JP3767484B2 - エンジンのシリンダ吸入空気量測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流入出量の収支計算を行って算出される吸気マニホールド内の空気量に基づいて実際にシリンダに吸入される空気量を測定するエンジンのシリンダ吸入空気量測定装置に関し、特に、吸排気弁の開期間がオーバーラップするエンジンにおいて、エンジンがオーバーラップ期間で停止した場合に吸気マニホールドに排気系側から流入する空気の影響を受けないようにするための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリンダに吸入される空気量(以下「シリンダ吸入空気量」という。)の測定方法に次のものがある。
まず、エアフローメータの出力に基づいて吸気マニホールドに流入する空気量(以下「マニホールド流入空気量」という。)を算出し、求められたマニホールド流入空気量と、吸気マニホールドからのシリンダ吸入空気量との収支計算を行って、吸気マニホールド内の空気量(以下「マニホールド内空気量」という。)を算出する。そして、マニホールド内空気量とシリンダ容積とに基づいてシリンダ吸入空気量を算出する(特開2001−50091号公報)。
【0003】
このように求められたシリンダ吸入空気量のもとで、要求される混合気空燃比を実現するための燃料噴射量が設定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、マニホールド内空気量の収支計算は、次の始動時にシリンダ吸入空気量を測定するための初期値とするために、エンジンを停止させる際(アイドルストップとして一時的に停止される場合を含む。)に吸気マニホールド内が大気圧となるまで継続される。しかしながら、このときに行われる収支計算に関して、次の問題がある。
【0005】
すなわち、排気上死点及びその付近に吸気弁と排気弁とがともに開かれるオーバーラップ期間が設けられたエンジンでは、このオーバーラップ期間でエンジンが停止する可能性がある。その場合は、吸気マニホールドに排気系側からも空気が流入することになるので、エアフローメータの出力に基づいて算出されるマニホールド流入空気量よりも実際には多量の空気が流入していることとなり、マニホールド内空気量の収支計算を正確に行うことができない。
【0006】
そして、次の始動時には、停止の際に吸気マニホールド内が大気圧となるまで収支計算を継続して求められたマニホールド内空気量の最終値に基づいて燃料噴射量が設定されることになるが、上記のように誤差を含んで算出されたマニホールド内空気量からは、要求された混合気空燃比を実現するための燃料噴射量を正確に設定することができない。従って、エミッションの増加やトルク不足による始動性の悪化等が問題となる。
【0007】
そこで、本発明は、マニホールド内空気量の収支計算を行ってシリンダ吸入空気量を測定するエンジンのシリンダ吸入空気量測定装置において、アイドルストップを含めエンジンがオーバーラップ期間で停止した場合に、吸気マニホールドに排気系側から流入する空気の影響を受けないようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に記載の発明では、シリンダに吸入される空気量を測定するエンジンのシリンダ吸入空気量測定装置であって、吸気弁と排気弁とがともに開かれるオーバーラップ期間が設けられたエンジンに備えられるものにおいて、(A)吸気系に吸入される空気量を検出する吸入空気量検出手段、(B)検出された空気量に基づいて吸気マニホールド内の空気量を、このマニホールドにおける空気の流入出量の収支計算を行って算出するマニホールド内空気量算出手段、(C)算出された空気量に基づいてシリンダに吸入される空気量を算出するシリンダ吸入空気量算出手段、及び(D)エンジンの停止位置がオーバーラップ期間内であるか否かを判定するエンジン停止位置判定手段を含んで構成し、マニホールド内空気量算出手段において、エンジンの停止位置がオーバーラップ期間内であると判定された次の始動に際して、吸気マニホールド内の空気量に係る初期値を、直前の停止時以前に記憶された所定量に設定する。
【0009】
請求項2に記載の発明では、上記所定量を、直前に停止した際に吸気マニホールド内が大気圧となるまで収支計算を行った場合に算出される最終空気量よりも大きい値とする。
請求項3に記載の発明では、上記所定量を、直前の停止時以前にエンジンがオーバーラップ期間外で停止した際に算出された最終空気量とする。
【0010】
請求項4に記載の発明では、上記所定量を、エンジンが通常の走行環境における大気条件のもとで停止している場合に吸気マニホールド内に充填される空気量とする。
請求項5に記載の発明では、クランク軸の回転位置を検出する回転位置検出手段を設け、検出された回転位置に基づいてエンジンの停止位置がオーバーラップ期間内であるか否かを判定する。
【0011】
請求項6に記載の発明では、上記回転位置検出手段がクランク軸の回転角変位量を積算してその回転位置を検出する場合に、クランク軸の逆転を検出する逆転検出手段と、クランク軸の逆転が検出されたときにエンジン停止位置判定手段による判定を禁止する停止位置判定禁止手段とを設ける。
請求項7に記載の発明では、エンジンを停止させる際に、クランク軸が単位角だけ回転するのに要した時間が1つ前の単位角について要した時間と等しいか、あるいはこれよりも短くなったときにクランク軸の逆転を検出する。
【0012】
請求項8に記載の発明では、クランク角が単位角だけ回転するのに要した時間をTPOS10nとし、その1つ前の単位角について要した時間をTPOS10n−1とし、その更に前の単位角について要した時間をTPOS10n−2とすると、TPOS10n≦TPOS10n−1であり、かつTPOS10n−1>TPOS10n−2であるときにクランク軸の逆転を検出する。
【0013】
請求項9に記載の発明では、上記1つ前の単位角について要した時間が上死点を乗り越える際に要する時間に係るしきい値としての所定時間よりも長いときにのみ、クランク軸の逆転を検出する。
【0014】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、エンジンがオーバーラップ期間で停止した次の始動に際して、吸気マニホールド内の空気量に係る初期値が直前の停止時以前に記憶された所定量に設定されるので、排気系側からの逆流成分の影響を受けずにシリンダ吸入空気量を測定できる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、上記初期値が直前に停止した際に収支計算を行った場合に算出される空気量よりも大きな値に設定されるので、エミッションの増加や始動性の悪化を抑制できる。
請求項3に係る発明によれば、以前にオーバーラップ期間外で停止した際に収支計算を行って算出された空気量を初期値とすることで、この初期値が走行環境に対応したものとなる。特に、アイドルストップのためにエンジンを停止させた際に算出された空気量を用いる場合は、走行環境が現在とほぼ同じとなるので、現在の走行環境に対応した初期値を設定できる。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、通常の走行環境のもとでの大気条件について設定される固定量を初期値とすることで、常に信頼性のあるシリンダ吸入空気量の測定結果を得ることができる。
請求項5に係る発明によれば、 クランク軸の回転位置に基づいてエンジンの停止位置がオーバーラップ期間内であるか否かを容易に判定できる。特に、クランク軸の回転位置を既存のクランク角センサを使用して検出する場合は、特別な設備を追加する必要もなく、コストアップを回避できる。
【0017】
請求項6に係る発明によれば、クランク軸の回転位置を回転角変位量の積算により検出する場合に、クランク軸の逆転が検出されたときにエンジンの停止位置判定を行うことを禁止したので、クランク軸の逆転に基づく停止位置の誤判定を防止できる。
請求項7に係る発明によれば、クランク軸が単位角だけ回転するのに要した時間に基づいて、クランク軸の逆転を容易に検出できる。
【0018】
請求項8に係る発明によれば、クランク軸が単位角だけ回転するのに要した時間が増加から減少に変化した変曲点を検出し、クランク軸の逆転を正確に検出できる。
請求項9に係る発明によれば、クランク軸が単位角だけ回転するのに要した時間が、上死点を乗り越える際の回転変動により短くなった場合に、逆転が誤って検出されることを防止できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る車両の制御システムを示しており、本システムの駆動系は、エンジン1と電気モータ(以下「モータジェネレータ」という。)2とのパラレルハイブリッド式である。
【0020】
駆動系において、エンジン1のクランク軸とモータジェネレータ2の回転軸とがパウダクラッチ3を介して連結されており、これらの動力装置から伝達されるトルクが変速機4及びディファレンシャル・ギヤ5を介して駆動輪6,6の各車輪駆動軸7,7を回転させるようになっている。従って、クラッチ3を結合したり切り離したりすることで、モータジェネレータ2のみにより走行したり、エンジン1のみにより走行したり、あるいはエンジン1のトルクをモータジェネレータ2で補って走行することが可能である。
【0021】
エンジン1のクランク軸にはモータジェネレータ2とは別の電気モータ(以下「モータジェネレータ」という。)8の回転軸が連結されており、このモータジェネレータ8によりエンジン1のクランキングや回生発電が行われる。勿論、モータジェネレータ2による回生発電も可能であり、これらのモータジェネレータ2,8から得られた電力は、インバータ9,10を介してバッテリ11に蓄電される。逆に、バッテリ11からの電力がインバータ9,10を介してモータジェネレータ2,8に供給される。
【0022】
一方、制御系において、上位コントローラとしての車両ECU(電子制御ユニットを「ECU」と略す。以下同様。)21は、各サブシステムの制御を実行する下位コントローラに指令を送り、車両全体を統括して制御する。ここで、普遍性を持つトルクが指令として選択され、モータジェネレータ8を制御するモータコントローラ31にモータトルクが、エンジン1を制御するエンジンコントローラ32にエンジントルクが、クラッチ3を制御するクラッチコントローラ33に伝達トルクが、モータジェネレータ2を制御するモータコントローラ34にモータトルクが、変速機4を制御する変速機コントローラ35に伝達トルク(変速比)が送られる。各コントローラ31〜35は、受け取ったトルク指令に基づいて各対象を制御する。
【0023】
車両ECU21には、スタートスイッチ41からイグニッションスイッチのオン及びオフ信号並びに、スタートスイッチのオン信号が入力されるほか、運転者の要求を示す信号として、アクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ42、ブレーキペダルの操作量若しくはブレーキスイッチがオンされたことを検出するブレーキセンサ43、及びシフトレバーの現在の設定位置を検出するシフトセンサ44から信号が入力される。
【0024】
運転状態を示す信号として、車両ECU21には、車速VSPを検出する車速センサ45、バッテリ11の充電状態SOCを検出するためのバッテリセンサ(例えば、バッテリの放電電流を検出する。)46、及びモータジェネレータ8の回転数NMを検出する回転数センサ50からの信号が入力される。また、エンジンコントローラ32には、エンジン1のスロットル開度TVOを検出するスロットルセンサ47、エンジン1の吸入空気量(後述するシリンダ吸入空気量と区別するために、特に「スロットル弁通過空気量」という。)Qaを検出するエアフローメータ48、及びクランク角センサ49からの信号が入力される。
【0025】
車両ECU21は、入力した各種信号に基づいて指令としてのトルクを算出する。そして、バッテリ11の充電状態SOCが充分なレベルにあれば、低速走行時にモータジェネレータ2を動力源とし、クラッチ3を切り離すとともにエンジン1を停止させる。運転者からの加速要求により車速VSPが所定の高速度域に入ると、エンジン1を始動させるとともにクラッチ3を結合し、動力源をエンジン1に移行させる。
【0026】
エンジン1を運転させているときにエンジンコントローラ32は、シリンダに実際に吸入されるシリンダ吸入空気量を常に把握できるようにされており、このシリンダ吸入空気量に対して指令としてのエンジントルクを発生するために必要な燃料噴射量を算出する。
ここで、シリンダ吸入空気量及びこれに基づく燃料噴射量の算出について説明する。
【0027】
本実施形態においてシリンダ吸入空気量は、本出願人に係る先願の公開公報(特開2001−050091号)に記載の方法で算出する。ここで、図2に示すように、吸気マニホールド101内の圧力をPm[Pa]、容積をVm[m3 ]、空気質量をCm[g]、温度をTm[K]とする。また、シリンダ102内の圧力をPc[Pa]、容積をVc[m3 ]、空気質量をCc[g]、温度をTc[K]とする。なお、η[%]は、シリンダ内の新気割合である。このηは、吸気弁103と排気弁104とのオーバーラップ期間に相関して変化するものであり、オーバーラップ期間が拡大されて燃焼残ガス(内部EGRガス)量が増すほど小さな値とされる。
【0028】
また、吸気マニホールド101及びシリンダ102内でPm=Pc、Tm=Tc(圧力及び温度は変化しない。)と仮定する。なお、言うまでもなくマニホールド容積Vmは一定である。
まず、エアフローメータ48の出力に基づいてスロットル弁105を通過する空気の流量であるスロットル弁通過空気量Qa[g/msec]を算出し、このQaを積分することにより所定時間Δt毎に吸気マニホールド101に流入するマニホールド流入空気量Qa[g]=Qa・Δtを算出する。
【0029】
一方、吸気弁103の閉時期IVCに基づいてその時の実シリンダ容積Vcを算出し、このVcにシリンダ内新気割合η、及びエンジン回転数(ここでは、モータジェネレータ8のモータ回転数NMに基づいて検出される。)NEを乗じる。そして、算出された値を積分することにより、最終的なシリンダ容積Vc=Vc・η・NE・Δtを算出する。
【0030】
次に、吸気マニホールド101内の空気量(マニホールド内空気量Cm)の収支計算のため、次式(1)のようにマニホールド内空気量の前回値Cmn-1 に、先に求めたマニホールド流入空気量Qaを加えるとともに、吸気マニホールド101からシリンダ102へ流出するシリンダ吸入空気量Qcであるシリンダ内空気量Ccn を減じ、現在のマニホールド内空気量Cmn を算出する。なお、ここで用いられるCcn は、前回のルーチンで算出されたものである。
【0031】
Cmn =Cmn-1 +Qa−Ccn ・・・(1)
シリンダ吸入空気量Qc(=シリンダ内空気量Cc)は、次式(2)に示すように、シリンダ容積Vcにマニホールド内空気量Cmを乗じ、さらにこの積をマニホールド容積Vmで除して求める。
Qc(=Cc)=Vc・Cm/Vm ・・・(2)
ここで、(2)式は、次のようにして導出される。気体の状態方程式によりシリンダ102内に関してCc=Pc・Vc/(R・Tc)となる。ここで、Pc=Pm、Tc=Tmと仮定しているので次式(3)が得られる。
【0032】
Cc=Pm・Vc/(R・Tm) ・・・(3)
一方、気体の状態方程式により吸気マニホールド101内に関して次式(4)が得られる。
Pm/(R・Tm)=Cm/Vm ・・・(4)
従って、(4)式を(3)式に代入すれば、Cc=Vc・{Pm/(R・Tm)}=Vc・Cm/Vmとなり(2)式が得られる。
【0033】
そして、このように算出されたシリンダ吸入空気量Qcに対して、最適な空燃比となるように燃料噴射量が設定される。
ところで、前述のように低速走行に移行するとエンジン1は停止されることになるが、エンジン1を停止させるためのエンジン停止処理を行っている間も、マニホールド内空気量Cmの収支計算は、吸気マニホールド101内が大気圧となるまで継続される。それは、大気圧となった時点で算出されたマニホールド内空気量(最終値)Cmを、次の始動に際してシリンダ吸入空気量Qcを算出するための初期値とするためである。
【0034】
以下に、エンジン停止処理時のマニホールド内空気量Cmの収支計算について説明する。
本実施形態に係るエンジン1は、図3に示すように排気上死点及びその付近において吸気弁103と排気弁104とがともに開かれるオーバーラップ期間(吸気弁開時期IVO〜排気弁閉時期EVC)が設定されている。
【0035】
エンジン1の停止位置は、クランク軸の正転方向と逆転方向とのトルクのバランス点となり、通常は、6気筒エンジンではクランク角で圧縮上死点前60°、また4気筒エンジンでは同90°付近で停止する。しかしながら、場合によってはこれらの位置を通り越してオーバーラップ期間で停止することもある。そのような場合には、エンジン停止処理時の収支計算に際して、吸気マニホールド101に空気が排気系側からも流入することになる。このときのマニホールド流入空気量Qa、シリンダ吸入空気量Qc及びマニホールド内空気量Cmの時間変化を図4に示す。
【0036】
エンジン1がオーバーラップ期間で停止した場合には、吸気マニホールド101に空気が排気系側からも流入することになるので、スロットル弁通過空気量(エアフローメータ48の出力)に基づいて算出されるマニホールド流入空気量Qaは、実際に吸気マニホールド101に流入している空気量Qa’よりも少ない値となる。このため、マニホールド流入空気量Qaに基づいて算出されるマニホールド内空気量Cmも、実際に吸気マニホールド101内に存在する空気量Cm’よりも少なく算出されることになる。
【0037】
図5のフローチャートは、このような問題を解決するための本実施形態に係るエンジン停止処理時における制御の流れを示しており、エンジンコントローラ32により実行される。
ステップ(以下「S」と略す。)1では、エンジン1が停止したか否かを判定する。ここでは、吸気マニホールド101内が大気圧となったことをもってエンジン1が停止したと判定する。この判定は、例えば、マニホールドの管壁に圧力センサを設置し、その出力(吸気圧PB)の変化がなくなった(PBがほぼ一定となった)ことにより行うことが可能である。また、ストッロル弁通過空気量が0となったことや、収支計算により算出されるマニホールド内空気量Cmに変化がなくなったことによっても判断できる。エンジン1が停止したと判定した場合はS2へ進み、それ以外の場合はS5へ進む。
【0038】
S2では、エンジン1の停止位置がオーバーラップ期間であるか(図7を参照して後述するオーバーラップ時停止判定ルーチンにおいてフラグfTOPJDCが1に設定されたか否か)を判定する。停止位置がオーバーラップ期間であると判定した場合はS3へ進み、それ以外の場合はS4へ進む。
S3では、エンジン停止処理の最終値として設定されるマニホールド内空気量Cmに、以前にオーバーラップ期間外でエンジン1が停止した際のエンジン停止処理において算出された学習値(Cm)を代入し、そのCmを記憶する。なお、ここで代入されるCmは、以前に、次に述べるS4の処理により記憶されたものである。
【0039】
S4では、エンジン停止処理において、エアフローメータ48の出力に基づく収支計算を吸気マニホールド101内が大気圧となるまで継続した結果として算出されたマニホールド内空気量Cm(最終値)を、学習値として記憶する。
一方、エンジン1が未だ停止していない(吸気マニホールド101内が大気圧となっていない)と判定した場合は、S5においてマニホールド内空気量Cmの収支計算を行う。
【0040】
図6のフローチャートは、エンジン停止処理時における他の制御の流れを示しており、同様にエンジンコントローラ32により実行される。図5のフローチャートにおけると同じ処理を行うステップには同じ符号を付し、ここでの説明は省略する。
S1においてエンジン1が停止したと判定され、かつ続くS2においてエンジン1の停止位置がオーバーラップ期間内であると判定された場合は、S11に進んで、エンジン停止処理の最終値として設定されるマニホールド内空気量Cmに基準値を代入し、そのCmを記憶する。この基準値は、エンジン1が通常の走行環境における大気条件のもとで停止している場合に吸気マニホールド101内に充填される空気量に等しく、エンジンコントローラ32において固定値として記憶されているものである。
【0041】
一方、エンジン1が未だ停止していない(吸気マニホールド101内が大気圧となっていない)と判定したか、あるいはエンジン1が停止したとしてもその停止位置がオーバーラップ期間内ではないと判定した場合は、S12へ進んで、マニホールド内空気量Cmの収支計算を継続する。
次に、オーバーラップ時停止判定ルーチン(図5のS2において読み込まれるフラグfTOPJDCの設定)について説明する。図7のフローチャートは、その一例の流れを示している。
【0042】
S21では、エンジン1が停止したか否かを判定する。ここでは、エンジン回転数NEをモータジェネレータ8のモータ回転数NMに基づいて検出するとともに、検出されたNEの絶対値が所定回転数NESTP以下となったときにエンジン1が停止したと判定する。エンジン1が停止したと判定した場合はS22へ進み、それ以外の場合はS25へ進む。
【0043】
S22では、クランク軸が揺り戻されたことによる逆転が生じていないか(図8を参照して後述する逆転判定ルーチンにおいてフラグfSTPCRKが1に設定されていないか)を判定する。クランク軸の逆転が生じていないと判定した場合はS23へ進む一方、この逆転が生じたと判定した場合はS23の処理を禁止するべくS25へ進む。
【0044】
S23では、クランク角センサ49の出力に基づいて検出されるエンジン1の停止位置CRACNTが、オーバーラップ期間に相当するクランク角位置(C1〜C2)の範囲に入っているか否かを判定する。この範囲に入っていると判定した場合(C1≦CRACNT≦C2)は、S24へ進み、それ以外の場合はS25へ進む。
【0045】
S24では、エンジン1がオーバーラップ期間で停止したことを示すべくフラグfTOPJDCに1を代入する。
S25では、エンジン1が未だ停止していないか、クランク軸の逆転が生じたか、あるいは(クランク軸の逆転が生じていない場合に)エンジン1の停止位置がオーバーラップ期間外であると判定した場合に、フラグfTOPJDCに0を代入する。
【0046】
次に、クランク軸の逆転判定ルーチン(図7のS22において読み込まれるフラグfSTPCRKの設定)について説明する。図8のフローチャートは、その一例の流れを示している。
S31では、エンジン停止指令があったか否かを判定する。例えば、モータジェネレータ2による低速走行が選択された場合や、車両ECU21からの指令としてのエンジントルクが0以下となった場合、あるいは燃料カット指令があった場合に、エンジン停止指令があったと判定する。エンジン停止指令があったと判定した場合はS32へ進み、それ以外の場合はS35ヘ進む。
【0047】
S32では、エンジン回転数NEが所定値LNLMTよりも低くなったか否かを判定する。LNLMTよりも低く、エンジン1が充分に減速したと判定した場合はS33へ進み、それ以外の場合はS35へ進む。
S33では、クランク角センサ49によりクランク軸が単位角(ここでは、10°)回転する毎に出力されるパルス信号(ポジション信号POS10)の発生周期TPOS10n が、前回算出された値TPOS10n-1 以下となったか否か(TPOS10n ≦TPOS10n-1 :nは今回算出されたものであることを示す。)を判定する。TPOS10n-1 以下となったと判定した場合はS34へ進み、それ以外の場合はS35へ進む。
【0048】
ここで、このような判定に加えて、前回算出されたポジション信号発生周期TPOS10n-1 が、その更に前に算出された値TPOS10n-2 よりも長いか否か(TPOS10n-1 >TPOS10n-2 )を判定し、TPOS10n ≦TPOS10n-1 であり、かつTPOS10n-1 >TPOS10n-2 である場合にのみS34へ進むようにしてもよい。これにより、ポジション信号発生周期の変化の変曲点を確実に検出することが可能となる。
【0049】
また、S33において、上記の処理の条件として、前回算出されたポジション信号発生周期TPOS10n-1 が、上死点を乗り越える際に要する時間に係るしきい値TPOSLMTよりも長いか否か(TPOS10n-1 >TPOSLMT)を判定してもよい。それは、クランク軸が正転方向に回転している場合であっても、上死点を乗り越えた際の回転変動によりポジション信号発生周期が短くなるからである。ここで、クランク軸の逆転による場合のものと、上死点の乗越えによるものとでは、逆転による方が長くなる。逆転は、クランク軸が一旦停止してから生じるためである。従って、TPOS10n-1 がTPOSLMTよりも長い場合にのみS34へ進み、それ以外の場合はS35へ進むようにすることで、上死点の乗越えに伴う逆転の誤判定を防止できる。
【0050】
なお、上死点を乗り越えたことは、クランク角位置CRACNTに基づいて上死点を検出することにより行うなど、他の手段によっても判定することが可能である。
S34では、クランク軸の逆転が生じたことを示すべくフラグfSTPCRKに1を代入する。
【0051】
S35では、エンジン1が運転中であるか、エンジン停止指令があったとしても未だ充分に減速していないか、あるいはポジション信号発生周期TPOS10が長くなりつつある場合に、フラグfSTPCRKに0を代入する。
次に、図9のタイムチャートを参照して、以上でフローチャートを参照して述べた制御(エンジン停止処理)に基づくエンジンコントローラ32の動作について説明する。
【0052】
図9は、クランク角センサ(ここでは、ホールIC式センサ)49により単位角毎に出力されるポジション信号POS10を計数して算出されるクランク角位置CRACNTと、このPOS10の発生周期TPOS10との時間変化を示している。
ポジション信号POS10は、クランク軸の回転位置を検出するためのポジションセンサにより出力されるものであり、クランク軸に取り付けられたシグナルプレートが10°回転する毎に出力される。このシグナルプレートには、クランク角基準位置を検出するために、6気筒エンジンでは120毎に歯欠部が設けられている。そして、クランク角位置CRACNTは、クランク角基準位置(ここでは、CRACNT=8)に基づいて0〜9の値に設定される。
【0053】
一方、ポジション信号発生周期TPOS10は、ポジション信号POS10の発生間隔をタイマーで計測することにより算出される。なお、クランク角センサとして、ポジションセンサのほかに、気筒判別のためのフェーズ信号PHASEを出力するセンサが設けられることは言うまでもない。
図9において、車両ECU21によりエンジン停止指令が発せられ、その後の時刻t0においてエンジン回転数NEが所定値LNLMTよりも低下したとする。ここで、ポジション信号発生周期TPOS10は、通常はエンジン1の減速とともに長くなる。従って、エンジン1がオーバラップ期間で停止したか否かは、次のポジション信号POS10が入力されるまでに所定時間以上が経過してエンジン1が停止したものと判断された時刻t2におけるクランク角位置CRACNT(図では、3)が、オーバーラップ期間のCRACNTに相当するか否かにより判定できる。
【0054】
一方、エンジン1が停止する前に、筒内ガスからの圧縮反力や重力によりクランク軸が揺り戻されると、クランク軸は一時的に加速して逆転するので、ポジション信号発生周期TPOS10が前回よりも短くなる(時刻t1)。従って、TPOS10に基づいてクランク軸の逆転判定を行うことができる。
ここで、クランク角位置CRACNTは、ポジション信号POS10が発生する毎に、クランク軸の回転方向によらずに単純にインクリメントされるのが一般的である。従って、クランク軸が逆転している場合であっても、POS10が発生すればインクリメントされる。このため、逆転が生じた場合は、最終的に算出されたCRACNTがオーバーラップ期間内のものであったとしても、実際にはクランク軸はその位置にないことになる。エンジンコントロールユニット32は、このような場合にエンジン1の停止位置判定を禁止し、オーバーラップ期間で停止したとの誤った判定を回避する。
【0055】
なお、本実施形態に係るクランク角センサ49のシグナルプレートには、所定間隔毎に歯欠部が設けられている。従って、クランク軸が正転方向に回転しているとしても、この歯欠部を検出した次にポジション信号POS10が発生した際に算出されるポジション信号発生周期TPOS10は、前回よりも短くなる。この場合の逆転の誤判定を防止するため、図8のS33の処理において、n=8のときは強制的にS35ヘ進ませるようにする。
【0056】
ここで、歯欠部のないシグナルプレートを使用すれば、このような誤判定防止のための措置をとる必要はない。この場合は、クランク角基準位置を検出するための手段を別に構成する。そのような手段は、例えば、気筒判別信号PHASEに基づいて上死点位置を検出し、この位置に基づいてクランク角基準位置を定めればよい。
【0057】
そして、エンジンコントローラ32は、エンジン1がオーバーラップ期間外で停止した後に、吸気マニホールド101内が大気圧となるまでマニホールド内空気量Cmの収支計算を継続し、その最終値を学習値として記憶する。次の始動に際して、エンジンコントローラ32は、記憶されているCmを初期値としてシリンダ吸入空気量Qcを測定する。
【0058】
一方、エンジン1がオーバーラップ期間で停止した場合は、エンジンコントローラ32は、マニホールド内空気量Cmの収支計算を停止する。これとともに、エンジンコントローラ32は、Cmの最終値を、以前にエンジン1がオーバーラップ期間外で停止した際に算出されたマニホールド内空気量(学習値)や、マニホールド内空気量の基準値に設定する。
【0059】
以上に述べたように、本実施形態に係るエンジンのシリンダ吸入空気量測定装置によれば、エンジン1がオーバーラップ期間で停止した次の始動に際して、マニホールド内空気量の初期値が以前にオーバーラップ期間外で停止したときに算出された学習値に設定される。このため、エンジン停止処理において排気系側からの逆流成分によりマニホールド内空気量Cmの最終値が誤差を含んで算出されることによる、次の始動時におけるエミッションの増加やトルクの不足を抑制できる。
【0060】
また、エンジン1が停止する際にクランク軸の逆転が生じた場合に、エンジンの停止位置判定を禁止することにより、オーバーラップ期間で停止したものとの誤判定を防止できる。クランク軸の逆転が生じたか否かは、ポジション信号発生周期TPOS10に基づいて容易に判定することが可能である。なお、逆転が生じた場合は、オーバーラップ期間よりも前の位置でクランク軸が停止するので、フラグfTOPJDCを0としても差し支えない。
【0061】
以上では、クランク軸の逆転判定に関して、エンジン停止指令がモータジェネレータ2による低速走行が選択された場合に発生される例について説明した。しかしながら、エンジン停止指令は、本発明が適用される制御システムに応じてこれとは異なる時期にも発生されることは言うまでもない。例えば、イグニッションスイッチがオフされたことをもってエンジン停止指令があったとしたり、あるいはアイドルストップを行う車両においては、所定のアイドルストップ判定(アイドルスイッチがオンされ、かつその時の車速が所定速度以下であること等)がされたことをもってエンジン停止指令があったとすることもできる。
【0062】
次に、図10のフローチャートを参照して、エンジン停止処理時における制御の更に別の例について説明する。なお、このフロチャートにおいて、図5〜8のフローチャートにおけると同じ処理を行うステップには、同じ符号を付している。
S41では、クランク軸の逆転が生じていないかを判定する。ここではまだエンジン1がある程度高い速度で回転しており、揺り戻されることはないので、S33へ進む。しかしながら、後にクランク軸が揺り戻され、後述するS34でフラグfSTPCRKが1に設定された後は、S43へ進む。
【0063】
S33においてポジション信号発生周期TPOS10が前回よりも長いと判定した場合は、S42へ進む。一方、これが前回と同じ長さであるか、あるいはそれよりも短いと判定した場合は、S34においてフラグfSTPCRKに1を代入した後、S43へ進む。
S42では、クランク軸が正転方向に回転しているので、クランク角位置CRACNTを1だけインクリメントする。
【0064】
一方、S43では、クランク軸が逆転方向に回転しているので、この場合であっても正確なクランク角位置CRACNTを検出するために、CRACNTを1だけデクリメントする。
S21においてエンジン1が未だ停止していないと判定されている間は、S46へ進んで、エンジンの停止位置判定のためのフラグfTOPJDCに0を代入する。
【0065】
S21においてエンジン1が停止したと判定した場合は、S44ヘ進んで、クランク軸の逆転判定のためのフラグfSTPCRKに0を代入し、このフラグをリセットする。
S23においてエンジンの停止位置がオーバーラップ期間内にあると判定された場合は、S24へ進んでエンジンの停止位置判定のためのフラグfTOPJDCに1を代入した後、S45へ進む。一方、停止位置がオーバラップ期間外であると判定した場合は、S25へ進んでフラグfTOPJDCに0を代入した後、S45へ進む。
【0066】
S45では、クランク角位置CRACNTをリセットする。
このように、本実施形態に係るエンジンのシリンダ吸入空気量測定装置によれば、エンジン1が停止する際にクランク軸の逆転が生じた場合に、クランク角位置CRACNTがデクリメントされる(図9のCRACNTb)。従って、逆転方向の回転変位を含めてクランク角位置を把握できるので、エンジンの停止位置を正確に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両の制御システム
【図2】エンジンのシリンダ吸入空気量を算出するためのパラメータ
【図3】オーバラップ期間の概念
【図4】吸気マニホールドに排気系側から空気が流入することの影響
【図5】エンジン停止処理の一例のフローチャート
【図6】同処理の他の例のフローチャート
【図7】エンジンの停止位置判定のフローチャート
【図8】クランク軸の逆転判定のフローチャート
【図9】エンジン停止時におけるクランク角位置CRACNT及びポジション信号発生周期TPOS10
【図10】エンジン停止処理の更に別の例のフローチャート
【符号の説明】
1…エンジン
2…モータジェネレータ
3…クラッチ
4…変速機
5…ディファレンシャル・ギア
6…駆動輪
7…車輪駆動軸
8…モータジェネレータ
21…電子制御ユニット
48…エアフローメータ
101…吸気マニホールド
102…シリンダ
103…吸気弁
104…排気弁
105…スロットル弁
Claims (9)
- シリンダに吸入される空気量を測定するエンジンのシリンダ吸入空気量測定装置であって、
吸気弁と排気弁とがともに開かれるオーバーラップ期間が設けられたエンジンに備えられるものにおいて、
吸気系に吸入される空気量を検出する吸入空気量検出手段と、
該手段により検出された空気量に基づいて吸気マニホールド内の空気量を、該マニホールドにおける空気の流入出量の収支計算を行って算出するマニホールド内空気量算出手段と、
該手段により算出された空気量に基づいてシリンダに吸入される空気量を算出するシリンダ吸入空気量算出手段と、
エンジンの停止位置が前記オーバーラップ期間内であるか否かを判定するエンジン停止位置判定手段と、を含んで構成され、
前記マニホールド内空気量算出手段は、前記エンジン停止位置判定手段によりエンジンの停止位置がオーバーラップ期間内であると判定された次の始動に際して、吸気マニホールド内の空気量に係る初期値を、直前の停止時以前に記憶された所定量に設定することを特徴とするエンジンのシリンダ吸入空気量測定装置。 - 前記所定量は、直前に停止した際に吸気マニホールド内が大気圧となるまで収支計算を行った場合に算出される最終空気量よりも大きい請求項1に記載のエンジンのシリンダ吸入空気量測定装置。
- 前記所定量は、直前の停止時以前にエンジンがオーバーラップ期間外で停止した際に算出された最終空気量である請求項1又は2に記載のエンジンのシリンダ吸入空気量測定装置。
- 前記所定量は、エンジンが通常の走行環境における大気条件のもとで停止している場合に吸気マニホールド内に充填される空気量である請求項1又は2に記載のエンジンのシリンダ吸入空気量測定装置。
- クランク軸の回転位置を検出する回転位置検出手段を備え、前記エンジン停止位置判定手段は、検出された回転位置に基づいてエンジンの停止位置がオーバーラップ期間内であるか否かを判定する請求項1〜4のいずれか1つに記載のエンジンのシリンダ吸入空気量測定装置。
- 前記回転位置検出手段がクランク軸の回転角変位量を積算してその回転位置を検出する場合に、クランク軸の逆転を検出する逆転検出手段と、該手段によりクランク軸の逆転が検出されたときに、前記エンジン停止位置判定手段による判定を禁止する停止位置判定禁止手段とを備える請求項5に記載のエンジンのシリンダ吸入空気量測定装置。
- 前記逆転検出手段は、エンジンを停止させる際に、クランク軸が単位角だけ回転するのに要した時間が1つ前の単位角について要した時間と等しいか、あるいはこれよりも短くなったときにクランク軸の逆転を検出する請求項6に記載のエンジンのシリンダ吸入空気量測定装置。
- 前記逆転検出手段は、クランク角が単位角だけ回転するのに要した時間をTPOS10nとし、その1つ前の単位角について要した時間をTPOS10n−1とし、その更に前の単位角について要した時間をTPOS10n−2とすると;TPOS10n≦TPOS10n−1、かつ
TPOS10n−1>TPOS10n−2であるときにクランク軸の逆転を検出する請求項7に記載のエンジンのシリンダ吸入空気量測定装置。 - 前記逆転検出手段は、前記1つ前の単位角について要した時間が上死点を乗り越える際に要する時間に係るしきい値としての所定時間よりも長いときにのみ、クランク軸の逆転を検出する請求項6〜8のいずれか1つに記載のエンジンのシリンダ吸入空気量測定装置。
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