、検出器(量子化器)に送られ、その出力はYである。Yは次に記号デコーダに送られ、記号デコーダはデコードされたデータビットストリームを作り出す。UとYは等化パラメータ更新ユニットの入力及び分散推定器に送られる。分散推定器の出力はWである。
等化データ(U)と等化データ(Y)とを入力として使用して、等化パラメータ(EQ)を推定するための適応アルゴリズムは、以下の式によって説明される:
Figure 0004016126
式中、μは適応力学に影響を及ぼす正の定数(μ<<1)である。それより小さな値は大きな値よりゆっくりした適応を示すが、更に入力信号に妨害がある場合、より優れた頑丈さを提供する。
実装の点から、上記式に示された割り算部分は避けるべきである。式μ/|Uk|2は定数で置き換えるにはあまりに大きすぎる動的範囲を有する。しかし、この式を下記に示すような対数式で量子化することができる:
Figure 0004016126
上記式のベキ指数は、バイナリ優先エンコーダの入力としてUkの絶対値を使用し、その出力を無効にして得ることができる。この式は2の整数ベキであるので、アルゴリズム内の掛け算演算はバレルシフタを使用して実施される。
各々の搬送波に対する干渉の分散は、平均から2乗された偏差を積分するという標準方法を使用して推定される。この場合、各々の量子化された値Yは、このYに量子化されるデータ値Uの範囲に対する平均として使用される。この方法は記号エラー率が各データ値にとって正しい平均と連合するのに充分低いことを仮定する。しかしながら、異なる搬送波のために適当な配列が選択される場合、この条件が満たされる。
図18はこのシステムの一部としての分散推定器を示す。推定のために使用されるアルゴリズムは以下の式によって説明される:
Wk+1=(1-ε)/Wk+ε|Yk-uk|2
ここでは積分は指数関数的に加重された平均値算出フィルタによって置き換えられる。パラメータεはフィルタの動的特性に影響を及ぼす小さな正の定数(ε<<1)である。これは臨界パラメータではなく、2の整数ベキの中からεを選択することで充分であろう。
優れた分散推定値を与えるεの値が選択された場合、アルゴリズムは干渉レベルの突然の変化を検出することができないであろう。従って、分散推定器と並行して作業する別個のアルゴリズムがこのタスクのために必要かもしれない。
システムコントローラは等化パラメータを保持するメモリに対する読取り/書込みアクセスを有していなければならない。パラメータの初期化は始動時に必要である。パラメータがその最終値の充分近くに適応させた場合、パラメータのモニタリングも更に必要である。
チャネル分散メモリはシステムコントローラの読取り操作のために利用できなければならない。全てのゼロへのこのメモリの初期化をシステムリセットに接続することができる。
推定器の力学に影響するパラメータは、システムコントローラからの書込みのためにアクセス可能でなければならない。
ここで説明する方法は、チャネル及び干渉推定の両方のために、特殊な始動シーケンスを仮定する。通常の実行の間に、この方法はビットローディングの適当な選択に依存し、充分低い記号エラー速度を与える。
更新アルゴリズムに対する入力データは等化器を通過するので、始動シーケンスの開始時に、等化パラメータが単一の値に初期化されることが重要である。更新アルゴリズムはデータパスの変化を概算すること(スケーリング)に対して敏感である。
送信機におけるスケーリングの変化は受信機において補償されなければならない。これは受信機におけるアナログ入力利得制御の使用において特別な注意を要求する。
記号マッパー(エンコーダ)によって、多数のビットが搬送波の位相と振幅とを間接的に決定する複素数(I,Q)に割り振られる。特定のビット長の全ての値のマッピングは配列と呼ばれ、図19に図示されている。この検出は、逆関数であり、搬送上で送信されるビット値を複素数値から決定する。特定の搬送波で送られるビット数は、その搬送波用のビットローディング因数によって決定される。
特殊な配列の構成は、各ポイントを全ての他のポイントから可能な限り遠くへ動かすことができるようにすることを目指している。同時に、平均エネルギーは出来る限り低くあるべきである。別の制約は、マッピング及び検出ユニットが出来る限りシンプルでなければならないことである。しかしながら、どちらの配列を使用すべきかに関する決定は、記号マッピング及び検出ユニットのみならず、ビットローディングにも、またおそらく適応等化器にも影響を及ぼすであろう。
所定の搬送波に対して、エンコーダはbビット(vb-1,vb-2,...,v1,v2)に基づいて、正方形グリッドの配列から奇数整数ポイント(I,Q)を選択する。説明の便宜上、これらのbビットはバイナリ表示が(vb-1,vb-2,...,v1,v2)である整数ラベルで識別される。例えば、b=2の場合、4つの配列ポイントは(v1,v2)=(0,0)、(0,1)、(1,0)、(1,1)に対応して、各々0、2、1、3とラベル付けされる。
bの偶数値に対しては、配列ポイント(I,Q)の整数値I及びQが、以下のようにbビット(vb-1,vb-2,...,v1,v2)から決定される。VをVI=(vb-1,vb-3,...,v1)と、VQ=(vb-2,vb-4,...,v0)に分割する。次に逆交番2進コード(Gray Code)をVI及びVQに適用する。これはI=2Gray'(VI)+1と、Q=2Gray'(VQ)+1としてI及びQを産する。
図19はb=6と仮定した場合、Vのバイナリパターンを如何にしてI及びQに割り振るかを示している。
これらの値はIFFTに送られる前に、これらの数のmsbが出力のmsb(残された16-[b/2]ステップ)になるように、これらの値をシフトすることによって正規化される。
所定の搬送波に対して、デコーダは配列ポイント(I,Q)を使用してbビット(vb-1,vb-2,...,v1,v2)を決定する。説明の便宜上、これらのbビットは整数ラベルで識別され、それらのバイナリ表示は(vb-1,vb-2,...,v1,v2)である。
I及びQの値は飽和によって範囲(X,Y)に制限されると仮定する。Vを決定するために、値I=(i15,i14,...,i1,i0)、及びQ=(q15,q14,...,q1,q0)が交番2進コード化され、次にV=(gi15,gq15,gi14,gq14,...)としてVに組み合わされ、その場合上部bビットは無効である。
各々の搬送波が搬送するビット数は各々のSN比(SNR)に依存する。SN比は受信機において各搬送波のために計算される。SN比に基づいて、ビットローディング因数が各搬送波のために計算される。このように、各々の搬送波が送信された記号ごとに搬送すべきビット数が決定される。これらのビットローディング因数は初期のトレーニングセッションにおいて計算され、必要に応じて更新することができる。MUSICシステムは各搬送波に対して2次元の直交振幅変調(QAM)を使用し、ビットローディング因数は0から12ビットに変化する。
各搬送波で送信されるビット数は以下のように表わすことができる。:
Figure 0004016126
式中、Γ、SNRギャップは変調、可能なコーディング及びシステムマージンに依存し、Lはコーディングに必要な余分なビットによる配列膨張である。QAM配列及びある形態のコーディングを使用すると、以下のようになる:
Figure 0004016126
式中、Psは所望の記号エラー率であり、γdはシステム内のコーディングの利得であり、γmarginはシステムマージンである。システムマージンはモデル作成されない損失インパルスノイズ等を補償するために使用される因数である。式(1)は無限大の粒度を含むビットローディング因数を示している。ビットローディング因数は支持される因数(0から12ビット)を与えるためにまるめられる。
まるめ手順はDMTシステムの性能を低下させるであろう。エネルギー分布が変化し得る場合、各搬送波のためにエネルギーローディング因数を計算することができる。これはエネルギー整調の可能性を提供するので、式(1)はシステムによって支持されるビットローディング因数を結果的に生じる。整調は以下のように示される:
Figure 0004016126
しかしながら、これは搬送波エネルギー間に非常に大きな差を生じさせ得る。幾つかの異なるDMTシステムを備えた環境下では、異なるエネルギーがあまりにも大きく変化し得る場合、独特の効果が発生するかもしれない。このような環境下では、遠端漏話(FEXT)が重大に変化し、一部のDMTシステムがケーブルの容量の全てを得るかもしれない。これらの影響を防止するために、搬送波の少しの変化だけが許される。別の制限要素は各搬送波に許される最大エネルギーである。
ビットローディングアルゴリズムに対する入力データは、選ばれた周波数領域等化器に依存するであろう。適応DFEが使用される場合、SNRは下記の式(4)によって与えられる:
SNRi=Wi (4)
式中、Wiは上述の推定された干渉分散である。
各搬送波のために、ビットローディング因数及びエネルギーローディング因数が計算される。ビットローディング因数は3ビットで表示されてよいが、奇数のビットローディング因数用のシステムを同様に準備するために、4ビットが推奨される。エネルギーローディングに関しては、2n-1の可能な因数を与えるために、nビットが使用される。
ビットローディング因数及びエネルギーローディング因数の計算の実施は、図20に示すように4段階で為され得る。所定のビット速度に達するために、必要なSNRを計算することができ、システムマージンが調整されて、所望のビット速度に達する。図20に示したプロセスは以下のステップを含む。
- 第1に、式(4)を使用してSNRを計算する。
- 第2に、ビットローディング因数を表わす4ビットの各々に対して4回の比較を行う。しきい値はLとΓに依存し、予め計算することができる。最初の比較は、ビットローディング因数が7より大きいか否かを決定し、この比較結果がビットローディング因数を表わす4つのビットの最初のビットを制御し、更に次の比較のためのしきい値を制御する。同様に、この比較が第2のビットとその次の比較用のしきい値を制御する。4回の比較後、ビットローディング因数が明確になる。
- 第3のステップは、チャネルがより効率的に使用されるように、送信されたエネルギーに対してスケール因数を計算することである。エネルギーは式(3)に従って概算される。
- 最後に、スケール因数がnビットに量子化される。
一定のエネルギーローディングを備えたシステムを実装するために、最初の2つのステップだけが必要であることに注意すべきである。
エネルギーローディング及び記号マッピングにおける正規化のために実施されるシフティングにより、IFFT/FFTプロセッサに送られるスケーリング因数及びデスケーリング因数が決定される。
このように、各搬送波に適した配列(ビットローディング)を決めるために使われる方法は、通常、各搬送波のSNRの推定値と最大許容記号エラー率に基づいている。本発明の簡易方法は、全ての信号が、記号検出器(図4及び図5参照)の入出力で、同じスケールに正規化されるという事実を利用している。
各単一搬送波について、記号検出器は、特定の配列(ビットローディング)ポイント周辺範囲の入力信号をこのポイントの別な値、つまり検出器出力値に対応させる。入力信号値とこの別な出力値との偏差の分散は、搬送波に対する外乱の大きさで、SNRに比例する。
配列は、通常、複素数ドメインのポイントのパターンとして記述される。外乱がガウス分布を持つと仮定すると、入力信号値の確率密度は、それぞれの異なった配列ポイントに集中された回転対称ガウスベル型で表せる。ベルの形は分散により決まる。
ある配列(ビットローディング)に対する分散の上限は、最大許容記号エラー率により決まる。分散下限は、次に大きい配列の上限と等しくなる。
分散の平方根である標準偏差σは、各配列ポイントに集中した円で表せる。隣合ったポイント間の最短距離は、配列のパラメータである。特定の最大記号エラー率により、最小d/σ比が得られる。
ある搬送波に対する検出器入出力信号間の2乗した差の平均をとることにより、使用配列に関する2乗距離d2と同じ単位で表される分散σ2というを推定値が得られる。d/σの範囲限度も、d22として得られる。これらの限度は、所与の最大記号エラー率に対して一定になり、d2はある配列に対して固定パラメータとなる。これにより、多重搬送波伝送システムの他の部分での別なスケーリングと関係無く、特定の搬送波にどの配列を使うべきかを決める極めて簡単な方法が得られる。
よって、本発明によるビットローディング決定方法は、
− 多重搬送波伝送システムの信号スケーリングと別個に行われ、
− 記号エラー率が、検出器入出力信号を使用して推定できる分散と固定配列パラメータとの間の関係の関数であるという事実を利用している。
チャネルコーディングの目的は、ビットエラー率を低下させることである。使用すべきコーディングのタイプは、エラーパターン特性に依存する。予想されるエラー源としては、(ランダムビットエラーを誘発する)ランダムノイズ、(エラーバーストを誘発する)インパルスノイズ、及び(エラーバーストを誘発する)クリッピングが挙げられる。
インパルスノイズによって引き起こされるエラーは基本的に搬送波ごとに1つのビットあるいは2つのビットに影響を及ぼすであろう。1搬送波に関する1ビットエラーの可能性は、2ビットエラーの可能性より常に高く、2ビットエラーの可能性は3ビットエラーの可能性より高い、等々である。これは記号内のビットがコード化される方法(つまり交番2進コーディング)に依存する。
コードワード及び/もしくはインターリービングブロック用のスタートビットを決定するために、全てのコーディングが同期化に依存する。MUSICモデム等のシステムでは、フレーム同期化の損失あるいはビットローディング調整不良をなくデータフロースリップが決して発生しないので、簡単な推測位置決定法(deadreckoning)で充分であろう。これらのエラーは部分的あるいは完全なシステム再始動を必要とするであろう。
更に、チャネルコーディングはバーストエラーを修正する可能性を増大させるために、インターリービングを含むであろう。
インターリービングは最適の作業を得るために、出来る限り深くするべきである。深さに関する制限要素はシステムに導入される時間遅延である。
時間及び周波数インターリービング間の差はあまり重要ではない。なぜなら、コーディング及びインターリービング機能はフレーム境界に敏感ではないからである。
リード-ソロモンコードは基本的に、いわゆる記号と呼ばれる、少数のビット(通常8ビット)に関するバーストエラー修正であるという欠点を有する。インパルスノイズからのバーストエラーはある記号内の1ビットエラーをほとんど導入するであろう。リード-ソロモンコードの利点を活用するために、ほとんどのエラーになりやすいビットを1つまたは2〜3のリード-ソロモン記号に集中させなければならない。
システムマージンはそれ自体、一種のコーディングであり、各搬送波のマージンを記号の冗長として使用する。この記号ごとの冗長は共有される冗長に変換すべきであり、それはバーストエラーを処理するために多数の記号によって使用され得る。これが強要する高いコーディング速度は、幾つかのタイプのたたみこみコードによって使用することができる。
従って、ソフトな情報と組み合わされたたたみこみコードの使用は、MUSICチャネル特性を備えたシステムにとって最適の解決策である。
たたみこみコードはインターリービングと組み合わせるべきである。残りのビットエラーを検出/修正するために、トップレベルのリード-ソロモンコード、あるいは別のバーストエラー修正コード、例えばファイヤコードを使用することができる。これらのエラーがたたみこみコードのデコーディング結果として現われるので、これは特に有用である。
システムコントローラはマイクロコントローラ、あるいは信号プロセッサに基づき、容量の要件に依存する。MUSICシステムに対しては、プロセッサを外部に置くことができる。システムコントローラと、モデムを構成する異なるASICとを接続するために、PCI-バスインターフェイスが使用される。システムコントローラの操作は、システムコントローラとFFTチップとの間、データマッピングチップと検出チップとの間、及びコーディングチップとデコーディングチップとの間のPCIバスを通した相互作用パスを示す図21に概略的に示されている。システムコントローラが果たす機能は以下の通りである:
- 制御チャネル信号の処理;
- ビットローディング因数とエネルギーローディング因数の計算;
- システムパラメータの実時間更新;及び
- システム管理
ここで説明するモデムと共に使用されるシステムコントローラは、プログラム可能であり、オンボードJTAGインターフェイスを通してアクセス可能である。
図22に示すように、ここで説明するモデムを使用したモデム接続において、2つのデータパスは同じ物理的銅ケーブル上で互いに無関係に作用動、ネットワーク側のネットワークユニット(NU)、ユーザ側のネットワークターミナル(NT)において終了する。送信機Tx及び受信機Rxの両方がシステムコントローラによって制御される。
システムコントローラは、始動後、ビットローディング因数とエネルギーローディング因数を計算し、更新する。この更新は送信側と受信側の両方で、同じフレームから開始して、同時に行わなければならない。
受信側で計算が行われ、更新が開始される。BSIクロックと組み合わされた制御チャネルが使用て、更新の同期化が保証される。
更に、システムコントローラはシステムを管理する。システムの故障の表示には、制御チャネルがエラー、またはチャネルデコーディングユニットからあまりに多くのエラーを受信したことを示し始めることが含まれる。システムコントローラは異なるレベルで、例えば、「アイドルモード」に戻る、あるいは完全な始動等の、再始動を開始することができる。
制御チャネルは2つのモデム間の信号発信のためにのみ使用される選択された搬送波である。搬送波上の配列は初期には4QAMであり、データ速度はほぼ16kBit/sである。、ビットローディングを別の配列に変更して、データ速度を増大させてもよい。
制御チャネルのプロトコルは物理的層のHDLCに部分的に基づいている。これはメッセージが「フラグシーケンス」と「ビットスタッフィング」の使用により、多数のオクテットとして圧縮されることを意味する。16ビットの「フレームチェックシーケンス」が全てのメッセージが正しく受信されることを保証する。
「フラグシーケンス」、「ビットスタッフィング」及び「フレームチェックシーケンス」は、ハードウエア内のマッピングチップ及び検出チップにおいて、処理される。メッセージの内容はシステムコントローラによって処理される。
マッピングチップ及び検出チップのバッファのサイズに起因して、最大のメッセージ長は64オクテットに制限される。
高レベルのプロトコルは部分的に、CCITT Q.921の勧告に基づくことができる。
MUSICモデムSCでは、幾つかの異なるベクトルが管理され、これらは図23に概略的に示されている。
送信機部分のために、ビットローディングベクトルとエネルギースケーリングベクトルとがある。受信機側ではそれに対応して、ビットローディングベクトル、デスケーリングベクトル、及び等化ベクトルがある。
前述のように、パイロット搬送波は特殊なパターンを送信・検出することによって、送信機/受信機の同期化を伝える。このクロックはシステムによって使用されて、送信機ベクトルと受信機ベクトル内の変動を同期化させる。
パイロット同期化パターン間の時間はベース同期化間隔(BSI)と呼ばれ、図24に示すように、システム応答時間によって決定される。
このBSIはハードウエアに依存する。応答時間は常に同じであるので、その長さは変更されないであろう。
システムが立ち上がっており、作動中である場合、ベース同期化間隔アップリンク(BSI-U)及びベース同期化間隔ダウンリンク(BSI-D)によって、アップリンク送信機と受信機との間に同期化が存在するであろう。図25を参照。これらのBSIは正確に同じ長さのものであるが、BSI間隔の半分だけシフトされる。
NUあるいはNTにおけるSCは、BSI-U及びBSI-Dに対する割込みを受信するであろう。
NUに対しては、送信BSI-D割込みと、受信BSI-U割込みがあるであろう。BSI-UをBSI/2だけシフトすることによって、SCの荷重はBSI期間に亘ってうまく分散されるであろう。
ビットローディングベクトルはシステムに各搬送波用の変調パターンを供給する。これはエラーの無い接続を提供するための、送信機側と受信機側で正確に同時に保持し、更新する必要があるベクトルである。BSIを使用して、ベクトルは受信機側と送信機側で同期的に変更される。
各搬送波に対して使用されるビットローディング因数、配列は、マッピングチップと検出チップに対する受信用の2つのメモリと送信用の2つのメモリによって処理される。4つのメモリの各々は各搬送波用に4ビットワード(1024×4)を内含する。
システムコントローラは次にBSI間隔からの開始後に、メモリのどれを送信用に使用し、どれを受信用に使用するかを指示する。
ビットローディング因数は0から12までの値を持つことができ、0は未使用の搬送波を示し、1から12は配列内のビット数を示す(例えば、4QAM用に2、16QAM用に4、1024QAM用に10)。
エネルギーベクトルは搬送波がエネルギー内でどのようにスケール/デスケールされるかに関する情報を保持する。これは同期的に更新される必要があるベクトルであり、そうでなければ、ゆがめられたチャネル推定値及びビットエラーを発生させるであろう。スケーリングベクトルは取り消された搬送波用のマスクとしても使用される。
送信側での異なる搬送波のスケーリングは、FFTチップ上のメモリエリアによって処理される。メモリは各搬送波ごとに1つの16ビットワード(1024×16)から構成される。周波数領域において、各搬送波用のベクトルをこれらの値に掛ける(IとQに別個に値を掛ける)。
同期的更新を保証するためにメモリを倍にする。システムコントローラは次のBSI間隔の開始から2つのメモリのうちどちらを使用するかを指示する。
記号検出前に搬送波をリスケールするために、対応する(二倍にされた)メモリが受信側に実装される。これらのメモリが各搬送波用の複素数値(32ビット/搬送波)を含む場合、I値のみがリスケーリングのために使用される。
スケーリング因数とリスケーリング因数は0.5から2.0までの値を有する。値0は搬送波取り消しのために使用される。
等化ベクトルはチャネル特性に従って受信したフレームを等化するために使用される。チャネル推定値は受信機によって計算されるので、このベクトルは、他方の側とは無関係に、周期的に更新される。
搬送波の特殊な送信特徴に応じて、搬送波に以下のモードの1つが指定される:
- 通常の搬送波-この搬送波は計算されたビットローディング値に相応してデータを送信し、送信機でスケールされ、受信機でデスケールされる;
- 取り消された搬送波-この周波数では如何なるエネルギーも送信されず、従ってスケーリングベクトルはゼロに設定される;あるいは
- 不良搬送波-SNRが低すぎて如何なるデータも送信できない。従って、ビットローディングはゼロに設定される。
搬送波モード1(CM1)の場合、システムは通常通りに作動する。受信機はチャネルを絶えず推定する。各々の新しい推定値のために等化変更が行われる。その特徴を使用して、SCは最適のビットローディング因数を計算する。この値は、CCHを使用して送信機に送られ、同期的変更が行われる。
搬送波モード2(CM2)の場合、エネルギーがスケール/デスケールされた値がゼロに設定され、如何なる出力/入力エネルギーも不許可にする。ビットローディングベクトル値もゼロに設定され、搬送波が不許可にされたことを示す。この搬送波に対しては、如何なるチャネル推定値も得られない。
搬送波モード3(CM3)の場合、受信機はビットローディング因数に対してゼロを算出している。これは、送信機側では如何なるデータも送信でず、受信機側では如何なるチャネル推定も行えないことを意味する。これを避けるために、同期化(sync)フレームから対応する搬送波値が送られ、受信機側でチャネル推定を実施できるようにする。出力電力を低下させるために、スケーリング/デスケーリング値を使用することができる。搬送波モードは表4に要約されている。
システム始動シーケンス、つまり、コールド/ウォームブート用の基本的な機能性を現在考慮中である。
初めにシステムはNU、NTの一端または両端で電力が切られると考えられている。これは停電によって電力が失われた場合、あるいはユーザがNT設備のプラグを抜いた場合に発生する。始動に関して主に考慮すべき事項は、接続機能の他に、近くのケーブルで動かされている他のモデムに対する干渉レベルを最低にすることである。
本システムによって使用される様々なフレームタイプについて考慮する。
1.同期化フレームがチャネル推定のために使用される。このフレームは全ての搬送波用の固定変調パターンを保持し、それによって簡単なチャネル推定を可能にする。変調パターンをランダムシーケンスによって説明することによって、フレーム内部の相互相関が低く保持され、同期化のために使用されるフレーム相関が改善される。
2.データフレーム1(DF1)は、制御チャネル(CCH)を並列して送信する4つの予め定義される搬送波を除き、全ての搬送波でランダムデータを搬送する。データフレーム1はCCH搬送波がまだ決定されていない場合に始動時に使用され、受信機が最も妨害されていない搬送波を選択できるようにし、それによってCCH接続を保証する。
3.データフレーム2(DF2)は制御チャネル(CCH)を支える1つの搬送波を除き、全ての搬送波でランダムデータを搬送する。データフレーム2は、CCH搬送波が決定されており、ビットローディング因数がまだ設定されていない場合に使用される。
4.データフレーム3(DF3)はデータを搬送し、ビットローディング機能性を利用して、帯域幅を最大にする。1つの搬送波が常に制御チャネル(CCH)専用に指定される。
システムは始動時及びアイドルモードの時に、始動シーケンス(SUS)と呼ばれる、図26に示した特殊なフレームシーケンスを使用する。
SUSは、しかるべくSUS1及びSUS2と呼ばれる、異なるデータフレーム、DF1及びDF2を使用することによって構成することができる。SUSフレームシーケンスでは、同期化フレームがチャネル推定のために使用される。
始動後、図27に示すように、同期化フレームはデータフレームで置き換えられ、チャネル推定プロセスは同期化フレームの使用から、データフレームの使用に切り替える。このシーケンス用のデータフレームタイプはDF3である。
システム開始時には、モデムのNU、NTいずれの側も銅ペアケーブルでエネルギーを送信していない。この状態では、各々の側用のデフォルト設定が受信機を動かし、送信機を無作動状態にとどめる。
各々の側の受信機は、フレーム開始を検出するためにフレーム相関を実行しようとする。この相関はしきい値機能を通して行われ、他方の側が送信を開始した時、受信機に明確な指示を与える。ウェイクアップ信号として作用するのはこの指示である。
ウェイクアップ信号はNT側でのみ使用される。始動の決定がNU側でなされた場合、システムは後述する「セットアップシーケンス」へと直接進む。
「セットアップシーケンス」への移行が検出されない場合、始動手順のこの部分はタイムアウトにされる。
基本モデムのウェイクアップ信号が図28に示されている。初期には、両方のモデムがフレーム相関をサーチしている。図28の右側の一方のモデムが、SUS1の形態でウェイクアップ信号を送信する。他方のモデムがフレーム相関を検出し、後述のセットアップシーケンスを開始させる。
ウェイクアップ状態が過ぎると、ネットワーク側(NU)は「セットアップシーケンス」を始動させる。
次に、セットアップシーケンスについて考慮する。このセットアップシーケンスは、ネットワーク側がウェイクアップ信号を検出したか、あるいはネットワークがセットアップを始動させた後で開始する。
セットアップシーケンスの最初のステップが図29に示されている。この段階では、NUがSUS1パターンを送り始める。NUはタイミングアドバンス(TA)設定を繰り返し送信する。TA=ゼロ、CCHでメッセージ送信。システム内のマスタークロックは現在NU送信フレーム及びサンプルクロックである。パイロットが連続的に送信される。
NT受信機側は、フレーム相関をサーチし、フレームを検出し、フレームとサンプルクロックを検索することができる。次に、現在の同期化フレーム速度で、正確な推定値を300msec以内に計算するチャネル推定を開始する。この推定を使用して、受信機は予め定義されているCCH搬送波をポーリングし始め、メッセージの受信と同時に、この搬送波をCCHのために選択する。NT送信機が次にローカルタイミングのためにTA=0で開始し、受信された各TAセレクションメッセージに対してCCH搬送波でack(受信確認)を送り、受信したTA値を繰り返す。更に、SC荷重が経時的に分散されるように、入ってくるパイロット搬送波から出ていくパイロット搬送波をBSI/2だけシフトする。NUがフレーム相関を検出した時、セットアップシーケンスのステップ2への移行が行われる。
このように、ネットワークユニットモデムにおいて、セットアップシーケンスのステップ1が送信機によって開始され、周期的間隔でTA=0で、SUS1及びTAメッセージを送信する。この受信と同時に、ターミナルモデムの受信機は:
- フレーム相関を実施し、フレームクロックを検索する;
- FFT処理を開始する;
- パイロットデコーディングを許可する;
- BSIを検索する;
- チャネル推定を許可する;
- CCHを選択する;及び
- TAセレクションメッセージをデコードする。
ターミナルユニット内の送信機が次にack、SUS1、TA=0メッセージ、及びBSI/2だけシフトされたパイロット搬送波を送信する。ネットワークユニットの受信機はフレーム相関を待つ。
セットアップシーケンスのステップ2(図30を参照)は、NU側でタイミングアドバンス値(TA)の計算を開始する。CCHメッセージは新しい、修正されたTA値に変更される。
NT側が新しいTA値を受信すると、新しいTA値で、全てのTAセレクションメッセージのために、ローカルタイミングを変更し、ackメッセージを送り続ける。
フレームクロックを変更するNT送信機に起因して、NUの受信機側ではフレームクロックが失われ、ユニットは再相関を必要とする。フレームクロックが検索された後、CCHがデコードされ、新しいTA値を含むackの検出と同時に、システムはTAメッセージを終了し、セットアップシーケンスの第3のステップに進む。
このように、セットアップシーケンスのステップ2はネットワークユニットNU内の送信機で開始し、ターミナル送信機から送信されたSUS1及びTA=0メッセージに答えて、正しいTA、例えばXを含むTAメッセージを、SUS1と共に送信する。ターミナルユニットNTは:
- 新しいTAメッセージを受け取る;
- 出ていくフレームクロックを修正する;及び
- SUS1及びTA=Xのackを送信する。
ネットワークユニットNUは:
- フレーム相関を実行する;
- フレームクロックを検索する;
- FFT処理を開始する;
- パイロットデコーディングを許可する;
- BSIを検索する;
- チャネル推定を許可する;
- CCHを選択する;及び
- メッセージをデコードする。
最後のセットアップシーケンス、ステップ3(図31を参照)は、アップリンク及びダウンリンク用のCCH選択を処理する。アップリンク用に、NU受信機は最も適当な搬送波を選択しており、このセレクションを含むCCHメッセージをNT側に送る。ackを受信するまでメッセージを繰り返し送り続ける。
NT側では、受信機はCCHメッセージをデコードし、SUS1を終了し、SUS2を送信する、つまり、並列CCH送信を終了し、選択された搬送波でCCHのみを送信する。
次にアップリンクCCH搬送波が設定される。ダウンリンク用に、同じステップが並列して実施され、最初のCCHセレクションメッセージをNUから受信した後、NT側を通して開始される。
このように、ステップ3では、ネットワークユニットは:
- アップリンク用に選択されたCCHを送信する;
- ackを待つ;及び
- CCHメッセージを終了する。
ターミナルユニットは:
- アップリンク用のCCHセレクションを受信する;
- SUS1を終了する;
- SUS2を開始する;及び
- 各CCHセレクションの受信確認(ack)をする。
ネットワークユニットは次に:
- ダウンリンク用の選択されたCCHを受信する;
- SUS1を終了する;
- SUS2を開始する;及び
- 各CCHセレクションの受信確認(ack)をする。
ターミナルユニットは:
- ダウンリンク用のCCHセレクションを送信する;
- ackを待つ;及び
- CCHメッセージを終了する。
これらのステップが実施された時、モデムはアイドルモードに達し、SUS2を送る。次に、CCHを使用して、チャネル特徴に従ってビットローディング因数を変更することができ、DAS送信が開始される。
VDSLモデムはモデムの物理的な位置に応じて、つまりアクセスノード構内において、あるいは加入者構内において、異なるネットワーク成分をつなぐことができる。加入者構内では、VDSLモデムはアクティブなネットワーク終了設備をつなぐことができる。アクセスノードでは、VDSLモデムはアクセス特有のインターフェイスをつなぐ。アクセス特有のインターフェイスはVDSLモデムをつなぐネットワーク成分の論理図を示す図32を参照。
VDSLモデムはネットワーク終了設備と物理的に統合されてもよく、アクセスノードにおいて、VDSLモデムは物理的に、アクセスノードが置かれるキャビネット内に置かれてもよい。
NT(インターフェイスA1)及びアクセスノード(インターフェイスA2)はVDSLモデムからレイヤ1フレームフォーマットを要求する。フレームヘッダ及びペイロードは別として、レイヤ1フレームに統合されるのは、管理・制御情報用の多数の情報フィールドである。これらの管理・制御フィールドはSDHアラーム等の異なるアラーム指示器、例えば性能モニタリング用の(加入者構内に至るまでSDHが取られた場合にのみ有効である)AISビットエラー率測定、同期化が不良であるとか、あるいは失われたことの指示、あるいは電力ロス及び高温等に対する設備処理アラーム等を含む。更に、管理フィールドは操作及び保守目的のために、モデムに対する異なるループテスト用の賦活を含む。
Figure 0004016126
Figure 0004016126
Figure 0004016126
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Claims (23)

  1. 直交搬送波を高次のQAM配列とともに使用して、1搬送波及び記号当たり複数のビットを伝送する多重搬送波伝送システムであって、前記システムは、デジタル受信器及び送信機ユニットを持ち、前記受信機ユニットは記号検出器を有するシステムにおいて、前記システムは各単一の搬送波に対するパラメータを決めるようになっており、前記パラメータは前記QAM配列の対応する配列ポイントからの受信信号の偏差を示しており、前記パラメータを上下限と比較し、前記パラメータが限度外である場合には、搬送波を変調するため使用している配列を隣の配列に変更することを特徴とするシステム。
  2. 上記記号検出器が搬送波のパラメータを決定するために用いられることを特徴とする請求項1に記載の多重搬送波伝送システム。
  3. 上記パラメータが、比d2/σ2であり、ここで、dは隣り合った配列間の最短距離であり、σは標準偏差であり、σ2は前記記号検出器の前記入出力信号値の偏差の分散であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多重搬送波伝送システム。
  4. 上記記号検出器が、前記QAM配列の特定の配列ポイント周辺の範囲内で、そこで与えられる入力信号を、前記記号検出器の出力値であるこの点の別な値に対応させ、搬送波の入出力信号間の差を測定し、この差は、2乗して、平均されて、σ2の推定値を与えることを特徴とする請求項3に記載の多重搬送波伝送システム。
  5. σ2が、搬送波変調のために使用される配列に対する2乗距離d2と同じ単位で表されることを特徴とする請求項4に記載の多重搬送波伝送システム。
  6. 記号検出器の入出力信号値間の差の値が変動し、その分散が搬送波に対する外乱の大きさで、SNRに正比例することを特徴とする請求項4又は5に記載の多重搬送波伝送システム。
  7. 上記分散がSNRに比例することを特徴とする請求項6に記載の多重搬送波伝送システム。
  8. 特定の配列に対する上記分散の上限が最大許容記号エラー率によって決定され、前記分散の下限が次に大きい配列の上限に等しいことを特徴とする請求項6または7に記載の多重搬送波伝送システム。
  9. 特定の最大記号エラー率により最小d/σ比が得られることを特徴とする請求項8に記載の多重搬送波伝送システム。
  10. 上記システムがDMTシステムであることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の多重搬送波伝送システム。
  11. 上記システムがDMTベースのVDSLシステムであることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の多重搬送波伝送システム。
  12. 直交搬送波を高次のQAM配列とともに使用して、1搬送波及び記号当たり複数のビットを伝送する多重搬送波伝送システムで、デジタル受信機及び送信機ユニットを含み、その受信器ユニットが記号検出器を有するシステムにおいて、各単一搬送波の配列(ビットローディング)を決める方法であって、各単一搬送波のパラメータを決定するステップがあり、そのパラメータは前記QAM配列の対応する配列ポイントからの受信信号の偏差を表わし、パラメータを上下限と比較して、パラメータが限度外の場合には、その搬送波に対する配列を隣の配列に変更することを特徴とする方法。
  13. 各単一搬送波に対するパラメータが上記記号検出器により影響されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. パラメータが、比d2/σ2であり、ここで、dは隣り合った配列間の最短距離であり、σは標準偏差であり、σ2は記号検出器の入出力信号値の偏差の分散であることを特徴とする請求項12又は13に記載の方法。
  15. 搬送波のパラメータ決定において、記号検出器への入力信号を、前記QAM配列の特定の配列ポイント周辺の範囲内で、前記記号検出器の出力値であるこの点の別な値に対応させ、しかも搬送波に対する記号検出器の入出力信号間の差を測定して、この差を、2乗して、平均してσ2の推定値を得ることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. σ2が、搬送波変調のために使用される配列に対する2乗距離d2と同じ単位で表されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 前記記号検出器の入出力信号値間の差の値が分散し、その分散が搬送波に対する外乱の大きさであり、SNRに正比例することを特徴とする請求項15又は16に記載の方法。
  18. 上記分散がSNRに比例することを特徴とする請求項17に記載の方法。
  19. 特定の配列に対する上記分散の上限が最大許容記号エラー率によって決定され、上記分散の下限が次に大きい配列の上限に等しいことを特徴とする請求項17又は18に記載の方法。
  20. 特定の最大記号エラー率によって最小d/σ比が得られることを特徴とする請求項19に記載の方法。
  21. 上記システムがDMTシステムであることを特徴とする請求項12〜20のいずれかに記載の方法。
  22. 上記システムがDMTベースのVDSLシステムであることを特徴とする請求項12〜21のいずれかに記載の方法。
  23. 直交搬送波を高次のQAM配列とともに使用して、1搬送波及び記号当たり複数のビットを伝送する多重搬送波伝送システムであって、前記システムはデジタル受信機及び送信機ユニットを含み、前記受信器ユニットは記号検出器を有しており、各単一搬送波の配列(ビットローディング)を決めるために請求項12〜22のいずれかに記載の方法を用いることを特徴とするシステム。
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