JP3767880B2 - 火災報知システム用電話装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、火災報知システム用電話装置に関し、特に、火災受信盤と、電話ジャックを備えた端末との間の通話を行うための火災報知システム用電話装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、火災監視区域毎に設置された火報発信機や表示盤等の火報端末(以下、単に、発信機という)と、複数の発信機に電話線を介して接続された単一の火災受信盤(以下、単に、受信機という)を有して構成される火災報知システムにおいて、発信機側と受信機側との間で通話を行うための電話装置は、図8に示すような構成を有している。
【0003】
すなわち、図8に示すように、発信機110及び受信機130の所定の位置に電話ジャックPJ1、PJ2が設けられ、当該電話ジャックPJ1、PJ2に送受話器120、140のピンプラグPP1、PP2を各々差し込み接続することにより、特定の火災監視区域に設置された発信機110と、管理者側の受信機130とが電話線LTにより接続されて所望の通話を行うことができる。なお、図8において、130Aは、操作表示パネルであって、火災代表灯や地区表示窓、地区表示灯、スピーカ(又は、ブザー:以下、スピーカと総称する)SPA、電話灯ILA、音響停止スイッチ等が適宜配置されるとともに、操作表示パネル130Aの下方に設けられた小扉(カバー)130Bの内側には、保守用の各種スイッチ、及び、電話ジャック(ピンジャック)PJ2が設けられている。
【0004】
ここで、従来の火災報知システム用電話装置の概略構成について、図9を参照して説明する。
図9において、発信機110及び受信機130に接続される各送受話器120、140は、通話時の音声を入出力するためのマイク121、141及びスピーカ122、142と、当該音声に対応する電気信号を増幅するためのアンプ回路123、143と、アンプ回路123、143からの電気信号を伝達するとともに、アンプ回路駆動用の電源を供給するための2芯の信号コードLC1、LC2及び2極のピンプラグPP1、PP2と、を各々備えた略同等の構成を有している。
【0005】
発信機110は、発信機側の送受話器120を接続するためのピンジャックPJ1を備え、該ピンジャックPJ1に接続される送受話器120の2芯の信号コードLC1に対応する2芯の電話線(T線、TC線)LTを介して、受信機130に接続されている。
【0006】
一方、受信機130は、発信機110との間に設けられたT線、TC線からなる2芯の電話線LTの各々に、所定の電源電圧VMC、GNDを供給する発信機側電源供給部131と、T線に流れる電流値の変化に基づいて、発信機に送受話器が接続されたか否かを検出する発信機側接続検出回路132と、受信機側の送受話器140を接続するためのピンジャックPJ2と、該ピンジャックPJ2を介して接続される受信機側の送受話器140に所定の電源電圧をVMC、GNDを供給する受信機側電源供給部133と、受信機側の送受話器140に電源が供給される信号線に流れる電流値の変化に基づいて、受信機130に送受話器が接続されたか否かを検出する受信機側接続検出回路134と、発信機側及び受信機側の電源供給部131、133間に設けられたカップリングコンデンサCと、発信機側及び受信機側の各接続検出回路132、134から出力される検出信号に基づいて、図8に示した電話灯ILAの点灯やスピーカSPAからの呼び出し音の出力を制御する制御回路(MPU)135と、を備えた構成を有している。
【0007】
このような構成を有する火災報知システム用電話装置において、各火災監視区域に設置されている発信機側から受信機側への通話が必要な場合には、図10に示すように、まず、発信機110に備えられているピンジャックPJ1に、送受話器120のピンプラグPP1を差し込み接続することにより、受信機130内部に設けられた発信機側電源供給部131から電源電圧VMC、GNDが、電話線LTを介して発信機側の送受話器120に内蔵されたアンプ回路123に供給される。
これによって、高電位電源(VMC)側からT線、送受話器(アンプ回路123)120、TC線を介して低電位電源(GND)側に電流が流下するため、この電流を発信機側接続検出回路132により検出することにより、発信機110と送受話器120の接続状態を検出する。
【0008】
制御回路135は、発信機側接続検出回路132から出力される検出信号に基づいて、発信機側からの通話要請があることを判断して、受信機130の操作表示パネル130Aに設けられた電話灯ILAを点灯させるとともに、スピーカSPAから呼び出し音を出力して、受信機側の管理者に報知する。
このような発信機側からの呼び出しに対して、図11に示すように、管理者が、受信機130に備えられているピンジャックPJ2に、送受話器140のピンプラグPP2を差し込み接続することにより、受信機130内部に設けられた受信機側電源供給部133から電源電圧VMC、GNDが、受信機側の送受話器140に内蔵されたアンプ回路143に供給される。
【0009】
これによって、高電位電源(VMC)側から送受話器(アンプ回路143)140を介して低電位電源(GND)側に電流が流下するため、この電流を受信機側接続検出回路134により検出することにより、受信機130と送受話器140の接続状態を検出する。
このようにして、発信機側と受信機側の各送受話器120、140は、受信機130内部のカップリングコンデンサC及び電話線LTを介して、通話可能な状態で接続されるとともに、受信機側接続検出回路134から出力される検出信号に基づいて、制御回路135は、スピーカSPAからの呼び出し音の出力を停止する。
以上のような一連の動作制御により、発信機側と受信機側との間で通話回路が形成され、発信機110及び受信機130に接続された送受話器120、140を用いて、各火災監視区域からの火災の発生状況の報告や、火災報知システムの点検時の連絡等が行われていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した火災報知システム用電話装置においては、以下に示すような問題を有していた。
(1)発信機及び受信機に接続される送受話器は、スピーカ、マイクに加え、アンプ回路を実装したプリント基板を内蔵し、かつ、専用の2極のピンプラグにより、ピンジャックを介して受信機に接続されるという、火災報知システム独自(専用)の構成を有していたため、送受話器の製品コストが上昇するという問題を有している。
(2)図9に示した火災報知システム用電話装置の回路構成においては、受信機又は発信機に付設されたピンジャックに、送受話器のピンプラグを接続した状態では、受信機内部に設けられた発信機側及び受信機側の電源供給部の高電位電源(VMC)側から送受話器を介して低電位電源(GND)側に常時電流が流下する回路構成を有しているため、例えば、受信機側の送受話器を接続した状態を継続すると、受信機の監視電流(消費電流)が増大するという問題を有している。
【0011】
本発明は、このような問題点に鑑み、電話装置の構成品を汎用化して製品コストの削減を図ることができ、かつ、受信機に送受話器を接続した状態を継続した場合であっても、監視電流の増加を抑制することができる火災報知システム用電話装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明に係る火災報知システム用電話装置は、各々電話ジャックを備えた火報端末及び火災受信盤とを電話線を介して接続し、該火報端末と該火災受信盤との間で通話を行う火災報知システム用電話装置において、
前記火災受信盤に備えられた前記電話ジャックを介して、前記火災受信盤に接続される第1の送受話器は、スピーカ及びマイクのみを内蔵するとともに、
前記火災受信盤は、
前記第1の送受話器に内蔵された前記マイクからの入力信号、及び、前記スピーカへの出力信号を増幅するアンプ回路と、
前記火報端末に備えられた前記電話ジャックを介して、前記火報端末に専用の第2の送受話器が接続されたことを検出する端末側接続検出回路と、
前記火災受信盤に備えられた前記電話ジャックを介して、前記火災受信盤に前記第1の送受話器が接続されたことを検出する盤側接続検出回路と、
前記火報端末に前記第2の送受話器が接続された際に、前記端末側接続検出回路から出力される検出信号に基づいて、前記アンプ回路及び前記盤側接続検出回路に電源を供給するように切り換え制御するスイッチ回路と、
を備えていることを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る火災報知システム用電話装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る火災報知システム用電話装置の一実施形態を示す外観構成図であり、図2は、本発明に係る火災報知システム用電話装置の一実施形態を示す内部構成図である。ここで、上述した従来技術と同等の構成については、同一の符号を付して説明する。
【0016】
図1に示すように、火災報知システム用電話装置100は、火報発信機や表示盤等の火報端末(発信機)10と、発信機10にピンジャック(電話ジャック)PJ及びピンプラグPPを介して接続される送受話器(第2の送受話器)20と、複数の発信機(図示を省略したものを含む)10に電話線LTを介して接続された単一の火災受信盤(受信機)30と、受信機30にモジュラージャックMJ及びモジュラープラグMPを介して接続される送受話器(第1の送受話器)40と、を有して構成されている。なお、実際には、火災受信盤30から引き出された電話線LTに対し、複数の火報端末10が接続されることになる。
【0017】
以下、各構成について、図1及び図2を参照して説明する。
発信機10は、火災監視区域毎に設置され、本来の火災報知機能部に加えて、専用の送受話器20を接続するためのピンジャックPJを備えている。また、発信機側の送受話器20は、従来技術に示したものと同様に、音声を入出力するためのマイク21及びスピーカ22と、当該音声に対応する電気信号を増幅するためのアンプ回路23と、アンプ回路23からの電気信号を伝達するとともに、アンプ回路駆動用の電源を供給するための2芯の信号コードLC及び2極のピンプラグPPと、を備えている。そして、発信機10は、ピンジャックPJに接続される送受話器20の2芯の信号コードLCに対応する2芯の電話線(T線、TC線)LTを介して、受信機30に接続されている。
【0018】
受信機30は、本来の火災監視機能部に加えて、発信機10との間に設けられたT線、TC線からなる2芯の電話線LTの各々に、所定の電源電圧Vin、GNDを常時印加する電源(Vin、GND)と、電源(Vin)とT線の間に設けられ、T線に流れる電流値の変化に基づいて、発信機10に送受話器20が接続されたか否かを検出する発信機側接続検出回路(端末側接続検出回路)31と、受信機側の送受話器40を接続するためのモジュラージャックMJと、受信機側の送受話器40に内蔵されたマイク41及びスピーカ42を介して入出力される音声に対応する電気信号を増幅するためのアンプ回路32と、モジュラージャックMJを介して受信機30に送受話器40が接続されたか否かを検出する受信機側接続検出回路(盤側接続検出回路)33と、発信機側接続検出回路31から出力される検出信号に基づいて、アンプ回路32及び受信機側接続検出回路33への電源(VMC)の供給を制御するスイッチ回路34と、発信機側及び受信機側の接続検出回路31、33から出力される検出信号に基づいて、操作表示パネル30Aに設けられた電話灯ILの点灯やスピーカ(又は、ブザー)SPからの呼び出し音の出力を制御する制御回路(MPU)35と、を備えている。
【0019】
また、受信機側の送受話器40は、音声を入出力するためのマイク41及びスピーカ42と、入出力される音声に対応する電気信号を伝達するとともに、マイク41及びスピーカ42に接地電位GNDを供給するための4芯のモジュラーケーブルMC及び4極のモジュラープラグMPを備えている。
すなわち、発信機側接続検出回路31には、常時電源(Vin)が供給されて、発信機10と発信器側の送受話器20との接続状態が常時監視され、一方、受信機側接続検出回路33には、発信機側接続検出回路31から出力される検出信号が、発信機10に送受話器20が接続されことを示す信号である場合にのみ、スイッチング回路34が切り換え制御されて、電源VMC(Vin)が供給される。
【0020】
次に、上述したような構成を有する火災報知システム用電話装置に適用される受信機について、図面を参照して説明する。
図3は、本実施形態に係る火災報知システム用電話装置に適用される火災受信盤(受信機)の操作表示パネルの一例を示す概略図である。
図3に示す火災受信盤の操作表示パネル30Aにおいて、火災代表灯30aは、各火災監視区域に設けられる発信機10又は火災感知器から発報がある場合に点滅する。また、地区代表灯30bは、地区に対応して複数設けられ、発信機発報又は火災感知器発報があった場合に、該当する地区表示灯30bが点滅する。
【0021】
主操作部30cは、電源表示灯等の各種表示灯や各種操作スイッチを備え、特に、発信機10からの電話呼び出し時には、電話灯ILが点灯し、スピーカSPが鳴動して呼び出し音が出力される。なお、音響停止スイッチSAは、スピーカSPからの呼び出し音を任意に停止したい場合に押下する。
保守操作部30dは、保守点検作業時に使用する各種操作スイッチや電話ジャックMJを備え、通常は、図1に示した小扉(カバー)30Bにより保護されて、操作スイッチ類に直接接触できないように構成されている。ここで、電話ジャックMJは、上述したように、受信機側の送受話器40に内蔵されたマイク41及びスピーカ42への入出力信号、及び、接地電位GNDを供給するための4芯のモジュラージャックを備えている。
【0022】
次に、上述したような構成を有する火災報知システム用電話装置における動作制御について、図面を参照して詳しく説明する。
図4は、本実施形態に係る火災報知システム用電話装置における電話呼び出し状態を示す概念図であり、図5は、本実施形態に係る火災報知システム用電話装置における呼び出し応答状態を示す概念図であり、図6は、本実施形態に係る火災報知システム用電話装置における送受話器接続継続状態を示す概念図である。上述したような構成を有する火災報知システム用電話装置において、まず、各火災監視区域に設置されている発信機から受信機への通話を行う場合について、図4、図5を参照して説明する。なお、ここでは、必要に応じて、図2に示した内部構成、及び、図3に示した操作表示パネルを参照しながら説明する。
【0023】
図4に示すように、まず、発信機10に備えられているピンジャックPJに、発信機専用の送受話器20のピンプラグPPを差し込み接続することにより、受信機30内部に設けられた電源から電源電圧Vin、GNDが、電話線LTを介して発信機10に接続された送受話器20に供給される。
これによって、高電位電源(Vin)から発信機側接続検出回路31、T線、発信機側の送受話器(アンプ回路23)20、TC線を介して低電位電源(GND)に電流が流下するため、この電流を発信機側接続検出回路31により検出することにより、発信機10と送受話器20の接続状態を検出する。
【0024】
発信機側接続検出回路31から出力される、発信機10と送受話器20の接続状態を示す検出信号は、スイッチ回路34及び制御回路35に出力される。スイッチング回路34は、この検出信号に基づいて、ON動作して電源電圧Vinを電源VMCとして、受信機に内蔵された受信機側のアンプ回路32及び受信機側接続検出回路33に供給する。これにより、アンプ回路32及び受信機側接続検出回路33は駆動可能状態となる。
一方、制御回路35は、発信機側接続検出回路31から出力される検出信号に基づいて、発信機側からの通話要請があることを判断して、受信機30の操作表示パネル30Aに設けられた電話灯ILを点灯させるとともに、スピーカSPから呼び出し音を出力して、受信機側の管理者に報知する。
【0025】
このような発信機側からの呼び出しに対して、図5に示すように、管理者が、受信機30に備えられているモジュラージャックMJに、受信機側の送受話器40のモジュラープラグMPを差し込み接続することにより、発信機側の送受話器20と受信機側の送受話器40が電話線LT及び受信機30内部のカップリングコンデンサCを介して、通話可能な状態で接続され、さらに、アンプ回路32により、受信機側の送受話器40に内蔵されたマイク41及びスピーカ42を介して入出力される音声に対応する電気信号が増幅されて、送受話器40に伝送される。このとき、受信機側接続検出回路33により、アンプ回路32から送受話器40を介して流下する電流を検出することにより、受信機30と送受話器40の接続状態を検出する。具体的には、アンプ回路32から送受話器40のマイク41を介して受信機側のGNDに電流が流下するため、この電流を受信機側接続検出回路33が検出することにより、受信機30と送受話器40の接続状態が検出される。
【0026】
受信機側接続検出回路33から出力される、受信機30と送受話器40の接続状態を示す検出信号は、制御回路35に出力され、制御回路35は、この検出信号に基づいて、発信機側と受信機側との間で通話回路が形成されたことを判断して、受信機30のスピーカSPから出力されている呼び出し音を停止する。
このようにして、発信機側と受信機側の送受話器20、40は、電話線LTを介して通話可能な状態で接続され、各火災監視区域からの火災の発生状況の報告や、火災報知システムの点検時の連絡等に使用される。
【0027】
次に、上述したような動作制御において、受信機30に送受話器40が接続されたままの状態が継続されている場合について、図6を参照して説明する。なお、ここでも、必要に応じて、図2に示した内部構成、及び、図3に示した操作表示パネルを参照しながら説明する。
図5に示したように、発信機10のピンジャックPJに、送受話器20のピンプラグPPが接続され、かつ、受信機30のモジュラージャックMJに、送受話器40のモジュラープラグMPが接続されたままの状態においては、電源(Vin)からアンプ回路32及び受信機側接続検出回路33に電源電圧VMCが常時供給されたままの状態となるため、受信機30の監視電流が増大する。
【0028】
そこで、発信機10のピンジャックPJに接続された送受話器20のピンプラグPPを抜き取ることにより、受信機30の高電位電源(Vin)から発信機側接続検出回路31、T線、発信機側の送受話器20、TC線を介して低電位電源(GND)に流れる電流が遮断されるので、発信機側接続検出回路31により、発信機10と送受話器20との接続解除状態が検出される。
そして、この接続解除状態を示す検出信号が発信機側接続検出回路31からスイッチ回路34に出力されることにより、スイッチ回路34は、OFF動作して受信機側のアンプ回路32及び受信機側接続検出回路33への電源電圧VMCの供給を遮断する。アンプ回路32及び受信機側接続検出回路33は、電源電圧VMCの供給遮断に伴って、駆動停止状態となり、受信機30に送受話器40が接続された状態であっても、電流消費が阻止される。
【0029】
なお、再度発信機10から通話要請を行う場合(他の火災監視区域に設置された発信機からの通話要請を含む)には、発信機10のピンジャックPJに、送受話器20のピンプラグPPを差し込み接続することにより、受信機30の高電位電源(Vin)から発信機側接続検出回路31、T線、発信機側の送受話器20、TC線を介して低電位電源(GND)に電流が流下するので、発信機側接続検出回路31により、発信機10と送受話器20との接続状態が検出され、アンプ回路32及び受信機側接続検出回路33に電源電圧VMCが供給されて、通話可能状態が実現される。
【0030】
したがって、受信機30に接続される送受話器40は、マイク41及びスピーカ42のみを内蔵し、かつ、マイク41及びスピーカ42用の入出力線と、接地電位GNDを供給する4極(接地電位GNDを共通とすれば、3極)の端子接点を有する汎用のモジュラープラグMPを適用することにより、一般電話用の、汎用かつ簡易な構成を有する送受話器を採用することができ、専用の送受話器を採用した従来構成に比較して、火災報知システム用電話装置の製品コストを削減することができる。
【0031】
また、受信機30に送受話器40を接続した状態を継続した場合であっても、発信機10に接続された送受話器20を抜き取る(非接続状態にする)ことにより、あるいは、発信機10に送受話器20が接続されていなければ、受信機側のアンプ回路32及び受信機側接続検出回路33への電源の供給を遮断して駆動停止状態とすることができるので、発信機及び受信機の双方に送受話器が接続され、通話回線が形成されたとき以外は、受信機内の回路に電流が流下することを阻止でき、受信機の監視電流を削減して消費電力を低減することができる。
【0032】
次に、本発明に係る火災報知システム用電話装置の他の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図7は、本発明に係る火災報知システム用電話装置の他の実施形態を示す外観構成図である。ここで、上述した実施形態と同等の構成については、同一の符号を付して説明する。
本実施形態に係る火災報知システム用電話装置は、図7に示すように、受信機30に接続される送受話器40が、モジュラーケーブルMCを着脱可能な構成を有していることを特徴としている。
【0033】
すなわち、送受話器40は、受信機30に備えられたモジュラージャックMJ1と同等の構成を有するモジュラージャックMJ2を備え、また、モジュラーケーブルMCには、両端に同一の構成を有するモジュラープラグMP1、MP2が取り付けられている。そして、受信機30及び送受話器40は、このようなモジュラーケーブルMCを介して相互に接続されている。
したがって、このような構成を有する火災報知システム用電話装置においては、受信機30に接続されるモジュラーケーブルMC及び送受話器40を、一般電話用の、汎用かつ簡易な構成により実現することができるとともに、モジュラーケーブルMC単体、あるいは、送受話器40単体が破損した場合にも、極めて容易かつ安価に代替え品を入手することができる。
【0034】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、火災受信盤に備えられた電話ジャックを介して接続される送受話器が、スピーカ及びマイクのみを内蔵するとともに、火災受信盤が、送受話器に内蔵されたマイク及びスピーカからの入出力信号を増幅するアンプ回路を内蔵しているので、アンプ回路が実装されるプリント基板を送受話器側に内蔵する必要がなくなり、組立工程の簡略化を図ることができ、火災報知システム用電話装置のトータルコストを削減することができる。
また、火災受信盤は、火報端末に送受話器が接続されたことを検出する端末側接続検出回路と、火災受信盤に送受話器が接続されたことを検出する盤側接続検出回路と、火報端末に送受話器が接続された際に、端末側接続検出回路から出力される検出信号に基づいて、火災受信盤に接続される送受話器用のアンプ回路及び盤側接続検出回路に電源を供給するスイッチ回路と、を備えているので、火災受信盤に送受話器が接続されたままの状態であっても、火報端末に送受話器が接続されていなければ、上記アンプ回路及び盤側接続検出回路への電源の供給を遮断して駆動停止状態とすることができ、火災受信盤の監視電流を削減して消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る火災報知システム用電話装置の一実施形態を示す外観構成図である。
【図2】本発明に係る火災報知システム用電話装置の一実施形態を示す内部構成図である。
【図3】一実施形態に係る火災報知システム用電話装置に適用される火災受信盤の操作表示パネルの一例を示す概略図である。
【図4】一実施形態に係る火災報知システム用電話装置における電話呼び出し状態を示す概念図である。
【図5】一実施形態に係る火災報知システム用電話装置における呼び出し応答状態を示す概念図である。
【図6】一実施形態に係る火災報知システム用電話装置における送受話器接続継続状態を示す概念図である。
【図7】本発明に係る火災報知システム用電話装置の他の実施形態を示す外観構成図である。
【図8】従来の火災報知システム用電話装置を示す外観構成図である。
【図9】従来の火災報知システム用電話装置の内部構成を示す概略図である。
【図10】従来の火災報知システム用電話装置における電話呼び出し状態を示す概念図である。
【図11】従来の火災報知システム用電話装置における呼び出し応答状態を示す概念図である。
【符号の説明】
10 発信機(火報端末)
20 発信機側送受話器
21、41 マイク
22、42 スピーカ
23、32 アンプ回路
30 受信機(火災受信盤)
30A 操作表示パネル
31 発信機側接続検出回路(端末側接続検出回路)
33 受信機側接続検出回路(盤側接続検出回路)
34 スイッチ回路
35 制御回路(MPU)
40 受信機側送受話器
100 火災報知システム用電話装置
Claims (1)
- 各々電話ジャックを備えた火報端末及び火災受信盤とを電話線を介して接続し、該火報端末と該火災受信盤との間で通話を行う火災報知システム用電話装置において、
前記火災受信盤に備えられた前記電話ジャックを介して、前記火災受信盤に接続される第1の送受話器は、スピーカ及びマイクのみを内蔵するとともに、
前記火災受信盤は、
前記第1の送受話器に内蔵された前記マイクからの入力信号、及び、前記スピーカへの出力信号を増幅するアンプ回路と、
前記火報端末に備えられた前記電話ジャックを介して、前記火報端末に専用の第2の送受話器が接続されたことを検出する端末側接続検出回路と、
前記火災受信盤に備えられた前記電話ジャックを介して、前記火災受信盤に前記第1の送受話器が接続されたことを検出する盤側接続検出回路と、
前記火報端末に前記第2の送受話器が接続された際に、前記端末側接続検出回路から出力される検出信号に基づいて、前記アンプ回路及び前記盤側接続検出回路に電源を供給するように切り換え制御するスイッチ回路と、
を備えていることを特徴とする火災報知システム用電話装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28148299A JP3767880B2 (ja) | 1999-10-01 | 1999-10-01 | 火災報知システム用電話装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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