JP3768407B2 - 焼結装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼結装置に係り、特に、炉内で発生するガスからの悪影響を取り除くのに好適なものに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5に従来の焼結装置の一構成例を示している。同図に示す焼結装置50は、ワークWを搬送するため、ベルト車61,62およびベルトコンベア63からなる搬送機構60と、その搬送機構60の搬送路上に設置された炉本体51とを備えて構成されている。
炉本体51の上下部には上部ヒータ52および下部ヒータ53がそれぞれ設置され、その炉内が焼結温度となるように加熱している。
【0003】
そして、上部ヒータ52および下部ヒータ53によって焼結温度に加熱された状態にあるとき、搬送機構60のベルトコンベア63が矢印a方向に駆動されると、ベルトコンベア63上のワークWが入口51aから炉本体51内に入り、かつ炉本体51aの内部で所定温度に加熱されることによって焼結され、出口51bから搬出されるようになっている。
【0004】
また、炉本体51には排気管54が配設されている。排気管54は、炉本体51の長さ方向に沿って複数配設されており、ワークWの主剤とバインダーとを混合してペースト状にしたものが炉本体51内で過熱されると、バインダーに含まれた有機溶剤が発散することから、その有機溶剤のガスを炉本体51から外部に排出するようにしている。なお、バインダーは、有機溶剤と結合材とで構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の焼結装置50は、排気管54により、炉本体51内でワークWから発生したバインダー中の有機溶剤のガスを外部に排出するようにしている。
しかしながら、バインダー中の有機溶剤がガスとして発生すると、バインダー中に含まれる結合材の微粒子も一緒に排出されてしまう。そのため、結合材の微粒子が排気管54の内壁に付着し、かつ堆積してしまう。この不具合は、排気管54が十分加熱していないと、結合材の微粒子が凝固しやすくなるので、特に著しく起こっていた。しかも、排気管54の内壁に微粒子が付着すると、その微粒子が剥がれて落下し、それが炉本体内のワークWに降りかかってしまうので、ワークWに焼け班が生じるばかりでなく、ワークWの性能が不均一になる結果、品質低下をきたすという問題があった。
【0006】
また、炉本体51が搬送機構60のベルトコンベア63に沿った長いものであって、かつ炉本体51の長さ方向に沿って複数の排気管54が配設されているので、微粒子を除去するために排気管54を清掃しようとすると、多くの労力および時間がかかり、またその間、装置を停止させなければならないので、稼働率が低下するという問題もあった。
【0007】
さらに、排気管54が炉本体51の長さ方向に沿い配設されているので、炉本体51の入口51aのみならず、出口51bからも炉内に外気が流入してしまい、炉内温度が低下するおそれがあるばかりでなく、不均一となる問題もあった。
【0008】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、ワークに焼け班や性能の不均一が生じるのを防止してワークの品質を確実に高めることができ、また簡単に清掃することができ、さらに、炉内温度の低下および不均一を防止することもできる焼結装置およびガス雰囲気炉装置を提供するのを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明においては、以下の手段を採用した。
即ち、請求項1にかかる焼結装置は、
ワークの搬送機構と、その搬送機構の搬送経路に設置され、内部を加熱する昇温手段を有する炉本体と、上記炉本体外部の入口付近と内部とに亘って設けられ前記炉本体内に発生したガスを外部に排気する排気エキストラクタとを備えてなり、
前記排気エキストラクタは、
前記炉本体内の前記ワークの上方に配設され前記炉本体内に雰囲気ガスを供給するガス供給管と、
前記炉本体内入口側の前記ワークの上方に横設され、前記炉本体内に発生したガスの吸引が実行される吸引管と、
前記吸引管の基部に接続され、かつ前記炉本体外部の入口付近に設置されたダクトと、
前記ダクトを介し前記吸引管から前記ガスを吸引する吸引装置と、を有し、
前記排気エキストラクタは、前記炉本体外部の入口付近から前記炉本体内で温度が急激に上昇する付近との間に配置され、
前記吸引管は、前記炉本体内の入口側に、互いに長さを違えて配設された複数本からなり、前記炉本体内の上部の入口側に架装された支持板に複数本横設され、
前記ガス供給管は、吐出口を、吸引管の吸引口側に向けて形成されていることを特徴とする。
請求項2にかかる焼結装置は、請求項1において、前記ダクトは、前記吸引管より流入した前記ガスの流速を下げるよう、前記吸引管の断面積より大きい容積を有する形状をなして前記ガス中の微粒子が沈降可能になっていると共に、清掃扉を開閉可能に装着していることを特徴とする。
請求項3にかかる焼結装置は、請求項1または2において、エジェクタ作用によって前記ダクト内に負圧を発生させるエジェクタポンプからなることを特徴とする。
請求項4にかかる焼結装置は、請求項1〜3において、前記吸引管の吸引口は、前記炉本体内の炉幅と略同等の大きさをなしていることを特徴とする。
請求項5にかかる焼結装置は、請求項4において、前記ガス供給管の吐出口は、前記吸引管の吸引口の幅と同等の幅をなしていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。図1〜図3は本発明による焼結装置の一実施形態を示し、図1はその全体図、図2は炉本体内の位置と温度との関係を示す説明図、図3は排気エキストラクタを示す構成図である。
図1に示すように、本実施形態の焼結装置1は、ワークWを搬送する搬送機構2と、搬送機構2の搬送経路上に設置された炉本体6とを備えて構成されている。
【0011】
搬送機構2は、ベルト車3,4と、その両ベルト車3,4間に掛け渡されたベルトコンベア5とを有し、ベルトコンベア5の上流部にワークWが供給されたとき、ベルト車3,4の回転によってベルトコンベア5が矢印a方向に駆動されることにより、ワークWを下流側に搬送できるようになっている。そのため、一方のベルト車3,4が図示しない駆動源と連結されているが、これに限らず、双方が駆動源と連結されて同期回転するように構成してもよい。
【0012】
炉本体6は、その上下部にそれぞれ配設された上部ヒータ7および下部ヒータ8を有している。上部ヒータ7および下部ヒータ8は、炉本体6内を所望温度に加熱するためのものである。なお、下部ヒータ8は、炉本体6の下部に設けられ、その熱が炉本体6の底壁およびベルトコンベア5を介し、該ベルトコンベア5上のワークWに効率的に伝わるようになっている。そのため、ベルトコンベア5は、通常では金網で構成されているが、例えば線材をメッシュ状に形成したもので構成してもよい。このような炉本体6は、図示していないが、断熱材からなるカバーで覆われている。
【0013】
そして、炉本体6が焼結に必要なガス雰囲気にあって、かつ上部ヒータ7,下部ヒータ8によって加熱されているとき、ベルトコンベア5が駆動されると、ベルトコンベア5上のワークWが入口6aから炉本体6内に搬入され、内部を通過しながら焼結されて出口6bより搬出されるようになっている。ワークWは、炉本体6の通過時、所定の温度で加熱されることによって焼結される。
【0014】
ここで、本実施形態で取り扱うワークWについて述べると、コンデンサ,抵抗,インダクタ等のような電気部品の端面端子、或いはフェライトなどからなっている。端面端子を焼結する場合には、予め、その端面端子の主材である銅粉末と、結合材および有機溶剤からなるバインダーとがペースト状に混合され、その混合されたペースト状のものが炉本体6で所定温度で過熱されることにより焼結できるようになっている。
なお、フェライト焼結の場合には、予めフェライト粉末とバインダーとで混合した後、目的の磁性体に成形したものが炉本体6で加熱されることにより焼結できるようになっている。
【0015】
ところで、ワークWの内部の温度を搬送方向に測定すると、炉本体6の入口側と、中央側と出口側とで図2に示すように異なっている。即ち、ワークW内の温度は、図2に曲線Aにて示すように、入口6aが最も低く、そこから次第に上昇した後、点Pから急激に上昇して最高温度付近に達してその温度領域がしばらく続いた後、出口6b付近から外気の影響で急激に降下している。つまり、入口寄りの位置にある点Pの前までは、ワークWのバインダー中に含まれている有機溶剤が加熱によって発散し潜熱をとられるため昇温が緩くなっているが、点Pでは完全に有機溶剤が排出されるため昇温が急激となり、したがって、ここから炉内の下流側では有機溶剤が発散することがない。
【0016】
そこで、この焼結装置1においては、炉本体6の入口側に排気エキストラクタ10が設置され、この排気エキストラクタ10が炉本体6の内部の入口側で発生した有機溶剤のガスを吸引することにより、有機溶剤のガスに含まれている結合材の微粒子を、炉長の初期の段階で吸引するようにしている。
【0017】
この排気エキストラクタ10は、吸引管11と、吸引管11の基部に接続されたダクト14と、ダクト14および吸引管11に吸引力を発生させる吸引装置15とを有している。
【0018】
吸引管11は、炉本体6内の上部の入口側に架装された支持板13に、互いに長さを違えて複数本横設され、各々の先端部に下方に開口された吸引口12が設けられている。この場合、各吸引管11は、炉本体6内において入口側の範囲内で互いに長さを違えて配置され、しかも炉本体6内の炉幅と略同等の大きさをもつ形状をなしている。ダクト14は、吸引管11の基部に接続されると共に、炉本体6の入口6aの外部に垂直方向に沿って配置されている。
【0019】
吸引装置15は、図3に示すように、全体的に筒状をなしており、その下部外周に外側から次第に上部内方に向かうように形成されたエア供給口15aを有すると共に、そのエア供給口15aから内部に至るに従い次第に開口形状を狭めたノズル部15bを有し、さらにノズル部15bより上部にエア供給口15aおよびダクト14と連絡すると共に、外気と連絡する排気口15cを有している。
【0020】
この吸引装置15は、エア供給口15aに対し、例えばコンプレッサなどのエア供給源から矢印bのように圧縮エアが供給されると、その圧縮エアがノズル部15bにて絞られ、圧縮されて排気口15c側に矢印cのように送られることにより、エジェクタ作用が発生してダクト14内に負圧が生じ、その負圧力で吸引管11の吸引口12から、炉本体6内で発生した有機溶剤のガスを高速に取り込み、かつ排気口15cの外部に排出させるようになっており、いわゆるジェットポンプを構成している。
なお、コンプレッサの代わりとして、送風機であってもよく、要は、圧縮空気を供給することにより、ジェットポンプとして所望の負圧力が得られればよい。
【0021】
その場合、吸引管11の吸引口12から有機溶剤のガスを高速で取り込んだ後、その取り込んだガスが吸引管11からダクト14を流通しているとき、ガスに含まれている結合材の微粒子がダクト14内に沈降し、かつ堆積できるようにダクト14が形成されている。即ち、ダクト14は、吸引管11より大きな容積をなしており、吸引管11によって吸引された有機溶剤のガスが流入したとき、そのガスの流速を遅くさせることにより、ガスに含まれている結合材の微粒子がダクト14内の底部に沈降し、かつ堆積物20として堆積するようになっている。なお、ダクト14にエジェクタ作用を発生させる圧縮エアの圧力としては、ダクト14及び吸引管11等の大きさによって適宜選定されている。
【0022】
さらに、ダクト14の下部には図3に示すように、清掃扉16がヒンジ等を介して開閉可能に取り付けられている。清掃扉16は、開けることにより、ダクト14内に堆積している堆積物20を除去できるようになっている。
【0023】
またさらに、排気エキストラクタ10は、炉本体6にガスを送り込むガス供給管17を有している。このガス供給管17は、吸引管11と同様、炉本体6内の上部に架装された支持板13に取り付けられ、その先端部に装着された吐出口18を有している。そして、吸引管11によって有機溶剤のガスと共に焼結に必要な雰囲気ガスが吸引された場合、炉本体6内が負圧となって入口6a,出口6bから外気が流入するおそれがあるが、ガス供給管17は、雰囲気ガスの供給源からの雰囲気ガスを、吐出口18から炉本体6内に補給することにより、炉本体6内が負圧になるのを防止するようにしている。
【0024】
また、ガス供給管17の吐出口18は、吸引管11の吸引口12側を向くように傾斜して形成され、雰囲気ガスを矢印dのように吸引管11の吸引口12方向に導くことにより、炉内に発生した有機溶剤のガスを吸引口12に矢印eのように誘引できるようにしている。なお、ガス供給管17の他端は図示していないが、焼結に悪影響をせず、また排気口15cより大気に放出しても問題のない、例えば窒素ガス等の雰囲気ガスの供給源と接続されている。
【0025】
本実施形態の焼結装置1は、上記のように構成されているので、次にその作用について述べる。
今、上部ヒータ7および下部ヒータ8によって加熱された状態にあるとき、ベルトコンベアの上流部に焼結すべきワークWが供給されると共に、そのベルトコンベア5が図1に示す矢印a方向に駆動されることにより、ベルトコンベア5上のワークWが炉内に順次搬送されることとなる。
【0026】
上記ワークWの搬送により、ワークWの内部では、図2に示すように、ワークWの温度が入口6aから次第に上昇し、点PまではワークWのバインダー中に含まれている有機溶剤が飛散してガス化すると共に、そのガス中に結合材の微粒子が含まれることから、微粒子によって悪影響を受けるおそれがある。
【0027】
しかしながら、本実施形態では、炉本体6の内部の入口側に排気エキストラクタ10が設置されているので、排気エキストラクタ10を確実に加熱させることができる。そのため、排気エキストラクタ10により、炉本体6内の入口側に発生した有機溶剤のガスを吸引すると、そのガス中に含まれる結合材の微粒子を、凝固することなく確実に吸引することができ、結合材の微粒子が炉本体6内の炉壁やワークWに付着するのを防止することができる。しかも、排気エキストラクタ10は、炉本体6内において、上部ヒータ7およびワークWの間に設けられているので、排気エキストラクタ10の加熱昇温を確実に行うことで、微粒子の付着をいっそう防ぐことができる。
【0028】
また、排気エキストラクタ10は、入口6aからワークWの温度が急激に上昇する点P(図2参照)付近まで横設され、炉長の初期の段階でガスを高速で積極的に吸引するので、ガス中の結合材の微粒子が内部に付着するのをいっそう的確に防止することができる。
その結果、従来技術に比較すると、結合材の微粒子が炉内全体に広がり、特に排気管54内および近辺に付着したものがワークWに落下するおそれがないので、ワークWに焼け斑が生じたり、ワークWの性能が不均一になるのを防ぐことができ、ワークWの品質を高めることができる。
【0029】
そして、この排気エキストラクタ10は、炉本体6内に配設された吸引管11と、吸引管11の基部に接続されると共に、炉本体6の入口側の外部に設置されたダクト14と、ダクト14を介し吸引管11からガスを吸引する吸引装置15とを有するので、ガスおよび結合材の微粒子の吸引を的確に行うことができる。しかも、吸引装置15がエジェクタ作用を利用する、いわゆるジェットポンプで構成されているので、吸引管11からガスを確実に高速で吸引することができる。したがって、吸引管11を確実に加熱できると共に、吸引管11よりガスを高速で吸引できるので、ガス中の微粒子が凝固しない状態のままでダクト14内に導くことができる。
【0030】
さらに、有機溶剤のガスが吸引口12から吸引管11内を高速で通過してダクト14内に至るが、ダクト14が前述のように、吸引管11より容積が遙かに大きい形状をなしているので、ダクト14内でのガスの流通速度が遅くなる結果、ガス中の結合材の微粒子がダクト14内で沈降し、かつ堆積物20として堆積させることができる。
この堆積物20は、ダクト14に設けられている清掃扉16を開けることにより、ダクト14から除去することができる。そのため、従来技術のように、炉本体51に沿って複数配設された排気管54の各々をいちいち清掃するのに比較し、労力及び時間を大幅に低減することができ、それだけ稼働率を高めることができる。
【0031】
一方、排気エキストラクタ10により炉本体6内で有機溶剤のガスを吸引すると、それに伴って周囲の空気も吸引されるので、炉本体6内が負圧になり、入口6a,出口6bから外気が炉内に流入するおそれがある。
しかしながら、本実施形態では、ガス供給管17が設けられ、ガス供給管17の吐出口18から炉本体6内に雰囲気ガスを供給するので、炉本体6内が負圧になるのを抑えることができ、入口6a,出口6bから外気が炉内に流入するのを防止することができる。これにより、炉本体6内の温度が低下するのを防止できるばかりでなく、温度が不均一になるのも防止することができる。
【0032】
しかも、ガス供給管17の吐出口18は、吸引管11の吸引口12側に向け、図3に示す矢印dのように雰囲気ガスを供給するよう形成されているので、吐出口18から供給された雰囲気ガスが吸引口12側に向かうに従い、炉本体6内で発生している有機溶剤のガスをも矢印eのように吸引管11側に導き、誘引させるので、ガス及び結合材の微粒子の吸引を効果的に行うことができる。
【0033】
但し、図3に示すように、吸引管11とガス供給管17とを一対一の関係で対応させることに限らず、例えば図4に示すように、一本の吸引管11に対して二本のガス供給管17を配設し、各ガス供給管17からの雰囲気ガスを吸引管11側に供給させることにより、炉本体6内に発生する有機溶剤のガスをより積極的に吸引するようにしてもよいのは勿論である。
【0034】
またさらに、吸引管11が炉本体6内の炉幅と略同一の大きさに形成されているので、炉本体6に発生したガスを隅々から吸引できる。これに加え、ガス供給管17が吸引管11と略同様の幅に形成されているので、炉本体6内に雰囲気ガスを隅々まで供給することもできる結果、安定した焼結効果を得ることが可能となる。
【0035】
なお、図示実施形態では、排気エキストラクタ10の吸引管11が炉本体6内の上部に設けられていると、上部ヒータ7からの熱が吸引管11に遮られ、ワークWが加熱されにくくなるおそれがあるが、排気エキストラクタ10の吸引管11を所定温度に昇温させた後で装置を可動すれば、初期の効果を得ることが確認できた。
【0036】
さらに、焼結時に発生する有機溶剤のガスを排出させる焼結装置に適用した例を示したが、例えば、ガス雰囲気炉で処理が行われることによって雰囲気ガスと異なるガスが発生するものにも適用し、同様の作用効果を得ることができるので、図示実施例に限定されるものではない。
【0037】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、炉本体内の入口側に設置した排気エキストラクタによって有機溶剤のガスを吸引し、ガスに含まれる結合材の微粒子の落下による影響を取り除けるように構成したので、ワークに焼け班や性能の不均一が生じるのを防止してワークの品質を確実に高めることができ、また簡単に清掃することができ、さらには炉本体内の温度が低下するのを防止できるばかりでなく、温度が不均一になるのも防止することができ、炉内で安定した処理を実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による焼結装置の一実施形態を示す側面断面図である。
【図2】 炉本体の位置とその内部温度との関係を示す説明図である。
【図3】排気エキストラクタを示す要部拡大の側面断面図である。
【図4】排気エキストラクタにおける吸引管とガス供給管との変形例を示す側面断面図である。
【図5】従来の焼結装置の一構成例を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1 焼結装置
2 搬送機構
3,4 ベルト車
5 ベルトコンベア
6 炉本体
6a 入口
6b 出口
7 上部ヒータ
8 下部ヒータ
10 排気エキストラクタ
11 吸引管
12 吸引口
13 支持板
14 ダクト
15 吸引装置
15a エア供給口
15b ノズル部
15c 排気口
16 清掃扉
17 ガス供給管
18 吐出口
20 堆積物
W ワーク
Claims (5)
- ワークの搬送機構と、その搬送機構の搬送経路に設置され、内部を加熱する昇温手段を有する炉本体と、上記炉本体外部の入口付近と内部とに亘って設けられ前記炉本体内に発生したガスを外部に排気する排気エキストラクタとを備えてなり、
前記排気エキストラクタは、
前記炉本体内の前記ワークの上方に配設され前記炉本体内に雰囲気ガスを供給するガス供給管と、
前記炉本体内入口側の前記ワークの上方に横設され、前記炉本体内に発生したガスの吸引が実行される吸引管と、
前記吸引管の基部に接続され、かつ前記炉本体外部の入口付近に設置されたダクトと、
前記ダクトを介し前記吸引管から前記ガスを吸引する吸引装置と、を有し、
前記排気エキストラクタは、前記炉本体外部の入口付近から前記炉本体内で温度が急激に上昇する付近との間に配置され、
前記吸引管は、前記炉本体内の入口側に、互いに長さを違えて配設された複数本からなり、前記炉本体内の上部の入口側に架装された支持板に複数本横設され、
前記ガス供給管は、吐出口を、吸引管の吸引口側に向けて形成されていることを特徴とする焼結装置。 - 前記ダクトは、前記吸引管より流入した前記ガスの流速を下げるよう、前記吸引管の断面積より大きい容積を有する形状をなして前記ガス中の微粒子が沈降可能になっていると共に、清掃扉を開閉可能に装着していることを特徴とする請求項1記載の焼結装置。
- 前記吸引装置は、エジェクタ作用によって前記ダクト内に負圧を発生させるエジェクタポンプからなることを特徴とする請求項1又は2の何れか記載の焼結装置。
- 前記吸引管の吸引口は、前記炉本体内の炉幅と略同等の大きさをなしていることを特徴とする請求項1〜3の何れか記載の焼結装置。
- 前記ガス供給管の吐出口は、前記吸引管の吸引口の幅と同等の幅をなしていることを特徴とする請求項4記載の焼結装置。
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